声劇台本置き場

後悔 私：一斉にスタートをきったハードル走 私：みんな走るのが早くて、どんどん距離が離れていく 私：どんどんどんどん置いていかれて 私：フォームが崩れてハードルに引っかかる 私： 私：慌てて走るから躓いて競技の真っ只中派手に転んで大注目を浴びてしまう 私： 私：あんなにフォームの練習したのに 私： 私：ついこの前もフォームを崩してしまったばかりだというのに、自分は何も学んでいないのか 私： 私：自分という人間は昔から変わらなくて、永遠に変わることがないのだと酷く嫌ってしまう瞬間がある 私： 私：後で悔いる前に学べばいいのに 私：出来損ないの学習プログラムを組み込まれたロボットなのではないかと疑ってしまう 私：本当に人間なの？ 私：人間ってなんだろう？ 私：無駄なことを思い悩む 私：皮肉なことに自分の思考は人間じみていて、いっそロボットになりたくてもなりきれないもどかしさを覚える 私： 私： 私：倒してしまったハードルたちを 私：負傷した足を引きづりながら立て直しに行く 私：無様な姿を笑う声が聞こえて 私：ハードルを立てるのを手伝ってくれる人もいて 私： 私： 私：羞恥心やら申し訳なさやらぐちゃぐちゃの心のまま保健室で処置をうける 私： 私： 私： 私：消毒して、包帯巻いて足を動かしてみれば、まだ動く 私： 私： 私：またフォームの練習しよう 私：距離を縮める為に走り込みもしなきゃ 私：土でドロドロになったハードルも綺麗に磨かないと皆に迷惑かけちゃうね 私： 私： 私：傷は毎日消毒すれば治る治る 私：転んでも足が動くなら起き上がれる 私：震える足に力を込めて 私： 私： さぁ、明日に向けて何から始める？