台本概要

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タイトル 君が死ぬその日まで
作者名 あかおう  (@akaouwaikasuki)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(男1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 設定上は男ですが女性が演じて楽しんで頂いてもかまいません。

|°ω°ᔨ

【声劇・配信での使用/連絡不要】
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【禁止事項】
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【YouTube・舞台・朗読等入場料を取る場合】
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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
11
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
男:「君が死ぬその日まで」 0: 0: 男:君が死ぬその日まで、僕は何度君に「愛している」と言えるのだろう。 男:・・・もし、僕の寿命があと四十年くらいだとする。 男:一日に「愛してる」を言えたとして、単純計算であと一万四千六百回。 男:・・・・(溜息)なんて少ない回数なんだ。 0: 男:百万回でも、百億回でも、一兆回でも足りない程君を愛しているのに。 男:もし、万が一僕が昔ながらの日本男児だとしたらと思うとゾッとする。 男:心から愛している人に想いを伝える回数がこんなにも少ないなんて知らなかった。 0: 0: 男:何となく計算した回数で驚いた土曜日の朝。 男:慌てて仕事に行く支度をする君を、休みの僕はのんびり眺めている。 男:「ねぇねぇ、知ってる?僕の寿命が後四十年だとするとさ、君に愛してると言えるのは一日一回だとして一万四千六百回なんだよ?」 男:全く僕の方を見ずに生返事をする君。 男:整えられていく髪に、おさまりの良い服。 男:ほんのり香る幾重にも重ねられた柔軟剤の香りが、家の中のそこかしこに香っている。 0: 0: 男:もしこんな日々が幸せと言うのなら、なんて儚いんだと思う。 男:君の人生を、君自身を幸せに。君と幸せになるために一緒になったのに。 男:ふと不安を携えると、「君が死んだら僕はどうなるんだ」と更に闇に落ちる。 0: 0: 男:家に帰って来た時のだらしない君を見て、仕事の緊迫感から解き放たれる事もない。 男:「いつ帰ってくるの?ちゃんと終電三本前の電車には乗ってね」なんて連絡も来ない。 男:平日休みの君がコツコツ作った小さな雑貨が家に増える事もない。 男:僕の財布のお金が一万円を切ると、気にして入れてくれる事もない。 男:僕の死んだ母親のお墓参りの日を忘れないように、カレンダーに書いてくれる事もない。 男:旅先で必ず買う変なデザインのマグカップが我が家の食器棚を席巻する事もない。 男:急にゲーム機が欲しいけど高いからって、遠慮する人もいない。 男:万が一の為に玄関に置いた防災リュックが、気が付いたらキャンプ用品で占められている事もない。 男:コロッケにケチャップをかける君もいない。 男:寒い日は僕のお布団に寝ぼけて入ってくるのに、暑い日は全く入ってこない君も居ない。 0: 0: 男:町内会の徴収料金に納得がいかない話を、延々何時間もされる事もない。 男:僕が酔って吐いた汚物を、何も言わず片付ける君もいない。 男:キャンディーが好きなのに、すぐにその辺に置きっぱなしにして固まってしまうのを、残念そうに見つめる君も居ない。 男:和柄のエコバッグが好きなのに、おかしなデザインのキーホルダーを付ける君も居ない。 男:僕がお皿を洗ったら、飛び上がって喜んでくれる君も居ない。 男:友達と喧嘩をした。もう誰も信じられないと子供のように泣く君も居ない。 0: 0: 男:命を粗末にする僕に、命の尊さを教えてくれた君も、いない。 0: 0: 男:僕は。耐えられるだろうか。先に逝かれた時の生活に。 男:いや、無理だ。こんなに愛している君と離れて生きる事などできない。 男:できないから結婚しようと思ったんだ。 男:何もしなくていいんだ。ただ僕のそばで生きていてくれさえすればそれでいいんだ。 男:料理が出来なくてもいい。掃除が出来なくてもいい。 男:仕事ばかりに打ち込んでいてもいい。体を壊さなければそれでいい。 男:君の人生だ。君が楽しいと思う生(せい)を生きてほしい。 男:ただ叶うならば・・・その生(せい)の隣に僕を置いてほしい。 0: 0: 男:別段、君が今死にそうな病人なわけでもない。 男:特段危険が差し迫っているわけでもない。 男:ただ君に「愛している」と言える回数が少ないと思っただけで。 男:僕はどうしようもなくちっぽけな自分の存在に、いたたまれなくなる。 0: 0: 男:「君が死ぬその日まで」 男:それは一体いつ訪れるのかわからない。 男:「君が死ぬその日まで」 男:僕は全身全霊で君を愛していこう。 男:「君が死ぬその日まで」 男:どうか、どうか、どうか。 男:君の幸せが、少しでも守れますように。 0: 0:おわり

男:「君が死ぬその日まで」 0: 0: 男:君が死ぬその日まで、僕は何度君に「愛している」と言えるのだろう。 男:・・・もし、僕の寿命があと四十年くらいだとする。 男:一日に「愛してる」を言えたとして、単純計算であと一万四千六百回。 男:・・・・(溜息)なんて少ない回数なんだ。 0: 男:百万回でも、百億回でも、一兆回でも足りない程君を愛しているのに。 男:もし、万が一僕が昔ながらの日本男児だとしたらと思うとゾッとする。 男:心から愛している人に想いを伝える回数がこんなにも少ないなんて知らなかった。 0: 0: 男:何となく計算した回数で驚いた土曜日の朝。 男:慌てて仕事に行く支度をする君を、休みの僕はのんびり眺めている。 男:「ねぇねぇ、知ってる?僕の寿命が後四十年だとするとさ、君に愛してると言えるのは一日一回だとして一万四千六百回なんだよ?」 男:全く僕の方を見ずに生返事をする君。 男:整えられていく髪に、おさまりの良い服。 男:ほんのり香る幾重にも重ねられた柔軟剤の香りが、家の中のそこかしこに香っている。 0: 0: 男:もしこんな日々が幸せと言うのなら、なんて儚いんだと思う。 男:君の人生を、君自身を幸せに。君と幸せになるために一緒になったのに。 男:ふと不安を携えると、「君が死んだら僕はどうなるんだ」と更に闇に落ちる。 0: 0: 男:家に帰って来た時のだらしない君を見て、仕事の緊迫感から解き放たれる事もない。 男:「いつ帰ってくるの?ちゃんと終電三本前の電車には乗ってね」なんて連絡も来ない。 男:平日休みの君がコツコツ作った小さな雑貨が家に増える事もない。 男:僕の財布のお金が一万円を切ると、気にして入れてくれる事もない。 男:僕の死んだ母親のお墓参りの日を忘れないように、カレンダーに書いてくれる事もない。 男:旅先で必ず買う変なデザインのマグカップが我が家の食器棚を席巻する事もない。 男:急にゲーム機が欲しいけど高いからって、遠慮する人もいない。 男:万が一の為に玄関に置いた防災リュックが、気が付いたらキャンプ用品で占められている事もない。 男:コロッケにケチャップをかける君もいない。 男:寒い日は僕のお布団に寝ぼけて入ってくるのに、暑い日は全く入ってこない君も居ない。 0: 0: 男:町内会の徴収料金に納得がいかない話を、延々何時間もされる事もない。 男:僕が酔って吐いた汚物を、何も言わず片付ける君もいない。 男:キャンディーが好きなのに、すぐにその辺に置きっぱなしにして固まってしまうのを、残念そうに見つめる君も居ない。 男:和柄のエコバッグが好きなのに、おかしなデザインのキーホルダーを付ける君も居ない。 男:僕がお皿を洗ったら、飛び上がって喜んでくれる君も居ない。 男:友達と喧嘩をした。もう誰も信じられないと子供のように泣く君も居ない。 0: 0: 男:命を粗末にする僕に、命の尊さを教えてくれた君も、いない。 0: 0: 男:僕は。耐えられるだろうか。先に逝かれた時の生活に。 男:いや、無理だ。こんなに愛している君と離れて生きる事などできない。 男:できないから結婚しようと思ったんだ。 男:何もしなくていいんだ。ただ僕のそばで生きていてくれさえすればそれでいいんだ。 男:料理が出来なくてもいい。掃除が出来なくてもいい。 男:仕事ばかりに打ち込んでいてもいい。体を壊さなければそれでいい。 男:君の人生だ。君が楽しいと思う生(せい)を生きてほしい。 男:ただ叶うならば・・・その生(せい)の隣に僕を置いてほしい。 0: 0: 男:別段、君が今死にそうな病人なわけでもない。 男:特段危険が差し迫っているわけでもない。 男:ただ君に「愛している」と言える回数が少ないと思っただけで。 男:僕はどうしようもなくちっぽけな自分の存在に、いたたまれなくなる。 0: 0: 男:「君が死ぬその日まで」 男:それは一体いつ訪れるのかわからない。 男:「君が死ぬその日まで」 男:僕は全身全霊で君を愛していこう。 男:「君が死ぬその日まで」 男:どうか、どうか、どうか。 男:君の幸せが、少しでも守れますように。 0: 0:おわり