台本概要

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タイトル 桃姫とかぐや太郎
作者名 きいろ*  (@kiiro83)
ジャンル 童話
演者人数 5人用台本(男2、女2、不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 桃から産まれたのが元気な男の子ではなく女の子だったら…
竹から産まれたのがおしとやかな女の子ではなく男の子だったら…
そしてその二人が一緒に育ったら…

おとぎ話のもしものパロディです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
桃姫 8 桃から産まれた元気な女の子。
かぐや太郎 10 竹から産まれたおしとやかな男の子。
お爺さん、鬼 - ※兼ね役 二人を育てたお爺さんと、鬼が島の鬼。
お婆さん、月の使者 - ※兼ね役 二人を育てたお婆さんと、かぐや太郎を連れ帰りに来た月の使者。
語り手 不問 26 台詞は一番多いかも。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
語り手:むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 語り手:ある日、おばあさんが川へ洗濯に行くと、大きな桃がどんぶらこ~どんぶらこ~と流れてきました。 語り手:おいしそうだったので家に持ち帰って切ってみると、なんと中から元気な女の子が出てきました。 0: 0: 0: 語り手:その頃、山へ竹を取りに行ったおじいさんは、一本だけキラキラ光り輝く竹を見つけました。 語り手:不思議に思ってその竹を切ってみると、なんと中から可愛らしい男の子が出てきたのでした。 0: 0: 0: 語り手:女の子は桃姫、男の子はかぐや太郎と名づけられ、おじいさんとおばあさんに大切に育てられました。 語り手:二人はきょうだいのように仲良く育ちました。 語り手:桃姫は強くたくましい女の子になりました。 語り手:かぐや太郎は美しくおしとやかな男の子になりました。 語り手:ケンカはいつも桃姫が勝ちました。 語り手:かぐや太郎はいつも負けて泣いていましたが、桃姫が手作りのきび団子をあげると、すぐ仲直りできました。 0: 0: 0: 語り手:ところが、最近はきび団子をあげても泣きやみません。 語り手:かぐや太郎は毎晩月を見ては泣いているのです。 語り手:不思議に思った桃姫がたずねてみると、かぐや太郎は答えました。 かぐや太郎:「僕はほんとは月の都の人間なんだ。明日の満月の夜に帰らないと行けないんだよ。それが悲しくて…」 語り手:桃姫はびっくり!!おじいさんとおばあさんも悲しくなって泣きました。 0: 0: 0: 語り手:満月の夜、本当に月からお迎えがやってきました。 語り手:数十人の月の使者が牛車を連れて、空から降りてきたのです。 かぐや太郎:「おじいさん、おばあさん、お世話になりました。桃姫も…」 語り手:かぐや太郎が別れを言いかけたとき、桃姫はかぐや太郎の腕を引っぱって大きな声で言いました。 桃姫:「鬼退治に行くよ!!!!!」 語り手:かぐや太郎とおじいさんとおばあさんは、突然の桃姫の言葉にポカーンとしてしまいました。 語り手:しかし月の使者たちは黙っていません。かぐや太郎を連れ戻そうとしました。 語り手:桃姫はかぐや太郎の手をしっかりと握ったまま、きび団子を月の使者たちの口めがけてポンポンポーンと素早く投げ入れました。 語り手:そして一目散に家を出て行きました。 月の使者:「まぁ、鬼退治はいいことだし…」 語り手:月の使者達はきび団子があまりにおいしかったので、鬼退治から戻ってくるまで待っててあげることにしました。 0: 0: 0: 語り手:鬼が島に向かう船の中、かぐや太郎は桃姫にたずねました。 かぐや太郎:「ねぇ桃姫、なんで鬼退治なの?」 桃姫:「悪いやつだから」 かぐや太郎:「なんで悪いやつなの?」 桃姫:「みんなの宝物を盗んだっておじいちゃんが言ってたから」 かぐや太郎:「なんで今行くの?」 桃姫:「今思いついたから」 かぐや太郎:「僕帰らないと…」 桃姫:「女の子一人で戦いに行けって言うの?」 語り手:僕より桃姫のほうが強いから大丈夫だよ、とかぐや太郎が思ったとき、船は鬼が島に着きました。 鬼:「だれだ~!!!俺の島に侵入するやつは~!!!」 語り手:島におりると、さっそく大きな赤鬼が出てきました。 語り手:目はつりあがり、大きく開いた口からはするどく光ったキバが見えています。 語り手:手には重くてトゲトゲがびっしりとついたこん棒、そしてしましまのパンツ。