台本概要

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タイトル 悋気の雁首2~狂い花弁~
作者名 あかおう  (@akaouwaikasuki)
ジャンル ホラー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 |°ω°ᔨ1をちょっと花街向けにしたものです。

【声劇・配信での使用/連絡不要】
★配信での投げ銭が発生する場合でも連絡不要です。
★あなたの気が向いたら・・・(励みになるのでいずれかしてくれたら嬉しいな♪しなくてもOK)
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【禁止事項】
★ライターの呼び捨て表記。
★盗作・自分が書きましたと言う行為。
★無断で一部分を切り取っての使用や投稿。
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【YouTube・舞台・朗読等入場料を取る場合】
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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 47
不問 45
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
男:おい、起きろ。一体いつまで眠っているつもりだ。 女:うるさいね、口を開けば「起きろ」だの「働け」だの。やかましいったらないね。 男:それが俺の仕事みたいなもんだ。 女:仕事・・・?バカな事いってんじゃないよ。アンタをまともに相手する奴なんて、余程気が狂った奴か・・・私ぐらいのもんだろう? 男:(不気味に笑う)違いない。 女:さて、そろそろ「仕事」するかね。今日はマシなのが「居る」んだろうね? 男:さぁねぇ・・・「入って」みなけりゃ分からねぇさ。 女:「入って」・・・・。ああ・・・ゾクゾクしてきた。 男:まだ早い。 女:私は「入る」あの瞬間が好きなんだ。 男:少しは手加減したらどうだ? 女:嫌だね。 男:まぁ・・・いつもの事か。 女:そうそう。諦めな。ものごとは諦めた方が上手くいく事の方が多い。 男:さぁ・・・いくぞ。 女:あいよ。 0: 0: 0: 女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。 女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。 男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか? 男:同じような顔揃えて、並んでる事を言う事もある。「雁首揃えて」なんてな。 男:集まり立ち並び。汚ねぇ雁首揃えて、恥ずかしげもなく、よく生きていられる。 0: 女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。 男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、「女の腐った」面構えが手本。 女:「女の腐ったの」だなんて、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)ってる。それだけのことさ。 男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇよ。お前のそんな姿。 女:そうは言っても、欲しがる私にアンタは抗(あらが)えるはずもない。 男:はぁ・・・。なぜだ。なぜなんだ。なぜお前はそんなにも美しい。俺は狂ったようにむしゃぶりつく。目が離せなくなる。 男:男だろうと女だろうと、お前に触れている者は八つ裂きにしてやりたくなる。 女:ああ、手に入らない。思い通りにならない。 男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないと言いながら、頭ん中はハラワタ煮えくり返ってやがる。 女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなる。 男:その溢れた汁を、俺は自らの根っこでかき回し、笑いながらすするんだ・・・。 女:ああああああああああああ!!!もう嫌!嫌!!嫌!!!!! 女:髪の毛一本、爪の先まで手に入れたい!!!! 女:私はこんなにも自分を犠牲にしているのに。