台本概要

 122 views 

タイトル 私の天使。第一話「おかえり、私の天使。」
作者名 なぎ@泣き虫保護者  (@fuyu_number10)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(女2)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 不慮の交通事故で妹の日和(ひより)を喪った姉、小春は、艱難辛苦の末、彼女のクローンを造りだすことに成功した。
しかし、目覚めた妹の記憶は・・・。
姉妹の心の移ろいを描いてみました。

※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。
お伺いできる限りお邪魔させていただければと存じます。

特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。

 122 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
小春 6 日和の姉。年齢不詳。喪った日和をクローン技術でよみがえらせた人。
日和 3 小春の妹。14歳。交通事故で命を落としてしまうが・・・。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
小春(N):ふと、思い出す。カプセルトイだ。 小春(N):  小春(N):あの日も、妹と、「あれカワイイ、これもいい!」などとはしゃぎながら、 小春(N):  小春(N):厳選した1台のマシンから、ぽんっ、と出てくるカプセルの中身を、 小春(N):  小春(N):開けるときのあの、ワクワク。 小春(N):  小春(N):そんなことを思い出しかけ、はっ、と我に返る。 小春(N):  小春:違う。 小春(N):今は、今目の前にあるカプセルは、違うのだ。 小春(N):  小春(N):あの日の、その帰り道に喪(うしな)った、 小春(N):  小春(N):あの子が、妹が、この中にいる・・・。 小春(N):  小春(N):そして、カプセルのドアが、ゆっくりと開く。 小春(N):  小春(N):中を満たし、彼女を優しく包んだ培養液が、 小春(N):  小春(N):ざざざ、と流れ出しては排水溝に流れ出ていく。 小春(N):  小春(N):カプセルの水位が下がると、彼女はくたり、と 小春(N):  小春(N):カプセルの底で、身体を横たえた。 小春(N):  小春(N):-フラッシュバック。 小春(N):  小春(N):車道に飛び出した子犬。 小春(N):  小春(N):真っ先に「あぶないよ!」と追いかけた彼女。 小春(N):  小春(N):タイミングを計っていたかのように、 小春(N):  小春(N):トラック。止まれない。間に合わない。 小春(N):  小春(N):軽々と、空を舞う、彼女。 小春(N):  小春(N):ぐったりと、その身を横たえる彼女。 小春(N):  小春(N):大量の、赤い、紅い、血の色。 小春(N):  小春(N):赤色灯の、赤。 小春(N):  小春(N):あれから、どれだけ時間が・・・? 小春:っ!!! 小春(N):また、我に返る。 小春(N):  小春(N):目の前は、培養液の透き通ったブルー。 小春(N):  小春(N):その、傷一つない、綺麗で、無垢な身を横たえた彼女に、 小春(N):  小春(N):ふらふらと、歩み寄る。 小春(N):  小春(N):彼女の、その顔が、 小春(N):  小春(N):うっすらとピンク色に染まって。 小春(N):  小春(N):ほんの少し、その眼が開く。 小春:・・・おはよう。 小春(N):ああ、妹だ。 小春(N):  小春(N):あの日から、毎晩のように夢に見た、 小春(N):  小春(N):私の大切な、妹・・・。 日和:・・・? 小春:・・・おはよう、日和(ひより)、気分はどう? 日和:お姉さん、・・・だ・・・れ・・・・・・? 小春(N):そう来ると、思った。 小春(N):  小春(N):頭ではわかっていた。 小春(N):  小春(N):今回も、完全ではないだろう、と。 小春(N):  小春(N):なのに。 小春(N):  小春(N):それなのに。 小春(N):  小春(N):くやしさ、切なさが、あふれて、涙が、止まらない。 小春(N):  小春(N):それでも、言い聞かせるように、震える唇から、言葉を、紡ぎだす。 小春:あたしは、小春。霜月 小春(しもつき こはる)。 小春:  小春:あんたは、・・・あんたは、っ、・・・日和、っていうんだよ? 日和:私は・・・ひよ、り・・・? 小春:そう、そうだ・・・あんたは、日和、だよ・・・ 小春(N):そう、私の大好きな、天使のように優しい、妹。 小春(N):  小春(N):あんたは、これから、どんな風に、生きるんだろうね? 小春(N):  小春(N):やっと、2度目の人生だよ・・・。 小春(N):  小春(N):おめでとう、日和。 0:-つづく-

小春(N):ふと、思い出す。カプセルトイだ。 小春(N):  小春(N):あの日も、妹と、「あれカワイイ、これもいい!」などとはしゃぎながら、 小春(N):  小春(N):厳選した1台のマシンから、ぽんっ、と出てくるカプセルの中身を、 小春(N):  小春(N):開けるときのあの、ワクワク。 小春(N):  小春(N):そんなことを思い出しかけ、はっ、と我に返る。 小春(N):  小春:違う。 小春(N):今は、今目の前にあるカプセルは、違うのだ。 小春(N):  小春(N):あの日の、その帰り道に喪(うしな)った、 小春(N):  小春(N):あの子が、妹が、この中にいる・・・。 小春(N):  小春(N):そして、カプセルのドアが、ゆっくりと開く。 小春(N):  小春(N):中を満たし、彼女を優しく包んだ培養液が、 小春(N):  小春(N):ざざざ、と流れ出しては排水溝に流れ出ていく。 小春(N):  小春(N):カプセルの水位が下がると、彼女はくたり、と 小春(N):  小春(N):カプセルの底で、身体を横たえた。 小春(N):  小春(N):-フラッシュバック。 小春(N):  小春(N):車道に飛び出した子犬。 小春(N):  小春(N):真っ先に「あぶないよ!」と追いかけた彼女。 小春(N):  小春(N):タイミングを計っていたかのように、 小春(N):  小春(N):トラック。止まれない。間に合わない。 小春(N):  小春(N):軽々と、空を舞う、彼女。 小春(N):  小春(N):ぐったりと、その身を横たえる彼女。 小春(N):  小春(N):大量の、赤い、紅い、血の色。 小春(N):  小春(N):赤色灯の、赤。 小春(N):  小春(N):あれから、どれだけ時間が・・・? 小春:っ!!! 小春(N):また、我に返る。 小春(N):  小春(N):目の前は、培養液の透き通ったブルー。 小春(N):  小春(N):その、傷一つない、綺麗で、無垢な身を横たえた彼女に、 小春(N):  小春(N):ふらふらと、歩み寄る。 小春(N):  小春(N):彼女の、その顔が、 小春(N):  小春(N):うっすらとピンク色に染まって。 小春(N):  小春(N):ほんの少し、その眼が開く。 小春:・・・おはよう。 小春(N):ああ、妹だ。 小春(N):  小春(N):あの日から、毎晩のように夢に見た、 小春(N):  小春(N):私の大切な、妹・・・。 日和:・・・? 小春:・・・おはよう、日和(ひより)、気分はどう? 日和:お姉さん、・・・だ・・・れ・・・・・・? 小春(N):そう来ると、思った。 小春(N):  小春(N):頭ではわかっていた。 小春(N):  小春(N):今回も、完全ではないだろう、と。 小春(N):  小春(N):なのに。 小春(N):  小春(N):それなのに。 小春(N):  小春(N):くやしさ、切なさが、あふれて、涙が、止まらない。 小春(N):  小春(N):それでも、言い聞かせるように、震える唇から、言葉を、紡ぎだす。 小春:あたしは、小春。霜月 小春(しもつき こはる)。 小春:  小春:あんたは、・・・あんたは、っ、・・・日和、っていうんだよ? 日和:私は・・・ひよ、り・・・? 小春:そう、そうだ・・・あんたは、日和、だよ・・・ 小春(N):そう、私の大好きな、天使のように優しい、妹。 小春(N):  小春(N):あんたは、これから、どんな風に、生きるんだろうね? 小春(N):  小春(N):やっと、2度目の人生だよ・・・。 小春(N):  小春(N):おめでとう、日和。 0:-つづく-