台本概要
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タイトル | 疲労の最終決戦 |
---|---|
作者名 | あまくケイ (@amak0331) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ついに魔王城へやってきた勇者 しかし、彼の足は限界に来ていた……。 勇者vs魔王の疲労系ギャグコメディ 性別不問 15~20分程度 楽しんでいただければ幸いです 866 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
勇者 | 不問 | 94 | 魔王城へ来た勇者 不問 |
魔王 | 不問 | 92 | 勇者を待ち構えていた魔王 不問 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
勇者:……はぁ、はぁ
魔王:……はぁ、はぁ
勇者:……ついに、ここまで、たどり、着いたぜ
魔王:……よく、来たな
勇者:……本当に、長い、旅だったぜ
魔王:……お前は、どれだけの道を、歩んできたのだ?
勇者:始まりの村から、出て、瘴気の谷や、大都会、はてや、ドラゴンの洞窟も、通ってきた
魔王:……どうやってきた?
勇者:……見ればわかるだろ……。走ってきたんだよ
魔王:……何?
勇者:……全力疾走だ
魔王:……そうか
勇者:お前は、何してたんだよ?
魔王:……走って、いた
勇者:……
魔王:お前が、くるまで、魔王城の中を、走っていたのだ
勇者:……健康、的、じゃないか
魔王:……しかし、随分と、疲れてしまったな
勇者:……俺、も、あ、あ~~!もう限界!!!
0:(床に寝そべる)
勇者:俺もう無理だわ、えらい、つらい。もう走りたくねえ、しんどい
魔王:我も、もう無理だ
0:(床に寝そべる)
勇者:やばい、久しぶりに運動したかも
魔王:我もだ。お前のおかげで、運動の大事さを知った
勇者:なんだ、お前も動いてなかったのかよ?
魔王:勇者が来るまで玉座に座っているのは、非常に体に悪い
勇者:確かに。……というか、喉乾いた。もう限界だ
魔王:それなら……っ……っ
0:(魔王はゆっくりと立ち上がる)
勇者:……魔王?
魔王:立ち上がる……力くらいは、残っておるわい!
勇者:や、辞めろ魔王! お前何してるんだ! 体力の限界じゃないのかよ!?
魔王:喋るな……お前こそ、体力を消耗してしまうぞ。お口はチャックしておけ
勇者:……ど、何処に行く気だよ!?
魔王:……冷蔵庫だ
勇者:何!?
魔王:あの中に、水がある
勇者:!!!
魔王:このままでは、我もお前も喉の渇きで大変なことになるだろう……誰かが犠牲を払わねばいけないのだ
勇者:魔王!……お前!
魔王:……今更思うぞ。この時のために、わざわざ冷蔵庫、街まで買いに行ってよかったなって……
勇者:俺の分まで……! くっ!!
魔王:安心しろ、勇者よ。お前との戦いは……水分補給してからだ
勇者:……! 死ぬなよ、魔王
魔王:……帰ってきたぞ
勇者:! ……無事に取りにいけたんだな
魔王:ああ。やるよ、これ
勇者:これは……天然水?
魔王:お気に入りの水だ
勇者:ありがてぇ……キンッキンに冷えてやがる!(飲む)……んぐ、んぐ、ん。っあああああ!! うめえええええ!
魔王:(飲む)……ゴク、ゴク。やはり水に限るな
勇者:やばい、水最高。おかげで回復した!
魔王:よし、これで再開できるな。それでは勇者よ、続きを始めようではないか!
勇者:お前を倒して世界を……っ!? ぐっ!?
魔王:? どうした……ぐっ……!!
0:(勇者、魔王ともに足が崩れて倒れる)
勇者:あ、足がっ……! 動かねえ!
魔王:……まさか!
勇者:……どうやら走りすぎて、おたがい足が悲鳴を上げてたみたいだ……
魔王:……いきなり、運動するのは……良くないな
勇者:今更、遅いぜ。どうするよ……これじゃ戦えないだろ
魔王:いっそのこと、倒れた状態でやってみるか?
勇者:……良いぜ
魔王:来い……
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
魔王:うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
勇者:でやあああああああああああああああああ!!
魔王:っはああああああああああああああああああ!!
勇者:……
魔王:……
勇者:いや、流石に無理じゃね?
魔王:すまん、我も適当なことを言った、謝る
勇者:もう逆に疲れた。これじゃ勝負にならないよな……、あ、そうだ
魔王:なんだ?
勇者:しりとりで決着つけるか
魔王:ほう。いいだろう
勇者:よし、じゃあ俺から
魔王:来い
勇者:りんご
魔王:ごはん。あっ
勇者:えっ、早くない?
魔王:ぐっ、ぐあああああ!! わ、我が……勇者に敗れるとは……!一生の無念なり!!
勇者:ちょ待てよ
魔王:うああああああ!!
勇者:あのー、魔王さん。そういうのやめてもらっていいですか?
魔王:えっ
勇者:いや早すぎるのよ
魔王:ダメなのか?
勇者:流石に弱すぎじゃないそれ?
魔王:でもごはんは食べたくない?
勇者:えっ?
魔王:ごはん
勇者:……あ、あぁ、確かに、これだけ疲れたらな……腹も減ってくるよな
魔王:そうだろ? だからこれは、もう仕方ないのだ……
勇者:もうしりとりは辞めだ!!! 全然勝負にならねえよ!
魔王:そんなに怒るなよ
勇者:うるさいんだよな。……というか呆気ないんだよ。これで世界救ったって、微妙じゃん?
魔王:確かに……同感だな。我もしりとりで負けて死ぬのはごめんだ。ならどうするのだ?
勇者:そうだな……あみだくじする?
魔王:運で雌雄を決するというのだな……構わん
勇者:よしじゃあ、これとこれと、これで……ほい、魔王、お前から書けよ
魔王:ふっ、魔王の運をなめるでないぞ。……さて、どれどれ……ん?
勇者:?
魔王:……なぁ、勇者よ
勇者:なんだよ?
魔王:なぜ線が5本あるのだ?
勇者:えっ、嘘!? ……あれ、なんでだ?
魔王:いやお前が書いたんだろ。
勇者:俺……5本も書いてないんだけどな……おかしいな
魔王:お前は書くな。あてにならん。我があみだを創造しよう……。……こうしてこうして、こう。よしできた。勇者、書け
勇者:おっけ……ってなんだこれ!
魔王:ん?
勇者:1本しかないぞ!!
魔王:……え?
勇者:あみだにならねえじゃねえか!!!
魔王:何を馬鹿なことを……うわ、ほんまや
勇者:嘘だろ……さっきのこうしてこうして、こうって、何だったの?
魔王:いや我こんなつもりじゃ……
勇者:えっ……
魔王:……
勇者:……え。マジでなにこれ
魔王:ちょっと怖い怖い。魔王ちびってきちゃった
勇者:お、おいこんなところで漏らすなよ!!
魔王:勇者お前、何か変なもの連れてきておるのか?
勇者:こっちの台詞だ!! 配下にしてる上級悪魔とかいねえのかよ!?
魔王:ふっ、我は孤高の魔王だからな
勇者:あ、そうですか……。でもなんかこれ、いやだな。あみだ辞めようか。ちょっと怖いなこれ
魔王:あみだとは呪いだったのか……
勇者:ああ、やってはいけないやつだったかもしれないな……捨てよこんなの
魔王:……しかしどうする。これでは決着がつかないぞ? ……いや……待て
勇者:なんだ? なんかあるの魔王?
魔王:……腕だ。足が使えないなら腕を使えばいい
勇者:何?
魔王:勇者よ!!! 我と腕相撲で決着をつけろ!!!!
勇者:!!!!
魔王:これなら文句あるまい?
勇者:……いいぜ……燃えてきた
魔王:よし、ではやろうか……。腕を出せ
勇者:……準備OKだ。がっちり組んだぜ。魔王、これで決着だ
魔王:ほう、我に勝てるとでも?
勇者:当たり前だ。俺のこの身をかけて、魔王、お前を倒して世界に平和を取り戻す!!
魔王:はははははは!!! やってみるがいい!! 我に勝てるものならな!!
勇者:行くぞ魔王!!!
魔王:来い!!!!
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
魔王:はああああああああああああああああああああ!!!
勇者:ぐっ……押されそうだ……!
魔王:どうしたどうした!? さっきまでの威勢は!! お前はここまで全力疾走してきたのだろぉ!! そのバイタリティを見せてみろ!!
勇者:お、お前こそ、ずっと魔王城の中を走り回ってたくせに……!! うっ……強い! だが!!!
魔王:っ!?
勇者:光る宇宙、とこしえの焔! いかなるものを覆えせ!! バーニングクルセイドォォォ!!!!!
