台本概要

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タイトル 悋気の雁首1
作者名 あかおう  (@akaouwaikasuki)
ジャンル ホラー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 |°ω°ᔨ女の嫉妬は怖いね。悋気=江戸時代の言葉で嫉妬の意味です。
演じるのが難しければ2の方をおすすめします。

こちらは悋気というものに喰らい付く妖怪のようなものの話です。
悋気という概念に引き寄せられ、それを喰う事で生きている何かしらの生き物です。
好きに解釈して楽しんで頂けると幸いです。
2ではキャラ付けしているので1がやりにくければ2をおすすめします。

【声劇・配信での使用/連絡不要】
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【YouTube・舞台・朗読等入場料を取る場合】
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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 20
不問 19
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。 女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。 男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか? 0: 女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。 男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、女の面構えが手本。 女:「女の腐ったの」だなんて古臭い言葉はあるが、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)る。 男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇ。お前のそんな姿。 女:そうは言っても、欲しがる女に男は抗(あらが)えるはずもない。 男:はぁ・・・。なぜだ。狂ったようにむしゃぶりつく。しかし妖艶で・・・目が離せない。 女:手に入らない。思い通りにならない。 男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないという顔を作り、はらわたを煮えくり返らせる。 女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなっていって。 男:その溢れた汁を男は笑いながらすするんだ・・・。 女:ああ嫌だ嫌だ。こんなにも愛しているのに、目の前の男には何一つ伝わっていない。 男:苦しい。悔しい。殺してやりたい。 女:一生繋がれるのなら。あんたの本当の名前を知れるなら、私はなんだってする。 男:燃える女の目が怖い。怖いのに目が離せない。すぐにでも離れたい。逃げ出したい。それなのになぜか・・・離れられない。 女:どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がったのだから、あとはあんたの人生と繋がりたい。 男:来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ? 女:それでも。女は来世まで繋がろうとする生き物さ。 男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。 男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか? 男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。 女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。 男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。 男:・・・バケモンだ。 女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。 男:心を繋げればいいじゃねぇか。 女:女は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。 男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。 女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。 男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。 女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。 男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。 0: 男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。 女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・ 男:女は生きている。 女:男も生きている。 男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。 女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。 男:永遠に味わいながら・・・・。 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0: 0: 0:

女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。 女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。 男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか? 0: 女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。 男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、女の面構えが手本。 女:「女の腐ったの」だなんて古臭い言葉はあるが、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)る。 男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇ。お前のそんな姿。 女:そうは言っても、欲しがる女に男は抗(あらが)えるはずもない。 男:はぁ・・・。なぜだ。狂ったようにむしゃぶりつく。しかし妖艶で・・・目が離せない。 女:手に入らない。思い通りにならない。 男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないという顔を作り、はらわたを煮えくり返らせる。 女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなっていって。 男:その溢れた汁を男は笑いながらすするんだ・・・。 女:ああ嫌だ嫌だ。こんなにも愛しているのに、目の前の男には何一つ伝わっていない。 男:苦しい。悔しい。殺してやりたい。 女:一生繋がれるのなら。あんたの本当の名前を知れるなら、私はなんだってする。 男:燃える女の目が怖い。怖いのに目が離せない。すぐにでも離れたい。逃げ出したい。それなのになぜか・・・離れられない。 女:どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がったのだから、あとはあんたの人生と繋がりたい。 男:来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ? 女:それでも。女は来世まで繋がろうとする生き物さ。 男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。 男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか? 男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。 女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。 男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。 男:・・・バケモンだ。 女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。 男:心を繋げればいいじゃねぇか。 女:女は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。 男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。 女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。 男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。 女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。 男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。 0: 男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。 女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・ 男:女は生きている。 女:男も生きている。 男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。 女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。 男:永遠に味わいながら・・・・。 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0: 0: 0: