台本概要
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タイトル | 【感動系】泣き顔の後に笑って |
---|---|
作者名 | ゆる男 (@yuruyurumanno11) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 5人用台本(男2、女2、不問1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
何気ない日常の中で誰かが死ぬことは珍しくない そんな日常だからこそ突然の死は悲しくなる 別れ際に言われた一言は…… 616 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
賢也 | 男 | 160 | 賢也(けんや) 物語の主人公、セリフが1番多いです とにかくアホです。バカです。 でも明るい性格なので愛されてます |
愛華 | 女 | 62 | 愛華(あいか) ちょっとツンデレな部分があります 真面目な女の子です |
太一 | 男 | 46 | 太一(たいち) クールでツッコミが鋭いです 元ヤン説あります |
好実 | 女 | 41 | 好実(このみ) 可愛らしい感じです 無邪気さが特徴です |
カエデ | 不問 | 76 | カエデ(かえで) 男女不問です 老人っぽくなくてもいいです |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
カエデ:人間界も久しぶりじゃなー変わりすぎてようわからんわー
カエデ:ん?あっしはカエデじゃ、今日は人間界に用がある
カエデ:海の方じゃと聞いておったがあのバカみたいなやつどこにおるんじゃ?
カエデ:あー!あいつじゃなー?
賢也:ほっほーい!!海最高だー!愛華ー!水着似合ってんじゃんかよー!
愛華:何あからさまにジロジロ見てんのよ!
太一:賢也は恥ってもの知らねーのか?
好実:あははっ!愛華を怒らせたくてそうしてるんでしょ?
太一:本当にバカなやつだなー
好実:しょうがないよ、賢也はみんなからバカって言われてるんだから
賢也:は近くに居た子供に顔を向ける
賢也:お!なんだなんだ!俺とかけっこでもするか?
賢也:行くぞー?よーい!ちょん!
賢也:ばーか!ばーか!ドンで走るなんて言ってないもんねー!
愛華:うーわ、大人気ない
太一:バカだ
好実:バカだ
愛華:バカだ
賢也:うるせー!お前ら寄ってたかって俺をバカ呼ばわりすんな!
カエデ:なんじゃー?このバカは?
カエデ:こいつが今日の見送り人なのか?
カエデ:まあ、先が思いやられるが様子見でこのバカを見守るか
愛華:賢也、かき氷食べたい
賢也:お?いいぞ
太一:じゃあ俺たちはここで待ってるから
好実:いってらっしゃーい!
好実:賢也!
賢也:ん?
好実:愛華のこと、襲っちゃダメだぞ!
賢也:ばばばばば!!バカか!!殺すぞチビ!
好実:バカは賢也の方でしょー!流石に犯罪は犯さないようにね
太一:まあ賢也に関してはいつ捕まってもおかしくないもんな
賢也:うるせー!お前ら全員ふぁっきゅー!!
愛華:なに中指立ててるの?ありえない
賢也:ごむぇんね!俺の鼻息プレゼントするね!ふーん!!
愛華:きもい!!
太一:よくあいつ愛華に嫌われねーよな
好実:なんだかんだお似合いなんじゃない?
カエデ:んーーもうそろそろだと思うんじゃが、この調子で大丈夫か?
カエデ:見た感じこんな海じゃ何も起こらないと思うんじゃが
カエデ:あのクソ大魔王め、また伝達ミスか?
カエデ:こいつじゃないならあっしは早く雲の上で昼寝したいんじゃ
賢也:愛華はかき氷何味が好き?
愛華:いちごが好きかな?
賢也:まじかよ!俺もいちご好きなんだ!
愛華:そうなの?じゃあ2ついらないじゃん
賢也:分け合うか?
愛華:う、うん
賢也:おっちゃんありがとー!よーし愛華、いちごのかき氷だぞー
愛華:パパと娘みたいにしないでよ
賢也:俺が食べさせてあげるよ、かき氷だから冷まさないとな
賢也:ふぅー!!
愛華:バカなの!?
賢也:ぎゃああ!!体にかき氷落ちたー!!つめてー!
愛華:ほんとバカ!すみません、タオルお借りしてもいいですか?
愛華:もう!じっとしてて
賢也:あ、ありがとう
愛華:・・・意外と賢也って筋肉あるんだね
賢也:ん?そうか?
愛華:うん
賢也:おならプッ!
愛華:は!?
賢也:うおー!屁の力で早く走れるぜー!
愛華:・・・バカ通り越して、3歳児?
愛華:はぁ、あんな感じだけど賢也筋肉あるんだー
愛華:・・・かっこいい
愛華:はっ!違う違う!あいつはただのバカだから!
カエデ:お前も十分バカだよ小娘
カエデ:おっと、いかんいかん、向こうに行かないとな
カエデ:んー?なんかまーた変なことしとるのぉ〜
賢也:太一!新しい顔よ!
太一:いたー!てめー!ビーチボールだろそれ!
賢也:バーチビレーやろうぜ!
太一:ビーチバレーだ!
太一:愛華はどこ行ったんだよ?
賢也:あれ?付いてきてるもんだと思ったけど
太一:お前なー自由に遊ぶのもいいけど愛華のことも考えろよー?
賢也:な、なんで!?別に愛華とは付き合ってないし!
好実:付き合ってないとかじゃなくてさ〜雰囲気で察しないと
賢也:なんだよその雰囲気ってよ!
好実:まだわかんないの?
太一:大バカ物だな
賢也:言え!お前ら!
:太一と好実一斉に
太一:告白しろ
好実:告白して
賢也:こ、ここ、こここ、告白!?
賢也:告白なんてするわけ!
太一:ここでしなきゃ男じゃねえぞ?
賢也:・・・
賢也:ああ!じゃあいいぞ!見てろ!
好実:おー!頑張れー!賢也ー!
0:賢也は少し高い崖のような高台に登る
太一:何してんだ?
賢也:愛華ー!!
愛華:・・・え!?賢也!?
愛華:何してんの!?危ないよ!?
賢也:ずっと言いたかったことがある
カエデ:あーなるほどね
賢也:愛華ー!!
賢也:好きだーー!!!
0:賢也は崖から海に飛び降りる
:ゴツ!!!
賢也:うぐっ!!
太一:え?
好実:なんか、すごい音しなかった!?
0:賢也は崖から飛び降りたが
0:頭から落ちた場所は運悪く岩だった
愛華:け、賢也?
太一:血だらけじゃねーかよ!!
太一:おい!賢也!しっかりしろ!!
0:血だらけの賢也は動かない
カエデ:バカは死ぬまでバカなのか
愛華:賢也ー!!!
0:賢也は死んだ
0:そのお通夜は翌日に行われた
太一:賢也・・・お前ほんとにバカだよな
太一:誰がここまでやれって言ったんだよ
太一:なんでこんな簡単に死ぬんだよ!
好実:そうだよ!いつもうるさい賢也が、静かになるの嫌だよ!
好実:賢也が居ないとつまんないじゃん!
好実:からかってもいいから戻ってきてよ!
愛華:・・・賢也
0:視点が変わり海へ
カエデ:おーい?もう1日経っとるぞ?起きろ
賢也:ぐぅー!!ぐぅー!!!
カエデ:こいつ、素晴らしいくらいに不愉快じゃのぅ
カエデ:起きろ!
賢也:・・・ん?
カエデ:やっと起きた
賢也:え?なにここ!?
カエデ:お前が死んだ海じゃ
賢也:う、海?俺、愛華に告白してたよな?
賢也:てことは俺、気絶してたのか?
カエデ:気絶じゃない、死んだんじゃ
賢也:ぎゃああああ!!誰だお前!!
カエデ:なんでワンテンポ遅いんじゃ!
賢也:死んだってなんだよ!
カエデ:お前時差でもあるのか!?
賢也:みんなは?
カエデ:まだわからんのか、お前は死んだんじゃ
カエデ:お前の周りに居たやつらは通夜をしてたぞ
賢也:通夜?誰の?
カエデ:お前のだよ!
賢也:えー!!俺やっぱ死んだのか!?
カエデ:死んでもやかましいやつじゃのぉ
賢也:あんたは誰なんだ?
カエデ:あっしはお前の担当になったカエデじゃ
賢也:担当ってなんだ?
カエデ:お前が死ぬことは決まってたんじゃ
カエデ:だからお前が死ぬところをずっと見ていた
カエデ:死んでから成仏するまで、あっしがお前の面倒を見るんじゃ
カエデ:バカなやつじゃ、女に好意を伝えて死ぬなんて恥さらしにもならんぞ
賢也:俺が死んだんだったらなんでこの海に居るんだよ!
カエデ:お前の抜け殻はどっかで焼かれてるだろう
カエデ:でもお前の魂はまだ残ったままだ
賢也:魂が?
カエデ:ああ、お前はこの1週間、この人間界をさまよって成仏するのじゃ
賢也:成仏だって!?じゃあ俺はどこに行くんだよ
カエデ:そんなの知るか、天国や地獄なんて空想の世界だからのぉ
賢也:じゃあお前も空想だ!
カエデ:そう言うなら見てろ
0:カエデは空を飛ぶ
カエデ:人間たちにはあっしの姿は見えないんじゃ
カエデ:頭の悪い人間たちは、空に浮かんでるものを未確認生物とかUFOとか言うじゃろ?
カエデ:この状況ならみんなあっしの方を見るはずなのに誰も見ない
カエデ:お前の姿も誰からも見えてないぞ
賢也:なんなんだよ・・・
賢也:うわー!!
カエデ:急に走り出してなんじゃ?
賢也:おい!おっちゃん!この間ここに来た俺だよ!わかるだろ!
カエデ:見えないと言っとるじゃろ
賢也:な、なんでだよ・・・
カエデ:まあ、見られる方法もあるけどな
カエデ:お前のさまよう時間が短くなるだけじゃ
賢也:じゃあその方法を教えろ!
カエデ:お前に教えるギリはない
賢也:教えろ!
カエデ:じゃあ一つだけ言っておこう、塩には気をつけろ
賢也:はあ?塩なんて本当に効くのか?
カエデ:あれは強烈じゃ、あれ1粒でもくらったらすぐに成仏するじゃろう
賢也:じゃあこの世に戻る方法はないのかよ
賢也:ふざけんなよー!
賢也:俺は!俺は愛華に告白したんだぞ!
