台本概要

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タイトル Dead eclipsE《死蝕》前編
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル ファンタジー
演者人数 8人用台本(男4、女4)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 モブ一覧↓↓↓↓
兵士 不問 7
兵士1 不問 8
兵士2 不問 6
兵士3 不問 5
ゴドウィン 男 8
大臣 男 11
侍女 女 3
マスター 男 7
レオニード 男 4
   兵士A 不問 2
兵士B     不問2
悪鬼 不問 7
ガルダウイング 不問 9
ファティーマ 女 5
ゴブリンキング 不問 2
お爺さん 男 3
ラドム 男 2
敵兵 不問 1
N 不問 1


やりたい人は勝手にどうぞ。計画無しでやると◯ねますよ。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ユーリ 31 20歳。正義感が強いが、少し無鉄砲。トーマスとは仲良い。エレンを好いているが、悉く躱されてしまう。武器は長剣。
トーマス 16 22歳。思慮深く、真面目。面倒見がよい。ユーリとは昔から仲良い。武器は槍。
ハリード 50 33歳。現金主義、情報通、仕切りたがり、クールを装う情熱家。別名、砂漠の竜巻、トルネード。武器は曲刀。
ラミエル 55 27歳。ロドアーヌ侯爵。冷静沈着、完璧主義者。妹モニカを宝物のように扱う。武器は槍。
カタリナ 48 24歳。真面目で一途。意思が強い。ラミエルを密かに想っている。武器は大剣。マスカレイドを大事そうに持っている。
モニカ 35 19歳。優しいが芯は強い。兄ラミエルとは仲睦まじい。武器は小剣。
サラ 12 16歳。内気。引っ込み思案。姉エレンを慕っている。武器は弓。
エレン 20 20歳。勝ち気で男勝り。妹サラを気遣う。武器は斧。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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N:【‥死蝕‥300年に一度、死の星が太陽を覆い隠す。その時、すべての新しい生命が失われる。人も獣も草花もモンスターでさえもその運命を逃れることは出来ない。だが、ある時一人の赤ん坊が生き残った。死に魅入られ死の定めを負ったその子は長じて魔王となり世界を支配した。魔王はアビスへのゲートを開きアビスの魔貴族達をも支配した。しかし、ある日魔王は突然いずこかへ消えた。魔王が消えた後、世界は邪悪な四魔貴族に支配された。300年後、またも死蝕は世界を襲い一人の赤ん坊を残した。その子は死の魅惑に耐え死の定めを退け長じて聖王となった。聖王は多くの仲間に支えられ、四魔貴族をアビスへと追い返しアビスゲートを閉ざした。そして今から十数年前、聖王の時代から300年後が経過したある日。やはり死蝕は世界を蝕んだ。世界中の人々もアビスの魔物どもも、新たな運命の子の出現を不安と期待を持って見守った。魔王か聖王かそれとも‥‥】                                     0:~~~~本編~~~~ 0:《オープニング・1(勇将)ロドアーヌ候ラミエルはモンスター討伐の遠征中であった。ここは、その宿営地‥‥》 兵士:「異常ありません!」 ラミエル:「そうか、わかった。モンスターは稲光を嫌う。今夜は警戒を軽くしても良かろう。見張りの数は最低にして、できるだけ休め。」 兵士:「はっ!」 ラミエル:「嵐か…」 0:《オープニング・2(二人の皇族)》 モニカ:「嫌な天気だわ…お兄様は大丈夫かしら。王座の間から声がしたような‥‥だれかいるの?」 ゴドウィン:「今夜、決行しよう。」 大臣:「ええ、こんなチャンスは2度とありません。」 ゴドウィン:「ラミエルはわずかな兵と出陣している。このロドアーヌの町を押さえてしまえば、ラミエルも手の打ち様がない。そこでラミエルに代わって、この私がロドアーヌ候になる。」 大臣:「その時には私のことをお忘れなく、ゴドウィン男爵、いやロドアーヌ候ゴドウィン閣下。」 ゴドウィン:「ハハハハハハッ。」 大臣:「イヒヒヒヒヒッ。」 ゴドウィン:「もう一つ、モニカを捕らえておくように。念には念を入れねば。」 大臣:「わかりました。いざというときの切りふだですな。」 モニカ:「カタリナ、大変なの!」 カタリナ:「どうしました、モニカ様?」 モニカ:「それが、ゴドウィン男爵と大臣が… 」 カタリナ:「では私がラミエル様の所へ知らせに走りましょう。」 モニカ:「待って、私が自分で行きます。危険なのはわかっているわ。でも、このままここにいては男爵に捕われてしまうし、一石二鳥の手でしょう。あなたはここで、私がいなくなったのを気づかれないようにして。できるだけ長い間ね。」 カタリナ:「わかりました。」 モニカ:「カタリナ‥‥お兄様が戻っていらっしゃれば、すべて解決するわ。」 カタリナ:「モニカ様もお気をつけて。無事にラミエル様の陣営までたどり着いてください。」 カタリナ:「モニカ様‥‥」 0:《オープニング・3(分身)》 カタリナ:「さて、まずモニカ様の替え玉を用意しなくては。」 侍女:「何でしょう?カタリナ様。」 カタリナ:「これを着て、このベッドに寝なさい。」 侍女:「そ、そんな!これはモニカ様のお寝間着にベッド。そんな大それたことを…」 カタリナ:「いいから、早くしなさい!声を出さないようにね。」 侍女:「は‥」 0:突然の訪問。 カタリナ:「これは大臣殿、何か御用でしょうか?」 大臣:「モニカ様はどうしておられるかな?」 カタリナ:「今日はお疲れの御様子、たった今お休みになられました。」 大臣:「そうか、そうか。明日までゆっくりお休みになるのがよろしかろう。」 0:<モニカの部屋・戸棚前> カタリナ:「(捕まったら装備を奪われてしまうわ。今のうちに隠しておいた方がいいわね。ここなら、いろいろ隠せそうね。)」 カタリナ:「他も見てみようかしら。」 0:三つの選択肢から選んで下さい。内容は変わりません。 0:<兵士のいる部屋・兵士から見える場所> カタリナ:「ここなら、いろいろ隠せそうね。でも、ここは人が見てるわ。」 0:<部屋の中の人が寝ている・兵士がいない> カタリナ:「ここなら、いろいろ隠せそうね。今の内に…」 0:<台所の手前のツボにアイテムを隠す> カタリナ:「このツボはピクルスでいっぱいだわ。」 カタリナ:「もし捕まった時、どの牢屋に入れられるのか、事前にチェックしておきましょう。」 0:<城内> 兵士:「ご苦労さまです!」 0:<鍵のかかった扉> カタリナ:「(カギがかかっているわね。)」 0:<玉座> カタリナ:「(ラミエル様の玉座‥‥恐れ多い。)」 0:<牢屋・机の上> カタリナ:「(牢のカギか…何かの役に立つかもね。)」 0:<中に人のいる牢屋> カタリナ:「(中にいるわね。)」 0:<中に人のいない牢屋> カタリナ:「(ここは空ね。捕まったらきっとここに入れられるわ。中にカギを隠しておこう。)」 カタリナ:「後は、いつ連中が動き出すかね。」 0:<モニカの部屋> カタリナ:「(さて、どうしようかしら?…誰か来るわね!)」 カタリナ:「何ですか、お前達は!」 大臣:「おとなしくしてもらおう、カタリナ。モニカ様は我々が預からせてもらう。」 カタリナ:「無礼ですよ、大臣。このようなことがラミエル様に知れればただでは済みませんよ。」 大臣:「ラミエル様?今日からはゴドウィン様がこの城の主だ。お前もゴドウィン様に逆らうと、命がないぞ。」 カタリナ:「そういうこと‥‥それにしても、このカタリナをずいぶん見くびってくれたわね。たった4人で私をどうにか出来るつもりなの?覚悟しなさい!」 大臣:「モ、モニカ様がどうなってもいいのかカタリナ!」 カタリナ:「くっ。モニカ様に指一本触れないと誓うなら、おとなしくするわ。」 大臣:「わかった、わかった。この部屋を見張るだけでよかろう。どうせ逃げ道はない。おい、そこの者!カタリナの武器を取り上げろ。」 カタリナ:「や、どこ触ってるの!」 兵士:「す、すみません。」 大臣:「牢へ連れていけ!」 0:<牢屋> カタリナ:「(…予想通りだわ。予め隠しておいた鍵でいつでも出られるわね。念の為、ラミエル様がお戻りになるまで待ちましょう。)」 0:《オープニング・4(開拓者)》 ユーリ:「異常なし!ってところかな。」 エレン:「雷も鳴りだしたし、今夜は安心ね。」 サラ:「どうして雷が鳴ると、モンスターが来ないの?」 トーマス:「稲光が嫌いなモンスターが多いんだ ゴブリンみたいに。」 エレン:「サラと同じね。」 ユーリ・トーマス・エレン:「ははははははっ!」 ユーリ:「降り出す前に、引き上げようぜ。」 0:《オープニング・5(出会い)》 0:馬に跨る。 モニカ:「どうしたの、走って!お願い、走って!!」 0:《オープニング・6(砂漠の剣聖)》 ハリード:「おやじ、なかなかいい味だな。」 マスター:「へへっ、自家製の特別品ですよ。お客さん、このあたりの人じゃないですね。かといって、開拓に来たようにも見えないし。」 ハリード:「ああ、開拓者じゃない。たまたま、こっちのほうに足が向いたんだ。」 マスター:「旅暮らしか~いいですね~。ナジュ砂漠の方からいらしたんですか?」 ハリード:「砂漠か…もう何年も目にしてないな‥」 0:回想。 ハリード:「姫、姫!どこにいるのだ?姫~ 姫ひめ、ひ~め…ヒメ!姫さま~!!もしや、姫の身に何か…。」 ファティーマ:「ハリード!」 ハリード:「姫、ご無事でしたか。」 ファティーマ:「もちろんよ。それより、姫はやめて、エル・ヌール。」 ハリード:「しかし、姫様は姫です。」 ファティーマ:「あなたらしい返事ね、エル・ヌール。明日には、ここを離れるのね。」 ハリード:「ええ。アクバー峠を越え、リブロフへ。」 ファティーマ:「また戦なのね。殿方は、いくさ場のあなたをすばらしいと誉めるわ。力強く、そして美しいと。でも私は、いつものあなたの優しさも好き。」 ハリード:「姫…」 ファティーマ:「姫はやめてと言ったでしょう。ファティーマと呼んで、エル・ヌール!!」 0:《オープニング・7(出会い)》 マスター:「見回りご苦労さん。」 ユーリ:「とうとう降り出したぜ。この嵐じゃ、ゴブリンも夜遊びには出かけられないな。トム、エレンと話がしたいんだけど。」 トーマス:「エレンなら外で空気を吸っているよ。サラ、ちょっと手伝って。何か食べるものを作るから。マスター、キッチン使うよ。」 0:<キッチン> サラ:「トムってほんと何でもできるよねー。」 トーマス:「ベント家の伝統でね、男は戦い方からメシの作り方まで一通りのことはこなせるようにしこまれるんだ。オレもお爺様にきびしく仕付けられたよ。」 サラ:「あの恐いおじいさんね。あっ、ごめんさない。私ったら…。」 トーマス:「いいんだよ。本当に恐いからね。」 0:<外> ユーリ:「なあエレン、ヤーマスからの船がミュルスの港に着いたそうだぜ。」 エレン:「そうなんだ。それで?」 ユーリ:「いろんな物がロドアーヌまで運ばれて来てるんだ。一緒に見に行かないか?何か買うのもいいし。」 エレン:「一緒に行くのは構わないけど。でもねユーリ、あたしはね、あんたと恋人とか、そういうのにはなれないと思うんだ。子供の頃から知り過ぎてるよ。そりゃ、昔はお嫁さんごっこもやったけどね。」 0:話していると一人の少女が… モニカ:「馬を‥かして…お願い‥」 ユーリ:「大丈夫か?!こんな嵐の夜に一体どうしたんだ?」 マスター:「馬ならあるよ、娘さん。」 ハリード:「関わり合いにならん方が、いいと思うぞ。その人はロドアーヌ侯ラミエルの妹、モニカ姫だ。こんな田舎村にずぶ濡れでやって来るとはただ事じゃあない。面倒に巻きこまれるのがオチだぜ。」 ユーリ:「モニカ姫!ラミエル様の妹!!それじゃあ、なおさら助けなきゃ。モニカ様一体何があったのですか?」 モニカ:「お兄様に、ラミエルお兄様にお知らせしなければならないことが‥早く…。」 ユーリ:「マスター、馬を出してくれ。」 マスター:「こんな夜中にモンスターのいる森を突っ切ろうって言うのか、危険すぎる。」 ユーリ:「何だか急ぎのようだ。今行くしかないだろう。」 エレン:「マスターの言うとおり一人じゃ危険だよ。あたしも行くよ。」 ハリード:「ふーっ。」 エレン:「おっさん、あんた口は達者だけどその曲刀は、ただの飾りかい?」 ハリード:「先代のロドアーヌ侯フランツが死んでからまだ3か月だ。ラミエルが後を継ぐと決まった時にも、ごたごたがあったようだ。怪しいと思わんか。侯爵位を狙ってる奴がいるんだよ。そして、ラミエルがロドアーヌを留守にしている今こそ奴らが事を起こす絶好の機会なわけだ。ラミエルが侯爵でなくなれば、モニカ様を助けても1オーラムの儲けにもならん。それに、モニカ様、あんた今、金持ってないだろう?オレは前金じゃなきゃ仕事はしない主義なんだ。」 ユーリ:「先代のフランツ様も今のラミエル様も、俺達開拓者のためにモンスターどもと戦ってくれてる。どういう事情だろうとオレは行くぜ。」 マスター:「お客さん、ずいぶん腕が立ちそうじゃないですか。ここにも金はありませんが、馬ならあります。これでモニカ様を助けていただけませんか?」 ハリード:「馬か‥良かろう。で、一緒に行くのは、そこの兄ちゃんとねえちゃんか?」 トーマス:「ユーリ、オレも行こう。」 ユーリ:「トム!そう言ってくれると思ったよ。」 サラ:「お姉ちゃん、私も行くわ。」 エレン:「あんたはいいのよ。家に帰ってなさい。」 ユーリ:「エレン、サラを除け者にしなくてもいいだろう。」 エレン:「除け者になんかしてないでしょう!あたしはサラが心配なだけよ。」 ハリード:「どうでもいいが、さっさと決めろよ。」 トーマス:「この4人で行くよ。」 エレン:「トーマス!」 ハリード:「メンバーは決まったわけだ。まあ、この曲刀カムシーンの名にかけて無事に送り届けてやるさ。」 マスター:「曲刀カムシーン!お客さん、あんたあの有名な砂漠の竜巻、トルネードかい!」 ハリード:「オレをそう呼ぶ奴もいるな。オレの名はハリードだ。」 ユーリ:「ユーリ・ノールだ。」 エレン:「エレンよ。エレン・カーソン。」 サラ:「妹のサラです。」 トーマス:「トーマス、トーマス・ベントだ。」 モニカ:「モニカと申します。」 ハリード:「これはご丁寧に、モニカ姫。まずは、一眠りだ。起きたら、腹ごしらえをして夜明け前に出発だ。」 モニカ:「待ってください。すぐに出発しましょう。」 ハリード:「だめだ、モニカ様。あんたの様子じゃ、出発して10分と持たない。さあ、休んだ休んだ!」 0:《オープニング・8(強敵ガルダウイング)》 ハリード:「こいつは!」 トーマス:「何故、こんなところに?」 エレン:「来るよ!」 サラ:「ユーリ、大丈夫?」 ユーリ:「ああ!」 ガルダウイング:「キシャー!!」 トーマス:「はぁー、はぁ、はぁーあ!三段突きっ!」 ガルダウイング:「キシャー!!(ウインドカッター)」 ユーリ:「トム、危ない!…せぇー!十文字斬り!」 ガルダウイング:「グギャアー!?」 エレン:「効いてるみたいね。重いのいくよ!ヘビークラッシュ!!」 モニカ:「エレンさん、伏せてください!」 ガルダウイング:「キシャーァア!!(滅びの風)」 エレン:「きゃあああ!!」 ユーリ:「エレン!」 ハリード:「騒ぐな。これは、見破れるか?分身剣!!」 ガルダウイング:「グギャアア!?」 サラ:「お姉ちゃんをよくも!てぇいー!!影縫い!」 ガルダウイング:「…」 ユーリ:「サラ、ナイス!麻痺したみたいだ。」 エレン:「やってくれたわね!たっぷりお返してあげる…ブレードロール!!」 ガルダウイング:「…」 モニカ:「皆さんの足を引っ張りたくない。私にだって!!…はぁああ!ローズフルーレ!」 ガルダウイング:「グギャアア!?」 ハリード:「おまえら、止めはもらう。…天地二段!はぁーあ!ふん!」 ガルダウイング:「グギヤァアアア!!」 ユーリ:「やるな!さすが、トルネード。」 ハリード:「その名は小っ恥ずかしい。」 モニカ:「お見事です!」 ハリード:「ふん、報酬の為だ。」 エレン:「見直したよ、おっさん。」 ハリード:「おっさんだと?敬意を払え。」 トーマス:「ハリード、これからも背中は任せたよ。」 ハリード:「は?自分で守れ。」 サラ:「かっこよかった。」 ハリード:「…いくぞ。」 0:<ガルダウイング戦後> ハリード:「(ガルダウイングがこんな所に‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当かもな‥‥)」 サラ・エレン・モニカ:「(このあたりであんなモンスターが出るなんて‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当かしら‥‥)」 ユーリ・トーマス:「(このあたりであんなモンスターが出るとは‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当なのか‥‥)」 0:《オープニング・9(悲報)》 0:<宿営地> 兵士:「ラミエル様、モニカ様がいらっしゃいました!」 ラミエル:「モニカが!?よし、通せ。」 0:<陣営> ラミエル:「モニカ、一体どうしたのだ?こんな所までやって来るとは?」 モニカ:「お兄様、大変なのです。ゴドウィン男爵と大臣が反乱を!」 ラミエル:「そうか…それをわざわざお前が知らせに来てくれたのか。後ろの者たちは?」 モニカ:「私をシノンの村からここまで護衛してくださったのです。」 ラミエル:「我が妹を助けてくれたことに感謝するぞ。今は遠征中であるから、大した礼はできぬ。ロドアーヌに戻ってから十分な恩賞をとらせよう。すぐにロドアーヌへ向けて出発せねばならん。ゴドウィンとは一戦交えることになる。お前が一緒に来るのは危険だ。そうだな…お前達、もうひと仕事してもらえぬか?モニカを北のポドールイまで送り届けてくれ。」 ユーリ:「ポドールイ‥‥あのヴァンパイア伯爵の所へですか!」 ラミエル:「そうだ。レオニード伯爵は信用できる。下手な人間よりもだ。モニカ、よいな?」 モニカ:「お兄様のお言いつけならば、喜んで。」 ラミエル:「もちろん、モニカが吸血鬼になられては困る。十分注意してくれ。では出発の準備をするように。」 ラミエル:「ま、待て!お前、トルネードではないか?」 ハリード:「オレをそう呼ぶ奴もいるな。」 ラミエル:「これは良いところに現れた。トルネードよ、お前は私とロドアーヌへ来てくれ。モニカの護衛は、その4人で良い。」 ハリード:「出すものを出してくれれば、オレは構わんぜ。」 ラミエル:「こんな所で貴重な戦力が手に入るとは、世の中何があるかわからんものだな。ロドアーヌへ戻ったら、すぐに迎えの者を送る。頼んだぞ。」 ラミエル:「使えそうな物を持ち物に入れておいた。装備してみるといい。モニカを頼むぞ。」 ハリード:「大丈夫。お前達ならやれるさ。」 モニカ:「お兄様、お気を付けて。」 ラミエル:「モニカ、ロドアーヌで会おう。」 モニカ:「(御武運をお祈りしております、お兄様。)」 ユーリ:「(オレ達だけで、モニカ様を守りきれるか‥‥)」 モニカ:「よろしくお願いします。ユーリ様。」 ユーリ:「(やるしかないよな、やるしか。)行くぞー!!」 ユーリ:「オレ達だけでやれるかなトーマス‥」 トーマス:「めずらしく弱気だな。大丈夫さ。ポドールイまでは、遠いけど道も楽だしモンスターも少ない。自信持てよ。」 ユーリ:「わかったよ、トム。」 トーマス:「(とは言ったものの‥)」 エレン:「(大変なことになっちゃったわね)行くわよ、サラ。」 サラ:「(人生が変わっていく瞬間を感じる。もう昨日までの私じゃない!)」 エレン:「行くわよ、サラ!」 サラ:「ハーイ!!」 ハリード:「もう少し護衛を付けてやったらどうだ?」 ラミエル:「予定外なのだ。」 ハリード:「えっ。」 ラミエル:「ゴドウィンが父の生前から陰謀を企んでいるのはわかっていた。反乱を起こさせておいて、奴らの一味を一気に片付ける。」 ハリード:「計画どおりというわけか。恐ろしい人だ。だが、妹が知らせにきたのは計算外と。」 ラミエル:「男爵に勝てる最低限の兵しか連れてきていない。そうでなければ奴は反乱を起こさない。これ以上、一兵たりとも減らすわけにはいかんのだ。」 ハリード:「しかし、妹の身に何かあったらどうする?」 ラミエル:「私が死ねば、あれも生きてはおられぬ身よ。」 0:《オープニング・10(作戦概要)》 兵士1:「敵は2つの部隊に分かれております。本隊をゴドウィン男爵自らが率いており、前衛部隊の指揮官はラドム将軍です。」 兵士2:「ラドム将軍までもがゴドウィンと…」 兵士3:「仕方あるまい、ラドムの妻は男爵の娘だ。」 ハリード:「そのラドムってのは、いい将軍なのか?」 ラミエル:「ああ。曲がったことが嫌いな男で部下にも好かれている。しかし、ラドムが相手となると苦しい戦いになるな。」 兵士1:「申し上げます。ゴブリンの群れが領内に侵入してきました。ゴドウィン男爵が誘いこんだようです。」 兵士2:「ゴドウィンめ、モンスターと手を結ぶとは!」 ラミエル:「ゴブリンどもを蹴散らすぞ。」 兵士3:「殿!!それではゴドウィンとの決戦に差しつかえます。」 ラミエル:「私はロドアーヌ候だ。この地を護らねばならん。」 ハリード:「新しいロドアーヌ候が名君だという噂は聞いていたが事実らしいな。」 ラミエル:「ハリード、お前は命を張る必要はない。ご苦労だった。」 ハリード:「冗談じゃないぜ、ここからが稼ぎ所だ。」 ラミエル:「ふっ、ならばアビスの底まで付いて来い!」 ハリード:「オレに戦いの先陣をまかせてくれないか?」 ラミエル:「私の指揮では不安か?」 ハリード:「いや、戦場であんたにもしもの事があったら、モニカ姫が可哀想だからな。後ろの方で見物しててくれ。オレの命を皆に預ける。この異国の者に命を預けてくれるか?」 兵士1:「猛将トルネードと共に戦場に立てるとは望外の喜びだ。」 兵士2:「名誉なことだ。」 兵士3:「共に敵を打ち破ろうぞ!」 0:うおー!!兵士達が雄叫びを上げる。 0:《オープニング・11(ラミエル軍VSゴブリン軍)》 兵士1:「御命令を!」 兵士2:「敵はゴブリン軍団です。ゴブリンは4000、我が軍は2000です。敵を撃破してください。」 ゴブリンキング:「ゴブリン軍団っ!全軍出撃!!」 兵士3:「戦況報告!敵後方に騎馬隊2000騎が出現!騎馬隊の奇襲!」 兵士1:「伝令!「ワレラゴブリンニミカタスルモノイッペイモナシ、ラドム。」 ラミエル:「全軍、駆けよ!」 兵士2:「うおおー!」 兵士3:「勝利は目前だ!」 ラミエル:「終いだ…せぁ!」 ゴブリンキング:「ガフッ!ゴブリン王国バンザーイ!!」 0:指揮官戦闘不能。 兵士1:「報告します。ラミエル様!敵軍が後退していきます。我が軍の勝利です!!」 ラミエル:「ハリード、次だ。」 ハリード:「ああ。」 0:《オープニング・12(吸血王子)》 0:ポドールイ・吸血館。 レオニード「ようこそ、モニカ姫。噂どおり、いや、噂以上に美しい方だ。あなたの祖先であるヒルダ以上に美しい。ご挨拶が遅れましたな。私がこの城の主、レオニード。」 モニカ:「初めまして伯爵、ロドアーヌ侯ラミルの妹、モニカでございます。どうして私達が参るのをご存じだったのですか?」 レオニード:「ポドールイには何の楽しみもありません。外の出来事が気になって、いろいろと噂話などを集めてしまうのです。」 モニカ:「では、今回兄の身に降りかかった事件も聞いておいででしょう。伯爵の御援助を、なにとぞよしなに。」 レオニード:「わかっております。しかし、ラミエル侯には私の援助など必要ではありませんよ。モニカ姫は何も心配なさらずにこの城でくつろいでいただきたい。それでは、お部屋の方へ案内させましょう。1つ御注意申し上げておきます。この城にはあちこち危険な所がございます。お気を付けください、なにせ吸血鬼の城ですからな。」 