台本概要

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タイトル 少年探偵小早川君・ザ・ムービー
作者名 まりおん  (@marion2009)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男2、女2、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 わたしに実害が無い範囲で、有料無料に関わらず全て自由にお使いください。
過度のアドリブ、内容や性別、役名の改編も好きにしてください。
わたしへの連絡や、作者名の表記なども特に必要ありません。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
小早川 不問 112 言わずと知れた迷探偵。見た目は少年、頭脳は探偵です。
由美子 93 小早川君のクラスメイト。ヒロイン的立ち位置。
警部 106 この道二十年のベテラン刑事。なぜか小早川君を信用してる。
発見者 89 きゃ~と言えばこの人。どんな事件も発見します。
犯人 73 この人がいないと事件は始まらない。事件の裏の立役者、犯人さん。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:色を付けたい役をタップしてください 小早川:言わずと知れた迷探偵。見た目は少年、頭脳は探偵です。 由美子:小早川君のクラスメイト。ヒロイン的立ち位置。 警部:この道二十年のベテラン刑事。なぜか小早川君を信用してる。 発見者:きゃ~と言えばこの人。どんな事件も発見します。 犯人:この人がいないと事件は始まらない。事件の裏の立役者、犯人さん。  :  0:最初に他作品の予告編があります。 0:でも、やらなくてもどっちでもいいです。 0:予告編は約五分です。  :   :  発見者:ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン! 由美子:・・・伯爵家に生まれながらも、全てを捨て剣に生きる男アルス。 由美子:そんな彼の元に、ある日、一人の男がやってくる・・・。 犯人:「・・・君の名は?」 警部:「俺様の名はグレゴリー。天下無双の斧使い、グレゴリー様だ。」 由美子:さらに、二人を引き裂くかのように次々と現れる刺客たち。 発見者:「待ちなさい!私はエルメア。その勝負、私が先にやらせてもらうわ。」 小早川:「あたしかい?あたしはトメ。神をも縛りし縄使いさ!」 由美子:そして訪れる、運命の瞬間・・・。 警部:「もしかして・・・。」(アルスになっている) 犯人:「俺たち。」(グレゴリーになっている) 警部:「私たち。」(アルスになってる) 犯人:「(同時)入れ替わってる!?」(グレゴリーになってる) 警部:「(同時)入れ替わってる!?」(アルスになってる) 発見者:バァ~ン! 由美子:運命に翻弄される二人・・・。 発見者:「まさか、トメさんがやったというの?」 小早川:「これこそ縄使い究極秘奥義!」 犯人:「そんな馬鹿な技があってたまるか!」(グレゴリーになってる) 警部:「元の体に戻る前に、トメを殺させるわけにはいかない!」 由美子:愛と冒険の青春群像劇、【本格ファンタジーアクション】『キミノナワ』 由美子:近日公開予定。  :   :  警部:どぉぉ~ん! 犯人:「君。・・・そこの君。葉月葉(はづきよう)くん。 犯人: 君に見届け人をやってもらいたいと思ってね。」 発見者:「はい?見届け人?」 発見者:こうして僕は、真のシャーマンキングを決める戦いの場へと向かった。 犯人:「そう。ここがシャーマンファイトの会場!」 小早川:「あはは。君、面白いね。ボクは御手洗(みたらい)呉羽(くれは)。 小早川: 北のシャーマンキングだよ。よろしくね。」 警部:「俺の名は五条院明(あきら)だ。俺こそが真のシャーマンキングになる者。」 由美子:「私ならここにいますよ。ずっと上条さんの後ろに、張り付くように隠れてたんですよ。」 発見者:シャーマン同士の激しい戦い。 発見者:「宮本武蔵!?え?あの、剣豪の!?」 由美子:「これは私も負けていられません。」 小早川:「くっ、さすがは扇。まさか卑弥呼を呼び出すとは。」 発見者:そして戦いは、ついに神々の領域へ・・・。 警部:どどぉ~ん! 犯人:「ば、ばかな!」 由美子:「神格(しんかく)を呼び出した、だと!?」 小早川:「ま、マジかよ!?」 警部:「仏には造作も無いことよ。」 発見者:普通の少年だった葉月葉が、裏の世界の戦いに巻き込まれながらも成長していく、本格ファンタジー巨編! 発見者:『シャーマン・ウォーズ!』 発見者:ぜひあなたの声で、体験してみてください。  :   :  犯人:あの、小早川君が、帰ってきた・・・ 小早川:「たったったったった、どうしたんですか?何があったんです?」 犯人:普段はただの小学生・・・、でも・・・ 小早川:「今日は友達と遊ぶ約束があるので・・・、では!」 犯人:ひとたび事件が起これば・・・ 小早川:「見た目は少年、頭脳は探偵です!」 犯人:どんな事件も勝手に解決! 小早川:「犯人は・・・、あなただ!」 警部:「よし、逮捕だ!」 発見者:「ええ~!?」 犯人:そんな迷探偵に、春が来た!? 由美子:「おはよう、小早川君。」 小早川:「ゆ、由美子ちゃん・・・、おはよう!(しゅき・・・!)」 犯人:少しずつ心を通わせていく二人。しかし運命は・・・ 警部:「ダメだ!この嵐では助けられない!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「由美子ちゃ~ん!」 犯人:二人を引き裂いてしまう 警部:「とにかく、無事を祈ろう。」 由美子:「小早川君・・・。」 犯人:そして起こる怪事件 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか!?何があったんです!?」 発見者:「ひ、人が死んでるんです!」 警部:「な、なんだって~!」 犯人:複雑に絡み合う人間関係、深まる謎 発見者:「あの、その子は?」 小早川:「彼女は僕のかの・・・、クラスメイトです。」 由美子:「かの・・・?」 犯人:小早川君はこの難事件を解決できるのだろうか 犯人:そして、二人の恋の行方は・・・ 犯人:『少年探偵小早川君・ザ・ムービー』 犯人:カミングスーン  :  0:上演開始のブザーが鳴る  :  警部:は 犯人:じ 発見者:ま 由美子:る 小早川:よ~!  :  小早川:たったったったった 警部:ぼ~(汽笛の音)  小早川:たったったったった 警部:ぼ~(汽笛の音)  小早川:たったったったった 警部:ざざ~ざざ~(波の音)  小早川:たったったったった、ききー!(ストップする音) 由美子:「あ、小早川君。」 小早川:「はぁはぁはぁ・・・。」 由美子:「おはよう、小早川君。」 小早川:「ゆ、由美子ちゃん・・・、おはよう!(しゅき・・・!)」 由美子:「ねえ小早川君、こんなに朝早くに呼び出して、一体どうしたの?」 小早川:「うん、実は・・・、由美子ちゃんと一緒に行きたいところがあって。」 由美子:「行きたいところ?」 小早川:「うん。」 警部:「小早川く~ん!」 小早川:「警部!」 警部:「いやぁ、すまんすまん。待たせたかな?」 小早川:「いえ、僕も今来たところです。」 警部:「そうか。それはよかった。」 由美子:「あの、小早川君。その人は?」 小早川:「ああ、由美子ちゃんは初めて会うんだったね。この人は警部。 小早川: 実はこれまで、僕はたくさんの事件を解決してきたんだ。」 由美子:「え?小早川君が?」 警部:「そうだよ。小早川君はこう見えて名探偵なんだ。」 