台本概要
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タイトル | 窓辺のルラルラヨルラ |
---|---|
作者名 | きいろ* (@kiiro83) |
ジャンル | 童話 |
演者人数 | 3人用台本(女1、不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
街はずれの海が見える丘に建つ小さな家。 そこに住む男の子は、一緒に住む魔女の魔法で白い鳥に姿を変えます。 そして海の向こうに飛んでいき、人々の笑顔を分けてもらいます。 夜になり魔女が呪文を唱えると、集めた笑顔は夜空に散らばり、キラキラと輝く星になります。 暗い夜も、寂しくありませんように。 ある嵐の朝、今日は笑顔を集められそうにありません。 魔女は思いつめたように荒れた海を見つめました。そして… 403 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
語り手 | 不問 | 47 | 一番台詞が多い。 |
魔女 | 女 | 33 | 海が見える丘に住む魔女。 夜、魔法で集めた笑顔を星に変え、それを眺めながら静かに暮らしている。 |
白い鳥の男の子 | 不問 | 22 | 魔女と一緒に暮らす男の子。 昼間は白い鳥に姿を変え、遠くの街の人々の笑顔を分けてもらいに行く。 ※魚、ウツボと兼ね役 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
語り手:街はずれの海が見える丘に、白い小さな家がありました。
語り手:中には大きな四角い窓があり、そのすぐ前には丸いテーブルと二脚のイスがありました。
語り手:テーブルの上には、黒い服を着た小さな魔女の置き物が置いてあります。
語り手:陶器でできた手に細い杖を持っていました。
語り手:杖の先にはつるんとした丸い透明な宝石が付いています。
0:
語り手:窓からはちょうど空と海が半分ずつ見渡せます。
語り手:遠くの水平線にお日様が沈んでいくところです。
語り手:空は絵の具を染み込ませたように少しずつオレンジ色に染まっていきました。
語り手:青い海は空の色を映して、まるでオレンジの粒がキラキラと光っているようでした。
0:
語り手:お日様の顔半分が海に隠れ、紺色の夜を迎えようとしていた時でした。
語り手:遠くの空から一羽の白い鳥が、家の窓に向かってまっすぐ飛んできました。
語り手:鳥は窓の前までくると、くちばしでトントンとガラスを叩きました。
語り手:家の中には誰もいません。が、窓はゆっくりと開きました。
語り手:開けてくれたのは、魔女の置き物です。
語り手:小さな置き物がトントントンと弾むように歩いて、窓を開けてくれたのです。
語り手:少しだけ開いた窓の隙間から鳥は家の中へ入りました。
語り手:魔女の置き物が手を放すと、窓はパタンと閉まりました。
語り手:それと同時に、小さな置き物だった魔女の背が伸び、陶器の肌は柔らかな人間のものに変わりました。
魔女:「遅かったわね。心配したわ」
語り手:そう言われて鳥が窓の外を見ると、いつの間にかお日様はすっかり姿を隠し、辺りには真っ暗な夜が広がっていまいた。
白い鳥の男の子:「ごめん。ちょっと遠くの方まで行ってきたんだ」
語り手:鳥はそう言って持っていた袋を魔女に渡しました。
白い鳥の男の子:「今日はたくさんの人たちの笑顔を分けてもらえたよ。遠くの街でお祭りがあって、みんなとても楽しそうに笑っていたんだ。」
魔女:「そう。それなら今日はとてもキレイな夜になるわ」
語り手:魔女は杖を回して呪文を唱えました。
魔女:「ルラルラヨルラ。夜空を飾れ。」
語り手:すると袋の中身がパッと飛び出し、窓の外の真っ暗な空に散らばりました。
語り手:それは星になって、暗かった夜空をキラキラ輝かせました。
語り手:鳥が一日かけて集めた誰かの笑顔が、魔女の魔法で空に散らばり、星になったのです。
語り手:夜空の星は、まるでたくさんの人たちがそこで笑っているように、キラキラ、キラキラ瞬いています。
魔女:「これなら今日も、いい夢が見れそうね。」
魔女:「さぁ、あなたも元の姿に戻してあげましょう」
語り手:魔女が杖を振ると、鳥は白い服を着た小さな人間の男の子の姿に変わりました。
0:
語り手:魔女と男の子は椅子に座り、窓から見える大きな四角い景色を眺めました。
語り手:水面は鏡のように星々を映して、空と海との境を溶かしてしまったように一枚に繋げています。
語り手:小さな光、明るい光、赤い光、白い光、まるで宝石箱のように、様々な光が窓いっぱいに輝いていました。
語り手:魔女は魔法でミルクを出し、素晴らしい夜を眺めながら二人で飲みました。
語り手:男の子は魔女に、集めてきた笑顔の話をします。
語り手:どんな子が、どんなことで笑顔になったのか。
語り手:楽しい、嬉しい、好き、面白い、安らぎ、星のように様々なエピソードに、魔女もまた柔らかな笑顔で耳を傾けるのでした。
0:
語り手:笑顔の話がひと段落し、静かな時が流れた後、男の子はふと、いつもはしない話を魔女にしました。
白い鳥の男の子:「どうして僕は鳥に姿を変えられるの?」
魔女:「私が空を飛びたいと望んだから」
白い鳥の男の子:「どうして空を飛びたかったの?」
魔女:「逃げ出したかったからよ。遠く遠く、どこか知らない場所まで」
白い鳥の男の子:「そうなんだ。この窓は飛び出すのにちょうどいい大きさだよね」
魔女:「………」
白い鳥の男の子:「それなら自分が鳥になればいいのに、どうして僕なの?」
魔女:「あなたは私だから。それに、」
0:魔女は遠くを見つめながらぼんやり呟きます。
魔女:「私は、魔女になってしまったから。他のものになることはできないの。私は、魔女なの。」
語り手:それから二人は、静かにミルクと美しい夜を味わい、椅子に腰かけたまま眠りの中へ誘われていきました。
0:
0:
0:
0:
語り手:次の日は朝から雨でした。
語り手:海は荒れ、激しい波が崖にぶつかり大きな飛沫(しぶき)を上げています。
白い鳥の男の子:「この雨と風じゃ飛ぶのは難しいな」
語り手:嵐を見つめながら男の子が言いました。
0:
語り手:朝日が昇ると魔女は置き物に戻ってしまいます。
語り手:そうなると魔法は使えなくなるので、いつもその前に鳥の姿に変えてもらうのですが、今日は人間の姿のまま、窓から灰色の景色を眺めていました。
0:
語り手:今までも雨が降る日はありましたが、男の子が飛び立てないほど荒れるのは初めてでした。
語り手:吹き荒れる風が窓ガラスに当たり、ガタガタと大きな音を立てています。
魔女:「陶器のように重い身体じゃなければ、この風に乗って遠くに飛んでいくこともできたのかしら」
白い鳥の男の子:「この風は強すぎるよ。飛ばされたまま、迷子になってしまうかもしれないよ」
魔女:「戻ってくるつもりがないのなら、迷子になってもいいのかしら」
白い鳥の男の子:「ねぇ、どうしてそんなに遠くに行きたがるの?この場所が嫌いなの?」
魔女:「大好きだったから辛いのかもしれない。この場所には誰もいなくなってしまったわ」
白い鳥の男の子:「僕がいるよ」
魔女:「あなたは私だから。この真っ白な家には何もない」
白い鳥の男の子:「魔法があるよ」
魔女:「私が本当に使いたかった魔法は何だったのだろう。」
魔女:「魔法で何を出したかったのだろう。何になりたかったのだろう。わからないの」
語り手:魔女は陶器の小さな手で窓を開きました。
語り手:同時に突風と冷たい雨が吹き込んできます。男の子は風に押されて尻もちをついてしまいました。
魔女:「今日は笑顔を集められない。真っ暗な夜は悪夢を見るわ」
語り手:魔女は倒れるようにして、窓の外に落ちていきました。
語り手:崖にぶつかれば、陶器の身体は粉々に砕け散ったことでしょう。
語り手:しかし激しい風に煽られた身体は、真っ直ぐに海面を貫通し、そのまま海の中へと消えてしまいました。
0:
語り手:魔女が魔法で叶えたかったことは何だったのでしょう?
語り手:叶えられなかったことは何だったのでしょう。
0:
語り手:男の子は人間の姿のまま、開け放された窓に足をかけました。
白い鳥の男の子:「本当は知ってるんだ」
語り手:一言だけポツリと呟いて、彼もまた暗い海に消えていきました。
語り手:この窓は、飛び出すのにちょうどいい大きさでした。
0:
0:
0:
0:
語り手:底がないのではないかと思うくらい深い海に、重い陶器の身体はどこまでも沈んでいきました。
語り手:深く吸い込まれていくほどに闇は濃くなり、厚い雲に覆われた空にも太陽は出ていたのだと気づかされます。
語り手:沈んでいけばいくほど、海の内側は静かでした。
語り手:静けさの中で魔女はぼんやり思い出します。
語り手:いつのことだったか、あの白い家のドアをノックして訪ねてくれた人がいたことを。
語り手:とても驚いたけれど、とても嬉しくて、中に招き入れて共に過ごしたこと。
語り手:椅子に座ってミルクを飲みながら窓の外を眺めて、たわいもないお喋りに心弾ませたこと。
語り手:目の前の笑顔が、自分だけに向けられていたことが、どれほど嬉しかったか。
語り手:もうどんなに暗い夜も怖くないと思っていたのに、その人は再びドアを開けて去ってしまいました。
語り手:どれほど寂しかったか。その時の心の痛みを思い出しながら、魔女はさらに深く、沈んでいきました。
0:
0:
0:
0:
魚:「ねぇ、助けてあげないの?」
語り手:気がつくと赤色の小さな魚が魔女の耳元で囁いていました。
語り手:いつの間にか海の中は岩がぼこぼこと突き出した地形に変わり、魔女の身体はその上で止まっていました。
語り手:魔女が見上げると、視界に入るギリギリのところで白い何かが揺れていました。
語り手:岩から伸びた数多(あまた)の海藻に、何かが絡み引っかかっていたのです。
語り手:魔女を追いかけて飛び込んできた男の子でした。
語り手:男の子は目を閉じ、海藻をほどこうともせずただ波に揺られていました。
語り手:意識があるのか、ないのかもわかりません。
魚:「ねぇ、助けてあげないの?」
語り手:いつの間にか桃色の魚も増え、魔女に尋ねました。
魔女:「私が海に消えれば、彼も消えてしまうと思ってた」
魚:「あなたを追いかけてきたんだよ」
語り手:黄色い魚がやってきて言いました。
魚:「助けてあげようよ」
魚:「動けなくて可哀想だよ」
語り手:橙、紫、ターコイズブルー、小さな魚は次々増え、魔女の周りを鮮やかに取り囲みました。
魔女:「私は今こんな身体だし、魔法が使えないの」
魚:「それなら…」
語り手:エメラルドグリーンの魚が言い終わる前に、いつの間にか後ろから近づいていた長い影に、一飲みにされてしまいました。
語り手:魚を食べたのはウツボでした。
語り手:ウツボは長い尾をくねらせながら、逃げようとする魚たちをあっという間に食べてしまいました。
語り手:そして魔女の置き物を尾で一巻きして掴み、
ウツボ:「堕ちていきたいなら付き合うぜ」
語り手:と言って先の見えない水底に引きずり込みました。
魔女:「あなたはどうして私を連れて行ってくれるの?」
ウツボ:「お前がそう望んだから」
魔女:「あの魚たちはどうして、彼を助けるように話したの?」
ウツボ:「お前がそう望んだから」
魔女:「あの子はどうして、私を追ってきたの?」
ウツボ:「あの子はお前だ。お前しか知らない。」
魔女:「私が、望んだことは…」
語り手:魔女は、自分自身のことなのに何もわかっていないと思いました。
語り手:わかることもありますが、それは自分の魔法では叶えられないことなのです。
ウツボ:「お前が魔法を使えるのは、あの白い家と、そこから見える海の中でだけ。外の世界から来た相手には使えない」
魔女:「わかってるわ。だから私の望みはもう叶わない。他に望んでいることがあるのかなんて、わからない。」
ウツボ:「お前はいつから魔女になったんだ?」
魔女:「…いつからだったろう?」
ウツボ:「あの子はいつからお前のそばにいた?」
魔女:「あの子は…」
語り手:ずっと一緒にいたような気もするし、そうではない気もしました。
語り手:ただ自分自身を魔女だと認識したとき、あの子は確実に彼女の隣にいました。
白い鳥の男の子:「ぼくがみんなの笑顔を集めてくるから、君の魔法で星に変えよう。そうすれば、暗い夜も怖くないよ」
語り手:そう教えてくれたのは、あの子だったのです。
語り手:ウツボと魔女が向かう先から、ぼんやり揺らめく何かが、ひとつ、ふたつ、みっつ…
語り手:群れを成してふわりふわりと浮かんできました。
ウツボ:「そうか。また、望んだんだな」
語り手:浮上してきたのはミズクラゲの群れでした。
語り手:その内の一匹がウツボをチクリと刺すと、ウツボはビクンと跳ねた後、魔女を掴んでいた尾をほどいて海の暗がりへ消えていきました。
語り手:魔女の置き物はミズクラゲの柔らかな身体に乗り、上へ上へと戻っていきます。
語り手:ぼんやり透き通るミズクラゲの体の中で、小さな命の灯火が揺らめいているのが綺麗でした。
魔女:「私が、望んだから…」
語り手:魔女は自分がどこで降りるべきか、わかった気がしました。
0:
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語り手:魔女を乗せたミズクラゲの群れは、岩が突き出している場所まで戻ってきました。
語り手:白い服の男の子はさっきと同じ状態で、海藻に絡みとどまっていました。
語り手:魔女はコロンと転がって、男の子の前に降りました。
語り手:男の子がゆっくりと目を開いて言いました。
白い鳥の男の子:「やっぱり、まだ諦めてなかった」
魔女:「何を?」
白い鳥の男の子:「君の人生を。君は本当は、諦めたくないんだよ。だから僕がここにいて、君もここに戻ってきた」
魔女:「あなたを助けたいの。でも私は夜にならないと魔法を使えない。どうすればいいの?」
白い鳥の男の子:「魔女と魔法使いの違いはなんだと思う?」
魔女:「魔女と魔法使いの違い…?」
語り手:魔女は考えてみましたが、よくわかりませんでした。
白い鳥の男の子:「呪いを使えるかどうかだよ」
魔女:「呪い…」
語り手:呪いとは何でしょう。誰かを恨み、その相手を縛ることだとしたら。
魔女:「私はずっと、自分自身に、呪いをかけていたのね」
白い鳥の男の子:「そうだよ。もう自分を許してあげようよ。自分を縛るのはやめよう」
語り手:魔女の心の中でもやもやと立ち込めていた霧が、少しずつ晴れていくようでした。
魔女:「私は、愛されたかったのね。愛されない自分を許せなかったのね。」
魔女:「でも、叶わない望みに嘆くより、もっともっと大切なことがあったのね」
語り手:魔女が呟くと、陶器の身体がパリンと弾けて、人間の姿に戻りました。
語り手:そして柔らかな腕で海藻に縛られている男の子を抱きしめて、言いました。
魔女:「あなたは私よ。ありがとう。愛してる」
語り手:男の子を縛っていた海藻はスルスル解けて、自由になりました。
白い鳥の男の子:「ありがとう。僕も愛してる」
白い鳥の男の子:「ねぇ、来て!」
語り手:男の子は魔女の腕を引いて、水底に向かって泳ぎました。
語り手:一人で落ちていた時はどこまでも続くように感じていたのに、今度はすぐに底が見えてきました。
語り手:何かがあちこちでキラキラと光を放っていて、近づくほどに明るくなります。
白い鳥の男の子:「この光はね、君の笑顔の星だよ。」
白い鳥の男の子:「夜、君は僕が集めた笑顔の星空を見ながら、いつも優しく微笑んでいた。僕はこっそり、そんな君の笑顔も集めていたんだよ。」
白い鳥の男の子:「そして次の日、君はみんなの笑顔と一緒に自分の笑顔も夜空の星に変えた。」
白い鳥の男の子:「君の笑顔だけは朝になっても消えないで、流れ星になってこの海に集まっていたんだよ」
語り手:水底に到達すると、白い砂の上で小さな光がいくつも瞬いていました。
語り手:白く、温かい光でした。
白い鳥の男の子:「君の呪いはもう解けた。君は魔法使いになったんだよ。」
白い鳥の男の子:「君が流した涙が、その杖の先の宝石になったんだ。それこそが魔法の源なんだ。何も嘆くことはないんだよ。」
語り手:魔法使いと呼ばれた彼女は、杖の先の透明な宝石を撫で、泣きそうな声で囁きました。
魔女:「…ルラルラヨルラ。夜空を飾れ」
語り手:彼女の言葉と共に、複数のことが同時に起きました。
語り手:水底に眠っていた星たちは一斉に、海面目掛けて勢いよく上昇しました。
語り手:黒い魔女は、白い魔法使いに変わり、男の子は大きな白い鳥に姿を変えました。
語り手:そしてその背に魔法使いを乗せ、星たちを追いかけるように上昇しました。
語り手:いつの間にか嵐は止み、夜を迎えていた空に、今飛び出したばかりの星が輝きます。
語り手:美しい星空を背景に、白い魔法使いを乗せた鳥も飛び出しました。
0:
語り手:男の子が嬉しそうに声を弾ませます。
白い鳥の男の子:「君も一緒に見に行こうよ。これから君と出会う人が、どんな人たちか。その素敵な笑顔を!」
語り手:白い鳥は魔法使いを乗せ、水平線の向こうへと飛んでいきました。
語り手:まばゆい朝日が少しずつ、彼方から差し込み始めていました。
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0:
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語り手:大きな窓から空と海が見える家。
語り手:この窓から見えるのは、あなたの心の中の景色です。
語り手:笑えない時もある。心が押しつぶされてしまいそうな時もある。
語り手:自分が笑えない時は、周りの人の笑顔を集めてみてください。
語り手:あなたの心の中にもきっといる小さな子どもが、手伝ってくれるはずです。
語り手:無理しなくていい。気づくだけでいい。
語り手:目の前の人は、あなたと一緒にいるから笑っています。
語り手:あなたのことが大好きだから笑っています。
語り手:その笑顔が、あなたの心の暗い夜に星を灯します。
語り手:少しずつ少しずつ明るくなって、夜が怖くなくなった時、流れ星があなたの願いを叶えます。
語り手:そして、明けない夜がないことを、あなたは知るのでしょう。
0:
語り手:ルラルラヨルラ。夜空を飾れ!
