台本概要
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タイトル | 殺し屋達の戯れ |
---|---|
作者名 | ノイン (@latimeria_Ya) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 4人用台本(不問4) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
とある場所に連れて来られた殺し屋の3人。そこで行う事とは… 【ジャンル】サスペンス 【シリーズ】5作目 【アドリブ】演じられるキャラの性別に合わせて一人称や言い回し等、変更頂いて大丈夫です。 【登場人物の関係性】 ヴォルフ・オルク・モルフォ → 同盟 ヴォルフ・オルク ←契約→ クロウ クロウ ←同盟→ モルフォ シナリオをご覧頂きありがとうございます。 1280 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ヴォルフ | 不問 | 55 | 銃全般を扱う殺し屋。一見やんちゃそうに見えるが真面目。周り(特にオルク)に振り回されている事が多い。心を強く持って欲しい。 |
オルク | 不問 | 51 | 刀やナイフを扱う殺し屋。言葉遣いが丁寧で一見真面目そうに見えるがとんでもない奴サイコパス。打算的。 |
クロウ | 不問 | 54 | 元殺し屋の情報屋。殺し屋だった頃は暗殺を生業としていた。器用である。自身の話はあまりしない為謎が多い。 |
モルフォ | 不問 | 44 | 毒を扱う殺し屋で変装も得意。様々な毒物を扱う。実験では大変えげつないこともしますこの人。温和でマイペース。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:とある施設にて
オルク:ほぉ、これは立派な施設ですね。
クロウ:知り合いが経営しているサバイバルゲームのフィールドだ。
モルフォ:どうして僕達を連れて来たの?
クロウ:殺し屋同士がこんなに同盟を組んでるなんて珍しいし、良い機会だなと。
ヴォルフ:話が見えないんだが。
クロウ:演習をする。
モルフォ:ここで戦闘しても大丈夫なの?
クロウ:この施設の管理者も裏社会の奴なんだ。
クロウ:表向きにはサバゲーのフィールドとして、裏向きには僕達みたいなのに施設の貸し出しをしている。
クロウ:だから好きに暴れてくれて構わない。
オルク:それは楽しそ・・・己と仲間の技量を知る為の良い提案ですね!賛成です!
ヴォルフ:心の声が漏れてんぞ。
オルク:では私はヴォルフさんと・・・!
クロウ:(遮って)ヴォルフにはモルフォと対戦してもらう。
モルフォ:僕?分かった、良いよ。
ヴォルフ:お前も飲み込みが速いな。
クロウ:ヴォルフも良いね?
ヴォルフ:ま、別に構わねぇけどよ。
オルク:では私の相手は一体どなたが?
クロウ:オルクの相手は僕だ。
オルク:・・・・・・クロウさんが?
クロウ:なんだい?僕じゃ不満?
オルク:いえ・・・クロウさんは参加しないと思っていたので少し驚きまして。
オルク:ですが、あなたとの戦闘はパッセルさんにも攻撃をするという事を意味しますよ。それは良いのですか?
クロウ:今回は特別だ。パッセルにも許可は取ってある。
オルク:そうですか。
クロウ:ヴォルフ、銃弾はこれを使ってくれ。
0:ヴォルフに銃弾を渡すクロウ
ヴォルフ:ゴム弾か。
クロウ:お前が普段使ってる銃にピッタリはまるだろう?
ヴォルフ:お、ホントだ。
オルク:使うのは実弾じゃないんですか。
クロウ:念の為ね。
クロウ:けど、いくら非致死性兵器(ひちしせいへいき)だからって当たり所が悪ければ死ぬ。
モルフォ:でもゴム弾って構造上、重量があったり空気抵抗を受けやすいから有効射程は短いはずだよね。
モルフォ:ヴォルフだけ普段通りの戦闘とはいかなんじゃない?
クロウ:射程距離については問題無いし、このゴム弾は普段の銃弾と変わらず使える。
クロウ:違うのは、対象に当たった瞬間先端が砕け散り威力が分散する点だね。
ヴォルフ:そんなゴム弾あったのか。
クロウ:よく取り引きしてる武器商人が、面白い品があるって言うからどんな物か気になってね。頼んで取り寄せてもらったんだ。
モルフォ:裏社会って何でもあるんだね。
クロウ:雑談はここら辺にしよう。
クロウ:じゃあまずは、ヴォルフとモルフォから始めようか。
クロウ:僕とオルクは別の部屋にある監視室でお前達の戦闘を眺めるよ。
オルク:特等席で高みの見物という訳ですね!