見るからに恐ろしい姿でした。 語り手:かぐや太郎は桃姫の背中に隠れぶるぶる震えました。 桃姫:「やい!鬼!盗んだ宝物を返してもらうぞ!」 語り手:桃姫は腰の刀を抜き、素早く鬼に切りかかりました。 語り手:鬼は意外にも身軽に、さっと後ろへ飛び退きました。 語り手:刀はしましまのパンツをかすめましたが、破れるどころか繊維の一本もほつれませんでした。恐ろしく丈夫なパンツでした。 鬼:「がっはっは!遅い遅い!今度はこちらから一掴みして、頭からバリバリ食ろうてやる!」 鬼:「ん~?そこにいるのは…」 語り手:桃姫が飛び出したことで姿が丸見えになってしまったかぐや太郎に、鬼が気付きました。 語り手:かぐや太郎は鬼と目が合うと、めそめそ泣きだしてしまいました。 語り手:食べられる!と思ったのです。ところが… 0: 鬼:「あっ…今のウソ!!食うとか、なしなし!!」 語り手:赤鬼はかぐや太郎を見ると急に態度を変えました。 語り手:そして赤い顔をさらに真っ赤に染めました。 鬼:「やだな~こんな美人なお客様だったな・ん・て♡」 鬼:「そこのお嬢さん、僕の花嫁になっていただけませんか?君のためならどんな宝もあげちゃうよ♡」 語り手:赤鬼は仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)、蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえだ)、 語り手:火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)、龍の首の珠(りゅうのくびのたま)、燕の子安貝(つばめのこやすがい) 語り手:と、高価な宝物を次々と持ってきました。 語り手:かぐや太郎が困っていると、桃姫がそっと耳打ちしに来ました。 語り手:かぐや太郎は教えてもらった通りに話しました。 かぐや太郎:「えっと…宝物はいらないから、盗った人に返してあげて。もうみんなにいじわるしないで」 かぐや太郎:「約束してくれたら、ほっぺにちゅうしてあげるよ」 語り手:赤鬼は大喜びで指きりげんまんしました。 語り手:そしてかぐや太郎にちゅうしてもらうと、湯気を出して踊りまわりました。 語り手:かぐや太郎が本当は男の子だということは、桃姫は黙っておきました。 0: 0: 0: 0: かぐや太郎:「鬼退治終わっちゃったね」 語り手:帰りの船の中でかぐや太郎が言いました。 桃姫:「じゃぁ次は魚人退治!!」 かぐや太郎:「なんで?」 語り手:桃姫は黙ってしまいました。 語り手:かぐや太郎が不思議に思って桃姫の顔をのぞきこむと… 語り手:桃姫は顔を真っ赤にして、大粒の涙をぽろぽろとこぼしていました。 語り手:かぐや太郎は桃姫が泣いているところを初めて見ました。 桃姫:「かぐや太郎は、本当にこのままお別れしちゃってもいいの!?」 語り手:とうとう桃姫は、わーんと声をあげて泣き出してしまいました。 語り手:かぐや太郎は心の底から驚きました。お別れが寂しいのは自分だけだと思っていたのです。 語り手:だから毎晩一人で泣いていたのに、桃姫までこんなに泣いてくれるとは思いませんでした。 語り手:嬉しいのと、悲しいのと、寂しいのと、やっぱりすごく嬉しいのと、悔しいのと…複雑な気持ちになって、かぐや太郎も涙をこぼしました。 語り手:それでも一生懸命笑顔をつくって、桃姫の頭をぽんぽんとなでました。 かぐや太郎:「大丈夫、ぼくたちは離れても、ずっと一緒だよ」 語り手:桃姫はよく意味がわからなかったけれど、なんとなく安心できました。 語り手:いつも泣いていたかぐや太郎が、笑っていたからかもしれません。 語り手:二人は手を繋いで、みんなの待つ家に帰りました。 0: 0: 0: 語り手:月の使者たちは、かぐや太郎を月に連れて帰りました。 語り手:それから桃姫は、満月の夜には必ず、かぐや太郎が大好きだったきび団子を作り、おじいさんとおばあさんと一緒に月を見ながら食べるのでした。 語り手:めでたしめでた… 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 月の使者:「ちょっと待ってください!!」 語り手:見上げていた彼方の月から、かすかに声が聞こえてきました。 語り手:そして月明かりに照らされながら見覚えのある影がぞろぞろと降りてきました。 語り手:ひと月前、かぐや太郎を連れ帰った月の使者たちです。 月の使者:「そのきび団子、わたくしたちのために供えてくださったのですか?頂戴してもよろしいのですか??」 月の使者:「わたくしたち、きび団子のあまりの美味しさに、夢にまで見るほど忘れられずにいたのです」 月の使者:「甘美なお味にメロメロなのです」 語り手:突然のことに3人は唖然としていましたが、桃姫は牛車のすだれが動いたことにいち早く気が付きました。 月の使者:「もしそのきび団子をいただいて良いのなら、これからも満月の夜にかぐや太郎を連れて参ります。」 語り手:桃姫は一目散に駆け出し、牛車から降りて微笑むかぐや太郎に飛びつきました。 お爺(婆)さん:「これから満月の夜は、みんなでお月見ですね」 0: 0: 0: 語り手:さて、再会の喜びに泣いてしまったのは、桃姫とかぐや太郎のどちらだと思いますか? 語り手:今度こそ本当に、めでたしめでたし。

