台本概要

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タイトル ブラッディ・ナイト
作者名 天道司
ジャンル その他
演者人数 4人用台本(女1、不問3)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ご自由に、お使い下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
シュウ 不問 72 ウルフの師匠
ウルフ 36 シュウの弟子
サクヤ 不問 45 シュウの親友
ジン 不問 35 悪い奴
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ジン:(N)ここは、私の経営するバー、メイガス ジン:(N)ここには、毎日、たくさんの殺し屋たちが依頼を受ける為に、やってくる ジン:(N)そして、今夜も… サクヤ:(N)ドアが開き、一組みの男女が入店する ジン:あら、珍しい。殺し屋は、基本、一人で行動するモノじゃない? シュウ:基本はな。コイツは例外だ ウルフ:は、初めまして…。ウルフって言います ジン:初めまして。ウルフちゃん?あら?女の子なのに、ウルフだなんて シュウ:コードネームだ ジン:そうよね。殺し屋なんてのは、本当の名前がある人の方が稀(まれ)。どこで生まれたのかも分からない ジン:どこにも帰る場所がない根無し草(ねなしぐさ)がなる職業だものね シュウ:そういうことだ ジン:つまりつまり?ウルフちゃんも帰る場所がないのねぇ。可哀想に… ウルフ:私は… シュウ:(さえぎって)ウルフ!何も喋るな ウルフ:はい… シュウ:ジン。悪いが、コイツの素性(すじょう)の詮索(せんさく)は、しないでほしいんだが ジン:あらぁ、こわ~い。その目、と~っても怖いわよ シュウ:あん? ジン:あぁ、ごめんなさい。詮索なんてしないわよ! シュウ:まぁ、いい…。今あるBランクの依頼リストを見せてくれ ジン:え?いつもは、Sランクの依頼をこなしているあなたが、Bランクだなんて珍しい シュウ:今回はBランクでいい ジン:Bランク依頼ね。BランクBランク…。あぁっ!そうそう、一つだけ、あなたに指名依頼が来てるわよ シュウ:指名依頼? ジン:そうよ。ランクは不明、でも、ギャラは、SSランク級のギャラよ シュウ:内容が知りたい ジン:いいわ。じゃあ、あなたの端末に送るわね シュウ:…。ふーっ…。サシでの殺し合いか ウルフ:殺し合い? ジン:どう?殺し合い希望の依頼なんて、この業界では珍しいわよね。受けるの? シュウ:メイガスでの依頼だ。俺を殺す為の罠ってことはねぇだろう。もちろん、受けるよ シュウ:場所は、こちらが指定しても良いということだから、あとでメールしとく ジン:そう。それじゃ、そのメールが来たら、前金を入金しとくわね シュウ:あぁ…。よろしく頼む。よし…。ウルフ、いくぞ ウルフ:はっ、はい… サクヤ:(N)シュウとウルフは、静かに店を出てゆく 0:【間】 ジン:フフ…。ヒャヒャッ。ヒャヒャヒャヒャヒャーッ!面白くなってきたじゃないか! ジン:ククク…。殺し屋の最高峰同士の一騎打ち!楽しみで楽しみで、仕方がない! ジン:ヒャヒャヒャヒャヒャーッ! 0: 0:【間】 0: ジン:(N)墓地のそばにあるモーテルの最上階にある部屋。ウルフは、物憂げな表情で椅子に腰掛け、シュウは窓の外の景色を眺めている ウルフ:シュウ、今夜の一騎打ち、もう、やめることって、できないの? シュウ:あん?どうした?まさか俺が一騎打ちで負けるとでも思ってんのか?俺の腕が信用できねぇのか? ウルフ:そうじゃない。ただ、嫌な予感がするの シュウ:嫌な予感か… ウルフ:そう、嫌な予感。胸騒ぎ、心が落ち着かないの。あの墓地でシュウを戦わせては駄目な気がするの シュウ:フッ。俺は、お前の何だ? ウルフ:ん?先生…? シュウ:そうだ。俺の強さは、誰よりもお前が良く知っているはずだ シュウ:俺は、物心付く頃から殺しを生業(なりわい)としてきた シュウ:要人暗殺やマフィア同士の抗争の用心棒、闇の世界の住人として、幾つもの死線も越えてきた シュウ:その俺が、一騎打ちで負ける?