台本概要

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タイトル 茶摘みん(女女サシVer.)
作者名 Oroるん  (@Oro90644720)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ・アドリブ可

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
チャスミン 132 女子大生
タエりん 140 チャスミンの友人。「ケンタロウ」という彼氏がいる
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:チャスミンの住むマンションの一室にタエりんが入ってくる。 タエりん:おっ邪魔しまーす! チャスミン:タエりーん、いらっしゃい! タエりん:チャスミーン!どう?捗ってる(はかどってる)? チャスミン:う、うん。一応できたけど・・・ タエりん:チャスミンの手料理楽しみぃ! チャスミン:うぅ。 タエりん:おっと、どしたどした? チャスミン:だって、私あんまりお料理したことないから、自信無くって。 タエりん:大丈夫!チャスミンが作るんだったら美味しいに決まってるじゃん! チャスミン:どうして分かるの?タエりん、今日初めて私の料理食べるのにぃ。 タエりん:食べる前から分かる!チャスミンなんでも器用にこなすから、料理も絶対大丈夫だよ。 チャスミン:あーあ、何であんな約束しちゃったんだろう。 タエりん:タケキ君に手料理食べさせる話? チャスミン:うん・・・タケキ君、「いつもコンビニ弁当とカップ麺ばっかりで味気ないから・・・」 タエりん:「たまには手料理が食べたい」って言ったんでしょ? タエりん:それでチャスミンが「じゃ、じゃあ、私が・・・作ったげよっか?」って言ったんだよね? チャスミン:もう!私のモノマネしないで! タエりん:(笑いながら)アオハルしてますなあ。 チャスミン:ひと事だと思ってぇ。(ため息)やっぱ辞めよっかな・・・ タエりん:何言ってんの!憧れのタケキ君とお近づきになれるチャンスじゃん。 タエりん:だから私が試食兼料理指導しに来てあげたんでしょうが。 チャスミン:でもぉ・・・ タエりん:まあ、家に手料理食べに来る時点で、大いに脈アリだと思うけどねー チャスミン:そんな事ないよ。だってタエりんとケンタロウ君も一緒じゃん? チャスミン:あ、ケンタロウ君まで巻き込んじゃってゴメンね。都合大丈夫だった? タエりん:大丈夫大丈夫。アイツ、私の言う事なら何でも聞くから。 チャスミン:愛されてるね。付き合ってどのくらいだっけ? タエりん:えーと、もうすぐ一年かな? チャスミン:良いなー。 タエりん:何言ってんの。チャスミンもタケキ君とそうなるんでしょ?その為にも、料理がんばんないとね! チャスミン:う、うん、そうだね。じゃあ、ちょっと座って待ってて。 タエりん:はーい。 0:テーブルに様々な料理が並べられる。 チャスミン:どうかな? タエりん:めっちゃ美味しそうじゃーん!見た目も匂いも完璧だよ! チャスミン:ほ、ほんと? タエりん:ホントだって!実は料理得意なんじゃん。さては隠してたなー。 チャスミン:違うよ、ホントにあんまりやった事ないんだって。それに、見た目と匂いが良くても、肝心なのは味でしょ? タエりん:いやいや、これで美味しくないわけないよ! チャスミン:そうかなあ。 タエりん:もう我慢できない!いっただっきまーす! チャスミン:あ、待ってタエりん。 タエりん:何? チャスミン:感想は正直に言ってね。私に気を遣ったりしなくて良いから。マズかったらちゃんと言って欲しいの。 タエりん:うーん、マズいわけはないと思うけど・・・ タエりん:分かってる、私、嘘ついたりしないから。それがチャスミンの為だもんね。 チャスミン:タエりん・・・ タエりん:じゃあ改めて、いっただきまーす! チャスミン:はい、召し上がれ。 タエりん:(一口食べる) チャスミン:ど、どうかな? タエりん:・・・ チャスミン:タエりん? タエりん:『タエりんの心の声~』 タエりん:(何コレ!?クソマズッ!!こんなマズいもの生まれて初めて食べた!) タエりん:(あの匂いと見た目で、どうしてこの味になるの!?逆に奇跡の味!) チャスミン:どうしたの?大丈夫? タエりん:え!あ、うん、大丈夫! チャスミン:それで、味はどうかな? タエりん:(言えない!正直に言うって約束したけど、ここまで酷いとは思わなかったんだもん。正直な感想は) タエりん:(「お前!よくもこんなマズいもん食わせやがったな!料理と言うより化学兵器じゃねえか!