台本概要
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タイトル | 最後の戦い〜そして、始まり〜 |
---|---|
作者名 | てくす (@daihooon) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
勇者は最後の戦いの目前まで迫っていた。その道のりは長く、険しいものだった。魔王城戦で仲間たちは負傷し、先に戻ることになり、勇者は魔王との一対一の決着をつけようとしていた。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ライト | 不問 | 85 | 勇者。 |
魔王 | 不問 | 76 | 魔王イゾール。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ライト:ついに…ここまで来た
ライト:思い返せば辛い道のりだった
ライト:だが幸い、いい仲間に恵まれた
ライト:誰よりも強く、勇気ある剣士ライナ
ライト:高位の魔法使いでありながら、謙虚に
ライト:いつも私たちをサポートしてくれた魔女フォルナ
ライト:周りを見て調和を取り、その目の良さは
ライト:戦いでも素晴らしかった弓士ターク
ライト:そして…ふっ
ライト:この戦いが終われば結婚しよう…か
ライト:私の最愛の人、ホルン
ライト:しかし魔王城でのことは皆に申し訳なかった…
ライト:私が、万全に魔王と戦えるようにと
ライト:仲間たちは身を挺して…
ライト:大丈夫だ、先に安全な場所に戻ってもらっただけだ
ライト:また会える…私が魔王を倒して!
0:【最後の扉を開けるライト】
魔王:…きたか
ライト:お前が魔王か!?
魔王:いかにも
魔王:我が偉大なる混沌の支配者
魔王:魔王・イゾールだ
魔王:安心しろ、勇者よ
魔王:偽物でも影武者でもない、紛いなき魔王だ
魔王:よし、一つ余興も兼ねて証拠を見せよう
ライト:なに…?
魔王:見よ
ライト:なっ…それは…
魔王:貴様がここに至るまでに打ち倒した
魔王:魔界四天王の死体よ
ライト:倒した時、灰になり消えたと思っていたが
魔王:あれは我の力でここに転送したまで
魔王:そして、これは魔王にしか使えぬ技…
ライト:何をするつもりだ!
魔王:言ったであろう?本物の証拠を見せると
魔王:『魔王混合(パレード・オブ・デス)』
魔王:フハハハ!どうだ?これで理解しただろう?
ライト:四天王を吸収して力に変えた…だと?
魔王:さぁ、最後の宴を始めよう
ライト:舐めるな…行くぞ!魔王!
ライト:(そうして始まった魔王との最終決戦
ライト:最初は互いに力量を測るように技を繰り出した)
魔王:見せてみよ
ライト:『光の剣(ライトソード)』!!
ライト:貫け!
魔王:魔法剣か、面白い
魔王:『暗黒壁(ダークネスウォール)』
魔王:ハハ!勇者の光といえど、我の闇には届かぬようだ
ライト:くっ…
魔王:では、次はこちらから行くぞ
魔王:防いでみよ『ヴェノムノート』!
ライト:『光芒の盾(ウォールラインガ)』!
ライト:どうやらお前の闇も私の光には届かないみたいだ
魔王:面白い、少し本気を出そうか
ライト:それは私も同じだ!
ライト:(このような攻防で相手の力量を測った
ライト:この時、互いに力が拮抗していると分かったことだろう
ライト:30分くらいだろうか、力の測り合いは短く感じ
ライト:そろそろ本格的にと考え出していた)
魔王:そう隠す必要もあるまい
魔王:"持っている"のだろう?
ライト:ふっ…では、見せてやろう
ライト:私がお前を倒すために紡いだ力を!
0:【勇者が光に包まれ、完全武装化する】
ライト:どうだ、これが想いの力だ
魔王:素晴らしい…
魔王:漆黒をも切り裂く勇者の剣、キャリバリオン
魔王:全ての悪の力から主を護る盾、セラフィムベール
魔王:そして、あらゆる加護を持つ鎧、シルバリレオンハート
魔王:たしかに勇者装備というわけだな
ライト:この姿を見て、まだ争うか?魔王よ
魔王:貴様がそう来るのは予想していた
魔王:次は我の力を見せてやろう
ライト:何!?
0:【魔王が漆黒に覆われていく】
ライト:なっ…それは
魔王:勇者装備ならぬ、魔王装備と言ったところか
ライト:命を狩り取る大鎌、ザ・デス
ライト:光を通さない漆黒の盾、ヴェリオロン
ライト:全ての禁呪が刻まれし鎧、オーバーゼロ…
魔王:さぁ、本当の戦いを始めようではないか
ライト:(そこから私たちは大技を出しつつ
ライト:相手の隙を探り、戦い続けた)
ライト:『七帝聖剣・三光…天翔』!!
魔王:『ディザスターカノン』
ライト:『ライトニングブレイバー』!!
魔王:『獄妖・魔禍』
ライト:(なんとも和洋折衷な技が飛び交い
ライト:2、3時間ほど戦い続けた)
ライト:…強い
魔王:ここまでとは…な
魔王:そこまでの力を持っているならば
魔王:どうだ?世界の半分ずつ互いに支配し
魔王:我々の世界を作ろうではないか
ライト:私は勇者だ!
ライト:全ての人を救うために戦っている!
魔王:ふっ…ならばどちらかが死するまで
魔王:戦うのみよ!
ライト:(私たちは、この頃から気づき始めていた
ライト:互いの持つ、武器の力を
ライト:互いの全ての武器にパッシブスキルとして
ライト:魔力と体力を回復させるものがあることを
ライト:そして…更に8時間が経とうとしていた)
0:【間】
ライト:いやいやいや!流石にキツイってもう!
魔王:我か!?我が悪いのか!?
ライト:私が使った『エデンフォス』避けるし!
魔王:いや、あれはスキルあっても痛いだろう!?
魔王:それを言えば貴様も『魔光千』弾いたではないか!
ライト:その名の通り千の闇に貫かれたくないわ!
ライト:弾くし防ぐし避ける!
魔王:元はといえば、貴様が世界半分計画を
魔王:飲んでくれればよかったのではないのか!?
ライト:いや、無理無理無理!
ライト:勇者だよ?私、勇者!
ライト:それオッケーしたら物語完結じゃん
ライト:てか、なんで同じパッシブスキルあるの?
ライト:常時回復とか卑怯じゃん
魔王:そっくりそのまま言うわ!
魔王:体力も全快、魔力も枯渇しない
魔王:状況的に永遠に戦い続けられるのは分かるが
ライト:永遠に戦いたくないわ!
ライト:精神が保たんし
ライト:しかも鎧の加護で肉体の時間も全盛期で
ライト:止まってるし、マジで永遠だからコレ
魔王:あ!そうだ我に考えがある
ライト:なんだ?
魔王:まだ必殺技は出してなかろう?
ライト:いや、まぁ…それは…
魔王:互いに必殺技を撃ち合おう、避け無しで
魔王:それでもういいだろう?
魔王:下手な小細工なし、正面衝突!な?
ライト:うーん、そうなるか…
ライト:よし、じゃあ行くぞ?歯ァくいしばれ
魔王:え!?え?え!いや!なんで
ライト:『究極…
魔王:いや、なんでそっちから撃つの!?
ライト:え?こういうのは勇者が先って相場が
魔王:ないから!相場とか他にないから!
魔王:ここはジャンケンで
ライト:はっ、堕ちたな魔王
ライト:まさかジャンケンで己の運命を決めるとは
魔王:魔王だから元から堕ちてるだわ
魔王:もうパッと決めてパッと終わろう?
魔王:ここでグダグダしてても結局、永遠が待っておるぞ
ライト:よーし、最初はグー
魔王:ジャンケン…
ライト:『思考加速』『未来予知』『絶対勝利の女神の加護』
魔王:あ!貴様!しかも万全に万全を重ねてる!?
ライト:オラァァ!!勝ちだ!行くぞ!魔王!
魔王:えっ、ちょ、待っ
ライト:『究極魔法憑依剣・キャリバリオンホーリー』!
ライト:全ての闇を祓い、悪を浄化せよ!
魔王:くっ…我も魔王
魔王:負けは負けだ、受けようではないか
ライト:…敵だが、その勇姿は感嘆する
ライト:さらばだ!魔王!
0:【間】
ライト:くっ…辛く長い戦いだった…
魔王:ごめん、無理だったわ
魔王:体力ちょっと残った…あ、回復始まった
ライト:え?
魔王:では、交互ということで
魔王:次は我の番だな
ライト:え?ちょ、待っ
魔王:『深淵魔法・エクゼキュロスト』
ライト:いや!今のままだったら私、超ダサいから!
ライト:なんか感傷に浸ってたし!ね?
魔王:コレ発動したら止めれんのだよ
魔王:覚悟決めて
ライト:くっ…来い!魔王!
魔王:では、深淵に沈め!
0:【間】
ライト:…なんか、ごめん
魔王:なんとなく分かってた
魔王:最初の30分くらいで力が拮抗してたし…うん
ライト:装備外す?
魔王:呪い装備だから無理なんだよね…
ライト:こっちも加護が強すぎて
ライト:役目終えるまで無理なんだよね…
魔王:…え?どうするの?これ
ライト:さっきのが最強の技?
魔王:まぁ…
ライト:そっか…
魔王:……
ライト:……あのさ
魔王:ん?
ライト:やっぱり、世界の半分ってこと
魔王:それでよいのか?勇者なのだろう?
ライト:良くはないけど…
魔王:あぁ、説明問題とか?
ライト:そう…なんだよね
ライト:理解してくれるわけないし
魔王:けど!勇者なんだから話せば王様も
ライト:ははっ…勇者ってさ
ライト:称号とか肩書きとしては有能かもしれないけど
ライト:私自身はただの平民でね?
ライト:王様の話ではさ、魔王を倒せば貴族としての
ライト:地位や名誉とか魔王を倒したって権限で
ライト:偉くなれるんだって…だからこの状況だと
魔王:人間世界も大変なんだな…
ライト:そういうとこあるから…
魔王:…永遠に戦い続けるか?
ライト:…ダルくない?それ
魔王:まぁ…我も永遠に戦い続ける理由ないし
魔王:戦ってたら世界支配できないし…
ライト:私も婚約者いるし…早く帰らないと
魔王:え?勇者って婚約者いるの?
ライト:旅で色々あってさ
ライト:なんか良い感じになって
魔王:へぇー!
ライト:まお…イゾっちってそういうのどうなの?
魔王:イゾっち?
ライト:イゾールだから
魔王:あぁ、なるほど
魔王:そうだなぁ…我はそういうの疎くて
ライト:えー?結構モテそうだけど?
魔王:いやいや…
ライト:…あ
魔王:どうした?
ライト:あんまり遅いと仲間が来るかも
ライト:全員の力を合わせた技を使えば
魔王:あー…多分な
魔王:この盾と鎧は勇者の力以外は無効化すると思うぞ?
魔王:伊達に最強装備語ってないし
ライト:あ、じゃあこっちの装備より良いんだ?
魔王:んー…四天王には我の力の一部を与えているから
魔王:それに反応してるだけで
魔王:単体の力では、その防具に傷一つ付けれないかも
ライト:なるほど
ライト:うーん、私が仲間に力を分散しても
ライト:結局それは私の力であって
魔王:そうそう
魔王:だから合体技しようが、究極魔法使うのと
魔王:結果は同じだと
ライト:え?詰んだ?
魔王:結構前から詰んでると思う
ライト:……
魔王:……
ライト:イゾっちって死にたくない?
魔王:え?何その質問
ライト:いや、どうなのかなって
魔王:そりゃまぁ、死にたくはないかな
ライト:そうだよね
ライト:なんかさ、このまま語り合うのもいいかなって
ライト:少しだけ思えてきた
魔王:あはは、我もそう言おうと思っていた
ライト:種族が違うだけで争うのもさ…
ライト:たしかにイゾっちは悪いこともしてきたけど
ライト:結構、長寿じゃん?悪魔って
魔王:そうだなぁ…我、今96歳だけど
魔王:多分あと何百年かは生きると思う
ライト:先輩だ
魔王:いや、別にそんな…
ライト:償っていけばいいんじゃないかな?
魔王:…え?
ライト:その…イゾっちがしたい事…
ライト:世界征服ってのは勇者としても
ライト:いいよっては言えないけどさ
ライト:友達にはなれると思うんだ私たち
魔王:ライト…
ライト:だからさ…償って人間と魔物
ライト:共存する世界にしたら良いんじゃないかな?
ライト:私もまだイゾっちと話したいし!
ライト:それに王様にも他の人にも私から話してみるし!
魔王:だけど人間って色々あるんでしょ?
魔王:説明問題もあるってさっき
ライト:イゾっちのためなら私、頑張るから
魔王:!!…なんだか…嬉しいな
ライト:イゾっち…
魔王:我、頑張ってみようかな
ライト:!!応援する!
魔王:…ありがとう…ライト!
ライト:(こうして私たちの戦いは終止符を打った
ライト:だけど、これからは2人での戦いになる
ライト:だけど、新しくできた親友を守るためなら
ライト:頑張れる気がする)
魔王:ライト
ライト:何?
魔王:これからもよろしくね?
ライト:もちろん!
0:【完】
ライト:ついに…ここまで来た
ライト:思い返せば辛い道のりだった
ライト:だが幸い、いい仲間に恵まれた
ライト:誰よりも強く、勇気ある剣士ライナ
ライト:高位の魔法使いでありながら、謙虚に
ライト:いつも私たちをサポートしてくれた魔女フォルナ
ライト:周りを見て調和を取り、その目の良さは
ライト:戦いでも素晴らしかった弓士ターク
ライト:そして…ふっ
ライト:この戦いが終われば結婚しよう…か
ライト:私の最愛の人、ホルン
ライト:しかし魔王城でのことは皆に申し訳なかった…
ライト:私が、万全に魔王と戦えるようにと
ライト:仲間たちは身を挺して…
ライト:大丈夫だ、先に安全な場所に戻ってもらっただけだ
ライト:また会える…私が魔王を倒して!
0:【最後の扉を開けるライト】
魔王:…きたか
ライト:お前が魔王か!?
魔王:いかにも
魔王:我が偉大なる混沌の支配者
魔王:魔王・イゾールだ
魔王:安心しろ、勇者よ
魔王:偽物でも影武者でもない、紛いなき魔王だ
魔王:よし、一つ余興も兼ねて証拠を見せよう
ライト:なに…?
魔王:見よ
ライト:なっ…それは…
魔王:貴様がここに至るまでに打ち倒した
魔王:魔界四天王の死体よ
ライト:倒した時、灰になり消えたと思っていたが
魔王:あれは我の力でここに転送したまで
魔王:そして、これは魔王にしか使えぬ技…
ライト:何をするつもりだ!
魔王:言ったであろう?本物の証拠を見せると
魔王:『魔王混合(パレード・オブ・デス)』
魔王:フハハハ!どうだ?これで理解しただろう?
ライト:四天王を吸収して力に変えた…だと?
魔王:さぁ、最後の宴を始めよう
ライト:舐めるな…行くぞ!魔王!
ライト:(そうして始まった魔王との最終決戦
ライト:最初は互いに力量を測るように技を繰り出した)
魔王:見せてみよ
ライト:『光の剣(ライトソード)』!!
ライト:貫け!
魔王:魔法剣か、面白い
魔王:『暗黒壁(ダークネスウォール)』
魔王:ハハ!勇者の光といえど、我の闇には届かぬようだ
ライト:くっ…
魔王:では、次はこちらから行くぞ
魔王:防いでみよ『ヴェノムノート』!
ライト:『光芒の盾(ウォールラインガ)』!
ライト:どうやらお前の闇も私の光には届かないみたいだ
魔王:面白い、少し本気を出そうか
ライト:それは私も同じだ!
ライト:(このような攻防で相手の力量を測った
ライト:この時、互いに力が拮抗していると分かったことだろう
ライト:30分くらいだろうか、力の測り合いは短く感じ
ライト:そろそろ本格的にと考え出していた)
魔王:そう隠す必要もあるまい
魔王:"持っている"のだろう?
ライト:ふっ…では、見せてやろう
ライト:私がお前を倒すために紡いだ力を!
0:【勇者が光に包まれ、完全武装化する】
ライト:どうだ、これが想いの力だ
魔王:素晴らしい…
魔王:漆黒をも切り裂く勇者の剣、キャリバリオン
魔王:全ての悪の力から主を護る盾、セラフィムベール
魔王:そして、あらゆる加護を持つ鎧、シルバリレオンハート
魔王:たしかに勇者装備というわけだな
ライト:この姿を見て、まだ争うか?魔王よ
魔王:貴様がそう来るのは予想していた
魔王:次は我の力を見せてやろう
ライト:何!?
0:【魔王が漆黒に覆われていく】
ライト:なっ…それは
魔王:勇者装備ならぬ、魔王装備と言ったところか
ライト:命を狩り取る大鎌、ザ・デス
ライト:光を通さない漆黒の盾、ヴェリオロン
ライト:全ての禁呪が刻まれし鎧、オーバーゼロ…
魔王:さぁ、本当の戦いを始めようではないか
ライト:(そこから私たちは大技を出しつつ
ライト:相手の隙を探り、戦い続けた)
ライト:『七帝聖剣・三光…天翔』!!
魔王:『ディザスターカノン』
ライト:『ライトニングブレイバー』!!
魔王:『獄妖・魔禍』
ライト:(なんとも和洋折衷な技が飛び交い
ライト:2、3時間ほど戦い続けた)
ライト:…強い
魔王:ここまでとは…な
魔王:そこまでの力を持っているならば
魔王:どうだ?世界の半分ずつ互いに支配し
魔王:我々の世界を作ろうではないか
ライト:私は勇者だ!
ライト:全ての人を救うために戦っている!
魔王:ふっ…ならばどちらかが死するまで
魔王:戦うのみよ!
ライト:(私たちは、この頃から気づき始めていた
ライト:互いの持つ、武器の力を
ライト:互いの全ての武器にパッシブスキルとして
ライト:魔力と体力を回復させるものがあることを
ライト:そして…更に8時間が経とうとしていた)
0:【間】
ライト:いやいやいや!流石にキツイってもう!
魔王:我か!?我が悪いのか!?
ライト:私が使った『エデンフォス』避けるし!
魔王:いや、あれはスキルあっても痛いだろう!?
魔王:それを言えば貴様も『魔光千』弾いたではないか!
ライト:その名の通り千の闇に貫かれたくないわ!
ライト:弾くし防ぐし避ける!
魔王:元はといえば、貴様が世界半分計画を
魔王:飲んでくれればよかったのではないのか!?
ライト:いや、無理無理無理!
ライト:勇者だよ?私、勇者!
ライト:それオッケーしたら物語完結じゃん
ライト:てか、なんで同じパッシブスキルあるの?
ライト:常時回復とか卑怯じゃん
魔王:そっくりそのまま言うわ!
魔王:体力も全快、魔力も枯渇しない
魔王:状況的に永遠に戦い続けられるのは分かるが
ライト:永遠に戦いたくないわ!
ライト:精神が保たんし
ライト:しかも鎧の加護で肉体の時間も全盛期で
ライト:止まってるし、マジで永遠だからコレ
魔王:あ!そうだ我に考えがある
ライト:なんだ?
魔王:まだ必殺技は出してなかろう?
ライト:いや、まぁ…それは…
魔王:互いに必殺技を撃ち合おう、避け無しで
魔王:それでもういいだろう?
魔王:下手な小細工なし、正面衝突!な?
ライト:うーん、そうなるか…
ライト:よし、じゃあ行くぞ?歯ァくいしばれ
魔王:え!?え?え!いや!なんで
ライト:『究極…
魔王:いや、なんでそっちから撃つの!?
ライト:え?こういうのは勇者が先って相場が
魔王:ないから!相場とか他にないから!
魔王:ここはジャンケンで
ライト:はっ、堕ちたな魔王
ライト:まさかジャンケンで己の運命を決めるとは
魔王:魔王だから元から堕ちてるだわ
魔王:もうパッと決めてパッと終わろう?
魔王:ここでグダグダしてても結局、永遠が待っておるぞ
ライト:よーし、最初はグー
魔王:ジャンケン…
ライト:『思考加速』『未来予知』『絶対勝利の女神の加護』
魔王:あ!貴様!しかも万全に万全を重ねてる!?
ライト:オラァァ!!勝ちだ!行くぞ!魔王!
魔王:えっ、ちょ、待っ
ライト:『究極魔法憑依剣・キャリバリオンホーリー』!
ライト:全ての闇を祓い、悪を浄化せよ!
魔王:くっ…我も魔王
魔王:負けは負けだ、受けようではないか
ライト:…敵だが、その勇姿は感嘆する
ライト:さらばだ!魔王!
0:【間】
ライト:くっ…辛く長い戦いだった…
魔王:ごめん、無理だったわ
魔王:体力ちょっと残った…あ、回復始まった
ライト:え?
魔王:では、交互ということで
魔王:次は我の番だな
ライト:え?ちょ、待っ
魔王:『深淵魔法・エクゼキュロスト』
ライト:いや!今のままだったら私、超ダサいから!
ライト:なんか感傷に浸ってたし!ね?
魔王:コレ発動したら止めれんのだよ
魔王:覚悟決めて
ライト:くっ…来い!魔王!
魔王:では、深淵に沈め!
0:【間】
ライト:…なんか、ごめん
魔王:なんとなく分かってた
魔王:最初の30分くらいで力が拮抗してたし…うん
ライト:装備外す?
魔王:呪い装備だから無理なんだよね…
ライト:こっちも加護が強すぎて
ライト:役目終えるまで無理なんだよね…
魔王:…え?どうするの?これ
ライト:さっきのが最強の技?
魔王:まぁ…
ライト:そっか…
魔王:……
ライト:……あのさ
魔王:ん?
ライト:やっぱり、世界の半分ってこと
魔王:それでよいのか?勇者なのだろう?
ライト:良くはないけど…
魔王:あぁ、説明問題とか?
ライト:そう…なんだよね
ライト:理解してくれるわけないし
魔王:けど!勇者なんだから話せば王様も
ライト:ははっ…勇者ってさ
ライト:称号とか肩書きとしては有能かもしれないけど
ライト:私自身はただの平民でね?
ライト:王様の話ではさ、魔王を倒せば貴族としての
ライト:地位や名誉とか魔王を倒したって権限で
ライト:偉くなれるんだって…だからこの状況だと
魔王:人間世界も大変なんだな…
ライト:そういうとこあるから…
魔王:…永遠に戦い続けるか?
ライト:…ダルくない?それ
魔王:まぁ…我も永遠に戦い続ける理由ないし
魔王:戦ってたら世界支配できないし…
ライト:私も婚約者いるし…早く帰らないと
魔王:え?勇者って婚約者いるの?
ライト:旅で色々あってさ
ライト:なんか良い感じになって
魔王:へぇー!
ライト:まお…イゾっちってそういうのどうなの?
魔王:イゾっち?
ライト:イゾールだから
魔王:あぁ、なるほど
魔王:そうだなぁ…我はそういうの疎くて
ライト:えー?結構モテそうだけど?
魔王:いやいや…
ライト:…あ
魔王:どうした?
ライト:あんまり遅いと仲間が来るかも
ライト:全員の力を合わせた技を使えば
魔王:あー…多分な
魔王:この盾と鎧は勇者の力以外は無効化すると思うぞ?
魔王:伊達に最強装備語ってないし
ライト:あ、じゃあこっちの装備より良いんだ?
魔王:んー…四天王には我の力の一部を与えているから
魔王:それに反応してるだけで
魔王:単体の力では、その防具に傷一つ付けれないかも
ライト:なるほど
ライト:うーん、私が仲間に力を分散しても
ライト:結局それは私の力であって
魔王:そうそう
魔王:だから合体技しようが、究極魔法使うのと
魔王:結果は同じだと
ライト:え?詰んだ?
魔王:結構前から詰んでると思う
ライト:……
魔王:……
ライト:イゾっちって死にたくない?
魔王:え?何その質問
ライト:いや、どうなのかなって
魔王:そりゃまぁ、死にたくはないかな
ライト:そうだよね
ライト:なんかさ、このまま語り合うのもいいかなって
ライト:少しだけ思えてきた
魔王:あはは、我もそう言おうと思っていた
ライト:種族が違うだけで争うのもさ…
ライト:たしかにイゾっちは悪いこともしてきたけど
ライト:結構、長寿じゃん?悪魔って
魔王:そうだなぁ…我、今96歳だけど
魔王:多分あと何百年かは生きると思う
ライト:先輩だ
魔王:いや、別にそんな…
ライト:償っていけばいいんじゃないかな?
魔王:…え?
ライト:その…イゾっちがしたい事…
ライト:世界征服ってのは勇者としても
ライト:いいよっては言えないけどさ
ライト:友達にはなれると思うんだ私たち
魔王:ライト…
ライト:だからさ…償って人間と魔物
ライト:共存する世界にしたら良いんじゃないかな?
ライト:私もまだイゾっちと話したいし!
ライト:それに王様にも他の人にも私から話してみるし!
魔王:だけど人間って色々あるんでしょ?
魔王:説明問題もあるってさっき
ライト:イゾっちのためなら私、頑張るから
魔王:!!…なんだか…嬉しいな
ライト:イゾっち…
魔王:我、頑張ってみようかな
ライト:!!応援する!
魔王:…ありがとう…ライト!
ライト:(こうして私たちの戦いは終止符を打った
ライト:だけど、これからは2人での戦いになる
ライト:だけど、新しくできた親友を守るためなら
ライト:頑張れる気がする)
魔王:ライト
ライト:何?
魔王:これからもよろしくね?
ライト:もちろん!
0:【完】