台本概要

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タイトル 敵に回してはいけない奴ら
作者名 ノイン  (@latimeria_Ya)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある仕事の依頼で偶然鉢合わせになった殺し屋の2人。しかし、それはどうやら仕組まれたものだった様で…

【ジャンル】サスペンス
【シリーズ】1作目
【アドリブ】演じられるキャラの性別に合わせて一人称や言い回し等、変更頂いて大丈夫です。

シナリオをご覧頂きありがとうございます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ヴォルフ 不問 76 銃全般を扱う殺し屋。言葉遣いが荒く一見やんちゃそうに見えるが真面目。
オルク 不問 74 刀やナイフを扱う殺し屋。言葉遣いが丁寧で一見大人しそうに見えるがとんでもない奴。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:とあるビルにて ヴォルフ:今回の標的は・・・あいつで間違いないな。 ヴォルフ:早い事終らせてとっとと帰るか。 0:標的に接触するヴォルフ ヴォルフ:どーも。あんたを殺しに来ましたー。 ヴォルフ:あぁ、動かない方が良い。楽に死にたいならな。 ヴォルフ:んじゃあ・・・・・あばよ。 0:銃声 0:銃弾が刀で斬られる オルク:そうはさせませんよ。 ヴォルフ:・・・っ!?俺の撃った弾を!? ヴォルフ:こいつ護衛がいやがったのか! オルク:私は護衛ではありません。 ヴォルフ:護衛じゃないだと? オルク:えぇ。 ヴォルフ:・・・・・俺と同業者か。 オルク:正解です。 オルク:あなたもこの方の始末に来たのですね。ですが、私の獲物を横取りされては困るのですよ。 ヴォルフ:横取りだぁ? ヴォルフ:俺も仕事だからな、それされて困んのはこっちも同じなんだよ。 オルク:なら仕方ありません。 オルク:私は刀、あなたは拳銃を所持していますね。 オルク:刀か銃。どちらで殺されるのが良いか、この方に選んで頂きましょう。 ヴォルフ:どっちも嫌って言ってんぞ。 ヴォルフ:まぁ、そりゃそうだわな。 オルク:死ぬ事は既に決まっているのですがね。せめてもと、救いの手を伸ばして差し上げたのに・・・ オルク:ではこうしましょう。 オルク:順番に少しずつ傷害を与えていき、この方が息絶えた時、その直前に傷害を与えていた方が始末をしたという事にしましょうか。 ヴォルフ:笑顔でえげつない事言ってんな。 ヴォルフ:もう一思いに殺ってやれよ。 オルク:おっと、標的さん?どちらへ行くのですか。 オルク:同業の方ともう少し話をしますので、あなたは少し横になって待っていて下さいね。(峰打ち) 0:峰打ちの音 オルク:安心しろ、峰打ちだ。・・・これ1度言ってみたかったんです!いつもはすぐ殺してしまうので、なかなか言う機会が無くて! ヴォルフ:お前、大人しそうな見た目してる割に色々と容赦ねぇな・・・・・てか最初とキャラ変わってんぞ。 オルク:冗談はさて置き、逃げられしまってはあなたも困るでしょう? オルク:まぁ、逃がしませんけど。 オルク:それより話を戻しますよ。 ヴォルフ:お、おう。 オルク:とはいえ、あなたとこのまま話し合いを続けていても埒(らち)が明きそうにありませんね。 ヴォルフ:こいつを殺す前に、先にお前を殺すって選択肢も俺にはあるぜ。 ヴォルフ:同業者なら、暗黙の了解がある事くらい知ってんだろ?お互い顔を見られた以上、どうせお前か俺のどちらかはここで死ぬ。 オルク:えぇ、もちろん。 オルク:ですが、私はあなたに聞きたい事がある。だから私はまだあなたを殺していない。 オルク:先に邪魔なものから排除しようという訳です。 ヴォルフ:まるで俺の事、殺そうと思えばいつでも殺せると言ってるようだな。虫唾が走る。 オルク:まぁそう言わず。 オルク:あなただって、私の事を殺すつもりがあるなら既に殺しにかかってきているでしょう? オルク:先程の発砲。1発でしたが、受け流した際に確信しました。 オルク:腕は確かなようです。私には分かる。 ヴォルフ:そりゃ褒めてもらってどーも。 ヴォルフ:んで、どうすんだよ? オルク:仕方ありませんが、この方がどちらか選んで下さらないのでじわじわ痛ぶって楽しむしか・・・! ヴォルフ:さっき言ってた事と趣旨変わってんぞ。しかも、ちょっと嬉しそうなのは俺の気のせいか? ヴォルフ:もしかしてサイコパスかお前。 オルク:そうと決まれば私からよろしいでしょうか? ヴォルフ:勝手に決めやがった・・・! ヴォルフ:まぁ、別にもうそれで構わねーよ。話し合いで解決出来そうもねーしな。 ヴォルフ:それに賭けみたいなもんだろ?いつ死ぬかなんてこいつの気力次第なとこあるし。 オルク:では始めましょうか。そうですね、まずは・・・ ヴォルフ:おい待て。 オルク:はい? ヴォルフ:はい?じゃねーよ!じわじわとだろ? ヴォルフ:いきなり急所狙ってどうすんだよ! オルク:・・・何の事でしょう? ヴォルフ:とぼけんなよ!分かりにくい場所だがそこは急所だろ! オルク:チッ・・・そうなんですか!知りませんでした! ヴォルフ:白々しいな。ってか今舌打ちしたか? オルク:いいえ。 ヴォルフ:お前がどういうやつか明確に分かったぞ。 オルク:仕切り直します。私は腹部でも刺しましょうかね。 0:腹部に刀を突き立てる オルク:痛いですか?あぁ、とても良い表情です! オルク:残念ですが悲鳴はお静かにお願いします。 オルク:こんなのまだ序の口ですよ!ほら、頑張って耐えて下さい!あ、別に死んで頂いても構いませんが!ははは! ヴォルフ:お前・・・流石の俺でも引くわ。 オルク:一瞬ですと物足りませんね・・・このままグリグリ抉(えぐ)ってみても良いですか? ヴォルフ:抉(えぐ)るな。 0:腹部から刀を引き抜く オルク:さぁ、まだ死んでないので次はあなたの番ですね。 ヴォルフ:はぁ・・・別に俺は痛ぶる趣味なんてねーんだが。脚にでも撃つか。 0:脚へ1発発砲する オルク:あぁ!とても痛そうですね!撃たれるのと刺されるの、どちらが痛いですか?私に教えて下さいよ! ヴォルフ:そんなに知りたいならお前にも撃ち込んでやろうか? オルク:すみませんつい悪い癖が!では、また私の番ですね! オルク:ところで・・・・・もうあなたも気付いているのでしょう? ヴォルフ:ん?ああ。 ヴォルフ:どいつもこいつも、気配と殺気を隠すのが下手だな。この部屋の外にざっと10人。向かいのビルに1人、隣のビルに2人。 オルク:私達人気者ですね。 ヴォルフ:こんな事で人気者になりたかねーよ。 ヴォルフ:・・・おい、ビルから狙撃してくるぞ。 0:銃声1発(2人を同時に狙った狙撃) ヴォルフ:どこ狙って撃ってんだよヘタクソ。 オルク:いやいや、ヘタクソって。あなたが化け物なだけですよ。 オルク:分かっていたとはいえ、あの銃弾を瞬時に避けるとは。 ヴォルフ:そういうお前も化け物じゃねぇか。 ヴォルフ:刀で弾が真っ二つだ。 オルク:いえ、それ程でも。 ヴォルフ:ハッ、涼しい顔しやがって。 オルク:どうやら、我々は嵌(は)められていたようですね。 ヴォルフ:あぁ。俺達に殺し合いをさせる事が目的だったんだろう。だが標的を2人で痛ぶり始め、なかなか殺し合いが始まらず焦って撃ってきたか。我慢が足りないな。 ヴォルフ:というか、最初から仕事もクソもなかったな。最悪だ。 オルク:同感です。 ヴォルフ:殺してやらないと気がすまねぇ。 ヴォルフ:て事で、お前との殺し合いは一旦お預けだ。 オルク:この際同盟を結ぶのはいかがでしょうか? オルク:あなたと私、良いパートナーになりそうですよ。 ヴォルフ:お前簡単に裏切りそうだからやだ。 オルク:心外ですね。 ヴォルフ:どの口が言うか。自分の行いを見直すんだな。 オルク:ふふふ。 ヴォルフ:だが、利害が一致してる今だけならその提案も悪くはない。 オルク:交渉成立ですね。 オルク:さぁ、皆殺しにして差し上げましょう。 0:戦闘シーン 0:銃声 ヴォルフ:ハッ、たった2人に大勢で寄ってたかってこの程度かよ!大した事ねーな! 0:刀の音 オルク:あまり意地悪を言わないであげて下さい? オルク:相手が悪かったんですよ。ふふっ、可哀想に。 ヴォルフ:お前も人の事言えねーだろうが。 0:銃声 0:戦闘終了 ヴォルフ:とりあえず、部屋の外にいた奴らはこれで全部だな。 オルク:えぇ、丁度10人。あなたの予想は当たっていましたね。 オルク:見えない敵の数まで当ててしまうなんて。 ヴォルフ:こいつらが気配と殺気を隠すのが下手過ぎるんだよ。 オルク:普通はそれだけで数までは当てられませんよ? ヴォルフ:まぁ、強いて言うなら耳と勘は良い方だな。 オルク:戦闘中、横目で見ていましたがあなたの動きには一切の無駄がない。 オルク:素晴らしいものです。 ヴォルフ:ずっと俺の事見てたのかよ!?怖いわ! オルク:本当に良い殺しの腕をお持ちで。 ヴォルフ:なんだよその笑顔は・・・褒めても何も出ねーぞ。 オルク:出してくれても良いんですよ? ヴォルフ:お前にだけはやめた方が良いと、俺の勘がそう言っている。 オルク:おやおや、それは残念です。 オルク:さて、残りは隣りと向かいのビルにいる狙撃手達ですね。 ヴォルフ:既に場所を変えてるだろうな。 オルク:えぇ。ちなみに、あのビルの構造は? ヴォルフ:把握済みだ。仕事で潜入する建物だけじゃなく、周りの建物の構造も全てな。 ヴォルフ:いざって時の為に、念には念を入れている。今日は当たりだ。 オルク:抜かりないですね。 オルク:ますますあなたの事を気に入りましたよ。 ヴォルフ:お前に気に入られるのはごめんだ。 オルク:おや、悲しいですねぇ。私何かしました? ヴォルフ:標的を痛ぶって楽しんだりしてたよなぁ?このサイコパス野郎。 オルク:酷い言われ様です。しくしく・・・ ヴォルフ:どの口が!あとそれウザいからやめろ! ヴォルフ:まぁ、奴らがどのルートで逃げるか大体予想はついてるぜ。 オルク:話が早くて助かります。 オルク:私は隣りのビルにいた2人を始末して来ます。 オルク:あなたはもう1つのビルにいた狙撃手をお願いします。 ヴォルフ:お前に指図されるのは気に食わないが・・・分かった。任されてやるよ。 オルク:片付いたら、そうですね・・・このポイントで合流しましょうか。 ヴォルフ:おう。 オルク:ふふっ、ではまた後程。 0:ヴォルフの肩を2回軽く叩くオルク ヴォルフ:なんだあいつ?やけに楽しそうだな。 0:狙撃手達に接触するオルク オルク:みぃーつけた。 0:刀の音(1人目殺害) オルク:この度はご依頼頂きまして誠にありがとうございます! オルク:話が違う?この裏切り者? オルク:アハッ・・・アハハハハハハッ! オルク:確かに、私が受けた依頼の内容は『殺し屋のヴォルフを始末して欲しい』というものでしたものね。 オルク:気が変わったんですよ~ オルク:あの人は私が想像していたより遥かに良い腕を持っていた!最高の殺し屋と言っても過言ではありません! オルク:私も最初は依頼通り殺そうとしていましたよ? オルク:ですが、あんなに素晴らしい人材を殺すのは惜しい!勿体ない! オルク:ですからあの殺し屋の変わりに・・・あなた方に死んで頂こうと思いまして! オルク:  オルク:あなた方を現場にお呼びしておいたお陰で、お互いが狙われている様に見せ掛け同盟まで結ぶ事が出来ました! オルク:途中焦って私の事も狙撃されましたが、殺せなくて残念でしたね。 オルク:  オルク:あなた方と私は、依頼人と請負人(うけおいにん)というだけの関係。 オルク:皆殺しにしてしまえば特に何の問題もありません。 オルク:まぁ、死人に口なしという事ですね! オルク:あの人にバレる事も無い。 オルク:  オルク:おっと、少々お喋りが過ぎました! オルク:向かいのビルにいる狙撃手が、余計な事を喋ってしまう前に殺さなければ。 オルク:まぁ、あの狙撃手には逃げる際のルートを教えていますから、多少の時間稼ぎにはなると思いますが。 オルク:  オルク:ともかく!あの人に巡り合わせてくれた事に感謝致します! オルク:そのお礼に、苦しまずに殺して差し上げましょうね。 オルク:それでは、さようなら。 0:刀の音(2人目殺害) オルク:さて・・・仕上げといきましょうか。 0:なぜか警察へ電話を掛けるオルク 0:  0:狙撃手の背後から現れるヴォルフ ヴォルフ:良いスナイパーライフルだな。もっとよく見せてくれよ。 0:狙撃手の頭に銃を突き付ける ヴォルフ:動くな。 ヴォルフ:このビルの構造は把握していたが、何故か索敵に意外と時間が掛かっちまった。 ヴォルフ:逃げ足だけは褒めてやるよ。 ヴォルフ:んでお前、俺の事撃った奴だな。 ヴォルフ:せっかく良い銃使ってるのに俺に命中させられなくて残念だったなぁ。 ヴォルフ:お前ら、俺の事嵌(は)めやがって。お陰で最悪の気分だ。 ヴォルフ:死を持って償え。 ヴォルフ:  ヴォルフ:ハッ、なんだよ。命乞いか? ヴォルフ:・・・・・・あいつが裏切った? ヴォルフ:おい、お前一体何を言ってる?あいつって誰だ? 0:狙撃手は何かを言いかけようとする オルク:まだ殺してなかったんですか? 0:オルクの投げたナイフが狙撃手の心臓に刺さる ヴォルフ:っ!?お前!? 0:パトカーのサイレン オルク:早く撤退した方が良さそうですよ。 ヴォルフ:・・・警察のお出ましか。 オルク:死体に気付いた警備員が通報したのでしょう。 オルク:このビルにも直(じき)に来るはずです。 ヴォルフ:チッ・・・行くぞ。 0:移動した2人 ヴォルフ:お前、どうして俺の居場所が分かった? オルク:あなたにGPSを着けさせて頂きました。超小型のね。 ヴォルフ:はぁ!?GPSだと!? ヴォルフ:・・・っ!俺の肩を叩いた時か!? オルク:えぇ。 ヴォルフ:俺とした事がっ・・・! オルク:何かの手違いで合流出来なかったら悲しいですからね。 ヴォルフ:別にそれならそれでもう良いわ! オルク:同盟を結んだ仲じゃありませんか!そんな寂しい事言わないで下さいよ~! ヴォルフ:一時的な同盟だろ!? ヴォルフ:俺達を嵌(は)めた奴らは全員始末したんだ、同盟はここまでだ。良いな? オルク:嫌です! ヴォルフ:はぁ!? オルク:困りましたね~!同盟の解消にもお互いの同意が必要ですよ? ヴォルフ:この同盟は終わりだ終わり!今すぐ殺し合いだ! オルク:あなたが同盟を解消したくても、私は嫌なので諦めて下さ~い! オルク:殺し合いもしません! ヴォルフ:嘘だろ!? オルク:嘘じゃありませんよ。 ヴォルフ:はぁーーー(頭を抱える) ヴォルフ:まぁ、迂闊(うかつ)に同盟を結んだ俺も悪いな。 オルク:おや、案外素直に受け入れるんですね。 オルク:そんな所も素敵です! ヴォルフ:うるせぇ!俺は帰る! 0:そそくさと歩き出すヴォルフ ヴォルフ:おい、付いてくんな! オルク:せっかく同盟を結んだんですから仲良くしましょうよ! オルク:あ、シェアハウスなんてどうですか!私憧れてたんですよね~! ヴォルフ:ふざけんな!お前とシェアハウスする物好きなんてどこにもいねーよ! オルク:そんな事言わずに~! オルク:待って下さいよ~~~ヴォルフさん♪ 0:足を止めるヴォルフ ヴォルフ:・・・俺、名乗って無いよな。 オルク:実は私・・・あなたの大ファンでして!実際にお会いできて光栄です! オルク:あ!私だけ名前を知ってるのもあれですよね!私はオルクと申します! ヴォルフ:・・・・・・・。 オルク:おや、そんな怖い顔しないで下さいよ。冗談ですから。 オルク:敵の持っていたデータを少し拝見しましてね。そこであなたの名前を知りました。 オルク:データチップは破壊しておきましたので、警察に我々の情報が知られる事はありません。ご安心下さい。 ヴォルフ:俺が始末するはずだったあの狙撃手が『あいつが裏切った』とか何とかボヤいてたな。 ヴォルフ:お前が殺しやがったから聞き損ねちまったじゃねーかよ。 オルク:そうなんですか?それはすみませんでした。 オルク:う~ん、仲間割れでもしたんじゃないですかね? ヴォルフ:なんか引っかかんだよ。 オルク:私は興味ありません。 ヴォルフ:・・・・・・だああぁ!分かんねぇ! ヴォルフ:はぁー。まぁ終わった事だ。もう良いわ。 オルク:そうですか。 ヴォルフ:で、付いてくんなって言ってもどうせ付いて来るんだろ? ヴォルフ:もう好きにしろ。 オルク:ヤケクソですね。 ヴォルフ:そうしないとこの先やってけねーよ。 ヴォルフ:お前に何言っても無駄そうだし。 オルク:私の事、良く分かってるじゃありませんか! ヴォルフ:分かりたくなかったけどなっ! ヴォルフ:とにかく俺は帰る! オルク:はい!では付いて行きますね! ヴォルフ:へいへい。 0:  オルク:「あなたはなーんにも知らなくて良いんですよ。ふふふ・・・」 0:Fin

