台本概要
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タイトル | 私の天使。第三話「欠片、だけでも。」 |
---|---|
作者名 | なぎ@泣き虫保護者 (@fuyu_number10) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 2人用台本(女2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
不慮の交通事故で妹の日和(ひより)を喪った姉、小春は、艱難辛苦の末、彼女のクローンを造りだすことに成功した。 しかし、目覚めた妹の記憶は・・・。 姉妹の心の移ろいを描いてみました。 ※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。 お伺いできる限りお邪魔させていただければと存じます。 特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。 38 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
小春 | 女 | 6 | 日和の姉。年齢不詳。喪った日和をクローン技術でよみがえらせた人。 |
日和 | 女 | 9 | 小春の妹。14歳。交通事故で命を落としてしまうが・・・。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
小春(N):黙考する。
小春(N):
小春(N):何が、おかしかったのか。
小春(N):
小春(N):何を、間違えたのか。
小春(N):
小春(N):どうして、こうなった・・・?
小春(N):
小春(N):
小春(N):あるいは。
小春(N):
小春(N):
小春(N):こんな形で妹を甦(よみがえ)らせた、アタシへの、罰か。
小春(N):
小春(N):
小春(N):あの日、妹を喪ったアタシの景色は、
小春(N):
小春(N):急に色を失ったようになった。
小春(N):
小春(N):
小春(N):みっともなく神様に縋(すが)ってでも、生き返ってほしかった。
小春(N):
小春(N):あの笑顔、あの愛らしい声を、ずっと聴きたい。
小春(N):
小春(N):スマホの中の動画、それだけじゃ、ダメ、なんだ。
小春(N):
小春(N):
小春(N):そして何より、日和に、ちゃんと、
小春(N):
小春(N):一度失った人生を、過ごしてほしい。
小春(N):
小春(N):優しい子なんだ。幸せに、なってほしい。
小春(N):
小春(N):
小春(N):あの頃。特に将来の夢、とか、目標、なんてものがなかったアタシ。
小春(N):
小春(N):そこに突然現れた、目標。
小春(N):
小春(N):そうだ、日和のために、全てを捧げるんだ・・・。
小春(N):
小春(N):その想いだけが、私を衝(つ)き動かした。
小春(N):
小春(N):
小春(N):願いは、成就したと・・・思ったんだけどな。
日和:せんせ?
小春(N):呼ばれ慣れたくない、よそよそしい、言い方。
小春(N):
小春(N):それでも、目線を合わせて、ゆっくりと、返す。
小春:「先生」、じゃないよ。『お姉ちゃん』だよ。
小春:
小春:アンタはずっと、アタシをそう呼んでたんだよ。
小春(N):ふわっとした髪に、触れる。
小春(N):
小春(N):くすぐったそうに、目を細める妹。
小春(N):
小春(N):しばし後(のち)。「んー」と、人差し指を頬に当て、うなったと思うと・・・。
日和:お姉ちゃん先生・・・?
小春(N):しぐさも、声も、日和、なんだよなぁ・・・。
小春(N):
小春(N):とりあえず、今はこれでいいか・・・。
小春(N):
小春(N):時間は、ある。
小春(N):
小春(N):この日和を元に戻すのが、アタシのすべきこと。
小春(N):
小春(N):今は、目の前の日和に応えてあげたい。
小春(N):
小春:それで、どした、日和。お腹空いた?
日和:えっと、・・・ですね・・・はい、空きました。
小春:ん、そっか。じゃあ何か買いに行こう。
小春(N):研究所に併設している、病院。
小春(N):
小春(N):いくつかの検査を受けた日和を連れて、購買に向かう。
小春(N):
小春(N):大したものは置いていないが、腹の足しになるものくらい、あるだろ。
日和:えっと・・・お姉ちゃん先生、これが、食べたい・・・です・・・。
小春(N):日和のチョイスは、カスタードとホイップクリームのたっぷり入った菓子パン。
小春:え・・・それをお昼にするの・・・?
日和:ダメ・・・ですか・・・?
小春(N):上目遣いで聞いてくる、日和。
小春(N):
小春(N):あ、いかん・・・。
日和:お姉ちゃん先生・・・?
小春(N):思わず、涙声で返してしまう。
小春:日和、あんた・・・。
日和:やっぱり、ダメ、ですよね・・・棚に戻してきま・・・?
小春(N):気づいたら、アタシは日和を抱きしめていた。
日和:えと・・・お姉ちゃん先生?
小春:いいよ、そのパン、買おう。
日和:あ、・・・はいっ!
小春(N):どうして日和が、このパンを?
小春(N):
小春(N):この子のキオクは、どうなってる?
小春(N):
小春(N):あたしは、しばらくこの子に振り回されるのかなぁ・・・。
小春(N):
小春(N):そんなことをしている場合じゃないけど。
小春(N):
小春(N):このお昼ご飯の時間は、少しだけ、幸せな時間になりそうだ・・・。
0:-つづく-
小春(N):黙考する。
小春(N):
小春(N):何が、おかしかったのか。
小春(N):
小春(N):何を、間違えたのか。
小春(N):
小春(N):どうして、こうなった・・・?
小春(N):
小春(N):
小春(N):あるいは。
小春(N):
小春(N):
小春(N):こんな形で妹を甦(よみがえ)らせた、アタシへの、罰か。
小春(N):
小春(N):
小春(N):あの日、妹を喪ったアタシの景色は、
小春(N):
小春(N):急に色を失ったようになった。
小春(N):
小春(N):
小春(N):みっともなく神様に縋(すが)ってでも、生き返ってほしかった。
小春(N):
小春(N):あの笑顔、あの愛らしい声を、ずっと聴きたい。
小春(N):
小春(N):スマホの中の動画、それだけじゃ、ダメ、なんだ。
小春(N):
小春(N):
小春(N):そして何より、日和に、ちゃんと、
小春(N):
小春(N):一度失った人生を、過ごしてほしい。
小春(N):
小春(N):優しい子なんだ。幸せに、なってほしい。
小春(N):
小春(N):
小春(N):あの頃。特に将来の夢、とか、目標、なんてものがなかったアタシ。
小春(N):
小春(N):そこに突然現れた、目標。
小春(N):
小春(N):そうだ、日和のために、全てを捧げるんだ・・・。
小春(N):
小春(N):その想いだけが、私を衝(つ)き動かした。
小春(N):
小春(N):
小春(N):願いは、成就したと・・・思ったんだけどな。
日和:せんせ?
小春(N):呼ばれ慣れたくない、よそよそしい、言い方。
小春(N):
小春(N):それでも、目線を合わせて、ゆっくりと、返す。
小春:「先生」、じゃないよ。『お姉ちゃん』だよ。
小春:
小春:アンタはずっと、アタシをそう呼んでたんだよ。
小春(N):ふわっとした髪に、触れる。
小春(N):
小春(N):くすぐったそうに、目を細める妹。
小春(N):
小春(N):しばし後(のち)。「んー」と、人差し指を頬に当て、うなったと思うと・・・。
日和:お姉ちゃん先生・・・?
小春(N):しぐさも、声も、日和、なんだよなぁ・・・。
小春(N):
小春(N):とりあえず、今はこれでいいか・・・。
小春(N):
小春(N):時間は、ある。
小春(N):
小春(N):この日和を元に戻すのが、アタシのすべきこと。
小春(N):
小春(N):今は、目の前の日和に応えてあげたい。
小春(N):
小春:それで、どした、日和。お腹空いた?
日和:えっと、・・・ですね・・・はい、空きました。
小春:ん、そっか。じゃあ何か買いに行こう。
小春(N):研究所に併設している、病院。
小春(N):
小春(N):いくつかの検査を受けた日和を連れて、購買に向かう。
小春(N):
小春(N):大したものは置いていないが、腹の足しになるものくらい、あるだろ。
日和:えっと・・・お姉ちゃん先生、これが、食べたい・・・です・・・。
小春(N):日和のチョイスは、カスタードとホイップクリームのたっぷり入った菓子パン。
小春:え・・・それをお昼にするの・・・?
日和:ダメ・・・ですか・・・?
小春(N):上目遣いで聞いてくる、日和。
小春(N):
小春(N):あ、いかん・・・。
日和:お姉ちゃん先生・・・?
小春(N):思わず、涙声で返してしまう。
小春:日和、あんた・・・。
日和:やっぱり、ダメ、ですよね・・・棚に戻してきま・・・?
小春(N):気づいたら、アタシは日和を抱きしめていた。
日和:えと・・・お姉ちゃん先生?
小春:いいよ、そのパン、買おう。
日和:あ、・・・はいっ!
小春(N):どうして日和が、このパンを?
小春(N):
小春(N):この子のキオクは、どうなってる?
小春(N):
小春(N):あたしは、しばらくこの子に振り回されるのかなぁ・・・。
小春(N):
小春(N):そんなことをしている場合じゃないけど。
小春(N):
小春(N):このお昼ご飯の時間は、少しだけ、幸せな時間になりそうだ・・・。
0:-つづく-