モニカ:「私はこちらのお部屋のようですね。皆さま、お休みなさいませ。」 ユーリ:「オレ達はこっちの部屋みたいですね。お休みなさい、モニカ様。」 エレン:「やな感じね。」 サラ:「こわい‥‥。」 ユーリ:「物音?だれだ!」 モニカ:「私です、モニカです。」 ユーリ:「モニカ様、どうしました?」 モニカ:「いえ、別に‥‥こちらで休ませていただけますか?」 サラ「モニカ様もこわいの?」 トーマス「私とユーリが見張りをします。ゆっくり休んでください。」 0:ノック。 レオニード:「退屈しておいでのようですな。町の北に財宝の隠された洞窟があります。皆さんの退屈しのぎには丁度よいでしょう。私にとって財宝など何の意味もありませんから、好きにしていただいて結構です。」 0:《オープニング・13(説得)》 ラドム:「本来ならばラミエル様の下に真っ先にかけつけねばならない立場ながら、義父ゴドウィンの陣営に参加しておりましたのは万死に値します。」 ラミエル:「ラドムよ、よく我が軍に加わってくれた。お前のおかげでゴブリンどもを蹴散らすことが出来た。礼を言うぞ。今後も国のために働いてくれ。」 ラドム:「もったいないお言葉。このラドム、必ずや、今日の償いをいたします。」 兵士1:「ラミエル様、御命令を!」 兵士2:「敵はゴドウィン男爵の旗本です。敵は4000、我が軍も4000です。敵を撃破してください。」 ゴドウィン:「波状盾の陣っ!全軍出撃!!」 兵士A:「狙うはラミエル大将の首!」 ゴドウィン:「前ニ列交代っ!!」 兵士B:「はっ!」 ハリード:「甘い。」 兵士A:「き、貴様はトルネード!」 兵士B:「ゴドウィン様、お逃げ下さい!」 ゴドウィン:「な、何だと!?」 ラミエル:「逆賊ゴドウィン覚悟っ!せぁっ!!」 ゴドウィン:「グフッ‥‥‥無念なり!…なんてな!きょ、今日はこのくらいで勘弁してやらう!クク、ハハハハ!」 0:指揮官戦闘不能。 兵士1:指揮官を失った敵兵達の行動は‥全軍退却‥‥我々の勝利です!!」 0:《オープニング・14(吉報)》 レオニード:「たった今、ラミエル候がゴドウィンの軍を打ち破ったと知らせがありました。すぐに出発なさいませ。ロドアーヌに着くころには、ラミエル候がロドアーヌを取り戻しているでしょう。」 0:《オープニング・15(追撃戦)》 0:<ロドアーヌ> ラミエル:「目指すはゴドウィン男爵ただ一人だ。いくぞ!」 0:<城下町> 兵士:「ウォー、大将はどこだ!」 敵兵:「ヒー、助けてくれ~」 0:<城内> カタリナ:「ラミエル様!!」 ラミエル:「カタリナ!無事か?!」 カタリナ:「はい、大丈夫です‥‥そのお方は?」 ラミエル:「この男か?あのトルネードだ。」 ハリード:「ハリードだ。よろしくな。」 カタリナ:「それは心強い味方ですわね。ゴドウィン男爵はおそらく、この玉座の間に!」 ラミエル:「よし、行くぞ!」 悪鬼:「来たか、ロドアーヌ候。生憎だがゴドウィンはとっくに逃げ出したぞ。全く役立たずめが。」 ラミエル:「やはり、そうか。お前達が男爵を操っていた黒幕か。目的は?お前達のボスは何者だ?いや、答える前に、まずそこからどいてもらおう。ロドアーヌの栄光ある玉座を穢すことは許さん!」 悪鬼:「この玉座、聖王の重臣フェルディナントが誂えた物だな。なかなか座り心地がいい。オレは、ここを退く気もないし問いに答えるつもりもない。お前の力でオレを動かすことが出来るかな?」 カタリナ:「ラミエル様になんて口をっ!」 ラミエル:「よい、カタリナ。」 ハリード:「さっさと片付けるぞ。」 悪鬼:「貴様らが束になってこようと結果は変わらん!ジワジワ、吸い尽くしてやるよ。毒霧!」 ハリード:「ぐはぁ!」 カタリナ:「うっ…!」 ラミエル:「…私に小細工は通用せん。この程度の技で倒れてくれるなよ?ジャベリン!」 悪鬼:「ぐほぁ!?なんで効かない?!」 カタリナ:「ラミエル様…申し訳ありません。」 ラミエル:「カタリナ、よい。私一人で十分だ。」 ハリード:「すまん、油断した。片目は開きそうだ。」 悪鬼:「隙あり。ラミエル、死ねぇい!!」 ハリード:「させん!とぉりゃー!デミルーン!!」 ラミエル:「トルネードの異名は伊達ではないな。」 悪鬼:「ぐぁは!?ぜぇ、ぜぇ…串刺しにしてらぁ!!」 ハリード:「ラミエル!」 ラミエル:「計算の内だ。…黒煙槍!!」 悪鬼:「ぐほぉあ!!ラミエル…恐るべし…。」 カタリナ:「さすがです。」 ラミエル:「大丈夫か?カタリナ。」 ハリード:「ふっ。」 カタリナ:「はい!ロドアーヌ奪還おめでとうございます。」 ラミエル:「みなの活躍あってだ。礼を言おう。」 0:《オープニング・16(奪還)》 ラミエル:「この難局を乗り切ることが出来たのも多くの者たちのおかげである。特に、ハリード、トーマス、ユーリ、エレン、サラ。お前達は私の家臣でもないのに良く働いてくれた。」 モニカ:「ハリード様、有難うございます。」 ハリード:「金のためだ。別に感謝してもらう必要はないぜ。」 モニカ:「トーマス様、有難うございます。」 トーマス:「もったいないお言葉です。」 モニカ:「ユーリ様、有難うございます。」 ユーリ:「自分が正しいと思うことをやれって、おやじがいつも‥別に、そんな‥‥」 モニカ:「エレン様有難うございます。」 エレン:「モニカ様と旅をしたの結構楽しかったよ。」 モニカ:「サラ様、有難うございます。」 サラ:「‥‥いえ‥‥」 モニカ:「カタリナ有難う。」 カタリナ:「モニカ様の勇気がゴドウィンの野望を打ち砕いたのですよ。」 ラミエル:「十分な恩賞を与えよう。」 ハリード:「まあ、当然だな。」 モニカ:「ハリード様ったら!」 0:《オープニング・17(マスカレイド)》 0:数日後… カタリナ:「(やっと落ち着いたわね‥‥) だれ!?ラミエル様!」 ラミエル:「ご苦労だったな、カタリナ。」 カタリナ:「いえ、私は何も。」 ラミエル:「お前のことを心配していたのだ。」 カタリナ:「モニカ様のボディーガードに過ぎない私を心配してくださるとは、もったいないお言葉です。」 ラミエル:「そうではない。カタリナという一人の女性の心配をしていたのだ。」 カタリナ:「ラミエル‥さ‥ま‥‥‥うれしい。」 ラミエル:「カタリナ、マスカレイドはあるか?」 カタリナ:「はい、ここに。」 ラミエル:「ロドアーヌ侯家に伝わる聖王遣物マスカレイド。オレが欲しかったのはこれだ。」 カタリナ:「何をおっしゃっているのですか? まさか、お前は!」 ラミエル:「今頃気づいたか!オレの変身能力は見破れなかったようだなカタリナ!!マスカレイドは頂いた。さらば!!」 カタリナ:「待て!!」 0:《オープニング・18(出立)》 ラミエル:「ハリード、これからどうする?」 ハリード:「何をするっていうアテもないんだが、ランスにある聖王の墓でも見に行ってみようかと思ってる。じゃあな、妹を大事にしろよ。モニカ姫、お元気で。」 モニカ:「カタリナ‥どうしたのその髪!!」 カタリナ:「モニカ様‥‥ラミエル様、申しわけございません。マスカレイドを奪われてしまいました。本来ならば、今すぐに自害してお詫びするところですが、なにとぞマスカレイドを取り戻す機会をお与えください。」 ラミエル:「その髪は決意の証か。良かろう、自らの不始末、その手で清算せよ。ただし、マスカレイドを取り戻すまでロドアーヌに戻ることは許さん。」 モニカ:「そんな、ひどいわお兄様!」 カタリナ:「お許しを頂き有難うございます。必ずマスカレイドを取り戻して参ります。」 ラミエル:「カタリナ、一つ尋ねたい。お前ほどの者からマスカレイドを奪うとはただ者ではあるまい。いったいどうやって奪われた?」 カタリナ:「!それだけは‥‥申し上げるわけには参りません‥‥。」 ラミエル:「そうか、ならば重ねて問うまい。行くがよい、カタリナ!」 0:数十分後、城にて。 ラミエル:「次、ユーリを呼べ!」 兵士:「ユーリ様どうぞ!」 ユーリ:「どうも、こんにちは。」 ラミエル:「今日来てもらったのは、お前に一つ頼みがあるのだ。今度新しくモニカの護衛部隊プリンセスガードを作る。お前にも参加して欲しいのだ。」 ユーリ:「どうして、俺‥私なんかに?」 ラミエル:「モニカとハリードの意見だ。どうだ、引き受けてくれるか?」 ユーリ:「そんな‥‥俺には無理です。」 モニカ:「ユーリ様、ぜひお願いします!!」 ユーリ:「っ…。わかりました!!」 0:《オープニング・19(トーマス)》 お爺さん:「トーマスよ、今度のことは良くやった。だがな、お前はまだまだ沢山のことを学ばねばならん。ピドナへ行け。魔王が現れるずっと以前からあの都市は世界の中心だ。行って、様々なことを吸収してくるがいい。」 トーマス:「はい、お爺さま。」 お爺さん:「もう一つ、お前に頼んでおきたいことがある。ピドナのクラウディウス家は、わが家の昔からの友人だ。だが、ルートヴィッヒとの戦いに敗れ、当主のクレメンス殿も亡くなられて没落してしまった。クレメンス殿には娘が一人いたはずだ。その娘の消息を探って欲しい。」 トーマス:「わかりました。全力を尽くします。」 お爺さん:「ルートヴィッヒはピドナの支配者メッサーナ最大の実力者だ。気を付けてな。ミュルスからピドナ行きの船が出ておる。たまには手紙を書くのだぞ。」

N:【‥死蝕‥300年に一度、死の星が太陽を覆い隠す。その時、すべての新しい生命が失われる。人も獣も草花もモンスターでさえもその運命を逃れることは出来ない。だが、ある時一人の赤ん坊が生き残った。死に魅入られ死の定めを負ったその子は長じて魔王となり世界を支配した。魔王はアビスへのゲートを開きアビスの魔貴族達をも支配した。しかし、ある日魔王は突然いずこかへ消えた。魔王が消えた後、世界は邪悪な四魔貴族に支配された。300年後、またも死蝕は世界を襲い一人の赤ん坊を残した。その子は死の魅惑に耐え死の定めを退け長じて聖王となった。聖王は多くの仲間に支えられ、四魔貴族をアビスへと追い返しアビスゲートを閉ざした。そして今から十数年前、聖王の時代から300年後が経過したある日。やはり死蝕は世界を蝕んだ。世界中の人々もアビスの魔物どもも、新たな運命の子の出現を不安と期待を持って見守った。魔王か聖王かそれとも‥‥】                                     0:~~~~本編~~~~ 0:《オープニング・1(勇将)ロドアーヌ候ラミエルはモンスター討伐の遠征中であった。ここは、その宿営地‥‥》 兵士:「異常ありません!」 ラミエル:「そうか、わかった。モンスターは稲光を嫌う。今夜は警戒を軽くしても良かろう。見張りの数は最低にして、できるだけ休め。」 兵士:「はっ!」 ラミエル:「嵐か…」 0:《オープニング・2(二人の皇族)》 モニカ:「嫌な天気だわ…お兄様は大丈夫かしら。王座の間から声がしたような‥‥だれかいるの?」 ゴドウィン:「今夜、決行しよう。」 大臣:「ええ、こんなチャンスは2度とありません。」 ゴドウィン:「ラミエルはわずかな兵と出陣している。このロドアーヌの町を押さえてしまえば、ラミエルも手の打ち様がない。そこでラミエルに代わって、この私がロドアーヌ候になる。」 大臣:「その時には私のことをお忘れなく、ゴドウィン男爵、いやロドアーヌ候ゴドウィン閣下。」 ゴドウィン:「ハハハハハハッ。」 大臣:「イヒヒヒヒヒッ。」 ゴドウィン:「もう一つ、モニカを捕らえておくように。念には念を入れねば。」 大臣:「わかりました。いざというときの切りふだですな。」 モニカ:「カタリナ、大変なの!」 カタリナ:「どうしました、モニカ様?」 モニカ:「それが、ゴドウィン男爵と大臣が… 」 カタリナ:「では私がラミエル様の所へ知らせに走りましょう。」 モニカ:「待って、私が自分で行きます。危険なのはわかっているわ。でも、このままここにいては男爵に捕われてしまうし、一石二鳥の手でしょう。あなたはここで、私がいなくなったのを気づかれないようにして。できるだけ長い間ね。」 カタリナ:「わかりました。」 モニカ:「カタリナ‥‥お兄様が戻っていらっしゃれば、すべて解決するわ。」 カタリナ:「モニカ様もお気をつけて。無事にラミエル様の陣営までたどり着いてください。」 カタリナ:「モニカ様‥‥」 0:《オープニング・3(分身)》 カタリナ:「さて、まずモニカ様の替え玉を用意しなくては。」 侍女:「何でしょう?カタリナ様。」 カタリナ:「これを着て、このベッドに寝なさい。」 侍女:「そ、そんな!これはモニカ様のお寝間着にベッド。そんな大それたことを…」 カタリナ:「いいから、早くしなさい!声を出さないようにね。」 侍女:「は‥」 0:突然の訪問。 カタリナ:「これは大臣殿、何か御用でしょうか?」 大臣:「モニカ様はどうしておられるかな?」 カタリナ:「今日はお疲れの御様子、たった今お休みになられました。」 大臣:「そうか、そうか。明日までゆっくりお休みになるのがよろしかろう。」 0:<モニカの部屋・戸棚前> カタリナ:「(捕まったら装備を奪われてしまうわ。今のうちに隠しておいた方がいいわね。ここなら、いろいろ隠せそうね。)」 カタリナ:「他も見てみようかしら。」 0:三つの選択肢から選んで下さい。内容は変わりません。 0:<兵士のいる部屋・兵士から見える場所> カタリナ:「ここなら、いろいろ隠せそうね。でも、ここは人が見てるわ。」 0:<部屋の中の人が寝ている・兵士がいない> カタリナ:「ここなら、いろいろ隠せそうね。今の内に…」 0:<台所の手前のツボにアイテムを隠す> カタリナ:「このツボはピクルスでいっぱいだわ。」 カタリナ:「もし捕まった時、どの牢屋に入れられるのか、事前にチェックしておきましょう。」 0:<城内> 兵士:「ご苦労さまです!」 0:<鍵のかかった扉> カタリナ:「(カギがかかっているわね。)」 0:<玉座> カタリナ:「(ラミエル様の玉座‥‥恐れ多い。)」 0:<牢屋・机の上> カタリナ:「(牢のカギか…何かの役に立つかもね。)」 0:<中に人のいる牢屋> カタリナ:「(中にいるわね。)」 0:<中に人のいない牢屋> カタリナ:「(ここは空ね。捕まったらきっとここに入れられるわ。中にカギを隠しておこう。)」 カタリナ:「後は、いつ連中が動き出すかね。」 0:<モニカの部屋> カタリナ:「(さて、どうしようかしら?…誰か来るわね!)」 カタリナ:「何ですか、お前達は!」 大臣:「おとなしくしてもらおう、カタリナ。モニカ様は我々が預からせてもらう。」 カタリナ:「無礼ですよ、大臣。このようなことがラミエル様に知れればただでは済みませんよ。」 大臣:「ラミエル様?今日からはゴドウィン様がこの城の主だ。お前もゴドウィン様に逆らうと、命がないぞ。」 カタリナ:「そういうこと‥‥それにしても、このカタリナをずいぶん見くびってくれたわね。たった4人で私をどうにか出来るつもりなの?覚悟しなさい!」 大臣:「モ、モニカ様がどうなってもいいのかカタリナ!」 カタリナ:「くっ。モニカ様に指一本触れないと誓うなら、おとなしくするわ。」 大臣:「わかった、わかった。この部屋を見張るだけでよかろう。どうせ逃げ道はない。おい、そこの者!カタリナの武器を取り上げろ。」 カタリナ:「や、どこ触ってるの!」 兵士:「す、すみません。」 大臣:「牢へ連れていけ!」 0:<牢屋> カタリナ:「(…予想通りだわ。予め隠しておいた鍵でいつでも出られるわね。念の為、ラミエル様がお戻りになるまで待ちましょう。)」 0:《オープニング・4(開拓者)》 ユーリ:「異常なし!ってところかな。」 エレン:「雷も鳴りだしたし、今夜は安心ね。」 サラ:「どうして雷が鳴ると、モンスターが来ないの?」 トーマス:「稲光が嫌いなモンスターが多いんだ ゴブリンみたいに。」 エレン:「サラと同じね。」 ユーリ・トーマス・エレン:「ははははははっ!」 ユーリ:「降り出す前に、引き上げようぜ。」 0:《オープニング・5(出会い)》 0:馬に跨る。 モニカ:「どうしたの、走って!お願い、走って!!」 0:《オープニング・6(砂漠の剣聖)》 ハリード:「おやじ、なかなかいい味だな。」 マスター:「へへっ、自家製の特別品ですよ。