台本概要
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タイトル | ホワイトデーはブラックデー |
---|---|
作者名 | ヒデじい (@taltal3014s) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
闇の組織のボスがバレンタインチョコを求めて過去にタイムリープするお話
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ボス | 男 | 95 | 闇の組織のボス。モテない |
メルル | 女 | 87 | ボスの手下。モテモテ。天真爛漫な女の子。「ゲーム音声」も兼役でお願いします。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
メルル:ボス〜! おはようッス!
ボス:うむ、相変わらず元気が良いな、メルルよ。
ボス:さて、早速だが我が『ブラック教団』の崇高なる魔術集会を始めるとしよう。
ボス:本日、『3月14日』は我々にとって特別な日であったな。
メルル:あー、今日ッスか? やー、オイラ忙しくて参ったッス〜……!
ボス:ほう? そんなに多忙なのか?
メルル:えへへ、オイラ、可愛いから先月のバレンタインに沢山チョコレートもらっちゃって、お返しを配って回るのに忙しいッス!
メルル:誰か手伝ってほしいッスね〜。ふんふ〜ん♪
ボス:……ほほう、それは景気が良いな。あと何人ぐらいに配るのだ?
メルル:えーと、あと50人ぐらいッスね!
メルル:いやー、マシュマロの買い過ぎで破産しそうッスよ〜。
ボス:ほほう……。
メルル:『ホワイトデーは3倍返し』なんて誰が決めたッスかね〜。
メルル:やー、モテると大変ッスよね〜! 可愛いのは罪ッスね! てへぺろ♪
ボス:……うむ、そうだな。モテるのは重罪だな。
ボス:バレンタインにチョコを沢山もらう輩(やから)は、厳罰に処する必要があるかもしれんな。
メルル:ははは、そんなこと言ってたら世の中の人間はみんな処刑されちゃうッスよ!
ボス:……。
メルル:……で、ボスは何個もらったっスか!? バレンタインチョコ!
ボス:……ぐ、愚問だな。メルルよ、なぜそんな質問をする……。
メルル:やー、だって気になるじゃないッスか!
メルル:まあ、女のオイラがこんなにもらってるんだから、ボスはきっと軽〜く千個ぐらいはもらってるッスよね!
ボス:……ぐ……。あいにく、数え切れないぐらいの数でな……。
メルル:え? まさか3千個か4千個ぐらいッスか……!
ボス:いや……そもそも桁が違うな……。
メルル:桁が違う!? さすがボス!
ボス:というか、お前はバレンタインに何個チョコをもらったのだ……?
メルル:え? ああ、自分だけ数を言うのが恥ずかしいんスね〜。
メルル:可愛いッスね、ボス。このこの〜。
メルル:じゃあ、オイラも答えるので、『せーの』で2人一緒にチョコの数を言うッスよ!
ボス:……強引だな、メルルよ……。
メルル:行きますよ〜。
メルル:『せーの!』
0:2人、同時にこたえる
メルル:502個!
ボス:ゼロだ……。
メルル:……え?
ボス:……。
メルル:今……なんと……?
メルル:いやー、失敗失敗、オイラの声がデカすぎて、聞こえなかったッス。
メルル:じゃあボス、はい、もう1回!
ボス:……ゼロだ。
メルル:……え?
メルル:すいません……オイラ耳が遠くなっちゃったみたいで……もう1回良いッスか?
ボス:……ゼロ個だ……(涙)
メルル:……え? ……え!?
メルル:だってホラ、義理チョコとか友チョコとか本命チョコとか逆チョコとかファミチョコとかお情けチョコとか……色々あるッスよね?
メルル:組織のボスなら、せめて1個ぐらい……。
ボス:うう……。
メルル:……え、まさか、本当に……?
ボス:ぐぬぬ……。お前もくれなかったよな、メルルよ……。
メルル:え、えーと……ほら、ボス、甘いの苦手かなって!
メルル:ほら、ボスはダンディーなイメージあるし! チョコなんて食べない……っスよね?
ボス:あいにく、大の甘党でな……。
メルル:……。
0:
メルル:だ、大丈夫ッスよ、ボス! バレンタインだけが全てじゃないッス!
メルル:それに……ホラ! お返しをしなくて良いなんて、お財布に優しいじゃないッスか!
メルル:いやー、さすがボス! 経済的! 地球に優しい! 羨ましいなあ……!
ボス:……ぐぐぐ、言ってくれるな、メルル……。
ボス:なるほど、これが『持たざる者』と『そうではない者』の違いか。上から目線で、さぞ良い気分だろうな、メルル様よ……?
メルル:い、いやー、ハハハ……。
ボス:だいたいお前! 我が組織にとって、『3月14日』が何の日か知っているのか!?
メルル:え、それは……クッキーとかマシュマロとか配る日ッスよね……?