ナンセンスだね ウルフ:でも! シュウ:どうせ、この業界で名を上げたいだけのルーキーか シュウ:大事な奴を俺に殺された復讐者(ふくしゅうしゃ)。そのどちらかさ。そんな奴らに、俺は負けない シュウ:俺を殺せるのは…俺だけだ ウルフ:私は、シュウのその自信が怖い シュウ:自分を信じてる奴だけが、未来を切り開くことができる ウルフ:それでも、私は、シュウに死んでほしくないの シュウ:だから、死なないって…。今夜も先生として、バッチリ勉強になるような戦い方を見せてやるよ シュウ:ウルフは、この部屋でシャンパンでも飲みながら、俺が戦っている時の立ち回り方でも見て シュウ:少しでも殺し屋になる為の参考にしてくれると嬉しいね。ほらっ、双眼鏡だ ジン:(N)シュウは、双眼鏡をウルフに手渡そうとするが、ウルフはそれを手で払いのける シュウ:おっと?あぁ…。レンズが割れては、なさそうだな。フン。よかった。てか、なんだよ? ウルフ:いらない。そんなもの、いらない シュウ:もしかして、殺し屋になるのが嫌になったとかか?それなら、別の仕事を紹介してやる。俺たちの関係も、ここで終わりだ ウルフ:だから、そうじゃないの!私は殺し屋になりたいし、シュウから、もっと学びたい ウルフ:でも、今夜だけは、やめてほしいの!上手く説明できないんだけど、やめてほしいの! シュウ:ふーっ…。それはできない…。あぁ、じゃあ、ここにコインがある ウルフ:コイン? ジン:(N)シュウは、コインを天井に向けて投げ、手の甲の上で受け止め、片方の手のひらで覆い隠した シュウ:表か裏か… ウルフ:表か裏? シュウ:そう。ウルフが当てたら、今夜墓地で戦うのをやめてやるよ ウルフ:… シュウ:どっちだ?表か裏 ウルフ:当てたら、ほんとにやめてくれるの? シュウ:男に二言はねぇ ウルフ:…。じゃあ、表 シュウ:フッ…。ざーんねん。裏だ…。俺は、今夜、墓地にいくぜ ウルフ:… シュウ:おいおい。そんなシケた面(つら)すんなって! ウルフ:シュウ… 0:【間】 ウルフ:(M)コインを投げるのは、答えを出す為じゃなくて、自分の気持ちに気づく為だって、誰かが言ってた ウルフ:(M)だけど、あの時のシュウに、迷いなんてなくて… ウルフ:(M)仮に私がコインの出た面を当てたとしても、きっと何か言い訳をして ウルフ:(M)私のそばから、いなくなってしまったと思う 0: 0:【間】 0: ジン:モーテルのそばにある墓地。シュウは、墓石(ぼせき)の陰に隠れながら、血の匂いの濃い方へ、ターゲットのいる方へと向かう シュウ:(M)この匂い…。かなり濃いな…。20人か30人か…。それ以上の数を殺っている奴の匂いだ シュウ:(M)いや、想像以上の化物だぞ。これは、ウルフの悪い予感ってのも、あながち間違ってはいなかったかもな シュウ:(M)だけど、俺は負けねぇ。例え、化物が相手でもな シュウ:(M)可愛い生徒と約束したからな…。バッチリ勝つ姿を見せてやるって… 0:【銃声】 シュウ:(M)おっと…。向こうが先に、こちらの居場所に気づいたか…。やるねぇ 0:【銃声】 シュウ:(M)ほぉ…。別の場所から撃ってきやがったな。だが、これは一騎打ちのはずだ シュウ:(M)つまり、今回の相手は、とてつもなく移動速度が速いってことだ 0:【銃声】 シュウ:(M)また、別の場所から…。さてと、こちらも動くか 0:【銃声】 シュウ:(M)ぐっ!弾が脚を掠めた!あいつ、跳弾(ちょうだん)を利用したのか?マジもんの化物じゃねぇか! サクヤ:ふふーん。どうやら、僕の勝ちみたいだね シュウ:(M)ん?今の声、聞き覚えがあるぞ サクヤ:脚に直撃しちゃったでしょ?痛いよね。わかるよ。銃に撃たれたら、と~っても痛いんだ サクヤ:でも、仕方ないよね。この僕に勝負を挑むっていうのは、そういうことなんだよ シュウ:お前、サクヤか? サクヤ:ほえ? シュウ:は!?やっぱりサクヤじゃねぇーか! サクヤ:ほえ?シュウちゃん、だよね?つまり?僕に一騎打ちを申し込んできた大馬鹿野郎は、シュウちゃんってことで、ファイナルアンサー? シュウ:いや、テメェが申し込んできたんだろ? サクヤ:ははっ。冗談はやめてくれよぉ。僕はね。基本的には平和主義なんだ。痛いのは嫌いだし、人殺しも、恨みを買うから、できればやりたくない サクヤ:だけど、殺しは一番割りの良い仕事だろ?お金に困った時に、仕方なく、一時的なバイト感覚でCランク程度の依頼を受けてる サクヤ:そういうのもシュウちゃんは、知ってるよね?何しろ僕の数少ない友人の一人なんだからさ シュウ:知ってるよ。腕は最高峰なのに、わざわざ温(ぬる)い依頼しか受けない変わり者 サクヤ:そう、変わり者。最高の褒め言葉だね!でも、今回の依頼は指名依頼で、ギャラも破格!しかも、一騎打ちときた! サクヤ:最強である僕に喧嘩を売るなんて、そんな、お馬鹿さんの顔をちょっと拝(おが)んでみたくなって、引き受けたってわけさ シュウ:ほぉ…。じゃあ、お互いに、誰かにハメられたみたいだな サクヤ:ほえ?この戦いの裏には黒幕がいるってこと? シュウ:そうだ。誰かによって仕組まれた戦い。殺し屋の最強同士をぶつけて、一体何がしたかったんだか… サクヤ:(さえぎって)ちょっと待って シュウ:ん? サクヤ:最強は僕。シュウちゃんは、二番手。そこ、大事なところだから間違わないでね! シュウ:何言ってやがる! サクヤ:現に今、僕に脚をぶち抜かれたばかりだろ?フフフ シュウ:少し掠めただけだ。戦う上では、問題はない。ほら?まだ普通に歩ける サクヤ:はは~ん?そんな状態で、僕と殺り合って勝てるの? シュウ:勝てる! サクヤ:はいはい。なんか、黒幕がいるなんて胸クソ悪いんで、殺しませんよ。僕も数少ない友人を失うのは、寂しいからね シュウ:フッ… サクヤ:ふふーん。今、内心ほっとしたでしょ? シュウ:あん?んなわけあるか! 0:【銃声】 ジン:どどど、どーして戦いをやめるのかネ?続けたまえヨ!最高峰同士の命のやりとりをねぇ! サクヤ:ほえ?ジンちゃん?そして?女の子? シュウ:ウルフ…!? ウルフ:シュウ、ごめん… シュウ:ジン!ウルフを離せ! ジン:離さない。離さないヨ!ウルフちゃんは、このゲームの景品だヨ! シュウ:景品だって? サクヤ:ねぇねぇ、シュウちゃん、これ、どういう状況!?あの女の子、知り合い?彼女とか言わないよね?リア充?リア充になっちゃったの? シュウ:はぁ…。あの子は、俺の生徒だ サクヤ:生徒?シュウちゃん、弟子をとったの? シュウ:まぁ、簡単に言えば、そういうことだ。そして、サクヤもジンのところで依頼を受けたんだろ? サクヤ:うん。そうだけど? シュウ:だったら、わかんだろ? サクヤ:あー…ね。ジンちゃんが、今回の黒幕の、仕掛け人ってわけね。なんか、僕、ちょっとムカついちゃったな。ねぇ、ジンちゃん、殺っていい? ジン:ヒャヒャヒャヒャヒャヒャーッ!吾輩と戦えるのは、戦いの勝者だけだヨ! ジン:何しろ吾輩は、ラスボスだからねぇ! サクヤ:ほえ?何言っちゃってんの?それと、ジンちゃん、バーの時とキャラ違くね?まっ、今すぐ殺すから問題ないけど シュウ:サクヤ、やめろ! サクヤ:ん? ジン:ヒャヒャッ!そうだよ!君たちが殺し合わなきゃ、人質の命はないってことさ! ウルフ:シュウ… サクヤ:あぁ、あの子、シュウちゃんにとって、すごく大事な人なんだね シュウ:それは… サクヤ:オーケーオーケー ジン:ようやくサクヤ君も、状況が理解できたようだネ!では、さっそく、二人で殺り合ってくれないかな? ジン:吾輩は、オーディエンスとして、最高峰同士の戦いを、最高級の特等席で、楽しませてもらうヨ! サクヤ:ねぇ、トンズラしちゃダメ? ジン:逃げるようなことをしたら…(殴る音) ウルフ:うっ! シュウ:サクヤ。悪い…。俺と戦ってくれ サクヤ:戦ってくれって…。もう勝負はついたでしょ? ジン:勝負がついたかの判断は、この舞台の支配人の吾輩が下すことだヨ!つまりつまり、どちらかが死ぬまで、この戦いは終わらない。終わらせない! サクヤ:まいったなぁ… ウルフ:シュウ、私のことは良いから、逃げて!こんな戦い、する必要ない! ジン:ガキは黙ってろ!(殴る音) ウルフ:ぐふぁっ… シュウ:ジン、テメェ…。絶対に許さねぇ…。サクヤ、頼む!俺と戦ってくれ! サクヤ:戦えば、どちらかが死ぬ…。