台本概要

 622 views 

タイトル ピサロ・ザ・デスゲーム
作者名 天道司
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(男1、女1、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ご自由に、お使い下さい。

 622 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ピサロ 不問 64 ゲームマスター
サクヤ 80 一般人
ヒメコ 72 一般人
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
サクヤ:「んっ…。んんっ…。ここは…。どこだ?確か昨晩は、ヒメコと…」 サクヤ:「あっ!ヒメコ!ヒメコ!しっかりしろ!」 ヒメコ:「んっ…。んん…えっ!?なに?サクヤ?えっ?なになに?ここ、どこ?」 ヒメコ:「えっ、なにこれ?この鉄の腕輪!鎖でサクヤの腕輪とつながってる」 サクヤ:「あぁ、これ、夢じゃないよな?」 ヒメコ:「やだ…。最悪…」 ピサロ:「グッドモーニング!」 サクヤ:「誰だ?」 ヒメコ:「えっ?なに?どこから声が?」 ピサロ:「ヒャヒャヒャヒャヒャーッ!ようそこ!ボクのゲームの盤上へ!」 ピサロ:「ボクは、ゲームマスターのピサロ、だよ!」 ヒメコ:「ピサロ?ピサロって、まさか…」 サクヤ:「あぁ…。今の笑い方、この口調、間違いない。テレビの番組ジャックでも聞いたことがある」 サクヤ:「大統領殺しのS級犯罪者、ピサロ…。でも、なんでこんな真似を…。俺たち一般人だぞ」 ヒメコ:「そうだよ!こんなことして、あんたになんのメリットがあるっていうの?」 ヒメコ:「私たちを早くここから出してよ!」 ピサロ:「出すよ。出してあげるさ!でも、でもでもでもね!もう、ゲームは始まってるんだ」 ピサロ:「始まったからには、クリアしてもらわないとだよネッ!」 サクヤ:「ふざけるな!」 ピサロ:「ふざけちゃう~!テヘペロw」 ヒメコ:「サクヤ、だめだよ。コイツを刺激しちゃ」 ピサロ:「ヒャッ!ガールの方は、ボーイと比べて物分りがいいようだネッ!」 ピサロ:「そう、ボクは、ゲームマスター。キミたちの命は、ボクの気分次第で、ボタンひとつで」 ピサロ:「いつでも握りつぶせる~」 サクヤ:「どういうことだ?」 ピサロ:「説明、いる?」 サクヤ:「は!?」 ヒメコ:「サクヤ、だめ!ピサロを刺激したら、ほんとに殺されちゃう!ほんとにヤバイ奴だって、サクヤも知ってるでしょ?」 サクヤ:「それは、わかってるけど…」 ヒメコ:「サクヤ、あのね。サクヤ一人の命じゃなくて、私の命もかかってるの」 サクヤ:「うん…。そうだね…。冷静になるべきだった」 ピサロ:「そう!そうそうそう!クールダウン!ボクを怒らせた時点で、ゲームオーバー」 ピサロ:「ボクを楽しい気持ちにさせてくれたら、満足させてくれたら、安全に、そう、安全に、ここから開放してあげるよ」 ヒメコ:「満足させてくれたら?どういうこと?それと…」 ヒメコ:「私たちの命をボタンひとつで握りつぶせるとも言ってたよね?」 ピサロ:「オーケーオーケー。説明しちゃう。ボクの手元には、リモコンがある」 ピサロ:「リモコンには、青色と黄色と赤色のボタンがある」 サクヤ:「青色と黄色と赤色って、信号機か?」 ピサロ:「ビンゴ!青色は、安全!青色のボタンを押せば、二人の手錠は外れるし、その部屋の扉も開いて、外に出られる。ハッピーエンド!」 ピサロ:「黄色は、注意!黄色のボタンを押せば、二人の手錠は爆発し、こっぱみじん!バーン!バッドエンド!」 ヒメコ:「え?黄色のボタンは、注意じゃないの?二人とも死ぬって」 サクヤ:「ふざけるなよ!じゃあ、赤色のボタンは、どうなるんだよ」 ピサロ:「やっぱ気になる?気になるよねぇ?」 サクヤ:「ぐっ!」 ヒメコ:「サクヤ、だめ!冷静に」 サクヤ:「あぁ、わかってる」 ヒメコ:「気になるから、赤色のボタンのことも教えてくれる?」 ピサロ:「うん。教えない。テヘペロw」 サクヤ:「狂ってやがる…」 ヒメコ:「それで、どうすれば、あなたに青色のボタンを押してもらえるの?」 ピサロ:「オーケー!それじゃ、イッツァ、ショーターイム!」 