台本概要
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タイトル | 涙のつかいかた |
---|---|
作者名 | おちり補佐官 (@called_makki) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(男1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ラブストーリーを含むファンタジー。 男女不問です。 最愛の彼女の涙を用いて、絵の具を溶き、素晴らしい海の絵を描いた男の話です。 179 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
僕 | 男 | 9 | それまでは画家だった。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:
:
僕:いつの日だったか、
僕:泣いた君の流した涙を
僕:絵筆に染みいらせて、
僕:絵の具を溶いたんだ。
僕:とても青い色だった。
僕:けど、パレットのうえですぐに乾いた。
僕:そしたら、君も泣き止んでいた。
:
僕:青い絵の具がそのままになったから
僕:僕は海の絵を塗ることにした。
僕:今度は海水を
僕:たっぷり絵筆に染み込ませて。
:
僕:しょっぱい香りのする絵を飾った。
僕:穏やかな海の絵。
僕:絵のなかでも、
僕:波は、寄せては返した。
:
僕:けど急に、絵の海は氾濫して
僕:床に流れ出て、ベッドを沈めた。
僕:さながら海だった。
僕:僕の部屋はひとつの海底都市になった。
:
僕:遠くに見える海も大きく荒れていた。
僕:今まで穏やかだったのに、急に。
僕:打ち上がる高波は
僕:大粒の涙みたいに、
僕:かなしく豪快にふりかかる。
:
僕:それを見ていると、
僕:堪えられなくなって
僕:僕は彼女の元に向かった。
:
僕:彼女は泣いていた。
僕:
僕:わけを聞くと、
僕:僕が絵にばかり
僕:見惚れていたかららしい。
僕:僕もかなしくって泣いた。
:
僕:彼女の涙は足首のところまで来ていた。
僕:ぽたぽたと僕の涙もおちた。
僕:たまりにたまって、
僕:ドアも堪えられなくなって
僕:鉄砲水みたいに
僕:涙の川が外に勢いよく流れ始めた。
僕:
僕:途中で僕の絵をさらっていくのが見えた。
僕:そして、川は
僕:決して勢いの衰えることなく
僕:海へとまっすぐに向かった。
僕:
僕:僕と彼女は、
僕:流れていく絵を眺めていた。
僕:まだ彼女が泣いているんじゃないかと
僕:思って、僕は目を見つめた。
:
僕:泣き止んでいた。
僕:やがて僕の視線に気づくと、
僕:海は穏やかになり、
僕:ありとあらゆる災害は
僕:この世からなくなって、
僕:
僕:だから僕たちはキスをした。
:
:
:おわり。
:
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僕:いつの日だったか、
僕:泣いた君の流した涙を
僕:絵筆に染みいらせて、
僕:絵の具を溶いたんだ。
僕:とても青い色だった。
僕:けど、パレットのうえですぐに乾いた。
僕:そしたら、君も泣き止んでいた。
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僕:青い絵の具がそのままになったから
僕:僕は海の絵を塗ることにした。
僕:今度は海水を
僕:たっぷり絵筆に染み込ませて。
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僕:しょっぱい香りのする絵を飾った。
僕:穏やかな海の絵。
僕:絵のなかでも、
僕:波は、寄せては返した。
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僕:けど急に、絵の海は氾濫して
僕:床に流れ出て、ベッドを沈めた。
僕:さながら海だった。
僕:僕の部屋はひとつの海底都市になった。
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僕:遠くに見える海も大きく荒れていた。
僕:今まで穏やかだったのに、急に。
僕:打ち上がる高波は
僕:大粒の涙みたいに、
僕:かなしく豪快にふりかかる。
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僕:それを見ていると、
僕:堪えられなくなって
僕:僕は彼女の元に向かった。
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僕:彼女は泣いていた。
僕:
僕:わけを聞くと、
僕:僕が絵にばかり
僕:見惚れていたかららしい。
僕:僕もかなしくって泣いた。
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僕:彼女の涙は足首のところまで来ていた。
僕:ぽたぽたと僕の涙もおちた。
僕:たまりにたまって、
僕:ドアも堪えられなくなって
僕:鉄砲水みたいに
僕:涙の川が外に勢いよく流れ始めた。
僕:
僕:途中で僕の絵をさらっていくのが見えた。
僕:そして、川は
僕:決して勢いの衰えることなく
僕:海へとまっすぐに向かった。
僕:
僕:僕と彼女は、
僕:流れていく絵を眺めていた。
僕:まだ彼女が泣いているんじゃないかと
僕:思って、僕は目を見つめた。
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僕:泣き止んでいた。
僕:やがて僕の視線に気づくと、
僕:海は穏やかになり、
僕:ありとあらゆる災害は
僕:この世からなくなって、
僕:
僕:だから僕たちはキスをした。
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:おわり。