声劇台本置き場

0：魔王城 0：謁見の間で凍結された魔王 0：1人の魔族が話しかける Nova：メビウス様。貴方のことだからご存知かと思いますが。あの男が世界を統べました Nova：そう、貴方を倒したあの男ですよ Nova：私は正直言って、誰が世界を統べようと構わないと思っています Nova：あの男にも立派な信念があった。その心意気のもとでどんな世界が生まれるのか、実は興味があります Nova：もちろん貴方が再び息を吹き返すのなら喜んでお仕えしますよ。そのために今日までを生きてきたのですから 0：　 Nova：人々は平和を求める。悪は必ず滅びる。世の常ですね Nova：いつだってアウェイだった Nova：その中で猛威をふるう貴方はかっこよかった。とても強かった Nova：はぐれ物の私たちにとって、メビウス様だけが希望の光、救いだったのです Nova：もう少し早ければ… 0：　 Nova：あの男は私にも正義の職を与えてくれるようです Nova：…パン屋だそうですよ、この私が Nova：傑作だ。こんなにもゴツゴツした手でパンなどこねられるでしょうか…？ Nova：角は切った方がいいでしょうか。笑顔の練習とやらをしておくべきでしょうか Nova：初めてのことばかりで分かりません。私にご教授いただけませんか Nova：なんて言いながらも、少しワクワクしている私めをどうかお許しください Nova：目標を失い、退屈だったのです 0：　 Nova：… Nova：もう一度は、ないのですね 0：　 Nova：今日までお疲れ様でした。さようなら、メビウス様 Nova：貴方の時代は終わったのです 0：　 0：　 0：謁見の間をあとにするNova 0：扉の外で別の魔族と鉢合わせる 0：　 0：　 Nova：…なんだ、アルファか。驚かせるな Nova：小麦…？ Nova：馬鹿かてめぇは。何クソ真面目にパン作ろうとしてんだよ Nova：建前に決まってんだろ。勇者の仲間が見ていたからな Nova：いいか。俺たちがやるのは一つ、世界征服だ Nova：メビウス様の意志をついで世界を統べるんだ Nova：そんなもん早く捨てろって言ってんだよ Nova：分かったらとっとと行って来い。これからは俺たちの時代だ 0：　 0：アルファと別れる 0：　 Nova：やれやれ、のんきな奴もいたもんだ Nova：ま、だから動かしやすいんだが Nova：ありがとよ勇者。おかげでメビウスにとどめもさせたしな 0：　 Nova：だが Nova：ただでは終わんねぇよ、今に見てろ Nova：次は俺の時代だ