0:とあるビルにて ヴォルフ:今回の標的は・・・あいつで間違いないな。 ヴォルフ:早い事終らせてとっとと帰るか。 0:標的に接触するヴォルフ ヴォルフ:どーも。あんたを殺しに来ましたー。 ヴォルフ:あぁ、動かない方が良い。楽に死にたいならな。 ヴォルフ:んじゃあ・・・・・あばよ。 0:銃声 0:銃弾が刀で斬られる オルク:そうはさせませんよ。 ヴォルフ:・・・っ!?俺の撃った弾を!? ヴォルフ:こいつ護衛がいやがったのか! オルク:私は護衛ではありません。 ヴォルフ:護衛じゃないだと? オルク:えぇ。 ヴォルフ:・・・・・俺と同業者か。 オルク:正解です。 オルク:あなたもこの方の始末に来たのですね。ですが、私の獲物を横取りされては困るのですよ。 ヴォルフ:横取りだぁ? ヴォルフ:俺も仕事だからな、それされて困んのはこっちも同じなんだよ。 オルク:なら仕方ありません。 オルク:私は刀、あなたは拳銃を所持していますね。 オルク:刀か銃。どちらで殺されるのが良いか、この方に選んで頂きましょう。 ヴォルフ:どっちも嫌って言ってんぞ。 ヴォルフ:まぁ、そりゃそうだわな。 オルク:死ぬ事は既に決まっているのですがね。せめてもと、救いの手を伸ばして差し上げたのに・・・ オルク:ではこうしましょう。 オルク:順番に少しずつ傷害を与えていき、この方が息絶えた時、その直前に傷害を与えていた方が始末をしたという事にしましょうか。 ヴォルフ:笑顔でえげつない事言ってんな。 ヴォルフ:もう一思いに殺ってやれよ。 オルク:おっと、標的さん?どちらへ行くのですか。 オルク:同業の方ともう少し話をしますので、あなたは少し横になって待っていて下さいね。(峰打ち) 0:峰打ちの音 オルク:安心しろ、峰打ちだ。・・・これ1度言ってみたかったんです!いつもはすぐ殺してしまうので、なかなか言う機会が無くて! ヴォルフ:お前、大人しそうな見た目してる割に色々と容赦ねぇな・・・・・てか最初とキャラ変わってんぞ。 オルク:冗談はさて置き、逃げられしまってはあなたも困るでしょう? オルク:まぁ、逃がしませんけど。 オルク:それより話を戻しますよ。 ヴォルフ:お、おう。 オルク:とはいえ、あなたとこのまま話し合いを続けていても埒(らち)が明きそうにありませんね。 ヴォルフ:こいつを殺す前に、先にお前を殺すって選択肢も俺にはあるぜ。 ヴォルフ:同業者なら、暗黙の了解がある事くらい知ってんだろ?お互い顔を見られた以上、どうせお前か俺のどちらかはここで死ぬ。 オルク:えぇ、もちろん。 オルク:ですが、私はあなたに聞きたい事がある。だから私はまだあなたを殺していない。 オルク:先に邪魔なものから排除しようという訳です。 ヴォルフ:まるで俺の事、殺そうと思えばいつでも殺せると言ってるようだな。虫唾が走る。 オルク:まぁそう言わず。 オルク:あなただって、私の事を殺すつもりがあるなら既に殺しにかかってきているでしょう? オルク:先程の発砲。1発でしたが、受け流した際に確信しました。 オルク:腕は確かなようです。私には分かる。 ヴォルフ:そりゃ褒めてもらってどーも。 ヴォルフ:んで、どうすんだよ? オルク:仕方ありませんが、この方がどちらか選んで下さらないのでじわじわ痛ぶって楽しむしか・・・! ヴォルフ:さっき言ってた事と趣旨変わってんぞ。しかも、ちょっと嬉しそうなのは俺の気のせいか? ヴォルフ:もしかしてサイコパスかお前。 オルク:そうと決まれば私からよろしいでしょうか? ヴォルフ:勝手に決めやがった・・・! ヴォルフ:まぁ、別にもうそれで構わねーよ。