お客さん、このあたりの人じゃないですね。かといって、開拓に来たようにも見えないし。」 ハリード:「ああ、開拓者じゃない。たまたま、こっちのほうに足が向いたんだ。」 マスター:「旅暮らしか~いいですね~。ナジュ砂漠の方からいらしたんですか?」 ハリード:「砂漠か…もう何年も目にしてないな‥」 0:回想。 ハリード:「姫、姫!どこにいるのだ?姫~ 姫ひめ、ひ~め…ヒメ!姫さま~!!もしや、姫の身に何か…。」 ファティーマ:「ハリード!」 ハリード:「姫、ご無事でしたか。」 ファティーマ:「もちろんよ。それより、姫はやめて、エル・ヌール。」 ハリード:「しかし、姫様は姫です。」 ファティーマ:「あなたらしい返事ね、エル・ヌール。明日には、ここを離れるのね。」 ハリード:「ええ。アクバー峠を越え、リブロフへ。」 ファティーマ:「また戦なのね。殿方は、いくさ場のあなたをすばらしいと誉めるわ。力強く、そして美しいと。でも私は、いつものあなたの優しさも好き。」 ハリード:「姫…」 ファティーマ:「姫はやめてと言ったでしょう。ファティーマと呼んで、エル・ヌール!!」 0:《オープニング・7(出会い)》 マスター:「見回りご苦労さん。」 ユーリ:「とうとう降り出したぜ。この嵐じゃ、ゴブリンも夜遊びには出かけられないな。トム、エレンと話がしたいんだけど。」 トーマス:「エレンなら外で空気を吸っているよ。サラ、ちょっと手伝って。何か食べるものを作るから。マスター、キッチン使うよ。」 0:<キッチン> サラ:「トムってほんと何でもできるよねー。」 トーマス:「ベント家の伝統でね、男は戦い方からメシの作り方まで一通りのことはこなせるようにしこまれるんだ。オレもお爺様にきびしく仕付けられたよ。」 サラ:「あの恐いおじいさんね。あっ、ごめんさない。私ったら…。」 トーマス:「いいんだよ。本当に恐いからね。」 0:<外> ユーリ:「なあエレン、ヤーマスからの船がミュルスの港に着いたそうだぜ。」 エレン:「そうなんだ。それで?」 ユーリ:「いろんな物がロドアーヌまで運ばれて来てるんだ。一緒に見に行かないか?何か買うのもいいし。」 エレン:「一緒に行くのは構わないけど。でもねユーリ、あたしはね、あんたと恋人とか、そういうのにはなれないと思うんだ。子供の頃から知り過ぎてるよ。そりゃ、昔はお嫁さんごっこもやったけどね。」 0:話していると一人の少女が… モニカ:「馬を‥かして…お願い‥」 ユーリ:「大丈夫か?!こんな嵐の夜に一体どうしたんだ?」 マスター:「馬ならあるよ、娘さん。」 ハリード:「関わり合いにならん方が、いいと思うぞ。その人はロドアーヌ侯ラミエルの妹、モニカ姫だ。こんな田舎村にずぶ濡れでやって来るとはただ事じゃあない。面倒に巻きこまれるのがオチだぜ。」 ユーリ:「モニカ姫!ラミエル様の妹!!それじゃあ、なおさら助けなきゃ。モニカ様一体何があったのですか?」 モニカ:「お兄様に、ラミエルお兄様にお知らせしなければならないことが‥早く…。」 ユーリ:「マスター、馬を出してくれ。」 マスター:「こんな夜中にモンスターのいる森を突っ切ろうって言うのか、危険すぎる。」 ユーリ:「何だか急ぎのようだ。今行くしかないだろう。」 エレン:「マスターの言うとおり一人じゃ危険だよ。あたしも行くよ。」 ハリード:「ふーっ。」 エレン:「おっさん、あんた口は達者だけどその曲刀は、ただの飾りかい?」 ハリード:「先代のロドアーヌ侯フランツが死んでからまだ3か月だ。ラミエルが後を継ぐと決まった時にも、ごたごたがあったようだ。怪しいと思わんか。侯爵位を狙ってる奴がいるんだよ。そして、ラミエルがロドアーヌを留守にしている今こそ奴らが事を起こす絶好の機会なわけだ。ラミエルが侯爵でなくなれば、モニカ様を助けても1オーラムの儲けにもならん。それに、モニカ様、あんた今、金持ってないだろう?オレは前金じゃなきゃ仕事はしない主義なんだ。」 ユーリ:「先代のフランツ様も今のラミエル様も、俺達開拓者のためにモンスターどもと戦ってくれてる。どういう事情だろうとオレは行くぜ。」 マスター:「お客さん、ずいぶん腕が立ちそうじゃないですか。ここにも金はありませんが、馬ならあります。これでモニカ様を助けていただけませんか?」 ハリード:「馬か‥良かろう。で、一緒に行くのは、そこの兄ちゃんとねえちゃんか?」 トーマス:「ユーリ、オレも行こう。」 ユーリ:「トム!そう言ってくれると思ったよ。」 サラ:「お姉ちゃん、私も行くわ。」 エレン:「あんたはいいのよ。家に帰ってなさい。」 ユーリ:「エレン、サラを除け者にしなくてもいいだろう。」 エレン:「除け者になんかしてないでしょう!あたしはサラが心配なだけよ。」 ハリード:「どうでもいいが、さっさと決めろよ。」 トーマス:「この4人で行くよ。」 エレン:「トーマス!」 ハリード:「メンバーは決まったわけだ。まあ、この曲刀カムシーンの名にかけて無事に送り届けてやるさ。」 マスター:「曲刀カムシーン!お客さん、あんたあの有名な砂漠の竜巻、トルネードかい!」 ハリード:「オレをそう呼ぶ奴もいるな。オレの名はハリードだ。」 ユーリ:「ユーリ・ノールだ。」 エレン:「エレンよ。エレン・カーソン。」 サラ:「妹のサラです。」 トーマス:「トーマス、トーマス・ベントだ。」 モニカ:「モニカと申します。」 ハリード:「これはご丁寧に、モニカ姫。まずは、一眠りだ。起きたら、腹ごしらえをして夜明け前に出発だ。」 モニカ:「待ってください。すぐに出発しましょう。」 ハリード:「だめだ、モニカ様。あんたの様子じゃ、出発して10分と持たない。さあ、休んだ休んだ!」 0:《オープニング・8(強敵ガルダウイング)》 ハリード:「こいつは!」 トーマス:「何故、こんなところに?」 エレン:「来るよ!」 サラ:「ユーリ、大丈夫?」 ユーリ:「ああ!」 ガルダウイング:「キシャー!!」 トーマス:「はぁー、はぁ、はぁーあ!三段突きっ!」 ガルダウイング:「キシャー!!(ウインドカッター)」 ユーリ:「トム、危ない!…せぇー!十文字斬り!」 ガルダウイング:「グギャアー!?」 エレン:「効いてるみたいね。重いのいくよ!ヘビークラッシュ!!」 モニカ:「エレンさん、伏せてください!」 ガルダウイング:「キシャーァア!!(滅びの風)」 エレン:「きゃあああ!!」 ユーリ:「エレン!」 ハリード:「騒ぐな。これは、見破れるか?分身剣!!」 ガルダウイング:「グギャアア!?」 サラ:「お姉ちゃんをよくも!てぇいー!!影縫い!」 ガルダウイング:「…」 ユーリ:「サラ、ナイス!麻痺したみたいだ。」 エレン:「やってくれたわね!たっぷりお返してあげる…ブレードロール!!」 ガルダウイング:「…」 モニカ:「皆さんの足を引っ張りたくない。私にだって!!…はぁああ!ローズフルーレ!」 ガルダウイング:「グギャアア!?」 ハリード:「おまえら、止めはもらう。…天地二段!はぁーあ!ふん!」 ガルダウイング:「グギヤァアアア!!」 ユーリ:「やるな!さすが、トルネード。」 ハリード:「その名は小っ恥ずかしい。」 モニカ:「お見事です!」 ハリード:「ふん、報酬の為だ。」 エレン:「見直したよ、おっさん。」 ハリード:「おっさんだと?敬意を払え。」 トーマス:「ハリード、これからも背中は任せたよ。」 ハリード:「は?自分で守れ。」 サラ:「かっこよかった。」 ハリード:「…いくぞ。」 0:<ガルダウイング戦後> ハリード:「(ガルダウイングがこんな所に‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当かもな‥‥)」 サラ・エレン・モニカ:「(このあたりであんなモンスターが出るなんて‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当かしら‥‥)」 ユーリ・トーマス:「(このあたりであんなモンスターが出るとは‥‥死蝕でアビスゲートが復活したっていう噂は本当なのか‥‥)」 0:《オープニング・9(悲報)》 0:<宿営地> 兵士:「ラミエル様、モニカ様がいらっしゃいました!」 