台本概要
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タイトル | 私の天使。第六話「わたしの、幸せ。」 |
---|---|
作者名 | なぎ@泣き虫保護者 (@fuyu_number10) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 2人用台本(女2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
不慮の交通事故で妹の日和(ひより)を喪った姉、小春は、艱難辛苦の末、彼女のクローンを造りだすことに成功した。 しかし、目覚めた妹の記憶は・・・。 姉妹の心の移ろいを描いてみました。 ※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。 お伺いできる限りお邪魔させていただければと存じます。 特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。 39 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
小春 | 女 | 8 | 日和の姉。年齢不詳。喪った日和をクローン技術でよみがえらせた人。 |
日和 | 女 | 9 | 小春の妹。14歳。交通事故で命を落としてしまうが・・・。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
日和(N):病院でお昼を食べた、その晩。
日和(N):
日和(N):私はお姉ちゃん先生と一緒に、アパートに来ました。
日和(N):
日和(N):途中、お夕飯とお弁当の食材を買って。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生が、「今夜は簡単なものにしよう」って言ってくれました。
日和(N):
日和(N):でも、せっかくお姉ちゃん先生とのお夕飯なので、
日和(N):
日和(N):ちょっと贅沢な気分になれる、お鍋にしよう、とお話して、
日和(N):
日和(N):二人っきりの鍋パーティー!
日和:お姉ちゃん先生、そんなに急いで食べなくっても・・・
小春:んー・・・?でもさ、ほら、煮えてるよ?
日和:そうじゃなくって・・・熱くないですか?
小春:んーん、んまひ(うまい)!
日和:あはは、お姉ちゃん先生ってば・・・
日和(N):栄養食品をもくもくと食べてるお姉ちゃん先生と、全然違います。
日和(N):
日和(N):とっても美味しそうに、どんどん食べちゃいます・・・。
小春:ほら、日和も食べなって。なくなるよ?
日和:え?あー!お姉ちゃん先生、食べ過ぎです!
二人:(笑う)
日和(N):こうして、二人でお話していると、とっても安心できます。
日和(N):
日和(N):まるで、お家に帰ってきたみたいな。
日和(N):
日和(N):おうち・・・そうだ、あのこと、聞かなきゃ・・・。
日和(N):
日和(N):私の、過去のこと。
日和(N):
日和(N):
日和(N):私は、どんな妹だったのかな?
日和(N):
日和(N):「昔のわたし」は、「今のわたし」と違うと思うけど、
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生の心の中の「わたし」になれたら、
日和(N):
日和(N):とっても、とっても、気持ちがぽかぽかするんじゃないかな、って。
日和(N):
日和(N):何か「大切なこと」を、思い出せるんじゃないかな、って。
日和(N):
日和(N):
日和(N):でも、それを聞くのは、とても怖いです。
日和(N):
日和(N):もし「今のわたし」がお姉ちゃん先生の中の「わたし」と
日和(N):
日和(N):全然違っていたら・・・?
日和(N):
日和(N):胸が、「ぎゅーっ」と締め付けられそう。
日和(N):
日和(N):それでも、お姉ちゃん先生に聞かなきゃ。
日和(N):
日和(N):
日和(N):夜中の1時。
日和(N):
日和(N):何となく目が覚めた私は、
日和(N):
日和(N):まだお姉ちゃん先生の机の明かりがついているのに気づきました。
日和(N):
日和(N):声を掛けたら、まだお仕事をしているみたいでした。
日和(N):
日和(N):いつ、終わるのかな・・・?
日和(N):
日和(N):ちゃんとお休みできるといいのにな・・・。
日和(N):
日和(N):
日和(N):そうだ!こういう時こそ、私の出番!
日和(N):
日和(N):キッチンで牛乳とハチミツ、シナモンを入れた、ホットミルク!
日和(N):
日和(N):温かいうちに、お姉ちゃん先生にお届けです!
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生、ちょっとずつ飲んでる・・・味わってくれてるのかな・・・?
日和(N):
日和(N):あ、そうだ・・・あのこと、聞かなきゃ・・・。
小春:ひよりー?何してんの?ぼーっとして。
日和:・・・あの、お姉ちゃん先生
日和(N):深呼吸。何回も。
日和(N):
日和(N):そして。
日和:私の、・・・昔のコト。教えてほしいです。
小春:日和、あのね・・・
日和(N):知りたい。
日和:私は。・・・わたしはっ!
日和:
日和:どんな妹だったの?教えて!?お姉ちゃん先生っ!!
日和(N):夜中なのに、大きな声が出ちゃった。
日和(N):
日和(N):でも、止まれない・・・。
日和(N):
日和(N):知りたい気持ちが、大きな声に、なっちゃった。
日和(N):
日和(N):ちょっと時間をくれ、と言って、
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生は、いきなり着替え始めました。
日和(N):
日和(N):ネイビーのワンピースに、アイボリーのカーディガン。
日和(N):
日和(N):白衣を着たお姉ちゃん先生とは一味、違います。
日和(N):
日和(N):あれ?
日和(N):
日和(N):この格好、見たことあるような・・・?
日和(N):
日和(N):いつ?どうして?
日和(N):
日和(N):分からないよ、「今のわたし」は。
小春:日和、今から話すことはね、全部、私の「わがまま」だ。
日和(N):そう言って、「昔のわたし」のことを話してくれました。
日和(N):
日和(N):誕生日から、性格も、想い出話に、動画も。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生の服は、私がプレゼントしたものだ、ってこと。
日和(N):
日和(N):私が、・・・事故で、亡くなったことも。
日和(N):
日和(N):そして、長い時間をかけて、「わたし」を造ってくれたことも。
日和(N):
日和(N):私は何も、言えませんでした。
日和(N):
日和(N):そんなに大切に思ってくれてたことが、
日和(N):
日和(N):ただただ、とっても、とっても嬉しいです。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生は、まだ何かお話していますが、頭に入ってきません。
日和(N):
日和(N):だから。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんを、全力で抱きしめちゃいます!
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんは、目を丸くしてます!えへへ。
小春:日和・・・?
日和:なぁに?「お姉ちゃん」!
小春:日和、ごめん、ごめんね・・・辛かったね・・・迷惑、かけたよね・・・。
日和(N):どうして、謝るの?
日和:逆です、お姉ちゃん。
日和:
日和:わたしは、今、とっても、幸せ、です!
日和(N):そうだよ。
日和(N):
日和(N):私は、とっても、幸せ。
日和(N):
日和(N):だって、お姉ちゃんに一杯、愛してもらっているのが分かったから。
日和(N):
日和(N):背中を優しく撫でて貰っていると、とても、眠たくなってきました。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんと、一つのお布団で、手を繋いで。
日和(N):
日和(N):とっても幸せな夢が、見られそうです!
0:-つづく-
日和(N):病院でお昼を食べた、その晩。
日和(N):
日和(N):私はお姉ちゃん先生と一緒に、アパートに来ました。
日和(N):
日和(N):途中、お夕飯とお弁当の食材を買って。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生が、「今夜は簡単なものにしよう」って言ってくれました。
日和(N):
日和(N):でも、せっかくお姉ちゃん先生とのお夕飯なので、
日和(N):
日和(N):ちょっと贅沢な気分になれる、お鍋にしよう、とお話して、
日和(N):
日和(N):二人っきりの鍋パーティー!
日和:お姉ちゃん先生、そんなに急いで食べなくっても・・・
小春:んー・・・?でもさ、ほら、煮えてるよ?
日和:そうじゃなくって・・・熱くないですか?
小春:んーん、んまひ(うまい)!
日和:あはは、お姉ちゃん先生ってば・・・
日和(N):栄養食品をもくもくと食べてるお姉ちゃん先生と、全然違います。
日和(N):
日和(N):とっても美味しそうに、どんどん食べちゃいます・・・。
小春:ほら、日和も食べなって。なくなるよ?
日和:え?あー!お姉ちゃん先生、食べ過ぎです!
二人:(笑う)
日和(N):こうして、二人でお話していると、とっても安心できます。
日和(N):
日和(N):まるで、お家に帰ってきたみたいな。
日和(N):
日和(N):おうち・・・そうだ、あのこと、聞かなきゃ・・・。
日和(N):
日和(N):私の、過去のこと。
日和(N):
日和(N):
日和(N):私は、どんな妹だったのかな?