賢也:やっと言えたのに死んだら元も子もないじゃないか!
賢也:くそっ!なんで俺はあんなことを・・・
カエデ:お前、一丁前に後悔なんてしとるんか?
賢也:後悔するに決まってるだろ!みんなの前で俺は死んだんだぞ!
カエデ:じゃあお前が死んだのはなんでじゃ?
賢也:そ、それは
カエデ:目立ちたいから?みんなに笑って欲しいから?
カエデ:そうやって死ぬことを考えずに笑って欲しいことだけ望んで死んだんじゃろ?
賢也:そ、そうだけど、死ぬとは思わなくて
カエデ:お前の不注意じゃろ、今更後悔するな
カエデ:自分で招いた死を受け入れろ!泣き言なんて許さんぞ
カエデ:世の中には生きたくても生きられない人間が沢山おる
カエデ:あっしは命を粗末にする人間が大嫌いなんじゃ
カエデ:命を軽々しく見てるお前が図々しくも後悔なんてするな!!
賢也:くそっ!じゃあどうすれば・・・
太一:ふぅーまさか二日連続でここに来るなんてな
賢也:太一?
好実:なんか広く感じるね
賢也:好実!
愛華:・・・何してんのよ、あのバカ
賢也:愛華!!
0:高校時代
0:太一との思い出
太一:はあー
賢也:おーい!お前サボりかー?
太一:あ?誰だお前
賢也:俺だよ、賢也だよ
太一:知らねーな
賢也:知らないの!?俺だよ!?
太一:誰だって言ってんだよ!
賢也:お前学校来てなかったっけ?
太一:行ってねーよ
賢也:公園でサボりねーいいじゃん
太一:何がいいんだよ
賢也:自由な時間を自分で作るっていいじゃんか
賢也:みんなと同じ事やるのもいいけど1人の時間を大切にしたいんだろ?
太一:そんなことねえよ、わかったような口聞くな
賢也:ちげーか!んじゃあいいや、俺もサボろ
太一:いや、来んなよ!
賢也:俺もお前と同じ気持ち味わいたいんだよ
太一:いいよ別に
賢也:寂しいこと言うなよー
太一:来るなって!
賢也:俺はしつこいぞ〜!
太一:うぜぇなあー!
賢也:学校来い!太一!
太一:なんで俺の名前知ってんだよ
賢也:仲良くなりたいからに決まってるだろ〜
太一:わかったよ!行けばいいんだろ!
賢也:うぇーい!ナイス!
太一:変なやつだな、ふっ
0:好実との思い出
好実:・・・グスンッ
賢也:ん?好実どうした?こんな所で
好実:あ、賢也君?
賢也:落ち込むな!また頑張ろ?
好実:何に落ち込んでるかわかってないでしょ?
好実:噂に聞く通りうるさそうなんだね
賢也:噂以上にうるさいのさ!がはははは!!
好実:変なのー
賢也:なんで落ち込んでたの?
好実:・・・飼ってた犬が死んじゃったの
賢也:まじか、それでか
好実:うん、10年以上飼ってたの
賢也:それは辛いな
好実:辛いよ、私の家族なんだもん
賢也:好実が悲しむのってやっぱその犬が好きだったからだよな
好実:当たり前じゃん
賢也:幸せだな、その犬も
好実:・・・そう思う?
賢也:思う!俺も犬だった頃そうだった!
好実:前世犬なの?
賢也:うん、しかもメスのパグ
好実:メス!?あははっ!おもしろーい!
0:愛華との思い出
愛華:・・・くっ!
賢也:お!?愛華じゃん!
愛華:賢也?
賢也:走り込みか?部活の自主練?
愛華:そうよ!悪い!?
賢也:えぇ・・・機嫌悪そうだな
愛華:部活で色々あったの
賢也:県大会惜しかったんだっけ?
愛華:そうよ、悪い!?
賢也:怒んなって!俺のお尻触っていいから
愛華:そんな趣味ないから!
賢也:まあ、愛華は努力家だからなー
愛華:努力が足りないから負けたの!
賢也:それ言ったらいつ愛華の努力は報われるの?
愛華:知らないよ、試合に勝てたらでしょ
賢也:いいじゃん、自分は頑張ったで
愛華:そうもいかないよ
賢也:じゃあ俺が愛華の努力を肯定する
愛華:は?
賢也:愛華が自分を認められないなら俺が愛華の努力を認めるんだよ
愛華:賢也が認めた所で変わらないじゃない
賢也:そうだけど、俺は頑張ってる愛華を尊敬してるんだぞ?
愛華:・・・何よ
賢也:1人でも認めてくれる人がいた方が楽だろ?
愛華:んもう!うざい!
賢也:指差すな!舐めるぞ!?
愛華:きもい!
賢也:ありがとう!最高の褒め言葉だ
愛華:バカ、ふふっ
賢也:やーっと笑った
愛華:え?
賢也:愛華は泣き顔よりも笑顔が似合う女だ
愛華:そう?
賢也:うん!だから、俺が笑わせてあげるよ
愛華:賢也の場合笑われてるの方が似合うんじゃない?
賢也:え?そうなの?まあいいやどっちでも
0:そして今現在
太一:全部お前が前に進ませてくれたんだろ
好実:そうだよ、笑わせてくれたのにさ
愛華:ほんと、自分勝手なんだから
賢也:みんな!!俺だよ!賢也だよ!
太一:もう本当に賢也はいないんだよな
賢也:俺はここにいる!!
好実:うん、会いたいけど会えない
賢也:今いるんだって!ここに!
愛華:私達も賢也みたいに前に進まないとね
賢也:いい加減にしろよー!!
カエデ:見苦しいぞ、ここにいると言ってもお前は1週間後にはこの世にはおらんのじゃぞ
賢也:・・・くっ!
カエデ:この1週間、この若造たちと戯れるのもありじゃ
カエデ:残りの時間、最期まで楽しめよ
太一:よし、じゃあ俺らも前に進もう
好実:そうだね、もう賢也は居ないんだし
愛華:・・・最後にあいつに言う言葉ってあれしかないよね
好実:うん、じゃあ海水手ですくって賢也に投げてあげよ?
太一:いいね、最後に浴びさせてやろうぜ
賢也:おいおい、上等じゃねえか受けてやるよ
カエデ:ば、ばか!おい!海水は受けるな!
好実:じゃあいくよー?せーの
:(一斉に)
太一:賢也のばーか!
好実:賢也のばーか!
愛華:賢也のばーか!
賢也:うわあああああ!!!
0:賢也は思い切り海水を浴びる
太一:・・・え?
好実:嘘でしょ?
賢也:・・・つ、つめてー!!
愛華:・・・なんで、なんでここに賢也がいるの!?
太一:賢也が・・・いる?
好実:なんで!?どういうこと!?
愛華:・・・賢也!!
賢也:みんな・・・俺の姿見えるのか?
好実:見えるよ!なんでここにいるの!?
賢也:お、俺、みんなと会いたかったんだ
賢也:俺さ、死んじゃってずっと後悔してた
賢也:でも、そんな後悔ももう終わりにしたい
賢也:あと1週間、みんなと居られるらしいから、みんなのそばに・・・
カエデ:おい、男、よく聞け
賢也:・・・え?
カエデ:人間に見られる方法があると言ったよな
カエデ:お前は今、人間に姿が見えている
カエデ:その方法は、塩を浴びること
カエデ:もっと言えば塩水じゃ
賢也:塩水?
カエデ:そう、でも、その効果は約5分
カエデ:塩は霊気を吸い取るが塩水は霊を溶かす、5分後にはお前はもうこの世にはおらん
賢也:・・・なんだって?
カエデ:残念じゃが、もう時期にお前は居なくなる
カエデ:最後に友と一緒になれて運がいいな
賢也:・・・なんでまたこんなことに・・・
太一:賢也、これはどういうことなんだ?
賢也:は、はは!俺のかまってオーラが出過ぎてみんなに見えてしまったようだ!
賢也:さあ!俺は残り時間が少ない!みんな!俺に・・・
:(ガバッ)
0:みんな一斉に賢也に抱きつく
太一:お前はなんてことしてんだよ!ふざけんなよ!
好実:勝手に死なないで!もっと笑わせて!
賢也:太一・・・好実・・・
愛華:賢也・・・
愛華:あんた、あの時私に好きって言ったの?
賢也:ああ、言ったよ
愛華:好きって言っておいて私を置いていくの?
賢也:・・・ごめん
愛華:本当に最低よ
愛華:なんで死んだのよ!バカ!賢也なんか嫌い!
愛華:あんな死に方ないわよ!私に好きって言ってなんで死ぬの!?
愛華:賢也なんか嫌い!!大嫌い!嫌い、嫌い・・・
愛華:うっううぅ・・・
愛華:賢也・・・大好き
賢也:・・・愛華ー!!
賢也:ごめんな、愛華、もっとお前を・・・笑わせたくて
賢也:俺本当にバカだよな、みんなに合わせる顔ないはずなのにさ
賢也:こうやってみんなが俺を見て泣いてくれて俺も幸せだよ
賢也:けど、今は泣いててもいいからさ。その後に笑ってくれよ
賢也:俺っていうバカが居たって笑い話にしてくれ
賢也:それが俺の幸せなんだ
好実:ほんとにバカ!バカバカバカバカ!
太一:お前以上のバカは居ねーよ
愛華:でもね、賢也以上に愛される人も居ないよ
愛華:賢也はバカだけど、みんな賢也のこと大好きなの
賢也:・・・お前ら
賢也:俺も好きだ!!
賢也:俺はお前らのこと絶対忘れない!!
賢也:俺が幽霊になったら愛華の風呂覗いてやるからな!?
賢也:お前らのありとあらゆる姿絶対見てやるからな!
カエデ:おい、男、もう時間だ
賢也:最後まで笑ってくれよなー!!
:(一斉に)
太一:ばーか!
好実:ばーか!
愛華:ばーか!
0:賢也はこの世から姿を消した
0:そして
賢也:ねえカエデさん
カエデ:なんじゃ?あの世でもうるさいのはごめんじゃぞ
賢也:愛華の風呂って覗けるかな?
カエデ:覗けるわけないじゃろ、お前はもうあっちの世界には戻れん
賢也:そうだよなー
賢也:まあ、クヨクヨしててもしょうがない
賢也:さっき散々泣いたし、俺も前を向こう
カエデ:ほーん、前向きか
カエデ:あっしはそういうバカ嫌いじゃないぞ
賢也:当たり前だ!俺が泣いてたらみんな笑えなくなるだろ?