魔王:ぐっ……急に、勇者の腕が燃えて……あ、……あぁ!!
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
魔王:こ、このままでは……。いや、まだだ! まだ!!
勇者:な、なに!?
魔王:見せてやろう……! 魔王城を走り回って得た、我の真の姿を……!! グオアアアア!!!!
勇者:な、なんだ、魔王の姿が……変わっていく!!
魔王:クハハハハハ! このまま我がやられると思うなよ? 我の真なる力だ!!」
勇者:なんて禍々しい姿だ……これが、魔王の真の姿!
魔王:はははは! 勇者よ! どうした!! 焦っているなぁ!! なら……我の最終奥義をお見せしよう!
魔王:宇宙の黙示録。古の彼方へ滅び去れ!!! オール・デス・コンフェクション!!
勇者:ぐおおおお!!! う、腕が……闇に飲み込まれるっ!
魔王:終わりだ! 勇者よ!! 我の勝ちだ!! 世界は、我のものとなる!!!
勇者:……っ! 諦めるか!!
魔王:っ!?!?
勇者:俺はここまで長い長い道のりを走り、その中でもたくさんの出会いがあった
勇者:だから、この世界の人たちのために、負けるわけにはいかないんだよ!!
勇者:無限の彼方、光の御剣の名の元に、星の力を与えろ!!
勇者:スターライズ・アームストレンジ!
魔王:なんだこれは!? 勇者の体が光に包まれて!?
勇者:これが……全力疾走で身につけた、俺の最大奥義だ!!
魔王:そんな技があるだと!!!
勇者:魔王!! お前の負けだ!!!
魔王:こ、こんなところで、こんなところでやられるとは!!
魔王:うわああああああああああああ!!!!!
勇者:……はぁ、はぁ
魔王:……
勇者:俺の、勝ちだ
魔王:……ぐっ
勇者:……魔王
魔王:……なんだ?
勇者:お前の腕相撲パワー、最後まで強かったぜ
魔王:……敗者に情けの言葉をかけるか?
勇者:いや、違う
魔王:何?
勇者:共に走り、疲れた……同志としてだ
魔王:……勇者、お前。
勇者:……
魔王:……
勇者:……それにしても、喉、乾いたな
魔王:……我もだ
勇者:……天然水、まだ冷蔵庫にあるよな?
魔王:いや、もうない
勇者:うそおん!!!
勇者:……はぁ、はぁ
魔王:……はぁ、はぁ
勇者:……ついに、ここまで、たどり、着いたぜ
魔王:……よく、来たな
勇者:……本当に、長い、旅だったぜ
魔王:……お前は、どれだけの道を、歩んできたのだ?
勇者:始まりの村から、出て、瘴気の谷や、大都会、はてや、ドラゴンの洞窟も、通ってきた
魔王:……どうやってきた?
勇者:……見ればわかるだろ……。走ってきたんだよ
魔王:……何?
勇者:……全力疾走だ
魔王:……そうか
勇者:お前は、何してたんだよ?
魔王:……走って、いた
勇者:……
魔王:お前が、くるまで、魔王城の中を、走っていたのだ
勇者:……健康、的、じゃないか
魔王:……しかし、随分と、疲れてしまったな
勇者:……俺、も、あ、あ~~!もう限界!!!
0:(床に寝そべる)
勇者:俺もう無理だわ、えらい、つらい。もう走りたくねえ、しんどい
魔王:我も、もう無理だ
0:(床に寝そべる)
勇者:やばい、久しぶりに運動したかも
魔王:我もだ。お前のおかげで、運動の大事さを知った
勇者:なんだ、お前も動いてなかったのかよ?
魔王:勇者が来るまで玉座に座っているのは、非常に体に悪い
勇者:確かに。……というか、喉乾いた。もう限界だ
魔王:それなら……っ……っ
0:(魔王はゆっくりと立ち上がる)
勇者:……魔王?
魔王:立ち上がる……力くらいは、残っておるわい!
勇者:や、辞めろ魔王! お前何してるんだ! 体力の限界じゃないのかよ!?
魔王:喋るな……お前こそ、体力を消耗してしまうぞ。お口はチャックしておけ
勇者:……ど、何処に行く気だよ!?
魔王:……冷蔵庫だ
勇者:何!?
魔王:あの中に、水がある
勇者:!!!