ラミエル:「モニカが!?よし、通せ。」 0:<陣営> ラミエル:「モニカ、一体どうしたのだ?こんな所までやって来るとは?」 モニカ:「お兄様、大変なのです。ゴドウィン男爵と大臣が反乱を!」 ラミエル:「そうか…それをわざわざお前が知らせに来てくれたのか。後ろの者たちは?」 モニカ:「私をシノンの村からここまで護衛してくださったのです。」 ラミエル:「我が妹を助けてくれたことに感謝するぞ。今は遠征中であるから、大した礼はできぬ。ロドアーヌに戻ってから十分な恩賞をとらせよう。すぐにロドアーヌへ向けて出発せねばならん。ゴドウィンとは一戦交えることになる。お前が一緒に来るのは危険だ。そうだな…お前達、もうひと仕事してもらえぬか?モニカを北のポドールイまで送り届けてくれ。」 ユーリ:「ポドールイ‥‥あのヴァンパイア伯爵の所へですか!」 ラミエル:「そうだ。レオニード伯爵は信用できる。下手な人間よりもだ。モニカ、よいな?」 モニカ:「お兄様のお言いつけならば、喜んで。」 ラミエル:「もちろん、モニカが吸血鬼になられては困る。十分注意してくれ。では出発の準備をするように。」 ラミエル:「ま、待て!お前、トルネードではないか?」 ハリード:「オレをそう呼ぶ奴もいるな。」 ラミエル:「これは良いところに現れた。トルネードよ、お前は私とロドアーヌへ来てくれ。モニカの護衛は、その4人で良い。」 ハリード:「出すものを出してくれれば、オレは構わんぜ。」 ラミエル:「こんな所で貴重な戦力が手に入るとは、世の中何があるかわからんものだな。ロドアーヌへ戻ったら、すぐに迎えの者を送る。頼んだぞ。」 ラミエル:「使えそうな物を持ち物に入れておいた。装備してみるといい。モニカを頼むぞ。」 ハリード:「大丈夫。お前達ならやれるさ。」 モニカ:「お兄様、お気を付けて。」 ラミエル:「モニカ、ロドアーヌで会おう。」 モニカ:「(御武運をお祈りしております、お兄様。)」 ユーリ:「(オレ達だけで、モニカ様を守りきれるか‥‥)」 モニカ:「よろしくお願いします。ユーリ様。」 ユーリ:「(やるしかないよな、やるしか。)行くぞー!!」 ユーリ:「オレ達だけでやれるかなトーマス‥」 トーマス:「めずらしく弱気だな。大丈夫さ。ポドールイまでは、遠いけど道も楽だしモンスターも少ない。自信持てよ。」 ユーリ:「わかったよ、トム。」 トーマス:「(とは言ったものの‥)」 エレン:「(大変なことになっちゃったわね)行くわよ、サラ。」 サラ:「(人生が変わっていく瞬間を感じる。もう昨日までの私じゃない!)」 エレン:「行くわよ、サラ!」 サラ:「ハーイ!!」 ハリード:「もう少し護衛を付けてやったらどうだ?」 ラミエル:「予定外なのだ。」 ハリード:「えっ。」 ラミエル:「ゴドウィンが父の生前から陰謀を企んでいるのはわかっていた。反乱を起こさせておいて、奴らの一味を一気に片付ける。」 ハリード:「計画どおりというわけか。恐ろしい人だ。だが、妹が知らせにきたのは計算外と。」 ラミエル:「男爵に勝てる最低限の兵しか連れてきていない。そうでなければ奴は反乱を起こさない。これ以上、一兵たりとも減らすわけにはいかんのだ。」 ハリード:「しかし、妹の身に何かあったらどうする?」 ラミエル:「私が死ねば、あれも生きてはおられぬ身よ。」 0:《オープニング・10(作戦概要)》 兵士1:「敵は2つの部隊に分かれております。本隊をゴドウィン男爵自らが率いており、前衛部隊の指揮官はラドム将軍です。」 兵士2:「ラドム将軍までもがゴドウィンと…」 兵士3:「仕方あるまい、ラドムの妻は男爵の娘だ。」 ハリード:「そのラドムってのは、いい将軍なのか?」 ラミエル:「ああ。曲がったことが嫌いな男で部下にも好かれている。しかし、ラドムが相手となると苦しい戦いになるな。」 兵士1:「申し上げます。ゴブリンの群れが領内に侵入してきました。ゴドウィン男爵が誘いこんだようです。」 兵士2:「ゴドウィンめ、モンスターと手を結ぶとは!」 ラミエル:「ゴブリンどもを蹴散らすぞ。」 兵士3:「殿!!それではゴドウィンとの決戦に差しつかえます。」 ラミエル:「私はロドアーヌ候だ。この地を護らねばならん。」 ハリード:「新しいロドアーヌ候が名君だという噂は聞いていたが事実らしいな。」 ラミエル:「ハリード、お前は命を張る必要はない。ご苦労だった。」 ハリード:「冗談じゃないぜ、ここからが稼ぎ所だ。」 ラミエル:「ふっ、ならばアビスの底まで付いて来い!」 ハリード:「オレに戦いの先陣をまかせてくれないか?」 ラミエル:「私の指揮では不安か?」 ハリード:「いや、戦場であんたにもしもの事があったら、モニカ姫が可哀想だからな。後ろの方で見物しててくれ。オレの命を皆に預ける。この異国の者に命を預けてくれるか?」 兵士1:「猛将トルネードと共に戦場に立てるとは望外の喜びだ。」 兵士2:「名誉なことだ。」 兵士3:「共に敵を打ち破ろうぞ!」 0:うおー!!兵士達が雄叫びを上げる。 0:《オープニング・11(ラミエル軍VSゴブリン軍)》 兵士1:「御命令を!」 兵士2:「敵はゴブリン軍団です。ゴブリンは4000、我が軍は2000です。敵を撃破してください。」 ゴブリンキング:「ゴブリン軍団っ!全軍出撃!!」 兵士3:「戦況報告!敵後方に騎馬隊2000騎が出現!騎馬隊の奇襲!」 兵士1:「伝令!「ワレラゴブリンニミカタスルモノイッペイモナシ、ラドム。」 ラミエル:「全軍、駆けよ!」 兵士2:「うおおー!」 兵士3:「勝利は目前だ!」 ラミエル:「終いだ…せぁ!」 ゴブリンキング:「ガフッ!ゴブリン王国バンザーイ!!」 0:指揮官戦闘不能。 兵士1:「報告します。ラミエル様!敵軍が後退していきます。我が軍の勝利です!!」 ラミエル:「ハリード、次だ。」 ハリード:「ああ。」 0:《オープニング・12(吸血王子)》 0:ポドールイ・吸血館。 レオニード「ようこそ、モニカ姫。噂どおり、いや、噂以上に美しい方だ。あなたの祖先であるヒルダ以上に美しい。ご挨拶が遅れましたな。私がこの城の主、レオニード。」 モニカ:「初めまして伯爵、ロドアーヌ侯ラミルの妹、モニカでございます。どうして私達が参るのをご存じだったのですか?」 レオニード:「ポドールイには何の楽しみもありません。外の出来事が気になって、いろいろと噂話などを集めてしまうのです。」 モニカ:「では、今回兄の身に降りかかった事件も聞いておいででしょう。伯爵の御援助を、なにとぞよしなに。」 レオニード:「わかっております。しかし、ラミエル侯には私の援助など必要ではありませんよ。モニカ姫は何も心配なさらずにこの城でくつろいでいただきたい。それでは、お部屋の方へ案内させましょう。1つ御注意申し上げておきます。この城にはあちこち危険な所がございます。お気を付けください、なにせ吸血鬼の城ですからな。」 モニカ:「私はこちらのお部屋のようですね。皆さま、お休みなさいませ。」 ユーリ:「オレ達はこっちの部屋みたいですね。お休みなさい、モニカ様。」 エレン:「やな感じね。」 サラ:「こわい‥‥。」 ユーリ:「物音?だれだ!」 モニカ:「私です、モニカです。」 ユーリ:「モニカ様、どうしました?」 モニカ:「いえ、別に‥‥こちらで休ませていただけますか?」 サラ「モニカ様もこわいの?」 トーマス「私とユーリが見張りをします。ゆっくり休んでください。」 0:ノック。 レオニード:「退屈しておいでのようですな。町の北に財宝の隠された洞窟があります。皆さんの退屈しのぎには丁度よいでしょう。私にとって財宝など何の意味もありませんから、好きにしていただいて結構です。」 0:《オープニング・13(説得)》 ラドム:「本来ならばラミエル様の下に真っ先にかけつけねばならない立場ながら、義父ゴドウィンの陣営に参加しておりましたのは万死に値します。」 ラミエル:「ラドムよ、よく我が軍に加わってくれた。お前のおかげでゴブリンどもを蹴散らすことが出来た。礼を言うぞ。今後も国のために働いてくれ。」 ラドム:「もったいないお言葉。このラドム、必ずや、今日の償いをいたします。」 兵士1:「ラミエル様、御命令を!」 兵士2:「敵はゴドウィン男爵の旗本です。敵は4000、我が軍も4000です。敵を撃破してください。」 ゴドウィン:「波状盾の陣っ!全軍出撃!!」 兵士A:「狙うはラミエル大将の首!」 ゴドウィン:「前ニ列交代っ!!」 兵士B:「はっ!」 ハリード:「甘い。」 兵士A:「き、貴様はトルネード!」 兵士B:「ゴドウィン様、お逃げ下さい!」 ゴドウィン:「な、何だと!?」 ラミエル:「逆賊ゴドウィン覚悟っ!せぁっ!!」 ゴドウィン:「グフッ‥‥‥無念なり!…なんてな!きょ、今日はこのくらいで勘弁してやらう!クク、ハハハハ!」 0:指揮官戦闘不能。 兵士1:指揮官を失った敵兵達の行動は‥全軍退却‥‥我々の勝利です!!」 0:《オープニング・14(吉報)》 レオニード:「たった今、ラミエル候がゴドウィンの軍を打ち破ったと知らせがありました。すぐに出発なさいませ。ロドアーヌに着くころには、ラミエル候がロドアーヌを取り戻しているでしょう。」 0:《オープニング・15(追撃戦)》 0:<ロドアーヌ> ラミエル:「目指すはゴドウィン男爵ただ一人だ。いくぞ!」 0:<城下町> 兵士:「ウォー、大将はどこだ!」 敵兵:「ヒー、助けてくれ~」 0:<城内> カタリナ:「ラミエル様!!」 ラミエル:「カタリナ!無事か?!」 カタリナ:「はい、大丈夫です‥‥そのお方は?」 ラミエル:「この男か?あのトルネードだ。」 ハリード:「ハリードだ。よろしくな。」 カタリナ:「それは心強い味方ですわね。ゴドウィン男爵はおそらく、この玉座の間に!」 ラミエル:「よし、行くぞ!」 悪鬼:「来たか、ロドアーヌ候。生憎だがゴドウィンはとっくに逃げ出したぞ。全く役立たずめが。」 ラミエル:「やはり、そうか。お前達が男爵を操っていた黒幕か。目的は?お前達のボスは何者だ?いや、答える前に、まずそこからどいてもらおう。ロドアーヌの栄光ある玉座を穢すことは許さん!」 悪鬼:「この玉座、聖王の重臣フェルディナントが誂えた物だな。なかなか座り心地がいい。オレは、ここを退く気もないし問いに答えるつもりもない。お前の力でオレを動かすことが出来るかな?」 カタリナ:「ラミエル様になんて口をっ!」 ラミエル:「よい、カタリナ。」 ハリード:「さっさと片付けるぞ。」 悪鬼:「貴様らが束になってこようと結果は変わらん!ジワジワ、吸い尽くしてやるよ。毒霧!」 ハリード:「ぐはぁ!」 カタリナ:「うっ…!」 ラミエル:「…私に小細工は通用せん。この程度の技で倒れてくれるなよ?ジャベリン!」 悪鬼:「ぐほぁ!?なんで効かない?!」 カタリナ:「ラミエル様…申し訳ありません。」 ラミエル:「カタリナ、よい。私一人で十分だ。」 ハリード:「すまん、油断した。片目は開きそうだ。」 悪鬼:「隙あり。ラミエル、死ねぇい!!」 ハリード:「させん!とぉりゃー!デミルーン!!」 ラミエル:「トルネードの異名は伊達ではないな。」 悪鬼:「ぐぁは!?ぜぇ、ぜぇ…串刺しにしてらぁ!!」 ハリード:「ラミエル!」 ラミエル:「計算の内だ。…黒煙槍!!」 悪鬼:「ぐほぉあ!!ラミエル…恐るべし…。」 カタリナ:「さすがです。」 ラミエル:「大丈夫か?カタリナ。」 ハリード:「ふっ。」 カタリナ:「はい!ロドアーヌ奪還おめでとうございます。」 ラミエル:「みなの活躍あってだ。礼を言おう。」 0:《オープニング・16(奪還)》 ラミエル:「この難局を乗り切ることが出来たのも多くの者たちのおかげである。特に、ハリード、トーマス、ユーリ、エレン、サラ。お前達は私の家臣でもないのに良く働いてくれた。」 モニカ:「ハリード様、有難うございます。」 ハリード:「金のためだ。別に感謝してもらう必要はないぜ。」 モニカ:「トーマス様、有難うございます。」 トーマス:「もったいないお言葉です。」 モニカ:「ユーリ様、有難うございます。」 ユーリ:「自分が正しいと思うことをやれって、おやじがいつも‥別に、そんな‥‥」 モニカ:「エレン様有難うございます。」 エレン:「モニカ様と旅をしたの結構楽しかったよ。」 モニカ:「サラ様、有難うございます。」 サラ:「‥‥いえ‥‥」 モニカ:「カタリナ有難う。」 カタリナ:「モニカ様の勇気がゴドウィンの野望を打ち砕いたのですよ。」 ラミエル:「十分な恩賞を与えよう。」 ハリード:「まあ、当然だな。」 モニカ:「ハリード様ったら!」 0:《オープニング・17(マスカレイド)》 0:数日後… カタリナ:「(やっと落ち着いたわね‥‥) だれ!?ラミエル様!」 ラミエル:「ご苦労だったな、カタリナ。」 カタリナ:「いえ、私は何も。」 ラミエル:「お前のことを心配していたのだ。」 カタリナ:「モニカ様のボディーガードに過ぎない私を心配してくださるとは、もったいないお言葉です。」 ラミエル:「そうではない。カタリナという一人の女性の心配をしていたのだ。」 カタリナ:「ラミエル‥さ‥ま‥‥‥うれしい。」 ラミエル:「カタリナ、マスカレイドはあるか?」 カタリナ:「はい、ここに。」 ラミエル:「ロドアーヌ侯家に伝わる聖王遣物マスカレイド。オレが欲しかったのはこれだ。」 カタリナ:「何をおっしゃっているのですか? まさか、お前は!」 ラミエル:「今頃気づいたか!オレの変身能力は見破れなかったようだなカタリナ!!マスカレイドは頂いた。さらば!!」 カタリナ:「待て!!」 0:《オープニング・18(出立)》 ラミエル:「ハリード、これからどうする?」 ハリード:「何をするっていうアテもないんだが、ランスにある聖王の墓でも見に行ってみようかと思ってる。じゃあな、妹を大事にしろよ。モニカ姫、お元気で。」 モニカ:「カタリナ‥どうしたのその髪!!」 カタリナ:「モニカ様‥‥ラミエル様、申しわけございません。マスカレイドを奪われてしまいました。本来ならば、今すぐに自害してお詫びするところですが、なにとぞマスカレイドを取り戻す機会をお与えください。」 ラミエル:「その髪は決意の証か。良かろう、自らの不始末、その手で清算せよ。ただし、マスカレイドを取り戻すまでロドアーヌに戻ることは許さん。」 モニカ:「そんな、ひどいわお兄様!」 カタリナ:「お許しを頂き有難うございます。必ずマスカレイドを取り戻して参ります。」 ラミエル:「カタリナ、一つ尋ねたい。お前ほどの者からマスカレイドを奪うとはただ者ではあるまい。いったいどうやって奪われた?」 カタリナ:「!それだけは‥‥申し上げるわけには参りません‥‥。」 ラミエル:「そうか、ならば重ねて問うまい。行くがよい、カタリナ!」 0:数十分後、城にて。 ラミエル:「次、ユーリを呼べ!」 兵士:「ユーリ様どうぞ!」 ユーリ:「どうも、こんにちは。」 ラミエル:「今日来てもらったのは、お前に一つ頼みがあるのだ。今度新しくモニカの護衛部隊プリンセスガードを作る。お前にも参加して欲しいのだ。」 ユーリ:「どうして、俺‥私なんかに?」 ラミエル:「モニカとハリードの意見だ。どうだ、引き受けてくれるか?」 ユーリ:「そんな‥‥俺には無理です。」 モニカ:「ユーリ様、ぜひお願いします!!」 ユーリ:「っ…。わかりました!!」 0:《オープニング・19(トーマス)》 お爺さん:「トーマスよ、今度のことは良くやった。だがな、お前はまだまだ沢山のことを学ばねばならん。ピドナへ行け。魔王が現れるずっと以前からあの都市は世界の中心だ。行って、様々なことを吸収してくるがいい。」 トーマス:「はい、お爺さま。」 お爺さん:「もう一つ、お前に頼んでおきたいことがある。ピドナのクラウディウス家は、わが家の昔からの友人だ。だが、ルートヴィッヒとの戦いに敗れ、当主のクレメンス殿も亡くなられて没落してしまった。クレメンス殿には娘が一人いたはずだ。その娘の消息を探って欲しい。」 トーマス:「わかりました。全力を尽くします。」 お爺さん:「ルートヴィッヒはピドナの支配者メッサーナ最大の実力者だ。気を付けてな。ミュルスからピドナ行きの船が出ておる。たまには手紙を書くのだぞ。」