小早川:「そう!見た目は少年、頭脳は探偵です!」 警部:「さすが!少年探偵小早川君だ!」 小早川:「僕にかかればどんな事件も必ず解決さ!」 警部:「心強いね~。さすが小早川君だ。」 小早川:「いえ、そんな。当たり前のことですよ。はははは。」 警部:「よし、じゃあ早速行こうか。」 由美子:「え?警部さんも一緒に?いったいどこに行くんですか?」 警部:「なぁに、ちょいとすぐそこの、無人島の屋敷にさ。」 由美子:「無人島の屋敷?・・・無人島の?」 小早川:「よし!すぐに行きましょう!」 由美子:「ねえ!・・・無人島の・・・屋敷?」 0:場面転換 警部:ぼ~、ざざ~ 小早川:「じゃあ警部、さっそく船に乗りましょう。」 警部:「小早川君、そっちじゃないよ。」 小早川:「え?」 警部:「無人島に行くのに、そんな大きなフェリーのわけがないだろう。」 小早川:「え~、そんな・・・、フェリーに乗るのずっと楽しみにしてたのに・・・、ぐす・・・。」 由美子:「警部さん、もしかして、あそこの船ですか?」 警部:「え?ああ、そうそう。あそこのクルーザーだよ。」 小早川:「え?あれ!?マジで!?超かっこいい!」 犯人:「警部さん、おはようございます。お待ちしてました。」 警部:「どうも、犯人さん。おはようございます。」 由美子:「え?犯人さん?」 警部:「ああ、こちら、クルーザーの所有者の犯・人三郎(にんざぶろう)さん。 警部: わたしは略して犯人さんって呼んでるんだ。」 犯人:「どうも、犯です。気軽に犯人って呼んでください。」 由美子:「え・・・、それはちょっと・・・。」 小早川:「わかりました。僕は少年探偵の小早川君です。よろしくお願いします、犯人さん。」 由美子:「小早川君、失礼だよ・・・。」 犯人:「それじゃあ、さっそく島に向かうとしましょうか。」 警部:「ああ、よろしく頼むよ、犯人さん。」 犯人:それからクルーザーに乗り込みなんやかやあって、急に天候が悪化。 犯人:嵐に巻き込まれ大波に飲まれた小早川君が海に落ちてしまう。 警部:「ダメだ!この嵐では助けられない!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「由美子ちゃ~ん!」 犯人:その後、急に天気が回復したが、小早川君の姿を見つけることはできなかった。 警部:「とにかく、無事を祈ろう。」 由美子:「小早川君・・・。」 犯人:我々は無事に無人島にたどり着き、島の中央にあるお屋敷へと向かった。 警部:「ここが目的のお屋敷か。」 由美子:「あの、警部さん。ここまで何度も聞きましたけど、ここへは何の目的で・・・?」 警部:「犯人さんが先に来て準備してくれているはずだが・・・。」 由美子:「なんで答えてくれないんだろ。っていうか、なんで無視するの?」 発見者:(遠くで)「きゃぁぁぁぁ!」 警部:「な!なんだ!?」 由美子:「女の人の悲鳴?」 警部:「屋敷の中から聞こえたようだが・・・。」 由美子:「警部、とにかく行ってみましょう!」 警部:「そ、そうだな。」 0:場面転換 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか!?何があったんです!?」 発見者:「ひ、人が死んでるんです!」 警部:「な、なんだって~!」 小早川:「警部!」 由美子:「小早川君!?海に落ちたはずの小早川君がどうして?」 小早川:「由美子ちゃん・・・。実は、海に落ちてもうダメだと思った時、思い出したんだ。 小早川: この島で由美子ちゃんとキスするまで帰らないって決めたことを・・・。」 由美子:「・・・え?」 小早川:「あ・・・・・・。では!たったったったった」 警部:「ガシッ!待ちたまえ小早川君!」 小早川:「け、警部!」 警部:「今は非常事態だ。ここに残って、事件解決に力を貸してくれ。」 小早川:「警部・・・。わかりました。僕が来たからにはもう大丈夫です!」 警部:「おお!小早川君!」 小早川:「(内緒話)その代わり、由美子ちゃんにいいとこ見せるの手伝ってくださいね。」 警部:「(内緒話)わかっとるわかっとる。」 由美子:「全部聞こえてるんだけど・・・。」 発見者:「あの・・・。」 警部:「ああ、すみません。わたしはこういうものです。」 発見者:「警察・・・の方ですか?」 警部:「はい。そして、こちらは少年探偵の小早川君です。」 小早川:「見た目は少年、頭脳は探偵です!」 発見者:「なるほど・・・。あの、その子は?」 小早川:「彼女は僕のかの・・・、クラスメイトです。」 由美子:「かの・・・?今なんて言おうとしたの?小早川君。」 小早川:「なんのこと?気のせいだよ由美子ちゃん。」 警部:「さて、そんなことより被害者はどちらに?」 発見者:「は、はい。そこの部屋の中に・・・。」 小早川:「待ってください!」 発見者:「ひっ!ど、どうしたんですか?」 小早川:「ドアのノブには触りましたか?」 発見者:「え?は、はい。そうしないとドアが開けられないので・・・。」 小早川:「困りましたね。」 発見者:「何か、まずかったですか?」 小早川:「もしこれが殺人事件なら、ドアノブに犯人の指紋が残っていたかもしれません。」 発見者:「殺人事件!?殺人事件なんですか!?」 小早川:「いえ、まだ被害者の状態も見ていないので何もわかりません。」 発見者:「そ、そうですか・・・。」 小早川:「はい。」 発見者:「・・・・・・。」 警部:「とりあえず被害者の状況を確認しよう。」 小早川:「そうしましょう。由美子ちゃんはここで待ってて。君は見ない方がいい。」 由美子:「小早川君・・・。」 小早川:「僕がせっかく早起きして買ってきたケーキが食べられなくなるといけないからね。」 由美子:「小早川君・・・?」 警部:「こちらの被害者に見覚えはありますか?」 発見者:「・・・この屋敷の主人です。」 警部:「間違いはありませんか?」 犯人:「はい。わたしも見覚えがありますから間違いありません。」 警部:「なるほど。そしておそらく死因は、この胸に刺さったナイフですね。」 発見者:「ということは、やっぱり殺人ってことでしょうか?」 警部:「ええ、まず間違いないでしょう。」 発見者:「なんで、こんなこと・・・。」 警部:「発見当時のことを詳しく教えてください。」 発見者:「はい・・・。わたしはこの屋敷で家事やその他旦那様の色々なサポートをしているんですが、 発見者: 今朝もいつものように朝食をお持ちしようとしたら鍵がかかっていて・・・。 発見者: 今日はゆっくりされるのかと思っていたのですが、お昼になっても出ていらっしゃらないので、 発見者: さすがに心配になって鍵を開けてドアを開けたら、旦那様が倒れていて・・・。」 警部:「なるほど・・・。」 小早川:「と言うことは、この部屋は密室だったんですね?」 発見者:「え、ええ。そういうことになります。」 小早川:「こちらの部屋の鍵はいくつありますか?」 発見者:「え~と、旦那様がお持ちのものと、こちらの予備の鍵の二つだけです。」 小早川:「なるほど・・・。では・・・、犯人はあなただ!」 発見者:「ええ~!?」 警部:「よし!逮捕だ!」 由美子:「ちょ、ちょっと待ってください!それはあまりに短絡的じゃないですか?」 小早川:「そうかな?」 由美子:「そうよ。」 小早川:「・・・じゃあ、犯人はあなたではない!」 発見者:「ええ~!?」 警部:「よし!釈放だ!」 由美子:「そんな適当でいいの?」 犯人:「でも、それじゃあ犯人はいったいどうやってこの密室に入ったんでしょう?」 警部:「その予備の鍵は、いつもどこに保管してあるんですか?」 発見者:「いつもは、この部屋の扉についてるフックに掛けてあります。」 由美子:「・・・それって、鍵の意味無くない?」 