魔王:このままでは、我もお前も喉の渇きで大変なことになるだろう……誰かが犠牲を払わねばいけないのだ
勇者:魔王!……お前!
魔王:……今更思うぞ。この時のために、わざわざ冷蔵庫、街まで買いに行ってよかったなって……
勇者:俺の分まで……! くっ!!
魔王:安心しろ、勇者よ。お前との戦いは……水分補給してからだ
勇者:……! 死ぬなよ、魔王
魔王:……帰ってきたぞ
勇者:! ……無事に取りにいけたんだな
魔王:ああ。やるよ、これ
勇者:これは……天然水?
魔王:お気に入りの水だ
勇者:ありがてぇ……キンッキンに冷えてやがる!(飲む)……んぐ、んぐ、ん。っあああああ!! うめえええええ!
魔王:(飲む)……ゴク、ゴク。やはり水に限るな
勇者:やばい、水最高。おかげで回復した!
魔王:よし、これで再開できるな。それでは勇者よ、続きを始めようではないか!
勇者:お前を倒して世界を……っ!? ぐっ!?
魔王:? どうした……ぐっ……!!
0:(勇者、魔王ともに足が崩れて倒れる)
勇者:あ、足がっ……! 動かねえ!
魔王:……まさか!
勇者:……どうやら走りすぎて、おたがい足が悲鳴を上げてたみたいだ……
魔王:……いきなり、運動するのは……良くないな
勇者:今更、遅いぜ。どうするよ……これじゃ戦えないだろ
魔王:いっそのこと、倒れた状態でやってみるか?
勇者:……良いぜ
魔王:来い……
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
魔王:うおおおおおおおおおおおおおおおお!!
勇者:でやあああああああああああああああああ!!
魔王:っはああああああああああああああああああ!!
勇者:……
魔王:……
勇者:いや、流石に無理じゃね?
魔王:すまん、我も適当なことを言った、謝る
勇者:もう逆に疲れた。これじゃ勝負にならないよな……、あ、そうだ
魔王:なんだ?
勇者:しりとりで決着つけるか
魔王:ほう。いいだろう
勇者:よし、じゃあ俺から
魔王:来い
勇者:りんご
魔王:ごはん。あっ
勇者:えっ、早くない?
魔王:ぐっ、ぐあああああ!! わ、我が……勇者に敗れるとは……!一生の無念なり!!
勇者:ちょ待てよ
魔王:うああああああ!!
勇者:あのー、魔王さん。そういうのやめてもらっていいですか?
魔王:えっ
勇者:いや早すぎるのよ
魔王:ダメなのか?
勇者:流石に弱すぎじゃないそれ?
魔王:でもごはんは食べたくない?
勇者:えっ?
魔王:ごはん
勇者:……あ、あぁ、確かに、これだけ疲れたらな……腹も減ってくるよな
魔王:そうだろ? だからこれは、もう仕方ないのだ……
勇者:もうしりとりは辞めだ!!! 全然勝負にならねえよ!
魔王:そんなに怒るなよ
勇者:うるさいんだよな。……というか呆気ないんだよ。これで世界救ったって、微妙じゃん?
魔王:確かに……同感だな。我もしりとりで負けて死ぬのはごめんだ。ならどうするのだ?
勇者:そうだな……あみだくじする?
魔王:運で雌雄を決するというのだな……構わん
勇者:よしじゃあ、これとこれと、これで……ほい、魔王、お前から書けよ
魔王:ふっ、魔王の運をなめるでないぞ。……さて、どれどれ……ん?
勇者:?
魔王:……なぁ、勇者よ
勇者:なんだよ?
魔王:なぜ線が5本あるのだ?
勇者:えっ、嘘!? ……あれ、なんでだ?
魔王:いやお前が書いたんだろ。
勇者:俺……5本も書いてないんだけどな……おかしいな
魔王:お前は書くな。あてにならん。我があみだを創造しよう……。……こうしてこうして、こう。よしできた。勇者、書け
勇者:おっけ……ってなんだこれ!
魔王:ん?
勇者:1本しかないぞ!!
魔王:……え?
勇者:あみだにならねえじゃねえか!!!
魔王:何を馬鹿なことを……うわ、ほんまや
勇者:嘘だろ……さっきのこうしてこうして、こうって、何だったの?
魔王:いや我こんなつもりじゃ……
勇者:えっ……
魔王:……
勇者:……え。マジでなにこれ
魔王:ちょっと怖い怖い。魔王ちびってきちゃった
勇者:お、おいこんなところで漏らすなよ!!
魔王:勇者お前、何か変なもの連れてきておるのか?
勇者:こっちの台詞だ!! 配下にしてる上級悪魔とかいねえのかよ!?
魔王:ふっ、我は孤高の魔王だからな
勇者:あ、そうですか……。でもなんかこれ、いやだな。あみだ辞めようか。ちょっと怖いなこれ
魔王:あみだとは呪いだったのか……
勇者:ああ、やってはいけないやつだったかもしれないな……捨てよこんなの
魔王:……しかしどうする。これでは決着がつかないぞ? ……いや……待て
勇者:なんだ? なんかあるの魔王?
魔王:……腕だ。足が使えないなら腕を使えばいい
勇者:何?
魔王:勇者よ!!! 我と腕相撲で決着をつけろ!!!!
勇者:!!!!
魔王:これなら文句あるまい?
勇者:……いいぜ……燃えてきた
魔王:よし、ではやろうか……。腕を出せ
勇者:……準備OKだ。がっちり組んだぜ。魔王、これで決着だ
魔王:ほう、我に勝てるとでも?
勇者:当たり前だ。俺のこの身をかけて、魔王、お前を倒して世界に平和を取り戻す!!
魔王:はははははは!!! やってみるがいい!! 我に勝てるものならな!!
勇者:行くぞ魔王!!!
魔王:来い!!!!
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
魔王:はああああああああああああああああああああ!!!
勇者:ぐっ……押されそうだ……!
魔王:どうしたどうした!? さっきまでの威勢は!! お前はここまで全力疾走してきたのだろぉ!! そのバイタリティを見せてみろ!!
勇者:お、お前こそ、ずっと魔王城の中を走り回ってたくせに……!! うっ……強い! だが!!!
魔王:っ!?
勇者:光る宇宙、とこしえの焔! いかなるものを覆えせ!! バーニングクルセイドォォォ!!!!!
魔王:ぐっ……急に、勇者の腕が燃えて……あ、……あぁ!!
勇者:うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
魔王:こ、このままでは……。いや、まだだ! まだ!!
勇者:な、なに!?
魔王:見せてやろう……! 魔王城を走り回って得た、我の真の姿を……!! グオアアアア!!!!
勇者:な、なんだ、魔王の姿が……変わっていく!!
魔王:クハハハハハ! このまま我がやられると思うなよ? 我の真なる力だ!!」
勇者:なんて禍々しい姿だ……これが、魔王の真の姿!
魔王:はははは! 勇者よ! どうした!! 焦っているなぁ!! なら……我の最終奥義をお見せしよう!
魔王:宇宙の黙示録。古の彼方へ滅び去れ!!! オール・デス・コンフェクション!!
勇者:ぐおおおお!!! う、腕が……闇に飲み込まれるっ!
魔王:終わりだ! 勇者よ!! 我の勝ちだ!! 世界は、我のものとなる!!!
勇者:……っ! 諦めるか!!
魔王:っ!?!?
勇者:俺はここまで長い長い道のりを走り、その中でもたくさんの出会いがあった
勇者:だから、この世界の人たちのために、負けるわけにはいかないんだよ!!
勇者:無限の彼方、光の御剣の名の元に、星の力を与えろ!!
勇者:スターライズ・アームストレンジ!
魔王:なんだこれは!? 勇者の体が光に包まれて!?
勇者:これが……全力疾走で身につけた、俺の最大奥義だ!!
魔王:そんな技があるだと!!!
勇者:魔王!! お前の負けだ!!!
魔王:こ、こんなところで、こんなところでやられるとは!!
魔王:うわああああああああああああ!!!!!
勇者:……はぁ、はぁ
魔王:……
勇者:俺の、勝ちだ
魔王:……ぐっ
勇者:……魔王
魔王:……なんだ?
勇者:お前の腕相撲パワー、最後まで強かったぜ
魔王:……敗者に情けの言葉をかけるか?
勇者:いや、違う
魔王:何?
勇者:共に走り、疲れた……同志としてだ
魔王:……勇者、お前。
勇者:……
魔王:……
勇者:……それにしても、喉、乾いたな
魔王:……我もだ
勇者:……天然水、まだ冷蔵庫にあるよな?
魔王:いや、もうない
勇者:うそおん!!!