台本概要

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タイトル 終わりまで
作者名 maturit  (@inui_maturi)
ジャンル ミステリー
演者人数 2人用台本(女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ご自由にどうぞ

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
木崎 53
西宮 51
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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木崎:「ねぇ、私達って自由なのかな」 西宮:「知ってる? 本当の自由は何が自由か考えられる事なんだって」 木崎:「哲学は聞いてないんだけど」 西宮:「まぁ、この場合は閉じ込められて死を待つだけのこの状況を自由かって定義できるかどうかでしょ?」 木崎:「そうだよ、死を待つだけの今に自由なんてあるのかな」 西宮:「それを言ったら結局最後は死んじゃう人間に自由は無いって事になるよ」 木崎:「そう…だよね」 西宮:「重いなぁ」 木崎:「アンタが軽すぎるのよ」 西宮:「人は悩んで出した答えの八割は間違ってるって言うし」 木崎:「そんなに多かったっけ?」 西宮:「いや六割だったかも」 木崎:「テキトーすぎる」 西宮:「とにかくっ! 考えるなぁ感じろぉっ! って事だよ、ねっ?」 木崎:「その明るさに救われてるわよ」 西宮:「そりゃあ良かったよ」 木崎:「水とか食べ物は?」 西宮:「私の飲みかけだけど水のペットボトルとこれも私の食べかけだけどお菓子があるね」 木崎:「…」 西宮:「こらぁなんで嫌そうな顔するの? 分けてあげないよぉ」 木崎:「はいはい、とりあえずは無いよりマシか」 西宮:「納得いかない」 木崎:「救助はどのくらいで来ると思う?」 西宮:「そうだねぇ、スマホの電波が入らない所を見ると結構絶望的かなぁ」 木崎:「嫌われてるの?」 西宮:「そうじゃないって! そのくらい地下に居るって事」 木崎:「私も圏外…私達よく生きてたよね」 西宮:「もしかしたら死んでるのかもよぉ」 木崎:「バッテリーは大丈夫ね」 西宮:「無視しないでよぉ」 木崎:「体力は有限なのよ」 西宮:「私の心は無限大だぁ」 木崎:「…そうね」 西宮:「冷たいっ!? ちょっとは楽しい会話しようよぉ」 木崎:「疲れる、却下」 西宮:「いけずぅ」 木崎:「私は木崎」 西宮:「へぇ」 木崎:「名乗ったんだから貴方も名乗りなさいよ」 西宮:「西宮」 木崎:「さっきまでの明るさはどこいったのよ」 西宮:「お空の彼方に飛んでいきましたぁ」 木崎:「そう」 西宮:「…」 木崎:「…」 西宮:「ねぇ」 木崎:「何?」 西宮:「今まで1番楽しかった事って何?」 木崎:「今まで? そうね、バスケの大会で決めたスリーポイントかしら」 西宮:「どんなだったの?」 木崎:「…わからない」 西宮:「わからないんかーいっ!」 木崎:「ただ、今までの全てがそこに詰まっていた気がする」 西宮:「そっか、私はね」 木崎:「凄いね」 西宮:「何もいってないからぁああああ」 木崎:「あははっ、ごめん、冗談」 西宮:「やっと笑ってくれた、許そう」 木崎:「笑ってないし」 西宮:「強情だなぁ」 木崎:「それで、アンタの」 西宮:「西宮だよ、木崎ちゃん」 木崎:「…西宮の楽しかった事は?」 西宮:「私はね、君に会えた事だよ木崎ちゃん」 木崎:「私もう寝るね」 西宮:「ジョーダンっ! 冗談だってばぁ」 木崎:「わかってるわよ」 西宮:「私には両親が居なくて、お姉ちゃんだけが家族だったの」 木崎:「お、重い」 西宮:「わがままで手のかかる私を育ててくれたお姉ちゃんがね、結婚することになってね、プレゼントを買ったの…これを渡せたらって考えれば…いや、渡すまで死ねないよ」 木崎:「それが今までで一番楽しい事?」 西宮:「そうだよぉやっぱりおかしいかな」 木崎:「私には何処に楽しさがあるのか分からないわ、どうせならそのお姉さんに渡した瞬間が一番とかでしょ」 西宮:「そうだよねぇ、えへへへっ」 木崎:「何よ?」 西宮:「そう言ってくれると思ったから」 木崎:「変な子ね」 西宮:「よく言われるぅ」 木崎:「こんな状況じゃなかったら、関わりなんてなかったかもしれない」 西宮:「そうだね、木崎ちゃんは堅苦しい優等生タイプだもんねぇ」 木崎:「アンタはアホの子ね」 西宮:「なにおぉ」 木崎:「でも…あなたで良かった」 西宮:「そう?」 木崎:「うん、一人だったらきっと落ち込んで悪い方にばかり考えていたと思う」 西宮:「そっか、私の生きた意味はあったんだね」 木崎:「何言ってるのよ、お姉さんにプレゼント渡すんでしょ?」 西宮:「えへへっそうでしたぁ」 木崎:「だから、きっと助かるわよ」 西宮:「うん、そうだよね」 木崎:「だから…待って! 今人の声が聞こえたわ」 西宮:「そっか」 木崎:「なんでそんなに暗いのよ! 今こそ無駄な明るさを発揮しなさいよっ!」 西宮:「無駄ってひどいなぁ」 木崎:「ここいいるわっ!! 助けてぇっ!!」 西宮:「もう大丈夫」 木崎:「何言ってるのよっ! 貴方も声を出しなさいよっ!」 西宮:「本当に木崎ちゃんに逢えて幸せだったよ」 木崎:「あれ? 意識が…西宮?」 西宮:「貴方に会えた事が私の一番の幸せ、だから…ありがとう」 木崎:「西…宮…」 西宮:「バイバイ、あとはお願いね」 木崎:「なん…なのよ」 木崎:目が覚めた私はベッドの上だった 木崎:助けられたのは私一人、他に生存者は居なかったらしい…西宮という少女を探すようにお願いしたが、被害者の中にそんな苗字の人はいなかった 木崎:ただ…助けられた私の手には綺麗に梱包されたイヤリングが握られていた 木崎:誰が誰に渡すつもりだったのかはわからない 木崎:でも、これは私が渡さなければいけない 木崎:それが彼女の願いだから 木崎:私は今日も、そのイヤリングを耳にして、玄関を出る 木崎:貴方がお姉さんを見つけられるように…と

木崎:「ねぇ、私達って自由なのかな」 西宮:「知ってる? 本当の自由は何が自由か考えられる事なんだって」 木崎:「哲学は聞いてないんだけど」 西宮:「まぁ、この場合は閉じ込められて死を待つだけのこの状況を自由かって定義できるかどうかでしょ?」 木崎:「そうだよ、死を待つだけの今に自由なんてあるのかな」 西宮:「それを言ったら結局最後は死んじゃう人間に自由は無いって事になるよ」 木崎:「そう…だよね」 西宮:「重いなぁ」 木崎:「アンタが軽すぎるのよ」 西宮:「人は悩んで出した答えの八割は間違ってるって言うし」 木崎:「そんなに多かったっけ?」 西宮:「いや六割だったかも」 木崎:「テキトーすぎる」 西宮:「とにかくっ! 考えるなぁ感じろぉっ! って事だよ、ねっ?」 木崎:「その明るさに救われてるわよ」 西宮:「そりゃあ良かったよ」 木崎:「水とか食べ物は?」 西宮:「私の飲みかけだけど水のペットボトルとこれも私の食べかけだけどお菓子があるね」 木崎:「…」 西宮:「こらぁなんで嫌そうな顔するの? 分けてあげないよぉ」 木崎:「はいはい、とりあえずは無いよりマシか」 西宮:「納得いかない」 木崎:「救助はどのくらいで来ると思う?」 西宮:「そうだねぇ、スマホの電波が入らない所を見ると結構絶望的かなぁ」 木崎:「嫌われてるの?」 