台本概要

 2669 views 

タイトル 【通し】Dolce Unto lover(Side1+2+本編)
作者名 佐久間ユタカ  (@sakusaku_yutaka)
ジャンル ミステリー
演者人数 4人用台本(不問4)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ■完全に金銭が発生する場の利用はDMまでご連絡下さい
※課金がある配信アプリ可のためご安心ください
■モチベに繋がるためTwitterで呟いていただけると視聴に飛んでいけるため聴けたらとても嬉しいです!
※強制ではありません
■感想やリクエスト等ございましたらTwitterのDMまたはリプにていただけるととても嬉しいです

■一人称変更◎語尾変更◎
※演者様の性別問いません。

■あらすじ
ホームズリーズ3部構成です
①【Side1】名探偵ホームズの日常 ホームロジとワトソンのみ
②【Side2】大富豪モリアーティの嘲笑 モリアーティとジャックのみ
③【本編】Dolce Unto lover 4人
※①だけ②だけ③だけでも勿論可です!
※本作にー最愛ーは含まれておりません、最愛の前に本作通しを行うとより楽しいかも。
最愛単体の上演も可能ですストーリー上も問題ないためご安心ください。

ドルチェ→イタリア語/甘い・優しい・柔らかい
ウント→ドイツ語/英語でいうandと同義
ラバー→英語/愛人

■最後に
初心者の方もベテランさんも楽しく遊んでいただけると嬉しいです

 2669 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ホームズ 不問 68 設定年齢28歳 身長180センチ 探偵。食えないやつ。頭脳明晰。軽い男。思慮深い。 一人称 わたし
ワトソン 不問 67 設定年齢21歳 身長167センチ 少年。ホームズの助手。女の子大好き。陽キャ。やる時はやる。 一人称 おれ
ジャック 不問 69 ジャックザリッパー。 設定年齢26歳 身長185センチ 二重人格。表は優しい精神科医。裏では狂った殺人鬼。 一人称 表:わたし 裏:おれ
モリアーティ 不問 73 モリアーティ教授 設定年齢32歳 身長155センチ  童顔 学校の先生。気さくで余裕がある大人。 ロンドンの裏社会を牛耳っている。 見た目は童顔のため10代に間違われることもある、不老不死と疑われている程。 一人称 ぼく
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0: 0:Dolce Untо lоverシリーズ3部構成 0:(ドルチェ ウント ラバー) 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:Side Stоry ① 0:~名探偵ホームズの日常~ 0: 0: 0:役表不問2 0:【ホームズ】・・・探偵 0:【ワトソン】・・・助手 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: ホームズ:【モノローグ】イギリスロンドン。この街は犯罪に溢れている。ヤードは日々ひっきりなしにあらゆる犯罪と向き合うものの、検挙率はここ数年軒並み下り坂の状態。 ワトソン:ホームズさん、今日もモーニングティー片手に新聞と睨めっこなんていつか禿げますよ ホームズ:君は今日も絶好調のようで私は安心だよ ワトソン:どーゆーことっすか!! ホームズ:昨夜の君は翌9時にトラファルガー広場で待ち合わせをすることばかり考えていた。今私が見る限り我が家の時計は9時30分を指している。つまり。 ワトソン:ああああああ!もう!わざわざ遠回しに言わなくたっていいじゃないっすか!そーですよ!リザリーとの恋は儚く散ったんすよ!!! ホームズ:君の心にいつか虹が架かることを祈ろう ワトソン:は~~~、俺にもモーニングティーください。 ホームズ:そう不貞腐れるな ワトソン:そんなガキみてーなことしませんよ!喉が渇いただけっす! ホームズ:残念なことに ワトソン:なんすかぁ ホームズ:ハウスマザーは今日定休日だ ワトソン:んぐっ。・・・分かりましたよ!自分で淹れますよ! ホームズ:私にもおかわりを ワトソン:自分でやってください!! ホームズ:やはり不貞腐れているじゃないか ワトソン:兄貴が意地悪なんすよ!!! ホームズ:リザリーの好みの男性は余裕のある大人っぽい男性だそうだ ワトソン:何でそんなこと知ってるんですか、もしかして・・・また、やりましたね!? ホームズ:はて、何のことかな ワトソン:ホームズさん!!!!前回も!前々回も!俺言いましたよね!デートの邪魔はしないでください、って! ホームズ:そう興奮するな ワトソン:はぁ~~~・・・単刀直入に聞くっすよ。何で毎回俺のデートの邪魔するんすか?! ホームズ:一言で言うのであれば、趣味だ。 ワトソン:しゅ?!み?!趣味!? ホームズ:私は基本的に人間の思考と行動に興味があるんだ ワトソン:勿論それは知ってますけど ホームズ:昨夜君は大分遅い時間までデート服を悩んでいたようだね ワトソン:ぇえ、そうですよ。服は大事っすからね! ホームズ:いつもは22時に眠りにつく君がベッドに入ったのは3時間も後の事だった。 ワトソン:何でそんな細かく見てるんすか・・・いつものこととはいえ怖いっす ホームズ:さて、問題だ。リザリーはなぜ君を選ばなかったと思う?ヒントは彼女の性格かな。 ワトソン:リザリーは優しくて大らかで少しマイペースな所があるのがまた良くて可愛い女の子っすね ホームズ:ふぅ・・・、だから、君はそうなるんだ。 ワトソン:なっ!?どうゆうことっすか! ホームズ:いいかい、ワトソン君。リザリーの職業を思い出すんだ。 ワトソン:秘書・・・っすね ホームズ:そうだね。 ワトソン:それが何か関係あるんすか? ホームズ:・・・・はぁ【溜息】 ワトソン:その可哀そうな奴を見る目、やめてもらっていいすかぁ!! ホームズ:2つ目のヒントだ。君は今日何時にトラファルガー広場に到着した? ワトソン:9時3分すね・・・ちょっと寝坊しましたが走ったんでなんとか間に合ったすよ ホームズ:ちなみにリザリーは8時30分には既に待っていたことは、勿論知っているよな?聡明なワトソン君。 ワトソン:はちじっ?!・・・そーゆーことっすか・・・ ホームズ:そう、リザリーは職業柄、時間にはすこぶる厳しい性格だ。1分1秒ましてや遅れるなんてことあってはならない。 ワトソン:んじゃあ、なんで俺が来る迄彼女は待っててくれたんすか・・・帰っててもおかしくなかった、でもちゃんと俺が来る迄待っててくれた理由は ホームズ:それは、とても簡単だよ ワトソン:・・・なんすか ホームズ:私が彼女に伝えたんだ。きっとそろそろ来るから待っていてほしい、どうせ帰るならば目の前で正々堂々帰るべきだ、とね。 ワトソン:あ~~~~~~~~っもう!!! ホームズ:実際のところ私も8時から時間を持て余していてね、君はどうせ遅れてくると思ったから彼女に少しの間、私の話相手になってもらっていたんだ。 ホームズ:その時に彼女の好みの異性の話や、過去の恋愛について、嗜(たしな)み程度ではあるが聞くことが出来たんだよ。 ワトソン:なっ?!8時?! ホームズ:ちなみに、なぜ私がその場に居合わせたかというと、たまたまトラファルガー広場の噴水が見たくなってしまってね、 ホームズ:毎朝恒例のランニングコースを変更したんだ。リザリーの容姿は君から写真を見せてもらっていたからすぐに分かったよ ワトソン:見せたっていっても、本当にあれ・・・一瞬でしたよね?!見せたの! ホームズ:1秒でも目に入った物は記憶できるものだろう? ワトソン:あなたはそういう人でした!! ホームズ:と、いうわけだ。ワトソン君。言いたいことはあるかな? ワトソン:この結末はいつから分かってたんすか・・・ ホームズ:君が秘書の子とデートが決まった、と1週間前に嬉しそうに話してきた瞬間に、かな。君はきっと夜更けまで衣服に悩み挙句寝坊をするだろうと思っていたよ。 ワトソン:なんで・・・ ホームズ:なにかな? ワトソン:なんで!それを!早く言ってくれなかったんすか!! ホームズ:面白いことを言う、君がいつも私に言うじゃないか ワトソン:余計なことはしないでくださいよ!! ホームズ:そう、それだ ワトソン:っ~~~!これは!余計な事じゃないっすよ!!! ホームズ:難解なことを言う。 ワトソン:兄貴の、兄貴の、ばかあああああああああああああああああああああ! ホームズ:やはり君は今日も絶好調のようで私は安心だよ。 ワトソン:うわあああああああん!リザリイイーーーっ!! ホームズ:ふっ、本当に我が城は、平和だなぁ。 0: 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:ー名探偵ホームズの日常 終ー 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:Dolce Untо lоver 0:Side Stоry ② 0:~大富豪モリアーティの嘲笑~ 0: 0: 0:役表不問2 0:【モリアーティ】・・・教授 0:【ジャック】・・・二重人格の殺人鬼。【裏】と表記がある場合は殺人鬼のジャックを演じてください 0: 0:表記説明・・・【 】内は状況説明のため読み上げ不要です 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0: モリアーティ:【モノローグ】数多の民衆には理解し難(がた)いことかもしれないが、一定の富と名誉を集めた人間は不思議と求めるものがある。 ジャック:【裏】ひゃはははははは!あー!あー!あー!たのしぃいい!綺麗だよぉ、綺麗だァあ! モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】うひゃ・・・あ゛はぁ゛ モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】ああああははははは!!! モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】・・・・・・ああ?俺を呼んだかモリアーティ。 モリアーティ:三度、声を掛けた ジャック:【裏】いま、俺の邪魔をするのかぁモリアーティ モリアーティ:君と、今君が愛し合っているブラッディレディのちょうど後ろに、僕のワインセラーがある。 ジャック:【裏】ぁあ・・・もうそんな時間かぁ モリアーティ:さて、そうだね・・・うん・・・、今夜の気分は・・・ ジャック:【裏】モリアーティ、おめぇのその、高級ブーツやコートが汚れてもお構いなしに進む姿がなぁ、俺はいいと思うけどよぉ、一応こいつはぁ今日の俺のママだった奴だぁ踏むにしろ少しは遠慮くらいよぉ モリアーティ:ぁあ、そうだね。すまない。【ニッコリ】 ジャック:【裏】おめぇはよぉ・・・なんつーか、俺とは違う方向にぶっ壊れてるよなぁ モリアーティ:シャトー・オー・ブリオン、赤ワインにしよう。 ジャック:【裏】俺ら庶民には手が出せねぇお高いワインかぁ モリアーティ:ほら、君のグラスだ。 ジャック:【裏】今日は何に乾杯だぁ モリアーティ:そうだね・・・、折角目にかけていたムスメがまさか、ライバル会社の密偵(みってい)だったことに ジャック:【裏】くっくっくっ・・・俺を見る最後の瞳が宝石みたいだったなぁ・・・ モリアーティ:ジャック、口を付ける前に ジャック:【裏】なんだぁ、飲んじまうぞ モリアーティ:今日もご苦労だった ジャック:【裏】・・・報酬、弾めよなぁ モリアーティ:今後の君の働き次第だ ジャック:【裏】相変わらず手厳しいご主人だぁ モリアーティ:時間だ・・・哀れな淑女に ジャック:【裏】今夜の俺のママに・・・ モリアーティ:乾杯 ジャック:【裏/ワインを飲み干す】んっ、んっんっ・・・ぷはぁ・・・ 0:【間】 モリアーティ:・・・おかえり、ジャック 0:【ここから表のジャック】 ジャック:・・きょう・・・じゅ・・? モリアーティ:気分はどうだい ジャック:いつものことながら、最悪ですね モリアーティ:それは君がアルコールを受け付けない身体だからだ ジャック:血の味がします、今夜は特に。 モリアーティ:ほぉ。 ジャック:シャトー・オー・ブリオンですか、なるほど。 モリアーティ:女王の皮肉めいた赤ワインなだけはあるだろ ジャック:教授、今夜の私はいかがでしたでしょうか モリアーティ:夜の僕は教育者ではないのだがね ジャック:あなた様のお力になれているのかという確認です モリアーティ:おかしなことを言う ジャック:私は私が恐ろしいのです、意識のない中、無作為に人を殺めていた頃とは違い、今はあなた様に忠誠を誓う身・・・私はそう思っていたとしても、もう一人の私が・・・ モリアーティ:最初に言ったはずだジャック。君が目覚めなかった時は、そういうことだ、と。 ジャック:ぇえ、もう一人の私があなたに牙を向けるなんてことがあればその時は、教授の手で私を・・・ モリアーティ:僕は自らの手を汚す主義じゃぁない ジャック:あなた様が命(めい)を下していただけるのであれば私はそれだけで幸せです モリアーティ:それは忠誠なのか恐怖から、なのか ジャック:教授の御心(みこころ)のままに モリアーティ:君に一つ問おう ジャック:なんでしょうか? モリアーティ:僕は狂っていると思うかい? ジャック:・・・はい モリアーティ:ふふふ、ははははは ジャック:教授? モリアーティ:いや、すまない。やはり、君はジャックだ。 ジャック:それは・・・? モリアーティ:もう一人の君も同じことを言っていた ジャック:そうであるなら、もう一人の私はあなた様に恐怖しているのでしょうね モリアーティ:なぜそう思う ジャック:なんとなく、です モリアーティ:君の中に忠誠と恐怖がある、か。恐怖心を抱いた人間程扱いやすいものはない。 ジャック:マリアを失った私と、母に捨てられた彼は、やはり感じ方は違えど共通するものはあるのですね。 モリアーティ:・・・そのようだな。 ジャック:教授に出会ってから幾分か共に過ごすことが出来ていますが、おかげで自分を知ることが出来ているような気がします モリアーティ:僕はあまり人に興味はないが、君がそう思ってくれることは嬉しく思うよ ジャック:教授の行く先どこまでもお供させていただきます モリアーティ:さぁ、夜が明ける。後片付けはいつも通り任せるよ ジャック:仰せのままに。 モリアーティ:あぁ、そうだ。ジャック。 ジャック:なんでしょうか、教授 モリアーティ:今日の君に一つだけ言うことがあった ジャック:なんなりと モリアーティ:深夜2時に我が家へ来るのはいただけない。 ジャック:も、申し訳ありません モリアーティ:始末を命じたのは僕だったが、獲物を狩った狐のように彼女を連れて訪ねて来たんだ、まだ終わっていないと言いこの場で君は続きを行った ジャック:珍しく教授の家だとは思ってはいましたが・・・ モリアーティ:おかげで、カーペットが黒く濁ってしまったよ ジャック:新調いたします モリアーティ:構わない、仮住まいの家だ。そろそろここも飽きてきた ジャック:火を放ちますか モリアーティ:時をみて、な。 ジャック:承知しました。 モリアーティ:今の君に言ったところでだが、今日の君の採点としてはこんなものだ。 ジャック:夜は教鞭(きょうべん)をとらないのでは モリアーティ:ふっ、気まぐれだよ。では、あとのことは任せたよ。 ジャック:お任せを。 モリアーティ:良い夜だった。 0:【ここから回想/殺人鬼ジャックへ転換】 0:【ノック音】 モリアーティ:こんな時間にどうした、ジャック ジャック:モリアーティ、邪魔するぜぇ モリアーティ:あぁ、決行は今夜だったね ジャック:メインは終わっちまったがまだ終わってねぇからなぁ、モリアーティにも見せてやろうと思ってよぉ モリアーティ:喰い散らかしすぎるなよ ジャック:まぁ黙って見てろよぉ 0:【回想終わり】 モリアーティ:同じ日々の繰り返し、脆弱な民をまとめる脆弱な王、闇をまとめいつか僕が・・・ モリアーティ:そうだな、一定の富と名誉を集めた人間は、やはり、スリルを求める。 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:ー大富豪モリアーティの嘲笑 終ー 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0:Dolce Unto lover  0:(ドルチェ ウント ラバー) 0:~本編~ 0:~~~~~~~~~~~ ワトソン:ロンドンの街は今日も、雨だ。 ホームズ:ドルチェ モリアーティ:ウント ジャック:ラバー 0: ワトソン:あにき!!あにきー!!!!うわあああああん!!!! ホームズ:随分今日もこっぴどく振られたようだね、ワトソン君。 ワトソン:おかしくないっすかぁ?!俺はちょーっと可愛い子を見かけたからちょーっと声を掛けただけなのに!!なーんでビンタされなきゃいけないんすかー!? ホームズ:ワトソン君。きみ、今日の予定は先週出会ったナースとのデートだったと私は記憶しているんだが。 ワトソン:さっすが!ホームズさん!今日はマリアとのデートだったんですよ! ホームズ:その右頬の手形はマリアのだね ワトソン:大正解っす! ホームズ:今日も天気がいいなぁ。 ワトソン:話逸らさないでくださいよー!! 0:【扉のノック音】 ジャック:こんにちは。お邪魔だったかな? ホームズ:やぁ、ジャックじゃないか、ようこそ我が家へ。 ワトソン:ジャックさん!聞いてくださいよ!兄貴が俺の事ないがしろにするんですよ! ホームズ:ジャック。君がわざわざ我が城へ来るなんて珍しいな。どんな要件かな。 ジャック:ホームズさん、ワトソンさん、こんにちは。急な訪問にも関わらず歓迎してくれて嬉しいよ。 ホームズ:勿論歓迎するに決まっているだろう。君は私の観察対象なんだから。 ジャック:ふふっ、優秀な君の観察対象になっているなんて実に光栄だ。 ホームズ:相変わらずお世辞がうまいね。 ジャック:今日は君に紹介したい人を連れてきたんだ。 ワトソン:新しい依頼人ですか~? ホームズ:ぁあ、分かっているよ。随分と殺気を隠すのが下手なようだ。 0: モリアーティ:誉め言葉として受け取るよ。 0: ワトソン:あ!!あなたは! モリアーティ:初めまして。ホームズ君、ワトソン君。僕の名前は ホームズ:存じてますよ。 モリアーティ:ほぉ。 ホームズ:寧ろ、あなたを知らない者を探す方が大変だ。大富豪、モリアーティ教授。 ワトソン:そして・・・ロンドンの裏社会の番人・・・。 モリアーティ:ははっ・・・!失敬。嬉しくてつい、声が出てしまった。 ワトソン:ジャックさん。また変なことを考えているなら俺ら、容赦しないっすよ。 ジャック:待ってくれ。驚かせたのならすまない。変なことなんてそんな・・・私はただ教授のご意思のままご一緒させていただいただけの身。 ホームズ:表の君はどうにも話がまとまらない。ジャック。もう一人の君と話をさせてくれないか? ワトソン:えっ!兄貴!ここで奴はまずいですよ! モリアーティ:ジャック。眠るんだ。 ジャック:きょう・・・・じゅ・・・・っ ワトソン:あ!!!ちょっとちょっとぉ!俺知らないっすよ!! ジャック:【裏】・・・【裏ジャック】おはよう、クソども。 ワトソン:変わっちゃったよ・・・ったく~~~ 0: 0:【以下ジャックの一人語り大げさにわざとらしく】 0: ジャック:【裏】ママは言うんだ、おまえは可哀そうな子だからお外に出てはいけません、って。だから俺はママの言う通り何年も何年も何年も!!暗いくらーい部屋の中でネズミ以下の生活を送ってた ジャック:【裏】でも気づけばママはクソみてぇな男と消えやがった。ワタシをぉ!ボクをぉ!俺を置いて消えたんだぁ・・・ ジャック:【裏】あーあー・・・おかげで俺は外に出れた!でもママはどこにもいなぁい!なんで、なんでだ?憎いなぁ、あいつら。欲しいなぁ・・・欲しいんだよ・・・ モリアーティ:おはよう、ジャック。 ジャック:【裏】モリアーティ・・・あ?・・・ここ、どこだ ホームズ:いい加減、切り替わる度に毎度同じ演説を聞くのは飽きてきたものだよ。 ワトソン:俺は覚えましたよ!だいぶ! ジャック:【裏】ホームズぅ・・・そんでもってワトソンじゃぁねぇか。 ホームズ:おはようジャック ワトソン:おはよーっす。もう一人のジャックさん。 ジャック:【裏】なんだぁ。よく見たらここ、おまえの家じゃねぇか。夜でもねぇ。なんで俺を起こした。 ホームズ:怒るなよ。君と話した方が早い話もあるんだ。 ジャック:【裏】名探偵大先生が・・・俺とはなしぃ?・・・ひゃっははははは!今日は珍しく晴天かぁ?! ワトソン:今日も相変わらずの雨だよ。 モリアーティ:さて、役者は揃った。 ホームズ:話をお聞かせ願おうか、教授。 モリアーティ:ふふっ、大した話ではないんだよ。ただ少し、ね。君は僕の事を調べていると小耳に挟んだものだから。直接、聞いてもらった方が早いと思ったんだよ。 ホームズ:ぁあ、そんなことですか。忙しい方だと思っていましたが随分と暇なんですねぇ。 モリアーティ:それはこちらのセリフだよ。この僕を調べるなんて・・・ねぇ。 ワトソン:俺たちは別に暇つぶししてるわけじゃねーよ。 モリアーティ:気になっていたんだが、今はちょうど、15時(さんじ)だ。お茶のたしなみくらいは君たちにもあるだろう ホームズ:えぇ。ちょうど、お茶のお誘いをするところでした。 ジャック:【裏】長くなるなら俺はいらねぇよな モリアーティ:君も必要だ。これは命令だよ。 ジャック:【裏】・・・ちっ。 0: 0:【席に着く4人】 0: モリアーティ:愛を・・・語る時、君はどうする? モリアーティ:ベッドで囁くか、花を渡すか、君は、どうしている? ホームズ:新しい謎かけですか モリアーティ:純粋な疑問だよ。君の頭脳をもってどんな方法で愛を伝えているのか。 ジャック:【裏】俺は俺に愛された人間と踊るんだ、ドレスを真っ赤に染めてな、羨ましいだろ? ワトソン:だーれが羨ましいんすか、それ!俺はやっぱり跪(ひざまず)いて目で伝えるかなー! ホームズ:君らしいな。結果がその右頬だ。 ワトソン:げっ・・・いじめないでくださいよぉ・・・ モリアーティ:僕はね、この世の中をより良くしたいんだ。分かるだろ。 ホームズ:それは自供、自白、と捉えていいんですね。 モリアーティ:君のような聡明な人間が、おかしな事を言う。なぁ?ジャック。 ジャック:【裏】ぁあ、俺らは別に、なんにも、してねぇのになぁ。 ワトソン:ははっ!!あにきー!逮捕しちゃいましょ!逮捕!♪ モリアーティ:裁けないから僕らは今ここにいるんだ。まぁ、裁かれることなんてない、という言い方が正しいかな。 ホームズ:計画と実行というものに完璧なことなんてないんだよ、教授。 ホームズ:緻密(ちみつ)な計算と、一瞬の犯行にも、どこかに綻びがあるはずさ。 モリアーティ:君は諦めが悪い男だとは聞いていた。今日はそんな君を招待したくてね。 ワトソン:招待状・・・。きたる1891年5月4日貴殿を我が城へ招待する。 ジャック:【裏】パーティーだ モリアーティ:勿論、来てくれるだろう? ホームズ:そうですねぇ・・・、ペットの鳥の面倒を誰かがみてくれるのであれば、行きましょうか。 モリアーティ:鳥の寿命は短いと聞く。 ホームズ:えぇ、なので、大事にしていますよ。 モリアーティ:君にまた会えるのが楽しみだ。要件は以上だ。行くぞ、ジャック。 ジャック:【裏】はーいはいっと~~ ワトソン:いつもの優しいジャックさんならいつでも歓迎してるんでーよろです! ホームズ:お気をつけて、教授。 モリアーティ:ぁあ。君もな、ホームズ。 0: 0:【モリアーティ・ジャック部屋を出ていく】 0: ワトソン:ホームズさん?どーしたんですか、ぼーっとして。 ホームズ:ぁあ・・・いや、そうだね・・・なんとも不思議な気持ちだよ。 ワトソン:不思議な気持ち・・・? ホームズ:宿敵・・・いや、まるでそうだな。loverのようだね。 ワトソン:愛人・・・ですか・・・え!アイリーンさんにチクりますよ! ホームズ:・・・まずは君にしっかり教育をしなきゃいけないようだね。 ワトソン:えっ・・・嫌ですよ!勉強ですか!!嫌ですよ!!!!女の子と遊ぶんだあー!!! 0: ホームズ:【モノローグ】苦くて甘くて、嫉妬深く、執着されて、切り離せない、そんな敵。 ホームズ:モテるのも、困りもんだ。 0: ワトソン:次回予告ううう! ワトソン:いやーまーじで怖かった!オーラがやっべーんだよあのふ!た!り! ワトソン:兄貴と一緒に招待された教授の家に向かうのはいいけど、いったい何があるんだよ・・・あああこえええ!!! ジャック:【表】ワトソンさん、わたしがいるので大丈夫ですよ! ワトソン:ジャックさん!戻ったんですね!良かったー! モリアーティ:ジャック。眠るんだ。 ジャック:【裏】俺だよ!!ばぁーーーーか!!! ワトソン:うわああああああ!こっちかよおおお! ホームズ:次回、ドルラバ最終話、最愛。君の瞳に、チェックメイト。 ワトソン:おったのしみにー!!!♪ 0: 0:ー完ー 0:

0: 0: 0:Dolce Untо lоverシリーズ3部構成 0:(ドルチェ ウント ラバー) 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:Side Stоry ① 0:~名探偵ホームズの日常~ 0: 0: 0:役表不問2 0:【ホームズ】・・・探偵 0:【ワトソン】・・・助手 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: ホームズ:【モノローグ】イギリスロンドン。この街は犯罪に溢れている。ヤードは日々ひっきりなしにあらゆる犯罪と向き合うものの、検挙率はここ数年軒並み下り坂の状態。 ワトソン:ホームズさん、今日もモーニングティー片手に新聞と睨めっこなんていつか禿げますよ ホームズ:君は今日も絶好調のようで私は安心だよ ワトソン:どーゆーことっすか!! ホームズ:昨夜の君は翌9時にトラファルガー広場で待ち合わせをすることばかり考えていた。今私が見る限り我が家の時計は9時30分を指している。つまり。 ワトソン:ああああああ!もう!わざわざ遠回しに言わなくたっていいじゃないっすか!そーですよ!リザリーとの恋は儚く散ったんすよ!!! ホームズ:君の心にいつか虹が架かることを祈ろう ワトソン:は~~~、俺にもモーニングティーください。 ホームズ:そう不貞腐れるな ワトソン:そんなガキみてーなことしませんよ!喉が渇いただけっす! ホームズ:残念なことに ワトソン:なんすかぁ ホームズ:ハウスマザーは今日定休日だ ワトソン:んぐっ。・・・分かりましたよ!自分で淹れますよ! ホームズ:私にもおかわりを ワトソン:自分でやってください!! ホームズ:やはり不貞腐れているじゃないか ワトソン:兄貴が意地悪なんすよ!!! ホームズ:リザリーの好みの男性は余裕のある大人っぽい男性だそうだ ワトソン:何でそんなこと知ってるんですか、もしかして・・・また、やりましたね!? ホームズ:はて、何のことかな ワトソン:ホームズさん!!!!前回も!前々回も!俺言いましたよね!デートの邪魔はしないでください、って! ホームズ:そう興奮するな ワトソン:はぁ~~~・・・単刀直入に聞くっすよ。何で毎回俺のデートの邪魔するんすか?! ホームズ:一言で言うのであれば、趣味だ。 ワトソン:しゅ?!み?!趣味!? ホームズ:私は基本的に人間の思考と行動に興味があるんだ ワトソン:勿論それは知ってますけど ホームズ:昨夜君は大分遅い時間までデート服を悩んでいたようだね ワトソン:ぇえ、そうですよ。服は大事っすからね! ホームズ:いつもは22時に眠りにつく君がベッドに入ったのは3時間も後の事だった。 ワトソン:何でそんな細かく見てるんすか・・・いつものこととはいえ怖いっす ホームズ:さて、問題だ。リザリーはなぜ君を選ばなかったと思う?ヒントは彼女の性格かな。 ワトソン:リザリーは優しくて大らかで少しマイペースな所があるのがまた良くて可愛い女の子っすね ホームズ:ふぅ・・・、だから、君はそうなるんだ。 ワトソン:なっ!?どうゆうことっすか! ホームズ:いいかい、ワトソン君。リザリーの職業を思い出すんだ。 ワトソン:秘書・・・っすね ホームズ:そうだね。 ワトソン:それが何か関係あるんすか? ホームズ:・・・・はぁ【溜息】 ワトソン:その可哀そうな奴を見る目、やめてもらっていいすかぁ!! ホームズ:2つ目のヒントだ。君は今日何時にトラファルガー広場に到着した? ワトソン:9時3分すね・・・ちょっと寝坊しましたが走ったんでなんとか間に合ったすよ ホームズ:ちなみにリザリーは8時30分には既に待っていたことは、勿論知っているよな?聡明なワトソン君。 ワトソン:はちじっ?!・・・そーゆーことっすか・・・ ホームズ:そう、リザリーは職業柄、時間にはすこぶる厳しい性格だ。1分1秒ましてや遅れるなんてことあってはならない。 ワトソン:んじゃあ、なんで俺が来る迄彼女は待っててくれたんすか・・・帰っててもおかしくなかった、でもちゃんと俺が来る迄待っててくれた理由は ホームズ:それは、とても簡単だよ ワトソン:・・・なんすか ホームズ:私が彼女に伝えたんだ。きっとそろそろ来るから待っていてほしい、どうせ帰るならば目の前で正々堂々帰るべきだ、とね。 ワトソン:あ~~~~~~~~っもう!!! ホームズ:実際のところ私も8時から時間を持て余していてね、君はどうせ遅れてくると思ったから彼女に少しの間、私の話相手になってもらっていたんだ。 ホームズ:その時に彼女の好みの異性の話や、過去の恋愛について、嗜(たしな)み程度ではあるが聞くことが出来たんだよ。 ワトソン:なっ?!8時?! ホームズ:ちなみに、なぜ私がその場に居合わせたかというと、たまたまトラファルガー広場の噴水が見たくなってしまってね、 ホームズ:毎朝恒例のランニングコースを変更したんだ。リザリーの容姿は君から写真を見せてもらっていたからすぐに分かったよ ワトソン:見せたっていっても、本当にあれ・・・一瞬でしたよね?!見せたの! ホームズ:1秒でも目に入った物は記憶できるものだろう? ワトソン:あなたはそういう人でした!! ホームズ:と、いうわけだ。ワトソン君。言いたいことはあるかな? ワトソン:この結末はいつから分かってたんすか・・・ ホームズ:君が秘書の子とデートが決まった、と1週間前に嬉しそうに話してきた瞬間に、かな。君はきっと夜更けまで衣服に悩み挙句寝坊をするだろうと思っていたよ。 ワトソン:なんで・・・ ホームズ:なにかな? ワトソン:なんで!それを!早く言ってくれなかったんすか!! ホームズ:面白いことを言う、君がいつも私に言うじゃないか ワトソン:余計なことはしないでくださいよ!! ホームズ:そう、それだ ワトソン:っ~~~!これは!余計な事じゃないっすよ!!! ホームズ:難解なことを言う。 ワトソン:兄貴の、兄貴の、ばかあああああああああああああああああああああ! ホームズ:やはり君は今日も絶好調のようで私は安心だよ。 ワトソン:うわあああああああん!リザリイイーーーっ!! ホームズ:ふっ、本当に我が城は、平和だなぁ。 0: 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:ー名探偵ホームズの日常 終ー 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:Dolce Untо lоver 0:Side Stоry ② 0:~大富豪モリアーティの嘲笑~ 0: 0: 0:役表不問2 0:【モリアーティ】・・・教授 0:【ジャック】・・・二重人格の殺人鬼。【裏】と表記がある場合は殺人鬼のジャックを演じてください 0: 0:表記説明・・・【 】内は状況説明のため読み上げ不要です 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0: モリアーティ:【モノローグ】数多の民衆には理解し難(がた)いことかもしれないが、一定の富と名誉を集めた人間は不思議と求めるものがある。 ジャック:【裏】ひゃはははははは!あー!あー!あー!たのしぃいい!綺麗だよぉ、綺麗だァあ! モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】うひゃ・・・あ゛はぁ゛ モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】ああああははははは!!! モリアーティ:ジャック ジャック:【裏】・・・・・・ああ?俺を呼んだかモリアーティ。 モリアーティ:三度、声を掛けた ジャック:【裏】いま、俺の邪魔をするのかぁモリアーティ モリアーティ:君と、今君が愛し合っているブラッディレディのちょうど後ろに、僕のワインセラーがある。 ジャック:【裏】ぁあ・・・もうそんな時間かぁ モリアーティ:さて、そうだね・・・うん・・・、今夜の気分は・・・ ジャック:【裏】モリアーティ、おめぇのその、高級ブーツやコートが汚れてもお構いなしに進む姿がなぁ、俺はいいと思うけどよぉ、一応こいつはぁ今日の俺のママだった奴だぁ踏むにしろ少しは遠慮くらいよぉ モリアーティ:ぁあ、そうだね。すまない。【ニッコリ】 ジャック:【裏】おめぇはよぉ・・・なんつーか、俺とは違う方向にぶっ壊れてるよなぁ モリアーティ:シャトー・オー・ブリオン、赤ワインにしよう。 ジャック:【裏】俺ら庶民には手が出せねぇお高いワインかぁ モリアーティ:ほら、君のグラスだ。 ジャック:【裏】今日は何に乾杯だぁ モリアーティ:そうだね・・・、折角目にかけていたムスメがまさか、ライバル会社の密偵(みってい)だったことに ジャック:【裏】くっくっくっ・・・俺を見る最後の瞳が宝石みたいだったなぁ・・・ モリアーティ:ジャック、口を付ける前に ジャック:【裏】なんだぁ、飲んじまうぞ モリアーティ:今日もご苦労だった ジャック:【裏】・・・報酬、弾めよなぁ モリアーティ:今後の君の働き次第だ ジャック:【裏】相変わらず手厳しいご主人だぁ モリアーティ:時間だ・・・哀れな淑女に ジャック:【裏】今夜の俺のママに・・・ モリアーティ:乾杯 ジャック:【裏/ワインを飲み干す】んっ、んっんっ・・・ぷはぁ・・・ 0:【間】 モリアーティ:・・・おかえり、ジャック 0:【ここから表のジャック】 ジャック:・・きょう・・・じゅ・・? モリアーティ:気分はどうだい ジャック:いつものことながら、最悪ですね モリアーティ:それは君がアルコールを受け付けない身体だからだ ジャック:血の味がします、今夜は特に。 モリアーティ:ほぉ。 ジャック:シャトー・オー・ブリオンですか、なるほど。 モリアーティ:女王の皮肉めいた赤ワインなだけはあるだろ ジャック:教授、今夜の私はいかがでしたでしょうか モリアーティ:夜の僕は教育者ではないのだがね ジャック:あなた様のお力になれているのかという確認です モリアーティ:おかしなことを言う ジャック:私は私が恐ろしいのです、意識のない中、無作為に人を殺めていた頃とは違い、今はあなた様に忠誠を誓う身・・・私はそう思っていたとしても、もう一人の私が・・・ モリアーティ:最初に言ったはずだジャック。君が目覚めなかった時は、そういうことだ、と。 ジャック:ぇえ、もう一人の私があなたに牙を向けるなんてことがあればその時は、教授の手で私を・・・ モリアーティ:僕は自らの手を汚す主義じゃぁない ジャック:あなた様が命(めい)を下していただけるのであれば私はそれだけで幸せです モリアーティ:それは忠誠なのか恐怖から、なのか ジャック:教授の御心(みこころ)のままに モリアーティ:君に一つ問おう ジャック:なんでしょうか? モリアーティ:僕は狂っていると思うかい? ジャック:・・・はい モリアーティ:ふふふ、ははははは ジャック:教授? モリアーティ:いや、すまない。やはり、君はジャックだ。 ジャック:それは・・・? モリアーティ:もう一人の君も同じことを言っていた ジャック:そうであるなら、もう一人の私はあなた様に恐怖しているのでしょうね モリアーティ:なぜそう思う ジャック:なんとなく、です モリアーティ:君の中に忠誠と恐怖がある、か。恐怖心を抱いた人間程扱いやすいものはない。 ジャック:マリアを失った私と、母に捨てられた彼は、やはり感じ方は違えど共通するものはあるのですね。 モリアーティ:・・・そのようだな。 ジャック:教授に出会ってから幾分か共に過ごすことが出来ていますが、おかげで自分を知ることが出来ているような気がします モリアーティ:僕はあまり人に興味はないが、君がそう思ってくれることは嬉しく思うよ ジャック:教授の行く先どこまでもお供させていただきます モリアーティ:さぁ、夜が明ける。後片付けはいつも通り任せるよ ジャック:仰せのままに。 モリアーティ:あぁ、そうだ。ジャック。 ジャック:なんでしょうか、教授 モリアーティ:今日の君に一つだけ言うことがあった ジャック:なんなりと モリアーティ:深夜2時に我が家へ来るのはいただけない。 ジャック:も、申し訳ありません モリアーティ:始末を命じたのは僕だったが、獲物を狩った狐のように彼女を連れて訪ねて来たんだ、まだ終わっていないと言いこの場で君は続きを行った ジャック:珍しく教授の家だとは思ってはいましたが・・・ モリアーティ:おかげで、カーペットが黒く濁ってしまったよ ジャック:新調いたします モリアーティ:構わない、仮住まいの家だ。そろそろここも飽きてきた ジャック:火を放ちますか モリアーティ:時をみて、な。 ジャック:承知しました。 モリアーティ:今の君に言ったところでだが、今日の君の採点としてはこんなものだ。 ジャック:夜は教鞭(きょうべん)をとらないのでは モリアーティ:ふっ、気まぐれだよ。では、あとのことは任せたよ。 ジャック:お任せを。 モリアーティ:良い夜だった。 0:【ここから回想/殺人鬼ジャックへ転換】 0:【ノック音】 モリアーティ:こんな時間にどうした、ジャック ジャック:モリアーティ、邪魔するぜぇ モリアーティ:あぁ、決行は今夜だったね ジャック:メインは終わっちまったがまだ終わってねぇからなぁ、モリアーティにも見せてやろうと思ってよぉ モリアーティ:喰い散らかしすぎるなよ ジャック:まぁ黙って見てろよぉ 0:【回想終わり】 モリアーティ:同じ日々の繰り返し、脆弱な民をまとめる脆弱な王、闇をまとめいつか僕が・・・ モリアーティ:そうだな、一定の富と名誉を集めた人間は、やはり、スリルを求める。 0:~~~~~~~~~~~ 0: 0:ー大富豪モリアーティの嘲笑 終ー 0: 0:~~~~~~~~~~~ 0:Dolce Unto lover  0:(ドルチェ ウント ラバー) 0:~本編~ 0:~~~~~~~~~~~ ワトソン:ロンドンの街は今日も、雨だ。 ホームズ:ドルチェ モリアーティ:ウント ジャック:ラバー 0: ワトソン:あにき!!あにきー!!!!うわあああああん!!!! ホームズ:随分今日もこっぴどく振られたようだね、ワトソン君。 ワトソン:おかしくないっすかぁ?!俺はちょーっと可愛い子を見かけたからちょーっと声を掛けただけなのに!!なーんでビンタされなきゃいけないんすかー!? ホームズ:ワトソン君。きみ、今日の予定は先週出会ったナースとのデートだったと私は記憶しているんだが。 ワトソン:さっすが!ホームズさん!今日はマリアとのデートだったんですよ! ホームズ:その右頬の手形はマリアのだね ワトソン:大正解っす! ホームズ:今日も天気がいいなぁ。 ワトソン:話逸らさないでくださいよー!! 0:【扉のノック音】 ジャック:こんにちは。お邪魔だったかな? ホームズ:やぁ、ジャックじゃないか、ようこそ我が家へ。 ワトソン:ジャックさん!聞いてくださいよ!兄貴が俺の事ないがしろにするんですよ! ホームズ:ジャック。君がわざわざ我が城へ来るなんて珍しいな。どんな要件かな。 ジャック:ホームズさん、ワトソンさん、こんにちは。急な訪問にも関わらず歓迎してくれて嬉しいよ。 ホームズ:勿論歓迎するに決まっているだろう。君は私の観察対象なんだから。 ジャック:ふふっ、優秀な君の観察対象になっているなんて実に光栄だ。 ホームズ:相変わらずお世辞がうまいね。 ジャック:今日は君に紹介したい人を連れてきたんだ。 ワトソン:新しい依頼人ですか~? ホームズ:ぁあ、分かっているよ。随分と殺気を隠すのが下手なようだ。 0: モリアーティ:誉め言葉として受け取るよ。 0: ワトソン:あ!!あなたは! モリアーティ:初めまして。ホームズ君、ワトソン君。僕の名前は ホームズ:存じてますよ。 モリアーティ:ほぉ。 ホームズ:寧ろ、あなたを知らない者を探す方が大変だ。大富豪、モリアーティ教授。 ワトソン:そして・・・ロンドンの裏社会の番人・・・。 モリアーティ:ははっ・・・!失敬。嬉しくてつい、声が出てしまった。 ワトソン:ジャックさん。また変なことを考えているなら俺ら、容赦しないっすよ。 ジャック:待ってくれ。驚かせたのならすまない。変なことなんてそんな・・・私はただ教授のご意思のままご一緒させていただいただけの身。 ホームズ:表の君はどうにも話がまとまらない。ジャック。もう一人の君と話をさせてくれないか? ワトソン:えっ!兄貴!ここで奴はまずいですよ! モリアーティ:ジャック。眠るんだ。 ジャック:きょう・・・・じゅ・・・・っ ワトソン:あ!!!ちょっとちょっとぉ!俺知らないっすよ!! ジャック:【裏】・・・【裏ジャック】おはよう、クソども。 ワトソン:変わっちゃったよ・・・ったく~~~ 0: 0:【以下ジャックの一人語り大げさにわざとらしく】 0: ジャック:【裏】ママは言うんだ、おまえは可哀そうな子だからお外に出てはいけません、って。だから俺はママの言う通り何年も何年も何年も!!暗いくらーい部屋の中でネズミ以下の生活を送ってた ジャック:【裏】でも気づけばママはクソみてぇな男と消えやがった。ワタシをぉ!ボクをぉ!俺を置いて消えたんだぁ・・・ ジャック:【裏】あーあー・・・おかげで俺は外に出れた!でもママはどこにもいなぁい!なんで、なんでだ?憎いなぁ、あいつら。欲しいなぁ・・・欲しいんだよ・・・ モリアーティ:おはよう、ジャック。 ジャック:【裏】モリアーティ・・・あ?・・・ここ、どこだ ホームズ:いい加減、切り替わる度に毎度同じ演説を聞くのは飽きてきたものだよ。 ワトソン:俺は覚えましたよ!だいぶ! ジャック:【裏】ホームズぅ・・・そんでもってワトソンじゃぁねぇか。 ホームズ:おはようジャック ワトソン:おはよーっす。もう一人のジャックさん。 ジャック:【裏】なんだぁ。よく見たらここ、おまえの家じゃねぇか。夜でもねぇ。なんで俺を起こした。 ホームズ:怒るなよ。君と話した方が早い話もあるんだ。 ジャック:【裏】名探偵大先生が・・・俺とはなしぃ?・・・ひゃっははははは!今日は珍しく晴天かぁ?! ワトソン:今日も相変わらずの雨だよ。 モリアーティ:さて、役者は揃った。 ホームズ:話をお聞かせ願おうか、教授。 モリアーティ:ふふっ、大した話ではないんだよ。ただ少し、ね。君は僕の事を調べていると小耳に挟んだものだから。直接、聞いてもらった方が早いと思ったんだよ。 ホームズ:ぁあ、そんなことですか。忙しい方だと思っていましたが随分と暇なんですねぇ。 モリアーティ:それはこちらのセリフだよ。この僕を調べるなんて・・・ねぇ。 ワトソン:俺たちは別に暇つぶししてるわけじゃねーよ。 モリアーティ:気になっていたんだが、今はちょうど、15時(さんじ)だ。お茶のたしなみくらいは君たちにもあるだろう ホームズ:えぇ。ちょうど、お茶のお誘いをするところでした。 ジャック:【裏】長くなるなら俺はいらねぇよな モリアーティ:君も必要だ。これは命令だよ。 ジャック:【裏】・・・ちっ。 0: 0:【席に着く4人】 0: モリアーティ:愛を・・・語る時、君はどうする? モリアーティ:ベッドで囁くか、花を渡すか、君は、どうしている? ホームズ:新しい謎かけですか モリアーティ:純粋な疑問だよ。君の頭脳をもってどんな方法で愛を伝えているのか。 ジャック:【裏】俺は俺に愛された人間と踊るんだ、ドレスを真っ赤に染めてな、羨ましいだろ? ワトソン:だーれが羨ましいんすか、それ!俺はやっぱり跪(ひざまず)いて目で伝えるかなー! ホームズ:君らしいな。結果がその右頬だ。 ワトソン:げっ・・・いじめないでくださいよぉ・・・ モリアーティ:僕はね、この世の中をより良くしたいんだ。分かるだろ。 ホームズ:それは自供、自白、と捉えていいんですね。 モリアーティ:君のような聡明な人間が、おかしな事を言う。なぁ?ジャック。 ジャック:【裏】ぁあ、俺らは別に、なんにも、してねぇのになぁ。 ワトソン:ははっ!!あにきー!逮捕しちゃいましょ!逮捕!♪ モリアーティ:裁けないから僕らは今ここにいるんだ。まぁ、裁かれることなんてない、という言い方が正しいかな。 ホームズ:計画と実行というものに完璧なことなんてないんだよ、教授。 ホームズ:緻密(ちみつ)な計算と、一瞬の犯行にも、どこかに綻びがあるはずさ。 モリアーティ:君は諦めが悪い男だとは聞いていた。今日はそんな君を招待したくてね。 ワトソン:招待状・・・。きたる1891年5月4日貴殿を我が城へ招待する。 ジャック:【裏】パーティーだ モリアーティ:勿論、来てくれるだろう? ホームズ:そうですねぇ・・・、ペットの鳥の面倒を誰かがみてくれるのであれば、行きましょうか。 モリアーティ:鳥の寿命は短いと聞く。 ホームズ:えぇ、なので、大事にしていますよ。 モリアーティ:君にまた会えるのが楽しみだ。要件は以上だ。行くぞ、ジャック。 ジャック:【裏】はーいはいっと~~ ワトソン:いつもの優しいジャックさんならいつでも歓迎してるんでーよろです! ホームズ:お気をつけて、教授。 モリアーティ:ぁあ。君もな、ホームズ。 0: 0:【モリアーティ・ジャック部屋を出ていく】 0: ワトソン:ホームズさん?どーしたんですか、ぼーっとして。 ホームズ:ぁあ・・・いや、そうだね・・・なんとも不思議な気持ちだよ。 ワトソン:不思議な気持ち・・・? ホームズ:宿敵・・・いや、まるでそうだな。loverのようだね。 ワトソン:愛人・・・ですか・・・え!アイリーンさんにチクりますよ! ホームズ:・・・まずは君にしっかり教育をしなきゃいけないようだね。 ワトソン:えっ・・・嫌ですよ!勉強ですか!!嫌ですよ!!!!女の子と遊ぶんだあー!!! 0: ホームズ:【モノローグ】苦くて甘くて、嫉妬深く、執着されて、切り離せない、そんな敵。 ホームズ:モテるのも、困りもんだ。 0: ワトソン:次回予告ううう! ワトソン:いやーまーじで怖かった!オーラがやっべーんだよあのふ!た!り! ワトソン:兄貴と一緒に招待された教授の家に向かうのはいいけど、いったい何があるんだよ・・・あああこえええ!!! ジャック:【表】ワトソンさん、わたしがいるので大丈夫ですよ! ワトソン:ジャックさん!戻ったんですね!良かったー! モリアーティ:ジャック。眠るんだ。 ジャック:【裏】俺だよ!!ばぁーーーーか!!! ワトソン:うわああああああ!こっちかよおおお! ホームズ:次回、ドルラバ最終話、最愛。君の瞳に、チェックメイト。 ワトソン:おったのしみにー!!!♪ 0: 0:ー完ー 0: