台本概要

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タイトル 黒魔術協会
作者名 読川詩朗
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男2、女1、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 過去に投稿した単発のシナリオ
なぁんと言うかフワッと思い出したけど
主人公の二人タロスとアスクレはペストマスク紳士とゴスロリ幼女みたいな感じ(=゚ω゚)

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
タロス 83 ペストマスクをつけたスーツ着た男性
アスクレ 123 ゴスロリの様な服を着てる幼女だけど…って感じ
ゴーン 67 やられやくのそんちょうさん
ヘラ 不問 29 男だけど見た目が美少女みたいだから声はどっちゃでもよろしい
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:黒魔術協会にて ヘラ:おい!タロス! タロス:・・・。 ヘラ:タロス!! タロス:・・・。 ヘラ:チッ・・じゃあお前じゃなくていい。アスクレ!! アスクレ:なにかしら ヘラ:何かしら。じゃないわよ!すました顔で!ほら、これ 0:手紙を渡すヘラ アスクレ:タロス。 タロス:はい。お嬢様 0:ヘラの手紙を受け取るタロス ヘラ:こいつ・・ アスクレ:読み上げなくていいわ。仕事ね。タロス行くわよ タロス:かしこまりました。お嬢様 0:歩き出す二人 ヘラ:あ、おい!もう行くのかよ! アスクレ:えぇ。ここに居たら貴方のうるさい声毎日聞かないといけないし。 ヘラ:あぁ!? アスクレ:そうね、五日後の夜にここに来なさい 0:折った紙を渡すアスクレ ヘラ:なにこれ? アスクレ:それじゃ。行くわよタロス タロス:はい。お嬢様 0:ガチャガチャと荷物を持って歩き出す ヘラ:気を付けていってこいよ! 0:手をひらりと振るアスクレ アスクレ:いらぬ心配よ ヘラ:あぁ!? 0:とある村近くの森 タロス:もうまもなく到着しますお嬢様 0:大きなカバンを持ち歩くタロス アスクレ:そう。荷物持ちご苦労だったわタロス タロス:いえ。お嬢様の御手を煩わせるわけにはいきませんので。これくらいは何ともございません アスクレ:そう。 0:小さな村に着く二人 タロス:こちらですね。 0:村の看板を指さすタロス アスクレ:・・・。 ゴーン:お待ちしておりまし・・・うわぁ! 0:タロスを見て驚くゴーン アスクレ:驚かれてるわね タロス:そのようですね。 ゴーン:す・・すみません。見慣れてないものを見るとつい・・・ タロス:いえ、無理もありません。 ゴーン:すみません。えっと貴方がたが・・・ アスクレ:えぇ。ご依頼感謝致します。私は「黒魔術協会」のアスクレと申します 0:スカートを持ち上げ礼をするアスクレ ゴーン:よ、よろしくお願いします アスクレ:そしてこっちが タロス:同じく「黒魔術協会」のタロスです。 0:スッと手を差し出すタロス ゴーン:あ、あぁ・・よろしくお願いします。私は村長のゴーンです 0:握手をする二人 アスクレ:ここではなんですし、早速お仕事の話を聞かせていただいても? ゴーン:あ、あぁ。長旅でお疲れでしょう。こちらへどうぞ アスクレ:いくわよタロス タロス:えぇ。 0:ふと視線を横にやると物陰からのぞく女の子 タロス:・・・。 0:見続けると恐れて隠れる女の子 アスクレ:嫌われたわねタロス タロス:・・・そのようですね。 アスクレ:無理もないわ。そんな見てくれじゃ誰も貴方に近寄らないわ タロス:・・・。 アスクレ:あら?怒ったかしら。ごめんなさいね。さ、行くわよ タロス:えぇ。 0:村離れのロッジに通される二人 ゴーン:い、依頼内容はお送りしたはがきの通りになっております。 アスクレ:タロス タロス:はい。 0:ロングコートの内ポケットから手紙を出すタロス アスクレ:再度読み上げなさい。 タロス:拝啓、黒魔術協会の方々へ。現在私たちの村で人がさらわれ殺されるという怪事件が起きています。 タロス:村の者、特に若い女性、子供がさらわれ森の中で凄惨な死に方で発見されている情報が多々報告されてます タロス:さらわれた現場を見た者は口をそろえ大きなオオカミがさらったと告げてます。どうか黒魔術協会の方々で退治していただけないでしょうか アスクレ:ありがとう。