いや、シュウちゃんが死ぬよ?確実にね。シュウちゃんを殺したら、僕はあの子に恨みを買ってしまう サクヤ:あの子に、ストーカーのごとく、いつまでも命をつけ狙われるのは、いい気分はしないよ。ゲームだって落ち着いて出来なくなるだろうしさ シュウ:ウルフ!今から俺の言うことを聞け! ウルフ:えっ? シュウ:万が一にも俺が負けるようなことがあれば、お前はサクヤを師と仰(あお)げ シュウ:コイツは、一見軽そうに見えるが、真面目で、根は悪い奴じゃない。この業界で唯一信用に足る男だと思ってる サクヤ:ほえ?すっごい褒めてくれるじゃん!ツンデレの『デレ』の発動?なんか、涙が出そうになってきちゃったよ サクヤ:でも、それって、僕は、シュウちゃんから、あの子を押し付けられるってことだよね? シュウ:サクヤ、頼む。あいつを立派な殺し屋に育ててやってくれ サクヤ:何言ってんだよ シュウ:まぁ、俺が勝つから、そんなことには、ならねぇけどな。フフッ ジン:ちょっと、ちょっとぉ~!二人で勝手に話を進めちゃってるけどさぁ。君たちの戦いの後には、ラスボスが控えてるんだヨ! ジン:ラスボスを倒せる前提で話を進めないでくれるかなぁ?ラスボスは、すっごく強いヨ~! ジン:そして、そろそろ戦いを始めてくれないかな? ジン:さっきまでの派手な銃声を嗅ぎつけて、政府の番犬がやってくるのも時間の問題だ シュウ:いいだろう サクヤ:やっぱり、殺り合うしかない?気乗りしないんだけど? ウルフ:やめて!やめてよ!友達同士が殺し合うなんて、おかしいよ! ジン:おら!ガキは黙ってろって、さっきも言っただろ!(殴る音) ウルフ:ぐっ、ぐふぁっ!!! シュウ:…。待ってろ。すぐ助ける サクヤ:ルールは、どうする? ジン:あん?ルールは、もちろん吾輩が決めるヨ サクヤ:えーっ!ジンちゃん、あんま調子乗ってると、楽に死なせてあげないよ? シュウ:サクヤ!ジンのルールに従ってくれ。頼む。 サクヤ:はぁーっ…。マジでダルい…。もう二度と指名依頼なんて受けないもんね ジン:ヒャヒャヒャッ…。まずは、お互いに背中を向けて、6歩 シュウ:… サクヤ:… ジン:いいねぇ!いいねぇーっ!ドキドキしてきたヨ!それじゃあ、今から吾輩がコインを投げる ジン:そのコインが地面に着いた瞬間が、ゲームスタートの合図だヨ!準備はいいかな? シュウ:サクヤ、お前と一緒に仕事をするのは楽しかった サクヤ:僕もだよ。楽しかった。君が死んじゃうのは、ほんっとに寂しい ジン:それじゃあ、ゲームスタート! 0:【二つの銃声】 ジン:がふぁっ!ばっ、ばかな…!ど…どうして? サクヤ:ジンちゃん、僕とシュウちゃんがどれだけコンビをやってたか知らないわけじゃないでしょうに サクヤ:言葉を発さなくても、コンビネーションはバッチリさ! ジン:ぐっ… サクヤ:あらら…。僕とシュウちゃんとで、ピンポイントに両肩を撃ち抜かれちゃったんだもんね サクヤ:これは、痛そうだ…。早く救急車を呼ばないと、死んじゃうだろうね~ ウルフ:シュウ! シュウ:ウルフ!大丈夫か?いや、大丈夫じゃないな… ウルフ:大丈夫だよ!昔から殴られるのも蹴られるのも慣れてる シュウ:悪かった。ガキの頃の嫌な記憶を思い出させちまったな。お前の助言を素直に聞いていれば、こんなことには… サクヤ:あれれ~?これって、僕、お邪魔虫な状況? シュウ:いや、お邪魔虫は… 0:【銃声】 ジン:ぐはっ!(ジン、絶命) シュウ:コイツだ… サクヤ:だね!フフッ。それじゃあ、僕はもう行くよ。そろそろ本当に政府の番犬がきちゃう。ギャラにならない殺しは、ごめんさ シュウ:そのっ、サクヤ、今回は、助かった サクヤ:ほえ?助けるようなことは、何もしてないけどね ウルフ:あの、サクヤさん? サクヤ:サクヤでいいよ。堅苦しいのは苦手なんだ ウルフ:サクヤ、ありがとう サクヤ:あぁ…。そいつ、自信過剰なところがあるから、今回の件で、少しは、お灸(きゅう)がすわったと思う シュウ:… サクヤ:それに、守るべきモノの価値にも、気づいたはず ウルフ:えっ? サクヤ:フッ…。では… 0:【間】 ウルフ:(M)コインを投げるのは、答えを出す為じゃなくて、自分の気持ちに気づく為だって、誰かが言ってた ウルフ:(M)だけど、あの時のシュウに、迷いなんてなくて… ウルフ:(M)仮に私がコインの出た面を当てたとしても、きっと何か言い訳をして ウルフ:(M)私のそばから、いなくなってしまったと思う ウルフ:(M)それでも、私は、シュウを信じる ウルフ:(M)なぜなら、彼は… 0: 0:―了―