ボス:違う! 我が『ブラック教団』の設立記念日だぞ!
メルル:え? ブラック教団なのに、よりによってホワイトデーに設立したッスか!?
ボス:確かにお前にとってはホワイトデーなのかもしれんが! そうではない!
ボス:ホワイトデーをルンルン気分で迎えられるのは、バレンタインにチョコをもらった選ばれた一部の人間のみ!
ボス:それ以外の一般人にとっては、むしろ暗黒に包まれた『ブラックデー』だ!
メルル:ブ……ブラックデー……!?
ボス:その通りだ。
ボス:私だってな……3月14日をドキドキしながら迎えたい!
ボス:『お返し何倍にしよっかなー? クッキーが良いかな? マシュマロが良いかな?』とか悩んでみたい!
ボス:しかし渡す相手がいないと、イベントに参加する権利すら与えられないのだ!
メルル:そ、それはまたお気の毒で……。いやー、オイラには縁遠い話で気持ちが分かんなかったッス……。
ボス:ぐ……これだから陽キャは……。
ボス:ときにメルルよ、我がブラック教団の社員手帳、最初のページを音読してみろ。
メルル:え? はい……分かったッス。手帳手帳……っと。
0:メルル、社員手帳を取り出す
ボス:何て書いてある?
メルル:えーと……。
メルル:『我が結社は、バレンタインにチョコをもらえなかった無念を晴らすために設立された闇の組織である』
ボス:そうだ。続けるが良い。
メルル:『我々の目的は、ホワイトデーに浮かれている連中にささやかな制裁を与えること』
ボス:うむ。
メルル:へ、へー! 知らなかったッスよ〜。いやー、我が組織にもそんな深い背景があったんスねえ……!
ボス:さてメルルよ、今日は随分と忙しかったようだな?
メルル:……え、そうだったッスかね!?
ボス:ブラック教団に所属していながら、ホワイトデーに浮かれている奴がいるらしいな。
メルル:あ、あー、そんな奴いるっスかねえ……?
ボス:それに社員手帳も読んでいないような奴には、新人研修が必要だよな……?
ボス:喜べ、私が直々に指導してやろう!
0:2人、別室に移動する
メルル:あの……ボス、この部屋は……? 真っ暗なんスけど……。
ボス:我がブラック教団の特別研修室。暗いのは電気が通っていないからだ。
ボス:さあメルル、今日からここで泊まり込みで研修だ!
メルル:ええ……そんな! こんな暗い部屋で過ごすなんて!
メルル:ゲームは!? ネットは!? 推しの配信が見れないじゃないッスか!
ボス:落ち着け。この部屋には私の日記を置いてある。暇になったらいつでも読むが良い。
メルル:は、はあ……。
ボス:音読してやろう。
ボス:2020年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
ボス:2021年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
ボス:2022年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
メルル:く、暗いッス……!
ボス:どうだ? これが私のバレンタインだ!
メルル:涙が出てきたっス……。
ボス:さて、それでは早速この部屋で仕事をしてもらおう。
メルル:し、仕事っスか……? 何の……?
ボス:仕事内容は私の日記をひたすら書き写すこと!
ボス:勤務は1日24時間!
ボス:土日も休日出勤!
ボス:そして時給は100円だ!
ボス:暇だから私も付き合ってやる!
メルル:く、黒い! ブラックすぎるッス、ボス……!
0:2時間後
メルル:ぜー……はー……。
ボス:さて、休憩とするか。
ボス:飲み物はブラックコーヒー、おやつにはブラックサンダーもあるぞ。
メルル:うう……もう黒は良いっす……。
メルル:てか、ボスの奴……完全に闇落ちしてるっスね……。
メルル:このままじゃダメっス! オイラがボスを救ってあげないと……。
ボス:さて、休憩のあとは……。
メルル:ぼ、ボス! 落ち着くッス!
メルル:大丈夫ッスよ! 今からでもバレンタインチョコをもらえる方法があるッス!
ボス:……!? 何を言っている?
ボス:バレンタインは1ヶ月前だぞ! 3月にチョコをくれるお人好しがどこに居る!?
メルル:いやいや、違うっス!
メルル:時を戻して今年の2月に戻るっスよ! 魔術を使ってタイムリープするッス!
ボス:時を戻す……だと……!
メルル:そう! 過去に戻って、モテモテウキウキ、ハッピーなバレンタインを送るッスよ!
メルル:そうすればきっと、ボスも忙しいホワイトデーを過ごせるッス!
ボス:……何と……そうか、そんな手が……!
メルル:うんうん♪
ボス:しかし……私はブラック教団のボス。そんな私がバレンタインチョコをもらうなど……。
メルル:何言ってるッスか! ボスみたいな人がチョコをもらえないなんて、世の中間違ってるっスよ!
ボス:そ、そうか……?
メルル:ボスは魅力的! モテモテ!
メルル:きっとボスの闇のオーラが凄すぎて、みんな遠慮してるだけッス! よっ、世界一のイケメン!
ボス:う、うむ。まあ、薄々そうだとは思っていたのだがな……!
メルル:そうッス。自信を持つッス!
メルル:(でないとオイラが毎年お仕置きされてしまうッス……)
ボス:よし……では、お言葉に甘えて、タイムリープしてみるとするか……!
メルル:その意気ッス!
ボス:……で、どうやったら時を超えることが出来るのだ……?
メルル:えへん! ちゃーんと研究してきたッスよ!
ボス:ほほう
メルル:えーと……最近読んだ魔術書(漫画)によると……メジャーなタイムリープの方法ってのはいくつかありまして……。
ボス:ふむふむ。
メルル:なんでも、全力で走り幅跳びしたり、電子レンジにバナナを入れたり、イケメンと握手したりすればタイムリープできるらしいっス!
ボス:ほほう……? そんな方法で行けるのか!?
メルル:間違いないッス! とっても売れてる魔術書だったから信憑性は高いッス!
ボス:素晴らしいぞメルルよ!
ボス:よし、無事にタイムリープが成功したあかつきには、時給をアップしてやろう……!
0:メルル、タイムリープの準備を整える
メルル:よーし、じゃあ行くッスよ〜。
ボス:うむ、どきどき……。
メルル:いざ……電子レンジにバナナを投入……!!
メルル:そしてイケメンはこの場にいないから……オイラと握手するッス!!
ボス:うむ!(がしっ)
0:突如、部屋の隅に巨大なブラックホールが出現する
ボス:むむ!? なんだあれは……!!
メルル:なんか部屋のはしっこに怪しげな穴が出来たッス!
ボス:……ブラックホールのように見えるのだが……!?
ボス:大丈夫なのか、これは……。
メルル:きっとそれに入ればタイムリープ出来るっスよ!
メルル:大丈夫ッス!! たぶん!!
ボス:……ぐぬぬ……。
ボス:仕方ない……チョコレートのためだ! 私はこの呪われた世界線を変えてみせる!
ボス:ゆくぞ!! ジャーンプ!!
0:ボス、ブラックホールに飛び込む
メルル:消えた……!
メルル:せ、成功したッスかね……? とりあえず、いってらっしゃいッス! ボス!
0:ボス、過去の世界で目覚める
ボス:……く……。ここはどこだ……?
ボス:タイムリープは成功したのか……!?
0:過去の世界のメルルが脇を通りかかる
メルル:あ〜、忙しい、忙しいっス〜! ふんふ〜ん♪
ボス:おお……メルルか、どうした。忙しそうだな……?
メルル:おお、ボス!
メルル:やー、だって今日は、あの日じゃないッスか!
ボス:あの日……? まさか、今日は2月14日なのか!?
メルル:ええ、もちろんそうッスよ!
ボス:そうか! バレンタインデーか!
メルル:そうそう。オイラ、可愛いから大量にチョコレートもらっちゃって。いろんな人に呼び出されちゃって大変ッス……!
ボス:ほほう、それは景気が良いな!
メルル:いやー、モテすぎてホワイトデーが心配ッス! 可愛いのは罪ッスね〜。
ボス:うむ、そうだな。モテるのは重罪だな。
ボス:バレンタインチョコを沢山もらう輩は厳罰に処する必要があるかもしれんな!
ボス:まあ、そんな事を言ったら私もだがな! ハッハッハ!
メルル:いやー、ボスなら5千個ぐらいもらえるッスね、きっと!
ボス:うむ、まあな! お互いモテる人間は大変だな!
メルル:荷物持ちに困ったら手伝うんで! では、健闘を祈るッス! ハッピーバレンタイン!
ボス:おう! グッドラック!
0:ボス、メルルを見送りながら
ボス:しかし……まさか本当にタイムリープが成功するとはな……!
ボス:今度こそ……今度こそ……バレンタインチョコをもらってみせる……!!
ボス:……で、どうやったらチョコレートをもらえるのだ……!?
ボス:とりあえず、椅子に座って誰かが渡しに来てくれるのを待ってみるか……!!
ボス:負のオーラを少し抑えて……親しみやすい雰囲気を作れば……きっと……!!
0:1時間後
ボス:どきどき……。
ボス:わくわく……。
ボス:そわそわ……。
0:5時間後
ボス:おかしい……!
ボス:誰も……チョコを渡しに来てくれないっ……!!
ボス:どういうことだ……!?
ボス:みんなテレ屋なのか……? もう少し、もう少しだけ待つか……!
0:10時間後
ボス:うう……。
ボス:もうすぐ日付が変わるが……誰も来ない……!!
ボス:そんな……私は何のために過去に……!?
0:ボス、うなだれる
ボス:……。
ボス:誰も来てくれない……。
ボス:……暇だ……。
0:ボス、部屋の隅で何かを見つける
ボス:ん、何だこれは……? ゲーム機……?
ボス:ああ、メルルのゲームだな。暇だから遊んでみるか……。
0:ボス、ゲームのスイッチを入れる
ゲーム音声:『おはよう! 今日も一緒に、頑張ろうね♪』
ボス:……ほう……。よくできているな。最近のゲームは。
ゲーム音声:『貴方の名前を入力してね♪』
ボス:ふむ。名前か。えーと、ボ……ス……っと。
ゲーム音声:『ボスくんって言うんだ? よろしくね♪』
ボス:なんと、名前を呼んでくれるのか。ほほう……これは良い……!!
0:ボス、過去から帰還する。メルルが出迎える
メルル:おお、ボス!
メルル:無事に過去から帰ってこれたっスね!
ボス:おお……メルルか。ただいま帰ったぞ!
メルル:で、どうだったッスか! ちゃんとバレンタインに戻れたっスか!?
ボス:ああ、バレンタインデー当日に戻れた。見事なタイムリープだったぞ、メルルよ!
メルル:おお! で、バレンタインの首尾は?
メルル:義理チョコぐらい貰えたっスか!?
ボス:ふっ……義理チョコ? 甘いな。そんな低次元な話をされては困る。
ボス:聞いて驚け! 何とな! 彼女ができたぞ!
メルル:なんと! チョコレートどころか彼女まで!? それは計算外ッス!!
ボス:まあな、ラブラブだ……! もうそろそろ婚約を考えている!
メルル:ヒューヒュー! やるッスね! さすがボス!
ボス:ふっ……まあな……。
メルル:ぜひ、紹介してほしいッス!
ボス:うむ……仕方ないな。
メルル:わくわく……!
ボス:これだ。
メルル:ゲーム機……?
ボス:『どきどきメモリアル』のリンコちゃんだ!
メルル:え、リンコちゃん……? あの、恋愛アドベンチャーゲームの……?
ボス:そうだ。
ボス:出会ったその日に告白して、そのままデートに行ったらバレンタインチョコをくれてな! しかも手作りだぞ!
メルル:へ、へー! そうなんスか……!
ボス:さて……、今日は3月14日! ホワイトデーだな!! お返ししなくてはな!!
ボス:奮発して百倍返しにするか! ふんふ〜ん♪
ボス:やー、財布に優しくないイベントだなあ。ふんふ〜ん♪
メルル:う、うーん……
メルル:とりあえずボスの中では世界線は変わって、闇落ちは回避できたんスかね……?
メルル:まあ、ボスもゴキゲンみたいだし、一件落着ッスかね。
ボス:……さーて、スイッチオン、と。
0:
0:ボス、ゲームのスイッチを入れる
ゲーム音声:『おきのどくですが、あなたのセーブデータは消えてしまいました』
ボス:……。
メルル:……。
ボス:……そんな……データが……消えた……だと……!
メルル:あー……。
ボス:リンコちゃん! リンコちゃん!?
メルル:そっか……。ボス、過去にそのゲームで遊んだあと、時を超えたんスよね。一ヶ月ほど……
ボス:ああ……。それがどうかしたのか?
メルル:ボスはタイムリープで一瞬で帰ってこれても、その間にゲーム内の時間はまるまる一ヶ月進んでしまったわけで……
ボス:なんだと……!? するとどうなるのだ!?
メルル:このゲーム、しばらく起動しないとカノジョが愛想つかして、データが消えちゃうんスよね〜……。
ボス:そんな……! うう……私は何のために過去に……。
ボス:リンコちゃん……!!
メルル:ボス……。
ボス:なるほど……今日は3月14日……。
ボス:データが真っ白! 思い出も真っ白!!
ボス:………うむ、見事なホワイトデーだな……。
メルル:ぼ、ボス……。
メルル:あ、あ〜! 大丈夫っすよ! ボス!
メルル:思い出なんて、これからまた作っていけばいいッス!!
ボス:メルル……。
メルル:それにボスが人生で初めてチョコレートをもらった事実は変わらないッス!!
メルル:きっと世界線は変わって、これからはモテモテウキウキな毎日が待ってるッス!!
ボス:そ……そうか……?
メルル:それに……ほら、来年のバレンタインはオイラがチョコレートあげるっスから!
メルル:ね! 元気出すっスよ!
ボス:……なに! ホントか!!
メルル:女に二言はないッス!
ボス:本当に本当に本当だな! 嘘ついたら針千本飲ますからな!
メルル:ホントっス。あと、リンコちゃんの攻略法も教えてあげるッス!
ボス:ふんふ〜ん♪ そっか! 来年は最低二個はもらえるわけだな!
ボス:よし、いっそのことホワイト教団に改名するか!!
ボス:あ、メルル! お前時給1000%アップな!
メルル:ボス〜! おはようッス!
ボス:うむ、相変わらず元気が良いな、メルルよ。
ボス:さて、早速だが我が『ブラック教団』の崇高なる魔術集会を始めるとしよう。
ボス:本日、『3月14日』は我々にとって特別な日であったな。
メルル:あー、今日ッスか? やー、オイラ忙しくて参ったッス〜……!
ボス:ほう? そんなに多忙なのか?
メルル:えへへ、オイラ、可愛いから先月のバレンタインに沢山チョコレートもらっちゃって、お返しを配って回るのに忙しいッス!
メルル:誰か手伝ってほしいッスね〜。ふんふ〜ん♪
ボス:……ほほう、それは景気が良いな。あと何人ぐらいに配るのだ?
メルル:えーと、あと50人ぐらいッスね!
メルル:いやー、マシュマロの買い過ぎで破産しそうッスよ〜。
ボス:ほほう……。
メルル:『ホワイトデーは3倍返し』なんて誰が決めたッスかね〜。
メルル:やー、モテると大変ッスよね〜! 可愛いのは罪ッスね! てへぺろ♪
ボス:……うむ、そうだな。モテるのは重罪だな。
ボス:バレンタインにチョコを沢山もらう輩(やから)は、厳罰に処する必要があるかもしれんな。
メルル:ははは、そんなこと言ってたら世の中の人間はみんな処刑されちゃうッスよ!
ボス:……。
メルル:……で、ボスは何個もらったっスか!? バレンタインチョコ!
ボス:……ぐ、愚問だな。メルルよ、なぜそんな質問をする……。
メルル:やー、だって気になるじゃないッスか!
メルル:まあ、女のオイラがこんなにもらってるんだから、ボスはきっと軽〜く千個ぐらいはもらってるッスよね!
ボス:……ぐ……。あいにく、数え切れないぐらいの数でな……。
メルル:え? まさか3千個か4千個ぐらいッスか……!
ボス:いや……そもそも桁が違うな……。
メルル:桁が違う!? さすがボス!
ボス:というか、お前はバレンタインに何個チョコをもらったのだ……?
メルル:え? ああ、自分だけ数を言うのが恥ずかしいんスね〜。
メルル:可愛いッスね、ボス。このこの〜。
メルル:じゃあ、オイラも答えるので、『せーの』で2人一緒にチョコの数を言うッスよ!
ボス:……強引だな、メルルよ……。
メルル:行きますよ〜。
メルル:『せーの!』
0:2人、同時にこたえる
メルル:502個!
ボス:ゼロだ……。
メルル:……え?
ボス:……。
メルル:今……なんと……?
メルル:いやー、失敗失敗、オイラの声がデカすぎて、聞こえなかったッス。
メルル:じゃあボス、はい、もう1回!
ボス:……ゼロだ。
メルル:……え?
メルル:すいません……オイラ耳が遠くなっちゃったみたいで……もう1回良いッスか?
ボス:……ゼロ個だ……(涙)
メルル:……え? ……え!?
メルル:だってホラ、義理チョコとか友チョコとか本命チョコとか逆チョコとかファミチョコとかお情けチョコとか……色々あるッスよね?
メルル:組織のボスなら、せめて1個ぐらい……。
ボス:うう……。
メルル:……え、まさか、本当に……?
ボス:ぐぬぬ……。お前もくれなかったよな、メルルよ……。
メルル:え、えーと……ほら、ボス、甘いの苦手かなって!
メルル:ほら、ボスはダンディーなイメージあるし! チョコなんて食べない……っスよね?
ボス:あいにく、大の甘党でな……。
メルル:……。
0:
メルル:だ、大丈夫ッスよ、ボス! バレンタインだけが全てじゃないッス!
メルル:それに……ホラ! お返しをしなくて良いなんて、お財布に優しいじゃないッスか!
メルル:いやー、さすがボス! 経済的! 地球に優しい! 羨ましいなあ……!
ボス:……ぐぐぐ、言ってくれるな、メルル……。
ボス:なるほど、これが『持たざる者』と『そうではない者』の違いか。上から目線で、さぞ良い気分だろうな、メルル様よ……?
メルル:い、いやー、ハハハ……。
ボス:だいたいお前! 我が組織にとって、『3月14日』が何の日か知っているのか!?
メルル:え、それは……クッキーとかマシュマロとか配る日ッスよね……?
ボス:違う! 我が『ブラック教団』の設立記念日だぞ!
メルル:え? ブラック教団なのに、よりによってホワイトデーに設立したッスか!?
ボス:確かにお前にとってはホワイトデーなのかもしれんが! そうではない!
ボス:ホワイトデーをルンルン気分で迎えられるのは、バレンタインにチョコをもらった選ばれた一部の人間のみ!
ボス:それ以外の一般人にとっては、むしろ暗黒に包まれた『ブラックデー』だ!
メルル:ブ……ブラックデー……!?
ボス:その通りだ。
ボス:私だってな……3月14日をドキドキしながら迎えたい!
ボス:『お返し何倍にしよっかなー? クッキーが良いかな? マシュマロが良いかな?』とか悩んでみたい!
ボス:しかし渡す相手がいないと、イベントに参加する権利すら与えられないのだ!
メルル:そ、それはまたお気の毒で……。いやー、オイラには縁遠い話で気持ちが分かんなかったッス……。
ボス:ぐ……これだから陽キャは……。
ボス:ときにメルルよ、我がブラック教団の社員手帳、最初のページを音読してみろ。
メルル:え? はい……分かったッス。手帳手帳……っと。
0:メルル、社員手帳を取り出す
ボス:何て書いてある?
メルル:えーと……。
メルル:『我が結社は、バレンタインにチョコをもらえなかった無念を晴らすために設立された闇の組織である』
ボス:そうだ。続けるが良い。
メルル:『我々の目的は、ホワイトデーに浮かれている連中にささやかな制裁を与えること』
ボス:うむ。
メルル:へ、へー! 知らなかったッスよ〜。いやー、我が組織にもそんな深い背景があったんスねえ……!
ボス:さてメルルよ、今日は随分と忙しかったようだな?
メルル:……え、そうだったッスかね!?
ボス:ブラック教団に所属していながら、ホワイトデーに浮かれている奴がいるらしいな。
メルル:あ、あー、そんな奴いるっスかねえ……?
ボス:それに社員手帳も読んでいないような奴には、新人研修が必要だよな……?
ボス:喜べ、私が直々に指導してやろう!
0:2人、別室に移動する
メルル:あの……ボス、この部屋は……? 真っ暗なんスけど……。
ボス:我がブラック教団の特別研修室。暗いのは電気が通っていないからだ。
ボス:さあメルル、今日からここで泊まり込みで研修だ!
メルル:ええ……そんな! こんな暗い部屋で過ごすなんて!
メルル:ゲームは!? ネットは!? 推しの配信が見れないじゃないッスか!
ボス:落ち着け。この部屋には私の日記を置いてある。暇になったらいつでも読むが良い。
メルル:は、はあ……。
ボス:音読してやろう。
ボス:2020年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
ボス:2021年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
ボス:2022年、2月14日。いつもと変わらず、普通の1日だった……。
メルル:く、暗いッス……!
ボス:どうだ? これが私のバレンタインだ!
メルル:涙が出てきたっス……。
ボス:さて、それでは早速この部屋で仕事をしてもらおう。
メルル:し、仕事っスか……? 何の……?
ボス:仕事内容は私の日記をひたすら書き写すこと!
ボス:勤務は1日24時間!
ボス:土日も休日出勤!
ボス:そして時給は100円だ!
ボス:暇だから私も付き合ってやる!
メルル:く、黒い! ブラックすぎるッス、ボス……!
0:2時間後
メルル:ぜー……はー……。
ボス:さて、休憩とするか。
ボス:飲み物はブラックコーヒー、おやつにはブラックサンダーもあるぞ。
メルル:うう……もう黒は良いっす……。
メルル:てか、ボスの奴……完全に闇落ちしてるっスね……。
メルル:このままじゃダメっス! オイラがボスを救ってあげないと……。
ボス:さて、休憩のあとは……。
メルル:ぼ、ボス! 落ち着くッス!
メルル:大丈夫ッスよ! 今からでもバレンタインチョコをもらえる方法があるッス!
ボス:……!? 何を言っている?
ボス:バレンタインは1ヶ月前だぞ! 3月にチョコをくれるお人好しがどこに居る!?
メルル:いやいや、違うっス!
メルル:時を戻して今年の2月に戻るっスよ! 魔術を使ってタイムリープするッス!
ボス:時を戻す……だと……!
メルル:そう! 過去に戻って、モテモテウキウキ、ハッピーなバレンタインを送るッスよ!
メルル:そうすればきっと、ボスも忙しいホワイトデーを過ごせるッス!
ボス:……何と……そうか、そんな手が……!
メルル:うんうん♪
ボス:しかし……私はブラック教団のボス。そんな私がバレンタインチョコをもらうなど……。
メルル:何言ってるッスか! ボスみたいな人がチョコをもらえないなんて、世の中間違ってるっスよ!
ボス:そ、そうか……?
メルル:ボスは魅力的! モテモテ!
メルル:きっとボスの闇のオーラが凄すぎて、みんな遠慮してるだけッス! よっ、世界一のイケメン!
ボス:う、うむ。まあ、薄々そうだとは思っていたのだがな……!
メルル:そうッス。自信を持つッス!
メルル:(でないとオイラが毎年お仕置きされてしまうッス……)
ボス:よし……では、お言葉に甘えて、タイムリープしてみるとするか……!
メルル:その意気ッス!
ボス:……で、どうやったら時を超えることが出来るのだ……?
メルル:えへん! ちゃーんと研究してきたッスよ!
ボス:ほほう
メルル:えーと……最近読んだ魔術書(漫画)によると……メジャーなタイムリープの方法ってのはいくつかありまして……。
ボス:ふむふむ。
メルル:なんでも、全力で走り幅跳びしたり、電子レンジにバナナを入れたり、イケメンと握手したりすればタイムリープできるらしいっス!
ボス:ほほう……? そんな方法で行けるのか!?
メルル:間違いないッス! とっても売れてる魔術書だったから信憑性は高いッス!
ボス:素晴らしいぞメルルよ!
ボス:よし、無事にタイムリープが成功したあかつきには、時給をアップしてやろう……!
0:メルル、タイムリープの準備を整える
メルル:よーし、じゃあ行くッスよ〜。
ボス:うむ、どきどき……。
メルル:いざ……電子レンジにバナナを投入……!!
メルル:そしてイケメンはこの場にいないから……オイラと握手するッス!!
ボス:うむ!(がしっ)
0:突如、部屋の隅に巨大なブラックホールが出現する
ボス:むむ!? なんだあれは……!!
メルル:なんか部屋のはしっこに怪しげな穴が出来たッス!
ボス:……ブラックホールのように見えるのだが……!?
ボス:大丈夫なのか、これは……。
メルル:きっとそれに入ればタイムリープ出来るっスよ!
メルル:大丈夫ッス!! たぶん!!
ボス:……ぐぬぬ……。
ボス:仕方ない……チョコレートのためだ! 私はこの呪われた世界線を変えてみせる!
ボス:ゆくぞ!! ジャーンプ!!
0:ボス、ブラックホールに飛び込む
メルル:消えた……!
メルル:せ、成功したッスかね……? とりあえず、いってらっしゃいッス! ボス!
0:ボス、過去の世界で目覚める
ボス:……く……。ここはどこだ……?
ボス:タイムリープは成功したのか……!?
0:過去の世界のメルルが脇を通りかかる
メルル:あ〜、忙しい、忙しいっス〜! ふんふ〜ん♪
ボス:おお……メルルか、どうした。忙しそうだな……?
メルル:おお、ボス!
メルル:やー、だって今日は、あの日じゃないッスか!
ボス:あの日……? まさか、今日は2月14日なのか!?
メルル:ええ、もちろんそうッスよ!
ボス:そうか! バレンタインデーか!
メルル:そうそう。オイラ、可愛いから大量にチョコレートもらっちゃって。いろんな人に呼び出されちゃって大変ッス……!
ボス:ほほう、それは景気が良いな!
メルル:いやー、モテすぎてホワイトデーが心配ッス! 可愛いのは罪ッスね〜。
ボス:うむ、そうだな。モテるのは重罪だな。
ボス:バレンタインチョコを沢山もらう輩は厳罰に処する必要があるかもしれんな!
ボス:まあ、そんな事を言ったら私もだがな! ハッハッハ!
メルル:いやー、ボスなら5千個ぐらいもらえるッスね、きっと!
ボス:うむ、まあな! お互いモテる人間は大変だな!
メルル:荷物持ちに困ったら手伝うんで! では、健闘を祈るッス! ハッピーバレンタイン!
ボス:おう! グッドラック!
0:ボス、メルルを見送りながら
ボス:しかし……まさか本当にタイムリープが成功するとはな……!
ボス:今度こそ……今度こそ……バレンタインチョコをもらってみせる……!!
ボス:……で、どうやったらチョコレートをもらえるのだ……!?
ボス:とりあえず、椅子に座って誰かが渡しに来てくれるのを待ってみるか……!!
ボス:負のオーラを少し抑えて……親しみやすい雰囲気を作れば……きっと……!!
0:1時間後
ボス:どきどき……。
ボス:わくわく……。
ボス:そわそわ……。
0:5時間後
ボス:おかしい……!
ボス:誰も……チョコを渡しに来てくれないっ……!!
ボス:どういうことだ……!?
ボス:みんなテレ屋なのか……? もう少し、もう少しだけ待つか……!
0:10時間後
ボス:うう……。
ボス:もうすぐ日付が変わるが……誰も来ない……!!
ボス:そんな……私は何のために過去に……!?
0:ボス、うなだれる
ボス:……。
ボス:誰も来てくれない……。
ボス:……暇だ……。
0:ボス、部屋の隅で何かを見つける
ボス:ん、何だこれは……? ゲーム機……?
ボス:ああ、メルルのゲームだな。暇だから遊んでみるか……。
0:ボス、ゲームのスイッチを入れる
ゲーム音声:『おはよう! 今日も一緒に、頑張ろうね♪』
ボス:……ほう……。よくできているな。最近のゲームは。
ゲーム音声:『貴方の名前を入力してね♪』
ボス:ふむ。名前か。えーと、ボ……ス……っと。
ゲーム音声:『ボスくんって言うんだ? よろしくね♪』
ボス:なんと、名前を呼んでくれるのか。ほほう……これは良い……!!
0:ボス、過去から帰還する。メルルが出迎える
メルル:おお、ボス!
メルル:無事に過去から帰ってこれたっスね!
ボス:おお……メルルか。ただいま帰ったぞ!
メルル:で、どうだったッスか! ちゃんとバレンタインに戻れたっスか!?
ボス:ああ、バレンタインデー当日に戻れた。見事なタイムリープだったぞ、メルルよ!
メルル:おお! で、バレンタインの首尾は?
メルル:義理チョコぐらい貰えたっスか!?
ボス:ふっ……義理チョコ? 甘いな。そんな低次元な話をされては困る。
ボス:聞いて驚け! 何とな! 彼女ができたぞ!
メルル:なんと! チョコレートどころか彼女まで!? それは計算外ッス!!
ボス:まあな、ラブラブだ……! もうそろそろ婚約を考えている!
メルル:ヒューヒュー! やるッスね! さすがボス!
ボス:ふっ……まあな……。
メルル:ぜひ、紹介してほしいッス!
ボス:うむ……仕方ないな。
メルル:わくわく……!
ボス:これだ。
メルル:ゲーム機……?
ボス:『どきどきメモリアル』のリンコちゃんだ!
メルル:え、リンコちゃん……? あの、恋愛アドベンチャーゲームの……?
ボス:そうだ。
ボス:出会ったその日に告白して、そのままデートに行ったらバレンタインチョコをくれてな! しかも手作りだぞ!
メルル:へ、へー! そうなんスか……!
ボス:さて……、今日は3月14日! ホワイトデーだな!! お返ししなくてはな!!
ボス:奮発して百倍返しにするか! ふんふ〜ん♪
ボス:やー、財布に優しくないイベントだなあ。ふんふ〜ん♪
メルル:う、うーん……
メルル:とりあえずボスの中では世界線は変わって、闇落ちは回避できたんスかね……?
メルル:まあ、ボスもゴキゲンみたいだし、一件落着ッスかね。
ボス:……さーて、スイッチオン、と。
0:
0:ボス、ゲームのスイッチを入れる
ゲーム音声:『おきのどくですが、あなたのセーブデータは消えてしまいました』
ボス:……。
メルル:……。
ボス:……そんな……データが……消えた……だと……!
メルル:あー……。
ボス:リンコちゃん! リンコちゃん!?
メルル:そっか……。ボス、過去にそのゲームで遊んだあと、時を超えたんスよね。一ヶ月ほど……
ボス:ああ……。それがどうかしたのか?
メルル:ボスはタイムリープで一瞬で帰ってこれても、その間にゲーム内の時間はまるまる一ヶ月進んでしまったわけで……
ボス:なんだと……!? するとどうなるのだ!?
メルル:このゲーム、しばらく起動しないとカノジョが愛想つかして、データが消えちゃうんスよね〜……。
ボス:そんな……! うう……私は何のために過去に……。
ボス:リンコちゃん……!!
メルル:ボス……。
ボス:なるほど……今日は3月14日……。
ボス:データが真っ白! 思い出も真っ白!!
ボス:………うむ、見事なホワイトデーだな……。
メルル:ぼ、ボス……。
メルル:あ、あ〜! 大丈夫っすよ! ボス!
メルル:思い出なんて、これからまた作っていけばいいッス!!
ボス:メルル……。
メルル:それにボスが人生で初めてチョコレートをもらった事実は変わらないッス!!
メルル:きっと世界線は変わって、これからはモテモテウキウキな毎日が待ってるッス!!
ボス:そ……そうか……?
メルル:それに……ほら、来年のバレンタインはオイラがチョコレートあげるっスから!
メルル:ね! 元気出すっスよ!
ボス:……なに! ホントか!!
メルル:女に二言はないッス!
ボス:本当に本当に本当だな! 嘘ついたら針千本飲ますからな!
メルル:ホントっス。あと、リンコちゃんの攻略法も教えてあげるッス!
ボス:ふんふ〜ん♪ そっか! 来年は最低二個はもらえるわけだな!
ボス:よし、いっそのことホワイト教団に改名するか!!
ボス:あ、メルル! お前時給1000%アップな!