賢也:こっちの世界でも俺は笑いたい
賢也:笑顔でみんなを見守る事が俺の幸せだ
賢也:だから太一、好実、そして、愛華
賢也:みんなも幸せになってくれよ
賢也:バカって言って泣いた後に笑ってくれ
0:〜End〜
カエデ:人間界も久しぶりじゃなー変わりすぎてようわからんわー
カエデ:ん?あっしはカエデじゃ、今日は人間界に用がある
カエデ:海の方じゃと聞いておったがあのバカみたいなやつどこにおるんじゃ?
カエデ:あー!あいつじゃなー?
賢也:ほっほーい!!海最高だー!愛華ー!水着似合ってんじゃんかよー!
愛華:何あからさまにジロジロ見てんのよ!
太一:賢也は恥ってもの知らねーのか?
好実:あははっ!愛華を怒らせたくてそうしてるんでしょ?
太一:本当にバカなやつだなー
好実:しょうがないよ、賢也はみんなからバカって言われてるんだから
賢也:は近くに居た子供に顔を向ける
賢也:お!なんだなんだ!俺とかけっこでもするか?
賢也:行くぞー?よーい!ちょん!
賢也:ばーか!ばーか!ドンで走るなんて言ってないもんねー!
愛華:うーわ、大人気ない
太一:バカだ
好実:バカだ
愛華:バカだ
賢也:うるせー!お前ら寄ってたかって俺をバカ呼ばわりすんな!
カエデ:なんじゃー?このバカは?
カエデ:こいつが今日の見送り人なのか?
カエデ:まあ、先が思いやられるが様子見でこのバカを見守るか
愛華:賢也、かき氷食べたい
賢也:お?いいぞ
太一:じゃあ俺たちはここで待ってるから
好実:いってらっしゃーい!
好実:賢也!
賢也:ん?
好実:愛華のこと、襲っちゃダメだぞ!
賢也:ばばばばば!!バカか!!殺すぞチビ!
好実:バカは賢也の方でしょー!流石に犯罪は犯さないようにね
太一:まあ賢也に関してはいつ捕まってもおかしくないもんな
賢也:うるせー!お前ら全員ふぁっきゅー!!
愛華:なに中指立ててるの?ありえない
賢也:ごむぇんね!俺の鼻息プレゼントするね!ふーん!!
愛華:きもい!!
太一:よくあいつ愛華に嫌われねーよな
好実:なんだかんだお似合いなんじゃない?
カエデ:んーーもうそろそろだと思うんじゃが、この調子で大丈夫か?
カエデ:見た感じこんな海じゃ何も起こらないと思うんじゃが
カエデ:あのクソ大魔王め、また伝達ミスか?
カエデ:こいつじゃないならあっしは早く雲の上で昼寝したいんじゃ
賢也:愛華はかき氷何味が好き?
愛華:いちごが好きかな?
賢也:まじかよ!俺もいちご好きなんだ!
愛華:そうなの?じゃあ2ついらないじゃん
賢也:分け合うか?
愛華:う、うん
賢也:おっちゃんありがとー!よーし愛華、いちごのかき氷だぞー
愛華:パパと娘みたいにしないでよ
賢也:俺が食べさせてあげるよ、かき氷だから冷まさないとな
賢也:ふぅー!!
愛華:バカなの!?
賢也:ぎゃああ!!体にかき氷落ちたー!!つめてー!
愛華:ほんとバカ!すみません、タオルお借りしてもいいですか?
愛華:もう!じっとしてて
賢也:あ、ありがとう
愛華:・・・意外と賢也って筋肉あるんだね
賢也:ん?そうか?
愛華:うん
賢也:おならプッ!
愛華:は!?
賢也:うおー!屁の力で早く走れるぜー!
愛華:・・・バカ通り越して、3歳児?
愛華:はぁ、あんな感じだけど賢也筋肉あるんだー
愛華:・・・かっこいい
愛華:はっ!違う違う!あいつはただのバカだから!
カエデ:お前も十分バカだよ小娘
カエデ:おっと、いかんいかん、向こうに行かないとな
カエデ:んー?なんかまーた変なことしとるのぉ〜
賢也:太一!新しい顔よ!
太一:いたー!てめー!ビーチボールだろそれ!
賢也:バーチビレーやろうぜ!
太一:ビーチバレーだ!
太一:愛華はどこ行ったんだよ?
賢也:あれ?付いてきてるもんだと思ったけど
太一:お前なー自由に遊ぶのもいいけど愛華のことも考えろよー?
賢也:な、なんで!?別に愛華とは付き合ってないし!
好実:付き合ってないとかじゃなくてさ〜雰囲気で察しないと
賢也:なんだよその雰囲気ってよ!
好実:まだわかんないの?
太一:大バカ物だな
賢也:言え!お前ら!
:太一と好実一斉に
太一:告白しろ
好実:告白して
賢也:こ、ここ、こここ、告白!?
賢也:告白なんてするわけ!
太一:ここでしなきゃ男じゃねえぞ?
賢也:・・・
賢也:ああ!じゃあいいぞ!見てろ!
