台本概要

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タイトル シャーマン・ウォーズ
作者名 まりおん  (@marion2009)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(不問5)
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 わたしに実害が無い範囲で、有料無料に関わらず全て自由にお使いください。
過度のアドリブ、内容や性別、役名の改編も好きにしてください。
わたしへの連絡や、作者名の表記なども特に必要ありません。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
上条 不問 74 上条忍(かみじょうしのぶ)シャーマンキング統一王者決定戦の運営委員会会長。
葉月 不問 106 葉月葉(はづきよう)見届け人として選ばれた。
御手洗 不問 50 御手洗呉羽(みたらいくれは)北のシャーマンキング。フランクな口調。
四之宮 不問 46 四之宮扇(しのみやおうぎ)東のシャーマンキング。丁寧な口調。
五条院 不問 49 五条院明(ごじょういんあきら)西のシャーマンキング。乱暴な口調。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
前書き:全て性別を不問にしてるので、一人称を自由にしています。 前書き:なので、一人称(僕、私、俺、わし、おいら、あちき、おいどん、などなど)の部分を■■で書いてあります。 前書き:演じる人が好きな一人称で読んでください。  :   :  葉月:この世界には■■の想像を遥かに超える現実というものが確かに存在する。 葉月:これは、■■が実際に体験した、信じられないような体験のお話です。  :  葉月:「はぁ。学校行きたくないなぁ。勉強はつまらないし、友達もいないし。 葉月: ずっと家でゲームだけして生きていけたらいいのに・・・。」 上条:「君。・・・そこの君。」 葉月:「・・・え?■■?■■のことですか?」 上条:「そう。君だよ。葉月葉くん。」 葉月:「え?なぜ■■の名前を?」 上条:「失礼。■■は上条忍と言います。」 葉月:「・・・は、はぁ。」 上条:「■■はシャーマンキング統一王者決定戦の運営委員会の会長なんだけど。」 葉月:「しゃ、シャーマンキング?」 上条:「葉月葉くん、君に今回の統一王者決定戦の見届け人をやってもらいたいと思ってね。」 葉月:「はい?見届け人?」 上条:「そう。シャーマンとは、様々な霊を憑依させることができる霊媒師のことなんだけど、そのキング同士が争う統一王者決定戦が行われる(の)。 上条: そこで、君にその戦いの見届け人をお願いしたいんだ。」 葉月:「え?なんで■■なんかがそんなのに選ばれるの? 葉月: だって、■■なんてただの普通の高校生なのに・・・。」 上条:「そんなことないよ。君は自分のすごさに気づいて無いだけ。」 葉月:「え?」 上条:「君は歴史に名を残すのにふさわしい人物だよ。」 葉月:「■■が歴史に名を残すのにふさわしい人物・・・?」 上条:「そう。だって、葉月葉。下から読んでも葉月葉。すごくない? 上条: 見届け人の欄に葉月葉って書いてあったらなんかかっこよくない?」 葉月:「え?それだけ?」 上条:「そう。」 葉月:「・・・じゃあ、■■学校があるので。」 上条:「ちょっと待って!」 葉月:「なんですか?」 上条:「毎日退屈じゃない?変わらない日常。つまらない毎日。 上条: ■■は、それらを吹き飛ばすような刺激的な世界を提供することができるよ?」 葉月:「刺激的な世界・・・。」 上条:「君は歴史の立会人となる(の)。そして、君の名は歴史に残ることになるんだ(よ)。 上条: 断る理由はないんじゃない?」 葉月:「・・・本当にただ見てるだけでいいの?」 上条:「いや、君がキングを決めるんだ。」 葉月:「■■が、決める?」 上条:「そう。戦いを見届けて、誰が一番のシャーマンか、君の口から宣言する(の)。 上条: どう?できる(かい)?」 葉月:「・・・わかりました。やります。いえ、やらせてください!」 上条:「うん。よく言ってくれた。じゃあ、さっそく行こうか。」 葉月:「はい!よろしくお願いします!」  :  葉月:こうして■■は、真のシャーマンキングを決める戦いの場へと向かうことになりました。  :  葉月:「こ、ここが・・・。」 上条:「そう。ここがシャーマンファイトの会場。略して、シャーマンファイト会場!」 葉月:「一文字しか略して無い!?」 御手洗:「ついにこの日が来たんだね。」 葉月:「え?誰かいる・・・。」 御手洗:「ここだよ。」 葉月:「わぁ!」 御手洗:「あはは。君、面白いね。■■は御手洗呉羽(くれは)。 御手洗: 北のシャーマンキングだよ。よろしくね。」 葉月:「北のシャーマンキング?■■と同じくらいの歳なんじゃ・・・。」 五条院:「おいおい、さっそく見届け人に媚を売ってるのか?」 御手洗:「なに!?」 五条院:「判定は全て見届け人にゆだねられるからなぁ。 五条院: そうやって媚を売っておけば、お情けで真のシャーマンキングに選んでもらえるかもしれないな。」 御手洗:「■■はそんなつもりで挨拶したわけじゃ・・・」 五条院:「■■の名は五条院明(あきら)だ。■■こそが真のシャーマンキングになる者。 五条院: ■■の名前をよく覚えておくことだな。」 葉月:「五条院、あきら・・・。」 上条:「彼(女)は西のシャーマンキングだよ。」 五条院:「ところで上条さんよ、東のあいつはどこにいるんだよ?」 上条:「彼(女)かい?彼(女)なら・・・」 四之宮:「■■ならここにいますよ。」 五条院:「な!?」 四之宮:「ずっと上条さんの後ろに、張り付くように隠れてたんですよ。 四之宮: これぞ、四之宮流忍術、人隠れの術!」 五条院:「・・・これが噂に聞く四之宮流忍術か。やるじゃねぇか。」 葉月:「ずっと無言で付いてくる変な人がいると思ってたら、東のシャーマンキングだった・・・。」 四之宮:「君が葉月葉くん、ですか?■■は東のシャーマンキング、四之宮扇(おうぎ)です。 四之宮: 以後、お見知りおきを。」 御手洗:「扇っち、ひさしぶり。」 四之宮:「お久しぶりです、呉羽。元気でしたか?」 御手洗:「うん。最近は忙しくてのんびりできないけど。」 四之宮:「呉羽は学生とシャーマンキングと二束のわらじですからね。 四之宮: そりゃあ大変でしょう。」 御手洗:「おかげでテストは赤点ばっかだよ。」 四之宮:「ふふ・・・。」 葉月:「上条さん、あの二人はなかがいいんですか?」 上条:「ああ。北と東は案外近いし交流も多い。 上条: 三人とも面識はあるけど、特にあの二人は仲が良いと言って差し支えないだろうね。」 五条院:「おいおい。あいかわらずトイレとうちわは仲良しこよしか? 五条院: 今日はお遊びに来たんじゃねぇんだぞ?」 御手洗:「こら!明!だから!■■はトイレじゃないって言ってるだろ!」 四之宮:「本当に、口の悪さだけはキングですね。 四之宮: でもまあ、彼(女)の言うことにも一理あります。 四之宮: 今日は戦いに来たんですからね。 四之宮: たとえ呉羽相手でも、手は抜きませんよ。」 御手洗:「当たり前だよ。■■はこの日を楽しみにしてきたんだ。 御手洗: 手加減なんかしたら承知しないよ!」 上条:「どうやら三人ともすでにやる気は十分みたいですね。 上条: それでは早速、統一王座決定戦、シャーマンファイトを始めるとしましょうか。」 五条院:「やっとかよ。さっさと始めようぜ。どうせ■■がキングになるんだからな。」 御手洗:「明、今日こそお前を倒してぎゃふんと言わせてやるからな!」 五条院:「はっ、言ってろ、この山猿が。」 四之宮:「静かにしてください。宣誓が始まります。」 上条:「・・・では、葉月葉くん。始まりの宣誓を頼みます。」 葉月:「・・・これを読めばいいんですね?」 上条:「ああ。大きな声でしっかりと宣誓してください。」 葉月:「はい・・・。宣誓! 葉月: シャーマンキングって名乗ってる人が三人もいて、誰が一番すごいのかよくわかりません。 葉月: だから誰が一番すごいのか、勝負して決めることにしました。 葉月: 一番すごかった人を真のシャーマンキングにします。 葉月: みんな頑張ってね。 葉月: 見届け人、葉月葉。」 上条:「・・・・・・。」 葉月:「・・・本当にこれでいいんですか?」 五条院:「うおぉぉ!俄然やる気がわいてきたぜ!」 四之宮:「はやる気持ちを抑えられないとは。■■もまだまだですね。」 御手洗:「さあ!はやくやろうよ!もう待てないよ!」 上条:「ふふ、みんなの闘志に火がついたようですね。」 葉月:「ホントに?あれで?」 上条:「さて、事前にサイコロで決めたとおり、まず最初は五条院さんからですね。」 五条院:「ああ、お前らの度肝を抜くようなやつを見せてやるぜ。」 葉月:「そういえば上条さん、シャーマンファイトってどういう戦いなんですか?」 上条:「ああ、そういえば説明してませんでしたね。 上条: シャーマンファイト。それは死者の魂を口寄せして、その優劣を競い合うのです。」 葉月:「死者の魂を口寄せする!?」 五条院:「いくぜ!はあぁぁぁぁ・・・、はぁ!がくっ・・・。」 葉月:「あれ?・・・大丈夫ですか?」 上条:「しっ!静かに。」 葉月:「は、はい・・・。」 五条院:「・・・ここは?拙者はいったい・・・。」 上条:「あなたは口寄せによって現世へと呼び出されました。」 五条院:「なっ、口寄せとな?」 上条:「はい。ぶしつけではありますが、あなたのお名前をお教えください。」 五条院:「拙者か?拙者は、宮本武蔵と申す。」 葉月:「宮本武蔵!?え?あの、剣豪の!?」 五条院:「うむ。拙者は剣に人生の全てを捧げた者。二刀流の開祖、宮本武蔵である。」 葉月:「す、すごい!宮本武蔵を憑依させるなんて! 葉月: あ、あの、言ってもらいたい台詞があるんですけど。」 五条院:「なんじゃ?言うてみよ。」 葉月:「えっと、『小次郎、敗れたり!』って言ってください。」 五条院:「うむ。わかった。・・・『小次郎!敗れたり!』」 葉月:「すごい!やっぱり本物は迫力が違う!」 五条院:「どうじゃ?満足か?」 葉月:「あ、あと、お箸でハエを捕まえられますか!?」 五条院:「・・・え?」 葉月:「もはや伝説となってる、あの、お箸でハエを捕まえるやつ。 葉月: ぜひ生で見てみたいです!」 五条院:「・・・そ、そうか。うむ。わかった・・・。では・・・。」 葉月:「やった~!マジで感動ものなんですけど!」 五条院:「よし・・・、いくぞ・・・、うっ・・・」 葉月:「ん?どうしたんですか?」 五条院:「何?もう限界?そうでござるか。いや~、残念でござる。 五条院: いいところを見せたかったでござるが、どうやら口寄せ時間の限界のようでござる。」 葉月:「え?」 五条院:「いや~残念でござるな~。でももう時間でござるからな~。 五条院: それではまた、いつかどこかで!どろん!」 葉月:「ああ!」 五条院:「・・・はぁはぁ。どうだ?■■は宮本武蔵を口寄せしたぞ。 五条院: お前らにこれほどの大物が呼び寄せられるかな?」 葉月:「・・・今のって、本当に口寄せ?」 上条:「さすがは西のシャーマンキング。これほどの傑物を呼び寄せるとは・・・。」 御手洗:「明にしてはやるじゃん。でもね、■■だって負けないんだから。」 上条:「次は北のシャーマンキング、御手洗呉羽、君の番だ。」 御手洗:「うん。■■もみんながビックリするようなすごい人呼んじゃうんだから! 御手洗: いっくよ~!モゲラモゲモゲハナモゲラ、モゲラモゲモゲハナモゲラ・・・。」 葉月:「え?なに?変な呪文言い出した。キモ。」 上条:「あれは、御手洗家に伝わる口寄せの呪文だよ。」 葉月:「え?口寄せに呪文とか必要なんですか?」 上条:「御手洗家にはあるんだ。」 葉月:「人によって設定がまちまちだな・・・。」 御手洗:「来~い!織田信長~!」 葉月:「え?織田信長!?」 御手洗:「・・・余は織田信長じゃ。」 上条:「すごい!織田信長を呼び寄せた!」 御手洗:「鉄砲隊とか色々新しい戦術を使い、日の本(ひのもと)統一まで後一歩というところだったのに、明智光秀に討たれてしもうた。 御手洗: 残念じゃったな~。」 葉月:「・・・本当に織田信長?」 御手洗:「な、何を言うておるのじゃ。余は信長じゃ。信長以外の何者でもないのじゃ。」 葉月:「証拠は?」 御手洗:「えっと、鳴かぬなら、殺してしまおう、ホトトギス。・・・どうじゃ?」 葉月:「・・・え?」 御手洗:「え?知らない?結構有名だと思うけど。」 葉月:「いや、知ってるけど。」 御手洗:「だよね?だよね?知ってるよね?」 葉月:「うん。でも、それ言ったからって、信長の証明にはならないですよね?」 御手洗:「・・・うぐっ!時間が・・・。」 葉月:「え?」 御手洗:「ああ~、せっかく今証拠を見せようと思っていたのに~。 御手洗: 残念だな~。時間が無いなんて~。」 葉月:「え?ちょっと?」 御手洗:「では、またでござる。うぐっ!・・・はぁはぁ。」 上条:「宮本武蔵の次は織田信長か。さすがは真のシャーマンキングを決める戦い。 上条: 大物ばかりですね。」 葉月:「・・・なんだか胡散臭い感じしてきたな。」 四之宮:「では、次は■■ですね。」 上条:「ついに、東の番ですね。」 葉月:「あの人はどんな人なんですか?」 上条:「彼(女)は日本でもっとも口寄せの需要が多い東の地域でキングをやっている(の)。 上条: 実質的には彼(女)が現日本一のシャーマンキングと言ってもいいかもしれない。」 葉月:「現日本一・・・。」 四之宮:「宮本武蔵、織田信長と、それぞれすごい人物を呼び出しましたね。 四之宮: これは■■も負けていられません。 四之宮: 二人に負けないすごい人物を呼び出さないといけませんね。」 上条:「すごい・・・。彼(女)の霊気で会場の空気が重くなったようだ・・・。」 葉月:「・・・そうかな?」 四之宮:「では、行かせてもらいますよ。はぁ~! 四之宮: ・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・。」 葉月:「お経を唱え始めた!?」 四之宮:「・・・来てます来てます・・・かなり来てます・・・。」 葉月:「今度は怪しい超能力者みたいなこと言い出した・・・。」 四之宮:「来ました!・・・わらわは邪馬台国の女王、卑弥呼なるぞ。」 上条:「なんだって!?まさか、あの卑弥呼を呼び出したというのか!?」 葉月:「え?それってすごいことなんですか?」 上条:「君、あの卑弥呼だよ?我々シャーマン界の超アイドルにしてもはや神! 上条: みんな卑弥呼さまみたいになりたくてシャーマンになったと言っても過言じゃないくらいだよ!」 葉月:「は、はぁ・・・。」 四之宮:「さて、そこの者、何か占ってしんぜよう。」 上条:「え?■■ですか?」 四之宮:「そうじゃ。何が聞きたい?申してみよ。」 上条:「ありがとうございます!それでは・・・、結婚運をお願いします!」 四之宮:「うむ。わかった。では・・・。 四之宮: ひ~ひ~ひみこん、ひ~ひ~ひみこん。みこみこひみこん、ぷりてぃひみこん。 四之宮: せいっ!・・・わかりました。あなたは・・・、結婚してます。」 上条:「当たってる!すごい!」 四之宮:「では、わらわはこの辺で。また来週。チャオ。・・・こんなん出ました。」 御手洗:「くっ、さすがは扇。まさか卑弥呼を呼び出すとは思わなかったよ。」 四之宮:「■■も賭けだったんですが、どうやらうまくいきましたね。」 上条:「みごとな口寄せでした。これは見届け人の葉くんにも、かなり響いたんじゃないですかね。」 葉月:「え?いや、あの・・・。」 五条院:「ちょっと待ったぁ!」 四之宮:「・・・なんですか?明さんは納得行ってないようすですね。」 五条院:「■■も五条院家を背負って立つ身なんでね。 五条院: このまま、ただ結果を待つというわけには行かないんだよ。」 四之宮:「・・・では、どうするんですか?」 五条院:「二回戦だ!次はもっとすごいやつを呼び寄せてやるぜ!」 四之宮:「ほう・・・。いいでしょう。 四之宮: 次はぐうの音も出ないくらい実力の差を見せ付けてあげますよ。」 御手洗:「ちょっと待ってくれよ。二人がやるってんなら■■もやるよ! 御手洗: ■■だって、まだまだ隠し玉があるんだからね!」 上条:「どうやら、三人ともやる気ですね。いいでしょう! 上条: 次の二回戦が事実上の決定戦となります!」 葉月:「え?じゃあ、今までのはいったいなんだったの?」 五条院:「今度こそ、圧倒的な力の差ってやつを見せ付けてやるよ。」 四之宮:「ほう。それは楽しみですね。」 御手洗:「だから!■■を無視すんなって!」 五条院:「まずは■■からだ!この■■に本気を出させたことを後悔しな! 五条院: ・・・天と地と、あまねく精霊たちよ!我の声に呼応せよ!」 葉月:「さっきはこんな呪文みたいの無かったのに。」 五条院:「我、召喚す!顕現せよ!大日如来!」 葉月:「・・・え?」 五条院:「・・・どうも、仏です。」 上条:「ば、ばかな!」 四之宮:「神格(しんかく)を呼び出した、だと!?」 御手洗:「ま、マジかよ!?」 葉月:「・・・えっと、・・・え?」 五条院:「我は仏だ。南無阿弥陀仏・・・。」 上条:「まさか五条院くんに、これほどの霊力が備わっていたとは・・・。」 葉月:「上条さん?」 上条:「さあ葉くん。仏に聞きたいことはありますか?」 葉月:「え、えっと・・・、なんで精霊たちに呼びかけて仏が来たんですか、とか? 葉月: いや、そんなのダメだ。・・・あ、じゃあ、そのままお待ちいただけますか?」 五条院:「なに?待てと?」 葉月:「はい。あとの二人が口寄せするまでそのまま待っていられます?」 五条院:「仏には造作も無いことよ。」 葉月:「ではお願いします。」 上条:「葉くん、どういうことですか?」 葉月:「次はどちらの番ですか?」 上条:「え?順番的には北の御手洗呉羽の番ですけど・・・。」 葉月:「では御手洗さん、お願いします。」 御手洗:「■■?・・・わかった。 御手洗: ■■も、明の大日如来に負けないやつを呼び出してみせるよ! 御手洗: ふぅ・・・。空よ、大地よ、風よ、森よ。父よ、母よ、妹よ。 御手洗: じいちゃん、ばあちゃん、いとこにはとこ、ポチにタマに金魚のデメ子よ! 御手洗: 森羅万象、すべての命の源よ、■■にその力を貸してくれ! 御手洗: いでよ!北欧神話の主神にして戦争と死の神、オーディン!」 上条:「な!?まさか!御手洗呉羽も、神を呼び出すつもりですか!?」 御手洗:「ごごごごごごごご、どお~ん!・・・ワシを呼んだのは貴様か?」 葉月:「・・・え?」 御手洗:「このワシが死をつかさどる神と知ってのことであろうな?」 葉月:「あ、いえ、呼び出したのは■■じゃありません。」 御手洗:「なに?ではどこのどいつだ?」 葉月:「その体の持ち主ですけど。」 御手洗:「むむ?そうか。こやつか。」 葉月:「あの、もう一人呼び出すので、ちょっと待っててもらえますか?」 御手洗:「え?・・・あ、は~い。」 上条:「北欧神話の神をあのようにあしらうとは・・・。 上条: さすがは見届け人に選ばれただけのことはありますね。」 四之宮:「最後は、■■ですか?」 葉月:「はい。ではお願いします。」 四之宮:「二人が神格を呼び出したのなら、■■もそれ以上を呼び出さないとですね。 四之宮: ・・・決まりました。あの方に来てもらうことにしましょう。」 上条:「これは・・・、やはり四之宮扇も神格を呼び出すということでしょうか。」 四之宮:「いきます・・・。 四之宮: (歌う)お~ジーザ~ス、お~ジーザ~ス、君の名前はジーザ~ス 四之宮: (歌う)そうジーザ~ス、そうジーザ~ス、呼んでいるのはジーザ~ス 四之宮: (歌う)君の名前を呼ぶだけで~、僕の心は強くなる~ 四之宮: (歌う)君が心にいる限り~、歌を歌うよ君の歌~ 四之宮: (歌う)お~ジーザ~ス、お~ジーザ~ス、君の名前は・・・ 四之宮: うっ・・・、来る・・・。」 葉月:「・・・なんで歌ったの?」 上条:「きっと歌うことでトランス状態になり、神との融和性を高めたんでしょう。」 葉月:「ただ歌いたいだけじゃなかったんだ・・・。」 四之宮:「神の中の神、唯一神にして絶対神・・・、いでよ!・・・か、神。」 葉月:「・・・え?」 四之宮:「・・・どうも~、キリスト教の神で~す。」 葉月:「えっと、名前は?」 四之宮:「え?・・・神は神だから。名前とか無いから。」 葉月:「え?」 四之宮:「だって、神って絶対的なものでしょ? 四之宮: むしろ、いっぱいいて名前が付いてるほうがおかしくない? 四之宮: 神は神ってだけでいいの。しいてあげるとしたら神が名前。わかった?」 葉月:「はぁ・・・。」 上条:「これはすごいことになったよ、葉くん。」 葉月:「はい?」 上条:「今目の前には、大日如来とオーディンとキリスト教の絶対神が揃っているんですよ? 上条: もはや、いつ最終戦争ラグナロクが起こってもおかしく無い状態ですよ。」 葉月:「そ、そうですね。」 五条院:「それで?どうやって勝敗を決めるんですか?」 御手洗:「やっぱり殴り合いか?ガチンコか?」 四之宮:「手荒な真似はやめましょう。やはり、シャーマンらしい対決をしないと。」 上条:「さあ、葉くん。見届け人として、君はどうやってキングを決めるつもりですか?」 葉月:「それは・・・、じゃんけんしてください。」 五条院:「・・・え?」 御手洗:「じゃん・・・」 四之宮:「けん・・・?」 葉月:「はい。三人とも神さまが憑依してる状態なので、甲乙つけがたいです。 葉月: なので、もっとも運の強い神様が憑依してる人を優勝とします。」 上条:「な、なるほど・・・。」 五条院:「う、うむ。この仏が負けるわけ無いのでおじゃる。」 御手洗:「ワシも、勝負事に負けたことなどないわ!」 四之宮:「絶対神であるわたしが負けるなどありえませんね。」 上条:「では・・・、用意はいいですか?せ~の!」 五条院:「じゃん!」 御手洗:「けん!」 四之宮:「ぽん!」 上条:「・・・!」 御手洗:「やった~!■■の勝ちだ~!やった~!」 五条院:「そんな!じゃんけんは強いほうだったのに!」 四之宮:「ねえ!今の後出しじゃない?ねえ!後出しじゃない!?」 五条院:「た、たしかに!後出しっぽかった気がする!」 御手洗:「そんなことないよ!ちゃんと一緒に出したよ!」 四之宮:「うるさい!今のは無し!もう一回!もう一回!」 五条院:「そうだそうだ!もう一回だ!」 御手洗:「ずるいぞ!負けたからってそういうこと言い出して!」 四之宮:「ずるくない!ずるいのはトイレのほうだぞ!」 御手洗:「あ~!トイレって言った!やっぱり扇っちも心の中ではトイレって言ってたんだな!」 葉月:「あ~、ちょっとちょっと、皆さん、静かに。静かに~!・・・失格にしますよ!?」 四之宮:「・・・・・・。」 五条院:「・・・・・・。」 御手洗:「・・・・・・。」 葉月:「・・・それと、完全に素に戻っちゃってますよ。」 五条院:「え?」 四之宮:「あ・・・。えっと・・・、それは・・・、じゃんけんが終わった瞬間に、神は帰って行ったのです。」 五条院:「そ、そうそう。帰ったから素に戻ったんだよ。」 御手洗:「神さまだし、そんなに長く憑依してられないしね!そういうこと!」 葉月:「なるほど。じゃあ、さっきのじゃんけんの結果で決めましょう。」 四之宮:「え?」 五条院:「ちょっと待った。」 葉月:「真のシャーマンキングは、御手洗さんということで。」 上条:「・・・それでいいですか?」 葉月:「はい。」 上条:「では、第一回、真のシャーマンキング決定戦、優勝者は・・・、御手洗呉羽です!」 御手洗:「やった~!」 五条院:「くそっ!そんな馬鹿な・・・。」 四之宮:「まさか、呉羽に勝ちを譲ることになろうとは・・・。」 上条:「・・・どうでした?見届け人をやってみて。」 葉月:「そうですね。正直バカバカしかったんですが・・・。」 上条:「・・・ですが?」 葉月:「・・・それでも確かに、ちょっぴりですけど刺激的な世界ではありました。 葉月: つまらない日常を、ちょっとの間ですが忘れられました。 葉月: ありがとうございます。」 上条:「・・・そうですか。それなら、よかったです。」 五条院:「おい!トイレ!いいか、来月は絶対に負けねぇからな! 五条院: 首洗って待ってろよ!」 御手洗:「だから!トイレって呼ぶなって言ってるだろ!」 四之宮:「呉羽。今回は負けたが、来月までにさらに力をつけて戻ってきます。 四之宮: その時は、今度こそ■■が勝ちますからね。」 御手洗:「ああ。望むところだよ。 御手洗: 来月も、■■が真のシャーマンキングを勝ち取ってみせるから!」 葉月:「・・・あの、来月がどうのって言ってますけど・・・。」 上条:「ああ、はい。この決定戦、毎月行われるんで。」 葉月:「多くない!?」 上条:「年イチだと、負けたときしんどいからって言われまして・・・。」 葉月:「負けたときのこと考えすぎだよ・・・。 葉月: でも、毎月見届け人を探すのも大変じゃないですか?」 上条:「ああ、それは大丈夫です。見届け人は死なない限り代わりませんから。」 葉月:「え?ああ、そうなんですね。なら大丈夫か。」 上条:「はい。」 葉月:「・・・ええええええ!?いやだよ!こんなの毎月見たくないよ!」 上条:「ええ?でもさっき、つまらない日常を忘れられたって喜んでたじゃないですか。」 葉月:「初めてだったからですよ!毎月開いてたら、これが日常になっちゃうでしょ!」 上条:「面白いこと言いますね。」 葉月:「何も面白く無いよ!」 御手洗:「あの!今回、口寄せに神さま呼び出しちゃって、次はもうこれ以上何もできないので、内容を変えたいんですけど・・・。」 上条:「たしかに・・・。じゃあ、どうしましょうか?」 四之宮:「では、マジックで対決とかどうでしょう?」 御手洗:「マジック?って、手品ってこと?」 四之宮:「そう。あれって不思議な感じがするから、シャーマンっぽくない?」 五条院:「いいだろう!トランプマジックなら二つくらいできるからな。 五条院: 来月こそ優勝をいただくぜ!」 御手洗:「面白そう!■■もすっごいマジックを覚えてきて、みんなを驚かせるんだから!」 四之宮:「ふふ。■■の手先の器用さを見せる時が来たようですね。 四之宮: 来月が楽しみですよ。ふっふっふ・・・。」 上条:「これは・・・、来月も熱い戦いになりそうですね・・・・。」 葉月:「・・・もうシャーマン関係なくなっちゃった!」 0:おわり

前書き:全て性別を不問にしてるので、一人称を自由にしています。 前書き:なので、一人称(僕、私、俺、わし、おいら、あちき、おいどん、などなど)の部分を■■で書いてあります。 前書き:演じる人が好きな一人称で読んでください。  :   :  葉月:この世界には■■の想像を遥かに超える現実というものが確かに存在する。 葉月:これは、■■が実際に体験した、信じられないような体験のお話です。  :  葉月:「はぁ。学校行きたくないなぁ。勉強はつまらないし、友達もいないし。 葉月: ずっと家でゲームだけして生きていけたらいいのに・・・。」 上条:「君。・・・そこの君。」 葉月:「・・・え?■■?■■のことですか?」 上条:「そう。君だよ。葉月葉くん。」 葉月:「え?なぜ■■の名前を?」 上条:「失礼。■■は上条忍と言います。」 葉月:「・・・は、はぁ。」 上条:「■■はシャーマンキング統一王者決定戦の運営委員会の会長なんだけど。」 葉月:「しゃ、シャーマンキング?」 上条:「葉月葉くん、君に今回の統一王者決定戦の見届け人をやってもらいたいと思ってね。」 葉月:「はい?見届け人?」 上条:「そう。シャーマンとは、様々な霊を憑依させることができる霊媒師のことなんだけど、そのキング同士が争う統一王者決定戦が行われる(の)。 上条: そこで、君にその戦いの見届け人をお願いしたいんだ。」 葉月:「え?なんで■■なんかがそんなのに選ばれるの? 葉月: だって、■■なんてただの普通の高校生なのに・・・。」 上条:「そんなことないよ。君は自分のすごさに気づいて無いだけ。」 葉月:「え?」 上条:「君は歴史に名を残すのにふさわしい人物だよ。」 葉月:「■■が歴史に名を残すのにふさわしい人物・・・?」 上条:「そう。だって、葉月葉。下から読んでも葉月葉。すごくない? 上条: 見届け人の欄に葉月葉って書いてあったらなんかかっこよくない?」 葉月:「え?それだけ?」 上条:「そう。」 葉月:「・・・じゃあ、■■学校があるので。」 上条:「ちょっと待って!」 葉月:「なんですか?」 上条:「毎日退屈じゃない?変わらない日常。つまらない毎日。 上条: ■■は、それらを吹き飛ばすような刺激的な世界を提供することができるよ?」 葉月:「刺激的な世界・・・。」 上条:「君は歴史の立会人となる(の)。そして、君の名は歴史に残ることになるんだ(よ)。 上条: 断る理由はないんじゃない?」 葉月:「・・・本当にただ見てるだけでいいの?」 上条:「いや、君がキングを決めるんだ。」 葉月:「■■が、決める?」 上条:「そう。戦いを見届けて、誰が一番のシャーマンか、君の口から宣言する(の)。 上条: どう?できる(かい)?」 葉月:「・・・わかりました。やります。いえ、やらせてください!」 上条:「うん。よく言ってくれた。じゃあ、さっそく行こうか。」 葉月:「はい!よろしくお願いします!」  :  葉月:こうして■■は、真のシャーマンキングを決める戦いの場へと向かうことになりました。  :  葉月:「こ、ここが・・・。」 上条:「そう。ここがシャーマンファイトの会場。略して、シャーマンファイト会場!」 葉月:「一文字しか略して無い!?」 御手洗:「ついにこの日が来たんだね。」 葉月:「え?誰かいる・・・。」 御手洗:「ここだよ。」 葉月:「わぁ!」 御手洗:「あはは。君、面白いね。■■は御手洗呉羽(くれは)。 御手洗: 北のシャーマンキングだよ。よろしくね。」 葉月:「北のシャーマンキング?■■と同じくらいの歳なんじゃ・・・。」 五条院:「おいおい、さっそく見届け人に媚を売ってるのか?」 御手洗:「なに!?」 五条院:「判定は全て見届け人にゆだねられるからなぁ。 五条院: そうやって媚を売っておけば、お情けで真のシャーマンキングに選んでもらえるかもしれないな。」 御手洗:「■■はそんなつもりで挨拶したわけじゃ・・・」 五条院:「■■の名は五条院明(あきら)だ。■■こそが真のシャーマンキングになる者。 五条院: ■■の名前をよく覚えておくことだな。」 葉月:「五条院、あきら・・・。」 上条:「彼(女)は西のシャーマンキングだよ。」 五条院:「ところで上条さんよ、東のあいつはどこにいるんだよ?」 上条:「彼(女)かい?彼(女)なら・・・」 四之宮:「■■ならここにいますよ。」 五条院:「な!?」 四之宮:「ずっと上条さんの後ろに、張り付くように隠れてたんですよ。 四之宮: これぞ、四之宮流忍術、人隠れの術!」 五条院:「・・・これが噂に聞く四之宮流忍術か。やるじゃねぇか。」 葉月:「ずっと無言で付いてくる変な人がいると思ってたら、東のシャーマンキングだった・・・。」 四之宮:「君が葉月葉くん、ですか?■■は東のシャーマンキング、四之宮扇(おうぎ)です。 四之宮: 以後、お見知りおきを。」 御手洗:「扇っち、ひさしぶり。」 四之宮:「お久しぶりです、呉羽。元気でしたか?」 御手洗:「うん。最近は忙しくてのんびりできないけど。」 四之宮:「呉羽は学生とシャーマンキングと二束のわらじですからね。 四之宮: そりゃあ大変でしょう。」 御手洗:「おかげでテストは赤点ばっかだよ。」 四之宮:「ふふ・・・。」 葉月:「上条さん、あの二人はなかがいいんですか?」 上条:「ああ。北と東は案外近いし交流も多い。 上条: 三人とも面識はあるけど、特にあの二人は仲が良いと言って差し支えないだろうね。」 五条院:「おいおい。あいかわらずトイレとうちわは仲良しこよしか? 五条院: 今日はお遊びに来たんじゃねぇんだぞ?」 御手洗:「こら!明!だから!■■はトイレじゃないって言ってるだろ!」 四之宮:「本当に、口の悪さだけはキングですね。 四之宮: でもまあ、彼(女)の言うことにも一理あります。 四之宮: 今日は戦いに来たんですからね。 四之宮: たとえ呉羽相手でも、手は抜きませんよ。」 御手洗:「当たり前だよ。■■はこの日を楽しみにしてきたんだ。 御手洗: 手加減なんかしたら承知しないよ!」 上条:「どうやら三人ともすでにやる気は十分みたいですね。 上条: それでは早速、統一王座決定戦、シャーマンファイトを始めるとしましょうか。」 五条院:「やっとかよ。さっさと始めようぜ。どうせ■■がキングになるんだからな。」 御手洗:「明、今日こそお前を倒してぎゃふんと言わせてやるからな!」 五条院:「はっ、言ってろ、この山猿が。」 四之宮:「静かにしてください。宣誓が始まります。」 上条:「・・・では、葉月葉くん。始まりの宣誓を頼みます。」 葉月:「・・・これを読めばいいんですね?」 上条:「ああ。大きな声でしっかりと宣誓してください。」 葉月:「はい・・・。宣誓! 葉月: シャーマンキングって名乗ってる人が三人もいて、誰が一番すごいのかよくわかりません。 葉月: だから誰が一番すごいのか、勝負して決めることにしました。 葉月: 一番すごかった人を真のシャーマンキングにします。 葉月: みんな頑張ってね。 葉月: 見届け人、葉月葉。」 上条:「・・・・・・。」 葉月:「・・・本当にこれでいいんですか?」 五条院:「うおぉぉ!俄然やる気がわいてきたぜ!」 四之宮:「はやる気持ちを抑えられないとは。■■もまだまだですね。」 御手洗:「さあ!はやくやろうよ!もう待てないよ!」 上条:「ふふ、みんなの闘志に火がついたようですね。」 葉月:「ホントに?あれで?」 上条:「さて、事前にサイコロで決めたとおり、まず最初は五条院さんからですね。」 五条院:「ああ、お前らの度肝を抜くようなやつを見せてやるぜ。」 葉月:「そういえば上条さん、シャーマンファイトってどういう戦いなんですか?」 上条:「ああ、そういえば説明してませんでしたね。 上条: シャーマンファイト。それは死者の魂を口寄せして、その優劣を競い合うのです。」 葉月:「死者の魂を口寄せする!?」 五条院:「いくぜ!はあぁぁぁぁ・・・、はぁ!がくっ・・・。」 葉月:「あれ?・・・大丈夫ですか?」 上条:「しっ!静かに。」 葉月:「は、はい・・・。」 五条院:「・・・ここは?拙者はいったい・・・。」 上条:「あなたは口寄せによって現世へと呼び出されました。」 五条院:「なっ、口寄せとな?」 上条:「はい。ぶしつけではありますが、あなたのお名前をお教えください。」 五条院:「拙者か?拙者は、宮本武蔵と申す。」 葉月:「宮本武蔵!?え?あの、剣豪の!?」 五条院:「うむ。拙者は剣に人生の全てを捧げた者。二刀流の開祖、宮本武蔵である。」 葉月:「す、すごい!宮本武蔵を憑依させるなんて! 葉月: あ、あの、言ってもらいたい台詞があるんですけど。」 五条院:「なんじゃ?言うてみよ。」 葉月:「えっと、『小次郎、敗れたり!』って言ってください。」 五条院:「うむ。わかった。・・・『小次郎!敗れたり!』」 葉月:「すごい!やっぱり本物は迫力が違う!」 五条院:「どうじゃ?満足か?」 葉月:「あ、あと、お箸でハエを捕まえられますか!?」 五条院:「・・・え?」 葉月:「もはや伝説となってる、あの、お箸でハエを捕まえるやつ。 葉月: ぜひ生で見てみたいです!」 五条院:「・・・そ、そうか。うむ。わかった・・・。では・・・。」 葉月:「やった~!マジで感動ものなんですけど!」 五条院:「よし・・・、いくぞ・・・、うっ・・・」 葉月:「ん?どうしたんですか?」 五条院:「何?もう限界?そうでござるか。いや~、残念でござる。 五条院: いいところを見せたかったでござるが、どうやら口寄せ時間の限界のようでござる。」 葉月:「え?」 五条院:「いや~残念でござるな~。でももう時間でござるからな~。 五条院: それではまた、いつかどこかで!どろん!」 葉月:「ああ!」 五条院:「・・・はぁはぁ。どうだ?■■は宮本武蔵を口寄せしたぞ。 五条院: お前らにこれほどの大物が呼び寄せられるかな?」 葉月:「・・・今のって、本当に口寄せ?」 上条:「さすがは西のシャーマンキング。これほどの傑物を呼び寄せるとは・・・。」 御手洗:「明にしてはやるじゃん。でもね、■■だって負けないんだから。」 上条:「次は北のシャーマンキング、御手洗呉羽、君の番だ。」 御手洗:「うん。■■もみんながビックリするようなすごい人呼んじゃうんだから! 御手洗: いっくよ~!モゲラモゲモゲハナモゲラ、モゲラモゲモゲハナモゲラ・・・。」 葉月:「え?なに?変な呪文言い出した。キモ。」 上条:「あれは、御手洗家に伝わる口寄せの呪文だよ。」 葉月:「え?口寄せに呪文とか必要なんですか?」 上条:「御手洗家にはあるんだ。」 葉月:「人によって設定がまちまちだな・・・。」 御手洗:「来~い!織田信長~!」 葉月:「え?織田信長!?」 御手洗:「・・・余は織田信長じゃ。」 上条:「すごい!織田信長を呼び寄せた!」 御手洗:「鉄砲隊とか色々新しい戦術を使い、日の本(ひのもと)統一まで後一歩というところだったのに、明智光秀に討たれてしもうた。 御手洗: 残念じゃったな~。」 葉月:「・・・本当に織田信長?」 御手洗:「な、何を言うておるのじゃ。余は信長じゃ。信長以外の何者でもないのじゃ。」 葉月:「証拠は?」 御手洗:「えっと、鳴かぬなら、殺してしまおう、ホトトギス。・・・どうじゃ?」 葉月:「・・・え?」 御手洗:「え?知らない?結構有名だと思うけど。」 葉月:「いや、知ってるけど。」 御手洗:「だよね?だよね?知ってるよね?」 葉月:「うん。でも、それ言ったからって、信長の証明にはならないですよね?」 御手洗:「・・・うぐっ!時間が・・・。」 葉月:「え?」 御手洗:「ああ~、せっかく今証拠を見せようと思っていたのに~。 御手洗: 残念だな~。時間が無いなんて~。」 葉月:「え?ちょっと?」 御手洗:「では、またでござる。うぐっ!・・・はぁはぁ。」 上条:「宮本武蔵の次は織田信長か。さすがは真のシャーマンキングを決める戦い。 上条: 大物ばかりですね。」 葉月:「・・・なんだか胡散臭い感じしてきたな。」 四之宮:「では、次は■■ですね。」 上条:「ついに、東の番ですね。」 葉月:「あの人はどんな人なんですか?」 上条:「彼(女)は日本でもっとも口寄せの需要が多い東の地域でキングをやっている(の)。 上条: 実質的には彼(女)が現日本一のシャーマンキングと言ってもいいかもしれない。」 葉月:「現日本一・・・。」 四之宮:「宮本武蔵、織田信長と、それぞれすごい人物を呼び出しましたね。 四之宮: これは■■も負けていられません。 四之宮: 二人に負けないすごい人物を呼び出さないといけませんね。」 上条:「すごい・・・。彼(女)の霊気で会場の空気が重くなったようだ・・・。」 葉月:「・・・そうかな?」 四之宮:「では、行かせてもらいますよ。はぁ~! 四之宮: ・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・。」 葉月:「お経を唱え始めた!?」 四之宮:「・・・来てます来てます・・・かなり来てます・・・。」 葉月:「今度は怪しい超能力者みたいなこと言い出した・・・。」 四之宮:「来ました!・・・わらわは邪馬台国の女王、卑弥呼なるぞ。」 上条:「なんだって!?まさか、あの卑弥呼を呼び出したというのか!?」 葉月:「え?それってすごいことなんですか?」 上条:「君、あの卑弥呼だよ?我々シャーマン界の超アイドルにしてもはや神! 上条: みんな卑弥呼さまみたいになりたくてシャーマンになったと言っても過言じゃないくらいだよ!」 葉月:「は、はぁ・・・。」 四之宮:「さて、そこの者、何か占ってしんぜよう。」 上条:「え?■■ですか?」 四之宮:「そうじゃ。何が聞きたい?申してみよ。」 上条:「ありがとうございます!それでは・・・、結婚運をお願いします!」 四之宮:「うむ。わかった。では・・・。 四之宮: ひ~ひ~ひみこん、ひ~ひ~ひみこん。みこみこひみこん、ぷりてぃひみこん。 四之宮: せいっ!・・・わかりました。あなたは・・・、結婚してます。」 上条:「当たってる!すごい!」 四之宮:「では、わらわはこの辺で。また来週。チャオ。・・・こんなん出ました。」 御手洗:「くっ、さすがは扇。まさか卑弥呼を呼び出すとは思わなかったよ。」 四之宮:「■■も賭けだったんですが、どうやらうまくいきましたね。」 上条:「みごとな口寄せでした。これは見届け人の葉くんにも、かなり響いたんじゃないですかね。」 葉月:「え?いや、あの・・・。」 五条院:「ちょっと待ったぁ!」 四之宮:「・・・なんですか?明さんは納得行ってないようすですね。」 五条院:「■■も五条院家を背負って立つ身なんでね。 五条院: このまま、ただ結果を待つというわけには行かないんだよ。」 四之宮:「・・・では、どうするんですか?」 五条院:「二回戦だ!次はもっとすごいやつを呼び寄せてやるぜ!」 四之宮:「ほう・・・。いいでしょう。 四之宮: 次はぐうの音も出ないくらい実力の差を見せ付けてあげますよ。」 御手洗:「ちょっと待ってくれよ。二人がやるってんなら■■もやるよ! 御手洗: ■■だって、まだまだ隠し玉があるんだからね!」 上条:「どうやら、三人ともやる気ですね。いいでしょう! 上条: 次の二回戦が事実上の決定戦となります!」 葉月:「え?じゃあ、今までのはいったいなんだったの?」 五条院:「今度こそ、圧倒的な力の差ってやつを見せ付けてやるよ。」 四之宮:「ほう。それは楽しみですね。」 御手洗:「だから!■■を無視すんなって!」 五条院:「まずは■■からだ!この■■に本気を出させたことを後悔しな! 五条院: ・・・天と地と、あまねく精霊たちよ!我の声に呼応せよ!」 葉月:「さっきはこんな呪文みたいの無かったのに。」 五条院:「我、召喚す!顕現せよ!大日如来!」 葉月:「・・・え?」 五条院:「・・・どうも、仏です。」 上条:「ば、ばかな!」 四之宮:「神格(しんかく)を呼び出した、だと!?」 御手洗:「ま、マジかよ!?」 葉月:「・・・えっと、・・・え?」 五条院:「我は仏だ。南無阿弥陀仏・・・。」 上条:「まさか五条院くんに、これほどの霊力が備わっていたとは・・・。」 葉月:「上条さん?」 上条:「さあ葉くん。仏に聞きたいことはありますか?」 葉月:「え、えっと・・・、なんで精霊たちに呼びかけて仏が来たんですか、とか? 葉月: いや、そんなのダメだ。・・・あ、じゃあ、そのままお待ちいただけますか?」 五条院:「なに?待てと?」 葉月:「はい。あとの二人が口寄せするまでそのまま待っていられます?」 五条院:「仏には造作も無いことよ。」 葉月:「ではお願いします。」 上条:「葉くん、どういうことですか?」 葉月:「次はどちらの番ですか?」 上条:「え?順番的には北の御手洗呉羽の番ですけど・・・。」 葉月:「では御手洗さん、お願いします。」 御手洗:「■■?・・・わかった。 御手洗: ■■も、明の大日如来に負けないやつを呼び出してみせるよ! 御手洗: ふぅ・・・。空よ、大地よ、風よ、森よ。父よ、母よ、妹よ。 御手洗: じいちゃん、ばあちゃん、いとこにはとこ、ポチにタマに金魚のデメ子よ! 御手洗: 森羅万象、すべての命の源よ、■■にその力を貸してくれ! 御手洗: いでよ!北欧神話の主神にして戦争と死の神、オーディン!」 上条:「な!?まさか!御手洗呉羽も、神を呼び出すつもりですか!?」 御手洗:「ごごごごごごごご、どお~ん!・・・ワシを呼んだのは貴様か?」 葉月:「・・・え?」 御手洗:「このワシが死をつかさどる神と知ってのことであろうな?」 葉月:「あ、いえ、呼び出したのは■■じゃありません。」 御手洗:「なに?ではどこのどいつだ?」 葉月:「その体の持ち主ですけど。」 御手洗:「むむ?そうか。こやつか。」 葉月:「あの、もう一人呼び出すので、ちょっと待っててもらえますか?」 御手洗:「え?・・・あ、は~い。」 上条:「北欧神話の神をあのようにあしらうとは・・・。 上条: さすがは見届け人に選ばれただけのことはありますね。」 四之宮:「最後は、■■ですか?」 葉月:「はい。ではお願いします。」 四之宮:「二人が神格を呼び出したのなら、■■もそれ以上を呼び出さないとですね。 四之宮: ・・・決まりました。あの方に来てもらうことにしましょう。」 上条:「これは・・・、やはり四之宮扇も神格を呼び出すということでしょうか。」 四之宮:「いきます・・・。 四之宮: (歌う)お~ジーザ~ス、お~ジーザ~ス、君の名前はジーザ~ス 四之宮: (歌う)そうジーザ~ス、そうジーザ~ス、呼んでいるのはジーザ~ス 四之宮: (歌う)君の名前を呼ぶだけで~、僕の心は強くなる~ 四之宮: (歌う)君が心にいる限り~、歌を歌うよ君の歌~ 四之宮: (歌う)お~ジーザ~ス、お~ジーザ~ス、君の名前は・・・ 四之宮: うっ・・・、来る・・・。」 葉月:「・・・なんで歌ったの?」 上条:「きっと歌うことでトランス状態になり、神との融和性を高めたんでしょう。」 葉月:「ただ歌いたいだけじゃなかったんだ・・・。」 四之宮:「神の中の神、唯一神にして絶対神・・・、いでよ!・・・か、神。」 葉月:「・・・え?」 四之宮:「・・・どうも~、キリスト教の神で~す。」 葉月:「えっと、名前は?」 四之宮:「え?・・・神は神だから。名前とか無いから。」 葉月:「え?」 四之宮:「だって、神って絶対的なものでしょ? 四之宮: むしろ、いっぱいいて名前が付いてるほうがおかしくない? 四之宮: 神は神ってだけでいいの。しいてあげるとしたら神が名前。わかった?」 葉月:「はぁ・・・。」 上条:「これはすごいことになったよ、葉くん。」 葉月:「はい?」 上条:「今目の前には、大日如来とオーディンとキリスト教の絶対神が揃っているんですよ? 上条: もはや、いつ最終戦争ラグナロクが起こってもおかしく無い状態ですよ。」 葉月:「そ、そうですね。」 五条院:「それで?どうやって勝敗を決めるんですか?」 御手洗:「やっぱり殴り合いか?ガチンコか?」 四之宮:「手荒な真似はやめましょう。やはり、シャーマンらしい対決をしないと。」 上条:「さあ、葉くん。見届け人として、君はどうやってキングを決めるつもりですか?」 葉月:「それは・・・、じゃんけんしてください。」 五条院:「・・・え?」 御手洗:「じゃん・・・」 四之宮:「けん・・・?」 葉月:「はい。三人とも神さまが憑依してる状態なので、甲乙つけがたいです。 葉月: なので、もっとも運の強い神様が憑依してる人を優勝とします。」 上条:「な、なるほど・・・。」 五条院:「う、うむ。この仏が負けるわけ無いのでおじゃる。」 御手洗:「ワシも、勝負事に負けたことなどないわ!」 四之宮:「絶対神であるわたしが負けるなどありえませんね。」 上条:「では・・・、用意はいいですか?せ~の!」 五条院:「じゃん!」 御手洗:「けん!」 四之宮:「ぽん!」 上条:「・・・!」 御手洗:「やった~!■■の勝ちだ~!やった~!」 五条院:「そんな!じゃんけんは強いほうだったのに!」 四之宮:「ねえ!今の後出しじゃない?ねえ!後出しじゃない!?」 五条院:「た、たしかに!後出しっぽかった気がする!」 御手洗:「そんなことないよ!ちゃんと一緒に出したよ!」 四之宮:「うるさい!今のは無し!もう一回!もう一回!」 五条院:「そうだそうだ!もう一回だ!」 御手洗:「ずるいぞ!負けたからってそういうこと言い出して!」 四之宮:「ずるくない!ずるいのはトイレのほうだぞ!」 御手洗:「あ~!トイレって言った!やっぱり扇っちも心の中ではトイレって言ってたんだな!」 葉月:「あ~、ちょっとちょっと、皆さん、静かに。静かに~!・・・失格にしますよ!?」 四之宮:「・・・・・・。」 五条院:「・・・・・・。」 御手洗:「・・・・・・。」 葉月:「・・・それと、完全に素に戻っちゃってますよ。」 五条院:「え?」 四之宮:「あ・・・。えっと・・・、それは・・・、じゃんけんが終わった瞬間に、神は帰って行ったのです。」 五条院:「そ、そうそう。帰ったから素に戻ったんだよ。」 御手洗:「神さまだし、そんなに長く憑依してられないしね!そういうこと!」 葉月:「なるほど。じゃあ、さっきのじゃんけんの結果で決めましょう。」 四之宮:「え?」 五条院:「ちょっと待った。」 葉月:「真のシャーマンキングは、御手洗さんということで。」 上条:「・・・それでいいですか?」 葉月:「はい。」 上条:「では、第一回、真のシャーマンキング決定戦、優勝者は・・・、御手洗呉羽です!」 御手洗:「やった~!」 五条院:「くそっ!そんな馬鹿な・・・。」 四之宮:「まさか、呉羽に勝ちを譲ることになろうとは・・・。」 上条:「・・・どうでした?見届け人をやってみて。」 葉月:「そうですね。正直バカバカしかったんですが・・・。」 上条:「・・・ですが?」 葉月:「・・・それでも確かに、ちょっぴりですけど刺激的な世界ではありました。 葉月: つまらない日常を、ちょっとの間ですが忘れられました。 葉月: ありがとうございます。」 上条:「・・・そうですか。それなら、よかったです。」 五条院:「おい!トイレ!いいか、来月は絶対に負けねぇからな! 五条院: 首洗って待ってろよ!」 御手洗:「だから!トイレって呼ぶなって言ってるだろ!」 四之宮:「呉羽。今回は負けたが、来月までにさらに力をつけて戻ってきます。 四之宮: その時は、今度こそ■■が勝ちますからね。」 御手洗:「ああ。望むところだよ。 御手洗: 来月も、■■が真のシャーマンキングを勝ち取ってみせるから!」 葉月:「・・・あの、来月がどうのって言ってますけど・・・。」 上条:「ああ、はい。この決定戦、毎月行われるんで。」 葉月:「多くない!?」 上条:「年イチだと、負けたときしんどいからって言われまして・・・。」 葉月:「負けたときのこと考えすぎだよ・・・。 葉月: でも、毎月見届け人を探すのも大変じゃないですか?」 上条:「ああ、それは大丈夫です。見届け人は死なない限り代わりませんから。」 葉月:「え?ああ、そうなんですね。なら大丈夫か。」 上条:「はい。」 葉月:「・・・ええええええ!?いやだよ!こんなの毎月見たくないよ!」 上条:「ええ?でもさっき、つまらない日常を忘れられたって喜んでたじゃないですか。」 葉月:「初めてだったからですよ!毎月開いてたら、これが日常になっちゃうでしょ!」 上条:「面白いこと言いますね。」 葉月:「何も面白く無いよ!」 御手洗:「あの!今回、口寄せに神さま呼び出しちゃって、次はもうこれ以上何もできないので、内容を変えたいんですけど・・・。」 上条:「たしかに・・・。じゃあ、どうしましょうか?」 四之宮:「では、マジックで対決とかどうでしょう?」 御手洗:「マジック?って、手品ってこと?」 四之宮:「そう。あれって不思議な感じがするから、シャーマンっぽくない?」 五条院:「いいだろう!トランプマジックなら二つくらいできるからな。 五条院: 来月こそ優勝をいただくぜ!」 御手洗:「面白そう!■■もすっごいマジックを覚えてきて、みんなを驚かせるんだから!」 四之宮:「ふふ。■■の手先の器用さを見せる時が来たようですね。 四之宮: 来月が楽しみですよ。ふっふっふ・・・。」 上条:「これは・・・、来月も熱い戦いになりそうですね・・・・。」 葉月:「・・・もうシャーマン関係なくなっちゃった!」 0:おわり