私を殺す気か!」) タエりん:(・・・ってなっちゃう。そんな事、親友には言えないよお。) チャスミン:どうだったの?・・・もしかして、マズかった? タエりん:えっ!?そんなわけないじゃん!おおおおお美味しい、よ? チャスミン:え、ホント!良かったあ。 タエりん:(よく言った私!ぎこちなかったけど、よく言えた!) チャスミン:じゃあさ、これも食べてみて。 タエりん:えっ!? チャスミン:どうかした? タエりん:う、ううん。じゃあ、これも頂くね。 チャスミン:どうぞ。 タエりん:(恐る恐る食べる) タエりん:(ぐはっ!これもマズッ!おいおいおいおいどうなってんだあ?マズさ百発百中かあ?) チャスミン:どう? タエりん:(脂汗を滲ませながら)う、うん。美味しい・・・んじゃないかな? チャスミン:良かったあ!これは自分でも自信あったんだあ。 タエりん:(やめて!この料理に対して前向きなコメントしないで!) タエりん:(本気で顔面にグーパンしたくなるから!私、親友を嫌いになりたくない!) チャスミン:じゃあ、私も食べてみよっかな。 タエりん:ダメっ!! チャスミン:え? タエりん:こ、これは私が全部食べるの!美味しいから! タエりん:(これを食べさせるわけにはいかない!自分の料理が世界最高峰にマズイだなんて知ったら、ショックで立ち直れなくなるわ!) チャスミン:えー、ずるいー タエりん:(何が「えー、ずるいー」よ!アンタの為にやってんのよ!) チャスミン:でもかなり量あるよ? タエりん:嘘やん!・・じゃなくて、大丈夫!アタシ大食いだから! タエりん:(何こんなマズイ料理量産してんのよ!大量殺人でも計画してるの!?) タエりん:じゃあ、これも頂くね。(ものすごい勢いで食べる) チャスミン:す、すごい食べっぷり・・・そんなに美味しいの? タエりん:(食べながら)う、うん。私気に入っちゃった。 タエりん:(うぅ、こんなの拷問だよぉ。何で私がこんな目に遭わなくちゃいけないの・・・) チャスミン:そう言ってもらえると嬉しいけど・・・ねえ、やっぱり私も食べちゃダメ? タエりん:(口にいっぱい頬張りながら)だ、ダメだよー チャスミン:そうなの?しょうがないなあ・・・でもやっぱり、一口だけ! タエりん:あっ! 0:チャスミン、料理を一つつまみ食いする。 タエりん:ダメぇぇぇぇぇ! チャスミン:(咀嚼して飲み込む) タエりん:あ・・・あ・・・ チャスミン:・・・ タエりん:だ、大丈夫? チャスミン:『チャスミンの心の声~』 チャスミン:(何コレッ!?クソゲロマズッ!粘土とセメントとヘドロを混ぜ合わせたみたいな味してる!) チャスミン:(これ、ホントに私が作ったの!?こんなの、タケキ君に食べさせられないよぅ。) タエりん:チャスミン? チャスミン:(でもタエりん、どうしてこんな汚物(おぶつ)を美味しいだなんて・・・) チャスミン:(ハッ!タエりん、もしかして・・・) タエりん:ご、ゴメン。私、どうしてもホントの事が言えなくて・・・ チャスミン:(タエりんって、味覚がおかしいんだわ!じゃなかったら、美味しいなんて思えるはずないもの!) チャスミン:(そういえば、ちょっと変わったものよく食べてるし。) タエりん:仕方がなかったのよ。私も良かれと思って・・・ チャスミン:(でも、もしここで私がマズイなんて言っちゃったら、タエりん自分の味覚が異常だって事を知ってショックを受けちゃう。) チャスミン:(親友を傷つけるわけにはいかないわ!だから・・・) チャスミン:う、うん!我ながら、なかなか美味しいわね! タエりん:へ?・・・あ、ああ、でしょー!美味しいでしょー! タエりん:(えええええええ!これが・・・美味しい!?) タエりん:(このスーパーメガトン級にマズい料理が!?) タエりん:(この「ウルトラ・マキシマム・ファイナル・マッハ・バーニング・エレクトリック・デンジャラス・エクセレント・ロイヤル・トレンディ・めんそーれ・ゴルゴンゾーラ・・ちょっと自分でも何言ってるか分かんない」級にマズいこの料理が!美味しい!?うぉいすぃー!?) タエりん:(そうか、チャスミンって味覚がおかしいんだ!だからこんなマズいものが作れるのね!) チャスミン:わ、私って料理得意かも! タエりん:(何血迷った事抜かしてんだ!ああん!) タエりん:そ、そうだね!これでタケキ君もイチコロよ! チャスミン:(タケキ君に食わせるわけねーだろ!違う意味で一殺(イチコロ)じゃ!ボケ!) チャスミン:良し!じゃあ他のも食べてみよ。 タエりん:私も! 二人:(何で私も食べなきゃいけないのよ!アンタが食べなさいよ!好きなんでしょ!) チャスミン:美味しいね! タエりん:そうだね! チャスミン:アハハ タエりん:エヘへ チャスミン:ウフフ タエりん:オホホ 0:(その後お互い適当な所まで笑い続ける) タエりん:(苦しそうに)ご、ご馳走様でした。 チャスミン:(苦しそうに)お、お粗末様でした。 タエりん:(小声で)ホントだよ。 チャスミン:え? タエりん:何でもなーい。 チャスミン:(よく全部食べれたわね。死ぬかと思ったわ。) タエりん:(死んだひいおばあちゃんが手招きしてたよー。危うくあっち側に行くとこだったよー。) チャスミン:あのさ、タエりん。 タエりん:何? チャスミン:私、考えたんだけど、やっぱり手料理は辞めようかなと・・・ タエりん:(被せて)だよね!そうだよね!やっぱやめよ!絶対辞めよ!めちゃめちゃ辞めよ! チャスミン:はやっ! チャスミン:う、うん、そうだよね。やっぱり家に呼ぶのはまだ早いよね。 タエりん:そうそう!代わりにさ、四人でどっか遊びに行こうよ! チャスミン:良いねー!どこ行く? タエりん:そうだなあ・・・うっ! チャスミン:どうしたの・・・いっ! 二人:(ヤバい!お腹痛くなってきた!) チャスミン:(そりゃ、あんな産業廃棄物みたいなもん摂取し続けたらお腹も壊すわな!) タエりん:(どうしよう。トイレ借りようかな。でもここのトイレって・・・私達が座ってるすぐ隣にあるのよね。) チャスミン:(音や匂いが漏れる危険性高し!もし盛大にぶちまけてる事がバレたら、私もう生きていけない!) タエりん:(さっさとここを出て、別のトイレを探して駆け込むしかない!) チャスミン:(さっさと帰ってもらって、一人になってからトイレに行くしかない!) タエりん:あ、あー! チャスミン:ど、どうしたの、タエりん? タエりん:あれぇ、今電話がかかってきてる・・・気がする。 チャスミン:気がする!? 0:タエりん、スマホで電話に出たフリをする。 タエりん:(やや棒読み風に)もしもしー。あ、お母さん?うん、うん・・・えっ!それは大変だあー! タエりん:じゃあ、すぐ帰らなきゃだね!分かった、今すぐ帰る!秒で帰る!マッハで帰る!一瞬で帰るね! 0:スマホを切ったフリをする。 タエりん:ゴメンチャスミン、今お母さんから電話だったんだけど・・・ チャスミン:う、うん。 タエりん:何か、家でガス爆発が起きたみたいで。 チャスミン:ガス爆発!? タエりん:そうなのぉ。それで、家が火事になっちゃって、っていうかもう全焼しかかってて、辺り一面火の海で、もう町が焼け野原になってて・・・ タエりん:だから今すぐ帰ってこいって! チャスミン:そ、それはすぐに帰らなきゃだね! チャスミン:(火事?火の海?焼け野原?そんな状態で帰ったら逆に危ないんじゃ?っていうか、タエりん今一人暮らしで実家九州じゃなかったっけ?) チャスミン:(などなど、色々と不可解な点はありますが・・・そんな事今はどうでも良いわ!帰ってくれるなら渡りに舟よ!) タエりん:じゃあチャスミン、また連絡するねぇ。 チャスミン:う、うん。気をつけてね。消火器持って行った方が良いよ。 タエりん:うん、ありがと(立ち上がろうとして)ほわっ! チャスミン:え?なに? タエりん:(今、立ち上がろうとした時の感触で分かった・・・こう言えばお分かり頂けるだろうか?「ヤツらは・・・すぐそこまで来ている!」) チャスミン:えっ?どうしてまた座っちゃうの?帰るんでしょ? タエりん:(ダメよ!今立ち上がったりしたら、その瞬間に「ビッグ・バン」が起きる可能性を否定できないわ!) チャスミン:タエりん? タエりん:チャスミン・・・実はさ、話があるんだ。 チャスミン:話?それは今度聞くよ!家が火事で大変なんでしょ?早く帰らなきゃ・・・ タエりん:(被せて)そんな事はどうでも良いの! チャスミン:そんな事!? タエりん:(何とかこの波が収まるまで時間を稼がないと!) チャスミン:・・・話って何? タエりん:うん、実はね・・・あのね・・・だからさ・・・ チャスミン:? タエりん:(ダメ!何も話題を思いつかない!何でも良い、適当に話を繋げなきゃ!) チャスミン:話が無いんだったら・・・ タエりん:違うの!話はあるの!めちゃくちゃ重要な話があるの! チャスミン:だからそれは何なのよ! チャスミン:(もういい加減にしてよ!こっちはもう待ったなしの状態なのよ!順番待ちの行列が出来てるのよ!) タエりん:・・・なの チャスミン:え?何? タエりん:・・・好きなの。 チャスミン:何が? タエりん:私もタケキ君の事が好きなの! チャスミン:ええっ! タエりん:(何かマズイ話の持っていき方してる気がするけど、この際どうでも良いわ!) チャスミン:で、でもタエりんにはケンタロウ君がいるじゃない! タエりん:もうタケキ君の方が好きなの!