好実:おー!頑張れー!賢也ー!
0:賢也は少し高い崖のような高台に登る
太一:何してんだ?
賢也:愛華ー!!
愛華:・・・え!?賢也!?
愛華:何してんの!?危ないよ!?
賢也:ずっと言いたかったことがある
カエデ:あーなるほどね
賢也:愛華ー!!
賢也:好きだーー!!!
0:賢也は崖から海に飛び降りる
:ゴツ!!!
賢也:うぐっ!!
太一:え?
好実:なんか、すごい音しなかった!?
0:賢也は崖から飛び降りたが
0:頭から落ちた場所は運悪く岩だった
愛華:け、賢也?
太一:血だらけじゃねーかよ!!
太一:おい!賢也!しっかりしろ!!
0:血だらけの賢也は動かない
カエデ:バカは死ぬまでバカなのか
愛華:賢也ー!!!
0:賢也は死んだ
0:そのお通夜は翌日に行われた
太一:賢也・・・お前ほんとにバカだよな
太一:誰がここまでやれって言ったんだよ
太一:なんでこんな簡単に死ぬんだよ!
好実:そうだよ!いつもうるさい賢也が、静かになるの嫌だよ!
好実:賢也が居ないとつまんないじゃん!
好実:からかってもいいから戻ってきてよ!
愛華:・・・賢也
0:視点が変わり海へ
カエデ:おーい?もう1日経っとるぞ?起きろ
賢也:ぐぅー!!ぐぅー!!!
カエデ:こいつ、素晴らしいくらいに不愉快じゃのぅ
カエデ:起きろ!
賢也:・・・ん?
カエデ:やっと起きた
賢也:え?なにここ!?
カエデ:お前が死んだ海じゃ
賢也:う、海?俺、愛華に告白してたよな?
賢也:てことは俺、気絶してたのか?
カエデ:気絶じゃない、死んだんじゃ
賢也:ぎゃああああ!!誰だお前!!
カエデ:なんでワンテンポ遅いんじゃ!
賢也:死んだってなんだよ!
カエデ:お前時差でもあるのか!?
賢也:みんなは?
カエデ:まだわからんのか、お前は死んだんじゃ
カエデ:お前の周りに居たやつらは通夜をしてたぞ
賢也:通夜?誰の?
カエデ:お前のだよ!
賢也:えー!!俺やっぱ死んだのか!?
カエデ:死んでもやかましいやつじゃのぉ
賢也:あんたは誰なんだ?
カエデ:あっしはお前の担当になったカエデじゃ
賢也:担当ってなんだ?
カエデ:お前が死ぬことは決まってたんじゃ
カエデ:だからお前が死ぬところをずっと見ていた
カエデ:死んでから成仏するまで、あっしがお前の面倒を見るんじゃ
カエデ:バカなやつじゃ、女に好意を伝えて死ぬなんて恥さらしにもならんぞ
賢也:俺が死んだんだったらなんでこの海に居るんだよ!
カエデ:お前の抜け殻はどっかで焼かれてるだろう
カエデ:でもお前の魂はまだ残ったままだ
賢也:魂が?
カエデ:ああ、お前はこの1週間、この人間界をさまよって成仏するのじゃ
賢也:成仏だって!?じゃあ俺はどこに行くんだよ
カエデ:そんなの知るか、天国や地獄なんて空想の世界だからのぉ
賢也:じゃあお前も空想だ!
カエデ:そう言うなら見てろ
0:カエデは空を飛ぶ
カエデ:人間たちにはあっしの姿は見えないんじゃ
カエデ:頭の悪い人間たちは、空に浮かんでるものを未確認生物とかUFOとか言うじゃろ?
カエデ:この状況ならみんなあっしの方を見るはずなのに誰も見ない
カエデ:お前の姿も誰からも見えてないぞ
賢也:なんなんだよ・・・
賢也:うわー!!
カエデ:急に走り出してなんじゃ?
賢也:おい!おっちゃん!この間ここに来た俺だよ!わかるだろ!
カエデ:見えないと言っとるじゃろ
賢也:な、なんでだよ・・・
カエデ:まあ、見られる方法もあるけどな
カエデ:お前のさまよう時間が短くなるだけじゃ
賢也:じゃあその方法を教えろ!
カエデ:お前に教えるギリはない
賢也:教えろ!
カエデ:じゃあ一つだけ言っておこう、塩には気をつけろ
賢也:はあ?塩なんて本当に効くのか?
カエデ:あれは強烈じゃ、あれ1粒でもくらったらすぐに成仏するじゃろう
賢也:じゃあこの世に戻る方法はないのかよ
賢也:ふざけんなよー!
賢也:俺は!俺は愛華に告白したんだぞ!
賢也:やっと言えたのに死んだら元も子もないじゃないか!
賢也:くそっ!なんで俺はあんなことを・・・
カエデ:お前、一丁前に後悔なんてしとるんか?
賢也:後悔するに決まってるだろ!みんなの前で俺は死んだんだぞ!
カエデ:じゃあお前が死んだのはなんでじゃ?
賢也:そ、それは
カエデ:目立ちたいから?みんなに笑って欲しいから?
カエデ:そうやって死ぬことを考えずに笑って欲しいことだけ望んで死んだんじゃろ?
賢也:そ、そうだけど、死ぬとは思わなくて
カエデ:お前の不注意じゃろ、今更後悔するな
カエデ:自分で招いた死を受け入れろ!泣き言なんて許さんぞ
カエデ:世の中には生きたくても生きられない人間が沢山おる
カエデ:あっしは命を粗末にする人間が大嫌いなんじゃ
カエデ:命を軽々しく見てるお前が図々しくも後悔なんてするな!!
賢也:くそっ!じゃあどうすれば・・・
太一:ふぅーまさか二日連続でここに来るなんてな
賢也:太一?
好実:なんか広く感じるね
賢也:好実!
愛華:・・・何してんのよ、あのバカ
賢也:愛華!!
0:高校時代
0:太一との思い出
太一:はあー
賢也:おーい!お前サボりかー?
太一:あ?誰だお前
賢也:俺だよ、賢也だよ
太一:知らねーな
賢也:知らないの!?俺だよ!?
太一:誰だって言ってんだよ!
賢也:お前学校来てなかったっけ?
太一:行ってねーよ
賢也:公園でサボりねーいいじゃん
太一:何がいいんだよ
賢也:自由な時間を自分で作るっていいじゃんか
賢也:みんなと同じ事やるのもいいけど1人の時間を大切にしたいんだろ?
太一:そんなことねえよ、わかったような口聞くな
賢也:ちげーか!んじゃあいいや、俺もサボろ
太一:いや、来んなよ!
賢也:俺もお前と同じ気持ち味わいたいんだよ
太一:いいよ別に
賢也:寂しいこと言うなよー
太一:来るなって!
賢也:俺はしつこいぞ〜!
太一:うぜぇなあー!
賢也:学校来い!太一!
太一:なんで俺の名前知ってんだよ
賢也:仲良くなりたいからに決まってるだろ〜
太一:わかったよ!行けばいいんだろ!
賢也:うぇーい!ナイス!
太一:変なやつだな、ふっ
0:好実との思い出
好実:・・・グスンッ
賢也:ん?好実どうした?こんな所で
好実:あ、賢也君?
賢也:落ち込むな!また頑張ろ?
好実:何に落ち込んでるかわかってないでしょ?
好実:噂に聞く通りうるさそうなんだね
賢也:噂以上にうるさいのさ!がはははは!!
好実:変なのー
賢也:なんで落ち込んでたの?
好実:・・・飼ってた犬が死んじゃったの
賢也:まじか、それでか
好実:うん、10年以上飼ってたの
賢也:それは辛いな
好実:辛いよ、私の家族なんだもん
賢也:好実が悲しむのってやっぱその犬が好きだったからだよな
好実:当たり前じゃん
賢也:幸せだな、その犬も
好実:・・・そう思う?
賢也:思う!俺も犬だった頃そうだった!
好実:前世犬なの?
賢也:うん、しかもメスのパグ
好実:メス!?あははっ!おもしろーい!
0:愛華との思い出
愛華:・・・くっ!
賢也:お!?愛華じゃん!
愛華:賢也?
賢也:走り込みか?部活の自主練?
愛華:そうよ!悪い!?
賢也:えぇ・・・機嫌悪そうだな
愛華:部活で色々あったの
賢也:県大会惜しかったんだっけ?
愛華:そうよ、悪い!?
賢也:怒んなって!俺のお尻触っていいから
愛華:そんな趣味ないから!
賢也:まあ、愛華は努力家だからなー
愛華:努力が足りないから負けたの!
賢也:それ言ったらいつ愛華の努力は報われるの?
愛華:知らないよ、試合に勝てたらでしょ
賢也:いいじゃん、自分は頑張ったで
愛華:そうもいかないよ
賢也:じゃあ俺が愛華の努力を肯定する
愛華:は?
賢也:愛華が自分を認められないなら俺が愛華の努力を認めるんだよ
愛華:賢也が認めた所で変わらないじゃない
賢也:そうだけど、俺は頑張ってる愛華を尊敬してるんだぞ?
愛華:・・・何よ
賢也:1人でも認めてくれる人がいた方が楽だろ?
愛華:んもう!うざい!
賢也:指差すな!舐めるぞ!?
愛華:きもい!
賢也:ありがとう!最高の褒め言葉だ
愛華:バカ、ふふっ
賢也:やーっと笑った
愛華:え?
賢也:愛華は泣き顔よりも笑顔が似合う女だ
愛華:そう?
賢也:うん!だから、俺が笑わせてあげるよ
愛華:賢也の場合笑われてるの方が似合うんじゃない?
賢也:え?そうなの?まあいいやどっちでも
0:そして今現在
太一:全部お前が前に進ませてくれたんだろ
好実:そうだよ、笑わせてくれたのにさ
愛華:ほんと、自分勝手なんだから
賢也:みんな!!俺だよ!賢也だよ!
太一:もう本当に賢也はいないんだよな
賢也:俺はここにいる!!
好実:うん、会いたいけど会えない
賢也:今いるんだって!ここに!
愛華:私達も賢也みたいに前に進まないとね
賢也:いい加減にしろよー!!
カエデ:見苦しいぞ、ここにいると言ってもお前は1週間後にはこの世にはおらんのじゃぞ
賢也:・・・くっ!