西宮:「そうじゃないって! そのくらい地下に居るって事」 木崎:「私も圏外…私達よく生きてたよね」 西宮:「もしかしたら死んでるのかもよぉ」 木崎:「バッテリーは大丈夫ね」 西宮:「無視しないでよぉ」 木崎:「体力は有限なのよ」 西宮:「私の心は無限大だぁ」 木崎:「…そうね」 西宮:「冷たいっ!? ちょっとは楽しい会話しようよぉ」 木崎:「疲れる、却下」 西宮:「いけずぅ」 木崎:「私は木崎」 西宮:「へぇ」 木崎:「名乗ったんだから貴方も名乗りなさいよ」 西宮:「西宮」 木崎:「さっきまでの明るさはどこいったのよ」 西宮:「お空の彼方に飛んでいきましたぁ」 木崎:「そう」 西宮:「…」 木崎:「…」 西宮:「ねぇ」 木崎:「何?」 西宮:「今まで1番楽しかった事って何?」 木崎:「今まで? そうね、バスケの大会で決めたスリーポイントかしら」 西宮:「どんなだったの?」 木崎:「…わからない」 西宮:「わからないんかーいっ!」 木崎:「ただ、今までの全てがそこに詰まっていた気がする」 西宮:「そっか、私はね」 木崎:「凄いね」 西宮:「何もいってないからぁああああ」 木崎:「あははっ、ごめん、冗談」 西宮:「やっと笑ってくれた、許そう」 木崎:「笑ってないし」 西宮:「強情だなぁ」 木崎:「それで、アンタの」 西宮:「西宮だよ、木崎ちゃん」 木崎:「…西宮の楽しかった事は?」 西宮:「私はね、君に会えた事だよ木崎ちゃん」 木崎:「私もう寝るね」 西宮:「ジョーダンっ! 冗談だってばぁ」 木崎:「わかってるわよ」 西宮:「私には両親が居なくて、お姉ちゃんだけが家族だったの」 木崎:「お、重い」 西宮:「わがままで手のかかる私を育ててくれたお姉ちゃんがね、結婚することになってね、プレゼントを買ったの…これを渡せたらって考えれば…いや、渡すまで死ねないよ」 木崎:「それが今までで一番楽しい事?」 西宮:「そうだよぉやっぱりおかしいかな」 木崎:「私には何処に楽しさがあるのか分からないわ、どうせならそのお姉さんに渡した瞬間が一番とかでしょ」 西宮:「そうだよねぇ、えへへへっ」 木崎:「何よ?」 西宮:「そう言ってくれると思ったから」 木崎:「変な子ね」 西宮:「よく言われるぅ」 木崎:「こんな状況じゃなかったら、関わりなんてなかったかもしれない」 西宮:「そうだね、木崎ちゃんは堅苦しい優等生タイプだもんねぇ」 木崎:「アンタはアホの子ね」 西宮:「なにおぉ」 木崎:「でも…あなたで良かった」 西宮:「そう?」 木崎:「うん、一人だったらきっと落ち込んで悪い方にばかり考えていたと思う」 西宮:「そっか、私の生きた意味はあったんだね」 木崎:「何言ってるのよ、お姉さんにプレゼント渡すんでしょ?」 西宮:「えへへっそうでしたぁ」 木崎:「だから、きっと助かるわよ」 西宮:「うん、そうだよね」 木崎:「だから…待って! 今人の声が聞こえたわ」 西宮:「そっか」 木崎:「なんでそんなに暗いのよ! 今こそ無駄な明るさを発揮しなさいよっ!」 西宮:「無駄ってひどいなぁ」 木崎:「ここいいるわっ!! 助けてぇっ!!」 西宮:「もう大丈夫」 木崎:「何言ってるのよっ! 貴方も声を出しなさいよっ!」 西宮:「本当に木崎ちゃんに逢えて幸せだったよ」 木崎:「あれ? 意識が…西宮?」 西宮:「貴方に会えた事が私の一番の幸せ、だから…ありがとう」 木崎:「西…宮…」 西宮:「バイバイ、あとはお願いね」 木崎:「なん…なのよ」 木崎:目が覚めた私はベッドの上だった 木崎:助けられたのは私一人、他に生存者は居なかったらしい…西宮という少女を探すようにお願いしたが、被害者の中にそんな苗字の人はいなかった 木崎:ただ…助けられた私の手には綺麗に梱包されたイヤリングが握られていた 木崎:誰が誰に渡すつもりだったのかはわからない 木崎:でも、これは私が渡さなければいけない 木崎:それが彼女の願いだから 木崎:私は今日も、そのイヤリングを耳にして、玄関を出る 木崎:貴方がお姉さんを見つけられるように…と