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0:おしまい
語り手:街はずれの海が見える丘に、白い小さな家がありました。
語り手:中には大きな四角い窓があり、そのすぐ前には丸いテーブルと二脚のイスがありました。
語り手:テーブルの上には、黒い服を着た小さな魔女の置き物が置いてあります。
語り手:陶器でできた手に細い杖を持っていました。
語り手:杖の先にはつるんとした丸い透明な宝石が付いています。
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語り手:窓からはちょうど空と海が半分ずつ見渡せます。
語り手:遠くの水平線にお日様が沈んでいくところです。
語り手:空は絵の具を染み込ませたように少しずつオレンジ色に染まっていきました。
語り手:青い海は空の色を映して、まるでオレンジの粒がキラキラと光っているようでした。
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語り手:お日様の顔半分が海に隠れ、紺色の夜を迎えようとしていた時でした。
語り手:遠くの空から一羽の白い鳥が、家の窓に向かってまっすぐ飛んできました。
語り手:鳥は窓の前までくると、くちばしでトントンとガラスを叩きました。
語り手:家の中には誰もいません。が、窓はゆっくりと開きました。
語り手:開けてくれたのは、魔女の置き物です。
語り手:小さな置き物がトントントンと弾むように歩いて、窓を開けてくれたのです。
語り手:少しだけ開いた窓の隙間から鳥は家の中へ入りました。
語り手:魔女の置き物が手を放すと、窓はパタンと閉まりました。
語り手:それと同時に、小さな置き物だった魔女の背が伸び、陶器の肌は柔らかな人間のものに変わりました。
魔女:「遅かったわね。心配したわ」
語り手:そう言われて鳥が窓の外を見ると、いつの間にかお日様はすっかり姿を隠し、辺りには真っ暗な夜が広がっていまいた。
白い鳥の男の子:「ごめん。ちょっと遠くの方まで行ってきたんだ」
語り手:鳥はそう言って持っていた袋を魔女に渡しました。
白い鳥の男の子:「今日はたくさんの人たちの笑顔を分けてもらえたよ。遠くの街でお祭りがあって、みんなとても楽しそうに笑っていたんだ。」
魔女:「そう。それなら今日はとてもキレイな夜になるわ」
語り手:魔女は杖を回して呪文を唱えました。
魔女:「ルラルラヨルラ。夜空を飾れ。」
語り手:すると袋の中身がパッと飛び出し、窓の外の真っ暗な空に散らばりました。
語り手:それは星になって、暗かった夜空をキラキラ輝かせました。
語り手:鳥が一日かけて集めた誰かの笑顔が、魔女の魔法で空に散らばり、星になったのです。
語り手:夜空の星は、まるでたくさんの人たちがそこで笑っているように、キラキラ、キラキラ瞬いています。
魔女:「これなら今日も、いい夢が見れそうね。」
魔女:「さぁ、あなたも元の姿に戻してあげましょう」
語り手:魔女が杖を振ると、鳥は白い服を着た小さな人間の男の子の姿に変わりました。
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語り手:魔女と男の子は椅子に座り、窓から見える大きな四角い景色を眺めました。
語り手:水面は鏡のように星々を映して、空と海との境を溶かしてしまったように一枚に繋げています。
語り手:小さな光、明るい光、赤い光、白い光、まるで宝石箱のように、様々な光が窓いっぱいに輝いていました。
語り手:魔女は魔法でミルクを出し、素晴らしい夜を眺めながら二人で飲みました。
語り手:男の子は魔女に、集めてきた笑顔の話をします。
語り手:どんな子が、どんなことで笑顔になったのか。
語り手:楽しい、嬉しい、好き、面白い、安らぎ、星のように様々なエピソードに、魔女もまた柔らかな笑顔で耳を傾けるのでした。
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語り手:笑顔の話がひと段落し、静かな時が流れた後、男の子はふと、いつもはしない話を魔女にしました。
白い鳥の男の子:「どうして僕は鳥に姿を変えられるの?」
魔女:「私が空を飛びたいと望んだから」
白い鳥の男の子:「どうして空を飛びたかったの?」
魔女:「逃げ出したかったからよ。遠く遠く、どこか知らない場所まで」
白い鳥の男の子:「そうなんだ。この窓は飛び出すのにちょうどいい大きさだよね」
魔女:「………」
白い鳥の男の子:「それなら自分が鳥になればいいのに、どうして僕なの?」
魔女:「あなたは私だから。それに、」
0:魔女は遠くを見つめながらぼんやり呟きます。
魔女:「私は、魔女になってしまったから。他のものになることはできないの。私は、魔女なの。」
語り手:それから二人は、静かにミルクと美しい夜を味わい、椅子に腰かけたまま眠りの中へ誘われていきました。
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語り手:次の日は朝から雨でした。
語り手:海は荒れ、激しい波が崖にぶつかり大きな飛沫(しぶき)を上げています。
白い鳥の男の子:「この雨と風じゃ飛ぶのは難しいな」
語り手:嵐を見つめながら男の子が言いました。
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語り手:朝日が昇ると魔女は置き物に戻ってしまいます。
語り手:そうなると魔法は使えなくなるので、いつもその前に鳥の姿に変えてもらうのですが、今日は人間の姿のまま、窓から灰色の景色を眺めていました。
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語り手:今までも雨が降る日はありましたが、男の子が飛び立てないほど荒れるのは初めてでした。
語り手:吹き荒れる風が窓ガラスに当たり、ガタガタと大きな音を立てています。
魔女:「陶器のように重い身体じゃなければ、この風に乗って遠くに飛んでいくこともできたのかしら」
白い鳥の男の子:「この風は強すぎるよ。飛ばされたまま、迷子になってしまうかもしれないよ」
魔女:「戻ってくるつもりがないのなら、迷子になってもいいのかしら」
白い鳥の男の子:「ねぇ、どうしてそんなに遠くに行きたがるの?この場所が嫌いなの?」
魔女:「大好きだったから辛いのかもしれない。この場所には誰もいなくなってしまったわ」
白い鳥の男の子:「僕がいるよ」
魔女:「あなたは私だから。この真っ白な家には何もない」
白い鳥の男の子:「魔法があるよ」
魔女:「私が本当に使いたかった魔法は何だったのだろう。」
魔女:「魔法で何を出したかったのだろう。何になりたかったのだろう。わからないの」
語り手:魔女は陶器の小さな手で窓を開きました。
語り手:同時に突風と冷たい雨が吹き込んできます。男の子は風に押されて尻もちをついてしまいました。
魔女:「今日は笑顔を集められない。真っ暗な夜は悪夢を見るわ」
語り手:魔女は倒れるようにして、窓の外に落ちていきました。
語り手:崖にぶつかれば、陶器の身体は粉々に砕け散ったことでしょう。
語り手:しかし激しい風に煽られた身体は、真っ直ぐに海面を貫通し、そのまま海の中へと消えてしまいました。
0:
語り手:魔女が魔法で叶えたかったことは何だったのでしょう?
語り手:叶えられなかったことは何だったのでしょう。
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語り手:男の子は人間の姿のまま、開け放された窓に足をかけました。
白い鳥の男の子:「本当は知ってるんだ」
語り手:一言だけポツリと呟いて、彼もまた暗い海に消えていきました。
語り手:この窓は、飛び出すのにちょうどいい大きさでした。
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語り手:底がないのではないかと思うくらい深い海に、重い陶器の身体はどこまでも沈んでいきました。
語り手:深く吸い込まれていくほどに闇は濃くなり、厚い雲に覆われた空にも太陽は出ていたのだと気づかされます。
語り手:沈んでいけばいくほど、海の内側は静かでした。
語り手:静けさの中で魔女はぼんやり思い出します。
語り手:いつのことだったか、あの白い家のドアをノックして訪ねてくれた人がいたことを。
語り手:とても驚いたけれど、とても嬉しくて、中に招き入れて共に過ごしたこと。
語り手:椅子に座ってミルクを飲みながら窓の外を眺めて、たわいもないお喋りに心弾ませたこと。
語り手:目の前の笑顔が、自分だけに向けられていたことが、どれほど嬉しかったか。
語り手:もうどんなに暗い夜も怖くないと思っていたのに、その人は再びドアを開けて去ってしまいました。
語り手:どれほど寂しかったか。その時の心の痛みを思い出しながら、魔女はさらに深く、沈んでいきました。
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魚:「ねぇ、助けてあげないの?」
語り手:気がつくと赤色の小さな魚が魔女の耳元で囁いていました。
語り手:いつの間にか海の中は岩がぼこぼこと突き出した地形に変わり、魔女の身体はその上で止まっていました。
語り手:魔女が見上げると、視界に入るギリギリのところで白い何かが揺れていました。
語り手:岩から伸びた数多(あまた)の海藻に、何かが絡み引っかかっていたのです。
語り手:魔女を追いかけて飛び込んできた男の子でした。
語り手:男の子は目を閉じ、海藻をほどこうともせずただ波に揺られていました。
語り手:意識があるのか、ないのかもわかりません。
魚:「ねぇ、助けてあげないの?」
語り手:いつの間にか桃色の魚も増え、魔女に尋ねました。
魔女:「私が海に消えれば、彼も消えてしまうと思ってた」
魚:「あなたを追いかけてきたんだよ」
語り手:黄色い魚がやってきて言いました。
魚:「助けてあげようよ」
魚:「動けなくて可哀想だよ」
語り手:橙、紫、ターコイズブルー、小さな魚は次々増え、魔女の周りを鮮やかに取り囲みました。
魔女:「私は今こんな身体だし、魔法が使えないの」
魚:「それなら…」
語り手:エメラルドグリーンの魚が言い終わる前に、いつの間にか後ろから近づいていた長い影に、一飲みにされてしまいました。
語り手:魚を食べたのはウツボでした。
語り手:ウツボは長い尾をくねらせながら、逃げようとする魚たちをあっという間に食べてしまいました。
語り手:そして魔女の置き物を尾で一巻きして掴み、
ウツボ:「堕ちていきたいなら付き合うぜ」
語り手:と言って先の見えない水底に引きずり込みました。
魔女:「あなたはどうして私を連れて行ってくれるの?」
ウツボ:「お前がそう望んだから」
魔女:「あの魚たちはどうして、彼を助けるように話したの?」
ウツボ:「お前がそう望んだから」
魔女:「あの子はどうして、私を追ってきたの?」
ウツボ:「あの子はお前だ。お前しか知らない。」
魔女:「私が、望んだことは…」
語り手:魔女は、自分自身のことなのに何もわかっていないと思いました。
語り手:わかることもありますが、それは自分の魔法では叶えられないことなのです。
ウツボ:「お前が魔法を使えるのは、あの白い家と、そこから見える海の中でだけ。外の世界から来た相手には使えない」
魔女:「わかってるわ。だから私の望みはもう叶わない。他に望んでいることがあるのかなんて、わからない。」
ウツボ:「お前はいつから魔女になったんだ?」
魔女:「…いつからだったろう?」
ウツボ:「あの子はいつからお前のそばにいた?」
魔女:「あの子は…」
語り手:ずっと一緒にいたような気もするし、そうではない気もしました。
語り手:ただ自分自身を魔女だと認識したとき、あの子は確実に彼女の隣にいました。
白い鳥の男の子:「ぼくがみんなの笑顔を集めてくるから、君の魔法で星に変えよう。そうすれば、暗い夜も怖くないよ」
語り手:そう教えてくれたのは、あの子だったのです。
語り手:ウツボと魔女が向かう先から、ぼんやり揺らめく何かが、ひとつ、ふたつ、みっつ…
語り手:群れを成してふわりふわりと浮かんできました。
ウツボ:「そうか。また、望んだんだな」
語り手:浮上してきたのはミズクラゲの群れでした。
語り手:その内の一匹がウツボをチクリと刺すと、ウツボはビクンと跳ねた後、魔女を掴んでいた尾をほどいて海の暗がりへ消えていきました。
語り手:魔女の置き物はミズクラゲの柔らかな身体に乗り、上へ上へと戻っていきます。
語り手:ぼんやり透き通るミズクラゲの体の中で、小さな命の灯火が揺らめいているのが綺麗でした。
魔女:「私が、望んだから…」
語り手:魔女は自分がどこで降りるべきか、わかった気がしました。
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語り手:魔女を乗せたミズクラゲの群れは、岩が突き出している場所まで戻ってきました。
語り手:白い服の男の子はさっきと同じ状態で、海藻に絡みとどまっていました。
語り手:魔女はコロンと転がって、男の子の前に降りました。
語り手:男の子がゆっくりと目を開いて言いました。
白い鳥の男の子:「やっぱり、まだ諦めてなかった」
魔女:「何を?」
白い鳥の男の子:「君の人生を。君は本当は、諦めたくないんだよ。だから僕がここにいて、君もここに戻ってきた」
魔女:「あなたを助けたいの。でも私は夜にならないと魔法を使えない。どうすればいいの?」
白い鳥の男の子:「魔女と魔法使いの違いはなんだと思う?」
