台本概要
265 views
タイトル | 脳内裏会議〜唯の世界〜 |
---|---|
作者名 | てくす (@daihooon) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 5人用台本(男2、女2、不問1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
脳内会議唯視点! え!?唯にも脳内人格が!? と、とりあえず いざ!脳内会議! 265 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
唯 | 男 | 115 | みぎた ゆい。全ての人格の父であり、最高神。最近彼女ができた爽やかイケメンくん。 |
チョコ | 女 | 59 | 直感と行動力の人格。唯が生まれた時に既に生まれた人格で古参勢。みんなの姉御ォ! |
ナオジ | 男 | 44 | 素直さの人格。全人格と仲良くなるのが目標! |
マース | 不問 | 38 | 小悪魔の人格。名前の件で弄られた時に生まれた。 |
真夏 | 女 | 77 | えのはら まなつ。彼女 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
唯:俺は昔から自分の名前が嫌いだ
唯:小学校低学年の時、女の子の名前だと馬鹿にされた
唯:そんな昔のことを未だに覚えているほどには
唯:この名前が嫌いだ
唯:高学年になった頃、身長も伸びて運動もできたから
唯:段々と女の子と言われることは無くなった
0:【間】
唯:最初に彼女を見たのは授業中に寝て怒られてた所
唯:彼女を見てあくびを出したところで先生の怒鳴り声が聞こえた
真夏:「はじめまして、榎原真夏です
真夏:唯君でいいのかな?」
唯:初めて喋った時の態度は最悪だったと自分でも思う
唯:「ごめん、榎原さん…だっけ?
唯:名前で呼ばれるのあまり好きじゃないんだ」
真夏:「どうして?」
唯:「名前がそんなに好きになれなくて」
真夏:「そんなことないよ!唯っていい名前だと思う!」
唯:「え?」
真夏:「唯って唯一ってことでしょ?
真夏:唯一の人になって欲しい!みたいな願い事を込めて
真夏:名付けたんじゃないかな?」
唯:「あはは!」
真夏:「え!?え!?何か変なこと言った?私」
唯:「ううん、いや初めてでさ…
唯:榎原さんにだったら名前で呼ばれてもいいかな」
唯:初めて言われた肯定的な言葉に
唯:俺は……
0:【脳内】
ナオジ:「心奪われました!ってか?
ナオジ:いいね!いいね!単純!明快!ハハハ!」
唯:「笑わないでくれる?結構、真剣なんだけど?」
ナオジ:「あの唯が!キュュュン!としてるんだ!
ナオジ:そんな単純な唯が俺は好きだぜー!」
唯:「ナオジに単純って言われたくないな
唯:単純の人格なのに」
ナオジ:「確かにそうだ!だが俺はお前でもある!
ナオジ:単純同士楽しもうぜ!ハハハ!なぁ!姐さん!」
チョコ:「確かに唯が恋をするなんて
チョコ:面白いことになったね、ねぇ、唯?」
唯:「ちょっと、チョコさんまで揶揄わないでくださいよ」
チョコ:「自分の人格にさん付けって…いつものことだけど」
唯:「それは…助けられてるから
唯:チョコさんには色々と」
チョコ:「とりあえずこの初恋、応援してあげる」
ナオジ:「おう!俺もちゃんと見てるぜ!」
唯:「2人とも…ありがとう!」
チョコ:「いい子なんだけどね…」
ナオジ:「まぁ、姐さんが居りゃ何とかなるでしょ」
マース:「何々?面白そうじゃん、僕も一枚噛ませてよ」
チョコ:「マース!?なんでアンタが」
マース:「ひっどいなぁ!僕だって人格の1人だろ?」
チョコ:「それは…そうね」
ナオジ:「すまんな!姐さん!俺は全人格と
ナオジ:仲良くなりたいからマースを悪く言えん!」
チョコ:「いいわ、ナオジはそれでいいの
チョコ:で?小悪魔さんは何がしたいのかな?」
マース:「別に何も?唯の恋の行方を見たいだけさ」
ナオジ:「しかし、純粋無垢で単純明快な唯から
ナオジ:マースのような人格が生まれたのも意外だったぞ!」
チョコ:「それは…色々あったのよ」
マース:「てことだから、チョコ、ナオジ
マース:僕も見させてもらうよ」
0:【現実】
唯:ナオジの言う通り単純かもしれない
唯:それでも榎原さんに好意を抱いたことは
唯:間違ってないと思う…
唯:「って言っても初めてだからな…こういうの
唯:あー、まずは連絡先聞かなきゃかな…」
真夏:「あの!唯君!ちょっといいかな?」
唯:「え!?榎原さん!?」
真夏:「あのね、今日の放課後にちょっと話したいことあるんだけど…」
唯:「放課後?」
真夏:「あ!ううん!忙しいなら大丈夫…」
唯:これって…いや、そんなわけ…
0:【脳内】
チョコ:「OKは絶対よ、唯」
ナオジ:「おう!間違えんなよ!」
マース:「なーんだ、つまらないなぁ」
チョコ:「何がつまらないのよ」
マース:「どー見ても両想いでしょ?」
ナオジ:「だったらめでたいじゃねーか!」
マース:「出番的にももっと恋のかけ引きとか
マース:したかったんだけどなぁ…」
チョコ:「唯は無理よ、意外とそう言うの下手なんだから」
ナオジ:「サプライズも苦手だしな!」
マース:「しゃーない、動向を見ますか」
0:【現実】
唯:「…ううん、全然大丈夫だよ、今日は部活もないし」
真夏:「え!?いいの!?あ、じゃ、じゃあ、放課後…
真夏:えっと…屋上前の階段でいいかな?」
唯:「うん、わかった」
真夏:「じゃ、じゃあ!放課後!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ!マース!?」
マース:「何?」
チョコ:「最後の"わかった"ってちょっと素っ気ない!」
マース:「チョコが優先権持ってただろ?」
唯:「ごめん、チョコさん…俺のせいだ」
チョコ:「唯…アンタね」
ナオジ:「まぁ!いいじゃねーか!
ナオジ:あっちも緊張してたのか全然気にして無かったぞ!」
マース:「じゃ、放課後までは暇そうだから戻るわ」
チョコ:「ちょ!…あぁ!もう!」
ナオジ:「唯は大丈夫か?もしこの誘いが本命なら」
唯:「どうだろ…俺も初めてだからさ、こういうの」
チョコ:「そこは任せなさい!次は邪魔されないから」
唯:「ありがとう」
0:【間】
ナオジ:「なぁ、姐さん」
チョコ:「何?」
ナオジ:「あぁ、いや、何でもない!さ!仕事だ!」
0:【現実、放課後】
真夏:「唯君!あのね、私ね…
真夏:あなたのことが………」
唯:正直驚いた、なんで俺だったんだろう
唯:「俺も…、あ…いや、俺も榎原さんのこと気になってた」
真夏:「え!?嘘…」
唯:「うん、だから俺で良ければ
唯:こちらこそ、お願いします」
真夏:「嬉しい…嬉しいよ…」
唯:「一つ聞いていい?なんで俺なの?
唯:そんなに話してたわけじゃなかったのに」
真夏:「一目惚れです…この前の体育の時」
唯:「?、俺何かしたっけ?」
真夏:「自覚無し!?あ!じゃあ唯君は
真夏:なんで私を気になってたの?」
唯:「榎原さんが良い人そうだったから…かな」
真夏:「それこそ自覚ないんだけど!」
唯:「あはは、今度話すよ」
0:【脳内】
チョコ:「ここからが大変よ、ってナオジ!」
ナオジ:「え?唯って体育で何かした?」
唯:「俺も全く覚えがないんだけど」
マース:「ハハハ!僕が居ても居なくても
マース:変わらなかったんじゃない?チョコ」
チョコ:「うるさい!」
0:【現実、告白から数日後】
唯:「あのさ、榎原さん」
真夏:「ふぁ!?あ!ごめん!何?」
唯:「大丈夫…?」
真夏:「ごめん!ちょっと考え事…で、何かな?」
唯:「あ、そうだった
唯:えっと…名前で呼んでもいいかな?」
真夏:「へ?名前?」
唯:「うん、付き合ってからも何となく榎原さんって呼んでたけど
唯:名前で呼んじゃダメかな?」
唯:あぁ、失敗したかな
唯:唐突だったし…名前って大事だからな…
真夏:「な、名前か…」
唯:「あ、嫌…だった?」
真夏:「ううん!嬉しい!」
唯:「そっか!よかった
唯:じゃあ…真夏、今度遊びに行かない?」
0:【脳内】
チョコ:「唯、ここ来て」
唯:「チョコさん?何?」
チョコ:「名前くらい呼ぶから!普通に!
チョコ:ちょっと気にしすぎ!」
唯:「ごめん、けど真夏は大切な人だから」
ナオジ:「唯の気持ちもわからんでもないけどな!」
マース:「大切な人…ね
マース:唯の口からそんなことが出るとは!アハハ!」
唯:「笑うなよ!」
マース:「いいじゃん、さっさと初デートの予定でも
マース:2人で考えなよ!僕も楽しみが増える」
チョコ:「邪魔すんじゃないよ!」
ナオジ:「デートかぁ…どんなもんかな!」
唯:「じゃあ、真夏と電話してくるよ」
0:【現実】
唯:「じゃあ、プリモスに集合しようか
唯:あそこだったらお店も色々あるし」
真夏:「うん!大丈夫だよ!」
唯:「あ、そうだ
唯:ごめん!俺のわがままだけど
唯:観たい映画あるだ、それ一緒に観ない?」
真夏:「え!何々!何の映画?」
0:【間】
唯:「ふぅ…日曜か…ていうか初デートだよな!?
唯:いや!あれで良かったのか!?
唯:映画も勝手にミステリー選んだしさぁ!?」
0:【間】
マース:「ハッハッハ!面白ぇ!」
チョコ:「荒れてるわね」
ナオジ:「まぁ、そこが唯の良いところだけどな!」
チョコ:「あんたは唯の肩を持ちすぎ」
マース:「初デートなんだ、失敗しても笑ってやろうぜ?」
チョコ:「嫌よ、失敗しないようにフォローするから」
ナオジ:「俺は唯に肩入れしてるが、姐さんは
ナオジ:肩に力入れすぎだな!抜いていこうぜ!」
0:【現実、初デート】
唯:「ダメだ…緊張して中々寝れなかったな…
唯:あ、そういえば」
真夏:「ねぇ!見た!?美波!
真夏:スタビの新作!あれ美味しそうじゃない!?
真夏:そうそう!今度行こうよ!」
唯:「…って言ってたっけ」
0:【脳内】
チョコ:「ここは買いに行くべきね」
ナオジ:「慣れてるとか思われないか?」
チョコ:「気遣いできる方がいいでしょ?」
マース:「適当に喉乾いたって言っとけば?
マース:あくまでついでに買ったってさ」
チョコ:「変に、ついで感出してもダメでしょ
チョコ:スマートに!気遣い!」
0:【現実】
真夏:「ごめん!待った?」
唯:「全然!俺もちょっと前に着いたから」
真夏:「負けちゃったなぁ…」
唯:「あはは、昨日、実は寝れなくて」
真夏:「あ!一緒!緊張しちゃって」
唯:「あ、そうだ…はい、どうぞ」
真夏:「え、ありがとう!」
唯:「緊張してたから喉渇いてさ
唯:せっかくだから…確か、これ飲みたかったんだよね?」
真夏:「そうそう!新作!ってあれ?話したっけ?」
唯:「あー、実は佐倉さんと話してるの聞いた」
真夏:「美波との!?あ、そうか確か教室で」
唯:「盗み聞きです」
真夏:「唯君もそういうことするんだ?」
唯:「あ!いや!いつもしてるわけじゃなくて!
唯:真夏が話してたからで…って!ほら、行こう!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ!ナオジ!」
ナオジ:「単純にマースの案良かったと思ったからな!
ナオジ:姐さんの言ってることもわかる!
ナオジ:だから合わせてみた!」
チョコ:「単純にもほどがある!」
マース:「いいんじゃねーの?チョコのフォローで
マース:会話続いてるみたいだから」
チョコ:「マースも!盗み聞き一々言わなくていいのに!」
マース:「僕は僕の仕事をしてるだけだって」
チョコ:「気を取り直して次!行くわよ!」
0:【現実】
唯:「やっぱり女の子だね」
真夏:「え?」
唯:「普段、男友達としか買い物来ないから
唯:見るものが違うなぁって」
真夏:「あ!ごめん!つまんなかった?」
唯:「いや、楽しいよ」
真夏:「唯君たちって普段は何見るの?」
唯:「うーん…スポーツショップは行くかな
唯:あ、次寄っていい?」
真夏:「じゃあ、行こ!」
唯:「あ、ごめん少しトイレ行ってきていい?」
真夏:「じゃあ、あの角のお店いるね」
唯:「ごめん、すぐ戻るね」
0:【脳内】
チョコ:「大丈夫?」
ナオジ:「そこは全員でフォローだな!」
マース:「センスは良いからなぁ唯は
マース:ま、苦手ってだけで失敗はないんじゃない?」
チョコ:「それもそうね、さっさと買って戻るわよ、唯」
0:【現実】
唯:「えっと…確か…あ、あった!コレだ」
0:【間】
唯:「こういうのよくわかんないんだけど」
真夏:「ん?何が?」
唯:「映画、ラブストーリーとかの方が良かった?
唯:ほら、今なら確か恋々だっけ?マンガの」
真夏:「あー、公開昨日だったね」
唯:「そっちの方が良かったかな?って」
真夏:「全然!むしろこの映画気になってた!」
唯:「え?真夏ってこういうの観るの?」
真夏:「実は結構好きなんだよね」
唯:「そっかー…良かったー」
0:【脳内】
チョコ:「映画も問題なさそうなのかな?
チョコ:真夏ちゃんが気を遣ってるだけかな?」
ナオジ:「そうか?あの顔、真剣に観てるぞ!」
チョコ:「あら?これは正解だったかな?」
ナオジ:「しかし!さっきから手を繋ごうとしてるんだがな!」
チョコ:「見事に躱されてるわね」
マース:「どーせ、あっちの脳内で葛藤中でしょ
マース:僕は気づいたけど、手を繋ごうとしてるの気づいてたし」
ナオジ:「なるほど!真夏の方の脳内か!一度会ってみたいな!」
チョコ:「それは無理だろうけど、一理あるわ」
0:【現実、映画を見終わり少しして】
唯:「真夏?」
真夏:「え!?あ!ごめん!」
唯:「どうしたの?」
真夏:「ううん!なんでもない……
真夏:あーっ、あのね、私初デートで
真夏:緊張してたけど凄く楽しかったの!
真夏:けどもうこんな時間だから
真夏:終わっちゃうのかーって考えてたら…」
唯:「…そっか……ごめん!」
真夏:「え!?」
唯:「そうだよね、真夏は女の子だもんな
唯:門限とかあるよね…考えてなかった…」
真夏:「え!?あ、いや!門限とかは大丈夫だよ!
真夏:遊びに行くって伝えてるし
真夏:あんまり遅くないなら!」
唯:「俺も色々抜けてたな…
唯:実は俺もデートっていうの初めてで
唯:遊びに行くとは何か違くてさ
唯:色々考えてはいたんだけど…
唯:けど良かった、楽しかったって言ってもらえて
唯:俺も楽しかったから」
真夏:「唯君…!」
唯:「それでなんだけど、時間まだ大丈夫なら
唯:夜までご飯食べてから帰らない?」
真夏:「うん!お店はどうしよっか?」
唯:「実は決めてて…門限とか頭になかったから
唯:勝手にいけるだろーって」
真夏:「唯君も緊張してた?」
唯:「…まぁ、それなにり…」
真夏:「可愛いとこあるなぁ」
唯:「からかってる?」
真夏:「そんなことないよ!」
唯:「ならいいけど、店はここからバスで10分くらい
唯:の場所だから…行こ」
0:【脳内】
チョコ:「流石に繋ぐでしょ!真夏ちゃん!」
ナオジ:「マース?」
マース:「なぁ、ナオジ、後でもし
マース:僕が仕事になったら力貸してくれる?」
ナオジ:「なんだ?急に、いいに決まってるだろ!」
チョコ:「2人何してんの!繋げたよ!」
ナオジ:「おぉ!見事だ!」
マース:「ハハハ!唯も繋いだくせに照れてるな!」
0:【現実】
唯:「何度か手を繋ごうとしたけど躱してたでしょ?」
真夏:「気づいてた…?」
唯:「なんとなく」
真夏:「ちょっと恥ずかしくて…」
唯:「…それは俺もだから」
真夏:「え?」
唯:「なんでもない、それじゃバス停まで行こうか」
0:【間】
唯:「次はどこに行こうか」
真夏:「唯君はどこか行きたいところあるの?」
唯:「え?うーん…」
真夏:「あ!そうだ!動物園行きたい!」
唯:「動物園?」
真夏:「そうそう!動物が好きってのもあるけど
真夏:パンダが来るんだよ!」
唯:「へぇ…知らなかった
唯:じゃあ次は動物園かな?」
真夏:「楽しみにしてるね!」
唯:「あ、ここだ…降りるよ」
真夏:「うん!」
0:【脳内】
チョコ:「次のデートも確約、なんだかんだ成功かな」
ナオジ:「初々しい感じはあるが、それもいい!」
マース:「僕の勘違い…だったかな」
チョコ:「なぁにマース、仕事できなくて拗ねてる?」
マース:「そんなんじゃないよ、まだデートも終わってないし」
ナオジ:「そうだな!最後はまでちゃんと見守ろう!」
チョコ:「それに関しては同意見だけど…」
マース:「来た!ナオジ!今だ!チョコを抑えろ!」
チョコ:「え!?」
ナオジ:「マース、いいぞ!」
マース:「絶対何かあると思ったよ、あと真夏?だっけ?
マース:さっきの発言、根に持ってるからな!僕は!」
0:【現実】
真夏:「あ痛ぁ!?」
唯:「え!?あ!え!?大丈夫、真夏!?」
真夏:「痛っ…捻ったみたい…」
唯:「立てそう?」
真夏:「ごめん…唯君…ヒールなんて履いてたから…」
唯:「…はい」
真夏:「え?」
唯:「乗って」
真夏:「えーっと…唯君…」
唯:「あ、そうか、おんぶは嫌だったかな?
唯:じゃあお姫様抱っこかな?」
真夏:「ッッ!?え!な、な、何言ってるの!」
唯:「だって真夏、立てないくらい痛いんでしょ?」
真夏:「…も、もしかしてさっきの仕返ししてる?」
唯:「さて?何のことかな?」
真夏:「可愛いって言ったの根に持ってる!」
唯:「あははは!…けど、全然いいよ。…乗る?」
真夏:「…肩を貸してください…」
唯:「あははは!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ、ちょっと!ナオジ!
チョコ:アンタ何してんのよ!」
ナオジ:「ごめんな、姐さん
ナオジ:けど見てくれ!あの2人の顔!」
チョコ:「あっ…」
ナオジ:「いい笑顔じゃかいか!な、マース!」
マース:「べ、別に!この笑顔の為にやったわけじゃないって!」
ナオジ:「ハハハ!相変わらずだな!」
チョコ:「ちょっと、どういうことよ!」
ナオジ:「姐さんは唯が生まれてからすぐにできた人格
ナオジ:元々、唯はコミュニケーション能力に長けた人間だ
ナオジ:だから姐さんはここの年長者でみんなをまとめたり
ナオジ:学校とか誰かといる時は姐さんが頑張ってるだろ?」
チョコ:「それは私が協調とコミュ力の人格だからね」
ナオジ:「唯が小さい時に病んだことも知っている
ナオジ:それでマースが生まれたことも聞いた
ナオジ:だから俺は姐さんが頑張っている間
ナオジ:他の人格と仲良くなった!」
チョコ:「それはナオジの性格もあってね
チョコ:だけど、それとこれは別でしょ!」
ナオジ:「姐さんはマースを小悪魔とSの人格だから
ナオジ:何か意地悪をすると思っているんだろ?
ナオジ:そんなことはない!マースは人格の中でも
ナオジ:ダントツに唯のことを大好きだぞ!」
マース:「ナオジ!お前!それは言うことないだろ!」
ナオジ:「そうか?俺は単純だからな!
ナオジ:みんなが唯を好きで居てくれた方がいいからな!」
マース:「……あーーー!もーーー!
マース:チョコさ、俺は小悪魔かも知れないけど
マース:悪魔じゃないからな、そこ間違えんな」
チョコ:「マース……可愛くない」
マース:「はぁ!?お前なぁ!」
チョコ:「けど、アンタの気持ちはわかった
チョコ:冷静になって思ったけど
チョコ:あのまま私が優先権だったら
チョコ:肩貸して終わってたわ」
ナオジ:「俺もだ!さはな
チョコ:「その点、ちょっとした悪戯で
チョコ:2人の距離が縮まった気がする
チョコ:そこは素直に認める、マース、ありがとう」
マース:「!!!ま、まだ!終わってないからな!」
チョコ:「素直じゃないなぁ、全く」
0:【現実】
真夏:「今日は本当に楽しかった!ありがとう唯君」
唯:「俺も楽しかったよ、最後はびっくりしたけど」
真夏:「それは…ごめんなさい」
唯:「あははは、案外ドジなとこあるって知れたし
唯:許してあげよう」
真夏:「唯君って案外いじわる?」
唯:「どうかな?あ!足はもう大丈夫?」
真夏:「うん!ちょっと捻っただけだったみたいだから
真夏:腫れてもないし、大丈夫!」
唯:「動物園ではスニーカーで来なよ?」
真夏:「肝に銘じておきます…」
唯:「じゃあ、また明日学校で」
真夏:「うん!また明日ね!」
唯:「あ!忘れるところだった
唯:はい、初デート記念ってことで」
真夏:「え!?いつの間に!?」
唯:「真夏が色々見てた時…かな?」
真夏:「ありがとう…私何もしてない…」
唯:「気にしないでよ、本当に嬉しかったからさ
唯:楽しかったって言ってもらえて」
真夏:「唯君…大好き」
唯:「俺も大好きだよ…ってやっぱり照れるな…」
真夏:「ありがとう、大切にするね!」
唯:「そうしてくれると嬉しいな
唯:それじゃ、今度こそまた明日」
真夏:「うん!また明日!」
0:【脳内】
チョコ:「いい感じだったじゃない?唯」
唯:「そうかな?唯さんのおかげだよ」
チョコ:「そんなことない、2人にも助けられた」
ナオジ:「俺は楽しかったぞ!唯!」
唯:「ありがとう、ナオジ」
マース:「さーて、戻るか」
唯:「マース」
マース:「ん?」
唯:「俺は知ってたからなちゃんと」
マース:「ばっ!お前な!」
チョコ:「照れちゃって可愛いんだから」
ナオジ:「そうだ!マースは可愛いところあるんだぞ!」
マース:「お前らな!あー!クソ!
マース:らしくないことしたなぁ!全く!」
唯:「次のデートの時も頼むな」
マース:「…考えとくよ」
チョコ:「次は動物園だっけ?」
唯:「うん、動物園なんて久しぶりだな」
ナオジ:「楽しみだな!」
唯:「みんなも居てくれるしな!」
チョコ:「にしても、最後のサプライズは
チョコ:上手くやれたわね」
ナオジ:「苦手って割には良かったぞ!」
唯:「マジ?良かったよ…」
チョコ:「最後の大好きは、ごちそうさまね」
唯:「あ…思い出したら急に恥ずかしくなってきた…」
ナオジ:「ハハハ!可愛かったぞ!唯!」
マース:「さっさと寝らないと遅刻するぞ」
唯:「確かに!ありがとな、みんな!」
0:【おわり】
唯:俺は昔から自分の名前が嫌いだ
唯:小学校低学年の時、女の子の名前だと馬鹿にされた
唯:そんな昔のことを未だに覚えているほどには
唯:この名前が嫌いだ
唯:高学年になった頃、身長も伸びて運動もできたから
唯:段々と女の子と言われることは無くなった
0:【間】
唯:最初に彼女を見たのは授業中に寝て怒られてた所
唯:彼女を見てあくびを出したところで先生の怒鳴り声が聞こえた
真夏:「はじめまして、榎原真夏です
真夏:唯君でいいのかな?」
唯:初めて喋った時の態度は最悪だったと自分でも思う
唯:「ごめん、榎原さん…だっけ?
唯:名前で呼ばれるのあまり好きじゃないんだ」
真夏:「どうして?」
唯:「名前がそんなに好きになれなくて」
真夏:「そんなことないよ!唯っていい名前だと思う!」
唯:「え?」
真夏:「唯って唯一ってことでしょ?
真夏:唯一の人になって欲しい!みたいな願い事を込めて
真夏:名付けたんじゃないかな?」
唯:「あはは!」
真夏:「え!?え!?何か変なこと言った?私」
唯:「ううん、いや初めてでさ…
唯:榎原さんにだったら名前で呼ばれてもいいかな」
唯:初めて言われた肯定的な言葉に
唯:俺は……
0:【脳内】
ナオジ:「心奪われました!ってか?
ナオジ:いいね!いいね!単純!明快!ハハハ!」
唯:「笑わないでくれる?結構、真剣なんだけど?」
ナオジ:「あの唯が!キュュュン!としてるんだ!
ナオジ:そんな単純な唯が俺は好きだぜー!」
唯:「ナオジに単純って言われたくないな
唯:単純の人格なのに」
ナオジ:「確かにそうだ!だが俺はお前でもある!
ナオジ:単純同士楽しもうぜ!ハハハ!なぁ!姐さん!」
チョコ:「確かに唯が恋をするなんて
チョコ:面白いことになったね、ねぇ、唯?」
唯:「ちょっと、チョコさんまで揶揄わないでくださいよ」
チョコ:「自分の人格にさん付けって…いつものことだけど」
唯:「それは…助けられてるから
唯:チョコさんには色々と」
チョコ:「とりあえずこの初恋、応援してあげる」
ナオジ:「おう!俺もちゃんと見てるぜ!」
唯:「2人とも…ありがとう!」
チョコ:「いい子なんだけどね…」
ナオジ:「まぁ、姐さんが居りゃ何とかなるでしょ」
マース:「何々?面白そうじゃん、僕も一枚噛ませてよ」
チョコ:「マース!?なんでアンタが」
マース:「ひっどいなぁ!僕だって人格の1人だろ?」
チョコ:「それは…そうね」
ナオジ:「すまんな!姐さん!俺は全人格と
ナオジ:仲良くなりたいからマースを悪く言えん!」
チョコ:「いいわ、ナオジはそれでいいの
チョコ:で?小悪魔さんは何がしたいのかな?」
マース:「別に何も?唯の恋の行方を見たいだけさ」
ナオジ:「しかし、純粋無垢で単純明快な唯から
ナオジ:マースのような人格が生まれたのも意外だったぞ!」
チョコ:「それは…色々あったのよ」
マース:「てことだから、チョコ、ナオジ
マース:僕も見させてもらうよ」
0:【現実】
唯:ナオジの言う通り単純かもしれない
唯:それでも榎原さんに好意を抱いたことは
唯:間違ってないと思う…
唯:「って言っても初めてだからな…こういうの
唯:あー、まずは連絡先聞かなきゃかな…」
真夏:「あの!唯君!ちょっといいかな?」
唯:「え!?榎原さん!?」
真夏:「あのね、今日の放課後にちょっと話したいことあるんだけど…」
唯:「放課後?」
真夏:「あ!ううん!忙しいなら大丈夫…」
唯:これって…いや、そんなわけ…
0:【脳内】
チョコ:「OKは絶対よ、唯」
ナオジ:「おう!間違えんなよ!」
マース:「なーんだ、つまらないなぁ」
チョコ:「何がつまらないのよ」
マース:「どー見ても両想いでしょ?」
ナオジ:「だったらめでたいじゃねーか!」
マース:「出番的にももっと恋のかけ引きとか
マース:したかったんだけどなぁ…」
チョコ:「唯は無理よ、意外とそう言うの下手なんだから」
ナオジ:「サプライズも苦手だしな!」
マース:「しゃーない、動向を見ますか」
0:【現実】
唯:「…ううん、全然大丈夫だよ、今日は部活もないし」
真夏:「え!?いいの!?あ、じゃ、じゃあ、放課後…
真夏:えっと…屋上前の階段でいいかな?」
唯:「うん、わかった」
真夏:「じゃ、じゃあ!放課後!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ!マース!?」
マース:「何?」
チョコ:「最後の"わかった"ってちょっと素っ気ない!」
マース:「チョコが優先権持ってただろ?」
唯:「ごめん、チョコさん…俺のせいだ」
チョコ:「唯…アンタね」
ナオジ:「まぁ!いいじゃねーか!
ナオジ:あっちも緊張してたのか全然気にして無かったぞ!」
マース:「じゃ、放課後までは暇そうだから戻るわ」
チョコ:「ちょ!…あぁ!もう!」
ナオジ:「唯は大丈夫か?もしこの誘いが本命なら」
唯:「どうだろ…俺も初めてだからさ、こういうの」
チョコ:「そこは任せなさい!次は邪魔されないから」
唯:「ありがとう」
0:【間】
ナオジ:「なぁ、姐さん」
チョコ:「何?」
ナオジ:「あぁ、いや、何でもない!さ!仕事だ!」
0:【現実、放課後】
真夏:「唯君!あのね、私ね…
真夏:あなたのことが………」
唯:正直驚いた、なんで俺だったんだろう
唯:「俺も…、あ…いや、俺も榎原さんのこと気になってた」
真夏:「え!?嘘…」
唯:「うん、だから俺で良ければ
唯:こちらこそ、お願いします」
真夏:「嬉しい…嬉しいよ…」
唯:「一つ聞いていい?なんで俺なの?
唯:そんなに話してたわけじゃなかったのに」
真夏:「一目惚れです…この前の体育の時」
唯:「?、俺何かしたっけ?」
真夏:「自覚無し!?あ!じゃあ唯君は
真夏:なんで私を気になってたの?」
唯:「榎原さんが良い人そうだったから…かな」
真夏:「それこそ自覚ないんだけど!」
唯:「あはは、今度話すよ」
0:【脳内】
チョコ:「ここからが大変よ、ってナオジ!」
ナオジ:「え?唯って体育で何かした?」
唯:「俺も全く覚えがないんだけど」
マース:「ハハハ!僕が居ても居なくても
マース:変わらなかったんじゃない?チョコ」
チョコ:「うるさい!」
0:【現実、告白から数日後】
唯:「あのさ、榎原さん」
真夏:「ふぁ!?あ!ごめん!何?」
唯:「大丈夫…?」
真夏:「ごめん!ちょっと考え事…で、何かな?」
唯:「あ、そうだった
唯:えっと…名前で呼んでもいいかな?」
真夏:「へ?名前?」
唯:「うん、付き合ってからも何となく榎原さんって呼んでたけど
唯:名前で呼んじゃダメかな?」
唯:あぁ、失敗したかな
唯:唐突だったし…名前って大事だからな…
真夏:「な、名前か…」
唯:「あ、嫌…だった?」
真夏:「ううん!嬉しい!」
唯:「そっか!よかった
唯:じゃあ…真夏、今度遊びに行かない?」
0:【脳内】
チョコ:「唯、ここ来て」
唯:「チョコさん?何?」
チョコ:「名前くらい呼ぶから!普通に!
チョコ:ちょっと気にしすぎ!」
唯:「ごめん、けど真夏は大切な人だから」
ナオジ:「唯の気持ちもわからんでもないけどな!」
マース:「大切な人…ね
マース:唯の口からそんなことが出るとは!アハハ!」
唯:「笑うなよ!」
マース:「いいじゃん、さっさと初デートの予定でも
マース:2人で考えなよ!僕も楽しみが増える」
チョコ:「邪魔すんじゃないよ!」
ナオジ:「デートかぁ…どんなもんかな!」
唯:「じゃあ、真夏と電話してくるよ」
0:【現実】
唯:「じゃあ、プリモスに集合しようか
唯:あそこだったらお店も色々あるし」
真夏:「うん!大丈夫だよ!」
唯:「あ、そうだ
唯:ごめん!俺のわがままだけど
唯:観たい映画あるだ、それ一緒に観ない?」
真夏:「え!何々!何の映画?」
0:【間】
唯:「ふぅ…日曜か…ていうか初デートだよな!?
唯:いや!あれで良かったのか!?
唯:映画も勝手にミステリー選んだしさぁ!?」
0:【間】
マース:「ハッハッハ!面白ぇ!」
チョコ:「荒れてるわね」
ナオジ:「まぁ、そこが唯の良いところだけどな!」
チョコ:「あんたは唯の肩を持ちすぎ」
マース:「初デートなんだ、失敗しても笑ってやろうぜ?」
チョコ:「嫌よ、失敗しないようにフォローするから」
ナオジ:「俺は唯に肩入れしてるが、姐さんは
ナオジ:肩に力入れすぎだな!抜いていこうぜ!」
0:【現実、初デート】
唯:「ダメだ…緊張して中々寝れなかったな…
唯:あ、そういえば」
真夏:「ねぇ!見た!?美波!
真夏:スタビの新作!あれ美味しそうじゃない!?
真夏:そうそう!今度行こうよ!」
唯:「…って言ってたっけ」
0:【脳内】
チョコ:「ここは買いに行くべきね」
ナオジ:「慣れてるとか思われないか?」
チョコ:「気遣いできる方がいいでしょ?」
マース:「適当に喉乾いたって言っとけば?
マース:あくまでついでに買ったってさ」
チョコ:「変に、ついで感出してもダメでしょ
チョコ:スマートに!気遣い!」
0:【現実】
真夏:「ごめん!待った?」
唯:「全然!俺もちょっと前に着いたから」
真夏:「負けちゃったなぁ…」
唯:「あはは、昨日、実は寝れなくて」
真夏:「あ!一緒!緊張しちゃって」
唯:「あ、そうだ…はい、どうぞ」
真夏:「え、ありがとう!」
唯:「緊張してたから喉渇いてさ
唯:せっかくだから…確か、これ飲みたかったんだよね?」
真夏:「そうそう!新作!ってあれ?話したっけ?」
唯:「あー、実は佐倉さんと話してるの聞いた」
真夏:「美波との!?あ、そうか確か教室で」
唯:「盗み聞きです」
真夏:「唯君もそういうことするんだ?」
唯:「あ!いや!いつもしてるわけじゃなくて!
唯:真夏が話してたからで…って!ほら、行こう!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ!ナオジ!」
ナオジ:「単純にマースの案良かったと思ったからな!
ナオジ:姐さんの言ってることもわかる!
ナオジ:だから合わせてみた!」
チョコ:「単純にもほどがある!」
マース:「いいんじゃねーの?チョコのフォローで
マース:会話続いてるみたいだから」
チョコ:「マースも!盗み聞き一々言わなくていいのに!」
マース:「僕は僕の仕事をしてるだけだって」
チョコ:「気を取り直して次!行くわよ!」
0:【現実】
唯:「やっぱり女の子だね」
真夏:「え?」
唯:「普段、男友達としか買い物来ないから
唯:見るものが違うなぁって」
真夏:「あ!ごめん!つまんなかった?」
唯:「いや、楽しいよ」
真夏:「唯君たちって普段は何見るの?」
唯:「うーん…スポーツショップは行くかな
唯:あ、次寄っていい?」
真夏:「じゃあ、行こ!」
唯:「あ、ごめん少しトイレ行ってきていい?」
真夏:「じゃあ、あの角のお店いるね」
唯:「ごめん、すぐ戻るね」
0:【脳内】
チョコ:「大丈夫?」
ナオジ:「そこは全員でフォローだな!」
マース:「センスは良いからなぁ唯は
マース:ま、苦手ってだけで失敗はないんじゃない?」
チョコ:「それもそうね、さっさと買って戻るわよ、唯」
0:【現実】
唯:「えっと…確か…あ、あった!コレだ」
0:【間】
唯:「こういうのよくわかんないんだけど」
真夏:「ん?何が?」
唯:「映画、ラブストーリーとかの方が良かった?
唯:ほら、今なら確か恋々だっけ?マンガの」
真夏:「あー、公開昨日だったね」
唯:「そっちの方が良かったかな?って」
真夏:「全然!むしろこの映画気になってた!」
唯:「え?真夏ってこういうの観るの?」
真夏:「実は結構好きなんだよね」
唯:「そっかー…良かったー」
0:【脳内】
チョコ:「映画も問題なさそうなのかな?
チョコ:真夏ちゃんが気を遣ってるだけかな?」
ナオジ:「そうか?あの顔、真剣に観てるぞ!」
チョコ:「あら?これは正解だったかな?」
ナオジ:「しかし!さっきから手を繋ごうとしてるんだがな!」
チョコ:「見事に躱されてるわね」
マース:「どーせ、あっちの脳内で葛藤中でしょ
マース:僕は気づいたけど、手を繋ごうとしてるの気づいてたし」
ナオジ:「なるほど!真夏の方の脳内か!一度会ってみたいな!」
チョコ:「それは無理だろうけど、一理あるわ」
0:【現実、映画を見終わり少しして】
唯:「真夏?」
真夏:「え!?あ!ごめん!」
唯:「どうしたの?」
真夏:「ううん!なんでもない……
真夏:あーっ、あのね、私初デートで
真夏:緊張してたけど凄く楽しかったの!
真夏:けどもうこんな時間だから
真夏:終わっちゃうのかーって考えてたら…」
唯:「…そっか……ごめん!」
真夏:「え!?」
唯:「そうだよね、真夏は女の子だもんな
唯:門限とかあるよね…考えてなかった…」
真夏:「え!?あ、いや!門限とかは大丈夫だよ!
真夏:遊びに行くって伝えてるし
真夏:あんまり遅くないなら!」
唯:「俺も色々抜けてたな…
唯:実は俺もデートっていうの初めてで
唯:遊びに行くとは何か違くてさ
唯:色々考えてはいたんだけど…
唯:けど良かった、楽しかったって言ってもらえて
唯:俺も楽しかったから」
真夏:「唯君…!」
唯:「それでなんだけど、時間まだ大丈夫なら
唯:夜までご飯食べてから帰らない?」
真夏:「うん!お店はどうしよっか?」
唯:「実は決めてて…門限とか頭になかったから
唯:勝手にいけるだろーって」
真夏:「唯君も緊張してた?」
唯:「…まぁ、それなにり…」
真夏:「可愛いとこあるなぁ」
唯:「からかってる?」
真夏:「そんなことないよ!」
唯:「ならいいけど、店はここからバスで10分くらい
唯:の場所だから…行こ」
0:【脳内】
チョコ:「流石に繋ぐでしょ!真夏ちゃん!」
ナオジ:「マース?」
マース:「なぁ、ナオジ、後でもし
マース:僕が仕事になったら力貸してくれる?」
ナオジ:「なんだ?急に、いいに決まってるだろ!」
チョコ:「2人何してんの!繋げたよ!」
ナオジ:「おぉ!見事だ!」
マース:「ハハハ!唯も繋いだくせに照れてるな!」
0:【現実】
唯:「何度か手を繋ごうとしたけど躱してたでしょ?」
真夏:「気づいてた…?」
唯:「なんとなく」
真夏:「ちょっと恥ずかしくて…」
唯:「…それは俺もだから」
真夏:「え?」
唯:「なんでもない、それじゃバス停まで行こうか」
0:【間】
唯:「次はどこに行こうか」
真夏:「唯君はどこか行きたいところあるの?」
唯:「え?うーん…」
真夏:「あ!そうだ!動物園行きたい!」
唯:「動物園?」
真夏:「そうそう!動物が好きってのもあるけど
真夏:パンダが来るんだよ!」
唯:「へぇ…知らなかった
唯:じゃあ次は動物園かな?」
真夏:「楽しみにしてるね!」
唯:「あ、ここだ…降りるよ」
真夏:「うん!」
0:【脳内】
チョコ:「次のデートも確約、なんだかんだ成功かな」
ナオジ:「初々しい感じはあるが、それもいい!」
マース:「僕の勘違い…だったかな」
チョコ:「なぁにマース、仕事できなくて拗ねてる?」
マース:「そんなんじゃないよ、まだデートも終わってないし」
ナオジ:「そうだな!最後はまでちゃんと見守ろう!」
チョコ:「それに関しては同意見だけど…」
マース:「来た!ナオジ!今だ!チョコを抑えろ!」
チョコ:「え!?」
ナオジ:「マース、いいぞ!」
マース:「絶対何かあると思ったよ、あと真夏?だっけ?
マース:さっきの発言、根に持ってるからな!僕は!」
0:【現実】
真夏:「あ痛ぁ!?」
唯:「え!?あ!え!?大丈夫、真夏!?」
真夏:「痛っ…捻ったみたい…」
唯:「立てそう?」
真夏:「ごめん…唯君…ヒールなんて履いてたから…」
唯:「…はい」
真夏:「え?」
唯:「乗って」
真夏:「えーっと…唯君…」
唯:「あ、そうか、おんぶは嫌だったかな?
唯:じゃあお姫様抱っこかな?」
真夏:「ッッ!?え!な、な、何言ってるの!」
唯:「だって真夏、立てないくらい痛いんでしょ?」
真夏:「…も、もしかしてさっきの仕返ししてる?」
唯:「さて?何のことかな?」
真夏:「可愛いって言ったの根に持ってる!」
唯:「あははは!…けど、全然いいよ。…乗る?」
真夏:「…肩を貸してください…」
唯:「あははは!」
0:【脳内】
チョコ:「ちょ、ちょっと!ナオジ!
チョコ:アンタ何してんのよ!」
ナオジ:「ごめんな、姐さん
ナオジ:けど見てくれ!あの2人の顔!」
チョコ:「あっ…」
ナオジ:「いい笑顔じゃかいか!な、マース!」
マース:「べ、別に!この笑顔の為にやったわけじゃないって!」
ナオジ:「ハハハ!相変わらずだな!」
チョコ:「ちょっと、どういうことよ!」
ナオジ:「姐さんは唯が生まれてからすぐにできた人格
ナオジ:元々、唯はコミュニケーション能力に長けた人間だ
ナオジ:だから姐さんはここの年長者でみんなをまとめたり
ナオジ:学校とか誰かといる時は姐さんが頑張ってるだろ?」
チョコ:「それは私が協調とコミュ力の人格だからね」
ナオジ:「唯が小さい時に病んだことも知っている
ナオジ:それでマースが生まれたことも聞いた
ナオジ:だから俺は姐さんが頑張っている間
ナオジ:他の人格と仲良くなった!」
チョコ:「それはナオジの性格もあってね
チョコ:だけど、それとこれは別でしょ!」
ナオジ:「姐さんはマースを小悪魔とSの人格だから
ナオジ:何か意地悪をすると思っているんだろ?
ナオジ:そんなことはない!マースは人格の中でも
ナオジ:ダントツに唯のことを大好きだぞ!」
マース:「ナオジ!お前!それは言うことないだろ!」
ナオジ:「そうか?俺は単純だからな!
ナオジ:みんなが唯を好きで居てくれた方がいいからな!」
マース:「……あーーー!もーーー!
マース:チョコさ、俺は小悪魔かも知れないけど
マース:悪魔じゃないからな、そこ間違えんな」
チョコ:「マース……可愛くない」
マース:「はぁ!?お前なぁ!」
チョコ:「けど、アンタの気持ちはわかった
チョコ:冷静になって思ったけど
チョコ:あのまま私が優先権だったら
チョコ:肩貸して終わってたわ」
ナオジ:「俺もだ!さはな
チョコ:「その点、ちょっとした悪戯で
チョコ:2人の距離が縮まった気がする
チョコ:そこは素直に認める、マース、ありがとう」
マース:「!!!ま、まだ!終わってないからな!」
チョコ:「素直じゃないなぁ、全く」
0:【現実】
真夏:「今日は本当に楽しかった!ありがとう唯君」
唯:「俺も楽しかったよ、最後はびっくりしたけど」
真夏:「それは…ごめんなさい」
唯:「あははは、案外ドジなとこあるって知れたし
唯:許してあげよう」
真夏:「唯君って案外いじわる?」
唯:「どうかな?あ!足はもう大丈夫?」
真夏:「うん!ちょっと捻っただけだったみたいだから
真夏:腫れてもないし、大丈夫!」
唯:「動物園ではスニーカーで来なよ?」
真夏:「肝に銘じておきます…」
唯:「じゃあ、また明日学校で」
真夏:「うん!また明日ね!」
唯:「あ!忘れるところだった
唯:はい、初デート記念ってことで」
真夏:「え!?いつの間に!?」
唯:「真夏が色々見てた時…かな?」
真夏:「ありがとう…私何もしてない…」
唯:「気にしないでよ、本当に嬉しかったからさ
唯:楽しかったって言ってもらえて」
真夏:「唯君…大好き」
唯:「俺も大好きだよ…ってやっぱり照れるな…」
真夏:「ありがとう、大切にするね!」
唯:「そうしてくれると嬉しいな
唯:それじゃ、今度こそまた明日」
真夏:「うん!また明日!」
0:【脳内】
チョコ:「いい感じだったじゃない?唯」
唯:「そうかな?唯さんのおかげだよ」
チョコ:「そんなことない、2人にも助けられた」
ナオジ:「俺は楽しかったぞ!唯!」
唯:「ありがとう、ナオジ」
マース:「さーて、戻るか」
唯:「マース」
マース:「ん?」
唯:「俺は知ってたからなちゃんと」
マース:「ばっ!お前な!」
チョコ:「照れちゃって可愛いんだから」
ナオジ:「そうだ!マースは可愛いところあるんだぞ!」
マース:「お前らな!あー!クソ!
マース:らしくないことしたなぁ!全く!」
唯:「次のデートの時も頼むな」
マース:「…考えとくよ」
チョコ:「次は動物園だっけ?」
唯:「うん、動物園なんて久しぶりだな」
ナオジ:「楽しみだな!」
唯:「みんなも居てくれるしな!」
チョコ:「にしても、最後のサプライズは
チョコ:上手くやれたわね」
ナオジ:「苦手って割には良かったぞ!」
唯:「マジ?良かったよ…」
チョコ:「最後の大好きは、ごちそうさまね」
唯:「あ…思い出したら急に恥ずかしくなってきた…」
ナオジ:「ハハハ!可愛かったぞ!唯!」
マース:「さっさと寝らないと遅刻するぞ」
唯:「確かに!ありがとな、みんな!」
0:【おわり】