クロウ:開始の合図はこちらから出す。
クロウ:それまでに自分の好きな位置に着いておく事。いいね?
モルフォ:分かったよ。
オルク:せいぜい楽しませてもらうとしましょうか。
オルク:おふたりとも、頑張って下さいね。
ヴォルフ:いいから早く行け。
オルク:ふふ、ではまた後程。
0:その場を後にするクロウとオルク
0:ヴォルフVSモルフォ
モルフォ:改めてよろしくね、ヴォルフ。
0:モルフォが手を差し出し握手するヴォルフ
ヴォルフ:・・・おう。
ヴォルフ:改まって握手とか、なんか小っ恥ずかしいな。
モルフォ:まぁまぁ、いいじゃないか。
ヴォルフ:手加減はしねぇからな。
モルフォ:もちろん。そうでなくっちゃね。
モルフォ:僕も手加減するつもりはないよ。良い戦いにしよう。
ヴォルフ:あぁ。
0:移動するヴォルフとモルフォ
0:スピーカーから声が流れる
オルク:あーあー。聴こえますか~?
クロウ:2人とも配置に着いたね。
クロウ:それじゃあ・・・・・・始めてくれ。
0:戦闘開始
ヴォルフ:さてと、モルフォはどうくるか。
モルフォ:『僕が近距離戦なのに対し、銃を扱うヴォルフは遠距離戦も可能。相手の位置が分からない限り下手に動くのは得策じゃない。となるとまずは・・・』
0:グレネードを投げる
モルフォ:よっと!
ヴォルフ:『早速動いてきたか。スモークグレネード投げて俺の射線を遮る。確かに視界を遮られたんじゃ無闇に銃は使えない。近接戦は覚悟した方が良いだろう。』
0:何か違和感を感じるヴォルフ
ヴォルフ:『ん?これ普通のスモークじゃねーなっ!?仕方ないが開けた場所に出るか・・・!』
0:モルフォに見つかる
ヴォルフ:っ!?
モルフォ:やぁ、ヴォルフ。
モルフォ:随分早い再会になったね。
ヴォルフ:初っ端から大胆な事するじゃねーか。
モルフォ:僕は接近戦しか出来ないからね。
モルフォ:まずはヴォルフの行動範囲を奪ってこっちに誘導しようと思ってさ。
ヴォルフ:お前、スモークになんか混ぜてたろ。
モルフォ:わぉ、大正解。
モルフォ:スモークの中には毒を仕込んでいて、吸い込めば手足に痺れの症状が現れるんだ。
ヴォルフ:やっぱりな。
モルフォ:気付かれちゃったかぁ。
モルフォ:まだまだ改良の余地があるね。
ヴォルフ:気にするな、俺の勘が良いだけだ。
ヴォルフ:さて、次はこっちの番だぜっ!
0:発砲するが避けられる
モルフォ:おっと、危なっ!
ヴォルフ:はぁ!?この距離で避けんのかよっ!?
モルフォ:ギリギリだけどねっ!
0:間合いを詰めるモルフォ
ヴォルフ:『間合いに入られたっ!』
モルフォ:さぁ!次は僕の番だよっ!
0:ヴォルフの腹に1発いれる
ヴォルフ:ぐぁっ・・・!
ヴォルフ:『1発が速くて重いっ!』
オルク:ヴォルフさんに1発いれた!?
モルフォ:もういっちょ!
0:銃を握ってる手を蹴り飛ばす
ヴォルフ:・・・っ!?しまった銃がっ!
モルフォ:それはもう使わせないよ。
ヴォルフ:チッ・・・やられっぱなしになるつもりはねぇーぜ!
ヴォルフ:おらよっ!
0:モルフォの腕に1発入れる
モルフォ:ぐっ・・・!?
ヴォルフ:銃を持った相手に対する護身術は随分有名だろ?
ヴォルフ:少しくらいなら対抗出来る。
モルフォ:自分で言うのもなんだけど、近接戦は僕の得意分なんだ。
モルフォ:でも、モロに攻撃を喰らったのは初めてだなぁ。
ヴォルフ:だが直接やり合って分かった。
ヴォルフ:悔しいが近接戦の腕はお前の方がだいぶ上だ。
モルフォ:まだまだだよ。
ヴォルフ:謙遜すんなよ。
ヴォルフ:銃を蹴り飛ばされちまった。こんなのは初めてだ。
ヴォルフ:けど・・・俺が持ってる銃は1つじゃねぇんだよ。
0:モルフォに銃を突き付けるヴォルフ
モルフォ:もう1丁隠し持ってたんだね。
ヴォルフ:さぁ、終わりだモルフォ。
オルク:おぉ!ヴォルフさんが取りましたね!
オルク:流石は私の相棒です!
クロウ:まぁ最後まで大人しく見てなよ。
モルフォ:やっぱり一筋縄じゃいかないなぁ。
モルフォ:でも・・・そろそろかな。
ヴォルフ:あ?どういうことだ・・・っ!?
0:銃を落とし地面に片膝をつくヴォルフ
ヴォルフ:身体が動かねぇ・・・!
モルフォ:保険掛けといて良かったよ。
ヴォルフ:保険だと・・・?
モルフォ:戦闘を始める前、僕と握手したでしょ?
ヴォルフ:まさか・・・
モルフォ:そのまさかだよ。
ヴォルフ:やってくれんじゃねーか・・・
オルク:どういうことです?
クロウ:開戦前、ヴォルフに握手を求めたんだろう。
クロウ:その時モルフォは自身の手に毒を仕込んでたって訳だ。
オルク:なるほど。
オルク:戦闘前のあの短時間で判断し、行動に移した訳ですか。
0:銃を拾うモルフォ
モルフォ:これ、かっこいい銃だね。
0:ヴォルフの額に銃を突き付ける
ヴォルフ:・・・っ。
モルフォ:さぁ、ヴォルフ。
モルフォ:この距離なら僕でも外さない。
ヴォルフ:クソッ。
モルフォ:けど・・・僕の負けだ。
0:ヴォルフに解毒剤を打つ
ヴォルフ:は?
ヴォルフ:いや、どう考えても俺の負けだろ!
モルフォ:僕の負けだよ。
モルフォ:確かに最後は僕が有利な状況になった。
モルフォ:でも、その前に僕は君に銃を突き付けられてる。
モルフォ:本当ならあそこで決着は付いていたんだ。
ヴォルフ:過程がどうであれ、最終的には油断しちまった俺が悪い。
ヴォルフ:毒で動けなくなって銃も奪われた。
ヴォルフ:俺の負けだ。
モルフォ:いいや、僕の負けだよ。
ヴォルフ:俺の負けだって言ってんだろ!
クロウ:はいはい、2人ともそこまで。
クロウ:今回の戦いでお互い何か掴んだのなら、勝敗は決めなくて良いじゃないか。
オルク:これが本番でしたらどちらかは死んでますけど。
クロウ:確かに。この業界はそう甘くない。
クロウ:でも今回は演習だからね。
ヴォルフ:・・・次こそは白黒はっきりつけてやるからな。
モルフォ:うん、そうだね。
ヴォルフ:んじゃ、次はお前らの番だぜ。
0:オルクVSクロウ
オルク:よろしくお願いします。
クロウ:よろしく。
オルク:クロウさんはどんな戦闘スタイルなんですか?
クロウ:言わないよ。
クロウ:手の内は見せない物だ。
オルク:あなたは得体が知れなさ過ぎるんです。
オルク:正直これでも結構ビビってるんですよ私。
クロウ:元殺し屋と言えどブランクはあるんだ。
クロウ:お手柔らかに頼むよ。
オルク:私がお手柔らかにすると思います?
クロウ:冗談だ。
クロウ:そろそろ開始の合図が出るだろう。配置に着くとしよう。
オルク:はい。
0:スピーカーから声が流れる
ヴォルフ:2人とも準備は良いな?
モルフォ:それじゃあ・・・スタート!
0:戦闘開始
オルク:さぁ、クロウさんはどう来ますかね。
クロウ:(遮って)背後は取られたらダメじゃないか。
0:オルクをナイフで切りつける
オルク:っ!?
オルク:『いつの間にっ!?』
0:咄嗟に避けるオルク
クロウ:ふぅーん。今のを避けるか。
クロウ:良い動きだ。
オルク:お褒め頂きどうもありがとうございます。
オルク:『直前まで気配を感じなかった。あの人、かなりのやり手ですね。』
モルフォ:おぉ、開戦早々熱いね。
オルク:クロウさんはナイフを扱うんですね。
クロウ:あぁ。
オルク:私とお揃いじゃないですか。
クロウ:そうだね。
オルク:お好きなナイフの種類はあるんですか?
クロウ:特に。
オルク:無駄な会話はしないつもりですね。
オルク:私泣いちゃいそうです。
クロウ:気にするな。癖だ。
オルク:『何を考えてるか読めませんが、直接やり合ってみるとしましょうか。』
オルク:次はこちらから行きますよっ!
0:刃物の音
クロウ:『一撃が素早く太刀筋も滑らか。流石、刀やナイフを専門に扱う殺し屋。改めて実感したよ。腕は確かだ。同じ類いの武器で長期戦になるのは避けたいな。』
オルク:『これだけ刀を振るっているというのに、ひとつひとつの攻撃を確実に流していくとは・・・ですがっ!』
クロウ:っ!?
オルク:はぁ。ブランクがあると仰っていましたが、そんなもの無いじゃないですか。
オルク:嘘、つきましたね?
クロウ:いいや、嘘じゃないさ。
クロウ:現にほら、お前に斬られた。
オルク:こんなに本気を出したのは久しぶりですよ。
0:出来た傷を眺めるクロウ
クロウ:『・・・・・・パッセルに傷を付けてしまった。嫌な思い出が蘇るな。つくづく自分に腹が立つ。守るって決めたのに。』
オルク:『雰囲気が変わった。』
クロウ:オルク、今度は僕の番だ。
0:細かい傷を受けていくオルク
オルク:・・・っ!?
オルク:『速いっ!』
クロウ:お前の動きは把握した。
オルク:この短時間でですか!?
クロウ:もう引けは取らない。
モルフォ:2人とも凄い。
ヴォルフ:クロウの奴あんなに動けるのか。
モルフォ:僕もクロウの戦闘は初めて見たなぁ。
ヴォルフ:知らないのか?
ヴォルフ:クロウはお前と出会った時、まだ殺し屋だったんだろ?
モルフォ:出会った時は確かにそうだったよ。
ヴォルフ:殺し屋には「お互い顔を知られたらどちらかは死ぬ」って暗黙の了解があんだろ?
モルフォ:僕達は戦わずに同盟を結んだんだ。
モルフォ:その後、クロウはすぐに情報屋になったからどんな戦い方をするのかは知らなかったんだよ。
ヴォルフ:つまり・・・あ?どういことだ?
モルフォ:詳しい事は僕の口からは言えないや。約束したからね。
ヴォルフ:あっそ。相変わらず謎の多い奴だなクロウは。
クロウ:僕の攻撃に順応しつつ、反撃も加えてきたな。
オルク:徐々にですが私もあなたの動きに慣れてきましたよ。
クロウ:ならやり方を変えようか。
0:銃声
クロウ:ばん。
オルク:くっ!?
ヴォルフ:オルクに銃弾を当てたっ!?
オルク:・・・あはっ。結構痛いですねぇこれ。
クロウ:これが実弾なら、もうお前の右腕は使えない。
オルク:困りましたね。
クロウ:それは嘘だ。全然困ってないね。
クロウ:仮に両腕が使えなくなっても、靴の隠しナイフがあるじゃないか。
オルク:おやおや、バレてましたか。それにしても、銃まで扱うとは。
クロウ:ナイフや銃だけじゃない。武器と呼ぶ物なら大体は扱える。
オルク:化け物がここにもいましたね。
クロウ:ひとつの武器を専門に極めているお前達には引けを取るんだけどね。
オルク:いえ、充分です充分です。
クロウ:僕は殺し屋だった頃、暗殺を生業(なりわい)としていたんだ。
オルク:暗殺ですか。色々納得しましたよ。
クロウ:さて、今度は本業の情報屋らしくいこうかな。
オルク:次から次へと、今度は何をするおつもりで?
クロウ:お前に交渉を持ち出そう。
オルク:どの様な内容かは知りませんが、私が素直に応じるとでも?
クロウ:降参してくれたら・・・
クロウ:ヴォルフのあんな情報やこんな情報をお前にあげよう。
オルク:(即答)私の負けで構いません。
ヴォルフ:はあああぁぁぁ!?
クロウ:交渉成立だね。(ニッコリ)
オルク:えぇ。(ニッコリ)
クロウ:と言う訳で、戦闘はここまでだ。
ヴォルフ:お前らふざけんなよ!?
ヴォルフ:おい!オルク!!お前そんな簡単に負けを認めちまって良いのか!?今ならまだ取り消せる!決断を急ぐな!!
オルク:ヴォルフさんの情報ともなれば話は別ですよ♪
クロウ:だそうだ。諦めろヴォルフ。
ヴォルフ:嘘だろ・・・・・・
モルフォ:あはは、クロウらしいなぁ。
0:監視室から駆け出し2人の元に行くヴォルフ
ヴォルフ:おい!クロウ!!俺のあんな情報やこんな情報ってどんなだ!?せめてオルクに話す前に教えろ!!
クロウ:いくら払う?
オルク:きっとお高いですよ?
ヴォルフ:ニコニコしやがって!!お前らは悪魔か!?
0:モルフォ合流
ヴォルフ:なぁ~モルフォ・・・
モルフォ:可哀想だけど、クロウとオルクで決めた話だし・・・ね?
ヴォルフ:あ、ああああぁぁ・・・
オルク:今日は有意義な時間を過ごせました。
クロウ:帰ってお疲れ様会でもするか。
モルフォ:良いね。
ヴォルフ:なにお前らだけ綺麗に終わろうとしてんだよ!こんちくしょうううぅぅぅ!!
0:Fin
0:とある施設にて
オルク:ほぉ、これは立派な施設ですね。
クロウ:知り合いが経営しているサバイバルゲームのフィールドだ。
モルフォ:どうして僕達を連れて来たの?
クロウ:殺し屋同士がこんなに同盟を組んでるなんて珍しいし、良い機会だなと。
ヴォルフ:話が見えないんだが。
クロウ:演習をする。
モルフォ:ここで戦闘しても大丈夫なの?
クロウ:この施設の管理者も裏社会の奴なんだ。
クロウ:表向きにはサバゲーのフィールドとして、裏向きには僕達みたいなのに施設の貸し出しをしている。
クロウ:だから好きに暴れてくれて構わない。
オルク:それは楽しそ・・・己と仲間の技量を知る為の良い提案ですね!賛成です!
ヴォルフ:心の声が漏れてんぞ。
オルク:では私はヴォルフさんと・・・!
クロウ:(遮って)ヴォルフにはモルフォと対戦してもらう。
モルフォ:僕?分かった、良いよ。
ヴォルフ:お前も飲み込みが速いな。
クロウ:ヴォルフも良いね?
ヴォルフ:ま、別に構わねぇけどよ。
オルク:では私の相手は一体どなたが?
クロウ:オルクの相手は僕だ。
オルク:・・・・・・クロウさんが?
クロウ:なんだい?僕じゃ不満?
オルク:いえ・・・クロウさんは参加しないと思っていたので少し驚きまして。
オルク:ですが、あなたとの戦闘はパッセルさんにも攻撃をするという事を意味しますよ。それは良いのですか?
クロウ:今回は特別だ。パッセルにも許可は取ってある。
オルク:そうですか。
クロウ:ヴォルフ、銃弾はこれを使ってくれ。
0:ヴォルフに銃弾を渡すクロウ
ヴォルフ:ゴム弾か。
クロウ:お前が普段使ってる銃にピッタリはまるだろう?
ヴォルフ:お、ホントだ。
オルク:使うのは実弾じゃないんですか。
クロウ:念の為ね。
クロウ:けど、いくら非致死性兵器(ひちしせいへいき)だからって当たり所が悪ければ死ぬ。
モルフォ:でもゴム弾って構造上、重量があったり空気抵抗を受けやすいから有効射程は短いはずだよね。
モルフォ:ヴォルフだけ普段通りの戦闘とはいかなんじゃない?
クロウ:射程距離については問題無いし、このゴム弾は普段の銃弾と変わらず使える。
クロウ:違うのは、対象に当たった瞬間先端が砕け散り威力が分散する点だね。
ヴォルフ:そんなゴム弾あったのか。
クロウ:よく取り引きしてる武器商人が、面白い品があるって言うからどんな物か気になってね。頼んで取り寄せてもらったんだ。
モルフォ:裏社会って何でもあるんだね。
クロウ:雑談はここら辺にしよう。
クロウ:じゃあまずは、ヴォルフとモルフォから始めようか。
クロウ:僕とオルクは別の部屋にある監視室でお前達の戦闘を眺めるよ。
オルク:特等席で高みの見物という訳ですね!
クロウ:開始の合図はこちらから出す。
クロウ:それまでに自分の好きな位置に着いておく事。いいね?
モルフォ:分かったよ。
オルク:せいぜい楽しませてもらうとしましょうか。
オルク:おふたりとも、頑張って下さいね。
ヴォルフ:いいから早く行け。
オルク:ふふ、ではまた後程。
0:その場を後にするクロウとオルク
0:ヴォルフVSモルフォ
モルフォ:改めてよろしくね、ヴォルフ。
0:モルフォが手を差し出し握手するヴォルフ
ヴォルフ:・・・おう。
ヴォルフ:改まって握手とか、なんか小っ恥ずかしいな。
モルフォ:まぁまぁ、いいじゃないか。
ヴォルフ:手加減はしねぇからな。
モルフォ:もちろん。そうでなくっちゃね。
モルフォ:僕も手加減するつもりはないよ。良い戦いにしよう。
ヴォルフ:あぁ。
0:移動するヴォルフとモルフォ
0:スピーカーから声が流れる
オルク:あーあー。聴こえますか~?
クロウ:2人とも配置に着いたね。
クロウ:それじゃあ・・・・・・始めてくれ。
0:戦闘開始
ヴォルフ:さてと、モルフォはどうくるか。
モルフォ:『僕が近距離戦なのに対し、銃を扱うヴォルフは遠距離戦も可能。相手の位置が分からない限り下手に動くのは得策じゃない。となるとまずは・・・』
0:グレネードを投げる
モルフォ:よっと!
ヴォルフ:『早速動いてきたか。スモークグレネード投げて俺の射線を遮る。確かに視界を遮られたんじゃ無闇に銃は使えない。近接戦は覚悟した方が良いだろう。』
0:何か違和感を感じるヴォルフ
ヴォルフ:『ん?これ普通のスモークじゃねーなっ!?仕方ないが開けた場所に出るか・・・!』
0:モルフォに見つかる
ヴォルフ:っ!?
モルフォ:やぁ、ヴォルフ。
モルフォ:随分早い再会になったね。
ヴォルフ:初っ端から大胆な事するじゃねーか。
モルフォ:僕は接近戦しか出来ないからね。
モルフォ:まずはヴォルフの行動範囲を奪ってこっちに誘導しようと思ってさ。
ヴォルフ:お前、スモークになんか混ぜてたろ。
モルフォ:わぉ、大正解。
モルフォ:スモークの中には毒を仕込んでいて、吸い込めば手足に痺れの症状が現れるんだ。
ヴォルフ:やっぱりな。
モルフォ:気付かれちゃったかぁ。
モルフォ:まだまだ改良の余地があるね。
ヴォルフ:気にするな、俺の勘が良いだけだ。
ヴォルフ:さて、次はこっちの番だぜっ!
0:発砲するが避けられる
モルフォ:おっと、危なっ!
ヴォルフ:はぁ!?この距離で避けんのかよっ!?
モルフォ:ギリギリだけどねっ!
0:間合いを詰めるモルフォ
ヴォルフ:『間合いに入られたっ!』
モルフォ:さぁ!次は僕の番だよっ!
0:ヴォルフの腹に1発いれる
ヴォルフ:ぐぁっ・・・!
ヴォルフ:『1発が速くて重いっ!』
オルク:ヴォルフさんに1発いれた!?
モルフォ:もういっちょ!
0:銃を握ってる手を蹴り飛ばす
ヴォルフ:・・・っ!?しまった銃がっ!
モルフォ:それはもう使わせないよ。
ヴォルフ:チッ・・・やられっぱなしになるつもりはねぇーぜ!
ヴォルフ:おらよっ!
0:モルフォの腕に1発入れる
モルフォ:ぐっ・・・!?
ヴォルフ:銃を持った相手に対する護身術は随分有名だろ?
ヴォルフ:少しくらいなら対抗出来る。
モルフォ:自分で言うのもなんだけど、近接戦は僕の得意分なんだ。
モルフォ:でも、モロに攻撃を喰らったのは初めてだなぁ。
ヴォルフ:だが直接やり合って分かった。
ヴォルフ:悔しいが近接戦の腕はお前の方がだいぶ上だ。
モルフォ:まだまだだよ。
ヴォルフ:謙遜すんなよ。
ヴォルフ:銃を蹴り飛ばされちまった。こんなのは初めてだ。
ヴォルフ:けど・・・俺が持ってる銃は1つじゃねぇんだよ。
0:モルフォに銃を突き付けるヴォルフ
モルフォ:もう1丁隠し持ってたんだね。
ヴォルフ:さぁ、終わりだモルフォ。
オルク:おぉ!ヴォルフさんが取りましたね!
オルク:流石は私の相棒です!
クロウ:まぁ最後まで大人しく見てなよ。
モルフォ:やっぱり一筋縄じゃいかないなぁ。
モルフォ:でも・・・そろそろかな。
ヴォルフ:あ?どういうことだ・・・っ!?
0:銃を落とし地面に片膝をつくヴォルフ
ヴォルフ:身体が動かねぇ・・・!
モルフォ:保険掛けといて良かったよ。
ヴォルフ:保険だと・・・?
モルフォ:戦闘を始める前、僕と握手したでしょ?
ヴォルフ:まさか・・・
モルフォ:そのまさかだよ。
ヴォルフ:やってくれんじゃねーか・・・
オルク:どういうことです?
クロウ:開戦前、ヴォルフに握手を求めたんだろう。
クロウ:その時モルフォは自身の手に毒を仕込んでたって訳だ。
オルク:なるほど。
オルク:戦闘前のあの短時間で判断し、行動に移した訳ですか。
0:銃を拾うモルフォ
モルフォ:これ、かっこいい銃だね。
0:ヴォルフの額に銃を突き付ける
ヴォルフ:・・・っ。
モルフォ:さぁ、ヴォルフ。
モルフォ:この距離なら僕でも外さない。
ヴォルフ:クソッ。
モルフォ:けど・・・僕の負けだ。
0:ヴォルフに解毒剤を打つ
ヴォルフ:は?
ヴォルフ:いや、どう考えても俺の負けだろ!
モルフォ:僕の負けだよ。
モルフォ:確かに最後は僕が有利な状況になった。
モルフォ:でも、その前に僕は君に銃を突き付けられてる。
モルフォ:本当ならあそこで決着は付いていたんだ。
ヴォルフ:過程がどうであれ、最終的には油断しちまった俺が悪い。
ヴォルフ:毒で動けなくなって銃も奪われた。
ヴォルフ:俺の負けだ。
モルフォ:いいや、僕の負けだよ。
ヴォルフ:俺の負けだって言ってんだろ!
クロウ:はいはい、2人ともそこまで。
クロウ:今回の戦いでお互い何か掴んだのなら、勝敗は決めなくて良いじゃないか。
オルク:これが本番でしたらどちらかは死んでますけど。
クロウ:確かに。この業界はそう甘くない。
クロウ:でも今回は演習だからね。
ヴォルフ:・・・次こそは白黒はっきりつけてやるからな。
モルフォ:うん、そうだね。
ヴォルフ:んじゃ、次はお前らの番だぜ。
0:オルクVSクロウ
オルク:よろしくお願いします。
クロウ:よろしく。
オルク:クロウさんはどんな戦闘スタイルなんですか?
クロウ:言わないよ。
クロウ:手の内は見せない物だ。
オルク:あなたは得体が知れなさ過ぎるんです。
オルク:正直これでも結構ビビってるんですよ私。
クロウ:元殺し屋と言えどブランクはあるんだ。
クロウ:お手柔らかに頼むよ。
オルク:私がお手柔らかにすると思います?
クロウ:冗談だ。
クロウ:そろそろ開始の合図が出るだろう。配置に着くとしよう。
オルク:はい。
0:スピーカーから声が流れる
ヴォルフ:2人とも準備は良いな?
モルフォ:それじゃあ・・・スタート!
0:戦闘開始
オルク:さぁ、クロウさんはどう来ますかね。
クロウ:(遮って)背後は取られたらダメじゃないか。
0:オルクをナイフで切りつける
オルク:っ!?
オルク:『いつの間にっ!?』
0:咄嗟に避けるオルク
クロウ:ふぅーん。今のを避けるか。
クロウ:良い動きだ。
オルク:お褒め頂きどうもありがとうございます。
オルク:『直前まで気配を感じなかった。あの人、かなりのやり手ですね。』
モルフォ:おぉ、開戦早々熱いね。
オルク:クロウさんはナイフを扱うんですね。
クロウ:あぁ。
オルク:私とお揃いじゃないですか。
クロウ:そうだね。
オルク:お好きなナイフの種類はあるんですか?
クロウ:特に。
オルク:無駄な会話はしないつもりですね。
オルク:私泣いちゃいそうです。
クロウ:気にするな。癖だ。
オルク:『何を考えてるか読めませんが、直接やり合ってみるとしましょうか。』
オルク:次はこちらから行きますよっ!
0:刃物の音
クロウ:『一撃が素早く太刀筋も滑らか。流石、刀やナイフを専門に扱う殺し屋。改めて実感したよ。腕は確かだ。同じ類いの武器で長期戦になるのは避けたいな。』
オルク:『これだけ刀を振るっているというのに、ひとつひとつの攻撃を確実に流していくとは・・・ですがっ!』
クロウ:っ!?
オルク:はぁ。ブランクがあると仰っていましたが、そんなもの無いじゃないですか。
オルク:嘘、つきましたね?
クロウ:いいや、嘘じゃないさ。
クロウ:現にほら、お前に斬られた。
オルク:こんなに本気を出したのは久しぶりですよ。
0:出来た傷を眺めるクロウ
クロウ:『・・・・・・パッセルに傷を付けてしまった。嫌な思い出が蘇るな。つくづく自分に腹が立つ。守るって決めたのに。』
オルク:『雰囲気が変わった。』
クロウ:オルク、今度は僕の番だ。
0:細かい傷を受けていくオルク
オルク:・・・っ!?
オルク:『速いっ!』
クロウ:お前の動きは把握した。
オルク:この短時間でですか!?
クロウ:もう引けは取らない。
モルフォ:2人とも凄い。
ヴォルフ:クロウの奴あんなに動けるのか。
モルフォ:僕もクロウの戦闘は初めて見たなぁ。
ヴォルフ:知らないのか?
ヴォルフ:クロウはお前と出会った時、まだ殺し屋だったんだろ?
モルフォ:出会った時は確かにそうだったよ。
ヴォルフ:殺し屋には「お互い顔を知られたらどちらかは死ぬ」って暗黙の了解があんだろ?
モルフォ:僕達は戦わずに同盟を結んだんだ。
モルフォ:その後、クロウはすぐに情報屋になったからどんな戦い方をするのかは知らなかったんだよ。
ヴォルフ:つまり・・・あ?どういことだ?
モルフォ:詳しい事は僕の口からは言えないや。約束したからね。
ヴォルフ:あっそ。相変わらず謎の多い奴だなクロウは。
クロウ:僕の攻撃に順応しつつ、反撃も加えてきたな。
オルク:徐々にですが私もあなたの動きに慣れてきましたよ。
クロウ:ならやり方を変えようか。
0:銃声
クロウ:ばん。
オルク:くっ!?
ヴォルフ:オルクに銃弾を当てたっ!?
オルク:・・・あはっ。結構痛いですねぇこれ。
クロウ:これが実弾なら、もうお前の右腕は使えない。
オルク:困りましたね。
クロウ:それは嘘だ。全然困ってないね。
クロウ:仮に両腕が使えなくなっても、靴の隠しナイフがあるじゃないか。
オルク:おやおや、バレてましたか。それにしても、銃まで扱うとは。
クロウ:ナイフや銃だけじゃない。武器と呼ぶ物なら大体は扱える。
オルク:化け物がここにもいましたね。
クロウ:ひとつの武器を専門に極めているお前達には引けを取るんだけどね。
オルク:いえ、充分です充分です。
クロウ:僕は殺し屋だった頃、暗殺を生業(なりわい)としていたんだ。
オルク:暗殺ですか。色々納得しましたよ。
クロウ:さて、今度は本業の情報屋らしくいこうかな。
オルク:次から次へと、今度は何をするおつもりで?
クロウ:お前に交渉を持ち出そう。
オルク:どの様な内容かは知りませんが、私が素直に応じるとでも?
クロウ:降参してくれたら・・・
クロウ:ヴォルフのあんな情報やこんな情報をお前にあげよう。
オルク:(即答)私の負けで構いません。
ヴォルフ:はあああぁぁぁ!?
クロウ:交渉成立だね。(ニッコリ)
オルク:えぇ。(ニッコリ)
クロウ:と言う訳で、戦闘はここまでだ。
ヴォルフ:お前らふざけんなよ!?
ヴォルフ:おい!オルク!!お前そんな簡単に負けを認めちまって良いのか!?今ならまだ取り消せる!決断を急ぐな!!
オルク:ヴォルフさんの情報ともなれば話は別ですよ♪
クロウ:だそうだ。諦めろヴォルフ。
ヴォルフ:嘘だろ・・・・・・
モルフォ:あはは、クロウらしいなぁ。
0:監視室から駆け出し2人の元に行くヴォルフ
ヴォルフ:おい!クロウ!!俺のあんな情報やこんな情報ってどんなだ!?せめてオルクに話す前に教えろ!!
クロウ:いくら払う?
オルク:きっとお高いですよ?
ヴォルフ:ニコニコしやがって!!お前らは悪魔か!?
0:モルフォ合流
ヴォルフ:なぁ~モルフォ・・・
モルフォ:可哀想だけど、クロウとオルクで決めた話だし・・・ね?
ヴォルフ:あ、ああああぁぁ・・・
オルク:今日は有意義な時間を過ごせました。
クロウ:帰ってお疲れ様会でもするか。
モルフォ:良いね。
ヴォルフ:なにお前らだけ綺麗に終わろうとしてんだよ!こんちくしょうううぅぅぅ!!
0:Fin