台本概要
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タイトル | WRITER × WRITER 第4話:新時代を信じない |
---|---|
作者名 | 電【動自転】車男 |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
性別変更、一人称変更、語尾変更有りの約20分台本です 声劇は楽しんだもん勝ちなので優勝していってください! 114 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
作家 | 不問 | 129 | 原稿を仕上げない作家 ノリがフラフラと気分次第なので話し方と内容がコロコロ変わる |
編集者 | 不問 | 130 | 作家の担当編集者 中々原稿を完成させない作家に振り回されている 作家からは土橋(どばし)君と呼ばれているが本名は土橋(どばし) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:作家の家、作家が机に、編集者がちゃぶ台に置いたパソコンに向かっている。
作家:あのさぁ
編集者:なんですか
作家:あのさ-
編集者:なんですか
作家:あのさあ
編集者:なんですか
作家:あ!の!さ!あ!
編集者:な!ん!で!す!か!
作家:さっきからボ-ッとしてないで返事してよ!
編集者:さっきから返事してるじゃないですか!ボ-ッとしてるのはそっちでした!
作家:…あ、断定しちゃうのね
編集者:えぇ、まぁ
作家:で、話って何?
編集者:話ですか?
作家:うん
編集者:え-と、私に対する話はなんですか先生?って話です
作家:お主、返すようになったな
編集者:先生の糞みたいな理不尽に何度も付き合わされてきましたから
作家:ぇぇ、酷いよ土橋君
編集者:略して糞理不(クソリフ)です
作家:あ、ホントにヒドイ…あ-もぅ120文字の短編呟き屋さんに転身しちゃうもんね!
編集者:え-…そういう事は原稿を1文字でも書いてから言ってくださいよ
作家:お主、返すようになったな
編集者:それさっきも言いました、ネタ切れですか?1文字も書いてないのにネタ切れですか?
作家:最近遠慮が無くなってきたね…土橋君
編集者:そりゃあ…これだけ休載しまくっていたら遠慮もなくなりますよ…
作家:進化してるんだね土橋君
編集者:先生は良いですね、これ以上退化しなくて
0:何か思いたった作家
作家:…よし、記念写真を撮ろう
編集者:どうしたんですか急に
作家:返すようになったなお主記念
編集者:逆にしただけじゃないですかその記念
作家:ささ、遠慮せずにググッとググッと!
編集者:何を!?飲み物じゃないんですから
0:飲み物を取ってくる作家、戻るなり寝転がる
作家:じゃあ茶菓子は無いけど…ちょっとまっててね………はい、お茶をどうぞ
編集者:あ、お構いなく…ってなんですかコレ?お茶にしては透き通ってますけど
作家:ああ、昨日ス-パ-で見つけてね。面白そうだから買ってみたのだよ
編集者:なるほど
作家:透明なカレ-、透明なコ-ラに次ぐ第3の透明、水道水さ
編集者:じゃあ水じゃないですか…まぁ喉乾いてるんでいただきますけど……
0:飲む編集者
編集者:…んっ!…これ…ぇっ!
作家:どうしたんだい土橋君!?もしかして腐ってたその焼酎!?
編集者:ですよね!やっぱ酒じゃないですか!
作家:第3の水道水、焼酎さ
編集者:なに酒臭い事言ってるんですか
作家:ふふ、酒臭いのは土橋君じゃないか
編集者:うるさいですよ…っていうかそもそもなんですか、返すようになった記念って
作家:いやぁ…成長したなぁって、物怖じしなくなったなぁって
編集者:それは…先生にも言われる権利くらいあるかなぁって思ったからです
作家:言われる権利?言う権利じゃなくて?
編集者:えぇ、これは原稿を全く出さない先生の自業自得ですから
作家:ひど-
編集者:酷くないです
0:ふてくされる作家
作家:…じゃあとりま-す
編集者:はいはい
作家:はいチ-ズ…インハンバ-グ定食です
編集者:え?
作家:こちら鉄板の方、分厚くなっておりますのでご注意下さい
編集者:分厚いだけですか、火傷はしないんですね
作家:これ実は動画で-す
編集者:えぇ…今更になって写真と見せ掛けて動画ネタですか…って早く撮ってくださいよ!!
作家:乗り気だねぇ、土橋くぅ-ん
編集者:早く終わらせて欲しいだけです
作家:そんなに撮って欲しいんなんて、これはオネダリしないとねぇ土橋君?
編集者:は?
作家:ほらほら土橋く-ん、どこを撮って欲しいんだい?
編集者:じゃあ…
作家:じゃあ-あ?
編集者:…その重すぎる筆を取ってください、手に。その手に!
作家:んもぉ!そういう事じゃないのに-
編集者:ないのにーじゃないです
作家:え-、はいパシャりんこ
編集者:あ、撮り方雑ですね…
作家:カキカキ…カキカキと
編集者:写真に落書きしてる暇があるなら原稿を書き上げて下さいよ
作家:落書きで?
編集者:物語で!
作家:あ、今の落書き見る?コレ
編集者:話を聞いてくださいよ…ってなんですかこれ?
0:落書きを読み上げる編集者
編集者:この編集者は私が育てました
編集者:…もしや私は野菜ですか
作家:もやし貴方は野菜です。言ったじゃない、成長の記念って
編集者:意味がわからないですよ
作家:出荷…しちゃう?
編集者:いえ、出稿…して下さい。書きなさいよ早く
作家:書くって何を?恥でいい?
編集者:もうそれは一生分掻いたでしょう先生、一体何生分掻くつもりですか?
作家:第5章、恥掻きの始まり
編集者:とっとと終わらせてください
作家:うーん…その心は?
編集者:こちら書かれてない原稿用紙の方、分厚くなっておりますのでご注意下さい
0:雑に突っ込む作家
作家:分厚いだけか-い!
編集者:それが問題なんですよ!
作家:問題って…どこからどこまでだい?
編集者:全部ですよ全部!
作家:え-、最初から最後まで?
編集者:はぁい!
作家:1から10まで?
編集者:はあい!
作家:作家から編集者まで?
編集者:私関係ないじゃないですか!先生だけですよ!先生の中で全部完結させてください!
作家:えぇ-、引き継ごうよぉ土橋く-ん
0:早口で畳み掛ける編集者
編集者:引き続きません、代わりに書きません、ゴ-ストライタ-もしません、以上です!
作家:…
編集者:……な、なんですか…急に黙って
作家:ん?あぁ、ごめん聞いてないフリをしていたよ
編集者:じゃあ聞いてるんじゃないですか
作家:そうだよぉ、聞いていたよぉ?最初から最後まで聞いてたよ-?
編集者:それは良かったです
作家:1から10まで聞いてたよ-?
編集者:えぇ、分かりましたから
作家:ゴ-ストからライタ-まで聞いてたよ-?
編集者:それ私じゃないですか!?
作家:そうさ!やってくれるね?
編集者:やりませんよ、それにゴ-ストからライタ-なんて言ってないし
作家:思ってるけど言えない事を察する人というのは、素敵だと思わないかい?
編集者:そうですねぇ…思ってもない事を無理やり汲み取った振りをして、原稿を仕上げない人というのは素敵だとは思わないやい
作家:もっと思ってくれないかい?土橋君
編集者:ええ、思ってませんが怒ってます
作家:なぜだい!?
編集者:先生が一文字も原稿を書かないからですよ
作家:そんな事無いさ、書けてはいるよ?
編集者:いえ、先生が欠けているのはプロの意識です
作家:どこに行ったのだろうね…プロ意識
編集者:さあ…自分で言ってなんですが、もしかしたら初めから無かったのかも知れません
作家:うーん…それはその通りだね
編集者:自覚あったんですか
作家:…人は誰でも最初はプロじゃない
編集者:なるほど?
作家:セミプロさ
編集者:な訳ないです
作家:努力に努力を重ねて、その結果やがてプロになるのだよ土橋君
編集者:じゃあ努力をしてくださいよ
作家:私はいいのだよ
編集者:なんですかその「お母さんは良いの」的なルール無視の流れは
作家:なぜならプロになり終えたからね、プロになる為の努力はいらないのさ
0:自分で自分に反論する作家
作家:それは違うんじゃないかな
編集者:は?
作家:プロになったらなったで、プロで居続ける為の努力を続けなくてはならないのだよ
編集者:私何も言ってないですよ
作家:プロは何時でも次のステ-ジに進化する為に努力を続ける姿勢、それがプロとしての意識なのだよ土橋君
編集者:あぁ一人二役だ…
作家:分かったかい?
編集者:ええ分かりましたよ先生、ではその努力を続ける姿勢とやらを見せてもらいましょうか
作家:ん?あぁ、見せてるとも、ほら
編集者:どこがですか!酒取ってきたっきり寝っ転がっているだけじゃないですか!机に向かって!努力して下さいよ!
作家:ふぅ、あのね土橋君、プロの意識は努力を続ける姿勢、あくまで姿勢、実際に努力をする訳じゃないのだよ
編集者:屁理屈は良いから書!け!
作家:えぇ…そんな強引な…土橋君、私作家様だよ?
編集者:じゃあ私は編集者様です、書きなさい先生?
作家:嫌です
編集者:嫌って…
作家:黙秘します
編集者:何を!?
作家:アイデアを
編集者:アイデアあるなら出してくださいよ!そこのペンで!この原稿用紙に!
作家:まだ温めておかないかい?石の上にも三年くらい
編集者:もう十分温まってますから!アツアツですから!アイデアの方大変熱くなってるので注意するくらい温まってますから!
作家:うーん…と言われてもね…
編集者:なんですか、何か問題でも?
作家:それがね…アイデアはないのだよ、黙秘すると言っただけでアイデアは本当はないのだよ土橋君
編集者:また嘘つきですか先生?嘘つきのプロなんですか?
作家:ふむ、バレては仕方がないね、実は作家というのは世を忍ぶ仮の姿…
編集者:適当な事を言わないで下さい。先生は立派な作家です
作家:え?本当かい?立派?私立派?
編集者:ええ、立派に先生です。が、先生としては不立派です
作家:そんな風に言わんでも…モチベ-ションが無くなってしまうよ
編集者:そういう事は無くなるモチベ-ションがある人が言う事です。先生ないじゃないですか
作家:これも…仕方が無いことなのかもしれないね
編集者:え…?
作家:というのもね土橋君、今まで使っていたテキスト管理ソフトが提供を終了してしまい、慣れない新ソフトに苦戦して原稿どころでは無いのだよ
編集者:え、先生は打ち込みではなく原稿用紙派ですよね?
作家:あれ?言っていなかったかい?私は書いた原稿をパソコンにも保存する派なのだよ?
編集者:そうでしたっけ?私先生がパソコンでそんな事してる所見たことないですよ?
作家:それは、土橋君が私の編集になってからこれといった物を書いてはいないからね
編集者:ああやっぱり…道理で
作家:理解が早くて助かるよ、流石プロの編集君だ
編集者:編集で無くても誰でも分かりますよ、筆を進めてないという単純な理由なんですから
作家:まあそう褒めんでくれたまえ土橋君
編集者:いいじゃないですか、たまには
作家:あ全然突っ込んでくれない…構っておくれよ土橋くぅうん
編集者:そんな事より、先生も原稿に構ってあげてくださいよ
作家:そんな事って…原稿は反抗期だから構ってくれないのだよ
編集者:私には先生が私に反抗してる様に見えますが
作家:サボタ-ジュ…というヤツさ
編集者:それ普段働いている人がするから効果があるのであって、先生なにもしてないじゃないですか…ただの通常運転ですよ
作家:おや、だとしたら酒気帯び運転になってしまうね
編集者:飲んでんのか!?
作家:君が来る前に寝酒をしようとしたら酔ってしまってね
編集者:寝酒をしようとしたからじゃないですかね?道理で酒臭かった訳です
作家:その通りだ、おやすみ土橋君
編集者:寝ないで下さいよ先生、全く昼間っから飲んで昼間っから寝て、仕事はしない。こういうのをなんて言うか知ってますか?
作家:最高の休日?
編集者:違います
作家:ではソムリエの平日だね
編集者:違います、違いまくります。怠惰です、思いっきりの怠惰です
0:怠惰と代打に発音のアクセントを置く作家
作家:では怠惰な作家に変わりまして、代打は土橋君という事で
編集者:何を変われと?仕事?変わるわけないじゃないですか、自分でやって下さいよ
作家:ゴ-ストライナ-期待してるよ土橋君?
編集者:浮遊霊の割に低い弾道ですね
作家:まるで私の連載ペ-スのようだね…フフフ少し自虐をしてしまったよ
編集者:え、今の自虐だったんですか?
作家:そうだとも…おや、もしかして謙虚に見えていたのかな?
編集者:いえ、自画自賛だと思ってました
作家:あ、あれ…?
編集者:先生、この際じゃなくてもハッキリ言い続けますけども
作家:ずっと言うんだね…
編集者:もちろんです。先生の連載ペ-スでは低い弾道どころか即バウンドです、むしろ土に埋まってます、右肩下がりです
作家:という事は左肩上がりという事かね?
編集者:それ昔は良かったって言ってる年寄りじゃないですか
作家:年寄りって…ま、まだ若いつもりなんだがね…
編集者:それに昔が良かった訳でもなくて、今日より明日がマイナスに傾く怠惰な日々を何年も送り続けた結果という話です
作家:よくスラスラ言えるね土橋君…まるで台本暗記レベルだよ…
編集者:そうですかね?
作家:そうだとも、まるで常々思っていた事を口に出せるチャンスのようじゃないか
編集者:よく分かりましたね
作家:まだ若いつもりに対する返答がなかったからね、寂しかったよ土橋く-ん
0:あしらう様に言う編集者
編集者:えぇ…あ-、えぇ、若いっすよ先生
作家:本当かい?嬉しいなぁ、私もまだまだ現役!お年寄りには負けないよ土橋君!
編集者:威張って言う事ですかねそれは…
作家:まあいいじゃないか、減るものでも無いんだ
0:一息で平坦に言い切る編集者
編集者:増えるものでもないとは思いますが…この場合の増えるは何が増えるか分からないし多分減らしていった方が良い気がするので声に出して言うのは止めておこうと思いましたとでも言うと思いましたか?
作家:どうしたんだい土橋君、ちょっと働き過ぎで疲れているのではないかね?
編集者:…ま、さか働かない先生に働き過ぎを心配されるなんて思いませんでした
作家:えぇ…私だって人並みに心配する事くらいあるさ
編集者:では、人並みに仕事もして下さいよ
作家:…ふ-む、寝酒に酔ってるからか話が上手く聞こえないな
編集者:さっきまでバリバリ会話してたじゃないですか…それに私は空腹を寝て誤魔化しているので睡眠は足りてますし疲れもお金も溜まってません
作家:そうか…土橋君は金欠だったね、可哀想に
編集者:誰のせいだ
作家:私のせいかもしれないが私のせいでは無いかもしれない
編集者:オ-ダ-入りまーす先生の財布
作家:強盗じゃないか土橋君
編集者:金が無ぇんですよ先生…貴方のせいで…!と、言いたい所ですが冗談ですよ、ついでにさっきのも
作家:良かった、本当はお金持ちなんだね
編集者:それは冗談じゃなく、ホントです
作家:あ、そう…そんな土橋くんにお金を恵んであげよう
編集者:あぁ、ありがとうございます
作家:トイチでいいかい?
編集者:イヤですよ、くれる流れじゃないんですか?
作家:え?欲しいのかい?
編集者:えぇ、まぁ
作家:ではぁ…おねだりだねぇ
編集者:え-、分かりましたよ…そろそろやる気になって欲しいので本気のおねだりをしますよ
作家:ほほう、楽しみだねぇ
編集者:シラフなら出来ませんから、今日は特別ですよ?
編集者:では、コホン。先生……欲しいです…っ
作家:んふふ、?何が欲しいんだい?詳しく言ってくれないと分からないじゃないか
0:作った雰囲気を急に元に戻す編集者と、わざとらしいエセ関西弁で突っ込む作家。ここから酔いがいちばん強くなりはっちゃける。
編集者:…さっさと仕事して欲しいです
作家:なんでやねん!
編集者:なんですかそのエセな関西弁は…もう完全に出来上がってますね、私の酔いが酷くなる前に原稿も出来あげて下さいよ
作家:そうそうそう…原稿書きあげて-…ってワシは作家か!
編集者:はい作家ですう、紛うことなき
作家:作家って言う方が作家や!アンタが書かんかい!
編集者:編集者編集者、はいこれで私編集者!
作家:編集者やとぉ…ナニモンや!お主名を名乗れぃ!
編集者:土橋です!さっさと原稿書かんかい!
作家:誰が書くか!一体何様のつもりやねん!
編集者:編集者様で土橋様のつもりです!!
作家:っかァ-!なんやねんさっきからガミガミガミガミ…アンタは土橋か!
編集者:土橋です-!
0:作家の家、作家が机に、編集者がちゃぶ台に置いたパソコンに向かっている。
作家:あのさぁ
編集者:なんですか
作家:あのさ-
編集者:なんですか
作家:あのさあ
編集者:なんですか
作家:あ!の!さ!あ!
編集者:な!ん!で!す!か!
作家:さっきからボ-ッとしてないで返事してよ!
編集者:さっきから返事してるじゃないですか!ボ-ッとしてるのはそっちでした!
作家:…あ、断定しちゃうのね
編集者:えぇ、まぁ
作家:で、話って何?
編集者:話ですか?
作家:うん
編集者:え-と、私に対する話はなんですか先生?って話です
作家:お主、返すようになったな
編集者:先生の糞みたいな理不尽に何度も付き合わされてきましたから
作家:ぇぇ、酷いよ土橋君
編集者:略して糞理不(クソリフ)です
作家:あ、ホントにヒドイ…あ-もぅ120文字の短編呟き屋さんに転身しちゃうもんね!
編集者:え-…そういう事は原稿を1文字でも書いてから言ってくださいよ
作家:お主、返すようになったな
編集者:それさっきも言いました、ネタ切れですか?1文字も書いてないのにネタ切れですか?
作家:最近遠慮が無くなってきたね…土橋君
編集者:そりゃあ…これだけ休載しまくっていたら遠慮もなくなりますよ…
作家:進化してるんだね土橋君
編集者:先生は良いですね、これ以上退化しなくて
0:何か思いたった作家
作家:…よし、記念写真を撮ろう
編集者:どうしたんですか急に
作家:返すようになったなお主記念
編集者:逆にしただけじゃないですかその記念
作家:ささ、遠慮せずにググッとググッと!
編集者:何を!?飲み物じゃないんですから
0:飲み物を取ってくる作家、戻るなり寝転がる
作家:じゃあ茶菓子は無いけど…ちょっとまっててね………はい、お茶をどうぞ
編集者:あ、お構いなく…ってなんですかコレ?お茶にしては透き通ってますけど
作家:ああ、昨日ス-パ-で見つけてね。面白そうだから買ってみたのだよ
編集者:なるほど
作家:透明なカレ-、透明なコ-ラに次ぐ第3の透明、水道水さ
編集者:じゃあ水じゃないですか…まぁ喉乾いてるんでいただきますけど……
0:飲む編集者
編集者:…んっ!…これ…ぇっ!
作家:どうしたんだい土橋君!?もしかして腐ってたその焼酎!?
編集者:ですよね!やっぱ酒じゃないですか!
作家:第3の水道水、焼酎さ
編集者:なに酒臭い事言ってるんですか
作家:ふふ、酒臭いのは土橋君じゃないか
編集者:うるさいですよ…っていうかそもそもなんですか、返すようになった記念って
作家:いやぁ…成長したなぁって、物怖じしなくなったなぁって
編集者:それは…先生にも言われる権利くらいあるかなぁって思ったからです
作家:言われる権利?言う権利じゃなくて?
編集者:えぇ、これは原稿を全く出さない先生の自業自得ですから
作家:ひど-
編集者:酷くないです
0:ふてくされる作家
作家:…じゃあとりま-す
編集者:はいはい
作家:はいチ-ズ…インハンバ-グ定食です
編集者:え?
作家:こちら鉄板の方、分厚くなっておりますのでご注意下さい
編集者:分厚いだけですか、火傷はしないんですね
作家:これ実は動画で-す
編集者:えぇ…今更になって写真と見せ掛けて動画ネタですか…って早く撮ってくださいよ!!
作家:乗り気だねぇ、土橋くぅ-ん
編集者:早く終わらせて欲しいだけです
作家:そんなに撮って欲しいんなんて、これはオネダリしないとねぇ土橋君?
編集者:は?
作家:ほらほら土橋く-ん、どこを撮って欲しいんだい?
編集者:じゃあ…
作家:じゃあ-あ?
編集者:…その重すぎる筆を取ってください、手に。その手に!
作家:んもぉ!そういう事じゃないのに-
編集者:ないのにーじゃないです
作家:え-、はいパシャりんこ
編集者:あ、撮り方雑ですね…
作家:カキカキ…カキカキと
編集者:写真に落書きしてる暇があるなら原稿を書き上げて下さいよ
作家:落書きで?
編集者:物語で!
作家:あ、今の落書き見る?コレ
編集者:話を聞いてくださいよ…ってなんですかこれ?
0:落書きを読み上げる編集者
編集者:この編集者は私が育てました
編集者:…もしや私は野菜ですか
作家:もやし貴方は野菜です。言ったじゃない、成長の記念って
編集者:意味がわからないですよ
作家:出荷…しちゃう?
編集者:いえ、出稿…して下さい。書きなさいよ早く
作家:書くって何を?恥でいい?
編集者:もうそれは一生分掻いたでしょう先生、一体何生分掻くつもりですか?
作家:第5章、恥掻きの始まり
編集者:とっとと終わらせてください
作家:うーん…その心は?
編集者:こちら書かれてない原稿用紙の方、分厚くなっておりますのでご注意下さい
0:雑に突っ込む作家
作家:分厚いだけか-い!
編集者:それが問題なんですよ!
作家:問題って…どこからどこまでだい?
編集者:全部ですよ全部!
作家:え-、最初から最後まで?
編集者:はぁい!
作家:1から10まで?
編集者:はあい!
作家:作家から編集者まで?
編集者:私関係ないじゃないですか!先生だけですよ!先生の中で全部完結させてください!
作家:えぇ-、引き継ごうよぉ土橋く-ん
0:早口で畳み掛ける編集者
編集者:引き続きません、代わりに書きません、ゴ-ストライタ-もしません、以上です!
作家:…
編集者:……な、なんですか…急に黙って
作家:ん?あぁ、ごめん聞いてないフリをしていたよ
編集者:じゃあ聞いてるんじゃないですか
作家:そうだよぉ、聞いていたよぉ?最初から最後まで聞いてたよ-?
編集者:それは良かったです
作家:1から10まで聞いてたよ-?
編集者:えぇ、分かりましたから
作家:ゴ-ストからライタ-まで聞いてたよ-?
編集者:それ私じゃないですか!?
作家:そうさ!やってくれるね?
編集者:やりませんよ、それにゴ-ストからライタ-なんて言ってないし
作家:思ってるけど言えない事を察する人というのは、素敵だと思わないかい?
編集者:そうですねぇ…思ってもない事を無理やり汲み取った振りをして、原稿を仕上げない人というのは素敵だとは思わないやい
作家:もっと思ってくれないかい?土橋君
編集者:ええ、思ってませんが怒ってます
作家:なぜだい!?
編集者:先生が一文字も原稿を書かないからですよ
作家:そんな事無いさ、書けてはいるよ?
編集者:いえ、先生が欠けているのはプロの意識です
作家:どこに行ったのだろうね…プロ意識
編集者:さあ…自分で言ってなんですが、もしかしたら初めから無かったのかも知れません
作家:うーん…それはその通りだね
編集者:自覚あったんですか
作家:…人は誰でも最初はプロじゃない
編集者:なるほど?
作家:セミプロさ
編集者:な訳ないです
作家:努力に努力を重ねて、その結果やがてプロになるのだよ土橋君
編集者:じゃあ努力をしてくださいよ
作家:私はいいのだよ
編集者:なんですかその「お母さんは良いの」的なルール無視の流れは
作家:なぜならプロになり終えたからね、プロになる為の努力はいらないのさ
0:自分で自分に反論する作家
作家:それは違うんじゃないかな
編集者:は?
作家:プロになったらなったで、プロで居続ける為の努力を続けなくてはならないのだよ
編集者:私何も言ってないですよ
作家:プロは何時でも次のステ-ジに進化する為に努力を続ける姿勢、それがプロとしての意識なのだよ土橋君
編集者:あぁ一人二役だ…
作家:分かったかい?
編集者:ええ分かりましたよ先生、ではその努力を続ける姿勢とやらを見せてもらいましょうか
作家:ん?あぁ、見せてるとも、ほら
編集者:どこがですか!酒取ってきたっきり寝っ転がっているだけじゃないですか!机に向かって!努力して下さいよ!
作家:ふぅ、あのね土橋君、プロの意識は努力を続ける姿勢、あくまで姿勢、実際に努力をする訳じゃないのだよ
編集者:屁理屈は良いから書!け!
作家:えぇ…そんな強引な…土橋君、私作家様だよ?
編集者:じゃあ私は編集者様です、書きなさい先生?
作家:嫌です
編集者:嫌って…
作家:黙秘します
編集者:何を!?
作家:アイデアを
編集者:アイデアあるなら出してくださいよ!そこのペンで!この原稿用紙に!
作家:まだ温めておかないかい?石の上にも三年くらい
編集者:もう十分温まってますから!アツアツですから!アイデアの方大変熱くなってるので注意するくらい温まってますから!
作家:うーん…と言われてもね…
編集者:なんですか、何か問題でも?
作家:それがね…アイデアはないのだよ、黙秘すると言っただけでアイデアは本当はないのだよ土橋君
編集者:また嘘つきですか先生?嘘つきのプロなんですか?
作家:ふむ、バレては仕方がないね、実は作家というのは世を忍ぶ仮の姿…
編集者:適当な事を言わないで下さい。先生は立派な作家です
作家:え?本当かい?立派?私立派?
編集者:ええ、立派に先生です。が、先生としては不立派です
作家:そんな風に言わんでも…モチベ-ションが無くなってしまうよ
編集者:そういう事は無くなるモチベ-ションがある人が言う事です。先生ないじゃないですか
作家:これも…仕方が無いことなのかもしれないね
編集者:え…?
作家:というのもね土橋君、今まで使っていたテキスト管理ソフトが提供を終了してしまい、慣れない新ソフトに苦戦して原稿どころでは無いのだよ
編集者:え、先生は打ち込みではなく原稿用紙派ですよね?
作家:あれ?言っていなかったかい?私は書いた原稿をパソコンにも保存する派なのだよ?
編集者:そうでしたっけ?私先生がパソコンでそんな事してる所見たことないですよ?
作家:それは、土橋君が私の編集になってからこれといった物を書いてはいないからね
編集者:ああやっぱり…道理で
作家:理解が早くて助かるよ、流石プロの編集君だ
編集者:編集で無くても誰でも分かりますよ、筆を進めてないという単純な理由なんですから
作家:まあそう褒めんでくれたまえ土橋君
編集者:いいじゃないですか、たまには
作家:あ全然突っ込んでくれない…構っておくれよ土橋くぅうん
編集者:そんな事より、先生も原稿に構ってあげてくださいよ
作家:そんな事って…原稿は反抗期だから構ってくれないのだよ
編集者:私には先生が私に反抗してる様に見えますが
作家:サボタ-ジュ…というヤツさ
編集者:それ普段働いている人がするから効果があるのであって、先生なにもしてないじゃないですか…ただの通常運転ですよ
作家:おや、だとしたら酒気帯び運転になってしまうね
編集者:飲んでんのか!?
作家:君が来る前に寝酒をしようとしたら酔ってしまってね
編集者:寝酒をしようとしたからじゃないですかね?道理で酒臭かった訳です
作家:その通りだ、おやすみ土橋君
編集者:寝ないで下さいよ先生、全く昼間っから飲んで昼間っから寝て、仕事はしない。こういうのをなんて言うか知ってますか?
作家:最高の休日?
編集者:違います
作家:ではソムリエの平日だね
編集者:違います、違いまくります。怠惰です、思いっきりの怠惰です
0:怠惰と代打に発音のアクセントを置く作家
作家:では怠惰な作家に変わりまして、代打は土橋君という事で
編集者:何を変われと?仕事?変わるわけないじゃないですか、自分でやって下さいよ
作家:ゴ-ストライナ-期待してるよ土橋君?
編集者:浮遊霊の割に低い弾道ですね
作家:まるで私の連載ペ-スのようだね…フフフ少し自虐をしてしまったよ
編集者:え、今の自虐だったんですか?
作家:そうだとも…おや、もしかして謙虚に見えていたのかな?
編集者:いえ、自画自賛だと思ってました
作家:あ、あれ…?
編集者:先生、この際じゃなくてもハッキリ言い続けますけども
作家:ずっと言うんだね…
編集者:もちろんです。先生の連載ペ-スでは低い弾道どころか即バウンドです、むしろ土に埋まってます、右肩下がりです
作家:という事は左肩上がりという事かね?
編集者:それ昔は良かったって言ってる年寄りじゃないですか
作家:年寄りって…ま、まだ若いつもりなんだがね…
編集者:それに昔が良かった訳でもなくて、今日より明日がマイナスに傾く怠惰な日々を何年も送り続けた結果という話です
作家:よくスラスラ言えるね土橋君…まるで台本暗記レベルだよ…
編集者:そうですかね?
作家:そうだとも、まるで常々思っていた事を口に出せるチャンスのようじゃないか
編集者:よく分かりましたね
作家:まだ若いつもりに対する返答がなかったからね、寂しかったよ土橋く-ん
0:あしらう様に言う編集者
編集者:えぇ…あ-、えぇ、若いっすよ先生
作家:本当かい?嬉しいなぁ、私もまだまだ現役!お年寄りには負けないよ土橋君!
編集者:威張って言う事ですかねそれは…
作家:まあいいじゃないか、減るものでも無いんだ
0:一息で平坦に言い切る編集者
編集者:増えるものでもないとは思いますが…この場合の増えるは何が増えるか分からないし多分減らしていった方が良い気がするので声に出して言うのは止めておこうと思いましたとでも言うと思いましたか?
作家:どうしたんだい土橋君、ちょっと働き過ぎで疲れているのではないかね?
編集者:…ま、さか働かない先生に働き過ぎを心配されるなんて思いませんでした
作家:えぇ…私だって人並みに心配する事くらいあるさ
編集者:では、人並みに仕事もして下さいよ
作家:…ふ-む、寝酒に酔ってるからか話が上手く聞こえないな
編集者:さっきまでバリバリ会話してたじゃないですか…それに私は空腹を寝て誤魔化しているので睡眠は足りてますし疲れもお金も溜まってません
作家:そうか…土橋君は金欠だったね、可哀想に
編集者:誰のせいだ
作家:私のせいかもしれないが私のせいでは無いかもしれない
編集者:オ-ダ-入りまーす先生の財布
作家:強盗じゃないか土橋君
編集者:金が無ぇんですよ先生…貴方のせいで…!と、言いたい所ですが冗談ですよ、ついでにさっきのも
作家:良かった、本当はお金持ちなんだね
編集者:それは冗談じゃなく、ホントです
作家:あ、そう…そんな土橋くんにお金を恵んであげよう
編集者:あぁ、ありがとうございます
作家:トイチでいいかい?
編集者:イヤですよ、くれる流れじゃないんですか?
作家:え?欲しいのかい?
編集者:えぇ、まぁ
作家:ではぁ…おねだりだねぇ
編集者:え-、分かりましたよ…そろそろやる気になって欲しいので本気のおねだりをしますよ
作家:ほほう、楽しみだねぇ
編集者:シラフなら出来ませんから、今日は特別ですよ?
編集者:では、コホン。先生……欲しいです…っ
作家:んふふ、?何が欲しいんだい?詳しく言ってくれないと分からないじゃないか
0:作った雰囲気を急に元に戻す編集者と、わざとらしいエセ関西弁で突っ込む作家。ここから酔いがいちばん強くなりはっちゃける。
編集者:…さっさと仕事して欲しいです
作家:なんでやねん!
編集者:なんですかそのエセな関西弁は…もう完全に出来上がってますね、私の酔いが酷くなる前に原稿も出来あげて下さいよ
作家:そうそうそう…原稿書きあげて-…ってワシは作家か!
編集者:はい作家ですう、紛うことなき
作家:作家って言う方が作家や!アンタが書かんかい!
編集者:編集者編集者、はいこれで私編集者!
作家:編集者やとぉ…ナニモンや!お主名を名乗れぃ!
編集者:土橋です!さっさと原稿書かんかい!
作家:誰が書くか!一体何様のつもりやねん!
編集者:編集者様で土橋様のつもりです!!
作家:っかァ-!なんやねんさっきからガミガミガミガミ…アンタは土橋か!
編集者:土橋です-!