台本概要

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タイトル 脳内裏会議〜唯の世界〜
作者名 てくす  (@daihooon)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 5人用台本(男2、女2、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 脳内会議唯視点!
え!?唯にも脳内人格が!?
と、とりあえず
いざ!脳内会議!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
115 みぎた ゆい。全ての人格の父であり、最高神。最近彼女ができた爽やかイケメンくん。
チョコ 59 直感と行動力の人格。唯が生まれた時に既に生まれた人格で古参勢。みんなの姉御ォ!
ナオジ 44 素直さの人格。全人格と仲良くなるのが目標!
マース 不問 38 小悪魔の人格。名前の件で弄られた時に生まれた。
真夏 77 えのはら まなつ。彼女
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
唯:俺は昔から自分の名前が嫌いだ 唯:小学校低学年の時、女の子の名前だと馬鹿にされた 唯:そんな昔のことを未だに覚えているほどには 唯:この名前が嫌いだ 唯:高学年になった頃、身長も伸びて運動もできたから 唯:段々と女の子と言われることは無くなった 0:【間】 唯:最初に彼女を見たのは授業中に寝て怒られてた所 唯:彼女を見てあくびを出したところで先生の怒鳴り声が聞こえた 真夏:「はじめまして、榎原真夏です 真夏:唯君でいいのかな?」 唯:初めて喋った時の態度は最悪だったと自分でも思う 唯:「ごめん、榎原さん…だっけ? 唯:名前で呼ばれるのあまり好きじゃないんだ」 真夏:「どうして?」 唯:「名前がそんなに好きになれなくて」 真夏:「そんなことないよ!唯っていい名前だと思う!」 唯:「え?」 真夏:「唯って唯一ってことでしょ? 真夏:唯一の人になって欲しい!みたいな願い事を込めて 真夏:名付けたんじゃないかな?」 唯:「あはは!」 真夏:「え!?え!?何か変なこと言った?私」 唯:「ううん、いや初めてでさ… 唯:榎原さんにだったら名前で呼ばれてもいいかな」 唯:初めて言われた肯定的な言葉に 唯:俺は…… 0:【脳内】 ナオジ:「心奪われました!ってか? ナオジ:いいね!いいね!単純!明快!ハハハ!」 唯:「笑わないでくれる?結構、真剣なんだけど?」 ナオジ:「あの唯が!キュュュン!としてるんだ! ナオジ:そんな単純な唯が俺は好きだぜー!」 唯:「ナオジに単純って言われたくないな 唯:単純の人格なのに」 ナオジ:「確かにそうだ!だが俺はお前でもある! ナオジ:単純同士楽しもうぜ!ハハハ!なぁ!姐さん!」 チョコ:「確かに唯が恋をするなんて チョコ:面白いことになったね、ねぇ、唯?」 唯:「ちょっと、チョコさんまで揶揄わないでくださいよ」 チョコ:「自分の人格にさん付けって…いつものことだけど」 唯:「それは…助けられてるから 唯:チョコさんには色々と」 チョコ:「とりあえずこの初恋、応援してあげる」 ナオジ:「おう!俺もちゃんと見てるぜ!」 唯:「2人とも…ありがとう!」 チョコ:「いい子なんだけどね…」 ナオジ:「まぁ、姐さんが居りゃ何とかなるでしょ」 マース:「何々?面白そうじゃん、僕も一枚噛ませてよ」 チョコ:「マース!?なんでアンタが」 マース:「ひっどいなぁ!僕だって人格の1人だろ?」 チョコ:「それは…そうね」 ナオジ:「すまんな!姐さん!俺は全人格と ナオジ:仲良くなりたいからマースを悪く言えん!」 チョコ:「いいわ、ナオジはそれでいいの チョコ:で?小悪魔さんは何がしたいのかな?」 マース:「別に何も?唯の恋の行方を見たいだけさ」 ナオジ:「しかし、純粋無垢で単純明快な唯から ナオジ:マースのような人格が生まれたのも意外だったぞ!」 チョコ:「それは…色々あったのよ」 マース:「てことだから、チョコ、ナオジ マース:僕も見させてもらうよ」 0:【現実】 唯:ナオジの言う通り単純かもしれない 唯:それでも榎原さんに好意を抱いたことは 唯:間違ってないと思う… 唯:「って言っても初めてだからな…こういうの 唯:あー、まずは連絡先聞かなきゃかな…」 真夏:「あの!唯君!ちょっといいかな?」 唯:「え!?榎原さん!?」 真夏:「あのね、今日の放課後にちょっと話したいことあるんだけど…」 唯:「放課後?」 真夏:「あ!ううん!忙しいなら大丈夫…」 唯:これって…いや、そんなわけ… 0:【脳内】 チョコ:「OKは絶対よ、唯」 ナオジ:「おう!間違えんなよ!」 マース:「なーんだ、つまらないなぁ」 チョコ:「何がつまらないのよ」 マース:「どー見ても両想いでしょ?」 ナオジ:「だったらめでたいじゃねーか!」 マース:「出番的にももっと恋のかけ引きとか マース:したかったんだけどなぁ…」 チョコ:「唯は無理よ、意外とそう言うの下手なんだから」 ナオジ:「サプライズも苦手だしな!」 マース:「しゃーない、動向を見ますか」 0:【現実】 唯:「…ううん、全然大丈夫だよ、今日は部活もないし」 真夏:「え!?いいの!?あ、じゃ、じゃあ、放課後… 真夏:えっと…屋上前の階段でいいかな?」 唯:「うん、わかった」 真夏:「じゃ、じゃあ!放課後!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ!マース!?」 マース:「何?」 チョコ:「最後の"わかった"ってちょっと素っ気ない!」 マース:「チョコが優先権持ってただろ?」 唯:「ごめん、チョコさん…俺のせいだ」 チョコ:「唯…アンタね」 ナオジ:「まぁ!いいじゃねーか! ナオジ:あっちも緊張してたのか全然気にして無かったぞ!」 マース:「じゃ、放課後までは暇そうだから戻るわ」 チョコ:「ちょ!…あぁ!もう!」 ナオジ:「唯は大丈夫か?もしこの誘いが本命なら」 唯:「どうだろ…俺も初めてだからさ、こういうの」 チョコ:「そこは任せなさい!次は邪魔されないから」 唯:「ありがとう」 0:【間】 ナオジ:「なぁ、姐さん」 チョコ:「何?」 ナオジ:「あぁ、いや、何でもない!さ!仕事だ!」 0:【現実、放課後】 真夏:「唯君!あのね、私ね… 真夏:あなたのことが………」 唯:正直驚いた、なんで俺だったんだろう 唯:「俺も…、あ…いや、俺も榎原さんのこと気になってた」 真夏:「え!?嘘…」 唯:「うん、だから俺で良ければ 唯:こちらこそ、お願いします」 真夏:「嬉しい…嬉しいよ…」 唯:「一つ聞いていい?なんで俺なの? 唯:そんなに話してたわけじゃなかったのに」 真夏:「一目惚れです…この前の体育の時」 唯:「?、俺何かしたっけ?」 真夏:「自覚無し!?あ!じゃあ唯君は 真夏:なんで私を気になってたの?」 唯:「榎原さんが良い人そうだったから…かな」 真夏:「それこそ自覚ないんだけど!」 唯:「あはは、今度話すよ」 0:【脳内】 チョコ:「ここからが大変よ、ってナオジ!」 ナオジ:「え?唯って体育で何かした?」 唯:「俺も全く覚えがないんだけど」 マース:「ハハハ!僕が居ても居なくても マース:変わらなかったんじゃない?チョコ」 チョコ:「うるさい!」 0:【現実、告白から数日後】 唯:「あのさ、榎原さん」 真夏:「ふぁ!?あ!ごめん!何?」 唯:「大丈夫…?」 真夏:「ごめん!ちょっと考え事…で、何かな?」 唯:「あ、そうだった 唯:えっと…名前で呼んでもいいかな?」 真夏:「へ?名前?」 唯:「うん、付き合ってからも何となく榎原さんって呼んでたけど 唯:名前で呼んじゃダメかな?」 唯:あぁ、失敗したかな 唯:唐突だったし…名前って大事だからな… 真夏:「な、名前か…」 唯:「あ、嫌…だった?」 真夏:「ううん!嬉しい!」 唯:「そっか!よかった 唯:じゃあ…真夏、今度遊びに行かない?」 0:【脳内】 チョコ:「唯、ここ来て」 唯:「チョコさん?何?」 チョコ:「名前くらい呼ぶから!普通に! チョコ:ちょっと気にしすぎ!」 唯:「ごめん、けど真夏は大切な人だから」 ナオジ:「唯の気持ちもわからんでもないけどな!」 マース:「大切な人…ね マース:唯の口からそんなことが出るとは!アハハ!」 唯:「笑うなよ!」 マース:「いいじゃん、さっさと初デートの予定でも マース:2人で考えなよ!僕も楽しみが増える」 チョコ:「邪魔すんじゃないよ!」 ナオジ:「デートかぁ…どんなもんかな!」 唯:「じゃあ、真夏と電話してくるよ」 0:【現実】 唯:「じゃあ、プリモスに集合しようか 唯:あそこだったらお店も色々あるし」 真夏:「うん!大丈夫だよ!」 唯:「あ、そうだ 唯:ごめん!俺のわがままだけど 唯:観たい映画あるだ、それ一緒に観ない?」 真夏:「え!何々!何の映画?」 0:【間】 唯:「ふぅ…日曜か…ていうか初デートだよな!? 唯:いや!あれで良かったのか!? 唯:映画も勝手にミステリー選んだしさぁ!?」 0:【間】 マース:「ハッハッハ!面白ぇ!」 チョコ:「荒れてるわね」 ナオジ:「まぁ、そこが唯の良いところだけどな!」 チョコ:「あんたは唯の肩を持ちすぎ」 マース:「初デートなんだ、失敗しても笑ってやろうぜ?」 チョコ:「嫌よ、失敗しないようにフォローするから」 ナオジ:「俺は唯に肩入れしてるが、姐さんは ナオジ:肩に力入れすぎだな!抜いていこうぜ!」 0:【現実、初デート】 唯:「ダメだ…緊張して中々寝れなかったな… 唯:あ、そういえば」 真夏:「ねぇ!見た!?美波! 真夏:スタビの新作!あれ美味しそうじゃない!? 真夏:そうそう!今度行こうよ!」 唯:「…って言ってたっけ」 0:【脳内】 チョコ:「ここは買いに行くべきね」 ナオジ:「慣れてるとか思われないか?」 チョコ:「気遣いできる方がいいでしょ?」 マース:「適当に喉乾いたって言っとけば? マース:あくまでついでに買ったってさ」 チョコ:「変に、ついで感出してもダメでしょ チョコ:スマートに!気遣い!」 0:【現実】 真夏:「ごめん!待った?」 唯:「全然!俺もちょっと前に着いたから」 真夏:「負けちゃったなぁ…」 唯:「あはは、昨日、実は寝れなくて」 真夏:「あ!一緒!緊張しちゃって」 唯:「あ、そうだ…はい、どうぞ」 真夏:「え、ありがとう!」 唯:「緊張してたから喉渇いてさ 唯:せっかくだから…確か、これ飲みたかったんだよね?」 真夏:「そうそう!新作!ってあれ?話したっけ?」 唯:「あー、実は佐倉さんと話してるの聞いた」 真夏:「美波との!?あ、そうか確か教室で」 唯:「盗み聞きです」 真夏:「唯君もそういうことするんだ?」 唯:「あ!いや!いつもしてるわけじゃなくて! 唯:真夏が話してたからで…って!ほら、行こう!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ!ナオジ!」 ナオジ:「単純にマースの案良かったと思ったからな! ナオジ:姐さんの言ってることもわかる! ナオジ:だから合わせてみた!」 チョコ:「単純にもほどがある!」 マース:「いいんじゃねーの?チョコのフォローで マース:会話続いてるみたいだから」 チョコ:「マースも!盗み聞き一々言わなくていいのに!」 マース:「僕は僕の仕事をしてるだけだって」 チョコ:「気を取り直して次!行くわよ!」 0:【現実】 唯:「やっぱり女の子だね」 真夏:「え?」 唯:「普段、男友達としか買い物来ないから 唯:見るものが違うなぁって」 真夏:「あ!ごめん!つまんなかった?」 唯:「いや、楽しいよ」 真夏:「唯君たちって普段は何見るの?」 唯:「うーん…スポーツショップは行くかな 唯:あ、次寄っていい?」 真夏:「じゃあ、行こ!」 唯:「あ、ごめん少しトイレ行ってきていい?」 真夏:「じゃあ、あの角のお店いるね」 唯:「ごめん、すぐ戻るね」 0:【脳内】 チョコ:「大丈夫?」 ナオジ:「そこは全員でフォローだな!」 マース:「センスは良いからなぁ唯は マース:ま、苦手ってだけで失敗はないんじゃない?」 チョコ:「それもそうね、さっさと買って戻るわよ、唯」 0:【現実】 唯:「えっと…確か…あ、あった!コレだ」 0:【間】 唯:「こういうのよくわかんないんだけど」 真夏:「ん?何が?」 唯:「映画、ラブストーリーとかの方が良かった? 唯:ほら、今なら確か恋々だっけ?マンガの」 真夏:「あー、公開昨日だったね」 唯:「そっちの方が良かったかな?って」 真夏:「全然!むしろこの映画気になってた!」 唯:「え?真夏ってこういうの観るの?」 真夏:「実は結構好きなんだよね」 唯:「そっかー…良かったー」 0:【脳内】 チョコ:「映画も問題なさそうなのかな? チョコ:真夏ちゃんが気を遣ってるだけかな?」 ナオジ:「そうか?あの顔、真剣に観てるぞ!」 チョコ:「あら?これは正解だったかな?」 ナオジ:「しかし!さっきから手を繋ごうとしてるんだがな!」 チョコ:「見事に躱されてるわね」 マース:「どーせ、あっちの脳内で葛藤中でしょ マース:僕は気づいたけど、手を繋ごうとしてるの気づいてたし」 ナオジ:「なるほど!真夏の方の脳内か!一度会ってみたいな!」 チョコ:「それは無理だろうけど、一理あるわ」 0:【現実、映画を見終わり少しして】 唯:「真夏?」 真夏:「え!?あ!ごめん!」 唯:「どうしたの?」 真夏:「ううん!なんでもない…… 真夏:あーっ、あのね、私初デートで 真夏:緊張してたけど凄く楽しかったの! 真夏:けどもうこんな時間だから 真夏:終わっちゃうのかーって考えてたら…」 唯:「…そっか……ごめん!」 真夏:「え!?」 唯:「そうだよね、真夏は女の子だもんな 唯:門限とかあるよね…考えてなかった…」 真夏:「え!?あ、いや!門限とかは大丈夫だよ! 真夏:遊びに行くって伝えてるし 真夏:あんまり遅くないなら!」 唯:「俺も色々抜けてたな… 唯:実は俺もデートっていうの初めてで 唯:遊びに行くとは何か違くてさ 唯:色々考えてはいたんだけど… 唯:けど良かった、楽しかったって言ってもらえて 唯:俺も楽しかったから」 真夏:「唯君…!」 唯:「それでなんだけど、時間まだ大丈夫なら 唯:夜までご飯食べてから帰らない?」 真夏:「うん!お店はどうしよっか?」 唯:「実は決めてて…門限とか頭になかったから 唯:勝手にいけるだろーって」 真夏:「唯君も緊張してた?」 唯:「…まぁ、それなにり…」 真夏:「可愛いとこあるなぁ」 唯:「からかってる?」 真夏:「そんなことないよ!」 唯:「ならいいけど、店はここからバスで10分くらい 唯:の場所だから…行こ」 0:【脳内】 チョコ:「流石に繋ぐでしょ!真夏ちゃん!」 ナオジ:「マース?」 マース:「なぁ、ナオジ、後でもし マース:僕が仕事になったら力貸してくれる?」 ナオジ:「なんだ?急に、いいに決まってるだろ!」 チョコ:「2人何してんの!繋げたよ!」 ナオジ:「おぉ!見事だ!」 マース:「ハハハ!唯も繋いだくせに照れてるな!」 0:【現実】 唯:「何度か手を繋ごうとしたけど躱してたでしょ?」 真夏:「気づいてた…?」 唯:「なんとなく」 真夏:「ちょっと恥ずかしくて…」 唯:「…それは俺もだから」 真夏:「え?」 唯:「なんでもない、それじゃバス停まで行こうか」 0:【間】 唯:「次はどこに行こうか」 真夏:「唯君はどこか行きたいところあるの?」 唯:「え?うーん…」 真夏:「あ!そうだ!動物園行きたい!」 唯:「動物園?」 真夏:「そうそう!動物が好きってのもあるけど 真夏:パンダが来るんだよ!」 唯:「へぇ…知らなかった 唯:じゃあ次は動物園かな?」 真夏:「楽しみにしてるね!」 唯:「あ、ここだ…降りるよ」 真夏:「うん!」 0:【脳内】 チョコ:「次のデートも確約、なんだかんだ成功かな」 ナオジ:「初々しい感じはあるが、それもいい!」 マース:「僕の勘違い…だったかな」 チョコ:「なぁにマース、仕事できなくて拗ねてる?」 マース:「そんなんじゃないよ、まだデートも終わってないし」 ナオジ:「そうだな!最後はまでちゃんと見守ろう!」 チョコ:「それに関しては同意見だけど…」 マース:「来た!ナオジ!今だ!チョコを抑えろ!」 チョコ:「え!?」 ナオジ:「マース、いいぞ!」 マース:「絶対何かあると思ったよ、あと真夏?だっけ? マース:さっきの発言、根に持ってるからな!僕は!」 0:【現実】 真夏:「あ痛ぁ!?」 唯:「え!?あ!え!?大丈夫、真夏!?」 真夏:「痛っ…捻ったみたい…」 唯:「立てそう?」 真夏:「ごめん…唯君…ヒールなんて履いてたから…」 唯:「…はい」 真夏:「え?」 唯:「乗って」 真夏:「えーっと…唯君…」 唯:「あ、そうか、おんぶは嫌だったかな? 唯:じゃあお姫様抱っこかな?」 真夏:「ッッ!?え!な、な、何言ってるの!」 唯:「だって真夏、立てないくらい痛いんでしょ?」 真夏:「…も、もしかしてさっきの仕返ししてる?」 唯:「さて?何のことかな?」 真夏:「可愛いって言ったの根に持ってる!」 唯:「あははは!…けど、全然いいよ。…乗る?」 真夏:「…肩を貸してください…」 唯:「あははは!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ、ちょっと!ナオジ! チョコ:アンタ何してんのよ!」 ナオジ:「ごめんな、姐さん ナオジ:けど見てくれ!あの2人の顔!」 チョコ:「あっ…」 ナオジ:「いい笑顔じゃかいか!な、マース!」 マース:「べ、別に!この笑顔の為にやったわけじゃないって!」 ナオジ:「ハハハ!相変わらずだな!」 チョコ:「ちょっと、どういうことよ!」 ナオジ:「姐さんは唯が生まれてからすぐにできた人格 ナオジ:元々、唯はコミュニケーション能力に長けた人間だ ナオジ:だから姐さんはここの年長者でみんなをまとめたり ナオジ:学校とか誰かといる時は姐さんが頑張ってるだろ?」 チョコ:「それは私が協調とコミュ力の人格だからね」 ナオジ:「唯が小さい時に病んだことも知っている ナオジ:それでマースが生まれたことも聞いた ナオジ:だから俺は姐さんが頑張っている間 ナオジ:他の人格と仲良くなった!」 チョコ:「それはナオジの性格もあってね チョコ:だけど、それとこれは別でしょ!」 ナオジ:「姐さんはマースを小悪魔とSの人格だから ナオジ:何か意地悪をすると思っているんだろ? ナオジ:そんなことはない!マースは人格の中でも ナオジ:ダントツに唯のことを大好きだぞ!」 マース:「ナオジ!お前!それは言うことないだろ!」 ナオジ:「そうか?俺は単純だからな! ナオジ:みんなが唯を好きで居てくれた方がいいからな!」 マース:「……あーーー!もーーー! マース:チョコさ、俺は小悪魔かも知れないけど マース:悪魔じゃないからな、そこ間違えんな」 チョコ:「マース……可愛くない」 マース:「はぁ!?お前なぁ!」 チョコ:「けど、アンタの気持ちはわかった チョコ:冷静になって思ったけど チョコ:あのまま私が優先権だったら チョコ:肩貸して終わってたわ」 ナオジ:「俺もだ!さはな チョコ:「その点、ちょっとした悪戯で チョコ:2人の距離が縮まった気がする チョコ:そこは素直に認める、マース、ありがとう」 マース:「!!!ま、まだ!終わってないからな!」 チョコ:「素直じゃないなぁ、全く」 0:【現実】 真夏:「今日は本当に楽しかった!ありがとう唯君」 唯:「俺も楽しかったよ、最後はびっくりしたけど」 真夏:「それは…ごめんなさい」 唯:「あははは、案外ドジなとこあるって知れたし 唯:許してあげよう」 真夏:「唯君って案外いじわる?」 唯:「どうかな?あ!足はもう大丈夫?」 真夏:「うん!ちょっと捻っただけだったみたいだから 真夏:腫れてもないし、大丈夫!」 唯:「動物園ではスニーカーで来なよ?」 真夏:「肝に銘じておきます…」 唯:「じゃあ、また明日学校で」 真夏:「うん!また明日ね!」 唯:「あ!忘れるところだった 唯:はい、初デート記念ってことで」 真夏:「え!?いつの間に!?」 唯:「真夏が色々見てた時…かな?」 真夏:「ありがとう…私何もしてない…」 唯:「気にしないでよ、本当に嬉しかったからさ 唯:楽しかったって言ってもらえて」 真夏:「唯君…大好き」 唯:「俺も大好きだよ…ってやっぱり照れるな…」 真夏:「ありがとう、大切にするね!」 唯:「そうしてくれると嬉しいな 唯:それじゃ、今度こそまた明日」 真夏:「うん!また明日!」 0:【脳内】 チョコ:「いい感じだったじゃない?唯」 唯:「そうかな?唯さんのおかげだよ」 チョコ:「そんなことない、2人にも助けられた」 ナオジ:「俺は楽しかったぞ!唯!」 唯:「ありがとう、ナオジ」 マース:「さーて、戻るか」 唯:「マース」 マース:「ん?」 唯:「俺は知ってたからなちゃんと」 マース:「ばっ!お前な!」 チョコ:「照れちゃって可愛いんだから」 ナオジ:「そうだ!マースは可愛いところあるんだぞ!」 マース:「お前らな!あー!クソ! マース:らしくないことしたなぁ!全く!」 唯:「次のデートの時も頼むな」 マース:「…考えとくよ」 チョコ:「次は動物園だっけ?」 唯:「うん、動物園なんて久しぶりだな」 ナオジ:「楽しみだな!」 唯:「みんなも居てくれるしな!」 チョコ:「にしても、最後のサプライズは チョコ:上手くやれたわね」 ナオジ:「苦手って割には良かったぞ!」 唯:「マジ?良かったよ…」 チョコ:「最後の大好きは、ごちそうさまね」 唯:「あ…思い出したら急に恥ずかしくなってきた…」 ナオジ:「ハハハ!可愛かったぞ!唯!」 マース:「さっさと寝らないと遅刻するぞ」 唯:「確かに!ありがとな、みんな!」 0:【おわり】

唯:俺は昔から自分の名前が嫌いだ 唯:小学校低学年の時、女の子の名前だと馬鹿にされた 唯:そんな昔のことを未だに覚えているほどには 唯:この名前が嫌いだ 唯:高学年になった頃、身長も伸びて運動もできたから 唯:段々と女の子と言われることは無くなった 0:【間】 唯:最初に彼女を見たのは授業中に寝て怒られてた所 唯:彼女を見てあくびを出したところで先生の怒鳴り声が聞こえた 真夏:「はじめまして、榎原真夏です 真夏:唯君でいいのかな?」 唯:初めて喋った時の態度は最悪だったと自分でも思う 唯:「ごめん、榎原さん…だっけ? 唯:名前で呼ばれるのあまり好きじゃないんだ」 真夏:「どうして?」 唯:「名前がそんなに好きになれなくて」 真夏:「そんなことないよ!唯っていい名前だと思う!」 唯:「え?」 真夏:「唯って唯一ってことでしょ? 真夏:唯一の人になって欲しい!みたいな願い事を込めて 真夏:名付けたんじゃないかな?」 唯:「あはは!」 真夏:「え!?え!?何か変なこと言った?私」 唯:「ううん、いや初めてでさ… 唯:榎原さんにだったら名前で呼ばれてもいいかな」 唯:初めて言われた肯定的な言葉に 唯:俺は…… 0:【脳内】 ナオジ:「心奪われました!ってか? ナオジ:いいね!いいね!単純!明快!ハハハ!」 唯:「笑わないでくれる?結構、真剣なんだけど?」 ナオジ:「あの唯が!キュュュン!としてるんだ! ナオジ:そんな単純な唯が俺は好きだぜー!」 唯:「ナオジに単純って言われたくないな 唯:単純の人格なのに」 ナオジ:「確かにそうだ!だが俺はお前でもある! ナオジ:単純同士楽しもうぜ!ハハハ!なぁ!姐さん!」 チョコ:「確かに唯が恋をするなんて チョコ:面白いことになったね、ねぇ、唯?」 唯:「ちょっと、チョコさんまで揶揄わないでくださいよ」 チョコ:「自分の人格にさん付けって…いつものことだけど」 唯:「それは…助けられてるから 唯:チョコさんには色々と」 チョコ:「とりあえずこの初恋、応援してあげる」 ナオジ:「おう!俺もちゃんと見てるぜ!」 唯:「2人とも…ありがとう!」 チョコ:「いい子なんだけどね…」 ナオジ:「まぁ、姐さんが居りゃ何とかなるでしょ」 マース:「何々?面白そうじゃん、僕も一枚噛ませてよ」 チョコ:「マース!?なんでアンタが」 マース:「ひっどいなぁ!僕だって人格の1人だろ?」 チョコ:「それは…そうね」 ナオジ:「すまんな!姐さん!俺は全人格と ナオジ:仲良くなりたいからマースを悪く言えん!」 チョコ:「いいわ、ナオジはそれでいいの チョコ:で?小悪魔さんは何がしたいのかな?」 マース:「別に何も?唯の恋の行方を見たいだけさ」 ナオジ:「しかし、純粋無垢で単純明快な唯から ナオジ:マースのような人格が生まれたのも意外だったぞ!」 チョコ:「それは…色々あったのよ」 マース:「てことだから、チョコ、ナオジ マース:僕も見させてもらうよ」 0:【現実】 唯:ナオジの言う通り単純かもしれない 唯:それでも榎原さんに好意を抱いたことは 唯:間違ってないと思う… 唯:「って言っても初めてだからな…こういうの 唯:あー、まずは連絡先聞かなきゃかな…」 真夏:「あの!唯君!ちょっといいかな?」 唯:「え!?榎原さん!?」 真夏:「あのね、今日の放課後にちょっと話したいことあるんだけど…」 唯:「放課後?」 真夏:「あ!ううん!忙しいなら大丈夫…」 唯:これって…いや、そんなわけ… 0:【脳内】 チョコ:「OKは絶対よ、唯」 ナオジ:「おう!間違えんなよ!」 マース:「なーんだ、つまらないなぁ」 チョコ:「何がつまらないのよ」 マース:「どー見ても両想いでしょ?」 ナオジ:「だったらめでたいじゃねーか!」 マース:「出番的にももっと恋のかけ引きとか マース:したかったんだけどなぁ…」 チョコ:「唯は無理よ、意外とそう言うの下手なんだから」 ナオジ:「サプライズも苦手だしな!」 マース:「しゃーない、動向を見ますか」 0:【現実】 唯:「…ううん、全然大丈夫だよ、今日は部活もないし」 真夏:「え!?いいの!?あ、じゃ、じゃあ、放課後… 真夏:えっと…屋上前の階段でいいかな?」 唯:「うん、わかった」 真夏:「じゃ、じゃあ!放課後!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ!マース!?」 マース:「何?」 チョコ:「最後の"わかった"ってちょっと素っ気ない!」 マース:「チョコが優先権持ってただろ?」 唯:「ごめん、チョコさん…俺のせいだ」 チョコ:「唯…アンタね」 ナオジ:「まぁ!いいじゃねーか! ナオジ:あっちも緊張してたのか全然気にして無かったぞ!」 マース:「じゃ、放課後までは暇そうだから戻るわ」 チョコ:「ちょ!…あぁ!もう!」 ナオジ:「唯は大丈夫か?もしこの誘いが本命なら」 唯:「どうだろ…俺も初めてだからさ、こういうの」 チョコ:「そこは任せなさい!次は邪魔されないから」 唯:「ありがとう」 0:【間】 ナオジ:「なぁ、姐さん」 チョコ:「何?」 ナオジ:「あぁ、いや、何でもない!さ!仕事だ!」 0:【現実、放課後】 真夏:「唯君!あのね、私ね… 真夏:あなたのことが………」 唯:正直驚いた、なんで俺だったんだろう 唯:「俺も…、あ…いや、俺も榎原さんのこと気になってた」 真夏:「え!?嘘…」 唯:「うん、だから俺で良ければ 唯:こちらこそ、お願いします」 真夏:「嬉しい…嬉しいよ…」 唯:「一つ聞いていい?なんで俺なの? 唯:そんなに話してたわけじゃなかったのに」 真夏:「一目惚れです…この前の体育の時」 唯:「?、俺何かしたっけ?」 真夏:「自覚無し!?あ!じゃあ唯君は 真夏:なんで私を気になってたの?」 唯:「榎原さんが良い人そうだったから…かな」 真夏:「それこそ自覚ないんだけど!」 唯:「あはは、今度話すよ」 0:【脳内】 チョコ:「ここからが大変よ、ってナオジ!」 ナオジ:「え?唯って体育で何かした?」 唯:「俺も全く覚えがないんだけど」 マース:「ハハハ!僕が居ても居なくても マース:変わらなかったんじゃない?チョコ」 チョコ:「うるさい!」 0:【現実、告白から数日後】 唯:「あのさ、榎原さん」 真夏:「ふぁ!?あ!ごめん!何?」 唯:「大丈夫…?」 真夏:「ごめん!ちょっと考え事…で、何かな?」 唯:「あ、そうだった 唯:えっと…名前で呼んでもいいかな?」 真夏:「へ?名前?」 唯:「うん、付き合ってからも何となく榎原さんって呼んでたけど 唯:名前で呼んじゃダメかな?」 唯:あぁ、失敗したかな 唯:唐突だったし…名前って大事だからな… 真夏:「な、名前か…」 唯:「あ、嫌…だった?」 真夏:「ううん!嬉しい!」 唯:「そっか!よかった 唯:じゃあ…真夏、今度遊びに行かない?」 0:【脳内】 チョコ:「唯、ここ来て」 唯:「チョコさん?何?」 チョコ:「名前くらい呼ぶから!普通に! チョコ:ちょっと気にしすぎ!」 唯:「ごめん、けど真夏は大切な人だから」 ナオジ:「唯の気持ちもわからんでもないけどな!」 マース:「大切な人…ね マース:唯の口からそんなことが出るとは!アハハ!」 唯:「笑うなよ!」 マース:「いいじゃん、さっさと初デートの予定でも マース:2人で考えなよ!僕も楽しみが増える」 チョコ:「邪魔すんじゃないよ!」 ナオジ:「デートかぁ…どんなもんかな!」 唯:「じゃあ、真夏と電話してくるよ」 0:【現実】 唯:「じゃあ、プリモスに集合しようか 唯:あそこだったらお店も色々あるし」 真夏:「うん!大丈夫だよ!」 唯:「あ、そうだ 唯:ごめん!俺のわがままだけど 唯:観たい映画あるだ、それ一緒に観ない?」 真夏:「え!何々!何の映画?」 0:【間】 唯:「ふぅ…日曜か…ていうか初デートだよな!? 唯:いや!あれで良かったのか!? 唯:映画も勝手にミステリー選んだしさぁ!?」 0:【間】 マース:「ハッハッハ!面白ぇ!」 チョコ:「荒れてるわね」 ナオジ:「まぁ、そこが唯の良いところだけどな!」 チョコ:「あんたは唯の肩を持ちすぎ」 マース:「初デートなんだ、失敗しても笑ってやろうぜ?」 チョコ:「嫌よ、失敗しないようにフォローするから」 ナオジ:「俺は唯に肩入れしてるが、姐さんは ナオジ:肩に力入れすぎだな!抜いていこうぜ!」 0:【現実、初デート】 唯:「ダメだ…緊張して中々寝れなかったな… 唯:あ、そういえば」 真夏:「ねぇ!見た!?美波! 真夏:スタビの新作!あれ美味しそうじゃない!? 真夏:そうそう!今度行こうよ!」 唯:「…って言ってたっけ」 0:【脳内】 チョコ:「ここは買いに行くべきね」 ナオジ:「慣れてるとか思われないか?」 チョコ:「気遣いできる方がいいでしょ?」 マース:「適当に喉乾いたって言っとけば? マース:あくまでついでに買ったってさ」 チョコ:「変に、ついで感出してもダメでしょ チョコ:スマートに!気遣い!」 0:【現実】 真夏:「ごめん!待った?」 唯:「全然!俺もちょっと前に着いたから」 真夏:「負けちゃったなぁ…」 唯:「あはは、昨日、実は寝れなくて」 真夏:「あ!一緒!緊張しちゃって」 唯:「あ、そうだ…はい、どうぞ」 真夏:「え、ありがとう!」 唯:「緊張してたから喉渇いてさ 唯:せっかくだから…確か、これ飲みたかったんだよね?」 真夏:「そうそう!新作!ってあれ?話したっけ?」 唯:「あー、実は佐倉さんと話してるの聞いた」 真夏:「美波との!?あ、そうか確か教室で」 唯:「盗み聞きです」 真夏:「唯君もそういうことするんだ?」 唯:「あ!いや!いつもしてるわけじゃなくて! 唯:真夏が話してたからで…って!ほら、行こう!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ!ナオジ!」 ナオジ:「単純にマースの案良かったと思ったからな! ナオジ:姐さんの言ってることもわかる! ナオジ:だから合わせてみた!」 チョコ:「単純にもほどがある!」 マース:「いいんじゃねーの?チョコのフォローで マース:会話続いてるみたいだから」 チョコ:「マースも!盗み聞き一々言わなくていいのに!」 マース:「僕は僕の仕事をしてるだけだって」 チョコ:「気を取り直して次!行くわよ!」 0:【現実】 唯:「やっぱり女の子だね」 真夏:「え?」 唯:「普段、男友達としか買い物来ないから 唯:見るものが違うなぁって」 真夏:「あ!ごめん!つまんなかった?」 唯:「いや、楽しいよ」 真夏:「唯君たちって普段は何見るの?」 唯:「うーん…スポーツショップは行くかな 唯:あ、次寄っていい?」 真夏:「じゃあ、行こ!」 唯:「あ、ごめん少しトイレ行ってきていい?」 真夏:「じゃあ、あの角のお店いるね」 唯:「ごめん、すぐ戻るね」 0:【脳内】 チョコ:「大丈夫?」 ナオジ:「そこは全員でフォローだな!」 マース:「センスは良いからなぁ唯は マース:ま、苦手ってだけで失敗はないんじゃない?」 チョコ:「それもそうね、さっさと買って戻るわよ、唯」 0:【現実】 唯:「えっと…確か…あ、あった!コレだ」 0:【間】 唯:「こういうのよくわかんないんだけど」 真夏:「ん?何が?」 唯:「映画、ラブストーリーとかの方が良かった? 唯:ほら、今なら確か恋々だっけ?マンガの」 真夏:「あー、公開昨日だったね」 唯:「そっちの方が良かったかな?って」 真夏:「全然!むしろこの映画気になってた!」 唯:「え?真夏ってこういうの観るの?」 真夏:「実は結構好きなんだよね」 唯:「そっかー…良かったー」 0:【脳内】 チョコ:「映画も問題なさそうなのかな? チョコ:真夏ちゃんが気を遣ってるだけかな?」 ナオジ:「そうか?あの顔、真剣に観てるぞ!」 チョコ:「あら?これは正解だったかな?」 ナオジ:「しかし!さっきから手を繋ごうとしてるんだがな!」 チョコ:「見事に躱されてるわね」 マース:「どーせ、あっちの脳内で葛藤中でしょ マース:僕は気づいたけど、手を繋ごうとしてるの気づいてたし」 ナオジ:「なるほど!真夏の方の脳内か!一度会ってみたいな!」 チョコ:「それは無理だろうけど、一理あるわ」 0:【現実、映画を見終わり少しして】 唯:「真夏?」 真夏:「え!?あ!ごめん!」 唯:「どうしたの?」 真夏:「ううん!なんでもない…… 真夏:あーっ、あのね、私初デートで 真夏:緊張してたけど凄く楽しかったの! 真夏:けどもうこんな時間だから 真夏:終わっちゃうのかーって考えてたら…」 唯:「…そっか……ごめん!」 真夏:「え!?」 唯:「そうだよね、真夏は女の子だもんな 唯:門限とかあるよね…考えてなかった…」 真夏:「え!?あ、いや!門限とかは大丈夫だよ! 真夏:遊びに行くって伝えてるし 真夏:あんまり遅くないなら!」 唯:「俺も色々抜けてたな… 唯:実は俺もデートっていうの初めてで 唯:遊びに行くとは何か違くてさ 唯:色々考えてはいたんだけど… 唯:けど良かった、楽しかったって言ってもらえて 唯:俺も楽しかったから」 真夏:「唯君…!」 唯:「それでなんだけど、時間まだ大丈夫なら 唯:夜までご飯食べてから帰らない?」 真夏:「うん!お店はどうしよっか?」 唯:「実は決めてて…門限とか頭になかったから 唯:勝手にいけるだろーって」 真夏:「唯君も緊張してた?」 唯:「…まぁ、それなにり…」 真夏:「可愛いとこあるなぁ」 唯:「からかってる?」 真夏:「そんなことないよ!」 唯:「ならいいけど、店はここからバスで10分くらい 唯:の場所だから…行こ」 0:【脳内】 チョコ:「流石に繋ぐでしょ!真夏ちゃん!」 ナオジ:「マース?」 マース:「なぁ、ナオジ、後でもし マース:僕が仕事になったら力貸してくれる?」 ナオジ:「なんだ?急に、いいに決まってるだろ!」 チョコ:「2人何してんの!繋げたよ!」 ナオジ:「おぉ!見事だ!」 マース:「ハハハ!唯も繋いだくせに照れてるな!」 0:【現実】 唯:「何度か手を繋ごうとしたけど躱してたでしょ?」 真夏:「気づいてた…?」 唯:「なんとなく」 真夏:「ちょっと恥ずかしくて…」 唯:「…それは俺もだから」 真夏:「え?」 唯:「なんでもない、それじゃバス停まで行こうか」 0:【間】 唯:「次はどこに行こうか」 真夏:「唯君はどこか行きたいところあるの?」 唯:「え?うーん…」 真夏:「あ!そうだ!動物園行きたい!」 唯:「動物園?」 真夏:「そうそう!動物が好きってのもあるけど 真夏:パンダが来るんだよ!」 唯:「へぇ…知らなかった 唯:じゃあ次は動物園かな?」 真夏:「楽しみにしてるね!」 唯:「あ、ここだ…降りるよ」 真夏:「うん!」 0:【脳内】 チョコ:「次のデートも確約、なんだかんだ成功かな」 ナオジ:「初々しい感じはあるが、それもいい!」 マース:「僕の勘違い…だったかな」 チョコ:「なぁにマース、仕事できなくて拗ねてる?」 マース:「そんなんじゃないよ、まだデートも終わってないし」 ナオジ:「そうだな!最後はまでちゃんと見守ろう!」 チョコ:「それに関しては同意見だけど…」 マース:「来た!ナオジ!今だ!チョコを抑えろ!」 チョコ:「え!?」 ナオジ:「マース、いいぞ!」 マース:「絶対何かあると思ったよ、あと真夏?だっけ? マース:さっきの発言、根に持ってるからな!僕は!」 0:【現実】 真夏:「あ痛ぁ!?」 唯:「え!?あ!え!?大丈夫、真夏!?」 真夏:「痛っ…捻ったみたい…」 唯:「立てそう?」 真夏:「ごめん…唯君…ヒールなんて履いてたから…」 唯:「…はい」 真夏:「え?」 唯:「乗って」 真夏:「えーっと…唯君…」 唯:「あ、そうか、おんぶは嫌だったかな? 唯:じゃあお姫様抱っこかな?」 真夏:「ッッ!?え!な、な、何言ってるの!」 唯:「だって真夏、立てないくらい痛いんでしょ?」 真夏:「…も、もしかしてさっきの仕返ししてる?」 唯:「さて?何のことかな?」 真夏:「可愛いって言ったの根に持ってる!」 唯:「あははは!…けど、全然いいよ。…乗る?」 真夏:「…肩を貸してください…」 唯:「あははは!」 0:【脳内】 チョコ:「ちょ、ちょっと!ナオジ! チョコ:アンタ何してんのよ!」 ナオジ:「ごめんな、姐さん ナオジ:けど見てくれ!あの2人の顔!」 チョコ:「あっ…」 ナオジ:「いい笑顔じゃかいか!な、マース!」 マース:「べ、別に!この笑顔の為にやったわけじゃないって!」 ナオジ:「ハハハ!相変わらずだな!」 チョコ:「ちょっと、どういうことよ!」 ナオジ:「姐さんは唯が生まれてからすぐにできた人格 ナオジ:元々、唯はコミュニケーション能力に長けた人間だ ナオジ:だから姐さんはここの年長者でみんなをまとめたり ナオジ:学校とか誰かといる時は姐さんが頑張ってるだろ?」 チョコ:「それは私が協調とコミュ力の人格だからね」 ナオジ:「唯が小さい時に病んだことも知っている ナオジ:それでマースが生まれたことも聞いた ナオジ:だから俺は姐さんが頑張っている間 ナオジ:他の人格と仲良くなった!」 チョコ:「それはナオジの性格もあってね チョコ:だけど、それとこれは別でしょ!」 ナオジ:「姐さんはマースを小悪魔とSの人格だから ナオジ:何か意地悪をすると思っているんだろ? ナオジ:そんなことはない!マースは人格の中でも ナオジ:ダントツに唯のことを大好きだぞ!」 マース:「ナオジ!お前!それは言うことないだろ!」 ナオジ:「そうか?俺は単純だからな! ナオジ:みんなが唯を好きで居てくれた方がいいからな!」 マース:「……あーーー!もーーー! マース:チョコさ、俺は小悪魔かも知れないけど マース:悪魔じゃないからな、そこ間違えんな」 チョコ:「マース……可愛くない」 マース:「はぁ!?お前なぁ!」 チョコ:「けど、アンタの気持ちはわかった チョコ:冷静になって思ったけど チョコ:あのまま私が優先権だったら チョコ:肩貸して終わってたわ」 ナオジ:「俺もだ!さはな チョコ:「その点、ちょっとした悪戯で チョコ:2人の距離が縮まった気がする チョコ:そこは素直に認める、マース、ありがとう」 マース:「!!!ま、まだ!終わってないからな!」 チョコ:「素直じゃないなぁ、全く」 0:【現実】 真夏:「今日は本当に楽しかった!ありがとう唯君」 唯:「俺も楽しかったよ、最後はびっくりしたけど」 真夏:「それは…ごめんなさい」 唯:「あははは、案外ドジなとこあるって知れたし 唯:許してあげよう」 真夏:「唯君って案外いじわる?」 唯:「どうかな?あ!足はもう大丈夫?」 真夏:「うん!ちょっと捻っただけだったみたいだから 真夏:腫れてもないし、大丈夫!」 唯:「動物園ではスニーカーで来なよ?」 真夏:「肝に銘じておきます…」 唯:「じゃあ、また明日学校で」 真夏:「うん!また明日ね!」 唯:「あ!忘れるところだった 唯:はい、初デート記念ってことで」 真夏:「え!?いつの間に!?」 唯:「真夏が色々見てた時…かな?」 真夏:「ありがとう…私何もしてない…」 唯:「気にしないでよ、本当に嬉しかったからさ 唯:楽しかったって言ってもらえて」 真夏:「唯君…大好き」 唯:「俺も大好きだよ…ってやっぱり照れるな…」 真夏:「ありがとう、大切にするね!」 唯:「そうしてくれると嬉しいな 唯:それじゃ、今度こそまた明日」 真夏:「うん!また明日!」 0:【脳内】 チョコ:「いい感じだったじゃない?唯」 唯:「そうかな?唯さんのおかげだよ」 チョコ:「そんなことない、2人にも助けられた」 ナオジ:「俺は楽しかったぞ!唯!」 唯:「ありがとう、ナオジ」 マース:「さーて、戻るか」 唯:「マース」 マース:「ん?」 唯:「俺は知ってたからなちゃんと」 マース:「ばっ!お前な!」 チョコ:「照れちゃって可愛いんだから」 ナオジ:「そうだ!マースは可愛いところあるんだぞ!」 マース:「お前らな!あー!クソ! マース:らしくないことしたなぁ!全く!」 唯:「次のデートの時も頼むな」 マース:「…考えとくよ」 チョコ:「次は動物園だっけ?」 唯:「うん、動物園なんて久しぶりだな」 ナオジ:「楽しみだな!」 唯:「みんなも居てくれるしな!」 チョコ:「にしても、最後のサプライズは チョコ:上手くやれたわね」 ナオジ:「苦手って割には良かったぞ!」 唯:「マジ?良かったよ…」 チョコ:「最後の大好きは、ごちそうさまね」 唯:「あ…思い出したら急に恥ずかしくなってきた…」 ナオジ:「ハハハ!可愛かったぞ!唯!」 マース:「さっさと寝らないと遅刻するぞ」 唯:「確かに!ありがとな、みんな!」 0:【おわり】