台本概要

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タイトル 持ち込み武器で異世界ダンジョン攻略記2
作者名 てくす  (@daihooon)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男2、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 異世界に転移した大和。持ち込んだハンガーを弓に変え、窮地を脱したが、そんな時、ある人物に出会い更なる戦いに巻き込まれることになる。

※最後の世界の声は、兼ね役。女性推奨。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ダイヤ 106 異世界ネームをダイヤにした大和。持ち込み武器はハンガー。
スノウ 69 女子高生。持ち込み武器は竹刀。
ヤマル 64 女子中学生。持ち込み武器はクリアファイル。
ケーゴウ 64 おっさん。持ち込み武器は金槌。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ダイヤ:グゥゥッッ…… スノウ:ダイヤ!! ケーゴウ:おい!ダメだ! ケーゴウ:今動いたら…… ダイヤ:(浮かれていた) ダイヤ:(そう、浮かれていたんだ ダイヤ:異世界に来て、ゴブリンを倒して ダイヤ:女の子に出会って、助けてもらって ダイヤ:自分が主人公のように……勘違いしていた) 0: 0: 0:持ち込み武器で異世界ダンジョン攻略記 0: 0: 0:アーミュと別れ、廻層主を探す二人 ダイヤ:よし!これにする スノウ:ダイヤ? ダイヤ:あぁ、大和だから、もじってダイヤ スノウ:確かに、ダイワだと変だもんね ダイヤ:そういうこと ダイヤ:それで、廻層主はどこにいるんだ? スノウ:それが分かれば今頃攻略してるかも スノウ:『スカウト』が探してる可能性もあるけど ダイヤ:草原エリアに、町に森もあったし ダイヤ:少し遠くの方かな? スノウ:可能性は高いわね ダイヤ:やっぱりアーミュに付いてきてもらって ダイヤ:索敵した方がよかったんじゃ スノウ:あれは新規を見つける専用に武器化したの スノウ:敵は探せない ダイヤ:なるほど…… ダイヤ:結構、想像妄想で幅が広がるんだな スノウ:あまりに凄いものは具現化できないこともあるわ スノウ:それこそ、レベルが低いのかもね ダイヤ:そういうこともあるのか ダイヤ:なぁ、一番の古参とか分かるのか? ダイヤ:そいつなら、レベル上がってそうだけど スノウ:探したこともあるけど、結論を言うと スノウ:分からないが正しいわ スノウ:正直、全員近くにいるわけじゃないし スノウ:もしかしたら、廻層主は複数いて スノウ:転移したエリアが違う可能性もあるし ダイヤ:うーん…謎が多すぎるんだな スノウ:とりあえずエリアを移動しましょう スノウ:こっちはまだ探索してないから ダイヤ:あぁ、了解! 0: 0:別エリアを探索する二人 0: スノウ:今回は草原エリアが多いわね ダイヤ:危険が少ないってことだろ? ダイヤ:スライム系、ゴブリン系 ダイヤ:危ないのはベア系だったな スノウ:そう、危険度は低いけど スノウ:強いやつは何体かいるわ スノウ:滅多に出てこないって聞いてるけど ダイヤ:知ってますか?スノウさんや ダイヤ:そういうのをフラグって言うんやで…… スノウ:いや、流石にそんな訳…… 0:後ろから音がする スノウ:えっ!? ダイヤ:いやいやいやいや!嘘です!フラグじゃないですから! ヤマル:あっ! ダイヤ:ひぃぃぃぃ!? ダイヤ:……えっ、誰? ヤマル:あっ、あぁ!人だ…… ヤマル:助けてください!! スノウ:えっ、ちょっ!どうしたの!? 0: 0: 0: 0: ヤマル:良かったです、二人とも転移者で ダイヤ:俺は今日初めてだけどな ダイヤ:けど、中学生…だっけ? ダイヤ:本当、年齢も性別も無差別って感じだな ヤマル:はい、中一です ヤマル:名前は、山田 瑠衣です スノウ:全部言わなくても大丈夫よ スノウ:戻って詮索されても嫌でしょ? ヤマル:そうですね……気をつけます ヤマル:お二人は何をしてたんですか? ダイヤ:あぁ、廻層主を探してたところだったんだ ヤマル:よかった! スノウ:その反応……見つけたの? ヤマル:はい、お話しします 0: 0:数時間前ーー 0: ヤマル:(私は、ケーゴウさんって方と探索していて ヤマル:そこに『スカウト』の方もいたんです) ケーゴウ:なに、心配するな ケーゴウ:今日もまた帰れる ヤマル:あの、毎回近くに転移してるのはわかるんですけど ヤマル:なんで助けてくれるんですか? ケーゴウ:あー、子どもだから……ってのじゃダメか? ケーゴウ:まぁこんな、むさい男が女の子に声かけちゃ ケーゴウ:気持ち悪りぃよな ヤマル:や、そんなこと!ないです… ヤマル:ケーゴウさんには、助けてもらってますし ケーゴウ:はっはっは!歳の割にしっかりしてるとこは似てねぇな ヤマル:え? ケーゴウ:娘がいるんだ、同い年のな ケーゴウ:だからかな、ほっとけないのは…… ケーゴウ:最初は見間違いだったんだ……娘と思ってな ヤマル:そうだったんですね ケーゴウ:俺はな、ヤマルは『逃げ』でいいと思う ケーゴウ:確かに武器は戦えるかもしれん ケーゴウ:だけど、子どもを戦わせるなんてのは ヤマル:私が自分で言ったことなので ヤマル:今回も持ち込んだのは武器になりそうだったので ケーゴウ:だけどなぁ…… 0:前の方で数人が騒ぎ出している ケーゴウ:ん?騒がしいな、ちょっと様子を見てくる ケーゴウ:ヤマルはここにいろ ヤマル:あっ、はい! 0: ヤマル:あっ、どうでした? ケーゴウ:あぁ、スカウトが廻層主を見つけたらしい ケーゴウ:ただなぁ…… ヤマル:どうしたんですか? ケーゴウ:数が多い ヤマル:え? ケーゴウ:よく分からん… ケーゴウ:とりあえずは警戒して進むが ケーゴウ:ヤマル、危険だと思ったらすぐ逃げろ、いいな? ヤマル:は、はい…… 0: 0: ヤマル:(そこからは……地獄でした) ケーゴウ:おい!しっかりしろ! ケーゴウ:っ!?おい!腕!! ヤマル:ケーゴウさん! ケーゴウ:来るな! ケーゴウ:ヤマル!逃げろ! ヤマル:けど…… ケーゴウ:……大丈夫だ ケーゴウ:だから、な? ヤマル:私……助けを呼んできます! ヤマル:だから!待っててください! 0: 0: 0:現在 0: 0: スノウ:それで、なんとかアナタだけは スノウ:逃げたってことね ダイヤ:いや、当然というか ダイヤ:そんなにヤバい相手なのか? ヤマル:今回の廻層主は ヤマル:角子兎種(ホーンラビット)でした ダイヤ:ホーンラビット? ダイヤ:アルミラージみたいなやつか? スノウ:そうね、リアルの作品でも スノウ:どっちかの名前で出てくることがあるわ ダイヤ:けど、そいつらって脅威か? ダイヤ:結構雑魚キャラで出てくるけど スノウ:アナタ、ゴブリンと戦ってそれ言える? スノウ:殺されそうになってたわよね? ダイヤ:いや……まぁ、それはそうだけど ダイヤ:ツノ生えた兎だろ? ヤマル:確かに強くはないんですが ヤマル:数が多すぎたこともあります ヤマル:あと、通常のホーンラビットとは違います スノウ:あと、リアルのアニメやゲームの概念は捨てるべきよ スノウ:あの世界は創作だから スノウ:本当にその世界に行ったらって考えた方がいいわ ダイヤ:確かに、雑魚って呼ばれてるゴブリンも ダイヤ:筋肉ヤバかったし、知能もあった ダイヤ:普通の人間じゃまず勝てないよな スノウ:ホーンラビットもそう スノウ:確かに弱い部類だけど スノウ:全力で突進してくるし、なにより スノウ:あのツノで突進よ? スノウ:身体なんて貫通するわ ヤマル:それと、今回の廻層主は ヤマル:ツノが刺さった部分から変色してました ダイヤ:変色? ヤマル:はい、多分あれは状態異常です ダイヤ:状態異常って…ヤバいな ダイヤ:対策ないと詰むんじゃないか? ダイヤ:実際に、毒とか麻痺食らったら ダイヤ:まず勝てないよな? スノウ:……そうね ヤマル:…… ダイヤ:大丈夫、一応俺は遠距離だから ダイヤ:サポートには回れるだろうし ヤマル:はい!助かります スノウ:ホーンラビット…亜種、ね ダイヤ:とりあえず急ごう ダイヤ:まだ無事だといいけど 0: 0: 0: ヤマル:この先です! 0:開けた場所に出る スノウ:あれは…… ダイヤ:おい……嘘だろ? ヤマル:いゃっ…いやあぁぁあ!! スノウ:待って!まだ人がいる! ダイヤ:嘘だろ…これ……全部… スノウ:ダイヤ! ダイヤ:あ、あぁ…ごめん… ダイヤ:!?危ない!ッ!! 0:矢を放ち、角子兎を倒すダイヤ スノウ:ダイヤ、そのままサポートして! ダイヤ:わかった! ヤマル:嘘……みんな、死んじゃ… ダイヤ:大丈夫だ!信じよう、ヤマル ヤマル:…… ヤマル:あっ、ケーゴウさん! ダイヤ:あの人か! ダイヤ:ヤマル、持ち込み武器は何だ? ヤマル:クリアファイルです ダイヤ:クリアファイル!? ヤマル:はい…盾にできます ダイヤ:なるほど、『戦闘』だが ダイヤ:タンク役ってわけか ヤマル:はい、けど今回は数が多すぎて ヤマル:ケーゴウさんは守れないって判断したと思います ダイヤ:確かにあの数を一面だけで全員守るのは無理があるな ダイヤ:クソ!何体倒してもキリがねぇ! ヤマル:ケーゴウさん…… 0:ケーゴウの近くに行くスノウ スノウ:サポートします ケーゴウ:あ?いや、それより逃げろ ケーゴウ:この数、いくらなんでも… ケーゴウ:って、前オーガの所で会ったか? スノウ:参加してましたけど ケーゴウ:あの時とは訳が違う ケーゴウ:数の暴力だ スノウ:だけど、逃げるわけにもいかない スノウ:廻層主は倒さないと、戻れない ケーゴウ:……そうだな スノウ:大体はヤマルから聞きました スノウ:ケーゴウさんですか? ケーゴウ:ヤマルのやつ、逃げてくれれば良かったが ケーゴウ:アンタを連れてきたのか スノウ:もう一人いますけど、新規です ケーゴウ:何!?尚更危ねぇぞ スノウ:あの矢、わかります? スノウ:一応弓矢に武器化したので スノウ:遠距離からサポートしてます ケーゴウ:確かにありがてぇが……よ!! 0:突進する角子兎を倒すケーゴウ スノウ:…見たところ、ハンマー? ケーゴウ:俺は大工だからなァ ケーゴウ:商売道具ってやつだ ケーゴウ:アンタは刀か スノウ:えぇ、私も商売道具って感じですかね ケーゴウ:クソ、キリがねぇ スノウ:この人たちは…… ケーゴウ:今は考えんな ケーゴウ:くるぞ! スノウ:っ! 0: ヤマル:ダイヤさん! 0:盾で守るヤマル ダイヤ:っ!?助かった…… ダイヤ:うさぎって思ったらダメだな ダイヤ:跳躍が凄すぎる…! ヤマル:…… ダイヤ:…… ダイヤ:(クソ、俺がしっかりしないと) ダイヤ:数が多いってのは分かるけど ダイヤ:流石にキリがなさすぎる ダイヤ:これ全部廻層主ってありえるのか? ヤマル:どういうことですか? ダイヤ:もしかして、廻層主って別じゃないか? ヤマル:スカウトの方は廻層主の反応を複数見たって ダイヤ:いや、確かにコイツらも廻層主なんだけど ダイヤ:大元っていうか、ボス的なやつがいるんじゃ ヤマル:確かに……そうかもしれません ダイヤ:スノウ!!キリがなさすぎる! ダイヤ:近くにボスみたいなやつ、いないか!? スノウ:ダイヤ?……そういうことね ケーゴウ:あのボウズの言うことは ケーゴウ:的を得てるな スノウ:けど、探そうにも数が ケーゴウ:俺が道を開けてやる ケーゴウ:いけるか? スノウ:えぇ、なんとかやってみるわ 0: 0: ダイヤ:!?……あれは ヤマル:分裂…してる? ヤマル:っ!!ケーゴウさん!! ダイヤ:ッ!?おい!待て! ダイヤ:あー!クソ! 0:飛び出したヤマルを追いかけるダイヤ ケーゴウ:!?ヤマル!?なんで…… ヤマル:逃げて!後ろ! ケーゴウ:何!? ダイヤ:間に合えーー!!! 0:後ろから突進していた角子兎を倒すダイヤ ケーゴウ:た、助かった… ヤマル:ごめんなさい…盾が間に合わなかった… ケーゴウ:大丈夫だ、教えてくれてありがとうな 0: ダイヤ:ふぅ、危なかっ… ダイヤ:ガッ!?アッ…… 0:後ろから脇腹辺りを貫かれるダイヤ ケーゴウ:ボウズ!! ヤマル:あっ…ごめ…んなさ…… ダイヤ:グゥゥッッ…… スノウ:ダイヤ!! 0:ダイヤを貫いた角子兎を倒すスノウ ケーゴウ:おい!ダメだ! ケーゴウ:今動いたら…… ケーゴウ:ちっ、囲まれた ダイヤ:(浮かれていた ダイヤ:そう、浮かれていたんだ ダイヤ:異世界に来て、ゴブリンを倒して ダイヤ:女の子に出会って、助けてもらって ダイヤ:自分が主人公のように……勘違いしていた ダイヤ:なんとかなるって……勘違いしていた) 0: 0: ダイヤ:ス、ステータス…! ダイヤ:腐食…? スノウ:ダイヤ!大丈夫!? 0: 0:傷口にポーションをかける 0: ダイヤ:毒とか麻痺じゃないから ダイヤ:痛みだけなんだけど…… ダイヤ:ヤバいかも、腐食だった スノウ:腐食? ダイヤ:…多分あの角に突かれると ダイヤ:その場所から腐食される… ダイヤ:この惨状見て気づかなかった ダイヤ:角に突かれた程度じゃこうはならないよな… スノウ:じゃあ、これは ダイヤ:あぁ…… ケーゴウ:あぁ、そうだ ケーゴウ:こいつはら…… ダイヤ:俺はまだ動ける ダイヤ:だから、スノウ、ケーゴウさん ダイヤ:廻層主を倒してくれ ケーゴウ:どういうことだ? ダイヤ:俺はこの状況を変えられないから ダイヤ:希望があるとすれば ダイヤ:廻層主を倒した報酬で状態異常を治す ダイヤ:アイテムのドロップだけだと思う スノウ:確かに、それなら望みはあるかも スノウ:だけど、それが絶対手に入る保証は… ダイヤ:だから、俺はそれに賭ける ダイヤ:死ぬまで全力でサポートしてやる ヤマル:ごめんなさい……私のせいで ヤマル:私が飛び出したから…… ダイヤ:いや、ヤマルはケーゴウさんを助けたんだ ダイヤ:悪いことはしてない ダイヤ:だから、サポートしよう一緒に ヤマル:はい…… スノウ:来るわ! ケーゴウ:待ってろ、ボウズ! ケーゴウ:さっき言ったが、俺が道を作る ケーゴウ:頼めるか? スノウ:えぇ、何とかするわ ダイヤ:(なんだろう……死ぬかもしれないのに ダイヤ:変に頭が冴えてる気がする ダイヤ:ポーションのおかげか?痛みも引いてきた) ダイヤ:よし、やろう! 0: 0: 0: ケーゴウ:おおおおお!! 0:地面を叩きつけ、角子兎たちを怯ませる ケーゴウ:今だ!行け! ヤマル:後ろは私が守ります! ダイヤ:頼んだぞ、スノウ!ヤマル! ダイヤ:ぐっ… ダイヤ:(時間は…なさそうだな…) 0: 0: スノウ:(数が多い……どうやって見つければ…… スノウ:何か特徴があるはず…落ち着いて スノウ:みんながサポートしてくれてる…だから) スノウ:私が見つける! 0: 0: ケーゴウ:なぁ、大丈夫なのか? ダイヤ:いや、大丈夫じゃないかも ケーゴウ:正直なのは良いこった、が ケーゴウ:死ぬかもしれねぇんだぞ ダイヤ:ケーゴウさん、結構経験者ですよね? ケーゴウ:ん?まぁ、転移は9回目くらいだったか? ダイヤ:廻層主倒して、俺も生きてたら情報交換お願いします ダイヤ:俺、新規なんで ケーゴウ:おいおい、マジだったのかよ ダイヤ:だから、まだ死ぬつもりはないですよ! ダイヤ:今日初めて会った人だけど ダイヤ:信じてもいい気がしてるんですよね ケーゴウ:……あぁ! ヤマル:こっちにも来ます! ケーゴウ:いい!ヤマルはあの嬢ちゃんだけ守れ! ヤマル:はい! 0: 0: スノウ:どれも……同じに…!? スノウ:あの個体…… ダイヤ:一直線に走ってる? ダイヤ:見つけたのか? ケーゴウ:いたのか? ダイヤ:スノウが1匹に絞ってる動きをしてて ダイヤ:確定じゃないけど ケーゴウ:まだ動けるんだろ? ケーゴウ:ここは任せて、撃て ダイヤ:は、はい! ヤマル:ダイヤさん! ダイヤ:ヤマル、スノウの防御に集中してくれ ダイヤ:……倒すつもりで援護射撃すれば ダイヤ:…ッ!当たってくれ!! スノウ:速い…! スノウ:!?ダイヤ!? 0:矢が角子兎の目の前に刺さる 0:一瞬、角子兎の動きが止まる スノウ:追い詰めた スノウ:これで……終わりよ! ダイヤ:もう一発、食らえ! 0:矢と剣の同時攻撃で角子兎が消滅する ダイヤ:やった…? ヤマル:見てください!他のホーンラビットが! 0:別個体達が灰になり消えていく ケーゴウ:どうやら、当たったみたいだな ケーゴウ:……ふぅ、俺だけ生き残っちまったな スノウ:あっ、これは 0: 0: ダイヤ:ッ!?ガッ……!! ダイヤ:やべっ、腐食が…… ヤマル:ダイヤさん!? ケーゴウ:お、おい!ドロップしたのか!? スノウ:間に合って!お願い! ダイヤ:ガッ…ハッ… ダイヤ:(いや、本当に調子乗ってたなぁ…俺 ダイヤ:あー…死ぬのかな ダイヤ:異世界に来てからずっと死にかけてるなァ…) ダイヤ:…………… 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: ダイヤ:!?オエッ、ゲェーーー! ケーゴウ:お、目ぇ覚めたか ダイヤ:まっっずっ!口の中、苦ァァァア!! スノウ:はぁ、それだけ元気なら安心ね ダイヤ:オェーーー ヤマル:うわっ!ダイヤさん!ちょっと! ダイヤ:んだこれ、うぇ、気持ち悪っ スノウ:状態異常回復ポーションよ スノウ:あれ?このやり取り、さっきしなかった? ダイヤ:ゲホッ…俺、異世界に来て吐いてばっかりだな…… ダイヤ:ん?てことは、俺の読みが当たった? スノウ:えぇ、しかもかなりのレアアイテムよ スノウ:体力と貫通した所も治ってるから ダイヤ:うわぁ…勿体ないことした?俺 ヤマル:そんなことないです!ダイヤさんたちがいなかったら ヤマル:助かってませんでした! ケーゴウ:そうだな、命有れば儲けもんだ ダイヤ:…そっか 0:頭の中で通知音のような音が鳴る ダイヤ:ん?なんだ? スノウ:廻層主を倒したって分かるように スノウ:全員にコレが鳴るのよ スノウ:ステータスを見て ダイヤ:ステータス 0:画面いっぱいにCongratulation 0:と表示されている ダイヤ:こんぐらっ……は? ダイヤ:ふざけるな!何人死んでると思ってんだ! ケーゴウ:気持ちは分かるがそれくらいにしとけ ケーゴウ:一応治ってはいるがな ダイヤ:…… ダイヤ:ん?300秒? ヤマル:それが0になると、元の世界に転移するんです ダイヤ:……、ケーゴウさん、聞いてもいいですか? ケーゴウ:あぁ、時間もないしな ケーゴウ:知ってることは、話してやる スノウ:何の話? ダイヤ:俺が生きてたら情報交換するって約束 スノウ:なるほどね ダイヤ:この世界で死ぬとどうなりますか? ケーゴウ:……まず、それか ダイヤ:はい……この人たちは…助けられませんでした ケーゴウ:……あぁ ケーゴウ:その話をする前に、そこの嬢ちゃんは知ってるだろうが ケーゴウ:元の世界とこっちの世界の時間についてだ ケーゴウ:以前、廻層主が見つからず、2日この世界にいたことがある ケーゴウ:その時、分かったんだが、この世界での1日は ケーゴウ:向こうの1分くらいだ ダイヤ:1分… ヤマル:転移している間、私たちの元の身体は ヤマル:どうやら、そのままあることも分かってます ダイヤ:え? ケーゴウ:つまり、この世界には魂だけ移動して ケーゴウ:こっちの世界の器に入ってるなんて言ってる奴もいる スノウ:そうね、向こうの身体は普通に生活しているみたいよ スノウ:といっても1分程度だけど ダイヤ:なんだ……それ ケーゴウ:それでな……この世界で死ぬと ケーゴウ:向こうでは突然死のような扱いになる ダイヤ:突然死? ケーゴウ:あぁ、心臓麻痺やらそんなもんだ スノウ:それは初めて聞いたわ スノウ:やっぱり、こっちで死ぬと向こうでも…… ヤマル:はい…… ケーゴウ:しかし、腕が無くなる、足が無くなる ケーゴウ:といった、死にはしてない場合は ケーゴウ:向こうでは無傷、こっちの世界では ケーゴウ:また、転移した時には完全に回復している ダイヤ:少しでも生きていれば助かる? ヤマル:ということになります ダイヤ:そっか…… 0:地面に横たわる人たちを見るダイヤ ダイヤ:ごめん…助けられなかった…… ケーゴウ:お前のせいじゃない ケーゴウ:この世界じゃ付き物だ ケーゴウ:慣れたくは、ないがな スノウ:それにしても、よく冷静だったわね ダイヤ:…あぁ、多分精神力に全振りされてた ケーゴウ:経験値が、か? ダイヤ:はい、別のステータスは上がってないんですけど ダイヤ:精神力だけ70に ヤマル:私より多い…… ダイヤ:そのせいかも、と思ってるけど ケーゴウ:だが、元の世界では ケーゴウ:そのステータスじゃないからな ケーゴウ:よくあるんだ、強くなった気で元の世界に戻って ケーゴウ:失敗するやつがな ダイヤ:肝に銘じます ケーゴウ:ありがとな、二人とも ケーゴウ:それと、ヤマルも ヤマル:私は……何も出来なかったです ケーゴウ:いや、そんなことはない ヤマル:はい…… ダイヤ:また!こっちで会ったらよろしくな ヤマル:は、はい!是非 スノウ:もうすぐ転移ね ダイヤ:あぁ ダイヤ:それにしても、よくわかったな ダイヤ:アレが別個体って スノウ:え?あぁ、そうね スノウ:偶々、じゃないかしら? ダイヤ:……もしかして、目が青かった? スノウ:え!?なんで!? ダイヤ:いや、そういえば俺も読んでてさ ダイヤ:蒼眼の魔物使い、漫画だけど スノウ:いや!それは、関係ない! ダイヤ:あははっ、確かこんな話あった気がして ダイヤ:俺も今思い出したし、まぁ スノウ:違う!違うから! スノウ:たしかにラノベで読んでたけど! ダイヤ:別に隠すことじゃないだろ? ダイヤ:ま、お嬢様は読まない設定の方がいいか スノウ:だから!お嬢様でもないし! ダイヤ:まだ一回目だけど、クールぶってるより ダイヤ:そっちの方がいいと思うよ、スノウ スノウ:ちょ、何を言ってーーー 0:転移していくスノウ ダイヤ:お、こんな感じなんだな ケーゴウ:仲良いな、お前たちは ダイヤ:初対面ですけどね ヤマル:あ、じゃ、じゃあ!また ヤマル:ケーゴウさん、ダイヤさん! ダイヤ:おう! 0:ヤマル、転移 ケーゴウ:ん?俺もそろそろみたいだな ケーゴウ:今回は助かったが、調子に乗るなよ ケーゴウ:知り合いが死ぬのは見たくねぇからな ダイヤ:はい、ケーゴウさんも ケーゴウ:またな 0:ケーゴウ、転移 ダイヤ:さて、俺も帰りますか ダイヤ:この世界が何なのか分かんないけど ダイヤ:やれるだけ、やってみますか 0: 0: 0: 0: 世界の声:実績ーー確認。ーーーアクティブ化。 世界の声:ーーー。ーー。ーーーー。 世界の声:ダイヤ、転移ーー。 0:第二話『廻層の主』終。

ダイヤ:グゥゥッッ…… スノウ:ダイヤ!! ケーゴウ:おい!ダメだ! ケーゴウ:今動いたら…… ダイヤ:(浮かれていた) ダイヤ:(そう、浮かれていたんだ ダイヤ:異世界に来て、ゴブリンを倒して ダイヤ:女の子に出会って、助けてもらって ダイヤ:自分が主人公のように……勘違いしていた) 0: 0: 0:持ち込み武器で異世界ダンジョン攻略記 0: 0: 0:アーミュと別れ、廻層主を探す二人 ダイヤ:よし!これにする スノウ:ダイヤ? ダイヤ:あぁ、大和だから、もじってダイヤ スノウ:確かに、ダイワだと変だもんね ダイヤ:そういうこと ダイヤ:それで、廻層主はどこにいるんだ? スノウ:それが分かれば今頃攻略してるかも スノウ:『スカウト』が探してる可能性もあるけど ダイヤ:草原エリアに、町に森もあったし ダイヤ:少し遠くの方かな? スノウ:可能性は高いわね ダイヤ:やっぱりアーミュに付いてきてもらって ダイヤ:索敵した方がよかったんじゃ スノウ:あれは新規を見つける専用に武器化したの スノウ:敵は探せない ダイヤ:なるほど…… ダイヤ:結構、想像妄想で幅が広がるんだな スノウ:あまりに凄いものは具現化できないこともあるわ スノウ:それこそ、レベルが低いのかもね ダイヤ:そういうこともあるのか ダイヤ:なぁ、一番の古参とか分かるのか? ダイヤ:そいつなら、レベル上がってそうだけど スノウ:探したこともあるけど、結論を言うと スノウ:分からないが正しいわ スノウ:正直、全員近くにいるわけじゃないし スノウ:もしかしたら、廻層主は複数いて スノウ:転移したエリアが違う可能性もあるし ダイヤ:うーん…謎が多すぎるんだな スノウ:とりあえずエリアを移動しましょう スノウ:こっちはまだ探索してないから ダイヤ:あぁ、了解! 0: 0:別エリアを探索する二人 0: スノウ:今回は草原エリアが多いわね ダイヤ:危険が少ないってことだろ? ダイヤ:スライム系、ゴブリン系 ダイヤ:危ないのはベア系だったな スノウ:そう、危険度は低いけど スノウ:強いやつは何体かいるわ スノウ:滅多に出てこないって聞いてるけど ダイヤ:知ってますか?スノウさんや ダイヤ:そういうのをフラグって言うんやで…… スノウ:いや、流石にそんな訳…… 0:後ろから音がする スノウ:えっ!? ダイヤ:いやいやいやいや!嘘です!フラグじゃないですから! ヤマル:あっ! ダイヤ:ひぃぃぃぃ!? ダイヤ:……えっ、誰? ヤマル:あっ、あぁ!人だ…… ヤマル:助けてください!! スノウ:えっ、ちょっ!どうしたの!? 0: 0: 0: 0: ヤマル:良かったです、二人とも転移者で ダイヤ:俺は今日初めてだけどな ダイヤ:けど、中学生…だっけ? ダイヤ:本当、年齢も性別も無差別って感じだな ヤマル:はい、中一です ヤマル:名前は、山田 瑠衣です スノウ:全部言わなくても大丈夫よ スノウ:戻って詮索されても嫌でしょ? ヤマル:そうですね……気をつけます ヤマル:お二人は何をしてたんですか? ダイヤ:あぁ、廻層主を探してたところだったんだ ヤマル:よかった! スノウ:その反応……見つけたの? ヤマル:はい、お話しします 0: 0:数時間前ーー 0: ヤマル:(私は、ケーゴウさんって方と探索していて ヤマル:そこに『スカウト』の方もいたんです) ケーゴウ:なに、心配するな ケーゴウ:今日もまた帰れる ヤマル:あの、毎回近くに転移してるのはわかるんですけど ヤマル:なんで助けてくれるんですか? ケーゴウ:あー、子どもだから……ってのじゃダメか? ケーゴウ:まぁこんな、むさい男が女の子に声かけちゃ ケーゴウ:気持ち悪りぃよな ヤマル:や、そんなこと!ないです… ヤマル:ケーゴウさんには、助けてもらってますし ケーゴウ:はっはっは!歳の割にしっかりしてるとこは似てねぇな ヤマル:え? ケーゴウ:娘がいるんだ、同い年のな ケーゴウ:だからかな、ほっとけないのは…… ケーゴウ:最初は見間違いだったんだ……娘と思ってな ヤマル:そうだったんですね ケーゴウ:俺はな、ヤマルは『逃げ』でいいと思う ケーゴウ:確かに武器は戦えるかもしれん ケーゴウ:だけど、子どもを戦わせるなんてのは ヤマル:私が自分で言ったことなので ヤマル:今回も持ち込んだのは武器になりそうだったので ケーゴウ:だけどなぁ…… 0:前の方で数人が騒ぎ出している ケーゴウ:ん?騒がしいな、ちょっと様子を見てくる ケーゴウ:ヤマルはここにいろ ヤマル:あっ、はい! 0: ヤマル:あっ、どうでした? ケーゴウ:あぁ、スカウトが廻層主を見つけたらしい ケーゴウ:ただなぁ…… ヤマル:どうしたんですか? ケーゴウ:数が多い ヤマル:え? ケーゴウ:よく分からん… ケーゴウ:とりあえずは警戒して進むが ケーゴウ:ヤマル、危険だと思ったらすぐ逃げろ、いいな? ヤマル:は、はい…… 0: 0: ヤマル:(そこからは……地獄でした) ケーゴウ:おい!しっかりしろ! ケーゴウ:っ!?おい!腕!! ヤマル:ケーゴウさん! ケーゴウ:来るな! ケーゴウ:ヤマル!逃げろ! ヤマル:けど…… ケーゴウ:……大丈夫だ ケーゴウ:だから、な? ヤマル:私……助けを呼んできます! ヤマル:だから!待っててください! 0: 0: 0:現在 0: 0: スノウ:それで、なんとかアナタだけは スノウ:逃げたってことね ダイヤ:いや、当然というか ダイヤ:そんなにヤバい相手なのか? ヤマル:今回の廻層主は ヤマル:角子兎種(ホーンラビット)でした ダイヤ:ホーンラビット? ダイヤ:アルミラージみたいなやつか? スノウ:そうね、リアルの作品でも スノウ:どっちかの名前で出てくることがあるわ ダイヤ:けど、そいつらって脅威か? ダイヤ:結構雑魚キャラで出てくるけど スノウ:アナタ、ゴブリンと戦ってそれ言える? スノウ:殺されそうになってたわよね? ダイヤ:いや……まぁ、それはそうだけど ダイヤ:ツノ生えた兎だろ? ヤマル:確かに強くはないんですが ヤマル:数が多すぎたこともあります ヤマル:あと、通常のホーンラビットとは違います スノウ:あと、リアルのアニメやゲームの概念は捨てるべきよ スノウ:あの世界は創作だから スノウ:本当にその世界に行ったらって考えた方がいいわ ダイヤ:確かに、雑魚って呼ばれてるゴブリンも ダイヤ:筋肉ヤバかったし、知能もあった ダイヤ:普通の人間じゃまず勝てないよな スノウ:ホーンラビットもそう スノウ:確かに弱い部類だけど スノウ:全力で突進してくるし、なにより スノウ:あのツノで突進よ? スノウ:身体なんて貫通するわ ヤマル:それと、今回の廻層主は ヤマル:ツノが刺さった部分から変色してました ダイヤ:変色? ヤマル:はい、多分あれは状態異常です ダイヤ:状態異常って…ヤバいな ダイヤ:対策ないと詰むんじゃないか? ダイヤ:実際に、毒とか麻痺食らったら ダイヤ:まず勝てないよな? スノウ:……そうね ヤマル:…… ダイヤ:大丈夫、一応俺は遠距離だから ダイヤ:サポートには回れるだろうし ヤマル:はい!助かります スノウ:ホーンラビット…亜種、ね ダイヤ:とりあえず急ごう ダイヤ:まだ無事だといいけど 0: 0: 0: ヤマル:この先です! 0:開けた場所に出る スノウ:あれは…… ダイヤ:おい……嘘だろ? ヤマル:いゃっ…いやあぁぁあ!! スノウ:待って!まだ人がいる! ダイヤ:嘘だろ…これ……全部… スノウ:ダイヤ! ダイヤ:あ、あぁ…ごめん… ダイヤ:!?危ない!ッ!! 0:矢を放ち、角子兎を倒すダイヤ スノウ:ダイヤ、そのままサポートして! ダイヤ:わかった! ヤマル:嘘……みんな、死んじゃ… ダイヤ:大丈夫だ!信じよう、ヤマル ヤマル:…… ヤマル:あっ、ケーゴウさん! ダイヤ:あの人か! ダイヤ:ヤマル、持ち込み武器は何だ? ヤマル:クリアファイルです ダイヤ:クリアファイル!? ヤマル:はい…盾にできます ダイヤ:なるほど、『戦闘』だが ダイヤ:タンク役ってわけか ヤマル:はい、けど今回は数が多すぎて ヤマル:ケーゴウさんは守れないって判断したと思います ダイヤ:確かにあの数を一面だけで全員守るのは無理があるな ダイヤ:クソ!何体倒してもキリがねぇ! ヤマル:ケーゴウさん…… 0:ケーゴウの近くに行くスノウ スノウ:サポートします ケーゴウ:あ?いや、それより逃げろ ケーゴウ:この数、いくらなんでも… ケーゴウ:って、前オーガの所で会ったか? スノウ:参加してましたけど ケーゴウ:あの時とは訳が違う ケーゴウ:数の暴力だ スノウ:だけど、逃げるわけにもいかない スノウ:廻層主は倒さないと、戻れない ケーゴウ:……そうだな スノウ:大体はヤマルから聞きました スノウ:ケーゴウさんですか? ケーゴウ:ヤマルのやつ、逃げてくれれば良かったが ケーゴウ:アンタを連れてきたのか スノウ:もう一人いますけど、新規です ケーゴウ:何!?尚更危ねぇぞ スノウ:あの矢、わかります? スノウ:一応弓矢に武器化したので スノウ:遠距離からサポートしてます ケーゴウ:確かにありがてぇが……よ!! 0:突進する角子兎を倒すケーゴウ スノウ:…見たところ、ハンマー? ケーゴウ:俺は大工だからなァ ケーゴウ:商売道具ってやつだ ケーゴウ:アンタは刀か スノウ:えぇ、私も商売道具って感じですかね ケーゴウ:クソ、キリがねぇ スノウ:この人たちは…… ケーゴウ:今は考えんな ケーゴウ:くるぞ! スノウ:っ! 0: ヤマル:ダイヤさん! 0:盾で守るヤマル ダイヤ:っ!?助かった…… ダイヤ:うさぎって思ったらダメだな ダイヤ:跳躍が凄すぎる…! ヤマル:…… ダイヤ:…… ダイヤ:(クソ、俺がしっかりしないと) ダイヤ:数が多いってのは分かるけど ダイヤ:流石にキリがなさすぎる ダイヤ:これ全部廻層主ってありえるのか? ヤマル:どういうことですか? ダイヤ:もしかして、廻層主って別じゃないか? ヤマル:スカウトの方は廻層主の反応を複数見たって ダイヤ:いや、確かにコイツらも廻層主なんだけど ダイヤ:大元っていうか、ボス的なやつがいるんじゃ ヤマル:確かに……そうかもしれません ダイヤ:スノウ!!キリがなさすぎる! ダイヤ:近くにボスみたいなやつ、いないか!? スノウ:ダイヤ?……そういうことね ケーゴウ:あのボウズの言うことは ケーゴウ:的を得てるな スノウ:けど、探そうにも数が ケーゴウ:俺が道を開けてやる ケーゴウ:いけるか? スノウ:えぇ、なんとかやってみるわ 0: 0: ダイヤ:!?……あれは ヤマル:分裂…してる? ヤマル:っ!!ケーゴウさん!! ダイヤ:ッ!?おい!待て! ダイヤ:あー!クソ! 0:飛び出したヤマルを追いかけるダイヤ ケーゴウ:!?ヤマル!?なんで…… ヤマル:逃げて!後ろ! ケーゴウ:何!? ダイヤ:間に合えーー!!! 0:後ろから突進していた角子兎を倒すダイヤ ケーゴウ:た、助かった… ヤマル:ごめんなさい…盾が間に合わなかった… ケーゴウ:大丈夫だ、教えてくれてありがとうな 0: ダイヤ:ふぅ、危なかっ… ダイヤ:ガッ!?アッ…… 0:後ろから脇腹辺りを貫かれるダイヤ ケーゴウ:ボウズ!! ヤマル:あっ…ごめ…んなさ…… ダイヤ:グゥゥッッ…… スノウ:ダイヤ!! 0:ダイヤを貫いた角子兎を倒すスノウ ケーゴウ:おい!ダメだ! ケーゴウ:今動いたら…… ケーゴウ:ちっ、囲まれた ダイヤ:(浮かれていた ダイヤ:そう、浮かれていたんだ ダイヤ:異世界に来て、ゴブリンを倒して ダイヤ:女の子に出会って、助けてもらって ダイヤ:自分が主人公のように……勘違いしていた ダイヤ:なんとかなるって……勘違いしていた) 0: 0: ダイヤ:ス、ステータス…! ダイヤ:腐食…? スノウ:ダイヤ!大丈夫!? 0: 0:傷口にポーションをかける 0: ダイヤ:毒とか麻痺じゃないから ダイヤ:痛みだけなんだけど…… ダイヤ:ヤバいかも、腐食だった スノウ:腐食? ダイヤ:…多分あの角に突かれると ダイヤ:その場所から腐食される… ダイヤ:この惨状見て気づかなかった ダイヤ:角に突かれた程度じゃこうはならないよな… スノウ:じゃあ、これは ダイヤ:あぁ…… ケーゴウ:あぁ、そうだ ケーゴウ:こいつはら…… ダイヤ:俺はまだ動ける ダイヤ:だから、スノウ、ケーゴウさん ダイヤ:廻層主を倒してくれ ケーゴウ:どういうことだ? ダイヤ:俺はこの状況を変えられないから ダイヤ:希望があるとすれば ダイヤ:廻層主を倒した報酬で状態異常を治す ダイヤ:アイテムのドロップだけだと思う スノウ:確かに、それなら望みはあるかも スノウ:だけど、それが絶対手に入る保証は… ダイヤ:だから、俺はそれに賭ける ダイヤ:死ぬまで全力でサポートしてやる ヤマル:ごめんなさい……私のせいで ヤマル:私が飛び出したから…… ダイヤ:いや、ヤマルはケーゴウさんを助けたんだ ダイヤ:悪いことはしてない ダイヤ:だから、サポートしよう一緒に ヤマル:はい…… スノウ:来るわ! ケーゴウ:待ってろ、ボウズ! ケーゴウ:さっき言ったが、俺が道を作る ケーゴウ:頼めるか? スノウ:えぇ、何とかするわ ダイヤ:(なんだろう……死ぬかもしれないのに ダイヤ:変に頭が冴えてる気がする ダイヤ:ポーションのおかげか?痛みも引いてきた) ダイヤ:よし、やろう! 0: 0: 0: ケーゴウ:おおおおお!! 0:地面を叩きつけ、角子兎たちを怯ませる ケーゴウ:今だ!行け! ヤマル:後ろは私が守ります! ダイヤ:頼んだぞ、スノウ!ヤマル! ダイヤ:ぐっ… ダイヤ:(時間は…なさそうだな…) 0: 0: スノウ:(数が多い……どうやって見つければ…… スノウ:何か特徴があるはず…落ち着いて スノウ:みんながサポートしてくれてる…だから) スノウ:私が見つける! 0: 0: ケーゴウ:なぁ、大丈夫なのか? ダイヤ:いや、大丈夫じゃないかも ケーゴウ:正直なのは良いこった、が ケーゴウ:死ぬかもしれねぇんだぞ ダイヤ:ケーゴウさん、結構経験者ですよね? ケーゴウ:ん?まぁ、転移は9回目くらいだったか? ダイヤ:廻層主倒して、俺も生きてたら情報交換お願いします ダイヤ:俺、新規なんで ケーゴウ:おいおい、マジだったのかよ ダイヤ:だから、まだ死ぬつもりはないですよ! ダイヤ:今日初めて会った人だけど ダイヤ:信じてもいい気がしてるんですよね ケーゴウ:……あぁ! ヤマル:こっちにも来ます! ケーゴウ:いい!ヤマルはあの嬢ちゃんだけ守れ! ヤマル:はい! 0: 0: スノウ:どれも……同じに…!? スノウ:あの個体…… ダイヤ:一直線に走ってる? ダイヤ:見つけたのか? ケーゴウ:いたのか? ダイヤ:スノウが1匹に絞ってる動きをしてて ダイヤ:確定じゃないけど ケーゴウ:まだ動けるんだろ? ケーゴウ:ここは任せて、撃て ダイヤ:は、はい! ヤマル:ダイヤさん! ダイヤ:ヤマル、スノウの防御に集中してくれ ダイヤ:……倒すつもりで援護射撃すれば ダイヤ:…ッ!当たってくれ!! スノウ:速い…! スノウ:!?ダイヤ!? 0:矢が角子兎の目の前に刺さる 0:一瞬、角子兎の動きが止まる スノウ:追い詰めた スノウ:これで……終わりよ! ダイヤ:もう一発、食らえ! 0:矢と剣の同時攻撃で角子兎が消滅する ダイヤ:やった…? ヤマル:見てください!他のホーンラビットが! 0:別個体達が灰になり消えていく ケーゴウ:どうやら、当たったみたいだな ケーゴウ:……ふぅ、俺だけ生き残っちまったな スノウ:あっ、これは 0: 0: ダイヤ:ッ!?ガッ……!! ダイヤ:やべっ、腐食が…… ヤマル:ダイヤさん!? ケーゴウ:お、おい!ドロップしたのか!? スノウ:間に合って!お願い! ダイヤ:ガッ…ハッ… ダイヤ:(いや、本当に調子乗ってたなぁ…俺 ダイヤ:あー…死ぬのかな ダイヤ:異世界に来てからずっと死にかけてるなァ…) ダイヤ:…………… 0: 0: 0: 0: 0: 0: 0: ダイヤ:!?オエッ、ゲェーーー! ケーゴウ:お、目ぇ覚めたか ダイヤ:まっっずっ!口の中、苦ァァァア!! スノウ:はぁ、それだけ元気なら安心ね ダイヤ:オェーーー ヤマル:うわっ!ダイヤさん!ちょっと! ダイヤ:んだこれ、うぇ、気持ち悪っ スノウ:状態異常回復ポーションよ スノウ:あれ?このやり取り、さっきしなかった? ダイヤ:ゲホッ…俺、異世界に来て吐いてばっかりだな…… ダイヤ:ん?てことは、俺の読みが当たった? スノウ:えぇ、しかもかなりのレアアイテムよ スノウ:体力と貫通した所も治ってるから ダイヤ:うわぁ…勿体ないことした?俺 ヤマル:そんなことないです!ダイヤさんたちがいなかったら ヤマル:助かってませんでした! ケーゴウ:そうだな、命有れば儲けもんだ ダイヤ:…そっか 0:頭の中で通知音のような音が鳴る ダイヤ:ん?なんだ? スノウ:廻層主を倒したって分かるように スノウ:全員にコレが鳴るのよ スノウ:ステータスを見て ダイヤ:ステータス 0:画面いっぱいにCongratulation 0:と表示されている ダイヤ:こんぐらっ……は? ダイヤ:ふざけるな!何人死んでると思ってんだ! ケーゴウ:気持ちは分かるがそれくらいにしとけ ケーゴウ:一応治ってはいるがな ダイヤ:…… ダイヤ:ん?300秒? ヤマル:それが0になると、元の世界に転移するんです ダイヤ:……、ケーゴウさん、聞いてもいいですか? ケーゴウ:あぁ、時間もないしな ケーゴウ:知ってることは、話してやる スノウ:何の話? ダイヤ:俺が生きてたら情報交換するって約束 スノウ:なるほどね ダイヤ:この世界で死ぬとどうなりますか? ケーゴウ:……まず、それか ダイヤ:はい……この人たちは…助けられませんでした ケーゴウ:……あぁ ケーゴウ:その話をする前に、そこの嬢ちゃんは知ってるだろうが ケーゴウ:元の世界とこっちの世界の時間についてだ ケーゴウ:以前、廻層主が見つからず、2日この世界にいたことがある ケーゴウ:その時、分かったんだが、この世界での1日は ケーゴウ:向こうの1分くらいだ ダイヤ:1分… ヤマル:転移している間、私たちの元の身体は ヤマル:どうやら、そのままあることも分かってます ダイヤ:え? ケーゴウ:つまり、この世界には魂だけ移動して ケーゴウ:こっちの世界の器に入ってるなんて言ってる奴もいる スノウ:そうね、向こうの身体は普通に生活しているみたいよ スノウ:といっても1分程度だけど ダイヤ:なんだ……それ ケーゴウ:それでな……この世界で死ぬと ケーゴウ:向こうでは突然死のような扱いになる ダイヤ:突然死? ケーゴウ:あぁ、心臓麻痺やらそんなもんだ スノウ:それは初めて聞いたわ スノウ:やっぱり、こっちで死ぬと向こうでも…… ヤマル:はい…… ケーゴウ:しかし、腕が無くなる、足が無くなる ケーゴウ:といった、死にはしてない場合は ケーゴウ:向こうでは無傷、こっちの世界では ケーゴウ:また、転移した時には完全に回復している ダイヤ:少しでも生きていれば助かる? ヤマル:ということになります ダイヤ:そっか…… 0:地面に横たわる人たちを見るダイヤ ダイヤ:ごめん…助けられなかった…… ケーゴウ:お前のせいじゃない ケーゴウ:この世界じゃ付き物だ ケーゴウ:慣れたくは、ないがな スノウ:それにしても、よく冷静だったわね ダイヤ:…あぁ、多分精神力に全振りされてた ケーゴウ:経験値が、か? ダイヤ:はい、別のステータスは上がってないんですけど ダイヤ:精神力だけ70に ヤマル:私より多い…… ダイヤ:そのせいかも、と思ってるけど ケーゴウ:だが、元の世界では ケーゴウ:そのステータスじゃないからな ケーゴウ:よくあるんだ、強くなった気で元の世界に戻って ケーゴウ:失敗するやつがな ダイヤ:肝に銘じます ケーゴウ:ありがとな、二人とも ケーゴウ:それと、ヤマルも ヤマル:私は……何も出来なかったです ケーゴウ:いや、そんなことはない ヤマル:はい…… ダイヤ:また!こっちで会ったらよろしくな ヤマル:は、はい!是非 スノウ:もうすぐ転移ね ダイヤ:あぁ ダイヤ:それにしても、よくわかったな ダイヤ:アレが別個体って スノウ:え?あぁ、そうね スノウ:偶々、じゃないかしら? ダイヤ:……もしかして、目が青かった? スノウ:え!?なんで!? ダイヤ:いや、そういえば俺も読んでてさ ダイヤ:蒼眼の魔物使い、漫画だけど スノウ:いや!それは、関係ない! ダイヤ:あははっ、確かこんな話あった気がして ダイヤ:俺も今思い出したし、まぁ スノウ:違う!違うから! スノウ:たしかにラノベで読んでたけど! ダイヤ:別に隠すことじゃないだろ? ダイヤ:ま、お嬢様は読まない設定の方がいいか スノウ:だから!お嬢様でもないし! ダイヤ:まだ一回目だけど、クールぶってるより ダイヤ:そっちの方がいいと思うよ、スノウ スノウ:ちょ、何を言ってーーー 0:転移していくスノウ ダイヤ:お、こんな感じなんだな ケーゴウ:仲良いな、お前たちは ダイヤ:初対面ですけどね ヤマル:あ、じゃ、じゃあ!また ヤマル:ケーゴウさん、ダイヤさん! ダイヤ:おう! 0:ヤマル、転移 ケーゴウ:ん?俺もそろそろみたいだな ケーゴウ:今回は助かったが、調子に乗るなよ ケーゴウ:知り合いが死ぬのは見たくねぇからな ダイヤ:はい、ケーゴウさんも ケーゴウ:またな 0:ケーゴウ、転移 ダイヤ:さて、俺も帰りますか ダイヤ:この世界が何なのか分かんないけど ダイヤ:やれるだけ、やってみますか 0: 0: 0: 0: 世界の声:実績ーー確認。ーーーアクティブ化。 世界の声:ーーー。ーー。ーーーー。 世界の声:ダイヤ、転移ーー。 0:第二話『廻層の主』終。