語り手:むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 語り手:ある日、おばあさんが川へ洗濯に行くと、大きな桃がどんぶらこ~どんぶらこ~と流れてきました。 語り手:おいしそうだったので家に持ち帰って切ってみると、なんと中から元気な女の子が出てきました。 0: 0: 0: 語り手:その頃、山へ竹を取りに行ったおじいさんは、一本だけキラキラ光り輝く竹を見つけました。 語り手:不思議に思ってその竹を切ってみると、なんと中から可愛らしい男の子が出てきたのでした。 0: 0: 0: 語り手:女の子は桃姫、男の子はかぐや太郎と名づけられ、おじいさんとおばあさんに大切に育てられました。 語り手:二人はきょうだいのように仲良く育ちました。 語り手:桃姫は強くたくましい女の子になりました。 語り手:かぐや太郎は美しくおしとやかな男の子になりました。 語り手:ケンカはいつも桃姫が勝ちました。 語り手:かぐや太郎はいつも負けて泣いていましたが、桃姫が手作りのきび団子をあげると、すぐ仲直りできました。 0: 0: 0: 語り手:ところが、最近はきび団子をあげても泣きやみません。 語り手:かぐや太郎は毎晩月を見ては泣いているのです。 語り手:不思議に思った桃姫がたずねてみると、かぐや太郎は答えました。 かぐや太郎:「僕はほんとは月の都の人間なんだ。明日の満月の夜に帰らないと行けないんだよ。それが悲しくて…」 語り手:桃姫はびっくり!!おじいさんとおばあさんも悲しくなって泣きました。 0: 0: 0: 語り手:満月の夜、本当に月からお迎えがやってきました。 語り手:数十人の月の使者が牛車を連れて、空から降りてきたのです。 かぐや太郎:「おじいさん、おばあさん、お世話になりました。桃姫も…」 語り手:かぐや太郎が別れを言いかけたとき、桃姫はかぐや太郎の腕を引っぱって大きな声で言いました。 桃姫:「鬼退治に行くよ!!!!!」 語り手:かぐや太郎とおじいさんとおばあさんは、突然の桃姫の言葉にポカーンとしてしまいました。 語り手:しかし月の使者たちは黙っていません。かぐや太郎を連れ戻そうとしました。 語り手:桃姫はかぐや太郎の手をしっかりと握ったまま、きび団子を月の使者たちの口めがけてポンポンポーンと素早く投げ入れました。 語り手:そして一目散に家を出て行きました。 月の使者:「まぁ、鬼退治はいいことだし…」 語り手:月の使者達はきび団子があまりにおいしかったので、鬼退治から戻ってくるまで待っててあげることにしました。 0: 0: 0: 語り手:鬼が島に向かう船の中、かぐや太郎は桃姫にたずねました。 かぐや太郎:「ねぇ桃姫、なんで鬼退治なの?」 桃姫:「悪いやつだから」 かぐや太郎:「なんで悪いやつなの?」 桃姫:「みんなの宝物を盗んだっておじいちゃんが言ってたから」 かぐや太郎:「なんで今行くの?」 桃姫:「今思いついたから」 かぐや太郎:「僕帰らないと…」 桃姫:「女の子一人で戦いに行けって言うの?」 語り手:僕より桃姫のほうが強いから大丈夫だよ、とかぐや太郎が思ったとき、船は鬼が島に着きました。 鬼:「だれだ~!!!俺の島に侵入するやつは~!!!」 語り手:島におりると、さっそく大きな赤鬼が出てきました。 語り手:目はつりあがり、大きく開いた口からはするどく光ったキバが見えています。 語り手:手には重くてトゲトゲがびっしりとついたこん棒、そしてしましまのパンツ。見るからに恐ろしい姿でした。 語り手:かぐや太郎は桃姫の背中に隠れぶるぶる震えました。 桃姫:「やい!鬼!盗んだ宝物を返してもらうぞ!」 語り手:桃姫は腰の刀を抜き、素早く鬼に切りかかりました。 語り手:鬼は意外にも身軽に、さっと後ろへ飛び退きました。 語り手:刀はしましまのパンツをかすめましたが、破れるどころか繊維の一本もほつれませんでした。恐ろしく丈夫なパンツでした。 鬼:「がっはっは!遅い遅い!今度はこちらから一掴みして、頭からバリバリ食ろうてやる!」 鬼:「ん~?そこにいるのは…」 語り手:桃姫が飛び出したことで姿が丸見えになってしまったかぐや太郎に、鬼が気付きました。 語り手:かぐや太郎は鬼と目が合うと、めそめそ泣きだしてしまいました。 語り手:食べられる!と思ったのです。ところが… 0: 鬼:「あっ…今のウソ!!食うとか、なしなし!!」 語り手:赤鬼はかぐや太郎を見ると急に態度を変えました。 語り手:そして赤い顔をさらに真っ赤に染めました。 鬼:「やだな~こんな美人なお客様だったな・ん・て♡」 鬼:「そこのお嬢さん、僕の花嫁になっていただけませんか?君のためならどんな宝もあげちゃうよ♡」 語り手:赤鬼は仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)、蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえだ)、 語り手:火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)、龍の首の珠(りゅうのくびのたま)、燕の子安貝(つばめのこやすがい) 語り手:と、高価な宝物を次々と持ってきました。 語り手:かぐや太郎が困っていると、桃姫がそっと耳打ちしに来ました。 語り手:かぐや太郎は教えてもらった通りに話しました。 かぐや太郎:「えっと…宝物はいらないから、盗った人に返してあげて。もうみんなにいじわるしないで」 かぐや太郎:「約束してくれたら、ほっぺにちゅうしてあげるよ」 語り手:赤鬼は大喜びで指きりげんまんしました。 語り手:そしてかぐや太郎にちゅうしてもらうと、湯気を出して踊りまわりました。 語り手:かぐや太郎が本当は男の子だということは、桃姫は黙っておきました。 0: 0: 0: 0: かぐや太郎:「鬼退治終わっちゃったね」 語り手:帰りの船の中でかぐや太郎が言いました。 桃姫:「じゃぁ次は魚人退治!!」 かぐや太郎:「なんで?」 語り手:桃姫は黙ってしまいました。 語り手:かぐや太郎が不思議に思って桃姫の顔をのぞきこむと… 語り手:桃姫は顔を真っ赤にして、大粒の涙をぽろぽろとこぼしていました。 語り手:かぐや太郎は桃姫が泣いているところを初めて見ました。 桃姫:「かぐや太郎は、本当にこのままお別れしちゃってもいいの!?」 語り手:とうとう桃姫は、わーんと声をあげて泣き出してしまいました。 語り手:かぐや太郎は心の底から驚きました。お別れが寂しいのは自分だけだと思っていたのです。 語り手:だから毎晩一人で泣いていたのに、桃姫までこんなに泣いてくれるとは思いませんでした。 語り手:嬉しいのと、悲しいのと、寂しいのと、やっぱりすごく嬉しいのと、悔しいのと…複雑な気持ちになって、かぐや太郎も涙をこぼしました。 語り手:それでも一生懸命笑顔をつくって、桃姫の頭をぽんぽんとなでました。 かぐや太郎:「大丈夫、ぼくたちは離れても、ずっと一緒だよ」 語り手:桃姫はよく意味がわからなかったけれど、なんとなく安心できました。 語り手:いつも泣いていたかぐや太郎が、笑っていたからかもしれません。 語り手:二人は手を繋いで、みんなの待つ家に帰りました。 0: 0: 0: 語り手:月の使者たちは、かぐや太郎を月に連れて帰りました。 語り手:それから桃姫は、満月の夜には必ず、かぐや太郎が大好きだったきび団子を作り、おじいさんとおばあさんと一緒に月を見ながら食べるのでした。 語り手:めでたしめでた… 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: 月の使者:「ちょっと待ってください!!」 語り手:見上げていた彼方の月から、かすかに声が聞こえてきました。 語り手:そして月明かりに照らされながら見覚えのある影がぞろぞろと降りてきました。 語り手:ひと月前、かぐや太郎を連れ帰った月の使者たちです。 月の使者:「そのきび団子、わたくしたちのために供えてくださったのですか?頂戴してもよろしいのですか??」 月の使者:「わたくしたち、きび団子のあまりの美味しさに、夢にまで見るほど忘れられずにいたのです」 月の使者:「甘美なお味にメロメロなのです」 語り手:突然のことに3人は唖然としていましたが、桃姫は牛車のすだれが動いたことにいち早く気が付きました。 月の使者:「もしそのきび団子をいただいて良いのなら、これからも満月の夜にかぐや太郎を連れて参ります。」 語り手:桃姫は一目散に駆け出し、牛車から降りて微笑むかぐや太郎に飛びつきました。 お爺(婆)さん:「これから満月の夜は、みんなでお月見ですね」 0: 0: 0: 語り手:さて、再会の喜びに泣いてしまったのは、桃姫とかぐや太郎のどちらだと思いますか? 語り手:今度こそ本当に、めでたしめでたし。