台本概要

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タイトル 私の天使。第六話「わたしの、幸せ。」
作者名 なぎ@泣き虫保護者  (@fuyu_number10)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(女2)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 不慮の交通事故で妹の日和(ひより)を喪った姉、小春は、艱難辛苦の末、彼女のクローンを造りだすことに成功した。
しかし、目覚めた妹の記憶は・・・。
姉妹の心の移ろいを描いてみました。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
小春 8 日和の姉。年齢不詳。喪った日和をクローン技術でよみがえらせた人。
日和 9 小春の妹。14歳。交通事故で命を落としてしまうが・・・。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
日和(N):病院でお昼を食べた、その晩。 日和(N):  日和(N):私はお姉ちゃん先生と一緒に、アパートに来ました。 日和(N):  日和(N):途中、お夕飯とお弁当の食材を買って。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生が、「今夜は簡単なものにしよう」って言ってくれました。 日和(N):  日和(N):でも、せっかくお姉ちゃん先生とのお夕飯なので、 日和(N):  日和(N):ちょっと贅沢な気分になれる、お鍋にしよう、とお話して、 日和(N):  日和(N):二人っきりの鍋パーティー! 日和:お姉ちゃん先生、そんなに急いで食べなくっても・・・ 小春:んー・・・?でもさ、ほら、煮えてるよ? 日和:そうじゃなくって・・・熱くないですか? 小春:んーん、んまひ(うまい)! 日和:あはは、お姉ちゃん先生ってば・・・ 日和(N):栄養食品をもくもくと食べてるお姉ちゃん先生と、全然違います。 日和(N):  日和(N):とっても美味しそうに、どんどん食べちゃいます・・・。 小春:ほら、日和も食べなって。なくなるよ? 日和:え?あー!お姉ちゃん先生、食べ過ぎです! 二人:(笑う) 日和(N):こうして、二人でお話していると、とっても安心できます。 日和(N):  日和(N):まるで、お家に帰ってきたみたいな。 日和(N):  日和(N):おうち・・・そうだ、あのこと、聞かなきゃ・・・。 日和(N):  日和(N):私の、過去のこと。 日和(N):  日和(N):  日和(N):私は、どんな妹だったのかな? 日和(N):  日和(N):「昔のわたし」は、「今のわたし」と違うと思うけど、 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生の心の中の「わたし」になれたら、 日和(N):  日和(N):とっても、とっても、気持ちがぽかぽかするんじゃないかな、って。 日和(N):  日和(N):何か「大切なこと」を、思い出せるんじゃないかな、って。 日和(N):  日和(N):  日和(N):でも、それを聞くのは、とても怖いです。 日和(N):  日和(N):もし「今のわたし」がお姉ちゃん先生の中の「わたし」と 日和(N):  日和(N):全然違っていたら・・・? 日和(N):  日和(N):胸が、「ぎゅーっ」と締め付けられそう。 日和(N):  日和(N):それでも、お姉ちゃん先生に聞かなきゃ。 日和(N):  日和(N):  日和(N):夜中の1時。 日和(N):  日和(N):何となく目が覚めた私は、 日和(N):  日和(N):まだお姉ちゃん先生の机の明かりがついているのに気づきました。 日和(N):  日和(N):声を掛けたら、まだお仕事をしているみたいでした。 日和(N):  日和(N):いつ、終わるのかな・・・? 日和(N):  日和(N):ちゃんとお休みできるといいのにな・・・。 日和(N):  日和(N):  日和(N):そうだ!こういう時こそ、私の出番! 日和(N):  日和(N):キッチンで牛乳とハチミツ、シナモンを入れた、ホットミルク! 日和(N):  日和(N):温かいうちに、お姉ちゃん先生にお届けです! 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生、ちょっとずつ飲んでる・・・味わってくれてるのかな・・・? 日和(N):  日和(N):あ、そうだ・・・あのこと、聞かなきゃ・・・。 小春:ひよりー?何してんの?ぼーっとして。 日和:・・・あの、お姉ちゃん先生 日和(N):深呼吸。何回も。 日和(N):  日和(N):そして。 日和:私の、・・・昔のコト。教えてほしいです。 小春:日和、あのね・・・ 日和(N):知りたい。 日和:私は。・・・わたしはっ! 日和:  日和:どんな妹だったの?