台本概要
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タイトル | ハッピーとラッキー |
---|---|
作者名 | よぉげるとサマー (@gerutohoukai) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(女2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
救難ラジオ「ハッピーラッキー」の後日談的なショート。 女性2人台本ですが、お好きに性別は変更してください。 劇の音声が残るようにしてくれる場合は、ご共有下されば幸いです。是非、聴きたいです。 あと、感想もくれると喜びます。 292 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
キラキ | 女 | 8 | パーソナリティー |
ノイズ+リリナ | 女 | - | リスナー |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
キラキ:夢を見ている。
キラキ:かなり都合の良い、幸せな夢を。
キラキ:気づくと、ふかふかのベッドで起きて。
キラキ:見慣れた部屋のテーブルに、私の好物が並ぶ。
キラキ:ゆっくりとそれを堪能したら、広いお風呂にダイブする。
キラキ:幸せだ。
キラキ:こんなのが、何よりの幸せなんだって。
キラキ:どうして気づかなかったんだろう。
ノイズ:−−ザザザッ。
キラキ:ノイズと共に、世界がブラックアウトする。
キラキ:赤い警告ランプの点滅が、唯一の灯り。
キラキ:あぁ、やっぱり、夢だ。
キラキ:メーデー、メーデー。
キラキ:こちらハッピーラッキー号。
キラキ:ただ今遭難中、エンジン故障により、推進力を失っております。
キラキ:間抜けで、危機感の無い声が、助けを呼んでいる。
キラキ:この救難信号を受け取ったら、至急、救助願います。
キラキ:無駄な事をしている。
キラキ:来るはずがない。
キラキ:だって、来なかったんだから。
キラキ:どうして、こんなことを始めたのだろう。
キラキ:ラジオなんて、本当にバカバカしい。
キラキ:そんな場合じゃ無いのに。
キラキ:電力と体力の無駄遣い。
キラキ:実際、喉が渇いて水の消費が上がったと思うし、空気だって減ってしまっただろう。
キラキ:まったく……だめだなぁ。
キラキ:眠っている時でさえ、こんなに絶望できてしまう。
キラキ:アンハッピーで、アンラッキー。
キラキ:そんなんばかり、積まれていく。
キラキ:というか、もう、寝ているかどうかも怪しいけど。
キラキ:赤いランプがいつの間にか消えて、断続的なノイズだけが聞こえる。
キラキ:視界は閉じた暗闇のまま。
キラキ:起きてしまったのかもしれない。
キラキ:変なノイズが聞こえてきたせいかも。
キラキ:でも、私は、死ぬなら寝てる間が良いから。
キラキ:もう、起きないぞ、って意地を張っている。
キラキ:だって、起きてても、今みたいに考えてばっかで、怖くて悲しくて、寂しいだけ。
キラキ:あきらめても、あきらめても。
キラキ:もしかしたらって……馬鹿みたい。
キラキ:自分が嫌いだ。
キラキ:ヘラヘラしながら、怖いの誤魔化して、全部裏目に出て、何にも出来なくて。
キラキ:このまま、死んじゃって良いよ、もう。
キラキ:そう思う。
キラキ:……思うだけ、だけど。
キラキ:あー、だめだ。
キラキ:考えないで、私。
キラキ:寝てしまおう、すべて忘れよう。
キラキ:暗闇に溶かして、もう……なくなろう。
キラキ:その方がきっと……幸せだ。
キラキ:最後の最後に残った……私の。
ノイズ:――ザザザッ……ます、か。
キラキ:ノイズが、聞こえた。
ノイズ:――ザザザッ……いま……すか……!
キラキ:ノイズの海に、少しだけ、声のような音が浮かぶ。
ノイズ:――ザザザッ……聞こえて……ますか!
キラキ:それは、私のじゃない……大きな声だった。
ノイズ:――ザザザッ……応答願います、聞こえてますか! 生きていますか! ハッピーラッキー号、応答して!
キラキ:あぁ、これは、都合の良い、夢だ。
キラキ:そう思った時。
キラキ:とうの昔に絶えた、星の光が。
キラキ:ひとすじ、私に届いた。
キラキ:泣き疲れて重くなった目蓋を、そっと開ける。
キラキ:滲む視界が、ぼうっと、淡く色づく。
キラキ:彼方に、何か見える。
キラキ:それは、ひとすじの光を放ち、こちらを照らす。
ノイズ:――ザザザッ……応答して! ハッピーもラッキーも、私が持って来たから!
キラキ:……ははっ、なにそれ。
キラキ:より一層、滲んだ視界で、通信機を起動させる。
キラキ:――メーデー、メーデー、こちら、ハッピーラッキー号。ただ今遭難中。
ノイズ:――ザザザッ……知っとるわ! ばかっ!
キラキ:そこで、通信は途絶えた。
リリナ:「……初めまして、キラキ。遭難ネーム……リリナです」
キラキ:夢を見ている。
キラキ:かなり都合の良い、幸せな夢を。
キラキ:気づくと、ふかふかのベッドで起きて。
キラキ:見慣れた部屋のテーブルに、私の好物が並ぶ。
キラキ:ゆっくりとそれを堪能したら、広いお風呂にダイブする。
キラキ:幸せだ。
キラキ:こんなのが、何よりの幸せなんだって。
キラキ:どうして気づかなかったんだろう。
ノイズ:−−ザザザッ。
キラキ:ノイズと共に、世界がブラックアウトする。
キラキ:赤い警告ランプの点滅が、唯一の灯り。
キラキ:あぁ、やっぱり、夢だ。
キラキ:メーデー、メーデー。
キラキ:こちらハッピーラッキー号。
キラキ:ただ今遭難中、エンジン故障により、推進力を失っております。
キラキ:間抜けで、危機感の無い声が、助けを呼んでいる。
キラキ:この救難信号を受け取ったら、至急、救助願います。
キラキ:無駄な事をしている。
キラキ:来るはずがない。
キラキ:だって、来なかったんだから。
キラキ:どうして、こんなことを始めたのだろう。
キラキ:ラジオなんて、本当にバカバカしい。
キラキ:そんな場合じゃ無いのに。
キラキ:電力と体力の無駄遣い。
キラキ:実際、喉が渇いて水の消費が上がったと思うし、空気だって減ってしまっただろう。
キラキ:まったく……だめだなぁ。
キラキ:眠っている時でさえ、こんなに絶望できてしまう。
キラキ:アンハッピーで、アンラッキー。
キラキ:そんなんばかり、積まれていく。
キラキ:というか、もう、寝ているかどうかも怪しいけど。
キラキ:赤いランプがいつの間にか消えて、断続的なノイズだけが聞こえる。
キラキ:視界は閉じた暗闇のまま。
キラキ:起きてしまったのかもしれない。
キラキ:変なノイズが聞こえてきたせいかも。
キラキ:でも、私は、死ぬなら寝てる間が良いから。
キラキ:もう、起きないぞ、って意地を張っている。
キラキ:だって、起きてても、今みたいに考えてばっかで、怖くて悲しくて、寂しいだけ。
キラキ:あきらめても、あきらめても。
キラキ:もしかしたらって……馬鹿みたい。
キラキ:自分が嫌いだ。
キラキ:ヘラヘラしながら、怖いの誤魔化して、全部裏目に出て、何にも出来なくて。
キラキ:このまま、死んじゃって良いよ、もう。
キラキ:そう思う。
キラキ:……思うだけ、だけど。
キラキ:あー、だめだ。
キラキ:考えないで、私。
キラキ:寝てしまおう、すべて忘れよう。
キラキ:暗闇に溶かして、もう……なくなろう。
キラキ:その方がきっと……幸せだ。
キラキ:最後の最後に残った……私の。
ノイズ:――ザザザッ……ます、か。
キラキ:ノイズが、聞こえた。
ノイズ:――ザザザッ……いま……すか……!
キラキ:ノイズの海に、少しだけ、声のような音が浮かぶ。
ノイズ:――ザザザッ……聞こえて……ますか!
キラキ:それは、私のじゃない……大きな声だった。
ノイズ:――ザザザッ……応答願います、聞こえてますか! 生きていますか! ハッピーラッキー号、応答して!
キラキ:あぁ、これは、都合の良い、夢だ。
キラキ:そう思った時。
キラキ:とうの昔に絶えた、星の光が。
キラキ:ひとすじ、私に届いた。
キラキ:泣き疲れて重くなった目蓋を、そっと開ける。
キラキ:滲む視界が、ぼうっと、淡く色づく。
キラキ:彼方に、何か見える。
キラキ:それは、ひとすじの光を放ち、こちらを照らす。
ノイズ:――ザザザッ……応答して! ハッピーもラッキーも、私が持って来たから!
キラキ:……ははっ、なにそれ。
キラキ:より一層、滲んだ視界で、通信機を起動させる。
キラキ:――メーデー、メーデー、こちら、ハッピーラッキー号。ただ今遭難中。
ノイズ:――ザザザッ……知っとるわ! ばかっ!
キラキ:そこで、通信は途絶えた。
リリナ:「……初めまして、キラキ。遭難ネーム……リリナです」