小早川:「だとすると、いつ誰が持ち出してもわからないと?」 発見者:「ええ・・・。」 由美子:「持ち出すって言うか、その場で使うだけだよね?鍵の意味無くない?」 警部:「となると、アリバイがあるかどうかだな。」 小早川:「由美子ちゃんのアリバイは僕が保障する!」 由美子:「小早川君・・・!・・・気持ちはありがたいけど証明できないよね? 由美子: 一緒にいなかったから。むしろ、警部さんが保障してくれるんじゃないの?」 警部:「わかった。わしは小早川君を信じる!由美子ちゃんは白だ!」 由美子:「だから、ずっと一緒にいたじゃないですか!」 犯人:「となると、疑わしいのはわたしか彼女ということでしょうか?」 警部:「二人のこれまでの行動を教えてくれ。なるべく細かくな。」 発見者:「わたしは先ほど言った感じですが、今から三十分ほど前に犯人さんと玄関で会いました。」 犯人:「玄関をあけてもらったんです。わたしは鍵を持っていないので。」 警部:「なるほど。」 犯人:「その後わたしは警部さんたちの受け入れの準備をしていました。」 発見者:「わたしはお昼の準備をして、それから旦那様のお部屋に様子を伺いに行き・・・。」 警部:「死体を発見したと?」 発見者:「はい・・・。」 小早川:「警部。」 警部:「どうした?小早川君。何かわかったのかね?」 小早川:「はい。先ほどから彼女の話を聞いていて、ずっと気にかかっていたことがあるんです。」 警部:「そ、それは一体・・・!?」 小早川:「それは・・・、お昼ご飯がまだだってことです!」 警部:「なんとぉ~!」 小早川:「お腹空きました。」 警部:「・・・よし、ご飯にしよう。」 発見者:「すみません。もうこんな時間でした。すぐご用意しますね。」 犯人:「あの、すみません。わたし、服が汚れちゃったので着替えてきますね。」 発見者:「はい。じゃあ、着替えたら食堂のほうに来てください。 発見者: 皆さんも、一度お部屋にご案内しますから、荷物を置いてから食堂に来てください。」 警部:「わかりました。よし、行こう。」 0:時間経過 小早川:「ごちそう様でした!」 発見者:「いえ、お粗末さまでした。」 警部:「いやいや、これはなかなかの美味(びみ)でしたよ。」 犯人:「ええ、本当に。お喋りも忘れて夢中で食べてしまいましたよ。」 警部:「本当ですな。はっはっはっは。」 由美子:「皆さん、のんき過ぎじゃない?」 小早川:「由美子ちゃん!僕が買って来たケーキどうだった!? 小早川: 今日のために特別に予約して、無理言って朝早くに受け取ってきたんだ!」 由美子:「う、うん・・・。とっても美味しかったよ、小早川君。」 小早川:「そう?よかった!」 由美子:「うん。でも、切り分けるときにわたしにばかりやけに大きい部分を渡したり、 由美子: 上のチョコのプレートとか人形とか全部乗せるのはやめて。」 小早川:「そう?わかった!」 発見者:「食後のお茶をお持ちしました。」 小早川:「え?お餅!?」 警部:「こらこら、小早川君。お餅じゃなくて、お持ちしました、だよ。」 小早川:「なんだ。てっきりさらにお餅まで出るのかと思っちゃいました。」 発見者:「小早川君ったら、意外と食いしん坊さんなんですね。」 警部:「まったくだ。はっはっはっは。」 犯人:「ちょっと皆さん!何をのんきなこと言ってるんですか!人が死んでるんですよ!」 由美子:「ええ~。さっきまで犯人さんも混じってたのに・・・。」 犯人:「一刻も早く犯人を捕まえないと!」 警部:「犯人さん・・・。」 由美子:「だから、その呼び方なんとかなりません?」 発見者:「わたしも、旦那様を殺した犯人を早く捕まえて欲しいです!」 小早川:「発見者さん・・・。」 由美子:「そう呼ぶんだ・・・?」 警部:「さあ、おふざけはここまでです。犯人を捕まえましょう!」 発見者:「はい!」 犯人:「必ず捕まえましょう!」 由美子:「っていうか、ふざけてたんだ・・・。」 小早川:「警部・・・、僕にはもう大体のことはわかっています。」 警部:「な、なんだって!?さすが少年探偵の小早川君だ!」 小早川:「あとは、犯人が誰かがわかれば、全て解決です!」 発見者:「なんですって!」 犯人:「そ、それじゃあ・・・!」 発見者:「・・・何がわかってるんですか?」 小早川:「・・・この屋敷の主人は・・・、他殺です!」 警部:「なんだと!?」 発見者:「そんな・・・。」 犯人:「・・・それは、初めからわかってましたよね?」 小早川:「はい!・・・・・・では!」 警部:「ガシッ!待ちたまえ小早川君!」 小早川:「け、警部!」 警部:「君の頭脳が必要なんだ。我々に力を貸してくれ。」 小早川:「僕の頭脳が・・・。」 由美子:「警部さんはなんで小早川君をこんなに頼りにしているのかしら・・・。」 犯人:「それはわたしも気になっていました。なぜこんな小さな少年を?」 警部:「そうか。みんなは知らなかったね。あれは、一年ほど前のことだ・・・。」 0:回想シーン 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか?何があったんです!?」 発見者:「我が家の宝が、絵画が盗まれてるんです!」 小早川:「なんですって!?」 警部:「ほっほっほっほっほ(走り)、ふぅ、どうしたんですか?何があったんです!?」 発見者:「我が家の宝が、絵画が盗まれてるんです!」 警部:「なんですって!?」 発見者:「あの、あなたは一体・・・。」 警部:「安心してください。わたしは警察の者です。」 発見者:「警察の?そうですか。よかった。わたしはてっきり不審者かと。」 警部:「いえ、わたしは警部です。これが証拠です。」 発見者:「本当だ。警察手帳。」 警部:「ところで、こちらの少年は?」 小早川:「僕は少年探偵の小早川君です。見た目は少年、頭脳は探偵です!」 警部:「そうか。」 小早川:「はい!」 警部:「・・・知り合い?」 発見者:「いえ。」 警部:「・・・不法侵入?」 発見者:「たぶん・・・。」 小早川:「・・・では!たったったったった。」 0:回想シーンおわり 警部:「これが小早川君との出会いだ。」 犯人:「なんで?なんでこれで信頼しちゃうの?」 発見者:「懐かしいですね。」 犯人:「ええ!?この時の第一発見者ってこの人なの!?」 発見者:「はい。あれ以来落ちぶれたわたしは、使用人としてこの屋敷で奉公を。」 犯人:「絵画、見つかってないじゃん。」 由美子:「あの、そろそろ犯人を捜しませんか?」 警部:「そうだった。」 発見者:「とりあえず、現場に戻ってみますか?」 犯人:「そうですね。やはり現場を調べるところからでしょうね。」 小早川:「・・・僕はちょっと調べたいことがあるので、後から行きますね。」 由美子:「小早川君?」 小早川:「由美子ちゃんは、僕と一緒に来るかい?」 由美子:「ううん。警部さんといる。」 小早川:「そ、そう・・・?すごい発見があるかもよ?」 由美子:「ううん。大丈夫。」 小早川:「・・・そう?」 由美子:「うん。」 発見者:「それじゃあ、わたしたちは行きましょうか。」 犯人:「小早川君も気をつけて。」 小早川:「・・・うわぁぁぁぁぁん!」 警部:「小早川君!?」 犯人:「・・・きっと一人が寂しいんでしょう。」 発見者:「まだ小学生ですもんね。」 0:場面転換 犯人:「さて、現場に戻ってはみたものの・・・。」 発見者:「一体どこから調べたらいいんでしょう・・・。警部・・・、警部?」 警部:「ふぁぁあ、ん?」 発見者:「なに大あくびしてるんですか!真面目に捜査してください!」 警部:「だって、お昼食べたら眠くなっちゃって。」 発見者:「ちょっと!しっかりしてくださいよ!」 犯人:「・・・仕方ありませんね。わたしたちで何か痕跡がないか調べてみましょう。」 発見者:「・・・そう言いながら、逆に事件の痕跡を消そうとしてるんじゃないですか?」 犯人:「なに?」 発見者:「わたしはまだあなたを完全に信用したわけじゃないですからね。」 犯人:「それはこちらも同じこと。あなたが犯人じゃないという証拠はないんですから。」 発見者:「なんですって!」 由美子:「ちょ、ちょっとやめてください。警部さん、二人を止めてください!」 警部:「ん?なんだね?もうおやつの時間かね?」 由美子:「警部さん!」 犯人:「だいたい、こういう事件っていうのは、第一発見者が怪しいもんなんだよ。」 発見者:「それを言うなら、事件当日にやってきたあなたたちの方がよっぽど怪しいです!」 犯人:「ほう。と言うことは、この警部さんたちも怪しんでいると?」 発見者:「そ、それは・・・。」 犯人:「警部さん。彼女は警部さんたちのことも信用してないみたいですよ?」 警部:「んご~んご~んご~。」 由美子:「完全に寝てる!」 発見者:「わたしは、一般論を言ったまでで・・・。」 犯人:「おや?ここ・・・。」 発見者:「どうしたんですか?」 犯人:「どうやら屋敷のご主人は、ダイイングメッセージを残していたようですよ。」 由美子:「ダイイングメッセージ!?」 発見者:「なんですって!?一体なんて書いてあるの!?」 犯人:「犯人は・・・、第一発見者です。」 由美子:「・・・え?」 犯人:「犯人は、第一発見者です。そう書いてあります!」 発見者:「なんですって!?そんなバカな!」 犯人:「しかし、こうはっきりと書かれていては、言い逃れはできませんよ。」 発見者:「そんな・・・、わたしが?いつの間に・・・。」 犯人:「さあ、白状しなさい。あなたがやったんでしょう!」 発見者:「うぅ・・・。全然記憶にはないけど、ダイイングメッセージにそう残されているのなら・・・。」 小早川:「ちょっと待った!」 犯人:「誰だ!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「自らの犯行を隠し、他人を犯人に仕立て上げる。 小早川: そんな非道、この少年探偵小早川君が許しません!ば~ん!」 犯人:「なんだと?」 警部:「犯人に仕立て上げる?いったいどういうことだね?」 小早川:「実は、最初から僕には犯人がわかっていました。」 発見者:「え?犯人が?」 由美子:「どういうことなの?小早川君。」 小早川:「犯人は、この屋敷の旦那さんを殺した時、返り血を浴びていたんです。」 発見者:「なんですって!?」 小早川:「僕たちがこの部屋に踏み込んだ時、犯人の服にはまだその返り血が付いていました。」 由美子:「え?それじゃあ・・・。」 小早川:「そう。お昼ごはんの前に着替えに行った人・・・。犯人さん、あなたが犯人です!」 由美子:「ややこしい。」 警部:「よし!逮捕だ!」 犯人:「ちょ、ちょっと待ってください!彼の話だけでは納得いきません! 犯人: 第一、このダイイングメッセージはどう説明するんですか!」 発見者:「そうです!わたしはまったく記憶にないけど、 発見者: 旦那様が書いたダイイングメッセージが残されていたんです!」 小早川:「このダイイングメッセージは・・・、犯人さんが部屋のメモ帳に書いて持ってきたものです!」 警部:「な、なんだって!?」 小早川:「普通ダイイングメッセージというのは、自らの血で書き残したりするものです。 小早川: それを、こんなメモ帳にペンで書いたダイイングメッセージなどありはしない!」 発見者:「すごい決め付け!」 由美子:「でも、確かに最初にこの部屋に入った時、そんな紙はありませんでした。 由美子: ということは、後から誰かが持ってきたものかと・・・。」 警部:「ふむ。つまり、彼女に罪を擦(なす)り付けるために何者かが書いたと。」 犯人:「だ、だが!まだ、それがわたしだと決め付けるのは早い! 犯人: 証拠が、わたしを犯人だとする証拠がないだろう!」 小早川:「証拠はあります。これです。」 犯人:「なっ!そ、それは!」 小早川:「あなたのシャツです。この通り、胸のところに大きく返り血が付いています。」 由美子:「ホントだ。なんでこんなのに気づかなかったんだろう。」 犯人:「いや、ち、違う!それは!」 小早川:「あなたはこの屋敷の主人に多額の借金をしていた。 小早川: そして、それを理由に色々と雑務(ざつむ)を押し付けられていた。 小早川: 今回の出迎えもその一つです。 小早川: でも、あなたはもうそんな横暴に耐えられなくなっていた。 小早川: そしてついに、屋敷の主人の部屋に忍び込み、殺害した。 小早川: 違いますか?」 犯人:「・・・・・・全然違います。」 警部:「よし!逮捕だ!・・・え?違う?なにが違うと言うんだ?」 犯人:「一から十まで全部ですよ。わたしは殺してません! 犯人: 大体それ、トマトジュースの汚れですから。」 由美子:「トマトジュース?」 犯人:「そうです。本当はウェルカムドリンクとして、島に付いたらお出ししようとしてたんです。 犯人: ですが、嵐の中、みんな海に投げ出されちゃって、一本しか残ってなかったんです。 犯人: だから、自分で飲んじゃおうと思ったんですけど、焦って飲んだらむせちゃって・・・。」 由美子:「それで、汚しちゃったんですか?」 犯人:「面目ない・・・。」 警部:「じゃあ、いったい誰が犯人なんだ!?」 犯人:「そういえば・・・。」 由美子:「なんですか?」 犯人:「わたしが屋敷に着いた時、彼女は返り血の付いたエプロンをしていたような・・・。」 発見者:「なっ!なんで今頃思い出すんですか!」 由美子:「・・・もしかして、あなたが犯人ですか?」 発見者:「ぎくっ!」 由美子:「鍵を部屋の前に掛けておくなんて変だなって思ってたんです。」 発見者:「ぎくぎくっ!」 由美子:「っていうか、この屋敷で働いてるなら、この屋敷のことに詳しいでしょうし。」 発見者:「ぎくぎくぎくっ!」 小早川:「・・・ふっふっふっふっふ。」 由美子:「小早川君?」 小早川:「やはりそうだったか!そうじゃないかと思っていたんだ!」 由美子:「え?」 小早川:「そのダイイングメッセージの紙、実はそれ、僕が書いたものさ。」 警部:「な、なんだって!?」 由美子:「さっきは犯人さんが書いたって言ってたのに!」 犯人:「どおりで・・・。わたしは書いた記憶がなかったから変だと思っていたんだ・・・。」 由美子:「なら言ってください。」 小早川:「今回の事件・・・、この屋敷の使用人であり第一発見者でもある・・・、 小早川: あなたが真の犯人だ!どぉぉ~ん!」 発見者:「・・・そうよ。わたしが旦那様を殺したのよ・・・。」 警部:「よし!逮捕だ!」 犯人:「よし!無実だ!」 由美子:「・・・どうしてこんなことをしたんですか?」 発見者:「旦那様は普段はとても温厚で優しく、良いご主人様でした。でも・・・。」 由美子:「でも?」 発見者:「時々すごいお寝坊で。今日も昼になっても起きてこなくて。 発見者: わたしは毎日早起きして朝ごはん作って待ってるのに、食べもしないなんて。 発見者: そう思ったら腹が立って腹が立って、つい・・・。」 由美子:「すごい自分勝手で短絡的な理由だった!」 小早川:「そう・・・だったんですね。」 発見者:「はい・・・。すみません・・・。すみません、刑事さん。」 警部:「わたしは警部です。」 由美子:「どうでもいい・・・。」 警部:「え~、ヒトゴーマルマル、被疑者確保。」 犯人:「・・・まだ十四時四十八分ですけど?」 警部:「ヒトゴーマルマル、被疑者確保!」 犯人:「押し切った・・・。」 由美子:こうして今回の事件は幕を閉じたのでした。 0:時間経過 小早川:「どうだった?由美子ちゃん。僕の名推理は。」 由美子:「うん・・・。全部外れてたし、だいぶかき回してたね。」 小早川:「そう・・・かな?」 由美子:「うん。でも・・・、ちょっとかっこよかった・・・かな。」 小早川:「え!?ホントに!?やった~!」 由美子:「ふふ・・・。あ、そういえば、小早川君?」 小早川:「なに?由美子ちゃん。」 由美子:「結局、この島には何をしにきたの?」 小早川:「えとね、この島にはね。」 由美子:「うん。」 小早川:「カブトムシがいっぱいいるんだ!」 由美子:「・・・え?」 小早川:「由美子ちゃんのためにいっぱい捕まえるから待っててね!」 由美子:「え・・・、いらない・・・。」 小早川:「では!たったったったった。」 由美子:「・・・・・・早く帰りたいなぁ。」 警部:ぼ~(船の汽笛) 0:おわり

0:色を付けたい役をタップしてください 小早川:言わずと知れた迷探偵。見た目は少年、頭脳は探偵です。 由美子:小早川君のクラスメイト。ヒロイン的立ち位置。 警部:この道二十年のベテラン刑事。なぜか小早川君を信用してる。 発見者:きゃ~と言えばこの人。どんな事件も発見します。 犯人:この人がいないと事件は始まらない。事件の裏の立役者、犯人さん。  :  0:最初に他作品の予告編があります。 0:でも、やらなくてもどっちでもいいです。 0:予告編は約五分です。  :   :  発見者:ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン!ジャ~ン! 由美子:・・・伯爵家に生まれながらも、全てを捨て剣に生きる男アルス。 由美子:そんな彼の元に、ある日、一人の男がやってくる・・・。 犯人:「・・・君の名は?」 警部:「俺様の名はグレゴリー。天下無双の斧使い、グレゴリー様だ。」 由美子:さらに、二人を引き裂くかのように次々と現れる刺客たち。 発見者:「待ちなさい!私はエルメア。その勝負、私が先にやらせてもらうわ。」 小早川:「あたしかい?あたしはトメ。神をも縛りし縄使いさ!」 由美子:そして訪れる、運命の瞬間・・・。 警部:「もしかして・・・。」(アルスになっている) 犯人:「俺たち。」(グレゴリーになっている) 警部:「私たち。」(アルスになってる) 犯人:「(同時)入れ替わってる!?」(グレゴリーになってる) 警部:「(同時)入れ替わってる!?」(アルスになってる) 発見者:バァ~ン! 由美子:運命に翻弄される二人・・・。 発見者:「まさか、トメさんがやったというの?」 小早川:「これこそ縄使い究極秘奥義!」 犯人:「そんな馬鹿な技があってたまるか!」(グレゴリーになってる) 警部:「元の体に戻る前に、トメを殺させるわけにはいかない!」 由美子:愛と冒険の青春群像劇、【本格ファンタジーアクション】『キミノナワ』 由美子:近日公開予定。  :   :  警部:どぉぉ~ん! 犯人:「君。・・・そこの君。葉月葉(はづきよう)くん。 犯人: 君に見届け人をやってもらいたいと思ってね。」 発見者:「はい?見届け人?」 発見者:こうして僕は、真のシャーマンキングを決める戦いの場へと向かった。 犯人:「そう。ここがシャーマンファイトの会場!」 小早川:「あはは。君、面白いね。ボクは御手洗(みたらい)呉羽(くれは)。 小早川: 北のシャーマンキングだよ。よろしくね。」 警部:「俺の名は五条院明(あきら)だ。俺こそが真のシャーマンキングになる者。」 由美子:「私ならここにいますよ。ずっと上条さんの後ろに、張り付くように隠れてたんですよ。」 発見者:シャーマン同士の激しい戦い。 発見者:「宮本武蔵!?え?あの、剣豪の!?」 由美子:「これは私も負けていられません。」 小早川:「くっ、さすがは扇。まさか卑弥呼を呼び出すとは。」 発見者:そして戦いは、ついに神々の領域へ・・・。 警部:どどぉ~ん! 犯人:「ば、ばかな!」 由美子:「神格(しんかく)を呼び出した、だと!?」 小早川:「ま、マジかよ!?」 警部:「仏には造作も無いことよ。」 発見者:普通の少年だった葉月葉が、裏の世界の戦いに巻き込まれながらも成長していく、本格ファンタジー巨編! 発見者:『シャーマン・ウォーズ!』 発見者:ぜひあなたの声で、体験してみてください。  :   :  犯人:あの、小早川君が、帰ってきた・・・ 小早川:「たったったったった、どうしたんですか?何があったんです?」 犯人:普段はただの小学生・・・、でも・・・ 小早川:「今日は友達と遊ぶ約束があるので・・・、では!」 犯人:ひとたび事件が起これば・・・ 小早川:「見た目は少年、頭脳は探偵です!」 犯人:どんな事件も勝手に解決! 小早川:「犯人は・・・、あなただ!」 警部:「よし、逮捕だ!」 発見者:「ええ~!?」 犯人:そんな迷探偵に、春が来た!? 由美子:「おはよう、小早川君。」 小早川:「ゆ、由美子ちゃん・・・、おはよう!(しゅき・・・!)」 犯人:少しずつ心を通わせていく二人。しかし運命は・・・ 警部:「ダメだ!この嵐では助けられない!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「由美子ちゃ~ん!」 犯人:二人を引き裂いてしまう 警部:「とにかく、無事を祈ろう。」 由美子:「小早川君・・・。」 犯人:そして起こる怪事件 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか!?何があったんです!?」 発見者:「ひ、人が死んでるんです!」 警部:「な、なんだって~!」 犯人:複雑に絡み合う人間関係、深まる謎 発見者:「あの、その子は?」 小早川:「彼女は僕のかの・・・、クラスメイトです。」 由美子:「かの・・・?」 犯人:小早川君はこの難事件を解決できるのだろうか 犯人:そして、二人の恋の行方は・・・ 犯人:『少年探偵小早川君・ザ・ムービー』 犯人:カミングスーン  :  0:上演開始のブザーが鳴る  :  警部:は 犯人:じ 発見者:ま 由美子:る 小早川:よ~!  :  小早川:たったったったった 警部:ぼ~(汽笛の音)  小早川:たったったったった 警部:ぼ~(汽笛の音)  小早川:たったったったった 警部:ざざ~ざざ~(波の音)  小早川:たったったったった、ききー!(ストップする音) 由美子:「あ、小早川君。」 小早川:「はぁはぁはぁ・・・。」 由美子:「おはよう、小早川君。」 小早川:「ゆ、由美子ちゃん・・・、おはよう!(しゅき・・・!)」 由美子:「ねえ小早川君、こんなに朝早くに呼び出して、一体どうしたの?」 小早川:「うん、実は・・・、由美子ちゃんと一緒に行きたいところがあって。」 由美子:「行きたいところ?」 小早川:「うん。」 警部:「小早川く~ん!」 小早川:「警部!」 警部:「いやぁ、すまんすまん。待たせたかな?」 小早川:「いえ、僕も今来たところです。」 警部:「そうか。それはよかった。」 由美子:「あの、小早川君。その人は?」 小早川:「ああ、由美子ちゃんは初めて会うんだったね。この人は警部。 小早川: 実はこれまで、僕はたくさんの事件を解決してきたんだ。」 由美子:「え?小早川君が?」 警部:「そうだよ。小早川君はこう見えて名探偵なんだ。」 小早川:「そう!見た目は少年、頭脳は探偵です!」 警部:「さすが!少年探偵小早川君だ!」 小早川:「僕にかかればどんな事件も必ず解決さ!」 警部:「心強いね~。さすが小早川君だ。」 小早川:「いえ、そんな。当たり前のことですよ。はははは。」 警部:「よし、じゃあ早速行こうか。」 由美子:「え?警部さんも一緒に?いったいどこに行くんですか?」 警部:「なぁに、ちょいとすぐそこの、無人島の屋敷にさ。」 由美子:「無人島の屋敷?・・・無人島の?」 小早川:「よし!すぐに行きましょう!」 由美子:「ねえ!・・・無人島の・・・屋敷?」 0:場面転換 警部:ぼ~、ざざ~ 小早川:「じゃあ警部、さっそく船に乗りましょう。」 警部:「小早川君、そっちじゃないよ。」 小早川:「え?」 警部:「無人島に行くのに、そんな大きなフェリーのわけがないだろう。」 小早川:「え~、そんな・・・、フェリーに乗るのずっと楽しみにしてたのに・・・、ぐす・・・。」 由美子:「警部さん、もしかして、あそこの船ですか?」 警部:「え?ああ、そうそう。あそこのクルーザーだよ。」 小早川:「え?あれ!?マジで!?超かっこいい!」 犯人:「警部さん、おはようございます。お待ちしてました。」 警部:「どうも、犯人さん。おはようございます。」 由美子:「え?犯人さん?」 警部:「ああ、こちら、クルーザーの所有者の犯・人三郎(にんざぶろう)さん。 警部: わたしは略して犯人さんって呼んでるんだ。」 犯人:「どうも、犯です。気軽に犯人って呼んでください。」 由美子:「え・・・、それはちょっと・・・。」 小早川:「わかりました。僕は少年探偵の小早川君です。よろしくお願いします、犯人さん。」 由美子:「小早川君、失礼だよ・・・。」 犯人:「それじゃあ、さっそく島に向かうとしましょうか。」 警部:「ああ、よろしく頼むよ、犯人さん。」 犯人:それからクルーザーに乗り込みなんやかやあって、急に天候が悪化。 犯人:嵐に巻き込まれ大波に飲まれた小早川君が海に落ちてしまう。 警部:「ダメだ!この嵐では助けられない!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「由美子ちゃ~ん!」 犯人:その後、急に天気が回復したが、小早川君の姿を見つけることはできなかった。 警部:「とにかく、無事を祈ろう。」 由美子:「小早川君・・・。」 犯人:我々は無事に無人島にたどり着き、島の中央にあるお屋敷へと向かった。 警部:「ここが目的のお屋敷か。」 由美子:「あの、警部さん。ここまで何度も聞きましたけど、ここへは何の目的で・・・?」 警部:「犯人さんが先に来て準備してくれているはずだが・・・。」 由美子:「なんで答えてくれないんだろ。っていうか、なんで無視するの?」 発見者:(遠くで)「きゃぁぁぁぁ!」 警部:「な!なんだ!?」 由美子:「女の人の悲鳴?」 警部:「屋敷の中から聞こえたようだが・・・。」 由美子:「警部、とにかく行ってみましょう!」 警部:「そ、そうだな。」 0:場面転換 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか!?何があったんです!?」 発見者:「ひ、人が死んでるんです!」 警部:「な、なんだって~!」 小早川:「警部!」 由美子:「小早川君!?海に落ちたはずの小早川君がどうして?」 小早川:「由美子ちゃん・・・。実は、海に落ちてもうダメだと思った時、思い出したんだ。 小早川: この島で由美子ちゃんとキスするまで帰らないって決めたことを・・・。」 由美子:「・・・え?」 小早川:「あ・・・・・・。では!たったったったった」 警部:「ガシッ!待ちたまえ小早川君!」 小早川:「け、警部!」 警部:「今は非常事態だ。ここに残って、事件解決に力を貸してくれ。」 小早川:「警部・・・。わかりました。僕が来たからにはもう大丈夫です!」 警部:「おお!小早川君!」 小早川:「(内緒話)その代わり、由美子ちゃんにいいとこ見せるの手伝ってくださいね。」 警部:「(内緒話)わかっとるわかっとる。」 由美子:「全部聞こえてるんだけど・・・。」 発見者:「あの・・・。」 警部:「ああ、すみません。わたしはこういうものです。」 発見者:「警察・・・の方ですか?」 警部:「はい。そして、こちらは少年探偵の小早川君です。」 小早川:「見た目は少年、頭脳は探偵です!」 発見者:「なるほど・・・。あの、その子は?」 小早川:「彼女は僕のかの・・・、クラスメイトです。」 由美子:「かの・・・?今なんて言おうとしたの?小早川君。」 小早川:「なんのこと?気のせいだよ由美子ちゃん。」 警部:「さて、そんなことより被害者はどちらに?」 発見者:「は、はい。そこの部屋の中に・・・。」 小早川:「待ってください!」 発見者:「ひっ!ど、どうしたんですか?」 小早川:「ドアのノブには触りましたか?」 発見者:「え?は、はい。そうしないとドアが開けられないので・・・。」 小早川:「困りましたね。」 発見者:「何か、まずかったですか?」 小早川:「もしこれが殺人事件なら、ドアノブに犯人の指紋が残っていたかもしれません。」 発見者:「殺人事件!?殺人事件なんですか!?」 小早川:「いえ、まだ被害者の状態も見ていないので何もわかりません。」 発見者:「そ、そうですか・・・。」 小早川:「はい。」 発見者:「・・・・・・。」 警部:「とりあえず被害者の状況を確認しよう。」 小早川:「そうしましょう。由美子ちゃんはここで待ってて。君は見ない方がいい。」 由美子:「小早川君・・・。」 小早川:「僕がせっかく早起きして買ってきたケーキが食べられなくなるといけないからね。」 由美子:「小早川君・・・?」 警部:「こちらの被害者に見覚えはありますか?」 発見者:「・・・この屋敷の主人です。」 警部:「間違いはありませんか?」 犯人:「はい。わたしも見覚えがありますから間違いありません。」 警部:「なるほど。そしておそらく死因は、この胸に刺さったナイフですね。」 発見者:「ということは、やっぱり殺人ってことでしょうか?」 警部:「ええ、まず間違いないでしょう。」 発見者:「なんで、こんなこと・・・。」 警部:「発見当時のことを詳しく教えてください。」 発見者:「はい・・・。わたしはこの屋敷で家事やその他旦那様の色々なサポートをしているんですが、 発見者: 今朝もいつものように朝食をお持ちしようとしたら鍵がかかっていて・・・。 発見者: 今日はゆっくりされるのかと思っていたのですが、お昼になっても出ていらっしゃらないので、 発見者: さすがに心配になって鍵を開けてドアを開けたら、旦那様が倒れていて・・・。」 警部:「なるほど・・・。」 小早川:「と言うことは、この部屋は密室だったんですね?」 発見者:「え、ええ。そういうことになります。」 小早川:「こちらの部屋の鍵はいくつありますか?」 発見者:「え~と、旦那様がお持ちのものと、こちらの予備の鍵の二つだけです。」 小早川:「なるほど・・・。では・・・、犯人はあなただ!」 発見者:「ええ~!?」 警部:「よし!逮捕だ!」 由美子:「ちょ、ちょっと待ってください!それはあまりに短絡的じゃないですか?」 小早川:「そうかな?」 由美子:「そうよ。」 小早川:「・・・じゃあ、犯人はあなたではない!」 発見者:「ええ~!?」 警部:「よし!釈放だ!」 由美子:「そんな適当でいいの?」 犯人:「でも、それじゃあ犯人はいったいどうやってこの密室に入ったんでしょう?」 警部:「その予備の鍵は、いつもどこに保管してあるんですか?」 発見者:「いつもは、この部屋の扉についてるフックに掛けてあります。」 由美子:「・・・それって、鍵の意味無くない?」 小早川:「だとすると、いつ誰が持ち出してもわからないと?」 発見者:「ええ・・・。」 由美子:「持ち出すって言うか、その場で使うだけだよね?鍵の意味無くない?」 警部:「となると、アリバイがあるかどうかだな。」 小早川:「由美子ちゃんのアリバイは僕が保障する!」 由美子:「小早川君・・・!・・・気持ちはありがたいけど証明できないよね? 由美子: 一緒にいなかったから。むしろ、警部さんが保障してくれるんじゃないの?」 警部:「わかった。わしは小早川君を信じる!由美子ちゃんは白だ!」 由美子:「だから、ずっと一緒にいたじゃないですか!」 犯人:「となると、疑わしいのはわたしか彼女ということでしょうか?」 警部:「二人のこれまでの行動を教えてくれ。なるべく細かくな。」 発見者:「わたしは先ほど言った感じですが、今から三十分ほど前に犯人さんと玄関で会いました。」 犯人:「玄関をあけてもらったんです。わたしは鍵を持っていないので。」 警部:「なるほど。」 犯人:「その後わたしは警部さんたちの受け入れの準備をしていました。」 発見者:「わたしはお昼の準備をして、それから旦那様のお部屋に様子を伺いに行き・・・。」 警部:「死体を発見したと?」 発見者:「はい・・・。」 小早川:「警部。」 警部:「どうした?小早川君。何かわかったのかね?」 小早川:「はい。先ほどから彼女の話を聞いていて、ずっと気にかかっていたことがあるんです。」 警部:「そ、それは一体・・・!?」 小早川:「それは・・・、お昼ご飯がまだだってことです!」 警部:「なんとぉ~!」 小早川:「お腹空きました。」 警部:「・・・よし、ご飯にしよう。」 発見者:「すみません。もうこんな時間でした。すぐご用意しますね。」 犯人:「あの、すみません。わたし、服が汚れちゃったので着替えてきますね。」 発見者:「はい。じゃあ、着替えたら食堂のほうに来てください。 発見者: 皆さんも、一度お部屋にご案内しますから、荷物を置いてから食堂に来てください。」 警部:「わかりました。よし、行こう。」 0:時間経過 小早川:「ごちそう様でした!」 発見者:「いえ、お粗末さまでした。」 警部:「いやいや、これはなかなかの美味(びみ)でしたよ。」 犯人:「ええ、本当に。お喋りも忘れて夢中で食べてしまいましたよ。」 警部:「本当ですな。はっはっはっは。」 由美子:「皆さん、のんき過ぎじゃない?」 小早川:「由美子ちゃん!僕が買って来たケーキどうだった!? 小早川: 今日のために特別に予約して、無理言って朝早くに受け取ってきたんだ!」 由美子:「う、うん・・・。とっても美味しかったよ、小早川君。」 小早川:「そう?よかった!」 由美子:「うん。でも、切り分けるときにわたしにばかりやけに大きい部分を渡したり、 由美子: 上のチョコのプレートとか人形とか全部乗せるのはやめて。」 小早川:「そう?わかった!」 発見者:「食後のお茶をお持ちしました。」 小早川:「え?お餅!?」 警部:「こらこら、小早川君。お餅じゃなくて、お持ちしました、だよ。」 小早川:「なんだ。てっきりさらにお餅まで出るのかと思っちゃいました。」 発見者:「小早川君ったら、意外と食いしん坊さんなんですね。」 警部:「まったくだ。はっはっはっは。」 犯人:「ちょっと皆さん!何をのんきなこと言ってるんですか!人が死んでるんですよ!」 由美子:「ええ~。さっきまで犯人さんも混じってたのに・・・。」 犯人:「一刻も早く犯人を捕まえないと!」 警部:「犯人さん・・・。」 由美子:「だから、その呼び方なんとかなりません?」 発見者:「わたしも、旦那様を殺した犯人を早く捕まえて欲しいです!」 小早川:「発見者さん・・・。」 由美子:「そう呼ぶんだ・・・?」 警部:「さあ、おふざけはここまでです。犯人を捕まえましょう!」 発見者:「はい!」 犯人:「必ず捕まえましょう!」 由美子:「っていうか、ふざけてたんだ・・・。」 小早川:「警部・・・、僕にはもう大体のことはわかっています。」 警部:「な、なんだって!?さすが少年探偵の小早川君だ!」 小早川:「あとは、犯人が誰かがわかれば、全て解決です!」 発見者:「なんですって!」 犯人:「そ、それじゃあ・・・!」 発見者:「・・・何がわかってるんですか?」 小早川:「・・・この屋敷の主人は・・・、他殺です!」 警部:「なんだと!?」 発見者:「そんな・・・。」 犯人:「・・・それは、初めからわかってましたよね?」 小早川:「はい!・・・・・・では!」 警部:「ガシッ!待ちたまえ小早川君!」 小早川:「け、警部!」 警部:「君の頭脳が必要なんだ。我々に力を貸してくれ。」 小早川:「僕の頭脳が・・・。」 由美子:「警部さんはなんで小早川君をこんなに頼りにしているのかしら・・・。」 犯人:「それはわたしも気になっていました。なぜこんな小さな少年を?」 警部:「そうか。みんなは知らなかったね。あれは、一年ほど前のことだ・・・。」 0:回想シーン 発見者:「きゃぁぁぁぁぁ!」 小早川:「たったったったった、どうしたんですか?何があったんです!?」 発見者:「我が家の宝が、絵画が盗まれてるんです!」 小早川:「なんですって!?」 警部:「ほっほっほっほっほ(走り)、ふぅ、どうしたんですか?何があったんです!?」 発見者:「我が家の宝が、絵画が盗まれてるんです!」 警部:「なんですって!?」 発見者:「あの、あなたは一体・・・。」 警部:「安心してください。わたしは警察の者です。」 発見者:「警察の?そうですか。よかった。わたしはてっきり不審者かと。」 警部:「いえ、わたしは警部です。これが証拠です。」 発見者:「本当だ。警察手帳。」 警部:「ところで、こちらの少年は?」 小早川:「僕は少年探偵の小早川君です。見た目は少年、頭脳は探偵です!」 警部:「そうか。」 小早川:「はい!」 警部:「・・・知り合い?」 発見者:「いえ。」 警部:「・・・不法侵入?」 発見者:「たぶん・・・。」 小早川:「・・・では!たったったったった。」 0:回想シーンおわり 警部:「これが小早川君との出会いだ。」 犯人:「なんで?なんでこれで信頼しちゃうの?」 発見者:「懐かしいですね。」 犯人:「ええ!?この時の第一発見者ってこの人なの!?」 発見者:「はい。あれ以来落ちぶれたわたしは、使用人としてこの屋敷で奉公を。」 犯人:「絵画、見つかってないじゃん。」 由美子:「あの、そろそろ犯人を捜しませんか?」 警部:「そうだった。」 発見者:「とりあえず、現場に戻ってみますか?」 犯人:「そうですね。やはり現場を調べるところからでしょうね。」 小早川:「・・・僕はちょっと調べたいことがあるので、後から行きますね。」 由美子:「小早川君?」 小早川:「由美子ちゃんは、僕と一緒に来るかい?」 由美子:「ううん。警部さんといる。」 小早川:「そ、そう・・・?すごい発見があるかもよ?」 由美子:「ううん。大丈夫。」 小早川:「・・・そう?」 由美子:「うん。」 発見者:「それじゃあ、わたしたちは行きましょうか。」 犯人:「小早川君も気をつけて。」 小早川:「・・・うわぁぁぁぁぁん!」 警部:「小早川君!?」 犯人:「・・・きっと一人が寂しいんでしょう。」 発見者:「まだ小学生ですもんね。」 0:場面転換 犯人:「さて、現場に戻ってはみたものの・・・。」 発見者:「一体どこから調べたらいいんでしょう・・・。警部・・・、警部?」 警部:「ふぁぁあ、ん?」 発見者:「なに大あくびしてるんですか!真面目に捜査してください!」 警部:「だって、お昼食べたら眠くなっちゃって。」 発見者:「ちょっと!しっかりしてくださいよ!」 犯人:「・・・仕方ありませんね。わたしたちで何か痕跡がないか調べてみましょう。」 発見者:「・・・そう言いながら、逆に事件の痕跡を消そうとしてるんじゃないですか?」 犯人:「なに?」 発見者:「わたしはまだあなたを完全に信用したわけじゃないですからね。」 犯人:「それはこちらも同じこと。あなたが犯人じゃないという証拠はないんですから。」 発見者:「なんですって!」 由美子:「ちょ、ちょっとやめてください。警部さん、二人を止めてください!」 警部:「ん?なんだね?もうおやつの時間かね?」 由美子:「警部さん!」 犯人:「だいたい、こういう事件っていうのは、第一発見者が怪しいもんなんだよ。」 発見者:「それを言うなら、事件当日にやってきたあなたたちの方がよっぽど怪しいです!」 