今の私は、もうタケキ君の事しか考えられないの! タエりん:タケキ君の写真をプリントアウトして部屋の壁一面に張り出してるの!ううん、壁だけじゃ無い。床にも!天井にも!もう部屋の中、どこを見てもタケキ君なの! タエりん:それだけじゃない!抱き枕の顔が当たる部分にタケキ君の写真を貼って、毎晩チュッチュチュッチュしてから寝てるの! チャスミン:そ、そうなの・・・ タエりん:ゴメン、正直言ってチャスミンとタケキ君の事、全然応援してなかった!むしろフラれれば良いのにって思ってた! タエりん:何なら、有る事無い事タケキ君に吹き込んで、チャスミンを嫌わせようと思ってた! チャスミン:・・・ タエりん:ね?私ってひどい女でしょ?この事について今からじーっくり、時間をかけて話し合いましょ? チャスミン:・・・そ、 タエりん:・・・そ? チャスミン:そんな事はどうでも良いから早く帰って! タエりん:そんな事!? チャスミン:(すっごく酷い事を言われた気がするけど、そんなの構ってられない!とにかく、一刻も早く帰ってもらわなきゃ!) タエりん:まだ帰るわけには行かないわ! チャスミン:お願いだから帰って!帰ってくれなきゃ困るのよ! タエりん:何?どうして困るの? チャスミン:(どうしよう、まさか「トイレに行きたいから」とは言えないし。とにかく適当に言いくるめて、帰らせないと!) チャスミン:じ、実はね・・・そう!今から人が来るの! タエりん:え? チャスミン:だから、すぐに帰ってもらわなきゃ困るの! タエりん:別に私は構わないわ! チャスミン:へ? タエりん:誰が来ても構わない!私絶対ここから動かないから! チャスミン:ダメよ! タエりん:どうして? チャスミン:タエりんに会わせるわけにはいかないの! タエりん:何でよ!一体誰が来るのよ! チャスミン:それは・・・ チャスミン:(ああ!括約筋(かつやくきん)がもう限界!何とかしなきゃ!) タエりん:ねえ、誰が来るのよ!? チャスミン:・・・ケ、ケンタロウ君。 タエりん:・・・は? チャスミン:もうすぐ、ケンタロウ君がここに来るの! タエりん:何で? チャスミン:だって・・・わ、私達付き合ってるんだもん! タエりん:はああ!?ケンタロウは私の彼氏よ! チャスミン:それは・・・ふふふ二股なの! タエりん:二股あ!? チャスミン:(話がどんどんおかしな方向に行ってる気がするけど、今は帰ってもらう事が先決よ!) チャスミン:一緒になったら気まずいでしょ!だから帰って! タエりん:・・・べ、別に良いよ! チャスミン:ええっ!良いの!? タエりん:私にはもうタケキ君がいるし、ケンタロウはチャスミンにあげる! タエりん:だからケンタロウがここに来ようが、二人でイチャイチャしてようが、私は一向に構わないわ! チャスミン:そんな事言われても・・・あひゃっ! タエりん:あひゃ? チャスミン:(ヤバい!もう限界が近い!このままじゃゲートが開いちゃう!封印された魔界の生物達が解き放たれちゃう!・・・) チャスミン:(こうなったら実力行使よ!) タエりん:チャスミン、どうしたの?怖い顔して? チャスミン:タエリーん!! 0:チャスミン、タエりんに掴みかかる。以下、もみあいながら。 タエりん:きゃっ!何すんのよ!離してよ! チャスミン:良いから帰って! タエりん:嫌よ!アンタが帰りなさいよ! チャスミン:ここは私のウチよ! タエりん:ちょっと、無理に立たせようとしないで!あんまり動いたらビッグ・バンが・・・宇宙が始まっちゃう! チャスミン:ん?ビッグ・バン?・・・あ、ヤバい、ゲートが・・・人間界が魔界に支配されちゃうー! タエりん:ゲ、ゲート?何の話? チャスミン:とにかく!タケキ君は譲ってあげるから帰って! タエりん:嫌!この部屋も譲って! チャスミン:何でよ!? タエりん:タケキ君と暮らすの!彼を鎖で繋いで、ここで永遠に二人で暮らすの! チャスミン:人の家を犯罪に利用しないで! チャスミン:・・・くっ!あ、これ本当にヤバい!もう出ちゃう! タエりん:だから出て行けって言ってんのよ! チャスミン:出て行くのはアンタよ!その後で私も出るの! タエりん:何わけの分かんない事言ってんの!?出るのはアンタ!その後で私が出すの! チャスミン:アンタこそわけわかんない事言わないでよ!ああもう、一体どうしたら良いの?・・・あ、そっか。 タエりん:? チャスミン:(このまま私が部屋を出て、外でトイレ探せば良いんじゃん!何でそれを思い付かなかったんだろ!) チャスミン:分かったわ、この部屋はくれてやるわ! タエりん:ええっ!マジ!? チャスミン:これが部屋の鍵よ! 0:チャスミン、部屋の鍵を投げ付ける。 タエりん:よ、よく分かんないけど・・・アンタなんか絶交よ! チャスミン:こっちのセリフよ!じゃあね、永久にさよなら! 0:チャスミン、勢いよくドアを閉めて出て行く。 チャスミン:『こうして私は、好きな人と、親友と、住む場所を、一度に失ったのでした。』 タエりん:『ちゃんちゃん!』 0:完

0:チャスミンの住むマンションの一室にタエりんが入ってくる。 タエりん:おっ邪魔しまーす! チャスミン:タエりーん、いらっしゃい! タエりん:チャスミーン!どう?捗ってる(はかどってる)? チャスミン:う、うん。一応できたけど・・・ タエりん:チャスミンの手料理楽しみぃ! チャスミン:うぅ。 タエりん:おっと、どしたどした? チャスミン:だって、私あんまりお料理したことないから、自信無くって。 タエりん:大丈夫!チャスミンが作るんだったら美味しいに決まってるじゃん! チャスミン:どうして分かるの?タエりん、今日初めて私の料理食べるのにぃ。 タエりん:食べる前から分かる!チャスミンなんでも器用にこなすから、料理も絶対大丈夫だよ。 チャスミン:あーあ、何であんな約束しちゃったんだろう。 タエりん:タケキ君に手料理食べさせる話? チャスミン:うん・・・タケキ君、「いつもコンビニ弁当とカップ麺ばっかりで味気ないから・・・」 タエりん:「たまには手料理が食べたい」って言ったんでしょ? タエりん:それでチャスミンが「じゃ、じゃあ、私が・・・作ったげよっか?」って言ったんだよね? チャスミン:もう!私のモノマネしないで! タエりん:(笑いながら)アオハルしてますなあ。 チャスミン:ひと事だと思ってぇ。(ため息)やっぱ辞めよっかな・・・ タエりん:何言ってんの!憧れのタケキ君とお近づきになれるチャンスじゃん。 タエりん:だから私が試食兼料理指導しに来てあげたんでしょうが。 チャスミン:でもぉ・・・ タエりん:まあ、家に手料理食べに来る時点で、大いに脈アリだと思うけどねー チャスミン:そんな事ないよ。だってタエりんとケンタロウ君も一緒じゃん? チャスミン:あ、ケンタロウ君まで巻き込んじゃってゴメンね。都合大丈夫だった? タエりん:大丈夫大丈夫。アイツ、私の言う事なら何でも聞くから。 チャスミン:愛されてるね。付き合ってどのくらいだっけ? タエりん:えーと、もうすぐ一年かな? チャスミン:良いなー。 タエりん:何言ってんの。チャスミンもタケキ君とそうなるんでしょ?その為にも、料理がんばんないとね! チャスミン:う、うん、そうだね。じゃあ、ちょっと座って待ってて。 タエりん:はーい。 0:テーブルに様々な料理が並べられる。 チャスミン:どうかな? タエりん:めっちゃ美味しそうじゃーん!見た目も匂いも完璧だよ! チャスミン:ほ、ほんと? タエりん:ホントだって!実は料理得意なんじゃん。さては隠してたなー。 チャスミン:違うよ、ホントにあんまりやった事ないんだって。それに、見た目と匂いが良くても、肝心なのは味でしょ? タエりん:いやいや、これで美味しくないわけないよ! チャスミン:そうかなあ。 タエりん:もう我慢できない!いっただっきまーす! チャスミン:あ、待ってタエりん。 タエりん:何? チャスミン:感想は正直に言ってね。私に気を遣ったりしなくて良いから。マズかったらちゃんと言って欲しいの。 タエりん:うーん、マズいわけはないと思うけど・・・ タエりん:分かってる、私、嘘ついたりしないから。それがチャスミンの為だもんね。 チャスミン:タエりん・・・ タエりん:じゃあ改めて、いっただきまーす! チャスミン:はい、召し上がれ。 タエりん:(一口食べる) チャスミン:ど、どうかな? タエりん:・・・ チャスミン:タエりん? タエりん:『タエりんの心の声~』 タエりん:(何コレ!?クソマズッ!!こんなマズいもの生まれて初めて食べた!) タエりん:(あの匂いと見た目で、どうしてこの味になるの!?逆に奇跡の味!) チャスミン:どうしたの?大丈夫? タエりん:え!あ、うん、大丈夫! チャスミン:それで、味はどうかな? タエりん:(言えない!正直に言うって約束したけど、ここまで酷いとは思わなかったんだもん。正直な感想は) タエりん:(「お前!よくもこんなマズいもん食わせやがったな!料理と言うより化学兵器じゃねえか!私を殺す気か!」) タエりん:(・・・ってなっちゃう。そんな事、親友には言えないよお。) チャスミン:どうだったの?・・・もしかして、マズかった? タエりん:えっ!?そんなわけないじゃん!おおおおお美味しい、よ? チャスミン:え、ホント!良かったあ。 タエりん:(よく言った私!ぎこちなかったけど、よく言えた!) チャスミン:じゃあさ、これも食べてみて。 タエりん:えっ!? チャスミン:どうかした? タエりん:う、ううん。じゃあ、これも頂くね。 チャスミン:どうぞ。 タエりん:(恐る恐る食べる) タエりん:(ぐはっ!これもマズッ!おいおいおいおいどうなってんだあ?マズさ百発百中かあ?) チャスミン:どう? タエりん:(脂汗を滲ませながら)う、うん。美味しい・・・んじゃないかな? チャスミン:良かったあ!これは自分でも自信あったんだあ。 タエりん:(やめて!この料理に対して前向きなコメントしないで!) タエりん:(本気で顔面にグーパンしたくなるから!私、親友を嫌いになりたくない!) チャスミン:じゃあ、私も食べてみよっかな。 タエりん:ダメっ!! チャスミン:え? タエりん:こ、これは私が全部食べるの!美味しいから! タエりん:(これを食べさせるわけにはいかない!自分の料理が世界最高峰にマズイだなんて知ったら、ショックで立ち直れなくなるわ!) チャスミン:えー、ずるいー タエりん:(何が「えー、ずるいー」よ!アンタの為にやってんのよ!) チャスミン:でもかなり量あるよ? タエりん:嘘やん!・・じゃなくて、大丈夫!アタシ大食いだから! タエりん:(何こんなマズイ料理量産してんのよ!大量殺人でも計画してるの!?) タエりん:じゃあ、これも頂くね。(ものすごい勢いで食べる) チャスミン:す、すごい食べっぷり・・・そんなに美味しいの? タエりん:(食べながら)う、うん。私気に入っちゃった。 タエりん:(うぅ、こんなの拷問だよぉ。何で私がこんな目に遭わなくちゃいけないの・・・) チャスミン:そう言ってもらえると嬉しいけど・・・ねえ、やっぱり私も食べちゃダメ? タエりん:(口にいっぱい頬張りながら)だ、ダメだよー チャスミン:そうなの?しょうがないなあ・・・でもやっぱり、一口だけ! タエりん:あっ! 0:チャスミン、料理を一つつまみ食いする。 タエりん:ダメぇぇぇぇぇ! チャスミン:(咀嚼して飲み込む) タエりん:あ・・・あ・・・ チャスミン:・・・ タエりん:だ、大丈夫? チャスミン:『チャスミンの心の声~』 チャスミン:(何コレッ!?クソゲロマズッ!粘土とセメントとヘドロを混ぜ合わせたみたいな味してる!) チャスミン:(これ、ホントに私が作ったの!?こんなの、タケキ君に食べさせられないよぅ。) タエりん:チャスミン? チャスミン:(でもタエりん、どうしてこんな汚物(おぶつ)を美味しいだなんて・・・) チャスミン:(ハッ!タエりん、もしかして・・・) タエりん:ご、ゴメン。私、どうしてもホントの事が言えなくて・・・ チャスミン:(タエりんって、味覚がおかしいんだわ!じゃなかったら、美味しいなんて思えるはずないもの!) チャスミン:(そういえば、ちょっと変わったものよく食べてるし。) タエりん:仕方がなかったのよ。私も良かれと思って・・・ チャスミン:(でも、もしここで私がマズイなんて言っちゃったら、タエりん自分の味覚が異常だって事を知ってショックを受けちゃう。) チャスミン:(親友を傷つけるわけにはいかないわ!だから・・・) チャスミン:う、うん!我ながら、なかなか美味しいわね! タエりん:へ?・・・あ、ああ、でしょー!美味しいでしょー! タエりん:(えええええええ!これが・・・美味しい!?) タエりん:(このスーパーメガトン級にマズい料理が!?) タエりん:(この「ウルトラ・マキシマム・ファイナル・マッハ・バーニング・エレクトリック・デンジャラス・エクセレント・ロイヤル・トレンディ・めんそーれ・ゴルゴンゾーラ・・ちょっと自分でも何言ってるか分かんない」級にマズいこの料理が!美味しい!?うぉいすぃー!?) タエりん:(そうか、チャスミンって味覚がおかしいんだ!だからこんなマズいものが作れるのね!) チャスミン:わ、私って料理得意かも! タエりん:(何血迷った事抜かしてんだ!ああん!) タエりん:そ、そうだね!これでタケキ君もイチコロよ! チャスミン:(タケキ君に食わせるわけねーだろ!違う意味で一殺(イチコロ)じゃ!ボケ!) チャスミン:良し!じゃあ他のも食べてみよ。 タエりん:私も! 二人:(何で私も食べなきゃいけないのよ!アンタが食べなさいよ!好きなんでしょ!) チャスミン:美味しいね! タエりん:そうだね! チャスミン:アハハ タエりん:エヘへ チャスミン:ウフフ タエりん:オホホ 0:(その後お互い適当な所まで笑い続ける) タエりん:(苦しそうに)ご、ご馳走様でした。 チャスミン:(苦しそうに)お、お粗末様でした。 タエりん:(小声で)ホントだよ。 チャスミン:え? タエりん:何でもなーい。 チャスミン:(よく全部食べれたわね。死ぬかと思ったわ。) タエりん:(死んだひいおばあちゃんが手招きしてたよー。危うくあっち側に行くとこだったよー。) チャスミン:あのさ、タエりん。 タエりん:何? チャスミン:私、考えたんだけど、やっぱり手料理は辞めようかなと・・・ タエりん:(被せて)だよね!そうだよね!やっぱやめよ!絶対辞めよ!めちゃめちゃ辞めよ! チャスミン:はやっ! チャスミン:う、うん、そうだよね。やっぱり家に呼ぶのはまだ早いよね。 タエりん:そうそう!代わりにさ、四人でどっか遊びに行こうよ! チャスミン:良いねー!どこ行く? タエりん:そうだなあ・・・うっ! チャスミン:どうしたの・・・いっ! 二人:(ヤバい!お腹痛くなってきた!) チャスミン:(そりゃ、あんな産業廃棄物みたいなもん摂取し続けたらお腹も壊すわな!) タエりん:(どうしよう。トイレ借りようかな。でもここのトイレって・・・私達が座ってるすぐ隣にあるのよね。) チャスミン:(音や匂いが漏れる危険性高し!もし盛大にぶちまけてる事がバレたら、私もう生きていけない!) タエりん:(さっさとここを出て、別のトイレを探して駆け込むしかない!) チャスミン:(さっさと帰ってもらって、一人になってからトイレに行くしかない!) タエりん:あ、あー! チャスミン:ど、どうしたの、タエりん? タエりん:あれぇ、今電話がかかってきてる・・・気がする。 チャスミン:気がする!? 0:タエりん、スマホで電話に出たフリをする。 タエりん:(やや棒読み風に)もしもしー。あ、お母さん?うん、うん・・・えっ!それは大変だあー! タエりん:じゃあ、すぐ帰らなきゃだね!分かった、今すぐ帰る!秒で帰る!マッハで帰る!一瞬で帰るね! 0:スマホを切ったフリをする。 タエりん:ゴメンチャスミン、今お母さんから電話だったんだけど・・・ チャスミン:う、うん。 タエりん:何か、家でガス爆発が起きたみたいで。 チャスミン:ガス爆発!? タエりん:そうなのぉ。それで、家が火事になっちゃって、っていうかもう全焼しかかってて、辺り一面火の海で、もう町が焼け野原になってて・・・ タエりん:だから今すぐ帰ってこいって! チャスミン:そ、それはすぐに帰らなきゃだね! チャスミン:(火事?火の海?焼け野原?そんな状態で帰ったら逆に危ないんじゃ?っていうか、タエりん今一人暮らしで実家九州じゃなかったっけ?) チャスミン:(などなど、色々と不可解な点はありますが・・・そんな事今はどうでも良いわ!帰ってくれるなら渡りに舟よ!) タエりん:じゃあチャスミン、また連絡するねぇ。 チャスミン:う、うん。気をつけてね。消火器持って行った方が良いよ。 タエりん:うん、ありがと(立ち上がろうとして)ほわっ! チャスミン:え?なに? タエりん:(今、立ち上がろうとした時の感触で分かった・・・こう言えばお分かり頂けるだろうか?「ヤツらは・・・すぐそこまで来ている!」) チャスミン:えっ?どうしてまた座っちゃうの?帰るんでしょ? タエりん:(ダメよ!今立ち上がったりしたら、その瞬間に「ビッグ・バン」が起きる可能性を否定できないわ!) チャスミン:タエりん? タエりん:チャスミン・・・実はさ、話があるんだ。 チャスミン:話?それは今度聞くよ!家が火事で大変なんでしょ?早く帰らなきゃ・・・ タエりん:(被せて)そんな事はどうでも良いの! チャスミン:そんな事!? タエりん:(何とかこの波が収まるまで時間を稼がないと!) チャスミン:・・・話って何? タエりん:うん、実はね・・・あのね・・・だからさ・・・ チャスミン:? タエりん:(ダメ!何も話題を思いつかない!何でも良い、適当に話を繋げなきゃ!) チャスミン:話が無いんだったら・・・ タエりん:違うの!話はあるの!めちゃくちゃ重要な話があるの! チャスミン:だからそれは何なのよ! チャスミン:(もういい加減にしてよ!こっちはもう待ったなしの状態なのよ!順番待ちの行列が出来てるのよ!) タエりん:・・・なの チャスミン:え?何? タエりん:・・・好きなの。 チャスミン:何が? タエりん:私もタケキ君の事が好きなの! チャスミン:ええっ! タエりん:(何かマズイ話の持っていき方してる気がするけど、この際どうでも良いわ!) チャスミン:で、でもタエりんにはケンタロウ君がいるじゃない! タエりん:もうタケキ君の方が好きなの!今の私は、もうタケキ君の事しか考えられないの! タエりん:タケキ君の写真をプリントアウトして部屋の壁一面に張り出してるの!ううん、壁だけじゃ無い。床にも!天井にも!もう部屋の中、どこを見てもタケキ君なの! タエりん:それだけじゃない!抱き枕の顔が当たる部分にタケキ君の写真を貼って、毎晩チュッチュチュッチュしてから寝てるの! チャスミン:そ、そうなの・・・ タエりん:ゴメン、正直言ってチャスミンとタケキ君の事、全然応援してなかった!むしろフラれれば良いのにって思ってた! タエりん:何なら、有る事無い事タケキ君に吹き込んで、チャスミンを嫌わせようと思ってた! チャスミン:・・・ タエりん:ね?私ってひどい女でしょ?この事について今からじーっくり、時間をかけて話し合いましょ? チャスミン:・・・そ、 タエりん:・・・そ? チャスミン:そんな事はどうでも良いから早く帰って! タエりん:そんな事!? チャスミン:(すっごく酷い事を言われた気がするけど、そんなの構ってられない!とにかく、一刻も早く帰ってもらわなきゃ!) タエりん:まだ帰るわけには行かないわ! チャスミン:お願いだから帰って!帰ってくれなきゃ困るのよ! タエりん:何?どうして困るの? チャスミン:(どうしよう、まさか「トイレに行きたいから」とは言えないし。とにかく適当に言いくるめて、帰らせないと!) チャスミン:じ、実はね・・・そう!今から人が来るの! タエりん:え? チャスミン:だから、すぐに帰ってもらわなきゃ困るの! タエりん:別に私は構わないわ! チャスミン:へ? タエりん:誰が来ても構わない!私絶対ここから動かないから! チャスミン:ダメよ! タエりん:どうして? チャスミン:タエりんに会わせるわけにはいかないの! タエりん:何でよ!一体誰が来るのよ! チャスミン:それは・・・ チャスミン:(ああ!括約筋(かつやくきん)がもう限界!何とかしなきゃ!) タエりん:ねえ、誰が来るのよ!? チャスミン:・・・ケ、ケンタロウ君。 タエりん:・・・は? チャスミン:もうすぐ、ケンタロウ君がここに来るの! タエりん:何で? チャスミン:だって・・・わ、私達付き合ってるんだもん! タエりん:はああ!?ケンタロウは私の彼氏よ! チャスミン:それは・・・ふふふ二股なの! タエりん:二股あ!? チャスミン:(話がどんどんおかしな方向に行ってる気がするけど、今は帰ってもらう事が先決よ!) チャスミン:一緒になったら気まずいでしょ!だから帰って! タエりん:・・・べ、別に良いよ! チャスミン:ええっ!良いの!? タエりん:私にはもうタケキ君がいるし、ケンタロウはチャスミンにあげる! タエりん:だからケンタロウがここに来ようが、二人でイチャイチャしてようが、私は一向に構わないわ! チャスミン:そんな事言われても・・・あひゃっ! タエりん:あひゃ? チャスミン:(ヤバい!もう限界が近い!このままじゃゲートが開いちゃう!封印された魔界の生物達が解き放たれちゃう!・・・) チャスミン:(こうなったら実力行使よ!) タエりん:チャスミン、どうしたの?怖い顔して? チャスミン:タエリーん!! 0:チャスミン、タエりんに掴みかかる。以下、もみあいながら。 タエりん:きゃっ!何すんのよ!離してよ! チャスミン:良いから帰って! タエりん:嫌よ!アンタが帰りなさいよ! チャスミン:ここは私のウチよ! タエりん:ちょっと、無理に立たせようとしないで!あんまり動いたらビッグ・バンが・・・宇宙が始まっちゃう! チャスミン:ん?ビッグ・バン?・・・あ、ヤバい、ゲートが・・・人間界が魔界に支配されちゃうー! タエりん:ゲ、ゲート?何の話? チャスミン:とにかく!タケキ君は譲ってあげるから帰って! タエりん:嫌!この部屋も譲って! チャスミン:何でよ!? タエりん:タケキ君と暮らすの!彼を鎖で繋いで、ここで永遠に二人で暮らすの! チャスミン:人の家を犯罪に利用しないで! チャスミン:・・・くっ!あ、これ本当にヤバい!もう出ちゃう! タエりん:だから出て行けって言ってんのよ! チャスミン:出て行くのはアンタよ!その後で私も出るの! タエりん:何わけの分かんない事言ってんの!?出るのはアンタ!その後で私が出すの! チャスミン:アンタこそわけわかんない事言わないでよ!ああもう、一体どうしたら良いの?・・・あ、そっか。 タエりん:? チャスミン:(このまま私が部屋を出て、外でトイレ探せば良いんじゃん!何でそれを思い付かなかったんだろ!) チャスミン:分かったわ、この部屋はくれてやるわ! タエりん:ええっ!マジ!? チャスミン:これが部屋の鍵よ! 0:チャスミン、部屋の鍵を投げ付ける。 タエりん:よ、よく分かんないけど・・・アンタなんか絶交よ! チャスミン:こっちのセリフよ!じゃあね、永久にさよなら! 0:チャスミン、勢いよくドアを閉めて出て行く。 チャスミン:『こうして私は、好きな人と、親友と、住む場所を、一度に失ったのでした。』 タエりん:『ちゃんちゃん!』 0:完