教えて!?お姉ちゃん先生っ!! 日和(N):夜中なのに、大きな声が出ちゃった。 日和(N):  日和(N):でも、止まれない・・・。 日和(N):  日和(N):知りたい気持ちが、大きな声に、なっちゃった。 日和(N):  日和(N):ちょっと時間をくれ、と言って、 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生は、いきなり着替え始めました。 日和(N):  日和(N):ネイビーのワンピースに、アイボリーのカーディガン。 日和(N):  日和(N):白衣を着たお姉ちゃん先生とは一味、違います。 日和(N):  日和(N):あれ? 日和(N):  日和(N):この格好、見たことあるような・・・? 日和(N):  日和(N):いつ?どうして? 日和(N):  日和(N):分からないよ、「今のわたし」は。 小春:日和、今から話すことはね、全部、私の「わがまま」だ。 日和(N):そう言って、「昔のわたし」のことを話してくれました。 日和(N):  日和(N):誕生日から、性格も、想い出話に、動画も。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生の服は、私がプレゼントしたものだ、ってこと。 日和(N):  日和(N):私が、・・・事故で、亡くなったことも。 日和(N):  日和(N):そして、長い時間をかけて、「わたし」を造ってくれたことも。 日和(N):  日和(N):私は何も、言えませんでした。 日和(N):  日和(N):そんなに大切に思ってくれてたことが、 日和(N):  日和(N):ただただ、とっても、とっても嬉しいです。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生は、まだ何かお話していますが、頭に入ってきません。 日和(N):  日和(N):だから。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんを、全力で抱きしめちゃいます! 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんは、目を丸くしてます!えへへ。 小春:日和・・・? 日和:なぁに?「お姉ちゃん」! 小春:日和、ごめん、ごめんね・・・辛かったね・・・迷惑、かけたよね・・・。 日和(N):どうして、謝るの? 日和:逆です、お姉ちゃん。 日和:  日和:わたしは、今、とっても、幸せ、です! 日和(N):そうだよ。 日和(N):  日和(N):私は、とっても、幸せ。 日和(N):  日和(N):だって、お姉ちゃんに一杯、愛してもらっているのが分かったから。 日和(N):  日和(N):背中を優しく撫でて貰っていると、とても、眠たくなってきました。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんと、一つのお布団で、手を繋いで。 日和(N):  日和(N):とっても幸せな夢が、見られそうです! 0:-つづく-

日和(N):病院でお昼を食べた、その晩。 日和(N):  日和(N):私はお姉ちゃん先生と一緒に、アパートに来ました。 日和(N):  日和(N):途中、お夕飯とお弁当の食材を買って。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生が、「今夜は簡単なものにしよう」って言ってくれました。 日和(N):  日和(N):でも、せっかくお姉ちゃん先生とのお夕飯なので、 日和(N):  日和(N):ちょっと贅沢な気分になれる、お鍋にしよう、とお話して、 日和(N):  日和(N):二人っきりの鍋パーティー! 日和:お姉ちゃん先生、そんなに急いで食べなくっても・・・ 小春:んー・・・?でもさ、ほら、煮えてるよ? 日和:そうじゃなくって・・・熱くないですか? 小春:んーん、んまひ(うまい)! 日和:あはは、お姉ちゃん先生ってば・・・ 日和(N):栄養食品をもくもくと食べてるお姉ちゃん先生と、全然違います。 日和(N):  日和(N):とっても美味しそうに、どんどん食べちゃいます・・・。 小春:ほら、日和も食べなって。なくなるよ? 日和:え?あー!お姉ちゃん先生、食べ過ぎです! 二人:(笑う) 日和(N):こうして、二人でお話していると、とっても安心できます。 日和(N):  日和(N):まるで、お家に帰ってきたみたいな。 日和(N):  日和(N):おうち・・・そうだ、あのこと、聞かなきゃ・・・。 日和(N):  日和(N):私の、過去のこと。 日和(N):  日和(N):  日和(N):私は、どんな妹だったのかな? 日和(N):  日和(N):「昔のわたし」は、「今のわたし」と違うと思うけど、 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生の心の中の「わたし」になれたら、 日和(N):  日和(N):とっても、とっても、気持ちがぽかぽかするんじゃないかな、って。 