カエデ:この1週間、この若造たちと戯れるのもありじゃ
カエデ:残りの時間、最期まで楽しめよ
太一:よし、じゃあ俺らも前に進もう
好実:そうだね、もう賢也は居ないんだし
愛華:・・・最後にあいつに言う言葉ってあれしかないよね
好実:うん、じゃあ海水手ですくって賢也に投げてあげよ?
太一:いいね、最後に浴びさせてやろうぜ
賢也:おいおい、上等じゃねえか受けてやるよ
カエデ:ば、ばか!おい!海水は受けるな!
好実:じゃあいくよー?せーの
:(一斉に)
太一:賢也のばーか!
好実:賢也のばーか!
愛華:賢也のばーか!
賢也:うわあああああ!!!
0:賢也は思い切り海水を浴びる
太一:・・・え?
好実:嘘でしょ?
賢也:・・・つ、つめてー!!
愛華:・・・なんで、なんでここに賢也がいるの!?
太一:賢也が・・・いる?
好実:なんで!?どういうこと!?
愛華:・・・賢也!!
賢也:みんな・・・俺の姿見えるのか?
好実:見えるよ!なんでここにいるの!?
賢也:お、俺、みんなと会いたかったんだ
賢也:俺さ、死んじゃってずっと後悔してた
賢也:でも、そんな後悔ももう終わりにしたい
賢也:あと1週間、みんなと居られるらしいから、みんなのそばに・・・
カエデ:おい、男、よく聞け
賢也:・・・え?
カエデ:人間に見られる方法があると言ったよな
カエデ:お前は今、人間に姿が見えている
カエデ:その方法は、塩を浴びること
カエデ:もっと言えば塩水じゃ
賢也:塩水?
カエデ:そう、でも、その効果は約5分
カエデ:塩は霊気を吸い取るが塩水は霊を溶かす、5分後にはお前はもうこの世にはおらん
賢也:・・・なんだって?
カエデ:残念じゃが、もう時期にお前は居なくなる
カエデ:最後に友と一緒になれて運がいいな
賢也:・・・なんでまたこんなことに・・・
太一:賢也、これはどういうことなんだ?
賢也:は、はは!俺のかまってオーラが出過ぎてみんなに見えてしまったようだ!
賢也:さあ!俺は残り時間が少ない!みんな!俺に・・・
:(ガバッ)
0:みんな一斉に賢也に抱きつく
太一:お前はなんてことしてんだよ!ふざけんなよ!
好実:勝手に死なないで!もっと笑わせて!
賢也:太一・・・好実・・・
愛華:賢也・・・
愛華:あんた、あの時私に好きって言ったの?
賢也:ああ、言ったよ
愛華:好きって言っておいて私を置いていくの?
賢也:・・・ごめん
愛華:本当に最低よ
愛華:なんで死んだのよ!バカ!賢也なんか嫌い!
愛華:あんな死に方ないわよ!私に好きって言ってなんで死ぬの!?
愛華:賢也なんか嫌い!!大嫌い!嫌い、嫌い・・・
愛華:うっううぅ・・・
愛華:賢也・・・大好き
賢也:・・・愛華ー!!
賢也:ごめんな、愛華、もっとお前を・・・笑わせたくて
賢也:俺本当にバカだよな、みんなに合わせる顔ないはずなのにさ
賢也:こうやってみんなが俺を見て泣いてくれて俺も幸せだよ
賢也:けど、今は泣いててもいいからさ。その後に笑ってくれよ
賢也:俺っていうバカが居たって笑い話にしてくれ
賢也:それが俺の幸せなんだ
好実:ほんとにバカ!バカバカバカバカ!
太一:お前以上のバカは居ねーよ
愛華:でもね、賢也以上に愛される人も居ないよ
愛華:賢也はバカだけど、みんな賢也のこと大好きなの
賢也:・・・お前ら
賢也:俺も好きだ!!
賢也:俺はお前らのこと絶対忘れない!!
賢也:俺が幽霊になったら愛華の風呂覗いてやるからな!?
賢也:お前らのありとあらゆる姿絶対見てやるからな!
カエデ:おい、男、もう時間だ
賢也:最後まで笑ってくれよなー!!
:(一斉に)
太一:ばーか!
好実:ばーか!
愛華:ばーか!
0:賢也はこの世から姿を消した
0:そして
賢也:ねえカエデさん
カエデ:なんじゃ?あの世でもうるさいのはごめんじゃぞ
賢也:愛華の風呂って覗けるかな?
カエデ:覗けるわけないじゃろ、お前はもうあっちの世界には戻れん
賢也:そうだよなー
賢也:まあ、クヨクヨしててもしょうがない
賢也:さっき散々泣いたし、俺も前を向こう
カエデ:ほーん、前向きか
カエデ:あっしはそういうバカ嫌いじゃないぞ
賢也:当たり前だ!俺が泣いてたらみんな笑えなくなるだろ?
賢也:こっちの世界でも俺は笑いたい
賢也:笑顔でみんなを見守る事が俺の幸せだ
賢也:だから太一、好実、そして、愛華
賢也:みんなも幸せになってくれよ
賢也:バカって言って泣いた後に笑ってくれ
0:〜End〜