ジン:(N)ここは、私の経営するバー、メイガス ジン:(N)ここには、毎日、たくさんの殺し屋たちが依頼を受ける為に、やってくる ジン:(N)そして、今夜も… サクヤ:(N)ドアが開き、一組みの男女が入店する ジン:あら、珍しい。殺し屋は、基本、一人で行動するモノじゃない? シュウ:基本はな。コイツは例外だ ウルフ:は、初めまして…。ウルフって言います ジン:初めまして。ウルフちゃん?あら?女の子なのに、ウルフだなんて シュウ:コードネームだ ジン:そうよね。殺し屋なんてのは、本当の名前がある人の方が稀(まれ)。どこで生まれたのかも分からない ジン:どこにも帰る場所がない根無し草(ねなしぐさ)がなる職業だものね シュウ:そういうことだ ジン:つまりつまり?ウルフちゃんも帰る場所がないのねぇ。可哀想に… ウルフ:私は… シュウ:(さえぎって)ウルフ!何も喋るな ウルフ:はい… シュウ:ジン。悪いが、コイツの素性(すじょう)の詮索(せんさく)は、しないでほしいんだが ジン:あらぁ、こわ~い。その目、と~っても怖いわよ シュウ:あん? ジン:あぁ、ごめんなさい。詮索なんてしないわよ! シュウ:まぁ、いい…。今あるBランクの依頼リストを見せてくれ ジン:え?いつもは、Sランクの依頼をこなしているあなたが、Bランクだなんて珍しい シュウ:今回はBランクでいい ジン:Bランク依頼ね。BランクBランク…。あぁっ!そうそう、一つだけ、あなたに指名依頼が来てるわよ シュウ:指名依頼? ジン:そうよ。ランクは不明、でも、ギャラは、SSランク級のギャラよ シュウ:内容が知りたい ジン:いいわ。じゃあ、あなたの端末に送るわね シュウ:…。ふーっ…。サシでの殺し合いか ウルフ:殺し合い? ジン:どう?殺し合い希望の依頼なんて、この業界では珍しいわよね。受けるの? シュウ:メイガスでの依頼だ。俺を殺す為の罠ってことはねぇだろう。もちろん、受けるよ シュウ:場所は、こちらが指定しても良いということだから、あとでメールしとく ジン:そう。それじゃ、そのメールが来たら、前金を入金しとくわね シュウ:あぁ…。よろしく頼む。よし…。ウルフ、いくぞ ウルフ:はっ、はい… サクヤ:(N)シュウとウルフは、静かに店を出てゆく 0:【間】 ジン:フフ…。ヒャヒャッ。ヒャヒャヒャヒャヒャーッ!面白くなってきたじゃないか! ジン:ククク…。殺し屋の最高峰同士の一騎打ち!楽しみで楽しみで、仕方がない! ジン:ヒャヒャヒャヒャヒャーッ! 0: 0:【間】 0: ジン:(N)墓地のそばにあるモーテルの最上階にある部屋。ウルフは、物憂げな表情で椅子に腰掛け、シュウは窓の外の景色を眺めている ウルフ:シュウ、今夜の一騎打ち、もう、やめることって、できないの? シュウ:あん?どうした?まさか俺が一騎打ちで負けるとでも思ってんのか?俺の腕が信用できねぇのか? ウルフ:そうじゃない。ただ、嫌な予感がするの シュウ:嫌な予感か… ウルフ:そう、嫌な予感。胸騒ぎ、心が落ち着かないの。あの墓地でシュウを戦わせては駄目な気がするの シュウ:フッ。俺は、お前の何だ? ウルフ:ん?先生…? シュウ:そうだ。俺の強さは、誰よりもお前が良く知っているはずだ シュウ:俺は、物心付く頃から殺しを生業(なりわい)としてきた シュウ:要人暗殺やマフィア同士の抗争の用心棒、闇の世界の住人として、幾つもの死線も越えてきた シュウ:その俺が、一騎打ちで負ける?ナンセンスだね ウルフ:でも! シュウ:どうせ、この業界で名を上げたいだけのルーキーか シュウ:大事な奴を俺に殺された復讐者(ふくしゅうしゃ)。そのどちらかさ。そんな奴らに、俺は負けない シュウ:俺を殺せるのは…俺だけだ ウルフ:私は、シュウのその自信が怖い シュウ:自分を信じてる奴だけが、未来を切り開くことができる ウルフ:それでも、私は、シュウに死んでほしくないの シュウ:だから、死なないって…。今夜も先生として、バッチリ勉強になるような戦い方を見せてやるよ シュウ:ウルフは、この部屋でシャンパンでも飲みながら、俺が戦っている時の立ち回り方でも見て シュウ:少しでも殺し屋になる為の参考にしてくれると嬉しいね。ほらっ、双眼鏡だ ジン:(N)シュウは、双眼鏡をウルフに手渡そうとするが、ウルフはそれを手で払いのける シュウ:おっと?あぁ…。レンズが割れては、なさそうだな。フン。よかった。てか、なんだよ? ウルフ:いらない。そんなもの、いらない シュウ:もしかして、殺し屋になるのが嫌になったとかか?それなら、別の仕事を紹介してやる。俺たちの関係も、ここで終わりだ ウルフ:だから、そうじゃないの!私は殺し屋になりたいし、シュウから、もっと学びたい ウルフ:でも、今夜だけは、やめてほしいの!上手く説明できないんだけど、やめてほしいの! シュウ:ふーっ…。それはできない…。あぁ、じゃあ、ここにコインがある ウルフ:コイン? ジン:(N)シュウは、コインを天井に向けて投げ、手の甲の上で受け止め、片方の手のひらで覆い隠した シュウ:表か裏か… ウルフ:表か裏? シュウ:そう。ウルフが当てたら、今夜墓地で戦うのをやめてやるよ ウルフ:… シュウ:どっちだ?表か裏 ウルフ:当てたら、ほんとにやめてくれるの? シュウ:男に二言はねぇ ウルフ:…。じゃあ、表 シュウ:フッ…。ざーんねん。裏だ…。俺は、今夜、墓地にいくぜ ウルフ:… シュウ:おいおい。そんなシケた面(つら)すんなって! ウルフ:シュウ… 0:【間】 ウルフ:(M)コインを投げるのは、答えを出す為じゃなくて、自分の気持ちに気づく為だって、誰かが言ってた ウルフ:(M)だけど、あの時のシュウに、迷いなんてなくて… ウルフ:(M)仮に私がコインの出た面を当てたとしても、きっと何か言い訳をして ウルフ:(M)私のそばから、いなくなってしまったと思う 0: 0:【間】 0: ジン:モーテルのそばにある墓地。シュウは、墓石(ぼせき)の陰に隠れながら、血の匂いの濃い方へ、ターゲットのいる方へと向かう シュウ:(M)この匂い…。かなり濃いな…。20人か30人か…。それ以上の数を殺っている奴の匂いだ シュウ:(M)いや、想像以上の化物だぞ。これは、ウルフの悪い予感ってのも、あながち間違ってはいなかったかもな シュウ:(M)だけど、俺は負けねぇ。例え、化物が相手でもな シュウ:(M)可愛い生徒と約束したからな…。バッチリ勝つ姿を見せてやるって… 0:【銃声】 シュウ:(M)おっと…。向こうが先に、こちらの居場所に気づいたか…。やるねぇ 0:【銃声】 シュウ:(M)ほぉ…。別の場所から撃ってきやがったな。だが、これは一騎打ちのはずだ シュウ:(M)つまり、今回の相手は、とてつもなく移動速度が速いってことだ 0:【銃声】 シュウ:(M)また、別の場所から…。さてと、こちらも動くか 0:【銃声】 シュウ:(M)ぐっ!弾が脚を掠めた!あいつ、跳弾(ちょうだん)を利用したのか?マジもんの化物じゃねぇか! サクヤ:ふふーん。どうやら、僕の勝ちみたいだね シュウ:(M)ん?今の声、聞き覚えがあるぞ サクヤ:脚に直撃しちゃったでしょ?痛いよね。わかるよ。銃に撃たれたら、と~っても痛いんだ サクヤ:でも、仕方ないよね。この僕に勝負を挑むっていうのは、そういうことなんだよ シュウ:お前、サクヤか? サクヤ:ほえ? シュウ:は!?やっぱりサクヤじゃねぇーか! サクヤ:ほえ?シュウちゃん、だよね?つまり?僕に一騎打ちを申し込んできた大馬鹿野郎は、シュウちゃんってことで、ファイナルアンサー? シュウ:いや、テメェが申し込んできたんだろ? サクヤ:ははっ。冗談はやめてくれよぉ。僕はね。基本的には平和主義なんだ。痛いのは嫌いだし、人殺しも、恨みを買うから、できればやりたくない サクヤ:だけど、殺しは一番割りの良い仕事だろ?お金に困った時に、仕方なく、一時的なバイト感覚でCランク程度の依頼を受けてる サクヤ:そういうのもシュウちゃんは、知ってるよね?何しろ僕の数少ない友人の一人なんだからさ シュウ:知ってるよ。腕は最高峰なのに、わざわざ温(ぬる)い依頼しか受けない変わり者 サクヤ:そう、変わり者。最高の褒め言葉だね!でも、今回の依頼は指名依頼で、ギャラも破格!しかも、一騎打ちときた! サクヤ:最強である僕に喧嘩を売るなんて、そんな、お馬鹿さんの顔をちょっと拝(おが)んでみたくなって、引き受けたってわけさ シュウ:ほぉ…。じゃあ、お互いに、誰かにハメられたみたいだな サクヤ:ほえ?この戦いの裏には黒幕がいるってこと? シュウ:そうだ。誰かによって仕組まれた戦い。殺し屋の最強同士をぶつけて、一体何がしたかったんだか… サクヤ:(さえぎって)ちょっと待って シュウ:ん? サクヤ:最強は僕。シュウちゃんは、二番手。そこ、大事なところだから間違わないでね! シュウ:何言ってやがる! サクヤ:現に今、僕に脚をぶち抜かれたばかりだろ?フフフ シュウ:少し掠めただけだ。戦う上では、問題はない。ほら?まだ普通に歩ける サクヤ:はは~ん?そんな状態で、僕と殺り合って勝てるの? シュウ:勝てる! サクヤ:はいはい。なんか、黒幕がいるなんて胸クソ悪いんで、殺しませんよ。僕も数少ない友人を失うのは、寂しいからね シュウ:フッ… サクヤ:ふふーん。今、内心ほっとしたでしょ? シュウ:あん?んなわけあるか! 0:【銃声】 ジン:どどど、どーして戦いをやめるのかネ?続けたまえヨ!最高峰同士の命のやりとりをねぇ! サクヤ:ほえ?ジンちゃん?そして?女の子? シュウ:ウルフ…!? ウルフ:シュウ、ごめん… シュウ:ジン!ウルフを離せ! ジン:離さない。離さないヨ!ウルフちゃんは、このゲームの景品だヨ! シュウ:景品だって? サクヤ:ねぇねぇ、シュウちゃん、これ、どういう状況!?あの女の子、知り合い?彼女とか言わないよね?リア充?リア充になっちゃったの? シュウ:はぁ…。あの子は、俺の生徒だ サクヤ:生徒?シュウちゃん、弟子をとったの? シュウ:まぁ、簡単に言えば、そういうことだ。そして、サクヤもジンのところで依頼を受けたんだろ? サクヤ:うん。そうだけど? シュウ:だったら、わかんだろ? サクヤ:あー…ね。ジンちゃんが、今回の黒幕の、仕掛け人ってわけね。なんか、僕、ちょっとムカついちゃったな。ねぇ、ジンちゃん、殺っていい? ジン:ヒャヒャヒャヒャヒャヒャーッ!吾輩と戦えるのは、戦いの勝者だけだヨ! ジン:何しろ吾輩は、ラスボスだからねぇ! サクヤ:ほえ?何言っちゃってんの?それと、ジンちゃん、バーの時とキャラ違くね?まっ、今すぐ殺すから問題ないけど シュウ:サクヤ、やめろ! サクヤ:ん? ジン:ヒャヒャッ!そうだよ!君たちが殺し合わなきゃ、人質の命はないってことさ! ウルフ:シュウ… サクヤ:あぁ、あの子、シュウちゃんにとって、すごく大事な人なんだね シュウ:それは… サクヤ:オーケーオーケー ジン:ようやくサクヤ君も、状況が理解できたようだネ!では、さっそく、二人で殺り合ってくれないかな? ジン:吾輩は、オーディエンスとして、最高峰同士の戦いを、最高級の特等席で、楽しませてもらうヨ! サクヤ:ねぇ、トンズラしちゃダメ? ジン:逃げるようなことをしたら…(殴る音) ウルフ:うっ! シュウ:サクヤ。悪い…。俺と戦ってくれ サクヤ:戦ってくれって…。もう勝負はついたでしょ? ジン:勝負がついたかの判断は、この舞台の支配人の吾輩が下すことだヨ!つまりつまり、どちらかが死ぬまで、この戦いは終わらない。終わらせない! サクヤ:まいったなぁ… ウルフ:シュウ、私のことは良いから、逃げて!こんな戦い、する必要ない! ジン:ガキは黙ってろ!(殴る音) ウルフ:ぐふぁっ… シュウ:ジン、テメェ…。絶対に許さねぇ…。サクヤ、頼む!俺と戦ってくれ! サクヤ:戦えば、どちらかが死ぬ…。いや、シュウちゃんが死ぬよ?確実にね。シュウちゃんを殺したら、僕はあの子に恨みを買ってしまう サクヤ:あの子に、ストーカーのごとく、いつまでも命をつけ狙われるのは、いい気分はしないよ。ゲームだって落ち着いて出来なくなるだろうしさ シュウ:ウルフ!今から俺の言うことを聞け! ウルフ:えっ? シュウ:万が一にも俺が負けるようなことがあれば、お前はサクヤを師と仰(あお)げ シュウ:コイツは、一見軽そうに見えるが、真面目で、根は悪い奴じゃない。この業界で唯一信用に足る男だと思ってる サクヤ:ほえ?すっごい褒めてくれるじゃん!ツンデレの『デレ』の発動?なんか、涙が出そうになってきちゃったよ サクヤ:でも、それって、僕は、シュウちゃんから、あの子を押し付けられるってことだよね? シュウ:サクヤ、頼む。あいつを立派な殺し屋に育ててやってくれ サクヤ:何言ってんだよ シュウ:まぁ、俺が勝つから、そんなことには、ならねぇけどな。フフッ ジン:ちょっと、ちょっとぉ~!二人で勝手に話を進めちゃってるけどさぁ。君たちの戦いの後には、ラスボスが控えてるんだヨ! ジン:ラスボスを倒せる前提で話を進めないでくれるかなぁ?ラスボスは、すっごく強いヨ~! ジン:そして、そろそろ戦いを始めてくれないかな? ジン:さっきまでの派手な銃声を嗅ぎつけて、政府の番犬がやってくるのも時間の問題だ シュウ:いいだろう サクヤ:やっぱり、殺り合うしかない?気乗りしないんだけど? ウルフ:やめて!やめてよ!友達同士が殺し合うなんて、おかしいよ! ジン:おら!ガキは黙ってろって、さっきも言っただろ!(殴る音) ウルフ:ぐっ、ぐふぁっ!!! シュウ:…。待ってろ。すぐ助ける サクヤ:ルールは、どうする? ジン:あん?ルールは、もちろん吾輩が決めるヨ サクヤ:えーっ!ジンちゃん、あんま調子乗ってると、楽に死なせてあげないよ? シュウ:サクヤ!ジンのルールに従ってくれ。頼む。 サクヤ:はぁーっ…。マジでダルい…。もう二度と指名依頼なんて受けないもんね ジン:ヒャヒャヒャッ…。まずは、お互いに背中を向けて、6歩 シュウ:… サクヤ:… ジン:いいねぇ!いいねぇーっ!ドキドキしてきたヨ!それじゃあ、今から吾輩がコインを投げる ジン:そのコインが地面に着いた瞬間が、ゲームスタートの合図だヨ!準備はいいかな? シュウ:サクヤ、お前と一緒に仕事をするのは楽しかった サクヤ:僕もだよ。楽しかった。君が死んじゃうのは、ほんっとに寂しい ジン:それじゃあ、ゲームスタート! 0:【二つの銃声】 ジン:がふぁっ!ばっ、ばかな…!ど…どうして? サクヤ:ジンちゃん、僕とシュウちゃんがどれだけコンビをやってたか知らないわけじゃないでしょうに サクヤ:言葉を発さなくても、コンビネーションはバッチリさ! ジン:ぐっ… サクヤ:あらら…。僕とシュウちゃんとで、ピンポイントに両肩を撃ち抜かれちゃったんだもんね サクヤ:これは、痛そうだ…。早く救急車を呼ばないと、死んじゃうだろうね~ ウルフ:シュウ! シュウ:ウルフ!大丈夫か?いや、大丈夫じゃないな… ウルフ:大丈夫だよ!昔から殴られるのも蹴られるのも慣れてる シュウ:悪かった。ガキの頃の嫌な記憶を思い出させちまったな。お前の助言を素直に聞いていれば、こんなことには… サクヤ:あれれ~?これって、僕、お邪魔虫な状況? シュウ:いや、お邪魔虫は… 0:【銃声】 ジン:ぐはっ!(ジン、絶命) シュウ:コイツだ… サクヤ:だね!フフッ。それじゃあ、僕はもう行くよ。そろそろ本当に政府の番犬がきちゃう。ギャラにならない殺しは、ごめんさ シュウ:そのっ、サクヤ、今回は、助かった サクヤ:ほえ?助けるようなことは、何もしてないけどね ウルフ:あの、サクヤさん? サクヤ:サクヤでいいよ。堅苦しいのは苦手なんだ ウルフ:サクヤ、ありがとう サクヤ:あぁ…。そいつ、自信過剰なところがあるから、今回の件で、少しは、お灸(きゅう)がすわったと思う シュウ:… サクヤ:それに、守るべきモノの価値にも、気づいたはず ウルフ:えっ? サクヤ:フッ…。では… 0:【間】 ウルフ:(M)コインを投げるのは、答えを出す為じゃなくて、自分の気持ちに気づく為だって、誰かが言ってた ウルフ:(M)だけど、あの時のシュウに、迷いなんてなくて… ウルフ:(M)仮に私がコインの出た面を当てたとしても、きっと何か言い訳をして ウルフ:(M)私のそばから、いなくなってしまったと思う ウルフ:(M)それでも、私は、シュウを信じる ウルフ:(M)なぜなら、彼は… 0: 0:―了―