話し合いで解決出来そうもねーしな。 ヴォルフ:それに賭けみたいなもんだろ?いつ死ぬかなんてこいつの気力次第なとこあるし。 オルク:では始めましょうか。そうですね、まずは・・・ ヴォルフ:おい待て。 オルク:はい? ヴォルフ:はい?じゃねーよ!じわじわとだろ? ヴォルフ:いきなり急所狙ってどうすんだよ! オルク:・・・何の事でしょう? ヴォルフ:とぼけんなよ!分かりにくい場所だがそこは急所だろ! オルク:チッ・・・そうなんですか!知りませんでした! ヴォルフ:白々しいな。ってか今舌打ちしたか? オルク:いいえ。 ヴォルフ:お前がどういうやつか明確に分かったぞ。 オルク:仕切り直します。私は腹部でも刺しましょうかね。 0:腹部に刀を突き立てる オルク:痛いですか?あぁ、とても良い表情です! オルク:残念ですが悲鳴はお静かにお願いします。 オルク:こんなのまだ序の口ですよ!ほら、頑張って耐えて下さい!あ、別に死んで頂いても構いませんが!ははは! ヴォルフ:お前・・・流石の俺でも引くわ。 オルク:一瞬ですと物足りませんね・・・このままグリグリ抉(えぐ)ってみても良いですか? ヴォルフ:抉(えぐ)るな。 0:腹部から刀を引き抜く オルク:さぁ、まだ死んでないので次はあなたの番ですね。 ヴォルフ:はぁ・・・別に俺は痛ぶる趣味なんてねーんだが。脚にでも撃つか。 0:脚へ1発発砲する オルク:あぁ!とても痛そうですね!撃たれるのと刺されるの、どちらが痛いですか?私に教えて下さいよ! ヴォルフ:そんなに知りたいならお前にも撃ち込んでやろうか? オルク:すみませんつい悪い癖が!では、また私の番ですね! オルク:ところで・・・・・もうあなたも気付いているのでしょう? ヴォルフ:ん?ああ。 ヴォルフ:どいつもこいつも、気配と殺気を隠すのが下手だな。この部屋の外にざっと10人。向かいのビルに1人、隣のビルに2人。 オルク:私達人気者ですね。 ヴォルフ:こんな事で人気者になりたかねーよ。 ヴォルフ:・・・おい、ビルから狙撃してくるぞ。 0:銃声1発(2人を同時に狙った狙撃) ヴォルフ:どこ狙って撃ってんだよヘタクソ。 オルク:いやいや、ヘタクソって。あなたが化け物なだけですよ。 オルク:分かっていたとはいえ、あの銃弾を瞬時に避けるとは。 ヴォルフ:そういうお前も化け物じゃねぇか。 ヴォルフ:刀で弾が真っ二つだ。 オルク:いえ、それ程でも。 ヴォルフ:ハッ、涼しい顔しやがって。 オルク:どうやら、我々は嵌(は)められていたようですね。 ヴォルフ:あぁ。俺達に殺し合いをさせる事が目的だったんだろう。だが標的を2人で痛ぶり始め、なかなか殺し合いが始まらず焦って撃ってきたか。我慢が足りないな。 ヴォルフ:というか、最初から仕事もクソもなかったな。最悪だ。 オルク:同感です。 ヴォルフ:殺してやらないと気がすまねぇ。 ヴォルフ:て事で、お前との殺し合いは一旦お預けだ。 オルク:この際同盟を結ぶのはいかがでしょうか? オルク:あなたと私、良いパートナーになりそうですよ。 ヴォルフ:お前簡単に裏切りそうだからやだ。 オルク:心外ですね。 ヴォルフ:どの口が言うか。自分の行いを見直すんだな。 オルク:ふふふ。 ヴォルフ:だが、利害が一致してる今だけならその提案も悪くはない。 オルク:交渉成立ですね。 オルク:さぁ、皆殺しにして差し上げましょう。 0:戦闘シーン 0:銃声 ヴォルフ:ハッ、たった2人に大勢で寄ってたかってこの程度かよ!大した事ねーな! 0:刀の音 オルク:あまり意地悪を言わないであげて下さい? オルク:相手が悪かったんですよ。ふふっ、可哀想に。 ヴォルフ:お前も人の事言えねーだろうが。 0:銃声 0:戦闘終了 ヴォルフ:とりあえず、部屋の外にいた奴らはこれで全部だな。 オルク:えぇ、丁度10人。あなたの予想は当たっていましたね。 オルク:見えない敵の数まで当ててしまうなんて。 ヴォルフ:こいつらが気配と殺気を隠すのが下手過ぎるんだよ。 オルク:普通はそれだけで数までは当てられませんよ? ヴォルフ:まぁ、強いて言うなら耳と勘は良い方だな。 オルク:戦闘中、横目で見ていましたがあなたの動きには一切の無駄がない。 オルク:素晴らしいものです。 ヴォルフ:ずっと俺の事見てたのかよ!?怖いわ! オルク:本当に良い殺しの腕をお持ちで。 ヴォルフ:なんだよその笑顔は・・・褒めても何も出ねーぞ。 オルク:出してくれても良いんですよ? ヴォルフ:お前にだけはやめた方が良いと、俺の勘がそう言っている。 オルク:おやおや、それは残念です。 オルク:さて、残りは隣りと向かいのビルにいる狙撃手達ですね。 ヴォルフ:既に場所を変えてるだろうな。 オルク:えぇ。ちなみに、あのビルの構造は? ヴォルフ:把握済みだ。仕事で潜入する建物だけじゃなく、周りの建物の構造も全てな。 ヴォルフ:いざって時の為に、念には念を入れている。今日は当たりだ。 オルク:抜かりないですね。 オルク:ますますあなたの事を気に入りましたよ。 ヴォルフ:お前に気に入られるのはごめんだ。 オルク:おや、悲しいですねぇ。私何かしました? ヴォルフ:標的を痛ぶって楽しんだりしてたよなぁ?このサイコパス野郎。 オルク:酷い言われ様です。しくしく・・・ ヴォルフ:どの口が!あとそれウザいからやめろ! ヴォルフ:まぁ、奴らがどのルートで逃げるか大体予想はついてるぜ。 オルク:話が早くて助かります。 オルク:私は隣りのビルにいた2人を始末して来ます。 オルク:あなたはもう1つのビルにいた狙撃手をお願いします。 ヴォルフ:お前に指図されるのは気に食わないが・・・分かった。任されてやるよ。 オルク:片付いたら、そうですね・・・このポイントで合流しましょうか。 ヴォルフ:おう。 オルク:ふふっ、ではまた後程。 0:ヴォルフの肩を2回軽く叩くオルク ヴォルフ:なんだあいつ?やけに楽しそうだな。 0:狙撃手達に接触するオルク オルク:みぃーつけた。 0:刀の音(1人目殺害) オルク:この度はご依頼頂きまして誠にありがとうございます! オルク:話が違う?この裏切り者? オルク:アハッ・・・アハハハハハハッ! オルク:確かに、私が受けた依頼の内容は『殺し屋のヴォルフを始末して欲しい』というものでしたものね。 オルク:気が変わったんですよ~ オルク:あの人は私が想像していたより遥かに良い腕を持っていた!最高の殺し屋と言っても過言ではありません! オルク:私も最初は依頼通り殺そうとしていましたよ? オルク:ですが、あんなに素晴らしい人材を殺すのは惜しい!勿体ない! オルク:ですからあの殺し屋の変わりに・・・あなた方に死んで頂こうと思いまして! オルク:  オルク:あなた方を現場にお呼びしておいたお陰で、お互いが狙われている様に見せ掛け同盟まで結ぶ事が出来ました! オルク:途中焦って私の事も狙撃されましたが、殺せなくて残念でしたね。 オルク:  オルク:あなた方と私は、依頼人と請負人(うけおいにん)というだけの関係。 オルク:皆殺しにしてしまえば特に何の問題もありません。 オルク:まぁ、死人に口なしという事ですね! オルク:あの人にバレる事も無い。 オルク:  オルク:おっと、少々お喋りが過ぎました! オルク:向かいのビルにいる狙撃手が、余計な事を喋ってしまう前に殺さなければ。 オルク:まぁ、あの狙撃手には逃げる際のルートを教えていますから、多少の時間稼ぎにはなると思いますが。 オルク:  オルク:ともかく!あの人に巡り合わせてくれた事に感謝致します! オルク:そのお礼に、苦しまずに殺して差し上げましょうね。 オルク:それでは、さようなら。 0:刀の音(2人目殺害) オルク:さて・・・仕上げといきましょうか。 0:なぜか警察へ電話を掛けるオルク 0:  0:狙撃手の背後から現れるヴォルフ ヴォルフ:良いスナイパーライフルだな。もっとよく見せてくれよ。 0:狙撃手の頭に銃を突き付ける ヴォルフ:動くな。 ヴォルフ:このビルの構造は把握していたが、何故か索敵に意外と時間が掛かっちまった。 ヴォルフ:逃げ足だけは褒めてやるよ。 ヴォルフ:んでお前、俺の事撃った奴だな。 