台本概要

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タイトル ウインナー珈琲が飲みたくて
作者名 椿 麗華  (@Tsubaki_Reika)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 ひとり読み・朗読用
所要時間 5分程度
性別不問です

*配信アプリ、動画サイト、ディスコード、ツイキャス等でのご使用にあたって、個別の連絡は不要ですが、必ず「作者名」「作品名」の表記をお願い致します。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 - 語り
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:  0:朝、目を覚ますと 0:肌を刺す様な冷たい空気が 0:寝起きの躰を包み込む 0:  0:カーテンを開け 0:まだ薄暗い空に向かって 0:「おはよう」と呟く 0:  0:テーブルに向かい 0:トーストした食パンと 0:温かいスープを用意する 0:  0:それでも何かが足りない気がして 0:  0:「ああ、そうだ。ウインナー珈琲だ」 0:  0:  0:濃いめの珈琲の上に浮かぶ 0:真っ白なホイップクリーム 0:  0:本当は、それを溶かしながら味わうべきなのであるが 0:やはりどうしても、やってしまうことがある 0:  0:珈琲に覆い被さる、分厚いホイップクリームを 0:真っ先に食べてしまう私 0:  0:「あぁ、いけない。またやってしまった」 0:  0:いつもこの繰り返しだ 0:  0:  0:珈琲の海と 0:その海に浮かぶクリームは 0:ひとときの微睡みを生み 0:そしてクリームの覆いを掬いながら 0:自らの口に、静かに入れて 0:ゆっくり溶かしてゆくと 0:極上の快感が我が身を包み 0:脳内に温かい感覚が広がり 0:思わず目蓋を閉じてしまいたくなる 0:  0:その後に 0:姿を現した珈琲を味わい 0:朝の気怠さを取り払ってゆく 0:  0:まさに至福のひとときだ 0:  0:  0:子供の頃 0:ウインナーソーセージが入っている珈琲だと思って 0:「大人はこんなものを好んで飲むのか?」と 0:不思議に思っていたのは 0:懐かしい思い出だ 0:  0:  0:結局大人になっても 0:子供っぽい飲み方をしてしまうけれど 0:  0:  0:気持ちが落ち着かない時 0:心が沈んでいる時 0:寒い冬 0:そんな時は何だか 0:ウインナー珈琲が飲みたくなる 0:  0:それはいつも 0:私を温めてくれて 0:味覚を官能的な世界へと 0:優しく誘(いざな)ってくれるのだ 0:  0:さながら、「朝の恋人」だ 0:  0:毎朝会うわけではない 0:  0:そこが良いところであり 0:それがお互いの関係を 0:程良く保っている 0:  0:  0:「今日も美味しかったよ。またね」 0:  0:空になったコーヒーカップに声をかけ 0:新しい一日を迎えられたことに、感謝をする 0:  0:  0: end

0:  0:朝、目を覚ますと 0:肌を刺す様な冷たい空気が 0:寝起きの躰を包み込む 0:  0:カーテンを開け 0:まだ薄暗い空に向かって 0:「おはよう」と呟く 0:  0:テーブルに向かい 0:トーストした食パンと 0:温かいスープを用意する 0:  0:それでも何かが足りない気がして 0:  0:「ああ、そうだ。ウインナー珈琲だ」 0:  0:  0:濃いめの珈琲の上に浮かぶ 0:真っ白なホイップクリーム 0:  0:本当は、それを溶かしながら味わうべきなのであるが 0:やはりどうしても、やってしまうことがある 0:  0:珈琲に覆い被さる、分厚いホイップクリームを 0:真っ先に食べてしまう私 0:  0:「あぁ、いけない。またやってしまった」 0:  0:いつもこの繰り返しだ 0:  0:  0:珈琲の海と 0:その海に浮かぶクリームは 0:ひとときの微睡みを生み 0:そしてクリームの覆いを掬いながら 0:自らの口に、静かに入れて 0:ゆっくり溶かしてゆくと 0:極上の快感が我が身を包み 0:脳内に温かい感覚が広がり 0:思わず目蓋を閉じてしまいたくなる 0:  0:その後に 0:姿を現した珈琲を味わい 0:朝の気怠さを取り払ってゆく 0:  0:まさに至福のひとときだ 0:  0:  0:子供の頃 0:ウインナーソーセージが入っている珈琲だと思って 0:「大人はこんなものを好んで飲むのか?」と 0:不思議に思っていたのは 0:懐かしい思い出だ 0:  0:  0:結局大人になっても 0:子供っぽい飲み方をしてしまうけれど 0:  0:  0:気持ちが落ち着かない時 0:心が沈んでいる時 0:寒い冬 0:そんな時は何だか 0:ウインナー珈琲が飲みたくなる 0:  0:それはいつも 0:私を温めてくれて 0:味覚を官能的な世界へと 0:優しく誘(いざな)ってくれるのだ 0:  0:さながら、「朝の恋人」だ 0:  0:毎朝会うわけではない 0:  0:そこが良いところであり 0:それがお互いの関係を 0:程良く保っている 0:  0:  0:「今日も美味しかったよ。またね」 0:  0:空になったコーヒーカップに声をかけ 0:新しい一日を迎えられたことに、感謝をする 0:  0:  0: end