日和(N):  日和(N):何か「大切なこと」を、思い出せるんじゃないかな、って。 日和(N):  日和(N):  日和(N):でも、それを聞くのは、とても怖いです。 日和(N):  日和(N):もし「今のわたし」がお姉ちゃん先生の中の「わたし」と 日和(N):  日和(N):全然違っていたら・・・? 日和(N):  日和(N):胸が、「ぎゅーっ」と締め付けられそう。 日和(N):  日和(N):それでも、お姉ちゃん先生に聞かなきゃ。 日和(N):  日和(N):  日和(N):夜中の1時。 日和(N):  日和(N):何となく目が覚めた私は、 日和(N):  日和(N):まだお姉ちゃん先生の机の明かりがついているのに気づきました。 日和(N):  日和(N):声を掛けたら、まだお仕事をしているみたいでした。 日和(N):  日和(N):いつ、終わるのかな・・・? 日和(N):  日和(N):ちゃんとお休みできるといいのにな・・・。 日和(N):  日和(N):  日和(N):そうだ!こういう時こそ、私の出番! 日和(N):  日和(N):キッチンで牛乳とハチミツ、シナモンを入れた、ホットミルク! 日和(N):  日和(N):温かいうちに、お姉ちゃん先生にお届けです! 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生、ちょっとずつ飲んでる・・・味わってくれてるのかな・・・? 日和(N):  日和(N):あ、そうだ・・・あのこと、聞かなきゃ・・・。 小春:ひよりー?何してんの?ぼーっとして。 日和:・・・あの、お姉ちゃん先生 日和(N):深呼吸。何回も。 日和(N):  日和(N):そして。 日和:私の、・・・昔のコト。教えてほしいです。 小春:日和、あのね・・・ 日和(N):知りたい。 日和:私は。・・・わたしはっ! 日和:  日和:どんな妹だったの?教えて!?お姉ちゃん先生っ!! 日和(N):夜中なのに、大きな声が出ちゃった。 日和(N):  日和(N):でも、止まれない・・・。 日和(N):  日和(N):知りたい気持ちが、大きな声に、なっちゃった。 日和(N):  日和(N):ちょっと時間をくれ、と言って、 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生は、いきなり着替え始めました。 日和(N):  日和(N):ネイビーのワンピースに、アイボリーのカーディガン。 日和(N):  日和(N):白衣を着たお姉ちゃん先生とは一味、違います。 日和(N):  日和(N):あれ? 日和(N):  日和(N):この格好、見たことあるような・・・? 日和(N):  日和(N):いつ?どうして? 日和(N):  日和(N):分からないよ、「今のわたし」は。 小春:日和、今から話すことはね、全部、私の「わがまま」だ。 日和(N):そう言って、「昔のわたし」のことを話してくれました。 日和(N):  日和(N):誕生日から、性格も、想い出話に、動画も。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生の服は、私がプレゼントしたものだ、ってこと。 日和(N):  日和(N):私が、・・・事故で、亡くなったことも。 日和(N):  日和(N):そして、長い時間をかけて、「わたし」を造ってくれたことも。 日和(N):  日和(N):私は何も、言えませんでした。 日和(N):  日和(N):そんなに大切に思ってくれてたことが、 日和(N):  日和(N):ただただ、とっても、とっても嬉しいです。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃん先生は、まだ何かお話していますが、頭に入ってきません。 日和(N):  日和(N):だから。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんを、全力で抱きしめちゃいます! 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんは、目を丸くしてます!えへへ。 小春:日和・・・? 日和:なぁに?「お姉ちゃん」! 小春:日和、ごめん、ごめんね・・・辛かったね・・・迷惑、かけたよね・・・。 日和(N):どうして、謝るの? 日和:逆です、お姉ちゃん。 日和:  日和:わたしは、今、とっても、幸せ、です! 日和(N):そうだよ。 日和(N):  日和(N):私は、とっても、幸せ。 日和(N):  日和(N):だって、お姉ちゃんに一杯、愛してもらっているのが分かったから。 日和(N):  日和(N):背中を優しく撫でて貰っていると、とても、眠たくなってきました。 日和(N):  日和(N):お姉ちゃんと、一つのお布団で、手を繋いで。 日和(N):  日和(N):とっても幸せな夢が、見られそうです! 0:-つづく-