どうして・・・?どうして振り向いてもくれない? 男:苦しいかい?悔しいかい?いっそ一思いにしてやりたいかい? 女:ああ・・・そうだね・・・・ 女:一生繋がれるのなら。あの人の本当の名前を知れるのなら、私はなんだってする。 女:咥(くわ)えたくもないもんも、悦んで咥(くわ)えるよ。 女:なぶられ続けたって、まるで天女みたいに微笑んでやるさ。 男:どうした・・・?何があった?燃えるお前の目が怖い。怖いのに目が離せない。 男:すぐにでも離れたい。この恐怖はどこからくるんだ?ああ、おぞましい、逃げ出したい。 男:しかしなぜだ・・・お前から離れられない。 女:ああ、どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がった。・・・あとはあの人の人生と繋がりたい。 男:どうした?来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ? 女:それでも。私は来世まで繋がろうとする生き物さ。 男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。 男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか? 男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。 女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。 男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。 男:・・・バケモンだ。 女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。 男:心を繋げればいいじゃねぇか。 女:私は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。 男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。 女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。 男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。 女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。 男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。 0: 男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。 女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・ 男:女は生きている。 女:男も生きている。 男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。 女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。 男:永遠に味わいながら・・・・。 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0: 男:さぁ相棒。ここからが勝負だ。時間が無いぞ。 女:ああ。上手く入り込めた。もう手も足も心すら私の思うがままだ。 男:あと少し・・・あと少しでこいつらは闇に堕ちる。 女:そうそう、あと少し、あと少しだよ? 男:もっと醜く、もっと美しく。 女:人間の醜さほど美しいものはない。 男:ああ、なんて美しいんだ。 女:おやおや、首を絞め始めた。 男:くっくっくっ・・・およそ女の力とは思えないねぇ 女:当然さ。私が手を貸してやってんだ。 男:おお、男が泡を吹いた。 女:ふふふ・・くはははは・・・・ 男:・・・・おや。女の方が泣いている。 女:死んだからかね? 男:いや?ちょっと違うな・・・・ 女:ああ・・・なんだこれは・・・湧き上がる。湧き上がるような感情が・・・おおおお・・・・ゾクゾクする・・・・ 男:・・・ふっ・・・。死人に跨る(またがる)たぁ、良い趣味してやがる。 女:やっと・・・やっと繋がれたんだよ。 男:・・・なぜ生きている内に繋がろうとしなかった。 女:これがこの女の、最大の愛情表現なんだ。仕方ないだろう。 男:生きていては・・・ダメなのか。 女:ああ、ダメだね。生きていたら、この男は誰かのモノになる。 男:おお、恐ろしい・・・とてもじゃないが理解に苦しむ。・・・おぞましい・・・。 女:・・・・これでもう一生、どうあがいてもどの女もこの男と通じる事はない・・・・なんて幸せなんだろうね・・・・感じる・・・感じるよ・・・ 男:・・・気色の悪い・・・・ 女:アンタにゃ理解できないさ・・・これも女が悋気(りんき)の末の・・・愛なんだから・・・・。 男:さぁ、今日も簡単だったな。 女:そうだね。もっと私を骨の髄から痺れさせるような奴はいないもんかね。腹が減って仕方がない。 男:安心しろ。悋気(りんき)がこの世から消える事などない。 女:ふふふ・・・そうさね。消える事はない。 男:ああ、悋気(りんき)がこの世にある限り、俺たちは腹を空かせる事はない。 女:うふふ・・・うふふふ・・・・もっと、もっと濃くて、脳がとろけるような悋気(りんき)が欲しい。 男:おお・・・美しい・・・お前が悋気(りんき)を欲しがるその醜い顔。この世で一番美しい・・・ 女:おや・・・ちょっと、「入って」いくかい? 男:ああ・・・お手柔らかに頼むよ・・・・? 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0:

男:おい、起きろ。一体いつまで眠っているつもりだ。 女:うるさいね、口を開けば「起きろ」だの「働け」だの。やかましいったらないね。 男:それが俺の仕事みたいなもんだ。 女:仕事・・・?バカな事いってんじゃないよ。アンタをまともに相手する奴なんて、余程気が狂った奴か・・・私ぐらいのもんだろう? 男:(不気味に笑う)違いない。 女:さて、そろそろ「仕事」するかね。今日はマシなのが「居る」んだろうね? 男:さぁねぇ・・・「入って」みなけりゃ分からねぇさ。 女:「入って」・・・・。ああ・・・ゾクゾクしてきた。 男:まだ早い。 女:私は「入る」あの瞬間が好きなんだ。 男:少しは手加減したらどうだ? 女:嫌だね。 男:まぁ・・・いつもの事か。 女:そうそう。諦めな。ものごとは諦めた方が上手くいく事の方が多い。 男:さぁ・・・いくぞ。 女:あいよ。 0: 0: 0: 女:悋気(りんき)っていうのはね、主に女が男にするヤキモチの事さね。 女:ことわざにもあるんだ。「徒(あだ)の悋気(りんき)」って言ってね、自分とは何の関わりもない他人に妬く事。 男:雁首(がんくび)ってぇのはな、キセルの火皿(ひざら)の頭んとこ。ここに刻みタバコを詰めて火ぃつけるんだ。わかるか? 男:同じような顔揃えて、並んでる事を言う事もある。「雁首揃えて」なんてな。 男:集まり立ち並び。汚ねぇ雁首揃えて、恥ずかしげもなく、よく生きていられる。 0: 女:嫌だ嫌だね。みっともない。女の悋気(りんき)ほど醜いものはない。 男:まるで般若(はんにゃ)の面だ。ありゃあ元々、嫉妬や恨みの篭(こも)った、「女の腐った」面構えが手本。 女:「女の腐ったの」だなんて、元々女はどこかしら腐ってんだ。それを厚化粧で隠して、男に跨(またが)ってる。それだけのことさ。 男:ああ、反吐(へど)が出る。もう見たかねぇよ。お前のそんな姿。 女:そうは言っても、欲しがる私にアンタは抗(あらが)えるはずもない。 男:はぁ・・・。なぜだ。なぜなんだ。なぜお前はそんなにも美しい。俺は狂ったようにむしゃぶりつく。目が離せなくなる。 男:男だろうと女だろうと、お前に触れている者は八つ裂きにしてやりたくなる。 女:ああ、手に入らない。思い通りにならない。 男:見ているだけと言いながら、嫉妬(しっと)などしていないと言いながら、頭ん中はハラワタ煮えくり返ってやがる。 女:やがて自分の狂った嫉妬が躰(からだ)中から溢れて止まらなくなる。 男:その溢れた汁を、俺は自らの根っこでかき回し、笑いながらすするんだ・・・。 女:ああああああああああああ!!!もう嫌!嫌!!嫌!!!!! 女:髪の毛一本、爪の先まで手に入れたい!!!! 女:私はこんなにも自分を犠牲にしているのに。どうして・・・?どうして振り向いてもくれない? 男:苦しいかい?悔しいかい?いっそ一思いにしてやりたいかい? 女:ああ・・・そうだね・・・・ 女:一生繋がれるのなら。あの人の本当の名前を知れるのなら、私はなんだってする。 女:咥(くわ)えたくもないもんも、悦んで咥(くわ)えるよ。 女:なぶられ続けたって、まるで天女みたいに微笑んでやるさ。 男:どうした・・・?何があった?燃えるお前の目が怖い。怖いのに目が離せない。 男:すぐにでも離れたい。この恐怖はどこからくるんだ?ああ、おぞましい、逃げ出したい。 男:しかしなぜだ・・・お前から離れられない。 女:ああ、どうやって繋がろう。もう繋がれる場所は全部繋がった。・・・あとはあの人の人生と繋がりたい。 男:どうした?来世でも語ろうってぇのか?来世なんてどこにもないぜ? 女:それでも。私は来世まで繋がろうとする生き物さ。 男:バカバカしい。一体毎日どれだけの人間が向こう側へ行っていると思うんだ。 男:順番を待っているとしたら、随分早いお帰りじゃないか? 男:愛しい男の横に生まれ変わる為に、並んだ仏さんに横入りでもするのか?生まれる前から随分と性格がいいこった。 女:それでもいい、それでもいいんだ。狂うように愛する男の為なら、空気すら要らない女はいる。 男:気色の悪い生き物だ。魚ですら空気を欲しがるのに。そりゃあもう、人間でもなんでもない。 男:・・・バケモンだ。 女:何と言われようと構わないさね。愛おしくて仕方ないその男の躰(からだ)の、血も肉も自分に取り込んでしまいたいんだ。 男:心を繋げればいいじゃねぇか。 女:私は確かなものを欲しがる。自分が醜ければ醜いほどに。それはそれは大きくて大量の確かなものをね。 男:・・・そのへんの女が二人、三人並べば、それは全て「悋気(りんき)の雁首(がんくび)」。 女:蝶のように花のように振舞った所で、肉片の内側は泥と血が憎悪で凝り固まって、今にも腐り落ちそうだ。 男:それでも女は悋気(りんき)する。己(おのれ)の般若のような顔面など見なかった振りをして。 女:悋気(りんき)するのは・・・。相手が蝶や花にしか見えない。見せないようにしている自分だとも気が付かず。 男:悋気(りんき)は自分の中から起こる。起こしている。 0: 男:女は死してなお、悋気(りんき)に踊らされる。 女:それでもいい、何も見えなくなってもいい。淀(よど)む腕(かいな)に、ありったけの肉片を詰めて・・・・ 男:女は生きている。 女:男も生きている。 男:そして気が付かぬまま、消えていくがいい。 女:躰(からだ)の外側と内側が入れ替わる程の苦しみを。 男:永遠に味わいながら・・・・。 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0: 男:さぁ相棒。ここからが勝負だ。時間が無いぞ。 女:ああ。上手く入り込めた。もう手も足も心すら私の思うがままだ。 男:あと少し・・・あと少しでこいつらは闇に堕ちる。 女:そうそう、あと少し、あと少しだよ? 男:もっと醜く、もっと美しく。 女:人間の醜さほど美しいものはない。 男:ああ、なんて美しいんだ。 女:おやおや、首を絞め始めた。 男:くっくっくっ・・・およそ女の力とは思えないねぇ 女:当然さ。私が手を貸してやってんだ。 男:おお、男が泡を吹いた。 女:ふふふ・・くはははは・・・・ 男:・・・・おや。女の方が泣いている。 女:死んだからかね? 男:いや?ちょっと違うな・・・・ 女:ああ・・・なんだこれは・・・湧き上がる。湧き上がるような感情が・・・おおおお・・・・ゾクゾクする・・・・ 男:・・・ふっ・・・。死人に跨る(またがる)たぁ、良い趣味してやがる。 女:やっと・・・やっと繋がれたんだよ。 男:・・・なぜ生きている内に繋がろうとしなかった。 女:これがこの女の、最大の愛情表現なんだ。仕方ないだろう。 男:生きていては・・・ダメなのか。 女:ああ、ダメだね。生きていたら、この男は誰かのモノになる。 男:おお、恐ろしい・・・とてもじゃないが理解に苦しむ。・・・おぞましい・・・。 女:・・・・これでもう一生、どうあがいてもどの女もこの男と通じる事はない・・・・なんて幸せなんだろうね・・・・感じる・・・感じるよ・・・ 男:・・・気色の悪い・・・・ 女:アンタにゃ理解できないさ・・・これも女が悋気(りんき)の末の・・・愛なんだから・・・・。 男:さぁ、今日も簡単だったな。 女:そうだね。もっと私を骨の髄から痺れさせるような奴はいないもんかね。腹が減って仕方がない。 男:安心しろ。悋気(りんき)がこの世から消える事などない。 女:ふふふ・・・そうさね。消える事はない。 男:ああ、悋気(りんき)がこの世にある限り、俺たちは腹を空かせる事はない。 女:うふふ・・・うふふふ・・・・もっと、もっと濃くて、脳がとろけるような悋気(りんき)が欲しい。 男:おお・・・美しい・・・お前が悋気(りんき)を欲しがるその醜い顔。この世で一番美しい・・・ 女:おや・・・ちょっと、「入って」いくかい? 男:ああ・・・お手柔らかに頼むよ・・・・? 0: 女:(不気味に笑う) 男:(女と同じく不気味に笑う) 0: