台本概要

 104 views 

タイトル モノローグ(1or2人台本)
作者名 よぉげるとサマー  (@gerutohoukai)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(女2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 女性1人台本ですが、お好きに性別は変更してください。
また、2人でやってもいいです。
劇の音声が残るようにしてくれる場合は、ご共有下されば幸いです。是非、聴きたいです。
あと、感想もくれると喜びます。

 104 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
マリィ 32 神様には祈らない
シスター 31 神様には祈れない
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
マリィ:どうか、明日、世界が滅んでいますように。 シスター:……マリィ。 マリィ:あら、シスター。ごきげんよう。 シスター:……あいさつは素晴らしいけれど、そのお祈りは感心できないわね。 マリィ:お祈り? ……あぁ、違うのシスター。あれは、希望とか願望で……神様への祈りなんかじゃないわ。切実じゃないの。 シスター:……じゃあどうして、お祈りの時と同じようにしていたんです? マリィ:それは……ちょっとした当てつけだから、かしら。 シスター:……当てつけ? マリィ:えぇ。だって、この世界は、好き勝手なさる神様が作ったんだもの。ずいぶんとお好きになさるのね、って。 シスター:……とんだ不心得者だこと。 マリィ:ふふっ。そもそも嫌いだもの、神様なんて。 シスター:……まぁ、なんてことを言うの。マリィ、全てのものに慈愛を持って接しなければいけないのですよ? マリィ:わかってるわ。シスターったら、いつも言ってたもの。 シスター:……だったら。 マリィ:嫌いだけれど、慈愛の心は持っているのよ。だって、気持ちがわかるもの。 シスター:……それは、神様の? マリィ:えぇ。きっと、上手くいかなくて、悔しいのよ。なにも……思い通りになりやしない。 シスター:…………。 マリィ:……だから、せめて終わる時くらいは……そうね、愛してあげなきゃって思うわ。 シスター:……それは、慈愛では無いわ、マリィ。 マリィ:……そう? シスター:…………。 マリィ:……こういう返しは、なかなか難しいわね。でも……シスターの言う通りかもしれない。 シスター:……マリィ、風が強くなって来たわ。そろそろ……。 マリィ:うん……この崖から見下ろす景色も、好きなんだけれどね。 シスター:……私も好きだったわ。 マリィ:あ、ふふっ……過去形じゃなくて、今もそうでしょ? シスター:……そうね、きっと、ずっとそう。 マリィ:……海が見えて、花が咲いて。シスターもいる。 シスター:……あなたもね、マリィ。 マリィ:…………なんだか恥ずかしいわ。 シスター:……さあ、そろそろ戻りましょう。風邪をひいてしまうわ。 マリィ:……もう少し、陽が落ち込むまで。 シスター:……そんなにいたら、本当に体に悪いわ、マリィ。 マリィ:大丈夫よ。私は……悪くなっても良いんだから。 シスター:マリィ……。 マリィ:……ふふっ、冗談よ。えぇ、でも大丈夫。もう少しくらいなら。 シスター:……マリィ。もう、あなたを看病できる人はいないのよ。 マリィ:そうね……皆、いってしまった。 シスター:……私は、あなたの手を引っ張って、無理やりベッドに押し込むことも出来ない。 マリィ:……もう、あなたひとりなんだから。 シスター:これから、本当にあなたひとりで、生きていかなければいけないのよ。 マリィ:マリィ。 シスター:……そう、神様が……お決めになられたのだから。 マリィ:…………。 シスター:……マリィ。 マリィ:…………夕陽が、綺麗ね、シスター。 シスター:……マリィ。もう、悲しみも、喜びも、寂しさも。私には……私たちには拭えず、分かち合えず、埋められない。 マリィ:……埋まってるものね。 シスター:これから、あなたを待ち受ける試練は……とてもつらいものとなる。 マリィ:……そう、与えなさったのだものね。 シスター:……だけど、マリィ。私は。 マリィ:……私は。 シスター:どれだけ神があなたを苦しめようと。 マリィ:どれだけあなたが世界に絶望しようと。 シスター:私は、あなたに希望を持って欲しい。この世界には、まだ、あなたが助け合える、誰かがいると。 マリィ:……そう、願って、前を向いて……マリィ。 シスター:だって、私は。 マリィ:…………。 シスター:あなたに、生きていて欲しいのよ。 マリィ:……神様よりも。 シスター:…………。 マリィ:…………あぁ、どうか。 マリィ:明日、世界が。滅んでいますように。

マリィ:どうか、明日、世界が滅んでいますように。 シスター:……マリィ。 マリィ:あら、シスター。ごきげんよう。 シスター:……あいさつは素晴らしいけれど、そのお祈りは感心できないわね。 マリィ:お祈り? ……あぁ、違うのシスター。あれは、希望とか願望で……神様への祈りなんかじゃないわ。切実じゃないの。 シスター:……じゃあどうして、お祈りの時と同じようにしていたんです? マリィ:それは……ちょっとした当てつけだから、かしら。 シスター:……当てつけ? マリィ:えぇ。だって、この世界は、好き勝手なさる神様が作ったんだもの。ずいぶんとお好きになさるのね、って。 シスター:……とんだ不心得者だこと。 マリィ:ふふっ。そもそも嫌いだもの、神様なんて。 シスター:……まぁ、なんてことを言うの。マリィ、全てのものに慈愛を持って接しなければいけないのですよ? マリィ:わかってるわ。シスターったら、いつも言ってたもの。 シスター:……だったら。 マリィ:嫌いだけれど、慈愛の心は持っているのよ。だって、気持ちがわかるもの。 シスター:……それは、神様の? マリィ:えぇ。きっと、上手くいかなくて、悔しいのよ。なにも……思い通りになりやしない。 シスター:…………。 マリィ:……だから、せめて終わる時くらいは……そうね、愛してあげなきゃって思うわ。 シスター:……それは、慈愛では無いわ、マリィ。 マリィ:……そう? シスター:…………。 マリィ:……こういう返しは、なかなか難しいわね。でも……シスターの言う通りかもしれない。 シスター:……マリィ、風が強くなって来たわ。そろそろ……。 マリィ:うん……この崖から見下ろす景色も、好きなんだけれどね。 シスター:……私も好きだったわ。 マリィ:あ、ふふっ……過去形じゃなくて、今もそうでしょ? シスター:……そうね、きっと、ずっとそう。 マリィ:……海が見えて、花が咲いて。シスターもいる。 シスター:……あなたもね、マリィ。 マリィ:…………なんだか恥ずかしいわ。 シスター:……さあ、そろそろ戻りましょう。風邪をひいてしまうわ。 マリィ:……もう少し、陽が落ち込むまで。 シスター:……そんなにいたら、本当に体に悪いわ、マリィ。 マリィ:大丈夫よ。私は……悪くなっても良いんだから。 シスター:マリィ……。 マリィ:……ふふっ、冗談よ。えぇ、でも大丈夫。もう少しくらいなら。 シスター:……マリィ。もう、あなたを看病できる人はいないのよ。 マリィ:そうね……皆、いってしまった。 シスター:……私は、あなたの手を引っ張って、無理やりベッドに押し込むことも出来ない。 マリィ:……もう、あなたひとりなんだから。 シスター:これから、本当にあなたひとりで、生きていかなければいけないのよ。 マリィ:マリィ。 シスター:……そう、神様が……お決めになられたのだから。 マリィ:…………。 シスター:……マリィ。 マリィ:…………夕陽が、綺麗ね、シスター。 シスター:……マリィ。もう、悲しみも、喜びも、寂しさも。私には……私たちには拭えず、分かち合えず、埋められない。 マリィ:……埋まってるものね。 シスター:これから、あなたを待ち受ける試練は……とてもつらいものとなる。 マリィ:……そう、与えなさったのだものね。 シスター:……だけど、マリィ。私は。 マリィ:……私は。 シスター:どれだけ神があなたを苦しめようと。 マリィ:どれだけあなたが世界に絶望しようと。 シスター:私は、あなたに希望を持って欲しい。この世界には、まだ、あなたが助け合える、誰かがいると。 マリィ:……そう、願って、前を向いて……マリィ。 シスター:だって、私は。 マリィ:…………。 シスター:あなたに、生きていて欲しいのよ。 マリィ:……神様よりも。 シスター:…………。 マリィ:…………あぁ、どうか。 マリィ:明日、世界が。滅んでいますように。