台本概要
137 views
タイトル | Morning Glory |
---|---|
作者名 | ハルヤ (@subarashikisora) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ディストピア社会のお話。 スペロ、最後めっちゃ叫ぶと思います。 性別変更可。 137 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
スペロ | 男 | 42 | 少年 |
グロウ | 男 | 29 | 牢に居た男 警官も兼ねでお願いします。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
グロウ:“ディストピア”
グロウ:平等が実現され、悪が淘汰された社会。
グロウ:貧困、紛争、格差もない。
グロウ:それはそれは良い社会。
グロウ:良い社会……
グロウ:本当にそうなのだろうか。
グロウ:本当にこの社会は、この社会で生きる人々は、幸せなのだろうか。
0:
グロウ:これは今ではない何時か、此処ではない何処か、
グロウ:そんな世界で確かに存在していた、とある国と少年のお話。
0:
0:
0:
スペロ:この国は平和だ。
スペロ:だが俺は、この国を、この国に住む人々を、気持ち悪いと思ってしまう。
スペロ:毎日、毎日、毎日毎日毎日、同じことを繰り返すだけの日々。
0:
スペロ:そんな日常に、変化が起こる。
0:
警官:スペロ!お前を捕縛させてもらう!
0:
0:スペロを警官たちが取り囲む。
0:
スペロ:…は?ちょっおい!何でこんなことをするんだ!?
警官:「国に逆らう者は排除する」それが決まりだ。
スペロ:逆らうってそんなこと。
警官:お前、本を書いたな。
スペロ:えっ。
警官:「焚書政策」
警官:知らないとは言わせない。
警官:国の意向にそぐわない書物は燃やし、著者には制裁を下す。
スペロ:違うそんなんじゃない!!
警官:黙れ!「ユートピア」だって?笑わせる。連れていけ!
0:
0:牢に連行される。
0:
スペロ:何なんだ!何故なんだ!
警官:暴れるな!黙って牢に入ってろ!
0:
0:牢に押し込まれるスペロ
0:
スペロ:なんで俺がこんな目に…。くそっ!
スペロ:(M)ただ、胸に抱えた違和感が、この絶対監視社会でのくだらない日常を壊していった。
0:
グロウ:ほう、久方ぶりの人間か。
0:
0:牢の奥に一人の老いた男座っていた。
0:
スペロ:…お前、誰だよ。
グロウ:先住者をお前呼ばわりか。これから長い永い時を共に過ごすであろう私を、そんなに無下にしていいのかね?
グロウ:それに、名を聞く前に自分から名乗るってのが“レイギ”であろう?
0:
スペロ:…スペロだ。
グロウ:よくできました。
スペロ:子ども扱いすんじゃねぇ。
スペロ:言ったとおりに知ってやったんだ。お前も名乗れよ。
グロウ:「人へのものの頼み方がなってない!」と…言いたいところだが。
グロウ:まぁいいだろう。
グロウ:私はグロウ。よろしく頼むよ、少年。
グロウ:さてして、少年は何故、此処に来る羽目になったのかね?
スペロ:…。
グロウ:なんだね?このなぁ~んかキマズイ雰囲気は。
0:
グロウ:無理には聞かないさ。話したくなった時に話したまえ。
グロウ:私は何も持たない者だが、話くらいは聞けるさ。
グロウ:あいにくと待つのは得意なんでね…。
0:
スペロ:そう言って男は眠りについた。
スペロ:おかしな男だ。
スペロ:うざい。鬱陶しい。
スペロ:初対面だぞ?よくもあんなに馴れ馴れしくできる。
スペロ:こんな変な奴と毎日顔を合わせることになるなんて…
0:
0:ー翌朝ー
0:
グロウ:やぁやぁ、おはよう、少年。今日は実に良い朝だ。
スペロ:…おはよう。
グロウ:あ…ああ。おはよう。
スペロ:なんだよ。
グロウ:いやぁ、実に良いものだね。こうして挨拶を交し合える者がいるというのは。
スペロ:そうかよ。
グロウ:さてさて、今日は何をして過ごすか。なんてったって今日からは一人ではない。
グロウ:なぁに、時間はたっぷりとあるさ。
0:
0:
スペロ:無神経
スペロ:がさつ
スペロ:そして態度がひたすらにでかい。
スペロ:ただ、
スペロ:ほんの少し
スペロ:ほんの少しだけなら
スペロ:信用してもいいと思えた。
0:
0:
スペロ:…おい。話、聞いてくれるんだったよな。
グロウ:あぁ、もちろん。
スペロ:そうか…。
0:
スペロ:俺は、おかしいのだろうか。
スペロ:俺はこの国が、世界が、気持ち悪くてたまらない。
スペロ:みんなみんな同じ顔して、
スペロ:何を見ても、何を聞いても、何に触れても
スペロ:何も…感じないんだ。
スペロ:そんなのおかしいだろ!!
スペロ:いや、おかしいとすらも感じないんだろうな。
スペロ:この一色に染まったコンクリート街も
スペロ:繰り返されるだけの毎日も
0:
スペロ:俺に、力があれば…
スペロ:俺が、何かを変えられたら……
スペロ:なぁ、やっぱり俺はおかしいのか?
0:
0:黙って話を聞いていたグロウが突然語りだす。
0:
グロウ:かつて、この国に王が居たそうな。
グロウ:この暗黒郷が成立する前。
グロウ:誰もが自由に暮らせるそう、まさに理想郷。理想郷を創ろうとした王だ。
グロウ:そんな王も革命で倒された。
グロウ:何故だか分かるか?
グロウ:自由は責任と引き換えにあるものだからだ。
グロウ:誰しも責任は負いたくないものさ。
グロウ:今の国は、世界は、此処に暮らす民衆が望んだものだ。
グロウ:これを聞いて少年はこの王を、この国をどう思うかね?
0:
0:
0:
スペロ:…俺は、それでもこの世界はおかしいと思う。
グロウ:何故だ?
スペロ:責任を負うことから逃れたいって気持ちは十分に分かる。
スペロ:何をするにも責任に怯えて、身動きが取れないってのはどうしようもない。
スペロ:だが、なんの代償もなしに権利を得ようっていう方がどうかしてる。
スペロ:確かにルールは必要だ。
スペロ:でも、ルールで固められた世界なんて何の意味がある。
スペロ:考え方も感情も、言葉行動のひとつひとつを制限されていたら、この世界に未来はない!
グロウ:…うむ。
グロウ:先ほど、私の名はグロウと言ったな。
スペロ:あぁ。
グロウ:“グロウ”は私の愛称でな、私の本当の名は、
グロウ:“グロウリー”
グロウ:かつて、この国の王だった。
スペロ:…えっ。
グロウ:私が、先ほど話した王だ。信じられないか?
スペロ:いや…。
グロウ:少年、そなたには未来を創造する力がある。
グロウ:理想の世界を思い描き、現実に創りだす力だ。
スペロ:力…
グロウ:私が愛した国をどうするか、どうしたいかは、そなたに任せよう。
0:
0:スペロはグロウが手にした小瓶に入った何かに気づく。
0:
スペロ:グロウ!なにしてっ…
グロウ:あぁ、これか。
グロウ:これは、毒だ。
スペロ:えっ…
グロウ:私が何もしてこなかったと思うか?
グロウ:この毒は、現代の医療でさえ解毒することができない。
グロウ:なんて言ったって、この私が作った毒だからな。
スペロ:なんで…。
グロウ:私は死んでやるのさ!「死」が許されぬこの世界で!!
スペロ:…。
グロウ:私は、この時を待っていたんだ。
グロウ:何十年、何百年、たとえ皆に忘れ去られようとも…
グロウ:未来を託せる者が現れるまで。
グロウ:私がこれを飲んだら、大声を上げるんだ。
グロウ:「ジジィが毒を飲んだ!死にそうだ!!」ってな。
スペロ:…。
グロウ:泣くでない。そうしたらそなたはここから外へ出るんだ。
グロウ:それからはそなたの思うように生きろ。
グロウ:大丈夫だ。スペロ…。希望はそこにある。
0:
0:グロウは液体を一気に飲み干す。
0:
スペロ:グ…グロウ……。
0:
スペロ:「おっ…男がっ!!男が毒を飲んだぞ!!助けてくれ…。」
0:
0:看守たちが集まってくる。
0:
グロウ:行けっ…。
0:
0:スペロは牢を抜けて走り出す。
0:遠くに慌てる警官の声が聴こえてくる。
0:
スペロ:俺は、必死に走った。
スペロ:アイツの、グロウの意思を伝えるために、ただひたすらに、光の刺す方へ。
スペロ:あそこなら…
0:
0:スペロは、人が集まる広場の高台へと登る。
0:
スペロ:うおぉぉぉ!!!
0:
0:少年の叫び声に民衆は振り返り、視線が集まる。
0:
スペロ:かつて、王がいた!
スペロ:この世界に理想郷を創ろうとした傲慢な男だ。
スペロ:馬鹿みたいに大きな夢を馬鹿みたいにまっすぐに語るやつだ。
スペロ:そんな奴が居てくれたことに最期まで気づけなかった俺たちはどうしようもない阿呆だ!
スペロ:お前たちは何も思わないのか!感じないのか!
スペロ:見て見ぬふりをして、みんな同じ顔して笑ってんだ。おかしいだろ!
スペロ:生きることは、お前らが生きる意味は何だ?
スペロ:生まれてきた意味は、
スペロ:何のために此処に居る?
スペロ:生きるために生きるだなんて、そんなの、死んでるのと同じじゃないのか!
スペロ:目を覚ませよ!
スペロ:希望は此処にある!!
スペロ:栄光に手を伸ばせ!!!
0:
0:
警官:撃つぞ!!
0:
0:一発の銃声が鳴り響く。
0:
0:
スペロ:なぁ、グロウ…。見てるか?見えてるか?
スペロ:こんなに綺麗に咲いてんだぜ?
スペロ:グロウ…。
0:
0:
0:
グロウ:少年が手を伸ばした先には、花弁が朝日に照らされて、煌々と輝く花があった。
0:
0:
0:
グロウ:少年がどうなったのか。
グロウ:少年の声は民衆に届いたのか。
グロウ:これからどんな世界が創られていくのか。
グロウ:はたまた変わることはないのか。
0:
スペロ:それは君次第なのかもな。
0:
0:
スペロ:これは、そういうお話。
0:
0:
0:
グロウ:タイトルコール
スペロ:ー Morning Glory ー
0:
0:
0:
0:
0:終
0:
グロウ:“ディストピア”
グロウ:平等が実現され、悪が淘汰された社会。
グロウ:貧困、紛争、格差もない。
グロウ:それはそれは良い社会。
グロウ:良い社会……
グロウ:本当にそうなのだろうか。
グロウ:本当にこの社会は、この社会で生きる人々は、幸せなのだろうか。
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グロウ:これは今ではない何時か、此処ではない何処か、
グロウ:そんな世界で確かに存在していた、とある国と少年のお話。
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スペロ:この国は平和だ。
スペロ:だが俺は、この国を、この国に住む人々を、気持ち悪いと思ってしまう。
スペロ:毎日、毎日、毎日毎日毎日、同じことを繰り返すだけの日々。
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スペロ:そんな日常に、変化が起こる。
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警官:スペロ!お前を捕縛させてもらう!
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0:スペロを警官たちが取り囲む。
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スペロ:…は?ちょっおい!何でこんなことをするんだ!?
警官:「国に逆らう者は排除する」それが決まりだ。
スペロ:逆らうってそんなこと。
警官:お前、本を書いたな。
スペロ:えっ。
警官:「焚書政策」
警官:知らないとは言わせない。
警官:国の意向にそぐわない書物は燃やし、著者には制裁を下す。
スペロ:違うそんなんじゃない!!
警官:黙れ!「ユートピア」だって?笑わせる。連れていけ!
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0:牢に連行される。
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スペロ:何なんだ!何故なんだ!
警官:暴れるな!黙って牢に入ってろ!
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0:牢に押し込まれるスペロ
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スペロ:なんで俺がこんな目に…。くそっ!
スペロ:(M)ただ、胸に抱えた違和感が、この絶対監視社会でのくだらない日常を壊していった。
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グロウ:ほう、久方ぶりの人間か。
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0:牢の奥に一人の老いた男座っていた。
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スペロ:…お前、誰だよ。
グロウ:先住者をお前呼ばわりか。これから長い永い時を共に過ごすであろう私を、そんなに無下にしていいのかね?
グロウ:それに、名を聞く前に自分から名乗るってのが“レイギ”であろう?
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スペロ:…スペロだ。
グロウ:よくできました。
スペロ:子ども扱いすんじゃねぇ。
スペロ:言ったとおりに知ってやったんだ。お前も名乗れよ。
グロウ:「人へのものの頼み方がなってない!」と…言いたいところだが。
グロウ:まぁいいだろう。
グロウ:私はグロウ。よろしく頼むよ、少年。
グロウ:さてして、少年は何故、此処に来る羽目になったのかね?
スペロ:…。
グロウ:なんだね?このなぁ~んかキマズイ雰囲気は。
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グロウ:無理には聞かないさ。話したくなった時に話したまえ。
グロウ:私は何も持たない者だが、話くらいは聞けるさ。
グロウ:あいにくと待つのは得意なんでね…。
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スペロ:そう言って男は眠りについた。
スペロ:おかしな男だ。
スペロ:うざい。鬱陶しい。
スペロ:初対面だぞ?よくもあんなに馴れ馴れしくできる。
スペロ:こんな変な奴と毎日顔を合わせることになるなんて…
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0:ー翌朝ー
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グロウ:やぁやぁ、おはよう、少年。今日は実に良い朝だ。
スペロ:…おはよう。
グロウ:あ…ああ。おはよう。
スペロ:なんだよ。
グロウ:いやぁ、実に良いものだね。こうして挨拶を交し合える者がいるというのは。
スペロ:そうかよ。
グロウ:さてさて、今日は何をして過ごすか。なんてったって今日からは一人ではない。
グロウ:なぁに、時間はたっぷりとあるさ。
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スペロ:無神経
スペロ:がさつ
スペロ:そして態度がひたすらにでかい。
スペロ:ただ、
スペロ:ほんの少し
スペロ:ほんの少しだけなら
スペロ:信用してもいいと思えた。
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スペロ:…おい。話、聞いてくれるんだったよな。
グロウ:あぁ、もちろん。
スペロ:そうか…。
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スペロ:俺は、おかしいのだろうか。
スペロ:俺はこの国が、世界が、気持ち悪くてたまらない。
スペロ:みんなみんな同じ顔して、
スペロ:何を見ても、何を聞いても、何に触れても
スペロ:何も…感じないんだ。
スペロ:そんなのおかしいだろ!!
スペロ:いや、おかしいとすらも感じないんだろうな。
スペロ:この一色に染まったコンクリート街も
スペロ:繰り返されるだけの毎日も
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スペロ:俺に、力があれば…
スペロ:俺が、何かを変えられたら……
スペロ:なぁ、やっぱり俺はおかしいのか?
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0:黙って話を聞いていたグロウが突然語りだす。
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グロウ:かつて、この国に王が居たそうな。
グロウ:この暗黒郷が成立する前。
グロウ:誰もが自由に暮らせるそう、まさに理想郷。理想郷を創ろうとした王だ。
グロウ:そんな王も革命で倒された。
グロウ:何故だか分かるか?
グロウ:自由は責任と引き換えにあるものだからだ。
グロウ:誰しも責任は負いたくないものさ。
グロウ:今の国は、世界は、此処に暮らす民衆が望んだものだ。
グロウ:これを聞いて少年はこの王を、この国をどう思うかね?
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スペロ:…俺は、それでもこの世界はおかしいと思う。
グロウ:何故だ?
スペロ:責任を負うことから逃れたいって気持ちは十分に分かる。
スペロ:何をするにも責任に怯えて、身動きが取れないってのはどうしようもない。
スペロ:だが、なんの代償もなしに権利を得ようっていう方がどうかしてる。
スペロ:確かにルールは必要だ。
スペロ:でも、ルールで固められた世界なんて何の意味がある。
スペロ:考え方も感情も、言葉行動のひとつひとつを制限されていたら、この世界に未来はない!
