台本概要

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タイトル 殺し屋の毒蝶
作者名 ノイン  (@latimeria_Ya)
ジャンル その他
演者人数 4人用台本(不問4)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 情報屋のクロウから依頼を受けたヴォルフとオルク。潜入したマフィアのアジトで資料には無い謎の人物と出会う…

【ジャンル】サスペンス
【シリーズ】3作目
【アドリブ】演じられるキャラの性別に合わせて一人称や言い回し等、変更頂いて大丈夫です。

【登場人物の関係性】
ヴォルフ←同盟→オルク
ヴォルフ・オルク←契約→クロウ

シナリオをご覧頂きありがとうございます。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ヴォルフ 不問 81 銃全般を扱う殺し屋。一見やんちゃそうに見えるが意外と真面目。素直(やけくそ)で可愛い奴である。
オルク 不問 68 刀やナイフを扱う殺し屋。言葉遣いが丁寧で一見真面目そうに見えるがとんでもない奴。涼しい顔しながら煽ったりするタイプ。
クロウ ↔ パッセル 不問 - 【二重人格】 クロウ → 元殺し屋の情報屋。パッセルの事を大切にしているがそれを隠している。ツンデレである。 パッセル → 一般社会の中で生活している。皆の唯一の癒し。
モルフォ 不問 27 毒を扱う殺し屋で変装も得意。温和でマイペース。そして、ちょっと特殊な思考の持ち主。 ※今回モルフォはマフィアメンバーに変装しているので、そちらもお読み下さい。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:拷問を受けるオルク マフィアメンバー:で?どうやって情報を入手した? オルク:さぁ、どうやってでしょうね? マフィアメンバー:ヤクの取り引き以外で外部の奴に情報が漏れたのは初めてだ。 オルク:へぇ~~~そうなんですか。組織の質が落ちたのでは? オルク:あなた方はうじゃうじゃと群れていらっしゃるようですし、外部に情報を漏らしてしまった無能のお仲間の1人や2人くらいいるでしょう。 マフィアメンバー:もう1発いくか。(殴る) オルク:・・・っ。 マフィアメンバー:お前、まだ自分の立場が分かってないようだな。 オルク:立場ならちゃんと分かってますよ。 マフィアメンバー:ほら、死にたくないなら答えろ。 オルク:ハハッ、ご冗談を!こんな生ぬるい拷問では私を殺す事は出来ませんよ。 マフィアメンバー:生ぬるいねぇ・・・ オルク:鎖、外して下さいよ。拷問の仕方を私が手取り足取り教えて差しあげましょう。 マフィアメンバー:なら、これはどうだっ!(強く殴る) オルク:グハッ・・・!?ゲホッ、ゴホッ・・・ マフィアメンバー:ハッ、手加減してやったら調子に乗りやがって。 オルク:ははは・・・今のは・・・良いところに入りましたね・・・ マフィアメンバー:御託(ごたく)はいらねーんだよ。早く吐かないと、お前ほんとに死ぬぞ? オルク:私、おしゃべりは好きですけど意外と口は堅い方なんです。 マフィアメンバー:そうかよっ。(強く殴る) オルク:グッ・・・ゲホッ、ゲホッ・・・ オルク:でしたら・・・ドラッグの流通ルートのひとつやふたつくらい教えて下さいよ。 マフィアメンバー:はい分かりましたって教える馬鹿がどこにいる? オルク:そうですよねぇ。私もあなたと同じです。 マフィアメンバー:チッ・・・時間だ。1時間後にまた来る。 0:扉が閉まる音 オルク:・・・・・・・・・・・クソッ。アイツ覚えてろよ。後で絶対殺してやる。 オルク:にしてもあの情報屋・・・こんなふざけた計画立てやがって・・・ 0:数日前 パッセル:ヴォルフさん、オルクさん!来ました! ヴォルフ:おぉ、待ってたぜ。 オルク:どうもです、パッセルさん。 パッセル:今回は珍しく皆さん一緒にお仕事されるんですね。 ヴォルフ:確かに3人で仕事すんのは初めてだな。 オルク:初めての共同作業ですね! ヴォルフ:言い方な。 パッセル:クロウがお2人に声を掛けるくらいですから、きっと危険で難しい仕事だと思いますが・・・無事に終わる事を祈っています。 ヴォルフ:ありがとな、パッセル。 オルク:ありがとうございます。 パッセル:じゃあ、早速変わりますね!クロウの事よろしくお願いします。 ヴォルフ:おう。 0:人格がクロウに変わる クロウ:・・・・・・・・・さぁ、仕事の話といこうか。 ヴォルフ:やっぱりこの瞬間はいつになっても慣れねぇな。 クロウ:もう慣れてる頃だと思ったけど? オルク:1人の人間に2つの人格が存在しているなんてとても稀な事ですからね。 オルク:しかも片方は元殺し屋の情報屋ですよ。 ヴォルフ:改めて言い連ねると怖ぇーな。 クロウ:無駄口叩いてないで話を戻すよ。 0:資料を取り出すクロウ クロウ:さて、このマフィアが今回の標的だ。 ヴォルフ:マフィアねぇー。 クロウ:こいつらはドラッグを取り扱っている。 クロウ:メンバーの数も多い。けど、まだ誰も捕まった事がない。 クロウ:はっきり言って優秀。少々厄介な相手だね。 オルク:クロウさんがそう言うのなら本当なのでしょう。 クロウ:お前達にはこのマフィアの抹殺を頼みたい。 クロウ:アジトやメンバー諸々の情報は既に掴んであるよ。 オルク:そんな入手が困難そうな情報よく掴みましたね。 クロウ:一応情報屋だからね。 ヴォルフ:一応で出来る事じゃないと思うぞ・・・ ヴォルフ:まぁ、アジトの場所さえ分かってるならあとは乗り込むだけだな。 クロウ:だけどここで1つ問題が。マフィアのボスがなかなか尻尾を出してくれなくてね。 クロウ:という事で、オルク。 オルク:はい、なんでしょう? クロウ:アジトに潜入して欲しい。 オルク:潜入捜査ですか。 クロウ:そうだね。そして捕まってくれ。 オルク:ん?今何と? クロウ:間抜けに捕まってくれ。 ヴォルフ:ぷっ・・・(笑) オルク:なぜ余計なひと言を付け足したんですか? クロウ:情報が外部に漏れた事を認知させる。 クロウ:お前が捕まる事で更に騒ぎになり、ボスも動くはずだ。 オルク:つまり私に餌になれと? クロウ:理解が早くて助かるよ。 ヴォルフ:良かったなオルク!大役じゃねーか! クロウ:捕まれば拷問を受ける事になるだろうけど大丈夫。 クロウ:重要人物のお前をいきなり殺したりはしないさ。 オルク:それなら私より体力のあるヴォルフさんの方が適任だと思いますが? ヴォルフ:いや、お前も大概体力あるからな。 クロウ:ヴォルフには別の役割を与える。 クロウ:遠距離からの狙撃はお前の専門外だろう。 オルク:確かに銃は専門外ですが・・・ クロウ:敵の数は多いけど、問題ないね? ヴォルフ:当たり前だ。 クロウ:決まりだね。 オルク:私の意見は無視ですけどね。 ヴォルフ:まぁ頑張れよオルク、すぐ迎えに行ってやるから。 オルク:途中で野垂れ死にしないで下さいよ? ヴォルフ:俺の腕はお前も良く知ってるだろ。 クロウ:索敵や建物のセキュリティ解除は僕がサポートする。 クロウ:じゃあ、よろしく頼むよ。 0:作戦決行日 ヴォルフ:こちらヴォルフ、ポイントに着いた。聞こえるか? クロウ:あぁ、回線に問題はないね。 ヴォルフ:ボスってあいつか?あの偉そうにしてる奴。 クロウ:ようやく姿を見せたね。外すなよ。 ヴォルフ:俺を誰だと思ってんだよ。 ヴォルフ:作戦を開始する。 0:狙撃 ヴォルフ:ヒット。 クロウ:あらら、周りの奴ら焦っちゃって。 ヴォルフ:よし、乗り込む。 クロウ:アジトの扉にはいくつかセキュリティシステムが施されているけど、その権限は既にこちらが握っている。 クロウ:解除もロックも僕の思うがままだ。 ヴォルフ:頼もしいねぇ。んじゃ、ぱぱっと片付けて来るわ。 クロウ:1人も逃すな。 ヴォルフ:おうよ。 0:激しい銃声 ヴォルフ:ドラッグの取り引きのみを請け負ってる奴らだけかと思ってたが、中には戦闘技術を身に付けてる奴もいるな。少し関心した。 クロウ:関心する暇があるなんて余裕だね。 ヴォルフ:まぁ俺には劣るからな。 クロウ:その通路を曲がった部屋にオルクがいる。 ヴォルフ:この部屋か。オラァッ! 0:扉が壊れる音 ヴォルフ:どーも、殺し屋でーす。お前らを抹殺しに来ましたー。 ヴォルフ:ついでにそこに拘束されてる奴の回収もな。 0:激しい銃声 クロウ:ヴォルフ、今仕留めた奴で最後だ。 ヴォルフ:よし、仕事おーわりっ! クロウ:お疲れ様。じゃあ速やかに撤退して。 ヴォルフ:了解。お~いオルク、生きてるかぁ? オルク:・・・遅いんですよ。 ヴォルフ:おいおい、ここ来るまでに俺がどんだけの奴ら相手にしたと思ってんだよ。無茶言うな。 ヴォルフ:これでも急いだ方なんだせ。 オルク:・・・そんな事知りませんよ。 ヴォルフ:こいつひねくれてやがる。 ヴォルフ:ほら、帰るぞ。肩貸してやる。 オルク:・・・結構です。1人で歩けます。 0:足音 ヴォルフ:っ、足音!? 0:敵に囲まれるヴォルフとオルク ヴォルフ:はぁ!?まだこんなに敵がいたのかよ、聞いてねぇーぞ!?あいつミスったか!? オルク:おや・・・囲まれてしまいましたね。 ヴォルフ:おいクロウ!まだ敵がいたぞ! 0:回線は切れている ヴォルフ:クソッ、あいつ回線切ってやがる!どうする俺、オルクを庇いながらいけるか? オルク:ハハハッ、私を庇うなんてお優しいですね。あ、そうだ。次はあなたも拷問を受けてみます? ヴォルフ:おい!こんな時に冗談言うのやめろ!今のお前はお荷物だって言ってんだよ! オルク:マフィアの皆さ~ん。この人、拷問体験希望らしいです~! ヴォルフ:おぅおぅ、まだまだ元気そうだなぁ。置き去りにしてってもいいか? オルク:とびきり痛いやつでお願いしま~す! ヴォルフ:お前なぁ! 0:いきなり次々と倒れていく敵 オルク:・・・! ヴォルフ:な、何だ・・・!?敵が倒れていく・・・! オルク:・・・一体何が起こっているんですか? 0:暗闇から人影が現れる マフィアメンバー:お疲れ様。 ヴォルフ:誰だ!? マフィアメンバー:ヴォルフとオルクだな。 ヴォルフ:どうして俺達の名前を知ってる? オルク:っ、お前は・・・! ヴォルフ:なんだ?知り合いか? オルク:私の事を拷問した奴です。 オルク:ヴォルフさん、私の刀を下さい。 ヴォルフ:お前戦闘どころじゃねぇだろ? オルク:こいつだけは絶対に私の手で殺すって決めてるんです。 マフィアメンバー:やはり怒ってるか。まぁ無理もない。 マフィアメンバー:だが、俺を殺すのは止めておいた方が良い。 オルク:どうしたんです?怖気付き(おじけづき)ましたか? マフィアメンバー:あぁ、もうこの顔でいる必要は無いか。 0:マスクを剥がすマフィアメンバー モルフォ:・・・ぷはぁ!やっぱり変装用のマスクは息苦しいな~! オルク:変装・・・ モルフォ:安心して、僕は君達の味方だから。今までのは全部演技だよ。 ヴォルフ:どういう事だ? オルク:あなたはマフィアのメンバーでは無いと? モルフォ:そうだよ。目的も君達と同じ。 モルフォ:そして僕は、君が来るよりも少し前からこのアジトに潜入していたんだ。 オルク:私の事は最初から知っていたんですね。 モルフォ:あの時はごめんね。変装した奴が拷問担当の奴でさ。他のメンバーの前だったから手を抜く訳にもいかなかったんだ。 モルフォ:骨にヒビ入れる程度で抑えてあげたんだから許してくれないかな? モルフォ:力加減調節するの結構難しいんだよ? ヴォルフ:オルク、お前骨にヒビ入ってんのか。 ヴォルフ:そんなんで良く立ってられんな。 モルフォ:それにさ、君煽ってくるんだもん。 モルフォ:あんな煽り方されたら、もうやるしか無いよね。 ヴォルフ:お前なんで煽ったんだよ。アホなの? モルフォ:とりあえず、詳しい話はクロウと合流してからね。 オルク:なぜクロウさんの名前を? モルフォ:2人とも付いておいで。こっちだよ。 ヴォルフ:・・・・・・今のあいつからは敵意も殺気も感じられないが、どうする? オルク:クロウさんの名前を出したのが非常に気になりますね。ひとまず付いていきましょうか。 0:ヴォルフの家の前に着く モルフォ:戻ったよクロウ。 ヴォルフ:まさかとは思ってたが・・・俺の家じゃねーかっ! クロウ:3人ともご苦労様。 クロウ:オルクはちゃんと生きてるね。良かった良かった。 オルク:ご心配どうも。 ヴォルフ:おいクロウ!この状況はどういう事か説明しろ! ヴォルフ:あとお前、敵の数騙しただろ!? クロウ:びっくりした? ヴォルフ:ふざけんな!こっちは命掛かってんだよ! クロウ:ちょっとしたサプライズだよ。 クロウ:どちらにしろ、今回の仕事はいくらお前達とはいえ2人じゃ無理だったからね。 オルク:私は餌役だったので、実質ヴォルフさんだけでしたけどね。 ヴォルフ:んで、こいつ誰なんだよ? クロウ:安心して良い、僕とパッセルの知り合いだよ。 クロウ:助っ人としてこの仕事に呼んだんだ。 オルク:助っ人・・・ですか。 クロウ:紹介しよう。こいつはモルフォ。 モルフォ:どうも!改めて、初めまして。よろしくね。 クロウ:ところでお前達、腹は減ってない? ヴォルフ:唐突だな。 クロウ:モルフォの作る料理はとても美味しいんだ。 クロウ:ヴォルフとオルクにも振舞ってやってくれないか? モルフォ:うん、良いよ。 ヴォルフ:一応言っておくけどここ俺の家な!? クロウ:細かい話は食事でもしながら話そう。 ヴォルフ:無視すんな! モルフォ:ヴォルフ、食材借りるね! ヴォルフ:お、おう。まぁ別に良いけどよ・・・ クロウ:オルク、こっちにおいで。怪我の手当をしてあげよう。 オルク:・・・・・・はい。 0:オルクを手当するクロウ ヴォルフ:骨にヒビ入ってるらしいし、これじゃしばらくは仕事出来そうにねぇな。 クロウ:働きに見合った報酬は出すよ。 クロウ:だから治るまでは安静にする事。いいね? ヴォルフ:オルクのこんなボロボロの姿なんて滅多に見れねぇだろーから傑作だな!ハハッ! オルク:傷が治ったら、私がされた拷問をあなたにも体験させてあげましょうね? ヴォルフ:悪りぃ悪りぃ。 0:料理を出すモルフォ モルフォ:はい、お待たせ。 クロウ:ありがとう。 モルフォ:2人もどうぞ。 ヴォルフ:お、うまそうだな。 オルク:どうもです・・・ クロウ:では頂くとしようか。 クロウ:うん、モルフォの料理はいつ食べても美味しいね。 モルフォ:ありがとう、クロウ。また今度パッセルにも作ってあげたいな。 クロウ:そうだな、作ってやってくれ。パッセルも喜ぶ。 0:クロウが食事に手を付けたのを見て料理を口に運ぶヴォルフとオルク ヴォルフ:・・・ん、ほんとだ、上手い。 モルフォ:口に合って良かったよ。 オルク:・・・・・・・・・。(静かに食べるオルク) ヴォルフ:話戻すけど、結局お前らってどーゆー関係なんだ? ヴォルフ:モルフォはパッセルの事も知ってるみてーだけど。 クロウ:モルフォとは、殺し屋をやってた時に出会ったんだ。 ヴォルフ:へぇ~、じゃあこいつは情報屋とかか。 モルフォ:いいや、僕は殺し屋だよ。 ヴォルフ:ゴホッ、ゴホッ!はあぁ!?殺し屋だと!? モルフォ:最後に敵がバタバタ倒れてたでしょう?あれ全部僕の仕業だよ。 ヴォルフ:おいクロウ!殺し屋と殺し屋を合わせる事がどういう事なのか、お前が知らない訳ねぇだろ!? クロウ:あぁ、もちろん。 オルク:ならどうしてこんな事を? オルク:殺し屋には「お互い顔を知られたらどちらかは死ぬ」という暗黙の了解があります。 オルク:私達に殺し合いでもさせるつもりですか? クロウ:こいつは少し変わった奴でね。殺し屋のルールを全く気にしない。 オルク:モルフォさんがルールを気にしなくても、私達は気にします。 オルク:これは簡単に済ませて良い話では無いんですよ。 クロウ:モルフォは僕と同盟を結んでいるんだ。お前達に手出しはしないよう言ってある。 ヴォルフ:お前同盟結んでたのか!? クロウ:あぁ。だからモルフォの事も殺しちゃダメだよ。特にオルク。 オルク:・・・・・・・・・・・・。 クロウ:おや、不満そうだね。 モルフォ:変装して演技だったとはいえ、僕に拷問された事を根に持っているみたいだよ。 クロウ:そうか。 ヴォルフ:お前意外と子供みたいなとこあんのな。 オルク:うるさいです。あなたは黙っていて下さい。 ヴォルフ:なっ!? オルク:しばらくはクロウさんの顔を見たくありません。 ヴォルフ:パッセルには普通に接してやれよ?じゃなきゃ、今日の出来事を何も知らないあいつが可哀想だ。 モルフォ:パッセルは本当に良い子だよね。僕も大好きだよ。 ヴォルフ:ともかく、大体の話は分かった。クロウがそう言うなら、俺は別に構わねぇ。 クロウ:ヴォルフは素直だね。 ヴォルフ:ところで、モルフォは殺し屋なんだろ。殺しには何を使うんだ? モルフォ:ん?あぁ、そろそろ時間だね。 ヴォルフ:時間?・・・・・・うっ!? オルク:・・・・・・っ!? 0:突然苦しみだすヴォルフとオルク ヴォルフ:な・・・なんだよ・・・これ・・・!? オルク:身体・・・が・・・ モルフォ:僕はね、毒を使うんだ。 ヴォルフ:おいおい・・・マジかよ・・・ モルフォ:今君達の身体の中を駆け巡っているその毒は、僕が開発したものだよ。 オルク:一体・・・どういうつもりですか・・・私達に手出しはしないと言ったはずです・・・ クロウ:さて。ヴォルフ、オルク。お前達に頼みがある。 オルク:頼み・・・? クロウ:モルフォと同盟を結んでくれないか? ヴォルフ:もしかしてこれ・・・同盟結ばないとヤバいやつか・・・? オルク:同盟は・・・お互いの同意のもとに結ぶものですよ・・・ クロウ:だからお前達に同意を求めているんだよ。毒が全身に回るまであとどのくらい? モルフォ:様子を見るに2分ってとこかな。 クロウ:モルフォの腕なら僕が保証する。これはお前達にとっても悪い話じゃない。 ヴォルフ:・・・結んで損が無い同盟なら・・・俺は結んでも良い・・・ オルク:・・・・・・・・・・・・分かりました。私も・・・同盟を結びましょう・・・ クロウ:そう言ってくれて嬉しいよ。モルフォ、解毒剤を渡してあげて。 モルフォ:うん。はいこれどうぞ。飲んでね、直ぐに楽になるよ。 0:解毒剤を飲む2人 ヴォルフ:クソッ・・・何が手は出さないだよ・・・ クロウ:殺さなければ問題無いでしょ? ヴォルフ:手段がえげつなさ過ぎだろ・・・ モルフォ:ごめんね~。僕はここまでしなくても良いよってクロウに言ったんだけど。 クロウ:こうでもしないと、オルクは同盟を結んでくれそうになかったからね。 オルク:チッ・・・ ヴォルフ:もしかして・・・俺は巻き込まれただけかっ!? オルク:殺し屋にとって同盟は絶対。それはもちろん私の中でも同じです。同盟を結んでしまった以上、私も手出しはしません。 クロウ:そんなに怖い顔するなよ。 ヴォルフ:オルク、お前今日は特に散々な目にあってんな。同情してやるよ。 オルク:同情して下さるのなら、クロウさんの事1発殴って下さいよ。 ヴォルフ:馬鹿言うな!あいつの身体はパッセルの身体でもあるんだぞ!クロウを殴れば、確実に俺は死ぬ・・・! クロウ:毒を扱える奴が仲間になったんだ。毒に耐性を付ける訓練でもしてもらったらどうだ? モルフォ:良いねそれ!ヴォルフもオルクも体力ありそうだし、僕の毒物の研究も捗りそう! ヴォルフ:断る! オルク:遠慮しておきます。 モルフォ:それは残念・・・でも気が変わったらいつでも言って!それに、今度は毒入りじゃない料理を作ってあげるからね! ヴォルフ:もうお前の料理は食えねーよ! クロウ:これからもっと楽しくなりそうだな。 オルク:どこがです? 0:Fin

0:拷問を受けるオルク マフィアメンバー:で?どうやって情報を入手した? オルク:さぁ、どうやってでしょうね? マフィアメンバー:ヤクの取り引き以外で外部の奴に情報が漏れたのは初めてだ。 オルク:へぇ~~~そうなんですか。組織の質が落ちたのでは? オルク:あなた方はうじゃうじゃと群れていらっしゃるようですし、外部に情報を漏らしてしまった無能のお仲間の1人や2人くらいいるでしょう。 マフィアメンバー:もう1発いくか。(殴る) オルク:・・・っ。 マフィアメンバー:お前、まだ自分の立場が分かってないようだな。 オルク:立場ならちゃんと分かってますよ。 マフィアメンバー:ほら、死にたくないなら答えろ。 オルク:ハハッ、ご冗談を!こんな生ぬるい拷問では私を殺す事は出来ませんよ。 マフィアメンバー:生ぬるいねぇ・・・ オルク:鎖、外して下さいよ。拷問の仕方を私が手取り足取り教えて差しあげましょう。 マフィアメンバー:なら、これはどうだっ!(強く殴る) オルク:グハッ・・・!?ゲホッ、ゴホッ・・・ マフィアメンバー:ハッ、手加減してやったら調子に乗りやがって。 オルク:ははは・・・今のは・・・良いところに入りましたね・・・ マフィアメンバー:御託(ごたく)はいらねーんだよ。早く吐かないと、お前ほんとに死ぬぞ? オルク:私、おしゃべりは好きですけど意外と口は堅い方なんです。 マフィアメンバー:そうかよっ。(強く殴る) オルク:グッ・・・ゲホッ、ゲホッ・・・ オルク:でしたら・・・ドラッグの流通ルートのひとつやふたつくらい教えて下さいよ。 マフィアメンバー:はい分かりましたって教える馬鹿がどこにいる? オルク:そうですよねぇ。私もあなたと同じです。 マフィアメンバー:チッ・・・時間だ。1時間後にまた来る。 0:扉が閉まる音 オルク:・・・・・・・・・・・クソッ。アイツ覚えてろよ。後で絶対殺してやる。 オルク:にしてもあの情報屋・・・こんなふざけた計画立てやがって・・・ 0:数日前 パッセル:ヴォルフさん、オルクさん!来ました! ヴォルフ:おぉ、待ってたぜ。 オルク:どうもです、パッセルさん。 パッセル:今回は珍しく皆さん一緒にお仕事されるんですね。 ヴォルフ:確かに3人で仕事すんのは初めてだな。 オルク:初めての共同作業ですね! ヴォルフ:言い方な。 パッセル:クロウがお2人に声を掛けるくらいですから、きっと危険で難しい仕事だと思いますが・・・無事に終わる事を祈っています。 ヴォルフ:ありがとな、パッセル。 オルク:ありがとうございます。 パッセル:じゃあ、早速変わりますね!クロウの事よろしくお願いします。 ヴォルフ:おう。 0:人格がクロウに変わる クロウ:・・・・・・・・・さぁ、仕事の話といこうか。 ヴォルフ:やっぱりこの瞬間はいつになっても慣れねぇな。 クロウ:もう慣れてる頃だと思ったけど? オルク:1人の人間に2つの人格が存在しているなんてとても稀な事ですからね。 オルク:しかも片方は元殺し屋の情報屋ですよ。 ヴォルフ:改めて言い連ねると怖ぇーな。 クロウ:無駄口叩いてないで話を戻すよ。 0:資料を取り出すクロウ クロウ:さて、このマフィアが今回の標的だ。 ヴォルフ:マフィアねぇー。 クロウ:こいつらはドラッグを取り扱っている。 クロウ:メンバーの数も多い。けど、まだ誰も捕まった事がない。 クロウ:はっきり言って優秀。少々厄介な相手だね。 オルク:クロウさんがそう言うのなら本当なのでしょう。 クロウ:お前達にはこのマフィアの抹殺を頼みたい。 クロウ:アジトやメンバー諸々の情報は既に掴んであるよ。 オルク:そんな入手が困難そうな情報よく掴みましたね。 クロウ:一応情報屋だからね。 ヴォルフ:一応で出来る事じゃないと思うぞ・・・ ヴォルフ:まぁ、アジトの場所さえ分かってるならあとは乗り込むだけだな。 クロウ:だけどここで1つ問題が。マフィアのボスがなかなか尻尾を出してくれなくてね。 クロウ:という事で、オルク。 オルク:はい、なんでしょう? クロウ:アジトに潜入して欲しい。 オルク:潜入捜査ですか。 クロウ:そうだね。そして捕まってくれ。 オルク:ん?今何と? クロウ:間抜けに捕まってくれ。 ヴォルフ:ぷっ・・・(笑) オルク:なぜ余計なひと言を付け足したんですか? クロウ:情報が外部に漏れた事を認知させる。 クロウ:お前が捕まる事で更に騒ぎになり、ボスも動くはずだ。 オルク:つまり私に餌になれと? クロウ:理解が早くて助かるよ。 ヴォルフ:良かったなオルク!大役じゃねーか! クロウ:捕まれば拷問を受ける事になるだろうけど大丈夫。 クロウ:重要人物のお前をいきなり殺したりはしないさ。 オルク:それなら私より体力のあるヴォルフさんの方が適任だと思いますが? ヴォルフ:いや、お前も大概体力あるからな。 クロウ:ヴォルフには別の役割を与える。 クロウ:遠距離からの狙撃はお前の専門外だろう。 オルク:確かに銃は専門外ですが・・・ クロウ:敵の数は多いけど、問題ないね? ヴォルフ:当たり前だ。 クロウ:決まりだね。 オルク:私の意見は無視ですけどね。 ヴォルフ:まぁ頑張れよオルク、すぐ迎えに行ってやるから。 オルク:途中で野垂れ死にしないで下さいよ? ヴォルフ:俺の腕はお前も良く知ってるだろ。 クロウ:索敵や建物のセキュリティ解除は僕がサポートする。 クロウ:じゃあ、よろしく頼むよ。 0:作戦決行日 ヴォルフ:こちらヴォルフ、ポイントに着いた。聞こえるか? クロウ:あぁ、回線に問題はないね。 ヴォルフ:ボスってあいつか?あの偉そうにしてる奴。 クロウ:ようやく姿を見せたね。外すなよ。 ヴォルフ:俺を誰だと思ってんだよ。 ヴォルフ:作戦を開始する。 0:狙撃 ヴォルフ:ヒット。 クロウ:あらら、周りの奴ら焦っちゃって。 ヴォルフ:よし、乗り込む。 クロウ:アジトの扉にはいくつかセキュリティシステムが施されているけど、その権限は既にこちらが握っている。 クロウ:解除もロックも僕の思うがままだ。 ヴォルフ:頼もしいねぇ。んじゃ、ぱぱっと片付けて来るわ。 クロウ:1人も逃すな。 ヴォルフ:おうよ。 0:激しい銃声 ヴォルフ:ドラッグの取り引きのみを請け負ってる奴らだけかと思ってたが、中には戦闘技術を身に付けてる奴もいるな。少し関心した。 クロウ:関心する暇があるなんて余裕だね。 ヴォルフ:まぁ俺には劣るからな。 クロウ:その通路を曲がった部屋にオルクがいる。 ヴォルフ:この部屋か。オラァッ! 0:扉が壊れる音 ヴォルフ:どーも、殺し屋でーす。お前らを抹殺しに来ましたー。 ヴォルフ:ついでにそこに拘束されてる奴の回収もな。 0:激しい銃声 クロウ:ヴォルフ、今仕留めた奴で最後だ。 ヴォルフ:よし、仕事おーわりっ! クロウ:お疲れ様。じゃあ速やかに撤退して。 ヴォルフ:了解。お~いオルク、生きてるかぁ? オルク:・・・遅いんですよ。 ヴォルフ:おいおい、ここ来るまでに俺がどんだけの奴ら相手にしたと思ってんだよ。無茶言うな。 ヴォルフ:これでも急いだ方なんだせ。 オルク:・・・そんな事知りませんよ。 ヴォルフ:こいつひねくれてやがる。 ヴォルフ:ほら、帰るぞ。肩貸してやる。 オルク:・・・結構です。1人で歩けます。 0:足音 ヴォルフ:っ、足音!? 0:敵に囲まれるヴォルフとオルク ヴォルフ:はぁ!?まだこんなに敵がいたのかよ、聞いてねぇーぞ!?あいつミスったか!? オルク:おや・・・囲まれてしまいましたね。 ヴォルフ:おいクロウ!まだ敵がいたぞ! 0:回線は切れている ヴォルフ:クソッ、あいつ回線切ってやがる!どうする俺、オルクを庇いながらいけるか? オルク:ハハハッ、私を庇うなんてお優しいですね。あ、そうだ。次はあなたも拷問を受けてみます? ヴォルフ:おい!こんな時に冗談言うのやめろ!今のお前はお荷物だって言ってんだよ! オルク:マフィアの皆さ~ん。この人、拷問体験希望らしいです~! ヴォルフ:おぅおぅ、まだまだ元気そうだなぁ。置き去りにしてってもいいか? オルク:とびきり痛いやつでお願いしま~す! ヴォルフ:お前なぁ! 0:いきなり次々と倒れていく敵 オルク:・・・! ヴォルフ:な、何だ・・・!?敵が倒れていく・・・! オルク:・・・一体何が起こっているんですか? 0:暗闇から人影が現れる マフィアメンバー:お疲れ様。 ヴォルフ:誰だ!? マフィアメンバー:ヴォルフとオルクだな。 ヴォルフ:どうして俺達の名前を知ってる? オルク:っ、お前は・・・! ヴォルフ:なんだ?知り合いか? オルク:私の事を拷問した奴です。 オルク:ヴォルフさん、私の刀を下さい。 ヴォルフ:お前戦闘どころじゃねぇだろ? オルク:こいつだけは絶対に私の手で殺すって決めてるんです。 マフィアメンバー:やはり怒ってるか。まぁ無理もない。 マフィアメンバー:だが、俺を殺すのは止めておいた方が良い。 オルク:どうしたんです?怖気付き(おじけづき)ましたか? マフィアメンバー:あぁ、もうこの顔でいる必要は無いか。 0:マスクを剥がすマフィアメンバー モルフォ:・・・ぷはぁ!やっぱり変装用のマスクは息苦しいな~! オルク:変装・・・ モルフォ:安心して、僕は君達の味方だから。今までのは全部演技だよ。 ヴォルフ:どういう事だ? オルク:あなたはマフィアのメンバーでは無いと? モルフォ:そうだよ。目的も君達と同じ。 モルフォ:そして僕は、君が来るよりも少し前からこのアジトに潜入していたんだ。 オルク:私の事は最初から知っていたんですね。 モルフォ:あの時はごめんね。変装した奴が拷問担当の奴でさ。他のメンバーの前だったから手を抜く訳にもいかなかったんだ。 モルフォ:骨にヒビ入れる程度で抑えてあげたんだから許してくれないかな? モルフォ:力加減調節するの結構難しいんだよ? ヴォルフ:オルク、お前骨にヒビ入ってんのか。 ヴォルフ:そんなんで良く立ってられんな。 モルフォ:それにさ、君煽ってくるんだもん。 モルフォ:あんな煽り方されたら、もうやるしか無いよね。 ヴォルフ:お前なんで煽ったんだよ。アホなの? モルフォ:とりあえず、詳しい話はクロウと合流してからね。 オルク:なぜクロウさんの名前を? モルフォ:2人とも付いておいで。こっちだよ。 ヴォルフ:・・・・・・今のあいつからは敵意も殺気も感じられないが、どうする? オルク:クロウさんの名前を出したのが非常に気になりますね。ひとまず付いていきましょうか。 0:ヴォルフの家の前に着く モルフォ:戻ったよクロウ。 ヴォルフ:まさかとは思ってたが・・・俺の家じゃねーかっ! クロウ:3人ともご苦労様。 クロウ:オルクはちゃんと生きてるね。良かった良かった。 オルク:ご心配どうも。 ヴォルフ:おいクロウ!この状況はどういう事か説明しろ! ヴォルフ:あとお前、敵の数騙しただろ!? クロウ:びっくりした? ヴォルフ:ふざけんな!こっちは命掛かってんだよ! クロウ:ちょっとしたサプライズだよ。 クロウ:どちらにしろ、今回の仕事はいくらお前達とはいえ2人じゃ無理だったからね。 オルク:私は餌役だったので、実質ヴォルフさんだけでしたけどね。 ヴォルフ:んで、こいつ誰なんだよ? クロウ:安心して良い、僕とパッセルの知り合いだよ。 クロウ:助っ人としてこの仕事に呼んだんだ。 オルク:助っ人・・・ですか。 クロウ:紹介しよう。こいつはモルフォ。 モルフォ:どうも!改めて、初めまして。よろしくね。 クロウ:ところでお前達、腹は減ってない? ヴォルフ:唐突だな。 クロウ:モルフォの作る料理はとても美味しいんだ。 クロウ:ヴォルフとオルクにも振舞ってやってくれないか? モルフォ:うん、良いよ。 ヴォルフ:一応言っておくけどここ俺の家な!? クロウ:細かい話は食事でもしながら話そう。 ヴォルフ:無視すんな! モルフォ:ヴォルフ、食材借りるね! ヴォルフ:お、おう。まぁ別に良いけどよ・・・ クロウ:オルク、こっちにおいで。怪我の手当をしてあげよう。 オルク:・・・・・・はい。 0:オルクを手当するクロウ ヴォルフ:骨にヒビ入ってるらしいし、これじゃしばらくは仕事出来そうにねぇな。 クロウ:働きに見合った報酬は出すよ。 クロウ:だから治るまでは安静にする事。いいね? ヴォルフ:オルクのこんなボロボロの姿なんて滅多に見れねぇだろーから傑作だな!ハハッ! オルク:傷が治ったら、私がされた拷問をあなたにも体験させてあげましょうね? ヴォルフ:悪りぃ悪りぃ。 0:料理を出すモルフォ モルフォ:はい、お待たせ。 クロウ:ありがとう。 モルフォ:2人もどうぞ。 ヴォルフ:お、うまそうだな。 オルク:どうもです・・・ クロウ:では頂くとしようか。 クロウ:うん、モルフォの料理はいつ食べても美味しいね。 モルフォ:ありがとう、クロウ。また今度パッセルにも作ってあげたいな。 クロウ:そうだな、作ってやってくれ。パッセルも喜ぶ。 0:クロウが食事に手を付けたのを見て料理を口に運ぶヴォルフとオルク ヴォルフ:・・・ん、ほんとだ、上手い。 モルフォ:口に合って良かったよ。 オルク:・・・・・・・・・。(静かに食べるオルク) ヴォルフ:話戻すけど、結局お前らってどーゆー関係なんだ? ヴォルフ:モルフォはパッセルの事も知ってるみてーだけど。 クロウ:モルフォとは、殺し屋をやってた時に出会ったんだ。 ヴォルフ:へぇ~、じゃあこいつは情報屋とかか。 モルフォ:いいや、僕は殺し屋だよ。 ヴォルフ:ゴホッ、ゴホッ!はあぁ!?殺し屋だと!? モルフォ:最後に敵がバタバタ倒れてたでしょう?あれ全部僕の仕業だよ。 ヴォルフ:おいクロウ!殺し屋と殺し屋を合わせる事がどういう事なのか、お前が知らない訳ねぇだろ!? クロウ:あぁ、もちろん。 オルク:ならどうしてこんな事を? オルク:殺し屋には「お互い顔を知られたらどちらかは死ぬ」という暗黙の了解があります。 オルク:私達に殺し合いでもさせるつもりですか? クロウ:こいつは少し変わった奴でね。殺し屋のルールを全く気にしない。 オルク:モルフォさんがルールを気にしなくても、私達は気にします。 オルク:これは簡単に済ませて良い話では無いんですよ。 クロウ:モルフォは僕と同盟を結んでいるんだ。お前達に手出しはしないよう言ってある。 ヴォルフ:お前同盟結んでたのか!? クロウ:あぁ。だからモルフォの事も殺しちゃダメだよ。特にオルク。 オルク:・・・・・・・・・・・・。 クロウ:おや、不満そうだね。 モルフォ:変装して演技だったとはいえ、僕に拷問された事を根に持っているみたいだよ。 クロウ:そうか。 ヴォルフ:お前意外と子供みたいなとこあんのな。 オルク:うるさいです。あなたは黙っていて下さい。 ヴォルフ:なっ!? オルク:しばらくはクロウさんの顔を見たくありません。 ヴォルフ:パッセルには普通に接してやれよ?じゃなきゃ、今日の出来事を何も知らないあいつが可哀想だ。 モルフォ:パッセルは本当に良い子だよね。僕も大好きだよ。 ヴォルフ:ともかく、大体の話は分かった。クロウがそう言うなら、俺は別に構わねぇ。 クロウ:ヴォルフは素直だね。 ヴォルフ:ところで、モルフォは殺し屋なんだろ。殺しには何を使うんだ? モルフォ:ん?あぁ、そろそろ時間だね。 ヴォルフ:時間?・・・・・・うっ!? オルク:・・・・・・っ!? 0:突然苦しみだすヴォルフとオルク ヴォルフ:な・・・なんだよ・・・これ・・・!? オルク:身体・・・が・・・ モルフォ:僕はね、毒を使うんだ。 ヴォルフ:おいおい・・・マジかよ・・・ モルフォ:今君達の身体の中を駆け巡っているその毒は、僕が開発したものだよ。 オルク:一体・・・どういうつもりですか・・・私達に手出しはしないと言ったはずです・・・ クロウ:さて。ヴォルフ、オルク。お前達に頼みがある。 オルク:頼み・・・? クロウ:モルフォと同盟を結んでくれないか? ヴォルフ:もしかしてこれ・・・同盟結ばないとヤバいやつか・・・? オルク:同盟は・・・お互いの同意のもとに結ぶものですよ・・・ クロウ:だからお前達に同意を求めているんだよ。毒が全身に回るまであとどのくらい? モルフォ:様子を見るに2分ってとこかな。 クロウ:モルフォの腕なら僕が保証する。これはお前達にとっても悪い話じゃない。 ヴォルフ:・・・結んで損が無い同盟なら・・・俺は結んでも良い・・・ オルク:・・・・・・・・・・・・分かりました。私も・・・同盟を結びましょう・・・ クロウ:そう言ってくれて嬉しいよ。モルフォ、解毒剤を渡してあげて。 モルフォ:うん。はいこれどうぞ。飲んでね、直ぐに楽になるよ。 0:解毒剤を飲む2人 ヴォルフ:クソッ・・・何が手は出さないだよ・・・ クロウ:殺さなければ問題無いでしょ? ヴォルフ:手段がえげつなさ過ぎだろ・・・ モルフォ:ごめんね~。僕はここまでしなくても良いよってクロウに言ったんだけど。 クロウ:こうでもしないと、オルクは同盟を結んでくれそうになかったからね。 オルク:チッ・・・ ヴォルフ:もしかして・・・俺は巻き込まれただけかっ!? オルク:殺し屋にとって同盟は絶対。それはもちろん私の中でも同じです。同盟を結んでしまった以上、私も手出しはしません。 クロウ:そんなに怖い顔するなよ。 ヴォルフ:オルク、お前今日は特に散々な目にあってんな。同情してやるよ。 オルク:同情して下さるのなら、クロウさんの事1発殴って下さいよ。 ヴォルフ:馬鹿言うな!あいつの身体はパッセルの身体でもあるんだぞ!クロウを殴れば、確実に俺は死ぬ・・・! クロウ:毒を扱える奴が仲間になったんだ。毒に耐性を付ける訓練でもしてもらったらどうだ? モルフォ:良いねそれ!ヴォルフもオルクも体力ありそうだし、僕の毒物の研究も捗りそう! ヴォルフ:断る! オルク:遠慮しておきます。 モルフォ:それは残念・・・でも気が変わったらいつでも言って!それに、今度は毒入りじゃない料理を作ってあげるからね! ヴォルフ:もうお前の料理は食えねーよ! クロウ:これからもっと楽しくなりそうだな。 オルク:どこがです? 0:Fin