犯人:「ほう。と言うことは、この警部さんたちも怪しんでいると?」 発見者:「そ、それは・・・。」 犯人:「警部さん。彼女は警部さんたちのことも信用してないみたいですよ?」 警部:「んご~んご~んご~。」 由美子:「完全に寝てる!」 発見者:「わたしは、一般論を言ったまでで・・・。」 犯人:「おや?ここ・・・。」 発見者:「どうしたんですか?」 犯人:「どうやら屋敷のご主人は、ダイイングメッセージを残していたようですよ。」 由美子:「ダイイングメッセージ!?」 発見者:「なんですって!?一体なんて書いてあるの!?」 犯人:「犯人は・・・、第一発見者です。」 由美子:「・・・え?」 犯人:「犯人は、第一発見者です。そう書いてあります!」 発見者:「なんですって!?そんなバカな!」 犯人:「しかし、こうはっきりと書かれていては、言い逃れはできませんよ。」 発見者:「そんな・・・、わたしが?いつの間に・・・。」 犯人:「さあ、白状しなさい。あなたがやったんでしょう!」 発見者:「うぅ・・・。全然記憶にはないけど、ダイイングメッセージにそう残されているのなら・・・。」 小早川:「ちょっと待った!」 犯人:「誰だ!」 由美子:「小早川君!」 小早川:「自らの犯行を隠し、他人を犯人に仕立て上げる。 小早川: そんな非道、この少年探偵小早川君が許しません!ば~ん!」 犯人:「なんだと?」 警部:「犯人に仕立て上げる?いったいどういうことだね?」 小早川:「実は、最初から僕には犯人がわかっていました。」 発見者:「え?犯人が?」 由美子:「どういうことなの?小早川君。」 小早川:「犯人は、この屋敷の旦那さんを殺した時、返り血を浴びていたんです。」 発見者:「なんですって!?」 小早川:「僕たちがこの部屋に踏み込んだ時、犯人の服にはまだその返り血が付いていました。」 由美子:「え?それじゃあ・・・。」 小早川:「そう。お昼ごはんの前に着替えに行った人・・・。犯人さん、あなたが犯人です!」 由美子:「ややこしい。」 警部:「よし!逮捕だ!」 犯人:「ちょ、ちょっと待ってください!彼の話だけでは納得いきません! 犯人: 第一、このダイイングメッセージはどう説明するんですか!」 発見者:「そうです!わたしはまったく記憶にないけど、 発見者: 旦那様が書いたダイイングメッセージが残されていたんです!」 小早川:「このダイイングメッセージは・・・、犯人さんが部屋のメモ帳に書いて持ってきたものです!」 警部:「な、なんだって!?」 小早川:「普通ダイイングメッセージというのは、自らの血で書き残したりするものです。 小早川: それを、こんなメモ帳にペンで書いたダイイングメッセージなどありはしない!」 発見者:「すごい決め付け!」 由美子:「でも、確かに最初にこの部屋に入った時、そんな紙はありませんでした。 由美子: ということは、後から誰かが持ってきたものかと・・・。」 警部:「ふむ。つまり、彼女に罪を擦(なす)り付けるために何者かが書いたと。」 犯人:「だ、だが!まだ、それがわたしだと決め付けるのは早い! 犯人: 証拠が、わたしを犯人だとする証拠がないだろう!」 小早川:「証拠はあります。これです。」 犯人:「なっ!そ、それは!」 小早川:「あなたのシャツです。この通り、胸のところに大きく返り血が付いています。」 由美子:「ホントだ。なんでこんなのに気づかなかったんだろう。」 犯人:「いや、ち、違う!それは!」 小早川:「あなたはこの屋敷の主人に多額の借金をしていた。 小早川: そして、それを理由に色々と雑務(ざつむ)を押し付けられていた。 小早川: 今回の出迎えもその一つです。 小早川: でも、あなたはもうそんな横暴に耐えられなくなっていた。 小早川: そしてついに、屋敷の主人の部屋に忍び込み、殺害した。 小早川: 違いますか?」 犯人:「・・・・・・全然違います。」 警部:「よし!逮捕だ!・・・え?違う?なにが違うと言うんだ?」 犯人:「一から十まで全部ですよ。わたしは殺してません! 犯人: 大体それ、トマトジュースの汚れですから。」 由美子:「トマトジュース?」 犯人:「そうです。本当はウェルカムドリンクとして、島に付いたらお出ししようとしてたんです。 犯人: ですが、嵐の中、みんな海に投げ出されちゃって、一本しか残ってなかったんです。 犯人: だから、自分で飲んじゃおうと思ったんですけど、焦って飲んだらむせちゃって・・・。」 由美子:「それで、汚しちゃったんですか?」 犯人:「面目ない・・・。」 警部:「じゃあ、いったい誰が犯人なんだ!?」 犯人:「そういえば・・・。」 由美子:「なんですか?」 犯人:「わたしが屋敷に着いた時、彼女は返り血の付いたエプロンをしていたような・・・。」 発見者:「なっ!なんで今頃思い出すんですか!」 由美子:「・・・もしかして、あなたが犯人ですか?」 発見者:「ぎくっ!」 由美子:「鍵を部屋の前に掛けておくなんて変だなって思ってたんです。」 発見者:「ぎくぎくっ!」 由美子:「っていうか、この屋敷で働いてるなら、この屋敷のことに詳しいでしょうし。」 発見者:「ぎくぎくぎくっ!」 小早川:「・・・ふっふっふっふっふ。」 由美子:「小早川君?」 小早川:「やはりそうだったか!そうじゃないかと思っていたんだ!」 由美子:「え?」 小早川:「そのダイイングメッセージの紙、実はそれ、僕が書いたものさ。」 警部:「な、なんだって!?」 由美子:「さっきは犯人さんが書いたって言ってたのに!」 犯人:「どおりで・・・。わたしは書いた記憶がなかったから変だと思っていたんだ・・・。」 由美子:「なら言ってください。」 小早川:「今回の事件・・・、この屋敷の使用人であり第一発見者でもある・・・、 小早川: あなたが真の犯人だ!どぉぉ~ん!」 発見者:「・・・そうよ。わたしが旦那様を殺したのよ・・・。」 警部:「よし!逮捕だ!」 犯人:「よし!無実だ!」 由美子:「・・・どうしてこんなことをしたんですか?」 発見者:「旦那様は普段はとても温厚で優しく、良いご主人様でした。でも・・・。」 由美子:「でも?」 発見者:「時々すごいお寝坊で。今日も昼になっても起きてこなくて。 発見者: わたしは毎日早起きして朝ごはん作って待ってるのに、食べもしないなんて。 発見者: そう思ったら腹が立って腹が立って、つい・・・。」 由美子:「すごい自分勝手で短絡的な理由だった!」 小早川:「そう・・・だったんですね。」 発見者:「はい・・・。すみません・・・。すみません、刑事さん。」 警部:「わたしは警部です。」 由美子:「どうでもいい・・・。」 警部:「え~、ヒトゴーマルマル、被疑者確保。」 犯人:「・・・まだ十四時四十八分ですけど?」 警部:「ヒトゴーマルマル、被疑者確保!」 犯人:「押し切った・・・。」 由美子:こうして今回の事件は幕を閉じたのでした。 0:時間経過 小早川:「どうだった?由美子ちゃん。僕の名推理は。」 由美子:「うん・・・。全部外れてたし、だいぶかき回してたね。」 小早川:「そう・・・かな?」 由美子:「うん。でも・・・、ちょっとかっこよかった・・・かな。」 小早川:「え!?ホントに!?やった~!」 由美子:「ふふ・・・。あ、そういえば、小早川君?」 小早川:「なに?由美子ちゃん。」 由美子:「結局、この島には何をしにきたの?」 小早川:「えとね、この島にはね。」 由美子:「うん。」 小早川:「カブトムシがいっぱいいるんだ!」 由美子:「・・・え?」 小早川:「由美子ちゃんのためにいっぱい捕まえるから待っててね!」 由美子:「え・・・、いらない・・・。」 小早川:「では!たったったったった。」 由美子:「・・・・・・早く帰りたいなぁ。」 警部:ぼ~(船の汽笛) 0:おわり