台本概要

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タイトル 『貴方と作る物語 其の弐』
作者名 桜美さくら  (@Omi_Sakura1007)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 複数ライターシナリオ企画作品
『貴方と作る物語 其の弐』

※参加ライター様はシナリオ内に記載されています。ご参加とても感謝しております。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り手 不問 - 一人読みでも複数人でも可
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:『貴方と作る物語 其の弐』 0: 0:第一章【事の起こり】 0:普段と変わりなく注がれた朝日に目を細め 0:欠伸を交えて珈琲を一口嗜みながら 0:何を考えることなくテレビから流れる 0:これまた何も無い情報に耳を傾けていた。 0:(眠いなあ。お腹空いたなあ) 0:頭にアナウンサーと同じ声が響く。 0:「やっぱ聞こえる…」 0:僕は昨日なぜか人の心が読めるようになった。 0: 0:『次のニュースです。 0:六歳のこころちゃんが昨日から行方不明に・・・』 0:(仕事が終わったら何食べに行こうかなぁ) 0:悲しそうな顔をしながら 0:暗いニュースを読んでいるのに 0:プロの働きふりに少し感心してしまった。 0:何故こうなったのか等と考えても 0:思い当たる節がある筈もなく。 0:成る様にしか成らないのだと 0:だんまりを決め込む。 0:当然だ。 0:こんなことを話したとて信じてくれる人なんか 0:いる訳がないのだ。 0: 0:この力に焦がれる人も多かろう 0:だがしかし反対に恐怖する人も多いのだ。 0:これは神からの授かり物なのかと疑問符を抱く。 0:救わなければならない誰かが居るのだろうか。 0:そんなことを考えながらいつもと変わらない 0:いつもの世界とは全く違うそこへ 0:足を踏み入れたのである。 0: 0:思えば幼い頃から人の顔色ばかりを 0:伺って生きてきた。 0:角が立たぬよう波風を立ぬよう 0:肩を狭めて小さくなって生きてきた。 0:そんな僕が『人の心の声を聞く』事が 0:できるようになったのも 0:偶然では無いのかもしれない。 0: 0:第二章【―フラッシュバック―】 0:あの子に出逢った時 0:ベビーブルーをまだ残した 0:澄んだ瞳が印象的だった。 0:何故忘れていたのだろう。 0:そこでふと思考に靄がかかった。 0: 0:その瞳だけは記憶しているが 0:それ以外が全く思い出せない。 0:しかしあの瞳は微かに憂いを帯びて 0:僕の胸を掻き乱した。 0:まるで僕の心を刺す様に 0:そしてまた僕の中にある 0:見えない何かを読み取っている様に 0:そこへ佇んでいた。 0: 0:嗚呼もしかしたらこれは・・・。 0:ただならぬ予感がしてならなかった。 0:そして歩み寄って来たあの子。 0:僕の目の前で静かに立ち止まり薄く笑った。 0:その瞳の憂いはそのままに 0:口元だけに笑みを浮かべていた。 0:心を刺すかのような瞳なのに 0:その笑顔は恐ろしいほど可憐だった。 0: 0:第三章【特定の声】 0:あの子との出会いより幾日か過ぎた朝 0:僕は頭の中に特定の声が響いている事に気付いた。 0:喧噪の隙間から零れる音ではなく 0:頭に直接響く声。 0:朧げな輪郭だった物が徐々に鮮明になっていく。 0:朝練の学生達が近くを通過し 0:同時に膨大な数の心の言葉が 0:僕の脳を総攻撃した。 0:『壊れる』と思った 0:その刹那、特定の声は語りかけてきた。 0: 0:(私の声が聞こえますか?) 0:その声が気になり辺りを見廻して主を探した。 0:先程の学生達を見る。 0:僕に背を向け規律良く真っ直ぐに 0:目的地へ向かう学生達。 0:違う。こちらではない、どこだ。 0:今の僕は相当滑稽な姿だろう。 0:だが、たとえそうであっても 0:探さねばならないと 0:そう思ってしまった。 0: 0:第四章【声なき声】 0:それは予期せず訪れるものである。 0:通り過ぎた学生達の残像から見えた 0:白いワンピースと裸足の女性。 0:幻覚でも見ているのかと思う程 0:景色から浮いて見える。 0: 0:僕は声にだそうとして辞め 0:恐る恐る思考し・・・ 0:(君が話しかけているの?) 0:彼女に向けて思いを返してみた。 0:彼女の顔に現れ出た表情は驚愕だった。 0:(本当に返事をしてくれる人がいるなんて。 0:あの子の語った通りになった) 0:また脳裏に声が響いてきた。 0: 0:(僕に話しかけたんじゃないのか?) 0:(いいぇ、ずっと虚空に語りかけてたの。 0:誰も私の声を聞いちゃくれないから) 0:なんと寂しいことか 0:しかし当然とも言えよう。 0:『声なき声』を聞けない者は聞けないのだから。 0:だが今はそんな事どうでも良かった。 0:あの子というのも気になったが 0:それもすぐ意識の隅においやった。 0:聞けば、その女性は母だと言う。 0:だが子の姿は見えず 0:その姿もどこか寂しげであった。 0:少しでも力になればと子の名前を聞いた。 0:(こころ・・・) 0: 0:第五章【こころ】 0:告げられた名前に微かな引っ掛かりを覚える。 0:―そうか。 0:ニュースの女の子。 0:そこに考えが至った瞬間。 0:記憶の濁流が私を襲った。 0: 0:微かだった記憶の夢の中の 0:あの子が輪郭を取り戻していく。 0:思い出した。 0:母娘の絆。 0:託された想い。 0:夢の中の約束。 0:安堵したような微笑みを残し 0:空に溶けた白いワンピースに 0:僕は誓う。 0:――必ず、助けてみせる。 0: 0:数日後、匿名で警察に送られた連絡により 0:カルト宗教に誘拐されていた女の子が 0:助けられたと知った。 0:女の子の名前は〝こころ〟と聞いた。 0:女の子には不思議な力があると 0:宗教側は譲らなかったらしい。 0:通常では説明がつかない事柄を 0:幾つも言い当てた・・・とか。 0: 0:白いワンピースの女性が出てきたのも 0:一般人の男性が急に心の読める力を得たのも 0:その女の子の力なのかもしれない。 0: 0:(終焉) 0: 0: 0:ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 0: 0: 0:『貴方と作る物語 其の弐 作者様紹介』 0: 0:【第一走者 桜美さくら】 0:第一章 事の起こり 0:普段と変わりなく注がれた朝日に目を細め、欠伸を交えて珈琲を一口嗜みながら何を考えることなくテレビから流れる、これまた何も無い情報に耳を傾けていた。 0: 0:【第二走者 常波 静 様】 0:(眠いなあ。お腹空いたなあ) 0:頭にアナウンサーと同じ声が響く。 0:「やっぱ聞こえる・・・」 0:僕は昨日なぜか人の心が読めるようになった。『次のニュースです。六歳のこころちゃんが昨日から行方不明に・・・。 0: 0:【第三走者 柊木 郁 様】 0:(仕事が終わったら何食べに行こうかなぁ) 0:悲しそうな顔をしながら暗いニュースを読んでいるのに 0:プロの働きぶりに少し感心してしまった 0: 0:【第四走者 陸奥 様】 0:何故こうなったのか、などと考えても、思い当たる節があるはずもなく。 0:なるようにしかならないのだとだんまりを決め込む。 0:当然だ。こんなことを話したとて、信じてくれる人なんかいるわけがない。 0: 0:【第五走者 星月 勇 様】 0:この力に焦がれる人も多かろう 0:反対に恐怖する人も多かろう 0:これは神からの授かりもの? 0:救わなきゃいけない誰かがいるのだろうか 0:そんなことを考えながら 0:いつもと変わらない 0:いつもの世界に 0:足を踏み入れた 0: 0:【第六走者 ずんたこす 様】 0:思えば幼い頃から 0:人の顔色ばかりを伺って生きてきた。 0:角が立たぬよう、波風を立ぬよう 0:肩を狭めて小さくなって生きてきた。 0:そんな僕が『人の心の声を聞く』事ができるようになった。 0:それはある意味で必然なのかもしれない。 0: 0:【第七走者 miwako様】 0:あ、、、あの時、あの人に出逢った時、、 0:あの人はベビーブルーをまだ残した澄んだひとみが、印象的だった。何故、何故、気が付かなかったのだろう、、、 0: 0:【第八走者 リコリス 様】 0:そこでふと、思考に靄がかかった。 0:印象的なベビーブルーの瞳 0:それだけははっきりと記憶しているのに、それ以外が全く思い出せない。男か女かすらも。 0:それでもその瞳は、微かに憂いを帯びてーーー僕の胸を掻き乱した。 0: 0:【第九走者 椿 麗華 様】 0:まるで私の心を刺す様に、そしてまた私の中にある、見えない何かを読み取っているかの様に、そこへ佇んでいた。嗚呼、もしかしたらこれは・・・。 0:ただならぬ予感がしてならなかった。そして歩み寄って来たあの人。 0: 0:【第十走者 らぴ 様】 0:私の目の前で静かに立ち止まり、薄く笑った。 0:そのベビーブルーの瞳の憂いはそのままに、口元だけに笑みを浮かべていた。 0:心を刺すかのような瞳なのに、その笑顔は恐ろしいほど美しかった。 0: 0:【第十一走者 桜美さくら】 0:第三章 0:あの子との出会いより幾日か過ぎた朝、僕は頭の中に特定の声が響いている事に気付いた。 0: 0:【第十二走者 うるぴーぱいせん 様】 0:喧噪の隙間から零れる音ではなく、頭に直接響く声。 0:朧げな輪郭だったものが、徐々に鮮明になっていく。 0:朝練の学生達が、近くを通過し、 0:同時に膨大な数の言葉が、僕の脳を総攻撃した。 0:『壊れる』と思った、その刹那ー 0: 0:【第十三走者 とんと 様】 0:明らかに、部活の子供達の意識とは異なる感情が、自分の中に入り込んできた。 0:私の声が聞こえますか?と言う声 0:私は、辺りを見廻して心の声の主を探した。 0: 0:【第十四走者 神風雷神 様】 0:振り返り、通り過ぎた学生達を見る。僕に背を向け、規律良く真っ直ぐに目的地へ向いている学生達。違う。こちらではない、どこだ。 0:今の僕は、相当滑稽な姿だろう。だが、たとえそうであっても探さねばならないと、そう思ってしまった。 0: 0:【第十五走者 桜美さくら】 0:第四章 0:それは予期せず訪れるものである。通り過ぎた学生達の残像から見えた白いワンピースと裸足の女性。 0: 0:【第十六走者 超絶初心者 様】 0:幻覚でも見ているのかと思う程 0:景色から浮いて見える 0:君・・・ 0:声に出そうとしてやめる 0:恐る恐る思考して 0:(君が話しかけているの?) 0:彼女に向けて思いを返してみた 0: 0:【第十七走者 冲田 様】 0:彼女の顔に現れ出た表情は驚愕だった。 0:(本当に返事をしてくれる人がいるなんて。あの人の語った通りになった) 0:(僕に話しかけたんじゃないの?) 0:(ずっと虚空に語りかけてたの、誰も私の声を聞いちゃくれないから) 0: 0:【第十八走者 陸奥 様】 0:虚空に。 0:なんと寂しいことか。 0:しかし当然とも言えよう。 0:声なき声。聞けない者は聞けないのだから。0:しかし、今はそんなことはどうでもよかった。 0:『あの人』というのも気になったが、それもすぐ意識の隅においやった。 0:生まれて初めて、この奇怪な力に感謝をした。 0: 0:【第十九走者 桜美さくら】 0:聞けば、その女性は母だと言う。 0:だが子の姿は見えず、その姿もどこか寂しげであった。少しでも力になればと子の名前を聞いた。(こころ・・・) 0: 0:【第二十走者 ずんたこす 様】 0:第五章 0:告げられた名前に微かな引っ掛かりを覚える。 0:ーーそうか。ニュースの・・・ 0:そこに考えが至った瞬間。 0:記憶の濁流が私を襲った。 0:微かだった記憶の、夢の中のあの子が輪郭を取り戻していく。 0: 0:思い出した。 0:母娘の絆。託された想い。夢の中の約束。 0:安堵したような微笑みを残し空に溶けた白いワンピースに、僕は誓う。 0:――必ず、助けてみせる。 0: 0:【最終走者 桜美さくら】 0:数日後、匿名で警察に送られた連絡によりカルト宗教に誘拐されていた女の子が助けられたと知った。女の子の名前は〝こころ〟と聞いた。女の子には不思議な力があると宗教側は譲らなかったらしい。 0:通常では説明がつかない事柄を幾つも言い当てた・・・とか。白いワンピースの女性が出てきたのも、一般人の男性が急に心の読める力を得たのも、その女の子の力なのかもしれない。 0: 0:(終焉) 0: 0: 0:【企画主のあとがき】 0:企画にご参加くださいましたライター様、ありがとうございました。投稿が遅くなり申し訳ございません。今回は設定を設け作成していき内容をまとめる事が企画主では難しく作成までに時間がかかりました。 0:共に文字を紡ぐことが楽しいと想える『仲間』と出会えた事、考える楽しみを味わえた事、私は嬉しく思います。

0:『貴方と作る物語 其の弐』 0: 0:第一章【事の起こり】 0:普段と変わりなく注がれた朝日に目を細め 0:欠伸を交えて珈琲を一口嗜みながら 0:何を考えることなくテレビから流れる 0:これまた何も無い情報に耳を傾けていた。 0:(眠いなあ。お腹空いたなあ) 0:頭にアナウンサーと同じ声が響く。 0:「やっぱ聞こえる…」 0:僕は昨日なぜか人の心が読めるようになった。 0: 0:『次のニュースです。 0:六歳のこころちゃんが昨日から行方不明に・・・』 0:(仕事が終わったら何食べに行こうかなぁ) 0:悲しそうな顔をしながら 0:暗いニュースを読んでいるのに 0:プロの働きふりに少し感心してしまった。 0:何故こうなったのか等と考えても 0:思い当たる節がある筈もなく。 0:成る様にしか成らないのだと 0:だんまりを決め込む。 0:当然だ。 0:こんなことを話したとて信じてくれる人なんか 0:いる訳がないのだ。 0: 0:この力に焦がれる人も多かろう 0:だがしかし反対に恐怖する人も多いのだ。 0:これは神からの授かり物なのかと疑問符を抱く。 0:救わなければならない誰かが居るのだろうか。 0:そんなことを考えながらいつもと変わらない 0:いつもの世界とは全く違うそこへ 0:足を踏み入れたのである。 0: 0:思えば幼い頃から人の顔色ばかりを 0:伺って生きてきた。 0:角が立たぬよう波風を立ぬよう 0:肩を狭めて小さくなって生きてきた。 0:そんな僕が『人の心の声を聞く』事が 0:できるようになったのも 0:偶然では無いのかもしれない。 0: 0:第二章【―フラッシュバック―】 0:あの子に出逢った時 0:ベビーブルーをまだ残した 0:澄んだ瞳が印象的だった。 0:何故忘れていたのだろう。 0:そこでふと思考に靄がかかった。 0: 0:その瞳だけは記憶しているが 0:それ以外が全く思い出せない。 0:しかしあの瞳は微かに憂いを帯びて 0:僕の胸を掻き乱した。 0:まるで僕の心を刺す様に 0:そしてまた僕の中にある 0:見えない何かを読み取っている様に 0:そこへ佇んでいた。 0: 0:嗚呼もしかしたらこれは・・・。 0:ただならぬ予感がしてならなかった。 0:そして歩み寄って来たあの子。 0:僕の目の前で静かに立ち止まり薄く笑った。 0:その瞳の憂いはそのままに 0:口元だけに笑みを浮かべていた。 0:心を刺すかのような瞳なのに 0:その笑顔は恐ろしいほど可憐だった。 0: 0:第三章【特定の声】 0:あの子との出会いより幾日か過ぎた朝 0:僕は頭の中に特定の声が響いている事に気付いた。 0:喧噪の隙間から零れる音ではなく 0:頭に直接響く声。 0:朧げな輪郭だった物が徐々に鮮明になっていく。 0:朝練の学生達が近くを通過し 0:同時に膨大な数の心の言葉が 0:僕の脳を総攻撃した。 0:『壊れる』と思った 0:その刹那、特定の声は語りかけてきた。 0: 0:(私の声が聞こえますか?) 0:その声が気になり辺りを見廻して主を探した。 0:先程の学生達を見る。 0:僕に背を向け規律良く真っ直ぐに 0:目的地へ向かう学生達。 0:違う。こちらではない、どこだ。 0:今の僕は相当滑稽な姿だろう。 0:だが、たとえそうであっても 0:探さねばならないと 0:そう思ってしまった。 0: 0:第四章【声なき声】 0:それは予期せず訪れるものである。 0:通り過ぎた学生達の残像から見えた 0:白いワンピースと裸足の女性。 0:幻覚でも見ているのかと思う程 0:景色から浮いて見える。 0: 0:僕は声にだそうとして辞め 0:恐る恐る思考し・・・ 0:(君が話しかけているの?) 0:彼女に向けて思いを返してみた。 0:彼女の顔に現れ出た表情は驚愕だった。 0:(本当に返事をしてくれる人がいるなんて。 