日和(N):
日和(N):「昔のわたし」は、「今のわたし」と違うと思うけど、
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生の心の中の「わたし」になれたら、
日和(N):
日和(N):とっても、とっても、気持ちがぽかぽかするんじゃないかな、って。
日和(N):
日和(N):何か「大切なこと」を、思い出せるんじゃないかな、って。
日和(N):
日和(N):
日和(N):でも、それを聞くのは、とても怖いです。
日和(N):
日和(N):もし「今のわたし」がお姉ちゃん先生の中の「わたし」と
日和(N):
日和(N):全然違っていたら・・・?
日和(N):
日和(N):胸が、「ぎゅーっ」と締め付けられそう。
日和(N):
日和(N):それでも、お姉ちゃん先生に聞かなきゃ。
日和(N):
日和(N):
日和(N):夜中の1時。
日和(N):
日和(N):何となく目が覚めた私は、
日和(N):
日和(N):まだお姉ちゃん先生の机の明かりがついているのに気づきました。
日和(N):
日和(N):声を掛けたら、まだお仕事をしているみたいでした。
日和(N):
日和(N):いつ、終わるのかな・・・?
日和(N):
日和(N):ちゃんとお休みできるといいのにな・・・。
日和(N):
日和(N):
日和(N):そうだ!こういう時こそ、私の出番!
日和(N):
日和(N):キッチンで牛乳とハチミツ、シナモンを入れた、ホットミルク!
日和(N):
日和(N):温かいうちに、お姉ちゃん先生にお届けです!
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生、ちょっとずつ飲んでる・・・味わってくれてるのかな・・・?
日和(N):
日和(N):あ、そうだ・・・あのこと、聞かなきゃ・・・。
小春:ひよりー?何してんの?ぼーっとして。
日和:・・・あの、お姉ちゃん先生
日和(N):深呼吸。何回も。
日和(N):
日和(N):そして。
日和:私の、・・・昔のコト。教えてほしいです。
小春:日和、あのね・・・
日和(N):知りたい。
日和:私は。・・・わたしはっ!
日和:
日和:どんな妹だったの?教えて!?お姉ちゃん先生っ!!
日和(N):夜中なのに、大きな声が出ちゃった。
日和(N):
日和(N):でも、止まれない・・・。
日和(N):
日和(N):知りたい気持ちが、大きな声に、なっちゃった。
日和(N):
日和(N):ちょっと時間をくれ、と言って、
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生は、いきなり着替え始めました。
日和(N):
日和(N):ネイビーのワンピースに、アイボリーのカーディガン。
日和(N):
日和(N):白衣を着たお姉ちゃん先生とは一味、違います。
日和(N):
日和(N):あれ?
日和(N):
日和(N):この格好、見たことあるような・・・?
日和(N):
日和(N):いつ?どうして?
日和(N):
日和(N):分からないよ、「今のわたし」は。
小春:日和、今から話すことはね、全部、私の「わがまま」だ。
日和(N):そう言って、「昔のわたし」のことを話してくれました。
日和(N):
日和(N):誕生日から、性格も、想い出話に、動画も。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生の服は、私がプレゼントしたものだ、ってこと。
日和(N):
日和(N):私が、・・・事故で、亡くなったことも。
日和(N):
日和(N):そして、長い時間をかけて、「わたし」を造ってくれたことも。
日和(N):
日和(N):私は何も、言えませんでした。
日和(N):
日和(N):そんなに大切に思ってくれてたことが、
日和(N):
日和(N):ただただ、とっても、とっても嬉しいです。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃん先生は、まだ何かお話していますが、頭に入ってきません。
日和(N):
日和(N):だから。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんを、全力で抱きしめちゃいます!
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんは、目を丸くしてます!えへへ。
小春:日和・・・?
日和:なぁに?「お姉ちゃん」!
小春:日和、ごめん、ごめんね・・・辛かったね・・・迷惑、かけたよね・・・。
日和(N):どうして、謝るの?
日和:逆です、お姉ちゃん。
日和:
日和:わたしは、今、とっても、幸せ、です!
日和(N):そうだよ。
日和(N):
日和(N):私は、とっても、幸せ。
日和(N):
日和(N):だって、お姉ちゃんに一杯、愛してもらっているのが分かったから。
日和(N):
日和(N):背中を優しく撫でて貰っていると、とても、眠たくなってきました。
日和(N):
日和(N):お姉ちゃんと、一つのお布団で、手を繋いで。
日和(N):
日和(N):とっても幸せな夢が、見られそうです!
0:-つづく-