グロウ:…うむ。
グロウ:先ほど、私の名はグロウと言ったな。
スペロ:あぁ。
グロウ:“グロウ”は私の愛称でな、私の本当の名は、
グロウ:“グロウリー”
グロウ:かつて、この国の王だった。
スペロ:…えっ。
グロウ:私が、先ほど話した王だ。信じられないか?
スペロ:いや…。
グロウ:少年、そなたには未来を創造する力がある。
グロウ:理想の世界を思い描き、現実に創りだす力だ。
スペロ:力…
グロウ:私が愛した国をどうするか、どうしたいかは、そなたに任せよう。
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0:スペロはグロウが手にした小瓶に入った何かに気づく。
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スペロ:グロウ!なにしてっ…
グロウ:あぁ、これか。
グロウ:これは、毒だ。
スペロ:えっ…
グロウ:私が何もしてこなかったと思うか?
グロウ:この毒は、現代の医療でさえ解毒することができない。
グロウ:なんて言ったって、この私が作った毒だからな。
スペロ:なんで…。
グロウ:私は死んでやるのさ!「死」が許されぬこの世界で!!
スペロ:…。
グロウ:私は、この時を待っていたんだ。
グロウ:何十年、何百年、たとえ皆に忘れ去られようとも…
グロウ:未来を託せる者が現れるまで。
グロウ:私がこれを飲んだら、大声を上げるんだ。
グロウ:「ジジィが毒を飲んだ!死にそうだ!!」ってな。
スペロ:…。
グロウ:泣くでない。そうしたらそなたはここから外へ出るんだ。
グロウ:それからはそなたの思うように生きろ。
グロウ:大丈夫だ。スペロ…。希望はそこにある。
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0:グロウは液体を一気に飲み干す。
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スペロ:グ…グロウ……。
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スペロ:「おっ…男がっ!!男が毒を飲んだぞ!!助けてくれ…。」
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0:看守たちが集まってくる。
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グロウ:行けっ…。
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0:スペロは牢を抜けて走り出す。
0:遠くに慌てる警官の声が聴こえてくる。
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スペロ:俺は、必死に走った。
スペロ:アイツの、グロウの意思を伝えるために、ただひたすらに、光の刺す方へ。
スペロ:あそこなら…
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0:スペロは、人が集まる広場の高台へと登る。
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スペロ:うおぉぉぉ!!!
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0:少年の叫び声に民衆は振り返り、視線が集まる。
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スペロ:かつて、王がいた!
スペロ:この世界に理想郷を創ろうとした傲慢な男だ。
スペロ:馬鹿みたいに大きな夢を馬鹿みたいにまっすぐに語るやつだ。
スペロ:そんな奴が居てくれたことに最期まで気づけなかった俺たちはどうしようもない阿呆だ!
スペロ:お前たちは何も思わないのか!感じないのか!
スペロ:見て見ぬふりをして、みんな同じ顔して笑ってんだ。おかしいだろ!
スペロ:生きることは、お前らが生きる意味は何だ?
スペロ:生まれてきた意味は、
スペロ:何のために此処に居る?
スペロ:生きるために生きるだなんて、そんなの、死んでるのと同じじゃないのか!
スペロ:目を覚ませよ!
スペロ:希望は此処にある!!
スペロ:栄光に手を伸ばせ!!!
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警官:撃つぞ!!
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0:一発の銃声が鳴り響く。
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スペロ:なぁ、グロウ…。見てるか?見えてるか?
スペロ:こんなに綺麗に咲いてんだぜ?
スペロ:グロウ…。
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グロウ:少年が手を伸ばした先には、花弁が朝日に照らされて、煌々と輝く花があった。
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グロウ:少年がどうなったのか。
グロウ:少年の声は民衆に届いたのか。
グロウ:これからどんな世界が創られていくのか。
グロウ:はたまた変わることはないのか。
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スペロ:それは君次第なのかもな。
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スペロ:これは、そういうお話。
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スペロ:ー Morning Glory ー
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