声劇台本置き場

男：はぁ～仕事辞めたはいいけど、何か心もとないから資格でも取ろうかなぁ・・・ 男：検索検索・・・っと。うーん、中々空きがないなぁ・・・これなんて三か月先まで満席かぁ・・・ 男：世知辛い世の中だなぁ・・・。ん？お！これなんだ？TOPIS（トーピス）・・・？ 男：なんの資格だろう？？なになに・・・？ 男：「世知辛い世の中に必ず存在するメンタルも強く、しぶとく、生き生きした人！そんな人生を謳歌するのに必須な資格です！」 男：・・・なんかちょっと怪しそうだなぁ。んん・・でも他の資格満席だし。まぁ、暇つぶしにでも受講してみるか・・・ぽちっと。 0： 0： 0：突然扉があく 0： 0： 女：はぁーーい！こんにちはーー！ 男：うわぁ！！だだだだ誰！？ 女：この度は「TOPIS（トーピス）対策講座」にお申込み頂きましてぇ～ありがとうござぃむぁぉあぁあす！！！ 男：うわわわ！！！と、突然僕の部屋にハイテンションな人が入って来たぁぁぁ！！ 男：あ、あなた一体誰ですか！？ 女：わたしぃは！！「TOPIS（トーピス）対策講座」講師の者でっす！ 男：こ、講師って・・・僕さっきスマホで申し込んだだけですけど？？ 女：はぃ！！まぁその辺の細かい事は置いといて。 男：細かい事かな！？ 女：ところであなたは！今！！無職ですね！！！ 男：あっ・・は、はい。 女：そしてかなり気弱な性格で真面目で、誠実。 男：え、ま、まぁ周りからは割とそう言って頂けｍ・・・（ますけど） 女：（前のセリフに被せて）しかぁし！！今のこの世知辛いご時世。何もかも無情に値上がりするのに、給料は上がらないこの時代！ 男：は、はい・・・ 女：そんな時代を生き残るには・・・あなたは一体何が必要だと思いますか？！ 男：え・・・え？？た、沢山勉強をして、何て言うか凄くハイレベルな資格を取って、まずは就活する・・・とか？ 女：んのおおおお！！！！！（ＮＯ） 男：わぁ！！ 女：なんだこのクズの風上にもおけない考えは！！ 男：うわぁ、なんだ急にめちゃくちゃ口が悪くなったぞ！？ 女：そんな真面目に生きていたって、幸せになるとは限らない！！ 男：え？あ？え？ 女：あなたは本気でTOPIS（トーピス）を受ける気があるの！？ 男：あ、そのすみません、申し訳ないんですけど。実は僕、TOPIS（トーピス）って一体何なのかも深く考えないで申し込んでしまったんです。他の試験講座が満席で、その、なんていうか 男：「世知辛い世の中に必ず存在するメンタルも強く、しぶとく、生き生きした人！そんな人生を謳歌するのに必須な資格です！」 男：っていうのに惹かれて暇つぶし程度に申し込んでしまっただけというか・・・申し訳ない！ 女：ＯＨ・・・ＯＨぉぉうぬぬぬぬ！！ 男：ごめんなさい！ 女：TOPIS（トーピス）意味も何たるか分からないのに申し込んだ・・・ 男：は、はい。本当にごめんなさい。 女：にやり・・・。 男：え？ 女：んんーー！！なかなかTOPIS（トーピス）合格の素質がありそうな人物とお見受けしました・・・！！ 男：え？そうなんですか！？ 女：ＹＥＳ！！TOPIS（トーピス）に合格するには、かなり必要な要素と言えるでしょう。それをあなたは既にお持ちだ！なんて・・・なんて素晴らしい！！ 男：え・・ええ～。何だか照れるなぁ。無職になってからこのかた、実家に住んでるのも申し訳なくって肩身が狭かったんです・・・ 女：うんうん。 男：で、そのTOPIS（トーピス）って一体・・・ 女：TOPIS（トーピス）とはですね！ 女：テスト　オブ　パーソナリティ　フォー　インターナショナル　スカム　ベイシス(Test Of Personality for International Scum basis） 男：て、てすと　おぶ　ぱーそなる？ 女：略してTOPIS（トーピス）！国際クズ基準性格能力テストなのでっす！ 男：え？国際クズ基準？ 女：そうでっす！ 男：国際クズ基準性格能力テスト・・・ 女：ＹＥＳ。 男：国際クズ基準性格能力テスト・・・ 女：ＯＨ！サンクス！！ 男：はぁあああーーー！！！？？ 女：エクセレンッッッ！！！（拍手） 男：イヤイヤイヤなんだよそれ！国際クズ基準性格能力テスト？そんなの聞いた事ないよ！大体クズなんてこの世に必要ないだろ！？ 女：チッチッチッ。頭が固いですねぇ。あなたは本当に「クズが世の中に必要ない」そう思いますか？（圧） 男：え・・・、そ、そういわれると・・・その。 女：「人をダメにする〇〇」や「時短〇〇」。これら全て人類の奥底に眠りしクズっぽいとこが引き出したもの！！ 男：いやいやいや、ちゃんとしたリラックス系のものだし、ちゃんとした便利グッズとかでしょ！？ 女：違います！！ 男：え？ 女：人は誰しも、心の中にクズな部分を持つ生き物・・・人々の怠惰なクズな側面が悩める人々を救い、時間の無い現代人を救ってきたのです。すなわち！ 男：おお！！ 女：TOPIS（トーピス）を持つ者は経済を動かす、社会に必要不可欠な要素！必須な存在なのです！！私達、TOPIS（トーピス）試験協会は「明日の明るい日本」の為！ 女：そして何より、真面目に生きてきたあなたの潜在的なクズな部分を引き出し、社会に必要とされるクズな人物にする為！やってきたのです！ 男：わ、分かりました。あなたの言いたいことは分かったんですけど！質問があります！ 女：はい、なんでしょう。 男：TOPIS（トーピス）を仮に合格したとして、メリットなんてあるんですか？ 女：お、いい質問ですねぇ！もしや興味津々ですか！？ 男：いや、さすがに気になるというか。 女：そうですね、例えば！普段から荒れているちょっとしたヤンキーちゃんが、猫ちゃんを助けたとしましょう！それを見たらなんか惚れ直したりしません？ 男：あぁ、そういうのありますよね。 女：それなのです！ 男：え、それ！？ 女：その現象をTOPIS（トーピス）は実現できちゃうんです！ 女：この人TOPIS（トーピス）合格してるのに英検３級持ってるの！？これは他とひと味違う・・・！ 女：この人TOPIS（トーピス）合格してるのに焼肉の肉を率先して焼いてくれてる！？素敵・・・！ 女：世間からはこう見られるでしょうね。 男：そんな風に見られますか！？ 女：見られます！TOPIS（トーピス）はこれからあなたが取得するであろう資格や行動の引き立て役なのです！ 男：な、なるほど？ 女：それに、真面目さを捨てて、もっと気楽に生活できる知恵もちゃーんと学べますよ！ 男：おおおーーー！！！おお？・・・・おお。 女：さぁ！！それではまず！「TOPIS（トーピス）３級対策講座　」を早速始めましょう！！ 男：う、うーん。何だかうまく言いくるめられた気もするけど・・・ま、まぁいっか。お願いします！ 女：ＹＥＳ！！！（咳払い）（キリッ）「TOPIS（トーピス）対策講座」始めさせて頂きます。 男：よ、よろしくお願いします。 女：（ジングル）ばばーん！第一問「無職のあなたは朝7時に目が覚めました。さぁ。まずは何をしますか？」 男：え？あ、その、僕の今の日常しか思いつかないな・・・ 女：よろしいですよ。 男：あ、は、はい。えっと「パートに行く母の為に、栄養バランスの整った朝食を準備します。えへへ、無職ですからね、これくらいは。」 女：シャラーーップ！！！ 男：え？ 女：（溜息）不正解です。 男：え？え？ 女：正解は「二度寝する」が正解ですねハイ拍手！！（拍手） 男：はぁぁーー！！！？？イヤイヤイヤ！！ダメでしょ！！ 女：真のTOPIS（トーピス）たるもの、そもそも朝の7時に起きるなど言語道断！！ 男：え！？ 女：TOPIS（トーピス）では規則正しい生活を送るという前提がありえません。 男：あ、ありえない？ 女：そうですね。何なら朝７時に寝て昼夜逆転していると尚の事良いでしょう。 男：ええーー！？体に悪いですよ・・・夜勤の仕事についている方ならまだしも。 女：もちろん、１級試験になると生活リズムを考慮した上での応用問題ばかりになりますよ！ 女：人によっては昼夜逆転が標準だったりしますからね！そんな生ぬるい試験ではありません！ 男：ますます無理だ。それに無職の僕が昼夜逆転なんて、ざ、罪悪感が・・・ 女：あなたのその罪悪感。合格者の皆様は一切持ち合わせていません。 男：え？ 女：何なら「自分が好きな時に寝て、好きな時に起きて何が悪い」そのスタンスを曇りなき眼（まなこ）で貫いておられます。これが合格への道です。 男：えー・・・ 女：さ、あなたも私が立派なクズに、そしてTOPIS（トーピス）に合格して世間に送り出して差し上げます。一緒に頑張りましょう！ 男：この人、良い人なんだかダメな人なんだか一体どっちなんだ・・・ 女：第二問！！「太郎君は朝からお酒とタバコをやりたくなりましたが、家にはありません。そして太郎君はお金がありません。どうするべきでしょうか」 男：え？ええ・・・いや、嗜好品（しこうひん）ですから・・・「我慢する」 女：ブッブーー！！！ 男：ええ！！？ 女：正解は「パート帰りのお母さんに連絡して買ってきてもらい、家からは一切出ない」でした！ 男：なんでですか！・・・いや、クズだとしたらこれが正解なのか？ぼ、僕には理解できないよぉ！ 女：おやおや、これでもまだ難しいですか。仕方がありません。世間に通用するのは３級からですが、今回は４級から始めてみますか。 男：す、すみません。僕が不甲斐ないばっかりに・・・え？これ僕が悪いの？ 女：ドントマインド！！！ 男：あ、ありがとうございます・・・ 女：ではではTOPIS（トーピス）４級「第一問」 女：「コンビニで買ったお菓子を食べながらあなたは歩いています。道の途中で食べ終わりました。お菓子の袋はどうしますか？」 男：え？も、もちか・・・いや待てよ？これはTOPIS（トーピス）。クズを試す問題のはず。僕が理解できない事がきっと正解なんだ。 男：えと・・・えと・・・お、お菓子の袋も食べちゃう！ 女：ぶっぶーーー！！！ 男：ええ！！？？ 女：あなたは一体何をしているんですか！そんな事をしたら・・・ 男：そ、そうですよね・・・ 女：自己犠牲になってしまうじゃないですか！！ 男：え？ 女：正解は「その辺に捨てる」です！！ 男：そっちかーーー！！ 女：TOPIS（トーピス）では地球環境や地域の事など考えない。自分に都合が良ければいいのです！その精神をゆめゆめお忘れなきよう！！ 男：お、お忘れって・・・もう滅茶苦茶だよぉ・・・これで4級って・・・僕は・・・クズにも社会人にもなれないのか・・・ 女：そんな事ございません！！ 男：こ、講師さん・・・！ 女：あなたならきっと、TOPIS（トーピス）1級に合格できます！ 男：そう・・ですか？ 女：ええ！なぜならアナタは今！そもそも無職なのですから！！！ 0： 0： 0： 女：五年後 男：それが、TOPIS（トーピス）との出会いでした。最初は自分を解放するのに時間がかかりました。 男：しかし最初の第一歩、第一歩が何事も大切なのです。それからはまるで階段を駆け上がるかのように僕のサクセスストーリーが始まります。 男：それはまた、次の回でお話ししましょう！ 女：さぁ！あなたも！TOPIS（トーピス）に申し込もう！ 男：お申し込みはこちらから！そこのクソ真面目に生きてても全然報われない君！ご応募、待ってるぜ！！ 0： 0：おわり