0:あの子の語った通りになった) 0:また脳裏に声が響いてきた。 0: 0:(僕に話しかけたんじゃないのか?) 0:(いいぇ、ずっと虚空に語りかけてたの。 0:誰も私の声を聞いちゃくれないから) 0:なんと寂しいことか 0:しかし当然とも言えよう。 0:『声なき声』を聞けない者は聞けないのだから。 0:だが今はそんな事どうでも良かった。 0:あの子というのも気になったが 0:それもすぐ意識の隅においやった。 0:聞けば、その女性は母だと言う。 0:だが子の姿は見えず 0:その姿もどこか寂しげであった。 0:少しでも力になればと子の名前を聞いた。 0:(こころ・・・) 0: 0:第五章【こころ】 0:告げられた名前に微かな引っ掛かりを覚える。 0:―そうか。 0:ニュースの女の子。 0:そこに考えが至った瞬間。 0:記憶の濁流が私を襲った。 0: 0:微かだった記憶の夢の中の 0:あの子が輪郭を取り戻していく。 0:思い出した。 0:母娘の絆。 0:託された想い。 0:夢の中の約束。 0:安堵したような微笑みを残し 0:空に溶けた白いワンピースに 0:僕は誓う。 0:――必ず、助けてみせる。 0: 0:数日後、匿名で警察に送られた連絡により 0:カルト宗教に誘拐されていた女の子が 0:助けられたと知った。 0:女の子の名前は〝こころ〟と聞いた。 0:女の子には不思議な力があると 0:宗教側は譲らなかったらしい。 0:通常では説明がつかない事柄を 0:幾つも言い当てた・・・とか。 0: 0:白いワンピースの女性が出てきたのも 0:一般人の男性が急に心の読める力を得たのも 0:その女の子の力なのかもしれない。 0: 0:(終焉) 0: 0: 0:ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 0: 0: 0:『貴方と作る物語 其の弐 作者様紹介』 0: 0:【第一走者 桜美さくら】 0:第一章 事の起こり 0:普段と変わりなく注がれた朝日に目を細め、欠伸を交えて珈琲を一口嗜みながら何を考えることなくテレビから流れる、これまた何も無い情報に耳を傾けていた。 0: 0:【第二走者 常波 静 様】 0:(眠いなあ。お腹空いたなあ) 0:頭にアナウンサーと同じ声が響く。 0:「やっぱ聞こえる・・・」 0:僕は昨日なぜか人の心が読めるようになった。『次のニュースです。六歳のこころちゃんが昨日から行方不明に・・・。 0: 0:【第三走者 柊木 郁 様】 0:(仕事が終わったら何食べに行こうかなぁ) 0:悲しそうな顔をしながら暗いニュースを読んでいるのに 0:プロの働きぶりに少し感心してしまった 0: 0:【第四走者 陸奥 様】 0:何故こうなったのか、などと考えても、思い当たる節があるはずもなく。 0:なるようにしかならないのだとだんまりを決め込む。 0:当然だ。こんなことを話したとて、信じてくれる人なんかいるわけがない。 0: 0:【第五走者 星月 勇 様】 0:この力に焦がれる人も多かろう 0:反対に恐怖する人も多かろう 0:これは神からの授かりもの? 0:救わなきゃいけない誰かがいるのだろうか 0:そんなことを考えながら 0:いつもと変わらない 0:いつもの世界に 0:足を踏み入れた 0: 0:【第六走者 ずんたこす 様】 0:思えば幼い頃から 0:人の顔色ばかりを伺って生きてきた。 0:角が立たぬよう、波風を立ぬよう 0:肩を狭めて小さくなって生きてきた。 0:そんな僕が『人の心の声を聞く』事ができるようになった。 0:それはある意味で必然なのかもしれない。 0: 0:【第七走者 miwako様】 0:あ、、、あの時、あの人に出逢った時、、 0:あの人はベビーブルーをまだ残した澄んだひとみが、印象的だった。何故、何故、気が付かなかったのだろう、、、 0: 0:【第八走者 リコリス 様】 0:そこでふと、思考に靄がかかった。 0:印象的なベビーブルーの瞳 0:それだけははっきりと記憶しているのに、それ以外が全く思い出せない。男か女かすらも。 0:それでもその瞳は、微かに憂いを帯びてーーー僕の胸を掻き乱した。 0: 0:【第九走者 椿 麗華 様】 0:まるで私の心を刺す様に、そしてまた私の中にある、見えない何かを読み取っているかの様に、そこへ佇んでいた。嗚呼、もしかしたらこれは・・・。 0:ただならぬ予感がしてならなかった。そして歩み寄って来たあの人。 0: 0:【第十走者 らぴ 様】 0:私の目の前で静かに立ち止まり、薄く笑った。 0:そのベビーブルーの瞳の憂いはそのままに、口元だけに笑みを浮かべていた。 0:心を刺すかのような瞳なのに、その笑顔は恐ろしいほど美しかった。 0: 0:【第十一走者 桜美さくら】 0:第三章 0:あの子との出会いより幾日か過ぎた朝、僕は頭の中に特定の声が響いている事に気付いた。 0: 0:【第十二走者 うるぴーぱいせん 様】 0:喧噪の隙間から零れる音ではなく、頭に直接響く声。 0:朧げな輪郭だったものが、徐々に鮮明になっていく。 0:朝練の学生達が、近くを通過し、 0:同時に膨大な数の言葉が、僕の脳を総攻撃した。 0:『壊れる』と思った、その刹那ー 0: 0:【第十三走者 とんと 様】 0:明らかに、部活の子供達の意識とは異なる感情が、自分の中に入り込んできた。 0:私の声が聞こえますか?と言う声 0:私は、辺りを見廻して心の声の主を探した。 0: 0:【第十四走者 神風雷神 様】 0:振り返り、通り過ぎた学生達を見る。僕に背を向け、規律良く真っ直ぐに目的地へ向いている学生達。違う。こちらではない、どこだ。 0:今の僕は、相当滑稽な姿だろう。だが、たとえそうであっても探さねばならないと、そう思ってしまった。 0: 0:【第十五走者 桜美さくら】 0:第四章 0:それは予期せず訪れるものである。通り過ぎた学生達の残像から見えた白いワンピースと裸足の女性。 0: 0:【第十六走者 超絶初心者 様】 0:幻覚でも見ているのかと思う程 0:景色から浮いて見える 0:君・・・ 0:声に出そうとしてやめる 0:恐る恐る思考して 0:(君が話しかけているの?) 0:彼女に向けて思いを返してみた 0: 0:【第十七走者 冲田 様】 0:彼女の顔に現れ出た表情は驚愕だった。 0:(本当に返事をしてくれる人がいるなんて。あの人の語った通りになった) 0:(僕に話しかけたんじゃないの?) 0:(ずっと虚空に語りかけてたの、誰も私の声を聞いちゃくれないから) 0: 0:【第十八走者 陸奥 様】 0:虚空に。 0:なんと寂しいことか。 0:しかし当然とも言えよう。 0:声なき声。聞けない者は聞けないのだから。0:しかし、今はそんなことはどうでもよかった。 0:『あの人』というのも気になったが、それもすぐ意識の隅においやった。 0:生まれて初めて、この奇怪な力に感謝をした。 0: 0:【第十九走者 桜美さくら】 0:聞けば、その女性は母だと言う。 0:だが子の姿は見えず、その姿もどこか寂しげであった。少しでも力になればと子の名前を聞いた。(こころ・・・) 0: 0:【第二十走者 ずんたこす 様】 0:第五章 0:告げられた名前に微かな引っ掛かりを覚える。 0:ーーそうか。ニュースの・・・ 0:そこに考えが至った瞬間。 0:記憶の濁流が私を襲った。 0:微かだった記憶の、夢の中のあの子が輪郭を取り戻していく。 0: 0:思い出した。 0:母娘の絆。託された想い。夢の中の約束。 0:安堵したような微笑みを残し空に溶けた白いワンピースに、僕は誓う。 0:――必ず、助けてみせる。 0: 0:【最終走者 桜美さくら】 0:数日後、匿名で警察に送られた連絡によりカルト宗教に誘拐されていた女の子が助けられたと知った。女の子の名前は〝こころ〟と聞いた。女の子には不思議な力があると宗教側は譲らなかったらしい。 0:通常では説明がつかない事柄を幾つも言い当てた・・・とか。白いワンピースの女性が出てきたのも、一般人の男性が急に心の読める力を得たのも、その女の子の力なのかもしれない。 0: 0:(終焉) 0: 0: 0:【企画主のあとがき】 0:企画にご参加くださいましたライター様、ありがとうございました。投稿が遅くなり申し訳ございません。今回は設定を設け作成していき内容をまとめる事が企画主では難しく作成までに時間がかかりました。 0:共に文字を紡ぐことが楽しいと想える『仲間』と出会えた事、考える楽しみを味わえた事、私は嬉しく思います。