ヴォルフ:せっかく良い銃使ってるのに俺に命中させられなくて残念だったなぁ。 ヴォルフ:お前ら、俺の事嵌(は)めやがって。お陰で最悪の気分だ。 ヴォルフ:死を持って償え。 ヴォルフ:  ヴォルフ:ハッ、なんだよ。命乞いか? ヴォルフ:・・・・・・あいつが裏切った? ヴォルフ:おい、お前一体何を言ってる?あいつって誰だ? 0:狙撃手は何かを言いかけようとする オルク:まだ殺してなかったんですか? 0:オルクの投げたナイフが狙撃手の心臓に刺さる ヴォルフ:っ!?お前!? 0:パトカーのサイレン オルク:早く撤退した方が良さそうですよ。 ヴォルフ:・・・警察のお出ましか。 オルク:死体に気付いた警備員が通報したのでしょう。 オルク:このビルにも直(じき)に来るはずです。 ヴォルフ:チッ・・・行くぞ。 0:移動した2人 ヴォルフ:お前、どうして俺の居場所が分かった? オルク:あなたにGPSを着けさせて頂きました。超小型のね。 ヴォルフ:はぁ!?GPSだと!? ヴォルフ:・・・っ!俺の肩を叩いた時か!? オルク:えぇ。 ヴォルフ:俺とした事がっ・・・! オルク:何かの手違いで合流出来なかったら悲しいですからね。 ヴォルフ:別にそれならそれでもう良いわ! オルク:同盟を結んだ仲じゃありませんか!そんな寂しい事言わないで下さいよ~! ヴォルフ:一時的な同盟だろ!? ヴォルフ:俺達を嵌(は)めた奴らは全員始末したんだ、同盟はここまでだ。良いな? オルク:嫌です! ヴォルフ:はぁ!? オルク:困りましたね~!同盟の解消にもお互いの同意が必要ですよ? ヴォルフ:この同盟は終わりだ終わり!今すぐ殺し合いだ! オルク:あなたが同盟を解消したくても、私は嫌なので諦めて下さ~い! オルク:殺し合いもしません! ヴォルフ:嘘だろ!? オルク:嘘じゃありませんよ。 ヴォルフ:はぁーーー(頭を抱える) ヴォルフ:まぁ、迂闊(うかつ)に同盟を結んだ俺も悪いな。 オルク:おや、案外素直に受け入れるんですね。 オルク:そんな所も素敵です! ヴォルフ:うるせぇ!俺は帰る! 0:そそくさと歩き出すヴォルフ ヴォルフ:おい、付いてくんな! オルク:せっかく同盟を結んだんですから仲良くしましょうよ! オルク:あ、シェアハウスなんてどうですか!私憧れてたんですよね~! ヴォルフ:ふざけんな!お前とシェアハウスする物好きなんてどこにもいねーよ! オルク:そんな事言わずに~! オルク:待って下さいよ~~~ヴォルフさん♪ 0:足を止めるヴォルフ ヴォルフ:・・・俺、名乗って無いよな。 オルク:実は私・・・あなたの大ファンでして!実際にお会いできて光栄です! オルク:あ!私だけ名前を知ってるのもあれですよね!私はオルクと申します! ヴォルフ:・・・・・・・。 オルク:おや、そんな怖い顔しないで下さいよ。冗談ですから。 オルク:敵の持っていたデータを少し拝見しましてね。そこであなたの名前を知りました。 オルク:データチップは破壊しておきましたので、警察に我々の情報が知られる事はありません。ご安心下さい。 ヴォルフ:俺が始末するはずだったあの狙撃手が『あいつが裏切った』とか何とかボヤいてたな。 ヴォルフ:お前が殺しやがったから聞き損ねちまったじゃねーかよ。 オルク:そうなんですか?それはすみませんでした。 オルク:う~ん、仲間割れでもしたんじゃないですかね? ヴォルフ:なんか引っかかんだよ。 オルク:私は興味ありません。 ヴォルフ:・・・・・・だああぁ!分かんねぇ! ヴォルフ:はぁー。まぁ終わった事だ。もう良いわ。 オルク:そうですか。 ヴォルフ:で、付いてくんなって言ってもどうせ付いて来るんだろ? ヴォルフ:もう好きにしろ。 オルク:ヤケクソですね。 ヴォルフ:そうしないとこの先やってけねーよ。 ヴォルフ:お前に何言っても無駄そうだし。 オルク:私の事、良く分かってるじゃありませんか! ヴォルフ:分かりたくなかったけどなっ! ヴォルフ:とにかく俺は帰る! オルク:はい!では付いて行きますね! ヴォルフ:へいへい。 0:  オルク:「あなたはなーんにも知らなくて良いんですよ。ふふふ・・・」 0:Fin