台本概要
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タイトル | Red Halloween |
---|---|
作者名 | 白玉あずき (@srtm_azk01) |
ジャンル | ホラー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
赤ずきんをモチーフにした、ホラーラブストーリー。 演者の性別は不問。 223 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
赤ずきん | 女 | 8 | 14歳くらいの少女。 |
狼 | 男 | 10 | 人狼とも呼ばれるもの。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:レッドハロウィン
0:
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。子供たちが歌っている。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。なのに、私は一人森の中。
赤ずきん(M):お母さんのおつかいで、パイとぶどう酒をおばあさんに届けるの。赤い頭巾を被って。
赤ずきん(M):お母さんは言った。人喰い狼には気をつけなさいと。そんな危ない森に、どうして子供の私を行かせるの。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。お菓子をくれなければイタズラするぞ。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。私は未だにお菓子を貰った事がない。
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狼:「やぁこんにちは、赤ずきん。今日も一人でおつかいかい?」
赤ずきん:「こんにちは、狼さん。一人で行くからおつかいなのよ」
狼:「それはえらいね。村では子供たちがお菓子を貰う日だろう?君はしないのかい?」
赤ずきん:「今日は特別な日だから、おばあさんにもパイとぶどう酒の他に、カボチャのプティングを持って行くの」
狼:「それは美味しいのかい?」
赤ずきん:「お母さんの手作りで、とても甘くて美味しいのよ」
狼:「そうなんだ。僕は甘いのが苦手でね、どうせなら大きなソーセージが食べたいな」
赤ずきん:「あら、そんなごちそう持ってきてないわ。狼さん、私を食べちゃう?」
狼:「まさか。可愛い君を食べたりはしないよ」
赤ずきん(M):お母さんは狼に気をつけなさいと言ったけれど、この狼さんは怖くない。
赤ずきん(M):初めて会った時は食べられるのかと思ったけど、お花畑でキレイなお花を見つけて私にくれた。
赤ずきん(M):それは今日も同じで、寒くなってきた森で咲いている数少ないお花と、紅葉(こうよう)を添えて渡してくれた。
赤ずきん(M):私は狼さんが大好きだ。
赤ずきん:「それじゃぁね、狼さん」
狼:「ああ。またね、ガーネット」
赤ずきん(M):狼さんが名前を呼んでくれる。今ではあだ名でしか呼ばれない私の、本当の・・・名前。
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赤ずきん:「こんにちは、おばあさん。今日もお見舞いに来たよ。今日はハロウィンだからね、カボチャのプティングもあるの!」
赤ずきん(M):扉を開けて、おばあさんに挨拶をすれば、ベッドから起き上がったおばあさんが笑いかけてくる。いつもの光景。
赤ずきん(M):古びたサイドテーブルに、食べ物の入った籠を置いて、花瓶にお花を飾る。そうしていれば、おばあさんが「すまないね、赤ずきん」と私に向かって言う。
赤ずきん(M):いつもは気にしないで笑って応えていたけれど、今日はなんだか、胸がぎゅうと締め付けられて・・・。
赤ずきん:「・・・私、赤ずきんって名前じゃないよ。ちゃんと名前あるよ。おばあさんは・・・覚えてる?」
赤ずきん(M):私がそう言えば、おばあさんはきょとんとして、「あぁ、そうだね・・・」と言って、目をキョロキョロとさせる。そして。
赤ずきん(M):「すまないね、最近物忘れがひどくなって、名前を・・・思い出せないんだよ」小さく返事をした。
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赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
赤ずきん(M):子供たちの笑い声。輪に入れぬ子供が一人。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
赤ずきん(M):名前も呼ばれず泣いている。
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狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):バケモノに扮した行列に。
狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):本物は紛れていないと誰が決めた?
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狼(M):夜の帳(とばり)も降りた頃、古びた家屋にノックで挨拶。
狼(M):危険の多い森の傍。用心深く扉越しに返される声に笑顔を添えて。
狼:「トリック・オア・トリート!おばあ様、お菓子をくれなければイタズラをしますよ」
狼(M):僕の声に、扉の向こうの老婆は息を呑む。きっと獣の気配に気付いている。
狼:「でも僕は残念ながら甘いものは苦手なので、頂いても困るだけ・・・。ですので、イタズラをさせて下さいね」
狼(M):言えば、人の気配は恐怖に震え、家屋の奥に移動していく。閉ざされた扉は僕にとってはただの木の板で、ほんの少し力を入れれば直ぐに割れ、その隔たりを無くす。
狼:「ハッピー・ハロウィン!そんなに怯えないで下さい。獣による、可愛い些細なイタズラですから・・・」
狼(M):さぁ、笑って。本物の死者のダンスを見せて下さいよ。
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狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):一人の少女を縛り付けた重荷は、夜の獣の腹の中。
狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):綺麗な綺麗な僕の宝石。来年からは君も輪の中に入れるね。
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狼:「僕はね、君の笑顔を沢山見たいだけだよ。お菓子は用意出来ないけれど、君を悲しませるモノは、いくらでも消してあげるからね・・・」
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赤ずきん:「ハッピー・ハロウィン」
0:レッドハロウィン
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赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。子供たちが歌っている。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。なのに、私は一人森の中。
赤ずきん(M):お母さんのおつかいで、パイとぶどう酒をおばあさんに届けるの。赤い頭巾を被って。
赤ずきん(M):お母さんは言った。人喰い狼には気をつけなさいと。そんな危ない森に、どうして子供の私を行かせるの。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。お菓子をくれなければイタズラするぞ。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。私は未だにお菓子を貰った事がない。
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狼:「やぁこんにちは、赤ずきん。今日も一人でおつかいかい?」
赤ずきん:「こんにちは、狼さん。一人で行くからおつかいなのよ」
狼:「それはえらいね。村では子供たちがお菓子を貰う日だろう?君はしないのかい?」
赤ずきん:「今日は特別な日だから、おばあさんにもパイとぶどう酒の他に、カボチャのプティングを持って行くの」
狼:「それは美味しいのかい?」
赤ずきん:「お母さんの手作りで、とても甘くて美味しいのよ」
狼:「そうなんだ。僕は甘いのが苦手でね、どうせなら大きなソーセージが食べたいな」
赤ずきん:「あら、そんなごちそう持ってきてないわ。狼さん、私を食べちゃう?」
狼:「まさか。可愛い君を食べたりはしないよ」
赤ずきん(M):お母さんは狼に気をつけなさいと言ったけれど、この狼さんは怖くない。
赤ずきん(M):初めて会った時は食べられるのかと思ったけど、お花畑でキレイなお花を見つけて私にくれた。
赤ずきん(M):それは今日も同じで、寒くなってきた森で咲いている数少ないお花と、紅葉(こうよう)を添えて渡してくれた。
赤ずきん(M):私は狼さんが大好きだ。
赤ずきん:「それじゃぁね、狼さん」
狼:「ああ。またね、ガーネット」
赤ずきん(M):狼さんが名前を呼んでくれる。今ではあだ名でしか呼ばれない私の、本当の・・・名前。
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赤ずきん:「こんにちは、おばあさん。今日もお見舞いに来たよ。今日はハロウィンだからね、カボチャのプティングもあるの!」
赤ずきん(M):扉を開けて、おばあさんに挨拶をすれば、ベッドから起き上がったおばあさんが笑いかけてくる。いつもの光景。
赤ずきん(M):古びたサイドテーブルに、食べ物の入った籠を置いて、花瓶にお花を飾る。そうしていれば、おばあさんが「すまないね、赤ずきん」と私に向かって言う。
赤ずきん(M):いつもは気にしないで笑って応えていたけれど、今日はなんだか、胸がぎゅうと締め付けられて・・・。
赤ずきん:「・・・私、赤ずきんって名前じゃないよ。ちゃんと名前あるよ。おばあさんは・・・覚えてる?」
赤ずきん(M):私がそう言えば、おばあさんはきょとんとして、「あぁ、そうだね・・・」と言って、目をキョロキョロとさせる。そして。
赤ずきん(M):「すまないね、最近物忘れがひどくなって、名前を・・・思い出せないんだよ」小さく返事をした。
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赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
赤ずきん(M):子供たちの笑い声。輪に入れぬ子供が一人。
赤ずきん(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
赤ずきん(M):名前も呼ばれず泣いている。
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狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):バケモノに扮した行列に。
狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):本物は紛れていないと誰が決めた?
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狼(M):夜の帳(とばり)も降りた頃、古びた家屋にノックで挨拶。
狼(M):危険の多い森の傍。用心深く扉越しに返される声に笑顔を添えて。
狼:「トリック・オア・トリート!おばあ様、お菓子をくれなければイタズラをしますよ」
狼(M):僕の声に、扉の向こうの老婆は息を呑む。きっと獣の気配に気付いている。
狼:「でも僕は残念ながら甘いものは苦手なので、頂いても困るだけ・・・。ですので、イタズラをさせて下さいね」
狼(M):言えば、人の気配は恐怖に震え、家屋の奥に移動していく。閉ざされた扉は僕にとってはただの木の板で、ほんの少し力を入れれば直ぐに割れ、その隔たりを無くす。
狼:「ハッピー・ハロウィン!そんなに怯えないで下さい。獣による、可愛い些細なイタズラですから・・・」
狼(M):さぁ、笑って。本物の死者のダンスを見せて下さいよ。
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狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):一人の少女を縛り付けた重荷は、夜の獣の腹の中。
狼(M):トリック・オア・トリート。トリック・オア・トリート。
狼(M):綺麗な綺麗な僕の宝石。来年からは君も輪の中に入れるね。
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狼:「僕はね、君の笑顔を沢山見たいだけだよ。お菓子は用意出来ないけれど、君を悲しませるモノは、いくらでも消してあげるからね・・・」
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赤ずきん:「ハッピー・ハロウィン」