台本概要

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タイトル ずっと忘れられない約束をしよう
作者名 にこだあ  (@Osama_Chiru)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 5人用台本(男3、女2)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 桜ちゃん、大きくなったら僕のお嫁さんになってくれる?

…桜、お嫁さんになる!

子どもの頃にした約束。
あなたにとってくだらなくても、私にとって、僕にとって。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
132 島田桜(しまださくら)。小さな頃にした約束を忘れられない女の子。口が悪い。
但馬 77 但馬悟(たじまさとる)。転校生。穏やかな話し方。
61 伊集院雅(いじゅういんみやび)。お嬢様。桜の親友。桜の母兼ね役。
大地 47 桜木大地(さくらぎだいち)。お調子者。でもいいやつ。教師兼ね役。
大隅 55 大隅晴(おおすみはる)。無口。だけど会話はしてくれる。秀才。担任兼ね役。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
桜:大きくなったら、桜のことお嫁さんにしてくれる?  :  桜:遅刻だァ〜〜〜!おい!お袋!なんで起こしてくれなかったんだよ?! 母:あらあら…どうしてって…何回も起こしたのに起きなかったのは桜ちゃんでしょう? 桜:うるせぇ!引っぱたいてでも起こせよな! 母:桜ちゃん、朝ごはんは? 桜:食ってる時間ねーよ!いってきます! 母:いってらっしゃい、気をつけてね  :  桜:小さな頃の、小さな約束。 桜:幼かった2人の秘密の誓い。 桜:私はまだ、あの約束を忘れられないでいる。  :  雅:おはよう、桜ちゃん。ギリギリだね。 桜:はよ〜、みやび。お袋がよぉ、私を起こすの諦めやがったんだわ。 雅:お母さんに頼らずに起きれるようになればいいじゃない。 桜:はぁ?お前は起きれるんか? 雅:私は勿論使用人に起こしてもらってるわよ。 大地:はよーっす!桜!雅! 雅:大地くん、ギリギリ遅刻じゃない? 桜:はよ〜っす 大地:いや、さっき担任に会ってお許し貰ってっから 担任:はい、おはようございます。桜木、遅刻な 大地:なんで! 桜:わはは 雅:うふふ 担任:今日は転校生を紹介するぞ 大地:転校生?!女子こい女子! 雅:こんな時期に転校生なんて…どんな子が来るんだろうね 桜:知らん、興味無い。私は寝る。 雅:ほんの数時間前まで寝ていたのにもう眠いの? 担任:お〜い、入ってこい 但馬:但馬 悟です、よろしくお願いします 大地:なんだ…男かよ〜! 雅:あら、イケメン 担任:但馬の席は…島田の隣が空いてるな。あそこで寝てる金髪の隣だ。 雅:あら!私の斜め前だなんて! 大地:但馬!ここ!俺の後ろな! 大地:よろしくな!俺、桜木 大地!ここで寝てるやつは島田 桜! 但馬:うん、よろしく 雅:私は伊集院 雅。よろしくね、但馬くん。 但馬:うん、よろしくね 大地:但馬って前はどこにいたんだ? 但馬:あー…えと、前は大阪にいたんだ 雅:あら、でも関西の方ではないですよね? 但馬:うん、俺転校が多くてさ… 大地:ふーん?じゃあここもすぐいなくなっちゃうとか? 但馬:いや、多分ここが最後。高校3年生だし、卒業したらそのまま就職しようかなって思ってるから 雅:素敵ね、将来設計が出来てるなんて 大地:俺は卒業したら石油王になる! 雅:うふふ、おバカさんね 但馬:あはは、夢はでっかい方がいいと思うよ 大地:だよな?! 桜:うるせぇ!さっきからなんだよ!おちおち眠れやしねえ 雅:あら、桜ちゃん。大地くんが石油王になるって話よ。 桜:なれるわけねーだろ、現実見ろ馬鹿が。 大地:ひでぇ! 但馬:あはは、君が島田さんだよね?俺、但馬 悟。よろしく。 桜:あ?おぉ… 雅:うふふ、但馬くんがイケメンだからってそんなに照れなくてもいいじゃない 桜:照れてねーわ! 大隅:…島田 桜:あ? 雅:あら、大隅くん。 大隅:…進路希望調査、あと島田だけ…だから。 桜:あー…わかった。後で持ってく。 大隅:…うん、よろしく。 大地:あいつ、いっつも暗いよなぁ 雅:影のある男性ってミステリアスでいいと思うわ 桜:いや…うん、まぁ…あいつは結構良い奴だよ 但馬:…  :  雅:夏休み、どこか行きましょうよ! 桜:無理、却下、めんどくせぇ 大地:えぇー!良いじゃねえか!但馬との思い出作ろうぜ?! 桜:なんで私が。お前らで行ってくればいいじゃねえか。 雅:またそんなこと言って。それでいて置いていったら後から文句言うんだもの。いいから、計画立てましょうよ。 但馬:俺も参加していいの? 大地:もちろん!お前の思い出作りも兼ねてんだし! 但馬:俺、友だちと夏休みに遊ぶなんて初めてだから嬉しいな。 大地:お、じゃあ但馬の行きたいところにしようぜ! 雅:いいわね 桜:勝手に話進めんじゃねえよ! 但馬:俺、海に行きたい 雅:海!いいわね! 大地:じゃあ決まりな!桜!ちゃんと来いよ! 桜:てめぇだよ、夏休みの補習常習犯が 大地:ぐっ…それは言わねえ約束だろうがよ… 雅:うふふ、日程は補習が終わった後の日曜日はどうかしら? 但馬:俺は大丈夫 桜:めんどくせぇなぁ 大地:俺もいいぜ! 雅:じゃあそうしましょう!楽しみね  :  桜:あっちぃ…来るんじゃなかった… 雅:素敵ね!水面がキラキラしてるわ! 大地:俺いっちば〜ん! 但馬:わ!お、おい、引っ張んなって! 雅:あらあら…男の子は元気ねぇ… 桜:ガキくせえ 大地:おーい!2人とも早く来いよ! 但馬:しょっぱ!口の中入った… 雅:そんなに急がなくても海は逃げないわ 桜:あー、私朝飯抜いてんだわ。ちょっと買ってくる。 雅:あら、一緒に行きましょうか? 桜:大丈夫、先行っとけ  :  桜:すませーん、焼きそば1つ 大隅:…はい 桜:あ?お前…大隅か? 大隅:…島田 桜:なんでこんな所にいやがる 大隅:…ここ、俺の親戚が経営してるから。その手伝い。 桜:ふーん?休みの日まで大変だな。 大隅:…まぁ、することもないし。 桜:あ、あの…さ、ここって何時までなんだ? 大隅:…一応お昼から休憩もらってる 桜:そしたらさ、お前もこいよ。あいつら今日は日暮れまでいるんだって意気込んでたし。…待ってっからさ! 大隅:…え 桜:焼きそば、さんきゅーな! 大隅:…あ、うん  :  雅:遅かったわね 桜:あーなんか大隅に会ってよ 雅:え!大隅くんに? 桜:おー、なんから昼から休憩貰ってるらしいから一緒に遊ぼうぜって誘っておいた 雅:… 桜:な、なんだよ 雅:桜ちゃん、やけに大隅くんのこと気にするわよねぇ? 桜:は?!そんなんじゃねえし! 雅:そうかしら? 桜:まぁ…なんていうか…あいつって昔の自分を見てるみたいで放っておけねえっていうか… 雅:そういう愛のカタチもあるわよね 桜:だからちげーって! 大地:おーい、なにしてんだ? 雅:桜ちゃんの恋の話よ〜! 桜:お、おい! 但馬:…  :  大地:あーつっかれたぁ… 雅:なんか食べましょうか 但馬:そうだね、どうしようか 桜:あーそれなら… 大隅:…これ 雅:あら!大隅くん! 大地:何持ってんだ?うぉ!めちゃくちゃ持ってる! 大隅:…誘われたっておじさんに言ったら持ってけって…みんなが何好きなのか分かんないし、適当に持ってきた 大地:俺焼きそば〜! 雅:私はフランクフルトもらうわね、但馬くんは? 但馬:…俺は余ったやつでいいよ 大隅:…島田は?何食べる? 桜:んー焼きそばはさっき食ったからな 大隅:…じゃあたこ焼きなんてどう?さっき作ったんだけど 桜:お、うまそう!それもらうわ! 大地:いやしっかしお前がいるなんてな!毎年手伝ってんの? 大隅:…いや、今年はおじさんの子どもが外国に行っちゃって人手が足りないから手伝ってただけ 雅:あらそうなの。じゃあ来年は大隅くんも一緒に海に行けるわね 桜:なんで来年もお前らと海に行くこと決まってんだよ… 雅:なんで?行きましょうよ。卒業してもズッ友でしょ?私たち 桜:ズッ友? 雅:ずっと友だち 但馬:…この焼きそば、美味しいね。大隅くんが作ったの? 大隅:…うん、1人で任されてるから 但馬:すごいや、信頼されてるんだね 大隅:…いや、そーゆうのじゃないと思うけど 但馬:卒業したら飲食に進んだらいいんじゃない?こんなに美味しい料理が作れるなら 大隅:…料理って…ただ焼いただけだし 雅:あら、じゃあ大隅くんは卒業したらどうするの? 大地:俺も気になってた! 大隅:…俺は、医大に進もうと思ってる。医者になりたいんだ 但馬:すごいね、頭いいんだ? 大地:こいつは学年トップだぞ! 雅:石油王とかほざいてる馬鹿とは比べ物にならないわね 大地:えーと…雅ちゃん?もしかしてだけど俺の事嫌い? 雅:誰も大地くんのことだって言ってないじゃない 但馬:みんなは?みんなはどうするの? 雅:私は音楽の道に進みたいの。伊集院財閥の跡取りの話もあったのだけど…弟が随分乗り気でね、女と男じゃまだまだ差別がひどいから。財閥のことは弟に任せることにしたわ。 但馬:ざ、財閥…伊集院さんってほんとにお金持ちだったんだ 大地:1回こいつの家行ってみろよ、スーパーの安売りに命かけてるうちの親がバカバカしくなるぜ 但馬:あー…はは…島田さんは? 桜:あ?私? 但馬:島田さんは卒業したらどうするの? 桜:…てきとーに生きる。夢なんてもんねえし。大学行っても無駄だし。 大隅:… 桜:みんな大層な夢持ってんな、羨ましいぜ  :  大隅:…言わないんだ 桜:あ?なにが 大隅:進路希望調査、集める時にちらっと見えたんだけど 桜:人に言うようなもんじゃねえよ。なれなかったら意味ねーし 大隅:…言霊って知ってる? 桜:言霊? 大隅:…人に言うことで叶ったりすることもあるんだって 桜:へぇ…ならお前だけが知っていればいい。 大隅:…え? 桜:お前だけが私の夢、知っていてくれよ 大隅:…  :  但馬:島田さん、ちょっといいかな 桜:あ?なんだよ急に改まって 但馬:うん、ちょっと2人で話したいことがあって 桜:今ならあいつらもいないしここじゃダメなんか? 但馬:人に聞かれたらちょっと恥ずかしくてさ… 桜:ふーん?いいぜ、屋上でいいか? 但馬:うん  :  桜:で、なんだよ話って 但馬:うん、あのさ、違ってたら恥ずかしいんだけど僕たち昔会ったことないかな? 桜:昔? 但馬:そう、うんと小さい頃。2人で秘密の約束をした。 桜:っ! 但馬:その反応…やっぱり、君が桜ちゃん? 桜:も、もしかしてお前… 但馬:うん、小さい頃君をお嫁さんにするって約束した…嬉しいな、覚えていてくれたんだ。 桜:…いや、でも正直顔は覚えてなかった…わりぃ 但馬:いいんだ。それでも君は覚えていてくれた。それが嬉しいから。 桜:… 但馬:あの時のプロポーズ、まだ有効かな? 桜:…え 但馬:僕はずっと君を探してた。君さえ良ければ、僕とお付き合いして欲しいんだけど 桜:…や、その… 但馬:どうかな? 桜:…ちょっと…考えさせて欲しい… 但馬:…わかったよ 桜:…さ、先に戻ってるな?へ、返事は…必ずするから! 但馬: 但馬:…あーあ、一筋縄じゃいかない…か…めんどくせえな…  :  桜:はぁっ…はぁっ…あっ!わ、わりぃ! 大隅:…いや大丈夫、どうした? 桜:お、大隅! 大隅:…なんかすごい慌ててる…屋上にいたの? 桜:あ、いや…その 大隅:…但馬くんといた? 桜:な、なんで! 大隅:…なんとなく。でも、そっか…どうしようかな 桜:? 大隅:…君は但馬くんのことが好き? 桜:?!な、なんだよ急に! 大隅:…いや、君の気持ちを知っておかないことには僕もどうすることも出来ないというか…君が但馬くんのことを好きなら、僕は応援するよ 桜:…そ、それって…お前は…私があいつと付き合ってもいいって…そういうことだよな 大隅:…いや、それは君の気持ちが最優先だって話だけど 桜:…もういい、話しかけんな。お前の顔なんて二度とみたくねえ 大隅:…わかった 大隅:(…もし、違うなら…違っていて欲しいと、そう願って)  :  雅:あら、桜ちゃん。どこに行っていたの…って、どうしたの?その顔 桜:… 雅:なにかあった…のでしょうね。今ここにはいない但馬くんや大隅くんが関係しているのかしら? 桜:… 雅:無言は肯定と受け取るわね、話、聞きましょうか? 桜:…但馬に告られた。 雅:あら 桜:但馬は…昔私と結婚の約束をした相手だって言ってた… 雅:桜ちゃんが昔、よくお話してくれた約束の事ね? 桜:だけど私…わかんなくて、返事は待ってくれって 雅:ふぅん? 桜:そしたら、大隅に会って… 雅:うん 桜:私が但馬のことを好きなら、応援するって… 雅:それで、どうして桜ちゃんはそんなに傷ついた顔をしているの? 桜:…わかんねぇ 雅:大隅くんも但馬くんも、悪いこと言ってないわ。桜ちゃんが傷ついたのはどうして? 桜:… 雅:大隅くんに、応援するって言われたことが悲しかったんじゃないの? 桜:… 雅:桜ちゃんと大隅くんのこと、私はよく知らないから勝手なことは言えないわ。だけどね、桜ちゃん。あなたはきっと、大隅くんのことが好きなのよ。 桜:…私が…大隅のこと…  :  桜:(高校に入学したてのころ) 桜:(私はこの見た目から、やってもいない事で疑いをかけられていた)  :  桜:私はやってねえよ! 教師:嘘をつくな! 桜:嘘なんてついてねえ!  :  桜:(助けてくれたのが、大隅だった) 大隅:彼女はやっていません。僕、見てましたから。 教師:なに?! 大隅:証拠もあります。彼女はやっていません。 教師:っ! 大隅:わかってもらえましたか?彼女に謝ってください 教師:そ、そもそもお前がそんなチャラチャラした見た目をしているのが悪いんだ!言葉遣いだって悪い!疑われて当然だ! 大隅:おい! 桜:いいって!もう…いいから  :  桜:ありがとな、お前のおかげで助かった 大隅:…別に、島田はやってないのに責められるのっておかしいと思っただけだし。クラスのみんなの誤解も解きなよ。 桜:…いや、いいんだ。私はやってないって誰か一人でも知っていてくれれば。それで。 大隅:…そう  :  桜:(次の日、教室へ行くと何故か全員から謝られた。多分、大隅が何かしてくれたんだろうけど、当の本人は何も言ってこなかった) 桜:(その日から、きっと、私は)  :  但馬:話って何かな?大隅くん 大隅:…いい加減、僕の前ではその態度辞めてくれていいよ。鳥肌が止まらないから。 但馬:言ってる意味が分からないんだけど… 大隅:…随分、イメチェンをしたんだね?昔はあんなに意地悪だったのに 但馬:…はっ、やっぱりお前かよ。変わんねえな昔から。ジメジメジメジメ…陰気くせぇ 大隅:…君はやっぱりそっちの方が合ってるよ。性格の悪さが人相にまで出てるから 但馬:うぜえ奴、で?なんだよ話って 大隅:…島田をどうする気? 但馬:あ? 大隅:…島田に告白したんだよね 但馬:…はぁ…あいつ余計なことしやがって… 大隅:…島田を傷つけるつもりなら、俺も黙って見過ごす訳にはいかない。どこから嗅ぎつけたのか知らないけど、昔の約束まで持ち出して。 但馬:…くっ、はははっ!!あははははっ!!そうそう、約束な…?あいつその話したらみるみる表情が変わってな?くっだらねぇよな、ガキの頃にした約束なんてもんにすがってよぉ 大隅:…お前 但馬:途中で笑いこらえんの大変だったわぁ、あぁ…ごめんな?お前らのくだらえねぇ約束を俺のもんにしちまって。 大隅:…お前いつからそんな風に… 但馬:昔っからだよ…昔っから俺はお前らが大嫌いだった。だから決めたんだ。お前らは俺がぜってぇ地獄に突き落とすって。 大隅:… 但馬:せいぜい指くわえて見てろよ、ど陰キャクソメガネ  :  桜:私が、大隅のことを好き… 桜:(あれから1週間、私はまだ但馬に返事を返せていない) 大地:さっくら〜!どうしたんだよ、そんなくらい顔して 桜:大地… 大地:てかなんか最近お前ら付き合い悪くね?まぁ進路のことで色々忙しいのも分かるけどさぁ…大地くんは寂しい! 桜:ふっ…お前も忙しそうにしてんじゃねえか。自称石油王さん。 大地:なっ、お前…もしかして俺の進路希望見た? 桜:いや?見てねえよ大地先生。 大地:見てんじゃねーか!やめろよ恥ずかしい! 桜:お前にも、ちゃんと夢あるんだなって感心した。 大地:お、おう… 桜:いいじゃん、教師。向いてると思う。セクハラで訴えられないようにな。 大地:辛辣!けど、まぁ…ありがと。 桜:私も早く…なんとかしねえとな。 大地:…ゴホン、えー…それでは未来のグレートティーチャー大地からありがたいお言葉を送ろうと思うのですが。 桜:…あ? 大地:お前が何に悩んでるのか、1ミリも知りませんが!結局自分の人生なんだから、お前の気持ちがいちばん大切だと思います! 桜:…大地 大地:周りになんて言われようが、見られようがさ。お前はいつもお前らしくいたじゃん。周りに流されねえお前のこと、俺は結構かっけえなって思ってたんだぜ。 桜:… 大地:だからさ、大丈夫だよお前なら。お前が信じた道なら。俺はそう思う。 桜:…ありがとう 大地:それにさ、どんな道だろうときっと俺たちはズッ友だし?また来年も海行こうな〜! 桜:ズッ友… 雅:『ずっと友だち』 桜:…そうだな、私たちはズッ友だ。…なんかダセーけど。私たちらしくて、なんか、うん。いいな。 大地:ズッ友って言ったの雅だけどな?! 桜:なんかお前に言われたら大丈夫な気がしてきた。ありがとう、大地。 大地:いいってことよ!  :  桜:(決着をつけにいこう、そして) 桜:(大隅とも話をしなくちゃ)  :  但馬:返事、くれる気になった? 桜:…あぁ 但馬:その表情は…あまりいい答えは聞けそうにないね? 桜:…但馬…わるい!私、私さ… 但馬:…いいよ、わかってるから。 桜:但馬の気持ちは嬉しかった。だから真剣に向き合ったんだ。私は、お前と付き合うことは出来ない。 但馬:…うん 桜:私は大隅が好きだ。この気持ちに嘘はつけねえ。どんな結果になったとしても、私が大隅を好きだったことに嘘はつきたくねえ。 但馬:…そっか 桜:約束、破っちまってごめん。 但馬:…そのことなんだけど…さ 桜:? 但馬:…あれ、嘘なんだよね 桜:え…嘘? 但馬:うん、あの約束をしたのは、僕じゃない。だから君は約束を破ってなんかいない。 桜:で、でも約束の内容だって分かってたじゃねえか! 但馬:うん、ごめん。ずっと嘘ついてた。ほんとは僕、昔ここに住んでたんだ。君のことも知ってた。あの約束をした日…僕もそこにいた。 桜:ど、どういうことだよ?! 但馬:君を僕のものにしたくて、嘘をついた。ほんとにごめん。 桜:じゃ、じゃあ。 桜:あの約束をしたのは… 大隅:島田! 桜:…大隅? 但馬:あぁ、僕が話すよりもきっと本人から聞いた方がずっといい。ありがとう桜ちゃん。ちゃんと返事をくれて。これで僕も、次に進むことが出来る。  :  但馬:ずっと、君が好きだった。 但馬:覚えてないよね、僕たち3人、昔はずっと一緒にいたんだ。 但馬:僕、記憶力がいいのかな。ずっと忘れられなくてさ。 但馬:あの頃から、確かに君はあいつのことが好きで、あいつは君のことが好きだった。 但馬:分かっちゃったんだ。幼心なりに。 但馬:だから、僕から離れた。 但馬:好きだった君に素直になれなくて、意地悪な態度もとった。 但馬:大切だったアイツに、嫉妬心から酷いことも言った。 但馬:けれど確かに、君たちは僕の宝物だった。 但馬:桜ちゃん、大きくなったら僕のお嫁さんになってくれる? 桜:…じゃあ桜、2人のお嫁さんになる! 但馬:そんなくだらない、小さな頃の約束を忘れられなかったのは… 但馬:うん、約束ね! 但馬:正真正銘、この僕だ。  :  桜:5年…かぁ…みんな私のこと覚えてるかな  :  桜:(島田 桜)  :  大隅:…まぁ、確かに話し方はだいぶ落ち着いたし、同窓会なんかでは一瞬誰だか分からないと思うけど、大丈夫でしょ、あいつらなら。  :  大隅:(大隅 晴。現在、医大生)  :  雅:桜ちゃーん!! 桜:うわぁ!雅! 雅:久しぶりね!まあまあまあ!可愛くなって!結婚式はいつ?!必ず呼んでね!私、余興で演奏するわよ!  :  雅:(伊集院 雅。私は今、世界中を飛び回るバイオリニスト!)  :  大地:よっす!久しぶり!なんだよ、随分大人っぽくなっちまったな! 桜:大地!  :  大地:(桜木 大地。俺は夢を立派に叶えて、現在教師として活躍(?)中!)  :  桜:そして。 但馬:…久しぶり  :  但馬:(但馬 悟。外国で教育を受けられない子どものための青空教室をやっている)  :  桜:悟! 雅:久しぶり!今はどこの国にいるのかしら?この間はロンドンで一緒に食事をしたのよ! 大地:立派にやってんなぁ! 大隅:…久しぶり  :  桜:(そして、私、島田 桜は。)  :  但馬:俺の事より、どうなの?そっちは。 大地:そうそう!桜の名前を見ない日はないってくらい有名になっちまったよな! 雅:私も外国の方に宣伝してるのよ! 桜:えへへ、ありがとう 大隅:…夢、叶ったな 桜:現在、脚本家として活躍中です!

桜:大きくなったら、桜のことお嫁さんにしてくれる?  :  桜:遅刻だァ〜〜〜!おい!お袋!なんで起こしてくれなかったんだよ?! 母:あらあら…どうしてって…何回も起こしたのに起きなかったのは桜ちゃんでしょう? 桜:うるせぇ!引っぱたいてでも起こせよな! 母:桜ちゃん、朝ごはんは? 桜:食ってる時間ねーよ!いってきます! 母:いってらっしゃい、気をつけてね  :  桜:小さな頃の、小さな約束。 桜:幼かった2人の秘密の誓い。 桜:私はまだ、あの約束を忘れられないでいる。  :  雅:おはよう、桜ちゃん。ギリギリだね。 桜:はよ〜、みやび。お袋がよぉ、私を起こすの諦めやがったんだわ。 雅:お母さんに頼らずに起きれるようになればいいじゃない。 桜:はぁ?お前は起きれるんか? 雅:私は勿論使用人に起こしてもらってるわよ。 大地:はよーっす!桜!雅! 雅:大地くん、ギリギリ遅刻じゃない? 桜:はよ〜っす 大地:いや、さっき担任に会ってお許し貰ってっから 担任:はい、おはようございます。桜木、遅刻な 大地:なんで! 桜:わはは 雅:うふふ 担任:今日は転校生を紹介するぞ 大地:転校生?!女子こい女子! 雅:こんな時期に転校生なんて…どんな子が来るんだろうね 桜:知らん、興味無い。私は寝る。 雅:ほんの数時間前まで寝ていたのにもう眠いの? 担任:お〜い、入ってこい 但馬:但馬 悟です、よろしくお願いします 大地:なんだ…男かよ〜! 雅:あら、イケメン 担任:但馬の席は…島田の隣が空いてるな。あそこで寝てる金髪の隣だ。 雅:あら!私の斜め前だなんて! 大地:但馬!ここ!俺の後ろな! 大地:よろしくな!俺、桜木 大地!ここで寝てるやつは島田 桜! 但馬:うん、よろしく 雅:私は伊集院 雅。よろしくね、但馬くん。 但馬:うん、よろしくね 大地:但馬って前はどこにいたんだ? 但馬:あー…えと、前は大阪にいたんだ 雅:あら、でも関西の方ではないですよね? 但馬:うん、俺転校が多くてさ… 大地:ふーん?じゃあここもすぐいなくなっちゃうとか? 但馬:いや、多分ここが最後。高校3年生だし、卒業したらそのまま就職しようかなって思ってるから 雅:素敵ね、将来設計が出来てるなんて 大地:俺は卒業したら石油王になる! 雅:うふふ、おバカさんね 但馬:あはは、夢はでっかい方がいいと思うよ 大地:だよな?! 桜:うるせぇ!さっきからなんだよ!おちおち眠れやしねえ 雅:あら、桜ちゃん。大地くんが石油王になるって話よ。 桜:なれるわけねーだろ、現実見ろ馬鹿が。 大地:ひでぇ! 但馬:あはは、君が島田さんだよね?俺、但馬 悟。よろしく。 桜:あ?おぉ… 雅:うふふ、但馬くんがイケメンだからってそんなに照れなくてもいいじゃない 桜:照れてねーわ! 大隅:…島田 桜:あ? 雅:あら、大隅くん。 大隅:…進路希望調査、あと島田だけ…だから。 桜:あー…わかった。後で持ってく。 大隅:…うん、よろしく。 大地:あいつ、いっつも暗いよなぁ 雅:影のある男性ってミステリアスでいいと思うわ 桜:いや…うん、まぁ…あいつは結構良い奴だよ 但馬:…  :  雅:夏休み、どこか行きましょうよ! 桜:無理、却下、めんどくせぇ 大地:えぇー!良いじゃねえか!但馬との思い出作ろうぜ?! 桜:なんで私が。お前らで行ってくればいいじゃねえか。 雅:またそんなこと言って。それでいて置いていったら後から文句言うんだもの。いいから、計画立てましょうよ。 但馬:俺も参加していいの? 大地:もちろん!お前の思い出作りも兼ねてんだし! 但馬:俺、友だちと夏休みに遊ぶなんて初めてだから嬉しいな。 大地:お、じゃあ但馬の行きたいところにしようぜ! 雅:いいわね 桜:勝手に話進めんじゃねえよ! 但馬:俺、海に行きたい 雅:海!いいわね! 大地:じゃあ決まりな!桜!ちゃんと来いよ! 桜:てめぇだよ、夏休みの補習常習犯が 大地:ぐっ…それは言わねえ約束だろうがよ… 雅:うふふ、日程は補習が終わった後の日曜日はどうかしら? 但馬:俺は大丈夫 桜:めんどくせぇなぁ 大地:俺もいいぜ! 雅:じゃあそうしましょう!楽しみね  :  桜:あっちぃ…来るんじゃなかった… 雅:素敵ね!水面がキラキラしてるわ! 大地:俺いっちば〜ん! 但馬:わ!お、おい、引っ張んなって! 雅:あらあら…男の子は元気ねぇ… 桜:ガキくせえ 大地:おーい!2人とも早く来いよ! 但馬:しょっぱ!口の中入った… 雅:そんなに急がなくても海は逃げないわ 桜:あー、私朝飯抜いてんだわ。ちょっと買ってくる。 雅:あら、一緒に行きましょうか? 桜:大丈夫、先行っとけ  :  桜:すませーん、焼きそば1つ 大隅:…はい 桜:あ?お前…大隅か? 大隅:…島田 桜:なんでこんな所にいやがる 大隅:…ここ、俺の親戚が経営してるから。その手伝い。 桜:ふーん?休みの日まで大変だな。 大隅:…まぁ、することもないし。 桜:あ、あの…さ、ここって何時までなんだ? 大隅:…一応お昼から休憩もらってる 桜:そしたらさ、お前もこいよ。あいつら今日は日暮れまでいるんだって意気込んでたし。…待ってっからさ! 大隅:…え 桜:焼きそば、さんきゅーな! 大隅:…あ、うん  :  雅:遅かったわね 桜:あーなんか大隅に会ってよ 雅:え!大隅くんに? 桜:おー、なんから昼から休憩貰ってるらしいから一緒に遊ぼうぜって誘っておいた 雅:… 桜:な、なんだよ 雅:桜ちゃん、やけに大隅くんのこと気にするわよねぇ? 桜:は?!そんなんじゃねえし! 雅:そうかしら? 桜:まぁ…なんていうか…あいつって昔の自分を見てるみたいで放っておけねえっていうか… 雅:そういう愛のカタチもあるわよね 桜:だからちげーって! 大地:おーい、なにしてんだ? 雅:桜ちゃんの恋の話よ〜! 桜:お、おい! 但馬:…  :  大地:あーつっかれたぁ… 雅:なんか食べましょうか 但馬:そうだね、どうしようか 桜:あーそれなら… 大隅:…これ 雅:あら!大隅くん! 大地:何持ってんだ?うぉ!めちゃくちゃ持ってる! 大隅:…誘われたっておじさんに言ったら持ってけって…みんなが何好きなのか分かんないし、適当に持ってきた 大地:俺焼きそば〜! 雅:私はフランクフルトもらうわね、但馬くんは? 但馬:…俺は余ったやつでいいよ 大隅:…島田は?何食べる? 桜:んー焼きそばはさっき食ったからな 大隅:…じゃあたこ焼きなんてどう?さっき作ったんだけど 桜:お、うまそう!それもらうわ! 大地:いやしっかしお前がいるなんてな!毎年手伝ってんの? 大隅:…いや、今年はおじさんの子どもが外国に行っちゃって人手が足りないから手伝ってただけ 雅:あらそうなの。じゃあ来年は大隅くんも一緒に海に行けるわね 桜:なんで来年もお前らと海に行くこと決まってんだよ… 雅:なんで?行きましょうよ。卒業してもズッ友でしょ?私たち 桜:ズッ友? 雅:ずっと友だち 但馬:…この焼きそば、美味しいね。大隅くんが作ったの? 大隅:…うん、1人で任されてるから 但馬:すごいや、信頼されてるんだね 大隅:…いや、そーゆうのじゃないと思うけど 但馬:卒業したら飲食に進んだらいいんじゃない?こんなに美味しい料理が作れるなら 大隅:…料理って…ただ焼いただけだし 雅:あら、じゃあ大隅くんは卒業したらどうするの? 大地:俺も気になってた! 大隅:…俺は、医大に進もうと思ってる。医者になりたいんだ 但馬:すごいね、頭いいんだ? 大地:こいつは学年トップだぞ! 雅:石油王とかほざいてる馬鹿とは比べ物にならないわね 大地:えーと…雅ちゃん?もしかしてだけど俺の事嫌い? 雅:誰も大地くんのことだって言ってないじゃない 但馬:みんなは?みんなはどうするの? 雅:私は音楽の道に進みたいの。伊集院財閥の跡取りの話もあったのだけど…弟が随分乗り気でね、女と男じゃまだまだ差別がひどいから。財閥のことは弟に任せることにしたわ。 但馬:ざ、財閥…伊集院さんってほんとにお金持ちだったんだ 大地:1回こいつの家行ってみろよ、スーパーの安売りに命かけてるうちの親がバカバカしくなるぜ 但馬:あー…はは…島田さんは? 桜:あ?私? 但馬:島田さんは卒業したらどうするの? 桜:…てきとーに生きる。夢なんてもんねえし。大学行っても無駄だし。 大隅:… 桜:みんな大層な夢持ってんな、羨ましいぜ  :  大隅:…言わないんだ 桜:あ?なにが 大隅:進路希望調査、集める時にちらっと見えたんだけど 桜:人に言うようなもんじゃねえよ。なれなかったら意味ねーし 大隅:…言霊って知ってる? 桜:言霊? 大隅:…人に言うことで叶ったりすることもあるんだって 桜:へぇ…ならお前だけが知っていればいい。 大隅:…え? 桜:お前だけが私の夢、知っていてくれよ 大隅:…  :  但馬:島田さん、ちょっといいかな 桜:あ?なんだよ急に改まって 但馬:うん、ちょっと2人で話したいことがあって 桜:今ならあいつらもいないしここじゃダメなんか? 但馬:人に聞かれたらちょっと恥ずかしくてさ… 桜:ふーん?いいぜ、屋上でいいか? 但馬:うん  :  桜:で、なんだよ話って 但馬:うん、あのさ、違ってたら恥ずかしいんだけど僕たち昔会ったことないかな? 桜:昔? 但馬:そう、うんと小さい頃。2人で秘密の約束をした。 桜:っ! 但馬:その反応…やっぱり、君が桜ちゃん? 桜:も、もしかしてお前… 但馬:うん、小さい頃君をお嫁さんにするって約束した…嬉しいな、覚えていてくれたんだ。 桜:…いや、でも正直顔は覚えてなかった…わりぃ 但馬:いいんだ。それでも君は覚えていてくれた。それが嬉しいから。 桜:… 但馬:あの時のプロポーズ、まだ有効かな? 桜:…え 但馬:僕はずっと君を探してた。君さえ良ければ、僕とお付き合いして欲しいんだけど 桜:…や、その… 但馬:どうかな? 桜:…ちょっと…考えさせて欲しい… 但馬:…わかったよ 桜:…さ、先に戻ってるな?へ、返事は…必ずするから! 但馬: 但馬:…あーあ、一筋縄じゃいかない…か…めんどくせえな…  :  桜:はぁっ…はぁっ…あっ!わ、わりぃ! 大隅:…いや大丈夫、どうした? 桜:お、大隅! 大隅:…なんかすごい慌ててる…屋上にいたの? 桜:あ、いや…その 大隅:…但馬くんといた? 桜:な、なんで! 大隅:…なんとなく。でも、そっか…どうしようかな 桜:? 大隅:…君は但馬くんのことが好き? 桜:?!な、なんだよ急に! 大隅:…いや、君の気持ちを知っておかないことには僕もどうすることも出来ないというか…君が但馬くんのことを好きなら、僕は応援するよ 桜:…そ、それって…お前は…私があいつと付き合ってもいいって…そういうことだよな 大隅:…いや、それは君の気持ちが最優先だって話だけど 桜:…もういい、話しかけんな。お前の顔なんて二度とみたくねえ 大隅:…わかった 大隅:(…もし、違うなら…違っていて欲しいと、そう願って)  :  雅:あら、桜ちゃん。どこに行っていたの…って、どうしたの?その顔 桜:… 雅:なにかあった…のでしょうね。今ここにはいない但馬くんや大隅くんが関係しているのかしら? 桜:… 雅:無言は肯定と受け取るわね、話、聞きましょうか? 桜:…但馬に告られた。 雅:あら 桜:但馬は…昔私と結婚の約束をした相手だって言ってた… 雅:桜ちゃんが昔、よくお話してくれた約束の事ね? 桜:だけど私…わかんなくて、返事は待ってくれって 雅:ふぅん? 桜:そしたら、大隅に会って… 雅:うん 桜:私が但馬のことを好きなら、応援するって… 雅:それで、どうして桜ちゃんはそんなに傷ついた顔をしているの? 桜:…わかんねぇ 雅:大隅くんも但馬くんも、悪いこと言ってないわ。桜ちゃんが傷ついたのはどうして? 桜:… 雅:大隅くんに、応援するって言われたことが悲しかったんじゃないの? 桜:… 雅:桜ちゃんと大隅くんのこと、私はよく知らないから勝手なことは言えないわ。だけどね、桜ちゃん。あなたはきっと、大隅くんのことが好きなのよ。 桜:…私が…大隅のこと…  :  桜:(高校に入学したてのころ) 桜:(私はこの見た目から、やってもいない事で疑いをかけられていた)  :  桜:私はやってねえよ! 教師:嘘をつくな! 桜:嘘なんてついてねえ!  :  桜:(助けてくれたのが、大隅だった) 大隅:彼女はやっていません。僕、見てましたから。 教師:なに?! 大隅:証拠もあります。彼女はやっていません。 教師:っ! 大隅:わかってもらえましたか?彼女に謝ってください 教師:そ、そもそもお前がそんなチャラチャラした見た目をしているのが悪いんだ!言葉遣いだって悪い!疑われて当然だ! 大隅:おい! 桜:いいって!もう…いいから  :  桜:ありがとな、お前のおかげで助かった 大隅:…別に、島田はやってないのに責められるのっておかしいと思っただけだし。クラスのみんなの誤解も解きなよ。 桜:…いや、いいんだ。私はやってないって誰か一人でも知っていてくれれば。それで。 大隅:…そう  :  桜:(次の日、教室へ行くと何故か全員から謝られた。多分、大隅が何かしてくれたんだろうけど、当の本人は何も言ってこなかった) 桜:(その日から、きっと、私は)  :  但馬:話って何かな?大隅くん 大隅:…いい加減、僕の前ではその態度辞めてくれていいよ。鳥肌が止まらないから。 但馬:言ってる意味が分からないんだけど… 大隅:…随分、イメチェンをしたんだね?昔はあんなに意地悪だったのに 但馬:…はっ、やっぱりお前かよ。変わんねえな昔から。ジメジメジメジメ…陰気くせぇ 大隅:…君はやっぱりそっちの方が合ってるよ。性格の悪さが人相にまで出てるから 但馬:うぜえ奴、で?なんだよ話って 大隅:…島田をどうする気? 但馬:あ? 大隅:…島田に告白したんだよね 但馬:…はぁ…あいつ余計なことしやがって… 大隅:…島田を傷つけるつもりなら、俺も黙って見過ごす訳にはいかない。どこから嗅ぎつけたのか知らないけど、昔の約束まで持ち出して。 但馬:…くっ、はははっ!!あははははっ!!そうそう、約束な…?あいつその話したらみるみる表情が変わってな?くっだらねぇよな、ガキの頃にした約束なんてもんにすがってよぉ 大隅:…お前 但馬:途中で笑いこらえんの大変だったわぁ、あぁ…ごめんな?お前らのくだらえねぇ約束を俺のもんにしちまって。 大隅:…お前いつからそんな風に… 但馬:昔っからだよ…昔っから俺はお前らが大嫌いだった。だから決めたんだ。お前らは俺がぜってぇ地獄に突き落とすって。 大隅:… 但馬:せいぜい指くわえて見てろよ、ど陰キャクソメガネ  :  桜:私が、大隅のことを好き… 桜:(あれから1週間、私はまだ但馬に返事を返せていない) 大地:さっくら〜!どうしたんだよ、そんなくらい顔して 桜:大地… 大地:てかなんか最近お前ら付き合い悪くね?まぁ進路のことで色々忙しいのも分かるけどさぁ…大地くんは寂しい! 桜:ふっ…お前も忙しそうにしてんじゃねえか。自称石油王さん。 大地:なっ、お前…もしかして俺の進路希望見た? 桜:いや?見てねえよ大地先生。 大地:見てんじゃねーか!やめろよ恥ずかしい! 桜:お前にも、ちゃんと夢あるんだなって感心した。 大地:お、おう… 桜:いいじゃん、教師。向いてると思う。セクハラで訴えられないようにな。 大地:辛辣!けど、まぁ…ありがと。 桜:私も早く…なんとかしねえとな。 大地:…ゴホン、えー…それでは未来のグレートティーチャー大地からありがたいお言葉を送ろうと思うのですが。 桜:…あ? 大地:お前が何に悩んでるのか、1ミリも知りませんが!結局自分の人生なんだから、お前の気持ちがいちばん大切だと思います! 桜:…大地 大地:周りになんて言われようが、見られようがさ。お前はいつもお前らしくいたじゃん。周りに流されねえお前のこと、俺は結構かっけえなって思ってたんだぜ。 桜:… 大地:だからさ、大丈夫だよお前なら。お前が信じた道なら。俺はそう思う。 桜:…ありがとう 大地:それにさ、どんな道だろうときっと俺たちはズッ友だし?また来年も海行こうな〜! 桜:ズッ友… 雅:『ずっと友だち』 桜:…そうだな、私たちはズッ友だ。…なんかダセーけど。私たちらしくて、なんか、うん。いいな。 大地:ズッ友って言ったの雅だけどな?! 桜:なんかお前に言われたら大丈夫な気がしてきた。ありがとう、大地。 大地:いいってことよ!  :  桜:(決着をつけにいこう、そして) 桜:(大隅とも話をしなくちゃ)  :  但馬:返事、くれる気になった? 桜:…あぁ 但馬:その表情は…あまりいい答えは聞けそうにないね? 桜:…但馬…わるい!私、私さ… 但馬:…いいよ、わかってるから。 桜:但馬の気持ちは嬉しかった。だから真剣に向き合ったんだ。私は、お前と付き合うことは出来ない。 但馬:…うん 桜:私は大隅が好きだ。この気持ちに嘘はつけねえ。どんな結果になったとしても、私が大隅を好きだったことに嘘はつきたくねえ。 但馬:…そっか 桜:約束、破っちまってごめん。 但馬:…そのことなんだけど…さ 桜:? 但馬:…あれ、嘘なんだよね 桜:え…嘘? 但馬:うん、あの約束をしたのは、僕じゃない。だから君は約束を破ってなんかいない。 桜:で、でも約束の内容だって分かってたじゃねえか! 但馬:うん、ごめん。ずっと嘘ついてた。ほんとは僕、昔ここに住んでたんだ。君のことも知ってた。あの約束をした日…僕もそこにいた。 桜:ど、どういうことだよ?! 但馬:君を僕のものにしたくて、嘘をついた。ほんとにごめん。 桜:じゃ、じゃあ。 桜:あの約束をしたのは… 大隅:島田! 桜:…大隅? 但馬:あぁ、僕が話すよりもきっと本人から聞いた方がずっといい。ありがとう桜ちゃん。ちゃんと返事をくれて。これで僕も、次に進むことが出来る。  :  但馬:ずっと、君が好きだった。 但馬:覚えてないよね、僕たち3人、昔はずっと一緒にいたんだ。 但馬:僕、記憶力がいいのかな。ずっと忘れられなくてさ。 但馬:あの頃から、確かに君はあいつのことが好きで、あいつは君のことが好きだった。 但馬:分かっちゃったんだ。幼心なりに。 但馬:だから、僕から離れた。 但馬:好きだった君に素直になれなくて、意地悪な態度もとった。 但馬:大切だったアイツに、嫉妬心から酷いことも言った。 但馬:けれど確かに、君たちは僕の宝物だった。 但馬:桜ちゃん、大きくなったら僕のお嫁さんになってくれる? 桜:…じゃあ桜、2人のお嫁さんになる! 但馬:そんなくだらない、小さな頃の約束を忘れられなかったのは… 但馬:うん、約束ね! 但馬:正真正銘、この僕だ。  :  桜:5年…かぁ…みんな私のこと覚えてるかな  :  桜:(島田 桜)  :  大隅:…まぁ、確かに話し方はだいぶ落ち着いたし、同窓会なんかでは一瞬誰だか分からないと思うけど、大丈夫でしょ、あいつらなら。  :  大隅:(大隅 晴。現在、医大生)  :  雅:桜ちゃーん!! 桜:うわぁ!雅! 雅:久しぶりね!まあまあまあ!可愛くなって!結婚式はいつ?!必ず呼んでね!私、余興で演奏するわよ!  :  雅:(伊集院 雅。私は今、世界中を飛び回るバイオリニスト!)  :  大地:よっす!久しぶり!なんだよ、随分大人っぽくなっちまったな! 桜:大地!  :  大地:(桜木 大地。俺は夢を立派に叶えて、現在教師として活躍(?)中!)  :  桜:そして。 但馬:…久しぶり  :  但馬:(但馬 悟。外国で教育を受けられない子どものための青空教室をやっている)  :  桜:悟! 雅:久しぶり!今はどこの国にいるのかしら?この間はロンドンで一緒に食事をしたのよ! 大地:立派にやってんなぁ! 大隅:…久しぶり  :  桜:(そして、私、島田 桜は。)  :  但馬:俺の事より、どうなの?そっちは。 大地:そうそう!桜の名前を見ない日はないってくらい有名になっちまったよな! 雅:私も外国の方に宣伝してるのよ! 桜:えへへ、ありがとう 大隅:…夢、叶ったな 桜:現在、脚本家として活躍中です!