台本概要

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タイトル 祈りを運命に代えて
作者名 栞星-Kanra-
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 もしも、祈りが届くのなら
また、あなたに出逢いたい
あなたと共に歩みたい――
性別変更:不可

誤字、脱字等ありましたら、アメブロ『星空想ノ森』までご連絡をお願いいたします。
読んでみて、演じてみての感想もいただけると嬉しいです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
シャルロット 37 王女
エドワード 31 騎士
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:キャラクター名の変更、および、一人称、語尾等の変更は、演者様間でお話の上、ご自由に楽しんでいただければと思います。 0:なお、世界観、内容が変わるほどの変更やアドリブは、ご遠慮ください。 0:  0:(役紹介) 0:【シャルロット】王女 0:【エドワード】騎士 0:  :  :――(上演開始)―― :  :  シャルロット:「お父様、お母様! どうして私(わたくし)だけ逃げなければならないのですか! 私も最後までここに残ります!」 :(掛け合いのため、少し間を置く) シャルロット:「えっ、今夜中にですか? そんなに急がないといけない状況なのですか?」 :(掛け合いのため、少し間を置く) シャルロット:「お母様……。 私も、お父様のことも、お母様のことも、愛しています。 どうか、どうか、ご無事で……」 :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:「どうして、どうして……? なぜ争いなど、起きてしまうのかしら」 :(扉がノックされる) シャルロット:「はい、だあれ?」 エドワード:「私(わたくし)です。 エドワードです」 シャルロット:「あっ、エド! 待って、今開けるわ! ……どうしたの? こんな時間に」 エドワード:「先ほど、国王より、今後はお嬢様と行動を共にし、お守りするようにと命じられました」 エドワード:「お嬢様、後一時間ほどで、城(ここ)を発ちます」 シャルロット:「そう……。 急なことに巻き込んでしまって、ごめんなさいね。 でも、エドが一緒にいてくれるのなら、私も心強いわ。 ありがとう」 エドワード:「……私の前では、無理に笑顔を作らないでください。 お嬢様の辛さは、十分に理解しているつもりです」 シャルロット:「いやね、私は大丈夫よ。 あっ、そうだわ! 後少ししか時間がないのよね? ジェシカに本を返してこなくちゃ! 少し部屋を離れるわね」 :(エド、シャルロットの言葉に被せて) エドワード:「お嬢様!」 シャルロット:「……っ! 本当は行きたくない! どうして私だけがお城を離れなければならないの? ジェシカも、エドのお父様も、みんなここに残るのよ? 私だってこの国の、この家の人間です! 最後までここにいたい!」 シャルロット:「それに、こんなに急がなければならないってことは、もう後がないってことなのでしょう? つまり、今日、お城(ここ)を離れてしまったら、お父様やお母様とはこれっきり、もう二度と逢うことはできない」 シャルロット:「……国民(みんな)が大切に守ってきた畑も焼かれ、家を壊され、大切な家族も傷つけられて……。 私は、国民(みんな)の暮らしを、笑顔を守らなければならないはずなのに。 それなのにっ! それなのにっ……」 シャルロット:「どうして争いなんて起こってしまうのかしら? ねぇ、そうでしょう、エド? ……どうして、どうして……」 :(エドワード、シャルロットが落ち着くのを待って) エドワード:「……お嬢様。 これから向かう場所ですが、以前、私の叔父がいた村に行くのはいかがでしょうか? 何もない場所ですが」 シャルロット:「あっ、お話を聞かせてくださったところよね? とてものどかで、温かい方ばかりだったと」 エドワード:「はい」 シャルロット:「……そこに、お父様やお母様たちも一緒に逃げられないのかしら」 エドワード:「……さすがに難しいかと。 お嬢様お一人だからこそ、なんとか誤魔化せるでしょうが、国王と王妃のお姿までもないとなりますと、必ずや追手が参ります」 エドワード:「辛いとは思いますが、どうか、お二方の気持ちを汲んでください」 シャルロット:「そう……よね。 ごめんなさい」 エドワード:「向こうに着いたら、お嬢様が好きなお花を、たくさん育てましょう。 そして、ここの庭に負けないくらいの、美しい庭園を作ってください」 シャルロット:「庭園をだなんて……エドにも手伝ってもらいますからね」 エドワード:「承知いたしました。 力仕事でしたら、いくらでもお手伝いしますよ」 シャルロット:「ふふっ。 頼りにしているわ、エド」 :  :  :(少し間を置く) :  :  エドワード:「大分慣れましたね」 シャルロット:「当然よ! 私を誰だと思っているの? ……ふふっ。 ここでの暮らしは、新鮮で楽しいことがいっぱい!」 シャルロット:「どれだけお花のお世話をしていても、止めにくる者もいないし。 それに……ほら! 採りたてのお野菜がこんなに美味しいだなんて、ここに来るまでは知らなかったことだわ」 エドワード:その笑顔が、また見られるようになって良かった エドワード:まるで太陽のようにキラキラとした……などと、騎士としての教育しか受けてきていない私には、ありきたりの表現しか思い浮かばなかった :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:「あら、何かしら? これは……」 :(エドワード、帰宅) シャルロット:「ひっく……ひっく……」 エドワード:「お嬢様? なにがあったのですか?」 :(シャルロット、紙を差し出す) エドワード:「ん? これは……!」 エドワード:そこには、私たちの生まれ育った国がなくなり、隣国の領地となったことが記されてた。 ……それはつまり、お嬢様のご両親の逝去を意味していた シャルロット:「お城を離れるとき、覚悟はしていたはずなのに。 いざ、こうやって現実になってしまったのだと知らされてしまうと、駄目ね……。 お父様……、お母様……っ!」 エドワード:「っ! お嬢様……!」 :(エドワード、シャルロットを抱き寄せる) シャルロット:「えっ、エド……?」 エドワード:「……お嬢様、今夜、私に時間をいただけませんか?」 シャルロット:「えっ?」 エドワード:「一緒に星を見ませんか?」 シャルロット:「……星を……?」 エドワード:「えぇ。 星に、お願いをしましょう」 :  :  :(夜、庭にて星を眺めながら) :  :  エドワード:「お嬢様は、運命を信じますか?」 シャルロット:「なあに、突然」 エドワード:「運命の相手というのは、過去世(かこぜ)で同じ家で暮らした相手……家族なのだそうです。 両親であったり、兄弟姉妹でだったり」 シャルロット:「そう……なの?」 エドワード:「だから、祈ってみませんか?」 シャルロット:「えっ?」 エドワード:「来世でも、またお二人と家族になれるように」 シャルロット:「……そうね。 来世では、私の作ったお料理を食べてもらいたいわ」 エドワード:「そうですね」 シャルロット:「エドが教えてくれたお陰で、こんなにも作れるようになったんですもの」 エドワード:「私は騎士として叩き込まれた、簡単なものしか教えていないですよ。 後はすべて、お嬢様の努力の賜物(たまもの)です」 シャルロット:「ふふっ、ありがとう!」 :  :  :(シャルロットが祈り終わるのを待って) :  :  エドワード:「私も、来世でもお嬢様の料理を食べたいです」 シャルロット:「えぇ、もちろんエドも一緒に!」 エドワード:「ありがとうございます。 では、そのためにも……これを受け取ってもらえませんか?」 :(エドワード、指輪を差し出す) シャルロット:「えっ、指輪……?」 エドワード:「一国のお嬢様にお贈りするのに相応しいものではありませんが……」 シャルロット:「ふふっ。 私は、もう王女ではないのよ。 ……ありがとう、エド! すごく嬉しい! ……ねぇ、指輪。 エドが着けてくれる?」 :(シャルロット、エドワードの肩に寄りかかる) シャルロット:「エドがいてくれて、本当に良かった。 あの知らせを目にしたとき、悲しくて、悲しくて、辛くて……苦しかった」 シャルロット:「でも、今はこんなにも幸せ。 エドのお陰ね」 シャルロット:「……私、本当に、エドに頼ってばかりね」 :(お嬢様を座り直させて、シャルロットの前に跪く) シャルロット:「……? どうしたの? エド」 エドワード:「国のために捧げると誓ったこの命。 残念ながら、護るべきものを失ってしまいました。 ですから、これからは、お嬢様をお守りするために使ってもよろしいでしょうか?」 シャルロット:「っ! ……えぇ! ……でも、私だけではなく、エドも……ね?」 エドワード:「えっ?」 シャルロット:「私を一人にはしないで頂戴? これからも、ずっと……ずっと、一緒にいてね……?」 エドワード:「もちろんです。 これからも、来世でも……。 お嬢様……いいえ、シャルロット」 :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:辛いことがあっても、悲しいことがあっても、必ず乗り越えられる エドワード:守りたいものがあるから シャルロット:ずっと側で支えてくれる、大切な人がいてくれるから エドワード:そして、来世でもあなたと シャルロット:出逢えることを祈って :  :  :――(上演終了)――

0:キャラクター名の変更、および、一人称、語尾等の変更は、演者様間でお話の上、ご自由に楽しんでいただければと思います。 0:なお、世界観、内容が変わるほどの変更やアドリブは、ご遠慮ください。 0:  0:(役紹介) 0:【シャルロット】王女 0:【エドワード】騎士 0:  :  :――(上演開始)―― :  :  シャルロット:「お父様、お母様! どうして私(わたくし)だけ逃げなければならないのですか! 私も最後までここに残ります!」 :(掛け合いのため、少し間を置く) シャルロット:「えっ、今夜中にですか? そんなに急がないといけない状況なのですか?」 :(掛け合いのため、少し間を置く) シャルロット:「お母様……。 私も、お父様のことも、お母様のことも、愛しています。 どうか、どうか、ご無事で……」 :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:「どうして、どうして……? なぜ争いなど、起きてしまうのかしら」 :(扉がノックされる) シャルロット:「はい、だあれ?」 エドワード:「私(わたくし)です。 エドワードです」 シャルロット:「あっ、エド! 待って、今開けるわ! ……どうしたの? こんな時間に」 エドワード:「先ほど、国王より、今後はお嬢様と行動を共にし、お守りするようにと命じられました」 エドワード:「お嬢様、後一時間ほどで、城(ここ)を発ちます」 シャルロット:「そう……。 急なことに巻き込んでしまって、ごめんなさいね。 でも、エドが一緒にいてくれるのなら、私も心強いわ。 ありがとう」 エドワード:「……私の前では、無理に笑顔を作らないでください。 お嬢様の辛さは、十分に理解しているつもりです」 シャルロット:「いやね、私は大丈夫よ。 あっ、そうだわ! 後少ししか時間がないのよね? ジェシカに本を返してこなくちゃ! 少し部屋を離れるわね」 :(エド、シャルロットの言葉に被せて) エドワード:「お嬢様!」 シャルロット:「……っ! 本当は行きたくない! どうして私だけがお城を離れなければならないの? ジェシカも、エドのお父様も、みんなここに残るのよ? 私だってこの国の、この家の人間です! 最後までここにいたい!」 シャルロット:「それに、こんなに急がなければならないってことは、もう後がないってことなのでしょう? つまり、今日、お城(ここ)を離れてしまったら、お父様やお母様とはこれっきり、もう二度と逢うことはできない」 シャルロット:「……国民(みんな)が大切に守ってきた畑も焼かれ、家を壊され、大切な家族も傷つけられて……。 私は、国民(みんな)の暮らしを、笑顔を守らなければならないはずなのに。 それなのにっ! それなのにっ……」 シャルロット:「どうして争いなんて起こってしまうのかしら? ねぇ、そうでしょう、エド? ……どうして、どうして……」 :(エドワード、シャルロットが落ち着くのを待って) エドワード:「……お嬢様。 これから向かう場所ですが、以前、私の叔父がいた村に行くのはいかがでしょうか? 何もない場所ですが」 シャルロット:「あっ、お話を聞かせてくださったところよね? とてものどかで、温かい方ばかりだったと」 エドワード:「はい」 シャルロット:「……そこに、お父様やお母様たちも一緒に逃げられないのかしら」 エドワード:「……さすがに難しいかと。 お嬢様お一人だからこそ、なんとか誤魔化せるでしょうが、国王と王妃のお姿までもないとなりますと、必ずや追手が参ります」 エドワード:「辛いとは思いますが、どうか、お二方の気持ちを汲んでください」 シャルロット:「そう……よね。 ごめんなさい」 エドワード:「向こうに着いたら、お嬢様が好きなお花を、たくさん育てましょう。 そして、ここの庭に負けないくらいの、美しい庭園を作ってください」 シャルロット:「庭園をだなんて……エドにも手伝ってもらいますからね」 エドワード:「承知いたしました。 力仕事でしたら、いくらでもお手伝いしますよ」 シャルロット:「ふふっ。 頼りにしているわ、エド」 :  :  :(少し間を置く) :  :  エドワード:「大分慣れましたね」 シャルロット:「当然よ! 私を誰だと思っているの? ……ふふっ。 ここでの暮らしは、新鮮で楽しいことがいっぱい!」 シャルロット:「どれだけお花のお世話をしていても、止めにくる者もいないし。 それに……ほら! 採りたてのお野菜がこんなに美味しいだなんて、ここに来るまでは知らなかったことだわ」 エドワード:その笑顔が、また見られるようになって良かった エドワード:まるで太陽のようにキラキラとした……などと、騎士としての教育しか受けてきていない私には、ありきたりの表現しか思い浮かばなかった :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:「あら、何かしら? これは……」 :(エドワード、帰宅) シャルロット:「ひっく……ひっく……」 エドワード:「お嬢様? なにがあったのですか?」 :(シャルロット、紙を差し出す) エドワード:「ん? これは……!」 エドワード:そこには、私たちの生まれ育った国がなくなり、隣国の領地となったことが記されてた。 ……それはつまり、お嬢様のご両親の逝去を意味していた シャルロット:「お城を離れるとき、覚悟はしていたはずなのに。 いざ、こうやって現実になってしまったのだと知らされてしまうと、駄目ね……。 お父様……、お母様……っ!」 エドワード:「っ! お嬢様……!」 :(エドワード、シャルロットを抱き寄せる) シャルロット:「えっ、エド……?」 エドワード:「……お嬢様、今夜、私に時間をいただけませんか?」 シャルロット:「えっ?」 エドワード:「一緒に星を見ませんか?」 シャルロット:「……星を……?」 エドワード:「えぇ。 星に、お願いをしましょう」 :  :  :(夜、庭にて星を眺めながら) :  :  エドワード:「お嬢様は、運命を信じますか?」 シャルロット:「なあに、突然」 エドワード:「運命の相手というのは、過去世(かこぜ)で同じ家で暮らした相手……家族なのだそうです。 両親であったり、兄弟姉妹でだったり」 シャルロット:「そう……なの?」 エドワード:「だから、祈ってみませんか?」 シャルロット:「えっ?」 エドワード:「来世でも、またお二人と家族になれるように」 シャルロット:「……そうね。 来世では、私の作ったお料理を食べてもらいたいわ」 エドワード:「そうですね」 シャルロット:「エドが教えてくれたお陰で、こんなにも作れるようになったんですもの」 エドワード:「私は騎士として叩き込まれた、簡単なものしか教えていないですよ。 後はすべて、お嬢様の努力の賜物(たまもの)です」 シャルロット:「ふふっ、ありがとう!」 :  :  :(シャルロットが祈り終わるのを待って) :  :  エドワード:「私も、来世でもお嬢様の料理を食べたいです」 シャルロット:「えぇ、もちろんエドも一緒に!」 エドワード:「ありがとうございます。 では、そのためにも……これを受け取ってもらえませんか?」 :(エドワード、指輪を差し出す) シャルロット:「えっ、指輪……?」 エドワード:「一国のお嬢様にお贈りするのに相応しいものではありませんが……」 シャルロット:「ふふっ。 私は、もう王女ではないのよ。 ……ありがとう、エド! すごく嬉しい! ……ねぇ、指輪。 エドが着けてくれる?」 :(シャルロット、エドワードの肩に寄りかかる) シャルロット:「エドがいてくれて、本当に良かった。 あの知らせを目にしたとき、悲しくて、悲しくて、辛くて……苦しかった」 シャルロット:「でも、今はこんなにも幸せ。 エドのお陰ね」 シャルロット:「……私、本当に、エドに頼ってばかりね」 :(お嬢様を座り直させて、シャルロットの前に跪く) シャルロット:「……? どうしたの? エド」 エドワード:「国のために捧げると誓ったこの命。 残念ながら、護るべきものを失ってしまいました。 ですから、これからは、お嬢様をお守りするために使ってもよろしいでしょうか?」 シャルロット:「っ! ……えぇ! ……でも、私だけではなく、エドも……ね?」 エドワード:「えっ?」 シャルロット:「私を一人にはしないで頂戴? これからも、ずっと……ずっと、一緒にいてね……?」 エドワード:「もちろんです。 これからも、来世でも……。 お嬢様……いいえ、シャルロット」 :  :  :(少し間を置く) :  :  シャルロット:辛いことがあっても、悲しいことがあっても、必ず乗り越えられる エドワード:守りたいものがあるから シャルロット:ずっと側で支えてくれる、大切な人がいてくれるから エドワード:そして、来世でもあなたと シャルロット:出逢えることを祈って :  :  :――(上演終了)――