サクヤ:「ん?天井に穴が…」 ヒメコ:「わっ!なにか落ちてきた…。これは、ノートとペン?」 ピサロ:「はいは~い。ノート2冊に、ペン2本。それぞれノート、アンド、ペン」 ピサロ:「記念品として、ワンセットずつ無料で差し上げます!ジャポニコ学習帳とミツバシのペンだヨ」 ピサロ:「今から、それぞれのノートに、それぞれのペンで、お互いに見られないように」 ピサロ:「正しい答えを書いてもらいま~す!」 サクヤ:「正しい答え?」 ヒメコ:「何か問題を解くってこと?」 ピサロ:「ヒャッ…ヒャヒャヒャッ…」 ピサロ:「ビンゴ!ボクの出題した問題に答える。正解すれば、ここから出られる」 ピサロ:「ただし、ルールがある。二人で相談して、答えを書いてはいけない」 サクヤ:「わかった。ちなみに、問題の内容は、俺たちでも答えられる内容なのか?」 ピサロ:「答えられる。答えられるさ。フェアじゃないゲームは、つまらないだろ?」 ピサロ:「キミたちが知っていること、分かりきっていることしか問題として出題しないよ」 ヒメコ:「だったら、早く問題を出してよ」 ピサロ:「オーケーオーケー。それじゃ、第一問!キミは、今、浮気をしている」 ピサロ:「イエスかノーか…」 サクヤ:「浮気をしている?は?そんな問題、楽勝じゃねーか!」 ヒメコ:「あのっ!」 サクヤ:「ん?」 ヒメコ:「そのっ…。どこまでが浮気に該当(がいとう)するの?」 サクヤ:「は?ヒメコ、まさか…」 ピサロ:「ノーノーノー!二人で相談するのは、禁止!ノートに記入するのも背中合わせ」 ピサロ:「ボーイは右利き、ガールは左利きだから、書くことに支障もないはずだ」 ピサロ:「ヒャヒャッ。どこまでが浮気に、該当するのか…。ヒャッ。それは、自分の胸に聞いてごらん」 ピサロ:「浮気の定義は、正義の、悪の定義は、人それぞれだヨ!」 ヒメコ:「わかった…」 サクヤ:「おい…。ヒメコ…嘘だろ…」 0:【間】 ピサロ:「ヒャヒャッ!それでは、第一問の結果を発表しまーす!」 サクヤ:「は?ノートは俺たちの手元にあるぞ。どうやって、書いた内容を確認したんだ?」 ピサロ:「どうやって?ヒャヒャッ!簡単さ。モニター越しにキミたちの手の動きを観察していた」 サクヤ:「観察していた?」 ピサロ:「そう、それだけだヨ」 ヒメコ:「サクヤ、ピサロはIQ200とも300とも言われている天才犯罪者。それくらい、彼にとっては…」 ピサロ:「そう!ガールはよくわかってるじゃないか!ボクは、天才だからね!」 ピサロ:「みんなと見てる世界が違うし、みんなよりも世界の異常が異常によく見える。見えすぎてしまう」 サクヤ:「それで?俺たちは、その天才の出題した問題に正解することはできたのか?」 ピサロ:「あぁ。正解できたヨ。ボーイは浮気をしていない。ガールは浮気をしているという答えが出て…」 ピサロ:「パンパカパーン!二人とも大正解!」 サクヤ:「ガールは浮気をしている…。ヒメコ、やっぱり、お前…」 ヒメコ:「サクヤ、ごめん…」 サクヤ:「はぁ…」 ヒメコ:「ほんとにごめん」 サクヤ:「いっ、いいよ。それで、ヒメコは、俺と別れたいとか思ってるの?」 ヒメコ:「それは…」 サクヤ:「はぁ…。そっか…」 ピサロ:「ヒャヒャッ!いいねぇ!ボーイの苦悶(くもん)の表情。ソルヴェイグの歌がBGMとして、とても良く似合いそうだ」 サクヤ:「くっそ…。正解したんだから、俺たちを早く、ここから開放してくれよ」 ヒメコ:「サクヤ、ほんとにごめん」 サクヤ:「いいって…。気にすんな…。おい!ピサロ!聞こえてんだろ!俺たちを早くここから開放しろ!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!それでは、第二問!」 サクヤ:「は?」 ヒメコ:「えっ?問題は、一問だけじゃないの?」 ピサロ:「一問だけじゃないし、一問目を出題する時に、『第一問!』ってノリノリで叫んでただろ?」 サクヤ:「確かに…」 ヒメコ:「やだよ…。あと、何問あるの?」 ピサロ:「あと何問あるか…。それも最初に話しただろ?ボクが、満足するまでさ」 ピサロ:「次の問題で終わりかも知れないし、残り百問くらいあるかも知れない。テヘペロw」 ヒメコ:「やだ…。やだよ…」 サクヤ:「ヒメコ…」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ!それでは、第二問!今、キミには、殺したい人がいる」 ピサロ:「イエスかノーか…ヒャヒャッ」 サクヤ:「殺したい人が…」 ヒメコ:「私には…」 ピサロ:「あぁ、それと、これ、ボーナス問題にしとくぅ。イエスの場合は」 ピサロ:「殺したい人の名前まで書いてくれれば、すぐにそこから開放してあげるし」 ピサロ:「その人のことを殺すチャンスをボクが用意してあげるヨ」 ピサロ:「もちろん、誰にもバレない。警察にも捕まらない。完全犯罪のチャンスをネッ!」 ピサロ:「さぁ、よーく考えてから、記入するんだヨ」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ。それでは、お待ちかね。第二問の結果を発表いたしまーす!」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「あれあれ?ボーイもガールも、ノーの答え。殺したい相手は、いなかったみたいデース!」 ピサロ:「なーんだ。つまんないの」 ヒメコ:「サクヤ…。私のこと、許してくれるの?」 サクヤ:「許すもなにも、浮気されたくらいで殺人が起きてたら、この世界、カオスだろ」 ヒメコ:「そうだね…。それで、ピサロ。私たちは、第二問に正解できたの?」 ピサロ:「パン・パカ・パーン…。正解だヨ…。テンションあがんないケド、正解だヨ…」 ヒメコ:「だったら、私たちを」 ピサロ:「ノーノーノー!」 サクヤ:「はぁ…。あと、何問やれば、満足なんだよ」 ピサロ:「今の二人の答えで、テンション下がっちゃったからなぁ…」 サクヤ:「テンション下がったって」 ヒメコ:「わかったから、次の問題、出してよ」 ピサロ:「うーん…。どうしよっかなぁ。問題出してほしい?」 サクヤ:「問題に答えなきゃ、出られないんだろ?」 ヒメコ:「そうだよ。私たちは、早くここから出たいの!」 ピサロ:「うーん…。仕方ないなぁ。そんなに問題を出してほしいなら?問題を出してあげましょー!」 サクヤ:「俺たち、完全に遊ばれてるな」 ヒメコ:「仕方ないよ。とにかく、どんな質問にも正直に答えるしか、今の私たちにできることはない」 サクヤ:「だな」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ!それでは、第三問!キミたちは、今、ピサロにムカついてる」 ピサロ:「イエスかノーか!」 サクヤ:「え!?」 ヒメコ:「これも、正直に書けば、いいのよね?」 ピサロ:「オフコース!ヒャヒャヒャ。正直に書けるもんなら、書いてみなヨ」 サクヤ:「なんか、意味深な言い方だな」 ヒメコ:「ほんとに正直に書けば、いいのよね?」 ピサロ:「もーう!しつこいなぁ。だからぁ。キミたち、ボクにムカついてるなら、イエス」 ピサロ:「ボクにムカついていないなら、ノーって、正直に、そう、正直に書くんだヨ」 ピサロ:「その先に、キミたちの運命の分かれ道がある。ヒャヒャヒャッ」 サクヤ:「わかった。俺は覚悟を決めた」 ヒメコ:「ほんとに、正直に書くからね」 ピサロ:「はいはい。どうぞどうぞ~。ボクは、キミたちの正直な答えが見たいんだ」 0:【長い間】 ピサロ:「ふーん…。なるほどね…」 サクヤ:「俺は正直に書いたぞ。お前が書けって言ったんだからな!」 ヒメコ:「そうよ。私も、正直に書いた。だから、早くここから開放してよ」 ピサロ:「キミたちさぁ。ボクにムカついてるんだネッ!」 サクヤ:「あたりまえだろ!こんなところに監禁されて、意味わからないゲームさせられて」 サクヤ:「ムカつかないわけがないだろ!」 ヒメコ:「もう、ほんとに、やだ…」 ピサロ:「オーケーオーケー。では、これにて、ゲーム終了」 サクヤ:「ん?」 ヒメコ:「私たち、ここから出してもらえるの?」 ピサロ:「ヒャヒャヒャ…。それではそれでは!今から、ボクは、手元にあるボタンを押すネ…」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「赤色のボタン、ポチッとな!」 ヒメコ:「赤色のボタン!?」 サクヤ:「どうなるんだ?」 ヒメコ:「あっ!天井から何か落ちてきた!」 サクヤ:「これは…。飴?」 ヒメコ:「あの高さから落ちてきたのに割れてない」 ピサロ:「ヒャヒャッ!ガール!良いところに気がついたネ!それは、宇宙からの贈り物だヨ!」 ヒメコ:「宇宙からの贈り物?」 サクヤ:「地球のモノじゃないってことか?」 ピサロ:「そうだヨ。それをナメるとねぇ…。ヒャヒャッ」 サクヤ:「ナメると、どうなるんだ?」 ピサロ:「ボクのようになれる!」 サクヤ:「犯罪者になるってことか?」 ピサロ:「ヒャヒャッ。確かに、犯罪者になっちゃうかもねぇ。力を得てしまうのだからさ」 サクヤ:「力を?」 ヒメコ:「もしかしてだけど、特殊能力?」 ピサロ:「ビンゴ!どんな能力かは、ナメた後にしか、わからない」 サクヤ:「死ぬってことはないのか?」 ピサロ:「さぁ、どうだろう」 ヒメコ:「私はナメるよ」 サクヤ:「おい!ヒメコ!本気で言ってるのか?毒かも知れないんだぞ!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!確かに、毒かも知れないねぇ」 ヒメコ:「毒かも知れないけど、このままアイツにオモチャにされるよりはマシ!」 サクヤ:「確かにな。得られる能力次第では、ピサロの奴を追いつめることができるかも知れない」 ピサロ:「ボクを?追いつめる?ヒャヒャッ!それは、こわ~いw」 ヒメコ:「じゃあ、ナメるよ」 サクヤ:「待て!俺が先だ」 ヒメコ:「えっ?」 サクヤ:「お前には、幸せになってほしいからな。その、俺以外に、好きな人ができたんだろ」 ヒメコ:「それは…。あっ!」 サクヤ:「ナメたぞ。これで俺は何かの能力を得たってことなのか?」 ヒメコ:「サクヤ、なんともない?」 サクヤ:「なんともない。ただ…」 ピサロ:「ヒャヒャッ?」 サクヤ:「ん?ヒメコの頭の上に本が見える」 ヒメコ:「本?」 サクヤ:「触れても大丈夫かな?」 ヒメコ:「わかんないけど、触れてもいいよ。どんな能力か確かめないとだから」 サクヤ:「だな。じゃあ、触れるよ」 ヒメコ:「うん」 サクヤ:「えっと…。えっ?これって…」 ピサロ:「ヒャヒャッ?ねぇねぇ、どんな能力なの?ボクちん、知りた~い!教えて~!」 サクヤ:「ヒメコ、浮気なんかしてなかったんだね」 ヒメコ:「えっ?どういうこと?」 サクヤ:「ヒメコの本の中身は、俺のことで、いっぱいだった。そして…」 ヒメコ:「そうだよ。出来ちゃったんだ。お腹の中に、サクヤ以外の好きな人がね」 サクヤ:「うん。二人で生きてゆく理由が、新しく出来てしまったね」 ヒメコ:「そうだよ」 ピサロ:「つまりつまり…。なるほど。ボーイの能力は、人の頭の上に、ボーイにしか見えない本が出現」 ピサロ:「その本に触れると、その人の情報を事細かく知ることが可能になる、と」 ピサロ:「ブラボー!大変興味深い能力だ。でも、戦闘向きじゃなかったようだネ!」 ヒメコ:「今度は私がナメてみる」 サクヤ:「わかった」 ヒメコ:「…」 サクヤ:「どう?何か変わった?」 ヒメコ:「えっと…」 ピサロ:「ヒャヒャ?」 ヒメコ:「わかんない」 サクヤ:「嘘だろ。何か、何でもいい。違和感とかない?」 ヒメコ:「ごめん…。ナメる前と何も変わんない」 ピサロ:「あれれ~?そんなはずはないけどネ。その飴をナメると、特殊能力を得るか、死ぬかの、どちらか二択だからネ」 ピサロ:「死んでいないってことは、何かの能力は身についているはずだヨ」 ヒメコ:「うーん…。あっ!」 サクヤ:「あっ!手錠が消えた!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!?」 サクヤ:「ヒメコ、今、何をしたんだ?」 ヒメコ:「えっと、手錠を見つめながら、この手錠外れないかなって考えてただけだよ」 サクヤ:「それだよ!ヒメコの能力は、消えてほしいモノを消せる能力かも知れない」 ピサロ:「ブラボー!最高に戦闘向きの能力じゃないか!こわいなぁ~!」 サクヤ:「なぁ、ヒメコ、今すぐあのサイコパス野郎に消えてほしいって願うんだ!」 ヒメコ:「わかった!」 ピサロ:「ひゃっ!殺されるぅ!こわ~い!ガールに消されるぅ。こわい」 ヒメコ:「あれ?」 ピサロ:「こわい。ガールがこわい」 サクヤ:「アイツの声、まだ聞こえてる…」 ヒメコ:「消す為には、条件があるのかな?」 ピサロ:「なるほどネ。消えてほしいものをすぐに消せるってのは、チート過ぎるもんねぇ」 ピサロ:「でも、ちょっと、違うと思うな」 サクヤ:「ん?」 ピサロ:「ボクの能力は、能力を受け付けない能力だヨ。名づけて、アンチ能力バリア」 サクヤ:「アンチ能力バリア?」 ヒメコ:「無敵ってこと?」 ピサロ:「無敵?かもね!では、能力を得た二人には、次のステージに向かってもらいマ~ス」 ピサロ:「次のステージは、能力者同士の殺し合いのステージデース!」 サクヤ:「あっ!」 ヒメコ:「部屋の扉が開いた!」 0:―つづくw―

サクヤ:「んっ…。んんっ…。ここは…。どこだ?確か昨晩は、ヒメコと…」 サクヤ:「あっ!ヒメコ!ヒメコ!しっかりしろ!」 ヒメコ:「んっ…。んん…えっ!?なに?サクヤ?えっ?なになに?ここ、どこ?」 ヒメコ:「えっ、なにこれ?この鉄の腕輪!鎖でサクヤの腕輪とつながってる」 サクヤ:「あぁ、これ、夢じゃないよな?」 ヒメコ:「やだ…。最悪…」 ピサロ:「グッドモーニング!」 サクヤ:「誰だ?」 ヒメコ:「えっ?なに?どこから声が?」 ピサロ:「ヒャヒャヒャヒャヒャーッ!ようそこ!ボクのゲームの盤上へ!」 ピサロ:「ボクは、ゲームマスターのピサロ、だよ!」 ヒメコ:「ピサロ?ピサロって、まさか…」 サクヤ:「あぁ…。今の笑い方、この口調、間違いない。テレビの番組ジャックでも聞いたことがある」 サクヤ:「大統領殺しのS級犯罪者、ピサロ…。でも、なんでこんな真似を…。俺たち一般人だぞ」 ヒメコ:「そうだよ!こんなことして、あんたになんのメリットがあるっていうの?」 ヒメコ:「私たちを早くここから出してよ!」 ピサロ:「出すよ。出してあげるさ!でも、でもでもでもね!もう、ゲームは始まってるんだ」 ピサロ:「始まったからには、クリアしてもらわないとだよネッ!」 サクヤ:「ふざけるな!」 ピサロ:「ふざけちゃう~!テヘペロw」 ヒメコ:「サクヤ、だめだよ。コイツを刺激しちゃ」 ピサロ:「ヒャッ!ガールの方は、ボーイと比べて物分りがいいようだネッ!」 ピサロ:「そう、ボクは、ゲームマスター。キミたちの命は、ボクの気分次第で、ボタンひとつで」 ピサロ:「いつでも握りつぶせる~」 サクヤ:「どういうことだ?」 ピサロ:「説明、いる?」 サクヤ:「は!?」 ヒメコ:「サクヤ、だめ!ピサロを刺激したら、ほんとに殺されちゃう!ほんとにヤバイ奴だって、サクヤも知ってるでしょ?」 サクヤ:「それは、わかってるけど…」 ヒメコ:「サクヤ、あのね。サクヤ一人の命じゃなくて、私の命もかかってるの」 サクヤ:「うん…。そうだね…。冷静になるべきだった」 ピサロ:「そう!そうそうそう!クールダウン!ボクを怒らせた時点で、ゲームオーバー」 ピサロ:「ボクを楽しい気持ちにさせてくれたら、満足させてくれたら、安全に、そう、安全に、ここから開放してあげるよ」 ヒメコ:「満足させてくれたら?どういうこと?それと…」 ヒメコ:「私たちの命をボタンひとつで握りつぶせるとも言ってたよね?」 ピサロ:「オーケーオーケー。説明しちゃう。ボクの手元には、リモコンがある」 ピサロ:「リモコンには、青色と黄色と赤色のボタンがある」 サクヤ:「青色と黄色と赤色って、信号機か?」 ピサロ:「ビンゴ!青色は、安全!青色のボタンを押せば、二人の手錠は外れるし、その部屋の扉も開いて、外に出られる。ハッピーエンド!」 ピサロ:「黄色は、注意!黄色のボタンを押せば、二人の手錠は爆発し、こっぱみじん!バーン!バッドエンド!」 ヒメコ:「え?黄色のボタンは、注意じゃないの?二人とも死ぬって」 サクヤ:「ふざけるなよ!じゃあ、赤色のボタンは、どうなるんだよ」 ピサロ:「やっぱ気になる?気になるよねぇ?」 サクヤ:「ぐっ!」 ヒメコ:「サクヤ、だめ!冷静に」 サクヤ:「あぁ、わかってる」 ヒメコ:「気になるから、赤色のボタンのことも教えてくれる?」 ピサロ:「うん。教えない。テヘペロw」 サクヤ:「狂ってやがる…」 ヒメコ:「それで、どうすれば、あなたに青色のボタンを押してもらえるの?」 ピサロ:「オーケー!それじゃ、イッツァ、ショーターイム!」 サクヤ:「ん?天井に穴が…」 ヒメコ:「わっ!なにか落ちてきた…。これは、ノートとペン?」 ピサロ:「はいは~い。ノート2冊に、ペン2本。それぞれノート、アンド、ペン」 ピサロ:「記念品として、ワンセットずつ無料で差し上げます!ジャポニコ学習帳とミツバシのペンだヨ」 ピサロ:「今から、それぞれのノートに、それぞれのペンで、お互いに見られないように」 ピサロ:「正しい答えを書いてもらいま~す!」 サクヤ:「正しい答え?」 ヒメコ:「何か問題を解くってこと?」 ピサロ:「ヒャッ…ヒャヒャヒャッ…」 ピサロ:「ビンゴ!ボクの出題した問題に答える。正解すれば、ここから出られる」 ピサロ:「ただし、ルールがある。二人で相談して、答えを書いてはいけない」 サクヤ:「わかった。ちなみに、問題の内容は、俺たちでも答えられる内容なのか?」 ピサロ:「答えられる。答えられるさ。フェアじゃないゲームは、つまらないだろ?」 ピサロ:「キミたちが知っていること、分かりきっていることしか問題として出題しないよ」 ヒメコ:「だったら、早く問題を出してよ」 ピサロ:「オーケーオーケー。それじゃ、第一問!キミは、今、浮気をしている」 ピサロ:「イエスかノーか…」 サクヤ:「浮気をしている?は?そんな問題、楽勝じゃねーか!」 ヒメコ:「あのっ!」 サクヤ:「ん?」 ヒメコ:「そのっ…。どこまでが浮気に該当(がいとう)するの?」 サクヤ:「は?ヒメコ、まさか…」 ピサロ:「ノーノーノー!二人で相談するのは、禁止!ノートに記入するのも背中合わせ」 ピサロ:「ボーイは右利き、ガールは左利きだから、書くことに支障もないはずだ」 ピサロ:「ヒャヒャッ。どこまでが浮気に、該当するのか…。ヒャッ。それは、自分の胸に聞いてごらん」 ピサロ:「浮気の定義は、正義の、悪の定義は、人それぞれだヨ!」 ヒメコ:「わかった…」 サクヤ:「おい…。ヒメコ…嘘だろ…」 0:【間】 ピサロ:「ヒャヒャッ!それでは、第一問の結果を発表しまーす!」 サクヤ:「は?ノートは俺たちの手元にあるぞ。どうやって、書いた内容を確認したんだ?」 ピサロ:「どうやって?ヒャヒャッ!簡単さ。モニター越しにキミたちの手の動きを観察していた」 サクヤ:「観察していた?」 ピサロ:「そう、それだけだヨ」 ヒメコ:「サクヤ、ピサロはIQ200とも300とも言われている天才犯罪者。それくらい、彼にとっては…」 ピサロ:「そう!ガールはよくわかってるじゃないか!ボクは、天才だからね!」 ピサロ:「みんなと見てる世界が違うし、みんなよりも世界の異常が異常によく見える。見えすぎてしまう」 サクヤ:「それで?俺たちは、その天才の出題した問題に正解することはできたのか?」 ピサロ:「あぁ。正解できたヨ。ボーイは浮気をしていない。ガールは浮気をしているという答えが出て…」 ピサロ:「パンパカパーン!二人とも大正解!」 サクヤ:「ガールは浮気をしている…。ヒメコ、やっぱり、お前…」 ヒメコ:「サクヤ、ごめん…」 サクヤ:「はぁ…」 ヒメコ:「ほんとにごめん」 サクヤ:「いっ、いいよ。それで、ヒメコは、俺と別れたいとか思ってるの?」 ヒメコ:「それは…」 サクヤ:「はぁ…。そっか…」 ピサロ:「ヒャヒャッ!いいねぇ!ボーイの苦悶(くもん)の表情。ソルヴェイグの歌がBGMとして、とても良く似合いそうだ」 サクヤ:「くっそ…。正解したんだから、俺たちを早く、ここから開放してくれよ」 ヒメコ:「サクヤ、ほんとにごめん」 サクヤ:「いいって…。気にすんな…。おい!ピサロ!聞こえてんだろ!俺たちを早くここから開放しろ!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!それでは、第二問!」 サクヤ:「は?」 ヒメコ:「えっ?問題は、一問だけじゃないの?」 ピサロ:「一問だけじゃないし、一問目を出題する時に、『第一問!』ってノリノリで叫んでただろ?」 サクヤ:「確かに…」 ヒメコ:「やだよ…。あと、何問あるの?」 ピサロ:「あと何問あるか…。それも最初に話しただろ?ボクが、満足するまでさ」 ピサロ:「次の問題で終わりかも知れないし、残り百問くらいあるかも知れない。テヘペロw」 ヒメコ:「やだ…。やだよ…」 サクヤ:「ヒメコ…」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ!それでは、第二問!今、キミには、殺したい人がいる」 ピサロ:「イエスかノーか…ヒャヒャッ」 サクヤ:「殺したい人が…」 ヒメコ:「私には…」 ピサロ:「あぁ、それと、これ、ボーナス問題にしとくぅ。イエスの場合は」 ピサロ:「殺したい人の名前まで書いてくれれば、すぐにそこから開放してあげるし」 ピサロ:「その人のことを殺すチャンスをボクが用意してあげるヨ」 ピサロ:「もちろん、誰にもバレない。警察にも捕まらない。完全犯罪のチャンスをネッ!」 ピサロ:「さぁ、よーく考えてから、記入するんだヨ」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ。それでは、お待ちかね。第二問の結果を発表いたしまーす!」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「あれあれ?ボーイもガールも、ノーの答え。殺したい相手は、いなかったみたいデース!」 ピサロ:「なーんだ。つまんないの」 ヒメコ:「サクヤ…。私のこと、許してくれるの?」 サクヤ:「許すもなにも、浮気されたくらいで殺人が起きてたら、この世界、カオスだろ」 ヒメコ:「そうだね…。それで、ピサロ。私たちは、第二問に正解できたの?」 ピサロ:「パン・パカ・パーン…。正解だヨ…。テンションあがんないケド、正解だヨ…」 ヒメコ:「だったら、私たちを」 ピサロ:「ノーノーノー!」 サクヤ:「はぁ…。あと、何問やれば、満足なんだよ」 ピサロ:「今の二人の答えで、テンション下がっちゃったからなぁ…」 サクヤ:「テンション下がったって」 ヒメコ:「わかったから、次の問題、出してよ」 ピサロ:「うーん…。どうしよっかなぁ。問題出してほしい?」 サクヤ:「問題に答えなきゃ、出られないんだろ?」 ヒメコ:「そうだよ。私たちは、早くここから出たいの!」 ピサロ:「うーん…。仕方ないなぁ。そんなに問題を出してほしいなら?問題を出してあげましょー!」 サクヤ:「俺たち、完全に遊ばれてるな」 ヒメコ:「仕方ないよ。とにかく、どんな質問にも正直に答えるしか、今の私たちにできることはない」 サクヤ:「だな」 ピサロ:「ヒャヒャヒャッ!それでは、第三問!キミたちは、今、ピサロにムカついてる」 ピサロ:「イエスかノーか!」 サクヤ:「え!?」 ヒメコ:「これも、正直に書けば、いいのよね?」 ピサロ:「オフコース!ヒャヒャヒャ。正直に書けるもんなら、書いてみなヨ」 サクヤ:「なんか、意味深な言い方だな」 ヒメコ:「ほんとに正直に書けば、いいのよね?」 ピサロ:「もーう!しつこいなぁ。だからぁ。キミたち、ボクにムカついてるなら、イエス」 ピサロ:「ボクにムカついていないなら、ノーって、正直に、そう、正直に書くんだヨ」 ピサロ:「その先に、キミたちの運命の分かれ道がある。ヒャヒャヒャッ」 サクヤ:「わかった。俺は覚悟を決めた」 ヒメコ:「ほんとに、正直に書くからね」 ピサロ:「はいはい。どうぞどうぞ~。ボクは、キミたちの正直な答えが見たいんだ」 0:【長い間】 ピサロ:「ふーん…。なるほどね…」 サクヤ:「俺は正直に書いたぞ。お前が書けって言ったんだからな!」 ヒメコ:「そうよ。私も、正直に書いた。だから、早くここから開放してよ」 ピサロ:「キミたちさぁ。ボクにムカついてるんだネッ!」 サクヤ:「あたりまえだろ!こんなところに監禁されて、意味わからないゲームさせられて」 サクヤ:「ムカつかないわけがないだろ!」 ヒメコ:「もう、ほんとに、やだ…」 ピサロ:「オーケーオーケー。では、これにて、ゲーム終了」 サクヤ:「ん?」 ヒメコ:「私たち、ここから出してもらえるの?」 ピサロ:「ヒャヒャヒャ…。それではそれでは!今から、ボクは、手元にあるボタンを押すネ…」 サクヤ:「…」 ヒメコ:「…」 ピサロ:「赤色のボタン、ポチッとな!」 ヒメコ:「赤色のボタン!?」 サクヤ:「どうなるんだ?」 ヒメコ:「あっ!天井から何か落ちてきた!」 サクヤ:「これは…。飴?」 ヒメコ:「あの高さから落ちてきたのに割れてない」 ピサロ:「ヒャヒャッ!ガール!良いところに気がついたネ!それは、宇宙からの贈り物だヨ!」 ヒメコ:「宇宙からの贈り物?」 サクヤ:「地球のモノじゃないってことか?」 ピサロ:「そうだヨ。それをナメるとねぇ…。ヒャヒャッ」 サクヤ:「ナメると、どうなるんだ?」 ピサロ:「ボクのようになれる!」 サクヤ:「犯罪者になるってことか?」 ピサロ:「ヒャヒャッ。確かに、犯罪者になっちゃうかもねぇ。力を得てしまうのだからさ」 サクヤ:「力を?」 ヒメコ:「もしかしてだけど、特殊能力?」 ピサロ:「ビンゴ!どんな能力かは、ナメた後にしか、わからない」 サクヤ:「死ぬってことはないのか?」 ピサロ:「さぁ、どうだろう」 ヒメコ:「私はナメるよ」 サクヤ:「おい!ヒメコ!本気で言ってるのか?毒かも知れないんだぞ!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!確かに、毒かも知れないねぇ」 ヒメコ:「毒かも知れないけど、このままアイツにオモチャにされるよりはマシ!」 サクヤ:「確かにな。得られる能力次第では、ピサロの奴を追いつめることができるかも知れない」 ピサロ:「ボクを?追いつめる?ヒャヒャッ!それは、こわ~いw」 ヒメコ:「じゃあ、ナメるよ」 サクヤ:「待て!俺が先だ」 ヒメコ:「えっ?」 サクヤ:「お前には、幸せになってほしいからな。その、俺以外に、好きな人ができたんだろ」 ヒメコ:「それは…。あっ!」 サクヤ:「ナメたぞ。これで俺は何かの能力を得たってことなのか?」 ヒメコ:「サクヤ、なんともない?」 サクヤ:「なんともない。ただ…」 ピサロ:「ヒャヒャッ?」 サクヤ:「ん?ヒメコの頭の上に本が見える」 ヒメコ:「本?」 サクヤ:「触れても大丈夫かな?」 ヒメコ:「わかんないけど、触れてもいいよ。どんな能力か確かめないとだから」 サクヤ:「だな。じゃあ、触れるよ」 ヒメコ:「うん」 サクヤ:「えっと…。えっ?これって…」 ピサロ:「ヒャヒャッ?ねぇねぇ、どんな能力なの?ボクちん、知りた~い!教えて~!」 サクヤ:「ヒメコ、浮気なんかしてなかったんだね」 ヒメコ:「えっ?どういうこと?」 サクヤ:「ヒメコの本の中身は、俺のことで、いっぱいだった。そして…」 ヒメコ:「そうだよ。出来ちゃったんだ。お腹の中に、サクヤ以外の好きな人がね」 サクヤ:「うん。二人で生きてゆく理由が、新しく出来てしまったね」 ヒメコ:「そうだよ」 ピサロ:「つまりつまり…。なるほど。ボーイの能力は、人の頭の上に、ボーイにしか見えない本が出現」 ピサロ:「その本に触れると、その人の情報を事細かく知ることが可能になる、と」 ピサロ:「ブラボー!大変興味深い能力だ。でも、戦闘向きじゃなかったようだネ!」 ヒメコ:「今度は私がナメてみる」 サクヤ:「わかった」 ヒメコ:「…」 サクヤ:「どう?何か変わった?」 ヒメコ:「えっと…」 ピサロ:「ヒャヒャ?」 ヒメコ:「わかんない」 サクヤ:「嘘だろ。何か、何でもいい。違和感とかない?」 ヒメコ:「ごめん…。ナメる前と何も変わんない」 ピサロ:「あれれ~?そんなはずはないけどネ。その飴をナメると、特殊能力を得るか、死ぬかの、どちらか二択だからネ」 ピサロ:「死んでいないってことは、何かの能力は身についているはずだヨ」 ヒメコ:「うーん…。あっ!」 サクヤ:「あっ!手錠が消えた!」 ピサロ:「ヒャヒャッ!?」 サクヤ:「ヒメコ、今、何をしたんだ?」 ヒメコ:「えっと、手錠を見つめながら、この手錠外れないかなって考えてただけだよ」 サクヤ:「それだよ!ヒメコの能力は、消えてほしいモノを消せる能力かも知れない」 ピサロ:「ブラボー!最高に戦闘向きの能力じゃないか!こわいなぁ~!」 サクヤ:「なぁ、ヒメコ、今すぐあのサイコパス野郎に消えてほしいって願うんだ!」 ヒメコ:「わかった!」 ピサロ:「ひゃっ!殺されるぅ!こわ~い!ガールに消されるぅ。こわい」 ヒメコ:「あれ?」 ピサロ:「こわい。ガールがこわい」 サクヤ:「アイツの声、まだ聞こえてる…」 ヒメコ:「消す為には、条件があるのかな?」 ピサロ:「なるほどネ。消えてほしいものをすぐに消せるってのは、チート過ぎるもんねぇ」 ピサロ:「でも、ちょっと、違うと思うな」 サクヤ:「ん?」 ピサロ:「ボクの能力は、能力を受け付けない能力だヨ。名づけて、アンチ能力バリア」 サクヤ:「アンチ能力バリア?」 ヒメコ:「無敵ってこと?」 ピサロ:「無敵?かもね!では、能力を得た二人には、次のステージに向かってもらいマ~ス」 ピサロ:「次のステージは、能力者同士の殺し合いのステージデース!」 サクヤ:「あっ!」 ヒメコ:「部屋の扉が開いた!」 0:―つづくw―