村長さん、この手紙の内容は確かに事実でしょうか? ゴーン:えぇ。 アスクレ:そう。 ゴーン:この事件が起こって以来、村の者が黒い影を見るたびに恐れたり、夜になると出て来なくなったり・・・ アスクレ:なぜ我々に依頼を? ゴーン:最初は警察などにも頼んでみたのですが数名同じようにさらわれ殺された状況を見て恐れをなして逃げかえってしまって・・・ アスクレ:なるほど。それで私たちに ゴーン:はい。 アスクレ:森の中と言ってたわね。どの辺かわかるかしら? ゴーン:えぇ。このロッジから北西に進んだ先です。 アスクレ:わかったわ。今日はそこまで聞けたら十分。家に帰っていいわよ ゴーン:よ、よろしいんですか! アスクレ:えぇ。この村木々に囲まれているから夜になると霧や靄(もや)がかかるから貴方も殺されるわよ。 ゴーン:わ、わかりました。何かあれば明日聞かせてもらいます。失礼します! 0:出ていくゴーン アスクレ:行ったわね。タロス タロス:はい。 アスクレ:貴方はどう思うかしら? タロス:現状では何もわかりかねますが、一度その殺害現場を見てみるのもいいかと アスクレ:それもそうね。・・と言いたいところだけど陽が傾いてるわ。先に食事にしましょう。タロス準備なさい タロス:はい。 アスクレ:私はその間湯船に浸かるわ。着替えを用意しておきなさい タロス:かしこまりました。 0:シャワーの音が聞こえる室内 アスクレ:ねぇタロス タロス:なんでしょうか アスクレ:私たちがここに来た時の周囲の村人の反応をどう思ったかしら タロス:そうですね、とても歓迎されている様子はありませんでしたね。まるで・・ アスクレ:まるで邪魔者を見るような目で見てた。かしら? タロス:えぇ。 アスクレ:確かにそうね。困っているという手紙の内容とは裏腹に邪魔をするな、立ち寄るなという雰囲気が肌にまとわりついてたわ タロス:ですね。 0:シャワーの音が止み、湯船からお湯があふれる音が聞こえる アスクレ:ふぅ。あの村人たちの目の奥は何か感じられたかしら? タロス:奥・・ですか?私には何とも アスクレ:そう。まだまだね貴方も。 タロス:精進します。 アスクレ:人々の目の奥から伝わるのは獲物を狩り取ろうとしている目だったわ。 タロス:獲物を狩る目ですか? アスクレ:えぇ。昔、私を殺そうとしてたあの目と同じ。 0:両手でお湯をすくい反射した自分の顔を物憂げな眼で見るアスクレ タロス:お嬢様? アスクレ:なんでもないわ。にしてもこのロッジの浴室は素敵ね。 タロス:そうなんですか アスクレ:えぇ。月を眺めるために開いた天窓が湯船を照らしているわ。 タロス:それは素敵です。 0:ザバーッと湯船から出る音がする アスクレ:ふぅ、さっぱりしたわ 0:浴室を出るとタオルをもって立つタロス アスクレ:さてと・・・ 0:濡れた体を拭くタロス アスクレ:スンスン・・いい香りねタロス タロス:ありがとうございます。 アスクレ:今日の献立は何かしら タロス:香草で焼いた魚とブレッドになります アスクレ:素敵。ワインはあるかしら タロス:このロッジの地下にワインセラーがありました。年代物があるかと アスクレ:素晴らしいわ 0:アスクレの服を着せるタロス タロス:では私はワインを取ってまいります アスクレ:レッドでよろしくね タロス:存じ上げております。 0:地下に歩いていくタロス アスクレ:うん。素敵な食卓ね。よいしょっと 0:椅子に座るアスクレ タロス:お待たせいたしました。お嬢様。このロッジ内にあった一番古い赤ワインです アスクレ:へぇ?・・・あら、この年って・・・ タロス:えぇ。私がお嬢様に生を宿してくれた年代です アスクレ:小洒落た事してくれるわねタロス タロス:光栄です。 アスクレ:さ、食べましょう。 タロス:えぇ。 0:次の日 ゴーン:おはようございますお二人とも 0:ノックする音 ゴーン:あれ?いない・・? 0:ドアを開けるタロス タロス:おはようございます ゴーン:うわぁ! 0:ペストマスクのままのタロス ゴーン:す、すみません。 タロス:いえ。大丈夫です。戸を開けてこの姿が現れたら誰もが驚きますので。 ゴーン:そ、そうですよね。あれ?アスクレ様は? タロス:お嬢様は朝に弱いので。もしお嬢様にお会いしたいのであればあと二時間後に来ていただけたら幸いです ゴーン:あ、あぁ タロス:では 0:戸を閉めるタロス ゴーン:あっ・・あぁ・・まぁあとで来るか 0:しばらくして アスクレ:んっ・・・ タロス:おはようございますお嬢様 アスクレ:タロス・・今何時かしら タロス:十時を回ったところです アスクレ:そう。 タロス:起床されますか アスクレ:えぇ。起きるわ。 0:首の後ろを優しく持ちスッと起こすタロス タロス:おはようございますお嬢様 アスクレ:えぇ。おはようタロス タロス:もう起きる頃だと思い朝食を作っておきました。机へ アスクレ:えぇ。ありがとう 0:椅子に座り食事を摂るアスクレ タロス:今朝、村長がお嬢様を訪ねて来られましたよ 0:後ろ髪を櫛で解くタロス アスクレ:そう。用件はなんだったの? タロス:聞いてませんでした。 アスクレ:そう。ご馳走様タロス タロス:お粗末様でした。 0:立ち上がり両手を広げるアスクレ アスクレ:今朝来たということはもう少ししたら訪ねてくるわね 0:着替えを施すタロス タロス:えぇ。恐らくは 0:着替えが終わるアスクレ アスクレ:噂をすれば・・・ 0:ドアをノックしようとする前に戸を開くタロス ゴーン:あっ タロス:おはようございます。お嬢様はお目覚めになられました アスクレ:おはようございます。 ゴーン:あ、あぁ。おはようございます。よくお眠りに? アスクレ:えぇ。おかげさまで。 ゴーン:それは何より。 タロス:朝早くに来られた理由は何だったのでしょうか? ゴーン:あぁそうだった、昨日お連れできなかった死体が置かれた場所にお連れしようかとおもったんです アスクレ:あぁ。死体がある場所ね。 ゴーン:え、えぇ。そうです アスクレ:タロス、カバンを持ちなさい タロス:はい アスクレ:じゃ行きましょうか ゴーン:え、えぇ。こちらです 0:森の中に広くあいた場所に連れて来られる二人 アスクレ:ここ? ゴーン:えぇ。 アスクレ:死体はないのね ゴーン:昨日は何も起きてなかったので アスクレ:へぇ?タロス タロス:はい アスクレ:どうかしらここは タロス:・・・確かに人が死んでいる場所ではあるそうです。血の匂いがかすかに鼻腔を刺激しています アスクレ:そう。 タロス:この木・・・ 0:木に大きく爪痕が残る アスクレ:熊ではないわねこれは タロス:確かに。 アスクレ:これは・・なるほどね。わかったわ タロス:ですね アスクレ:村長さん ゴーン:はい アスクレ:今日の夜にこの問題ごとを解決しますね ゴーン:ほ、本当ですか!? アスクレ:えぇ。では夜に。行くわよタロス タロス:はい。 ゴーン:え!?ちょ、おいてかないでください! 0:その日の夜 アスクレ:さてと・・・仕事を始めようかしらね タロス:えぇ。 0:黒い手袋をはめる二人 アスクレ:それじゃよろしく頼むわねタロス タロス:えぇ。では行ってまいります 0:村の真ん中で座るタロス ゴーン:おい タロス:え? 0:大きな音がする村 アスクレ:始まったわね。さてと・・・ 0:ワインを飲み終えるアスクレ アスクレ:私も行くとしようかな。 0:立ち上がり出ていくアスクレ アスクレ:今日も素晴らしい満月の夜だ。 0:一方、森の中 ゴーン:ふんっ!!ふんっ!! 0:石などでタロスを殴るゴーンの姿 ゴーン:硬いな・・こいつの服・・何で出来ているんだ・・・ タロス:・・・。 ゴーン:血肉が・・血肉が欲しい・・・ふんっ!ふんっ!! アスクレ:あら?村長さん。こんばんわ ゴーン:ッ!!誰だ!! アスクレ:誰だとは失礼な。今宵の満月はとても美しいというのに夜空を見上げず足元ばかり見てどうされたんですか? ゴーン:あ・・アスクレ・・! アスクレ:あら?もう客人として招かれてないのね。様をつけてほしいわ ゴーン:な・・何しに来た!! アスクレ:何しにってあなた方が私に依頼をよこしたのでしょう?大きなオオカミを退治しろと。 ゴーン:あ、あぁ!だが私はオオカミではないだろ!! アスクレ:あら?その姿を見てオオカミじゃないと言える人はこの世にいるのかしら? ゴーン:なに・・!? 0:手を見ると大きな爪が出て白い毛が浮き出てきている アスクレ:この村の住人全て人狼。人を呼んでは殺し死肉を村人で分け合い食べている集団。違うかしら? ゴーン:お・・俺たちが・・人狼・・・ アスクレ:えぇ。貴方の足元に転がっている私の可愛いタロスを返してもらえたら殺さないであげるわ。 ゴーン:足元・・・ 0:足元には体が不可能な角度に曲がっているタロスの姿 ゴーン:ぐっ・・ 0:ドクンッと強く心臓が叩かれる ゴーン:わ・・私は・・お・・俺は・・俺は・・・オオカミ・・・ アスクレ:あら、認めたわね 0:高らかに吠えるゴーン ゴーン:わおぉーん!! アスクレ:良い吠えっぷりね。 ゴーン:はははっ!てめぇらを食う・・食いたい・・・食わせろぉお!! アスクレ:本能に従順ね。でもいやよ。食べらたい人なんてこの世にいるわけないでしょう?バカなの? ゴーン:へっへっへ・・今はお前だけだ。女の肉は脂の乗りがいい。食わせろ! 0:アスクレにとびかかるゴーン アスクレ:はぁ・・・野蛮なオオカミね。 0:アスクレの右肩にかみつくゴーン ゴーン:はははっ!若い女の肉だ!! アスクレ:どう?美味しいかしら? ゴーン:なっ・・なぜ血が出てこない・・・? アスクレ:美味しいかって聞いているのよ人狼?答えなさい 0:ゴーンに触れようとした瞬間距離を取るゴーン ゴーン:な・・なんだ・・触られたら殺されると感じてしまったぞ・・こいつ・・何者だ・・・ 0:かみついた跡が一瞬で消える アスクレ:あら、距離を取るなんてひどいわ。楽しく遊ぼうと思ったのに 0:月明かりに照らされ黒い影になるアスクレ ゴーン:あ・・足が・・震えて・・・ アスクレ:人狼、私の名前を言ってごらんなさい ゴーン:あ・・アスクレ・・・ アスクレ:よろしい。私は不死の死神「アスクレ」死者の蘇生を行なう者よ ゴーン:し・・死者の蘇生・・!? アスクレ:えぇ。タロス タロス:はい。 0:ゴキゴキッと骨が戻りだすタロス ゴーン:な・・なんで・・・骨が・・・ タロス:殺される覚悟は決まりましたでしょうかゴーン村長様 ゴーン:チッ!! 0:すごい勢いで逃げ出すゴーン アスクレ:あら。逃がしたわね タロス:えぇ。そのようですねお嬢様。どうされますか アスクレ:もうじきあの子が来るわ。ワインを飲みなおしましょう タロス:そうですね。 0:ロッジへと戻る二人 ゴーン:はぁ・・はぁ・・!追ってこない・・!? ヘラ:ったくよ。こんな森ん中に呼び出すなよあいつ・・ ゴーン:あぁ?あれは・・ 0:にいぃと笑うゴーン ゴーン:ちょうどいい・・あの女を喰らおう!! ヘラ:いっつもいっつも急なんだよなぁ・・ ゴーン:おい・・ ヘラ:はい? ゴーン:お前を食わせてもらうぞ!! ヘラ:え!?ちょ!! 0:大きな音が鳴り木々が震える アスクレ:タロス、昨日のワインはまだあるかしら タロス:えぇ。あと二本おいてあるのを目視しています。 アスクレ:そう。じゃあ用意してちょうだい タロス:はい。 アスクレ:もう少しね タロス:お待たせいたしました。 アスクレ:ありがとう。 0:ドアを強くたたく音 タロス:お待ちしておりました ヘラ:お待ちしておりました。じゃなぁあい!!何よこいつ!! 0:両腕を縛られたゴーン アスクレ:見ての通り人狼よ ヘラ:いや、人狼は見てわかるけどなんで呼び出した場所に居るのかって事を聞いてるのよ! アスクレ:人狼は私を見て恐れをなして逃げるからよ。逃げた先に貴方が居たらちょうど退治できるでしょう? ヘラ:いや、だからって急すぎんだってば! アスクレ:いいじゃない。始末出来るんだし ゴーン:んっ・・・ アスクレ:あら、おはよう人狼 ゴーン:お・・俺は・・女を食べようとして・・・ ヘラ:ヘラだ。女って言うな ゴーン:お・・俺をころすのか・・? アスクレ:えぇ。もちろんよ。そのために来たのだから ゴーン:お・・俺を殺してもこの村の連中はみんな人狼だ。俺一人を殺したところで・・ アスクレ:ペラペラよく喋る口ね。ヘラと同等なのかしら ヘラ:あぁ!? アスクレ:タロス タロス:はい。 0:ゴーンに近づくタロス ゴーン:な・・なんだ・・や・・やめてくれ・・俺を・・殺すな・・!! タロス:私のこのペストマスクを恐れていましたね。中がわからないと。 0:ペストマスクに手を近付けるタロス タロス:お見せします。私の中を 0:ゆっくり開いていくタロス ゴーン:ッ!?お・・お前・・お前は・・!!あ・・あぁ・・ぁぁあああああ!! 0:白目を剥き泡を吹き出し息絶えるゴーン タロス:おわりました。お嬢様 アスクレ:ご苦労様タロス。 ヘラ:いつ見ても怖い殺し方してんなお前 タロス:・・・。 ヘラ:無視かよ! アスクレ:タロスは私の可愛い人形よ。私の意思を通さない限り他者との会話をさせない様にしている。残念ねヘラ ヘラ:あぁそうかいそうかい。で、退治したけどどうすんだ。さっき村人全員が人狼だって言ってたろ? アスクレ:あら?わかりきった質問を投げかけるのね。知能指数が下がったのかしら? ヘラ:下がってねぇよ! アスクレ:黒魔術協会に依頼をしてきたのは自分たちよ。種(しゅ)を根絶やしにしろって事でしょう? ヘラ:あーそうかい。わかりましたよ アスクレ:知能指数がいつものヘラでよかったわ ヘラ:うるせぇな! アスクレ:スカートもなかなか似合うわよ ヘラ:女じゃねぇんだよ!もう二度と着るか! タロス:お嬢様の意思は絶対です。次は修道衣を着させます。 ヘラ:はぁ!?僕は男だ!ちゃんとしたの着させろぉー! アスクレ:まぁいいわ。二人とも仕事よ 0:目の色が変わるヘラ ヘラ:はい! アスクレ:私の可愛い子供達を使ってこの村に住む人狼を根絶やしにしていらっしゃい ヘラ:わかりました。 0:駆け出すヘラ アスクレ:タロス タロス:はい アスクレ:貴方は私の労をねぎらいなさい タロス:かしこまりました。 アスクレ:夜を照らす綺麗な満月、黒魔術協会は静かに暗躍する。夜を招く月明かりの下に。 0:終わり

0:黒魔術協会にて ヘラ:おい!タロス! タロス:・・・。 ヘラ:タロス!! タロス:・・・。 ヘラ:チッ・・じゃあお前じゃなくていい。アスクレ!! アスクレ:なにかしら ヘラ:何かしら。じゃないわよ!すました顔で!ほら、これ 0:手紙を渡すヘラ アスクレ:タロス。 タロス:はい。お嬢様 0:ヘラの手紙を受け取るタロス ヘラ:こいつ・・ アスクレ:読み上げなくていいわ。仕事ね。タロス行くわよ タロス:かしこまりました。お嬢様 0:歩き出す二人 ヘラ:あ、おい!もう行くのかよ! アスクレ:えぇ。ここに居たら貴方のうるさい声毎日聞かないといけないし。 ヘラ:あぁ!? アスクレ:そうね、五日後の夜にここに来なさい 0:折った紙を渡すアスクレ ヘラ:なにこれ? アスクレ:それじゃ。行くわよタロス タロス:はい。お嬢様 0:ガチャガチャと荷物を持って歩き出す ヘラ:気を付けていってこいよ! 0:手をひらりと振るアスクレ アスクレ:いらぬ心配よ ヘラ:あぁ!? 0:とある村近くの森 タロス:もうまもなく到着しますお嬢様 0:大きなカバンを持ち歩くタロス アスクレ:そう。荷物持ちご苦労だったわタロス タロス:いえ。お嬢様の御手を煩わせるわけにはいきませんので。これくらいは何ともございません アスクレ:そう。 0:小さな村に着く二人 タロス:こちらですね。 0:村の看板を指さすタロス アスクレ:・・・。 ゴーン:お待ちしておりまし・・・うわぁ! 0:タロスを見て驚くゴーン アスクレ:驚かれてるわね タロス:そのようですね。 ゴーン:す・・すみません。見慣れてないものを見るとつい・・・ タロス:いえ、無理もありません。 ゴーン:すみません。えっと貴方がたが・・・ アスクレ:えぇ。ご依頼感謝致します。私は「黒魔術協会」のアスクレと申します 0:スカートを持ち上げ礼をするアスクレ ゴーン:よ、よろしくお願いします アスクレ:そしてこっちが タロス:同じく「黒魔術協会」のタロスです。 0:スッと手を差し出すタロス ゴーン:あ、あぁ・・よろしくお願いします。私は村長のゴーンです 0:握手をする二人 アスクレ:ここではなんですし、早速お仕事の話を聞かせていただいても? ゴーン:あ、あぁ。長旅でお疲れでしょう。こちらへどうぞ アスクレ:いくわよタロス タロス:えぇ。 0:ふと視線を横にやると物陰からのぞく女の子 タロス:・・・。 0:見続けると恐れて隠れる女の子 アスクレ:嫌われたわねタロス タロス:・・・そのようですね。 アスクレ:無理もないわ。そんな見てくれじゃ誰も貴方に近寄らないわ タロス:・・・。 アスクレ:あら?怒ったかしら。ごめんなさいね。さ、行くわよ タロス:えぇ。 0:村離れのロッジに通される二人 ゴーン:い、依頼内容はお送りしたはがきの通りになっております。 アスクレ:タロス タロス:はい。 0:ロングコートの内ポケットから手紙を出すタロス アスクレ:再度読み上げなさい。 タロス:拝啓、黒魔術協会の方々へ。現在私たちの村で人がさらわれ殺されるという怪事件が起きています。 タロス:村の者、特に若い女性、子供がさらわれ森の中で凄惨な死に方で発見されている情報が多々報告されてます タロス:さらわれた現場を見た者は口をそろえ大きなオオカミがさらったと告げてます。どうか黒魔術協会の方々で退治していただけないでしょうか アスクレ:ありがとう。村長さん、この手紙の内容は確かに事実でしょうか? ゴーン:えぇ。 アスクレ:そう。 ゴーン:この事件が起こって以来、村の者が黒い影を見るたびに恐れたり、夜になると出て来なくなったり・・・ アスクレ:なぜ我々に依頼を? ゴーン:最初は警察などにも頼んでみたのですが数名同じようにさらわれ殺された状況を見て恐れをなして逃げかえってしまって・・・ アスクレ:なるほど。それで私たちに ゴーン:はい。 アスクレ:森の中と言ってたわね。どの辺かわかるかしら? ゴーン:えぇ。このロッジから北西に進んだ先です。 アスクレ:わかったわ。今日はそこまで聞けたら十分。家に帰っていいわよ ゴーン:よ、よろしいんですか! アスクレ:えぇ。この村木々に囲まれているから夜になると霧や靄(もや)がかかるから貴方も殺されるわよ。 ゴーン:わ、わかりました。何かあれば明日聞かせてもらいます。失礼します! 0:出ていくゴーン アスクレ:行ったわね。タロス タロス:はい。 アスクレ:貴方はどう思うかしら? タロス:現状では何もわかりかねますが、一度その殺害現場を見てみるのもいいかと アスクレ:それもそうね。・・と言いたいところだけど陽が傾いてるわ。先に食事にしましょう。タロス準備なさい タロス:はい。 アスクレ:私はその間湯船に浸かるわ。着替えを用意しておきなさい タロス:かしこまりました。 0:シャワーの音が聞こえる室内 アスクレ:ねぇタロス タロス:なんでしょうか アスクレ:私たちがここに来た時の周囲の村人の反応をどう思ったかしら タロス:そうですね、とても歓迎されている様子はありませんでしたね。まるで・・ アスクレ:まるで邪魔者を見るような目で見てた。かしら? タロス:えぇ。 アスクレ:確かにそうね。困っているという手紙の内容とは裏腹に邪魔をするな、立ち寄るなという雰囲気が肌にまとわりついてたわ タロス:ですね。 0:シャワーの音が止み、湯船からお湯があふれる音が聞こえる アスクレ:ふぅ。あの村人たちの目の奥は何か感じられたかしら? タロス:奥・・ですか?私には何とも アスクレ:そう。まだまだね貴方も。 タロス:精進します。 アスクレ:人々の目の奥から伝わるのは獲物を狩り取ろうとしている目だったわ。 タロス:獲物を狩る目ですか? アスクレ:えぇ。昔、私を殺そうとしてたあの目と同じ。 0:両手でお湯をすくい反射した自分の顔を物憂げな眼で見るアスクレ タロス:お嬢様? アスクレ:なんでもないわ。にしてもこのロッジの浴室は素敵ね。 タロス:そうなんですか アスクレ:えぇ。月を眺めるために開いた天窓が湯船を照らしているわ。 タロス:それは素敵です。 0:ザバーッと湯船から出る音がする アスクレ:ふぅ、さっぱりしたわ 0:浴室を出るとタオルをもって立つタロス アスクレ:さてと・・・ 0:濡れた体を拭くタロス アスクレ:スンスン・・いい香りねタロス タロス:ありがとうございます。 アスクレ:今日の献立は何かしら タロス:香草で焼いた魚とブレッドになります アスクレ:素敵。ワインはあるかしら タロス:このロッジの地下にワインセラーがありました。年代物があるかと アスクレ:素晴らしいわ 0:アスクレの服を着せるタロス タロス:では私はワインを取ってまいります アスクレ:レッドでよろしくね タロス:存じ上げております。 0:地下に歩いていくタロス アスクレ:うん。素敵な食卓ね。よいしょっと 0:椅子に座るアスクレ タロス:お待たせいたしました。お嬢様。このロッジ内にあった一番古い赤ワインです アスクレ:へぇ?・・・あら、この年って・・・ タロス:えぇ。私がお嬢様に生を宿してくれた年代です アスクレ:小洒落た事してくれるわねタロス タロス:光栄です。 アスクレ:さ、食べましょう。 タロス:えぇ。 0:次の日 ゴーン:おはようございますお二人とも 0:ノックする音 ゴーン:あれ?いない・・? 0:ドアを開けるタロス タロス:おはようございます ゴーン:うわぁ! 0:ペストマスクのままのタロス ゴーン:す、すみません。 タロス:いえ。大丈夫です。戸を開けてこの姿が現れたら誰もが驚きますので。 ゴーン:そ、そうですよね。あれ?アスクレ様は? タロス:お嬢様は朝に弱いので。もしお嬢様にお会いしたいのであればあと二時間後に来ていただけたら幸いです ゴーン:あ、あぁ タロス:では 0:戸を閉めるタロス ゴーン:あっ・・あぁ・・まぁあとで来るか 0:しばらくして アスクレ:んっ・・・ タロス:おはようございますお嬢様 アスクレ:タロス・・今何時かしら タロス:十時を回ったところです アスクレ:そう。 タロス:起床されますか アスクレ:えぇ。起きるわ。 0:首の後ろを優しく持ちスッと起こすタロス タロス:おはようございますお嬢様 アスクレ:えぇ。おはようタロス タロス:もう起きる頃だと思い朝食を作っておきました。机へ アスクレ:えぇ。ありがとう 0:椅子に座り食事を摂るアスクレ タロス:今朝、村長がお嬢様を訪ねて来られましたよ 0:後ろ髪を櫛で解くタロス アスクレ:そう。用件はなんだったの? タロス:聞いてませんでした。 アスクレ:そう。ご馳走様タロス タロス:お粗末様でした。 0:立ち上がり両手を広げるアスクレ アスクレ:今朝来たということはもう少ししたら訪ねてくるわね 0:着替えを施すタロス タロス:えぇ。恐らくは 0:着替えが終わるアスクレ アスクレ:噂をすれば・・・ 0:ドアをノックしようとする前に戸を開くタロス ゴーン:あっ タロス:おはようございます。お嬢様はお目覚めになられました アスクレ:おはようございます。 ゴーン:あ、あぁ。おはようございます。よくお眠りに? アスクレ:えぇ。おかげさまで。 ゴーン:それは何より。 タロス:朝早くに来られた理由は何だったのでしょうか? ゴーン:あぁそうだった、昨日お連れできなかった死体が置かれた場所にお連れしようかとおもったんです アスクレ:あぁ。死体がある場所ね。 ゴーン:え、えぇ。そうです アスクレ:タロス、カバンを持ちなさい タロス:はい アスクレ:じゃ行きましょうか ゴーン:え、えぇ。こちらです 0:森の中に広くあいた場所に連れて来られる二人 アスクレ:ここ? ゴーン:えぇ。 アスクレ:死体はないのね ゴーン:昨日は何も起きてなかったので アスクレ:へぇ?タロス タロス:はい アスクレ:どうかしらここは タロス:・・・確かに人が死んでいる場所ではあるそうです。血の匂いがかすかに鼻腔を刺激しています アスクレ:そう。 タロス:この木・・・ 0:木に大きく爪痕が残る アスクレ:熊ではないわねこれは タロス:確かに。 アスクレ:これは・・なるほどね。わかったわ タロス:ですね アスクレ:村長さん ゴーン:はい アスクレ:今日の夜にこの問題ごとを解決しますね ゴーン:ほ、本当ですか!? アスクレ:えぇ。では夜に。行くわよタロス タロス:はい。 ゴーン:え!?ちょ、おいてかないでください! 0:その日の夜 アスクレ:さてと・・・仕事を始めようかしらね タロス:えぇ。 0:黒い手袋をはめる二人 アスクレ:それじゃよろしく頼むわねタロス タロス:えぇ。では行ってまいります 0:村の真ん中で座るタロス ゴーン:おい タロス:え? 0:大きな音がする村 アスクレ:始まったわね。さてと・・・ 0:ワインを飲み終えるアスクレ アスクレ:私も行くとしようかな。 0:立ち上がり出ていくアスクレ アスクレ:今日も素晴らしい満月の夜だ。 0:一方、森の中 ゴーン:ふんっ!!ふんっ!! 0:石などでタロスを殴るゴーンの姿 ゴーン:硬いな・・こいつの服・・何で出来ているんだ・・・ タロス:・・・。 ゴーン:血肉が・・血肉が欲しい・・・ふんっ!ふんっ!! アスクレ:あら?村長さん。こんばんわ ゴーン:ッ!!誰だ!! アスクレ:誰だとは失礼な。今宵の満月はとても美しいというのに夜空を見上げず足元ばかり見てどうされたんですか? ゴーン:あ・・アスクレ・・! アスクレ:あら?もう客人として招かれてないのね。様をつけてほしいわ ゴーン:な・・何しに来た!! アスクレ:何しにってあなた方が私に依頼をよこしたのでしょう?大きなオオカミを退治しろと。 ゴーン:あ、あぁ!だが私はオオカミではないだろ!! アスクレ:あら?その姿を見てオオカミじゃないと言える人はこの世にいるのかしら? ゴーン:なに・・!? 0:手を見ると大きな爪が出て白い毛が浮き出てきている アスクレ:この村の住人全て人狼。人を呼んでは殺し死肉を村人で分け合い食べている集団。違うかしら? ゴーン:お・・俺たちが・・人狼・・・ アスクレ:えぇ。貴方の足元に転がっている私の可愛いタロスを返してもらえたら殺さないであげるわ。 ゴーン:足元・・・ 0:足元には体が不可能な角度に曲がっているタロスの姿 ゴーン:ぐっ・・ 0:ドクンッと強く心臓が叩かれる ゴーン:わ・・私は・・お・・俺は・・俺は・・・オオカミ・・・ アスクレ:あら、認めたわね 0:高らかに吠えるゴーン ゴーン:わおぉーん!! アスクレ:良い吠えっぷりね。 ゴーン:はははっ!てめぇらを食う・・食いたい・・・食わせろぉお!! アスクレ:本能に従順ね。でもいやよ。食べらたい人なんてこの世にいるわけないでしょう?バカなの? ゴーン:へっへっへ・・今はお前だけだ。女の肉は脂の乗りがいい。食わせろ! 0:アスクレにとびかかるゴーン アスクレ:はぁ・・・野蛮なオオカミね。 0:アスクレの右肩にかみつくゴーン ゴーン:はははっ!若い女の肉だ!! アスクレ:どう?美味しいかしら? ゴーン:なっ・・なぜ血が出てこない・・・? アスクレ:美味しいかって聞いているのよ人狼?答えなさい 0:ゴーンに触れようとした瞬間距離を取るゴーン ゴーン:な・・なんだ・・触られたら殺されると感じてしまったぞ・・こいつ・・何者だ・・・ 0:かみついた跡が一瞬で消える アスクレ:あら、距離を取るなんてひどいわ。楽しく遊ぼうと思ったのに 0:月明かりに照らされ黒い影になるアスクレ ゴーン:あ・・足が・・震えて・・・ アスクレ:人狼、私の名前を言ってごらんなさい ゴーン:あ・・アスクレ・・・ アスクレ:よろしい。私は不死の死神「アスクレ」死者の蘇生を行なう者よ ゴーン:し・・死者の蘇生・・!? アスクレ:えぇ。タロス タロス:はい。 0:ゴキゴキッと骨が戻りだすタロス ゴーン:な・・なんで・・・骨が・・・ タロス:殺される覚悟は決まりましたでしょうかゴーン村長様 ゴーン:チッ!! 0:すごい勢いで逃げ出すゴーン アスクレ:あら。逃がしたわね タロス:えぇ。そのようですねお嬢様。どうされますか アスクレ:もうじきあの子が来るわ。ワインを飲みなおしましょう タロス:そうですね。 0:ロッジへと戻る二人 ゴーン:はぁ・・はぁ・・!追ってこない・・!? ヘラ:ったくよ。こんな森ん中に呼び出すなよあいつ・・ ゴーン:あぁ?あれは・・ 0:にいぃと笑うゴーン ゴーン:ちょうどいい・・あの女を喰らおう!! ヘラ:いっつもいっつも急なんだよなぁ・・ ゴーン:おい・・ ヘラ:はい? ゴーン:お前を食わせてもらうぞ!! ヘラ:え!?ちょ!! 0:大きな音が鳴り木々が震える アスクレ:タロス、昨日のワインはまだあるかしら タロス:えぇ。あと二本おいてあるのを目視しています。 アスクレ:そう。じゃあ用意してちょうだい タロス:はい。 アスクレ:もう少しね タロス:お待たせいたしました。 アスクレ:ありがとう。 0:ドアを強くたたく音 タロス:お待ちしておりました ヘラ:お待ちしておりました。じゃなぁあい!!何よこいつ!! 0:両腕を縛られたゴーン アスクレ:見ての通り人狼よ ヘラ:いや、人狼は見てわかるけどなんで呼び出した場所に居るのかって事を聞いてるのよ! アスクレ:人狼は私を見て恐れをなして逃げるからよ。逃げた先に貴方が居たらちょうど退治できるでしょう? ヘラ:いや、だからって急すぎんだってば! アスクレ:いいじゃない。始末出来るんだし ゴーン:んっ・・・ アスクレ:あら、おはよう人狼 ゴーン:お・・俺は・・女を食べようとして・・・ ヘラ:ヘラだ。女って言うな ゴーン:お・・俺をころすのか・・? アスクレ:えぇ。もちろんよ。そのために来たのだから ゴーン:お・・俺を殺してもこの村の連中はみんな人狼だ。俺一人を殺したところで・・ アスクレ:ペラペラよく喋る口ね。ヘラと同等なのかしら ヘラ:あぁ!? アスクレ:タロス タロス:はい。 0:ゴーンに近づくタロス ゴーン:な・・なんだ・・や・・やめてくれ・・俺を・・殺すな・・!! タロス:私のこのペストマスクを恐れていましたね。中がわからないと。 0:ペストマスクに手を近付けるタロス タロス:お見せします。私の中を 0:ゆっくり開いていくタロス ゴーン:ッ!?お・・お前・・お前は・・!!あ・・あぁ・・ぁぁあああああ!! 0:白目を剥き泡を吹き出し息絶えるゴーン タロス:おわりました。お嬢様 アスクレ:ご苦労様タロス。 ヘラ:いつ見ても怖い殺し方してんなお前 タロス:・・・。 ヘラ:無視かよ! アスクレ:タロスは私の可愛い人形よ。私の意思を通さない限り他者との会話をさせない様にしている。残念ねヘラ ヘラ:あぁそうかいそうかい。で、退治したけどどうすんだ。さっき村人全員が人狼だって言ってたろ? アスクレ:あら?わかりきった質問を投げかけるのね。知能指数が下がったのかしら? ヘラ:下がってねぇよ! アスクレ:黒魔術協会に依頼をしてきたのは自分たちよ。種(しゅ)を根絶やしにしろって事でしょう? ヘラ:あーそうかい。わかりましたよ アスクレ:知能指数がいつものヘラでよかったわ ヘラ:うるせぇな! アスクレ:スカートもなかなか似合うわよ ヘラ:女じゃねぇんだよ!もう二度と着るか! タロス:お嬢様の意思は絶対です。次は修道衣を着させます。 ヘラ:はぁ!?僕は男だ!ちゃんとしたの着させろぉー! アスクレ:まぁいいわ。二人とも仕事よ 0:目の色が変わるヘラ ヘラ:はい! アスクレ:私の可愛い子供達を使ってこの村に住む人狼を根絶やしにしていらっしゃい ヘラ:わかりました。 0:駆け出すヘラ アスクレ:タロス タロス:はい アスクレ:貴方は私の労をねぎらいなさい タロス:かしこまりました。 アスクレ:夜を照らす綺麗な満月、黒魔術協会は静かに暗躍する。夜を招く月明かりの下に。 0:終わり