台本概要
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タイトル | 悋気の雁首1 |
---|---|
作者名 | あかおう (@akaouwaikasuki) |
ジャンル | ホラー |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
|°ω°ᔨ女の嫉妬は怖いね。悋気=江戸時代の言葉で嫉妬の意味です。 演じるのが難しければ2の方をおすすめします。 こちらは悋気というものに喰らい付く妖怪のようなものの話です。 悋気という概念に引き寄せられ、それを喰う事で生きている何かしらの生き物です。 好きに解釈して楽しんで頂けると幸いです。 2ではキャラ付けしているので1がやりにくければ2をおすすめします。 【声劇・配信での使用/連絡不要】 ★配信での投げ銭が発生する場合でも連絡不要です。 ★あなたの気が向いたら・・・(励みになるのでいずれかしてくれたら嬉しいな♪しなくてもOK) →シナリオタイトル横の「つぶやく」を押してご自身のTwitterでツイートする。 →赤王(@akaouwaikasuki)メンションでご自身のTwitterでツイートする。 →赤王のツイッターの該当するシナリオのツイートにいいねする。 →赤王のツイッターの該当するシナリオのツイートをRT。 →その他思いやりある行動で大切にしてくださったら嬉しいです。 【禁止事項】 ★ライターの呼び捨て表記。 ★盗作・自分が書きましたと言う行為。 ★無断で一部分を切り取っての使用や投稿。 ★上記以外で赤王が非常識と判断した行動・表記。 以上をされた方は即ブロックさせて頂き、以降赤王のシナリオ使用を禁止とさせて頂きます。 【YouTube・舞台・朗読等入場料を取る場合】 連絡必須:許可が下りるまで使用しないでください。 468 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
男 | 不問 | 20 | |
女 | 不問 | 19 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。
女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。
男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか?
0:
女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。
男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、女の面構えが手本。
女:「女の腐ったの」だなんて古臭い言葉はあるが、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)る。
男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇ。お前のそんな姿。
女:そうは言っても、欲しがる女に男は抗(あらが)えるはずもない。
男:はぁ・・・。なぜだ。狂ったようにむしゃぶりつく。しかし妖艶で・・・目が離せない。
女:手に入らない。思い通りにならない。
男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないという顔を作り、はらわたを煮えくり返らせる。
女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなっていって。
男:その溢れた汁を男は笑いながらすするんだ・・・。
女:ああ嫌だ嫌だ。こんなにも愛しているのに、目の前の男には何一つ伝わっていない。
男:苦しい。悔しい。殺してやりたい。
女:一生繋がれるのなら。あんたの本当の名前を知れるなら、私はなんだってする。
男:燃える女の目が怖い。怖いのに目が離せない。すぐにでも離れたい。逃げ出したい。それなのになぜか・・・離れられない。
女:どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がったのだから、あとはあんたの人生と繋がりたい。
男:来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ?
女:それでも。女は来世まで繋がろうとする生き物さ。
男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。
男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか?
男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。
女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。
男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。
男:・・・バケモンだ。
女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。
男:心を繋げればいいじゃねぇか。
女:女は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。
男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。
女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。
男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。
女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。
男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。
0:
男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。
女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・
男:女は生きている。
女:男も生きている。
男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。
女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。
男:永遠に味わいながら・・・・。
0:
女:(不気味に笑う)
男:(女と同じく不気味に笑う)
0:
0:
0:
女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。
女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。
男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか?
0:
女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。
男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、女の面構えが手本。
女:「女の腐ったの」だなんて古臭い言葉はあるが、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)る。
男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇ。お前のそんな姿。
女:そうは言っても、欲しがる女に男は抗(あらが)えるはずもない。
男:はぁ・・・。なぜだ。狂ったようにむしゃぶりつく。しかし妖艶で・・・目が離せない。
女:手に入らない。思い通りにならない。
男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないという顔を作り、はらわたを煮えくり返らせる。
女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなっていって。
男:その溢れた汁を男は笑いながらすするんだ・・・。
女:ああ嫌だ嫌だ。こんなにも愛しているのに、目の前の男には何一つ伝わっていない。
男:苦しい。悔しい。殺してやりたい。
女:一生繋がれるのなら。あんたの本当の名前を知れるなら、私はなんだってする。
男:燃える女の目が怖い。怖いのに目が離せない。すぐにでも離れたい。逃げ出したい。それなのになぜか・・・離れられない。
女:どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がったのだから、あとはあんたの人生と繋がりたい。
男:来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ?
女:それでも。女は来世まで繋がろうとする生き物さ。
男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。
男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか?
男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。
女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。
男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。
男:・・・バケモンだ。
女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。
男:心を繋げればいいじゃねぇか。
女:女は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。
男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。
女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。
男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。
女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。
男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。
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男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。
女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・
男:女は生きている。
女:男も生きている。
男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。
女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。
男:永遠に味わいながら・・・・。
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女:(不気味に笑う)
男:(女と同じく不気味に笑う)
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