魔女:「魔女と魔法使いの違い…?」
語り手:魔女は考えてみましたが、よくわかりませんでした。
白い鳥の男の子:「呪いを使えるかどうかだよ」
魔女:「呪い…」
語り手:呪いとは何でしょう。誰かを恨み、その相手を縛ることだとしたら。
魔女:「私はずっと、自分自身に、呪いをかけていたのね」
白い鳥の男の子:「そうだよ。もう自分を許してあげようよ。自分を縛るのはやめよう」
語り手:魔女の心の中でもやもやと立ち込めていた霧が、少しずつ晴れていくようでした。
魔女:「私は、愛されたかったのね。愛されない自分を許せなかったのね。」
魔女:「でも、叶わない望みに嘆くより、もっともっと大切なことがあったのね」
語り手:魔女が呟くと、陶器の身体がパリンと弾けて、人間の姿に戻りました。
語り手:そして柔らかな腕で海藻に縛られている男の子を抱きしめて、言いました。
魔女:「あなたは私よ。ありがとう。愛してる」
語り手:男の子を縛っていた海藻はスルスル解けて、自由になりました。
白い鳥の男の子:「ありがとう。僕も愛してる」
白い鳥の男の子:「ねぇ、来て!」
語り手:男の子は魔女の腕を引いて、水底に向かって泳ぎました。
語り手:一人で落ちていた時はどこまでも続くように感じていたのに、今度はすぐに底が見えてきました。
語り手:何かがあちこちでキラキラと光を放っていて、近づくほどに明るくなります。
白い鳥の男の子:「この光はね、君の笑顔の星だよ。」
白い鳥の男の子:「夜、君は僕が集めた笑顔の星空を見ながら、いつも優しく微笑んでいた。僕はこっそり、そんな君の笑顔も集めていたんだよ。」
白い鳥の男の子:「そして次の日、君はみんなの笑顔と一緒に自分の笑顔も夜空の星に変えた。」
白い鳥の男の子:「君の笑顔だけは朝になっても消えないで、流れ星になってこの海に集まっていたんだよ」
語り手:水底に到達すると、白い砂の上で小さな光がいくつも瞬いていました。
語り手:白く、温かい光でした。
白い鳥の男の子:「君の呪いはもう解けた。君は魔法使いになったんだよ。」
白い鳥の男の子:「君が流した涙が、その杖の先の宝石になったんだ。それこそが魔法の源なんだ。何も嘆くことはないんだよ。」
語り手:魔法使いと呼ばれた彼女は、杖の先の透明な宝石を撫で、泣きそうな声で囁きました。
魔女:「…ルラルラヨルラ。夜空を飾れ」
語り手:彼女の言葉と共に、複数のことが同時に起きました。
語り手:水底に眠っていた星たちは一斉に、海面目掛けて勢いよく上昇しました。
語り手:黒い魔女は、白い魔法使いに変わり、男の子は大きな白い鳥に姿を変えました。
語り手:そしてその背に魔法使いを乗せ、星たちを追いかけるように上昇しました。
語り手:いつの間にか嵐は止み、夜を迎えていた空に、今飛び出したばかりの星が輝きます。
語り手:美しい星空を背景に、白い魔法使いを乗せた鳥も飛び出しました。
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語り手:男の子が嬉しそうに声を弾ませます。
白い鳥の男の子:「君も一緒に見に行こうよ。これから君と出会う人が、どんな人たちか。その素敵な笑顔を!」
語り手:白い鳥は魔法使いを乗せ、水平線の向こうへと飛んでいきました。
語り手:まばゆい朝日が少しずつ、彼方から差し込み始めていました。
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語り手:大きな窓から空と海が見える家。
語り手:この窓から見えるのは、あなたの心の中の景色です。
語り手:笑えない時もある。心が押しつぶされてしまいそうな時もある。
語り手:自分が笑えない時は、周りの人の笑顔を集めてみてください。
語り手:あなたの心の中にもきっといる小さな子どもが、手伝ってくれるはずです。
語り手:無理しなくていい。気づくだけでいい。
語り手:目の前の人は、あなたと一緒にいるから笑っています。
語り手:あなたのことが大好きだから笑っています。
語り手:その笑顔が、あなたの心の暗い夜に星を灯します。
語り手:少しずつ少しずつ明るくなって、夜が怖くなくなった時、流れ星があなたの願いを叶えます。
語り手:そして、明けない夜がないことを、あなたは知るのでしょう。
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語り手:ルラルラヨルラ。夜空を飾れ!
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0:おしまい