台本概要
118 views
タイトル | 死ぬまで続く劣等感 |
---|---|
作者名 | なおと(ばあばら) (@babara19851985) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
タイトル通りの内容です。 男女兼用の語りです。 このシナリオの内容は、僕が尊敬するゴールデンボンバーさんの楽曲「欲望の歌」にインスパイアされて書きました。 118 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 不問 | 18 | あなたです。あなたの声で話しましょう。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
私:私は人より劣っている。
私:そう思い始めたのは、
私:いつの頃からだったろう…。
0:
私:社会人になって、
私:同期の人に比べて仕事が遅いと知った時だろうか。
0:
私:いや、もっと前かな。
0:
私:就職活動で、周りの皆に比べて、
私:私だけなかなか内定が出なかった時だろうか。
0:
私:いや、もっと前だな。
0:
私:大学生の時、初めて好きな人に告白して、
私:「他に好きな人がいるから」って言われた時かな。
0:
私:いやいや、もっと前か。
0:
私:高校生の時に、
私:同級生から容姿をからかわれて、
私:鏡を見れなくなった時からかな。
0:
私:いや違う、もっと前だ。
私:中学生の時に、運動ができない私は、
私:体育のグループ決めの時に、いつも余りものだった。
私:あの時からかな。
0:
私:ううん、もっと前だ。
0:
私:小学生の時に、なかなか自転車に乗れなかった時からだ。
0:
私:…いや違う。
私:自転車に乗れなかった時にはすでに、
私:「こんな私だから、自転車にも乗れないんだ」
私:って思っていたな。
私:ということは、劣等感を持ったのはさらに前か…。
0:
私:遡りだしたらキリがない。
私:例を挙げ出せば、枚挙にいとまがない。
私:私は、劣等感にまみれている。
私:大人になった今でも、
私:体にこびりついた自己憐憫(じこれんびん)は、
私:私の醜さを忘れさせてはくれなかった。
0:
私:だから、友人や同僚から自己を肯定してもらえる瞬間があっても、
私:素直にその意見を聞き入れることは困難だった。
私:だって、私は人より劣っているのだから。
私:どうしようもなく、私自身がそう感じてしまっているのだから。
私:いつ芽生えたかは、もはや思い出せないこの感情。
私:この感情は私の中にどっしりと根付き、
私:グロテスクな毒々しい色の花を咲かせている。
私:それは決して、枯れる気配はない。
私:でも、
私:それでも、
私:私は私を肯定してくれる言葉に縋(すが)ってしまう。
私:縋りたくなってしまう。
私:刹那的な優越感・自己肯定感に、
私:たまらなく陶酔してしまう。
私:好きなことをして、
私:好きな人から自分を認めてもらえる。
私:こんなに幸せなことがあるだろうか。
0:
私:…あぁ、でも知っている。
私:刹那的な快楽は、
私:私のような劣等人間には、
私:諸刃の剣なのだ。
私:多幸感を覚えた矢先に、私の内なる劣等意識は、
私:驚くほどの近距離から私に囁きかける。
0:
私:「なに、自分が肯定された気になってるの?
私:バッカじゃない?
私:この後、どうせまた落ち込むんでしょ?
私:落ち込んで、内省してる自分が格好良いとでも思ってるの?
私:『自己評価の低い謙虚な自分』にナルシシズムを感じてるんだ。
私:うわぁ…、本気で気持ち悪いね」
0:
0:
0:
私:それでも私は生きている。
私:死ぬことは怖いから。
私:だから、
私:刹那的でもいいから、
私:誤魔化していくしかないんだ。
私:刹那的に他人から認めてもらい、
私:刹那的に自己を肯定して、
私:そのあと否定して…。
私:そうして、誤魔化しながら生き続けて、
私:いつか心の底から、
私:自己を肯定できる日が来ることを、
私:祈るしかないんだ。
私:私は人より劣っている。
私:そう思い始めたのは、
私:いつの頃からだったろう…。
0:
私:社会人になって、
私:同期の人に比べて仕事が遅いと知った時だろうか。
0:
私:いや、もっと前かな。
0:
私:就職活動で、周りの皆に比べて、
私:私だけなかなか内定が出なかった時だろうか。
0:
私:いや、もっと前だな。
0:
私:大学生の時、初めて好きな人に告白して、
私:「他に好きな人がいるから」って言われた時かな。
0:
私:いやいや、もっと前か。
0:
私:高校生の時に、
私:同級生から容姿をからかわれて、
私:鏡を見れなくなった時からかな。
0:
私:いや違う、もっと前だ。
私:中学生の時に、運動ができない私は、
私:体育のグループ決めの時に、いつも余りものだった。
私:あの時からかな。
0:
私:ううん、もっと前だ。
0:
私:小学生の時に、なかなか自転車に乗れなかった時からだ。
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私:…いや違う。
私:自転車に乗れなかった時にはすでに、
私:「こんな私だから、自転車にも乗れないんだ」
私:って思っていたな。
私:ということは、劣等感を持ったのはさらに前か…。
0:
私:遡りだしたらキリがない。
私:例を挙げ出せば、枚挙にいとまがない。
私:私は、劣等感にまみれている。
私:大人になった今でも、
私:体にこびりついた自己憐憫(じこれんびん)は、
私:私の醜さを忘れさせてはくれなかった。
0:
私:だから、友人や同僚から自己を肯定してもらえる瞬間があっても、
私:素直にその意見を聞き入れることは困難だった。
私:だって、私は人より劣っているのだから。
私:どうしようもなく、私自身がそう感じてしまっているのだから。
私:いつ芽生えたかは、もはや思い出せないこの感情。
私:この感情は私の中にどっしりと根付き、
私:グロテスクな毒々しい色の花を咲かせている。
私:それは決して、枯れる気配はない。
私:でも、
私:それでも、
私:私は私を肯定してくれる言葉に縋(すが)ってしまう。
私:縋りたくなってしまう。
私:刹那的な優越感・自己肯定感に、
私:たまらなく陶酔してしまう。
私:好きなことをして、
私:好きな人から自分を認めてもらえる。
私:こんなに幸せなことがあるだろうか。
0:
私:…あぁ、でも知っている。
私:刹那的な快楽は、
私:私のような劣等人間には、
私:諸刃の剣なのだ。
私:多幸感を覚えた矢先に、私の内なる劣等意識は、
私:驚くほどの近距離から私に囁きかける。
0:
私:「なに、自分が肯定された気になってるの?
私:バッカじゃない?
私:この後、どうせまた落ち込むんでしょ?
私:落ち込んで、内省してる自分が格好良いとでも思ってるの?
私:『自己評価の低い謙虚な自分』にナルシシズムを感じてるんだ。
私:うわぁ…、本気で気持ち悪いね」
0:
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私:それでも私は生きている。
私:死ぬことは怖いから。
私:だから、
私:刹那的でもいいから、
私:誤魔化していくしかないんだ。
私:刹那的に他人から認めてもらい、
私:刹那的に自己を肯定して、
私:そのあと否定して…。
私:そうして、誤魔化しながら生き続けて、
私:いつか心の底から、
私:自己を肯定できる日が来ることを、
私:祈るしかないんだ。