台本概要
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タイトル | せおはやみ |
---|---|
作者名 | 柿間朱夏 (@syuka_kakima) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
学生時代、お互いに想いあっていながらもそのまま離れてしまった二人が、同窓会で再会するお話です。 百人一首の有名な歌である 「瀬をはやみ」から着想しました。 台本ご利用の際は、作者(@syuka_kakima)をメンションしてツイートしてくださると大変嬉しいです!アーカイブあれば絶対聞きます!! 550 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
瀬尾 | 男 | 84 | 天然の人たらしで人気者。いつもテンション高めで憎めない性格。 |
速水 | 女 | 84 | 読書が趣味の文学少女。感情の起伏は乏しく、テンション低め。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
瀬尾:あれ、まだ帰ってなかったのかよ
速水:ちょうど今帰ろうとしてたとこ
瀬尾:とか言って実は俺の事待っててくれてたり?
速水:しないわね
瀬尾:即答!恐ろしいほど早い回答!俺じゃなきゃ聴き逃しちゃうね!
速水:うるさいな、インドアフィッシュ発動するわよ
瀬尾:ハンターハンターかよ
速水:いや言い出しっぺ あんたなんだけど
瀬尾:速水ってほんとジャンプ系の漫画好きだよな
速水:兄貴の影響だろうね
瀬尾:しかもちょっと古め
速水:悪かったわね
瀬尾:図書館の魔女と呼ばれてる速水がまさかのジャンプオタクとは誰も思わないだろうな
速水:誰が魔女よ
瀬尾:あれ、本人は知らない系?
速水:え、私ほんとにそんな異名ついてんの?
瀬尾:らしいよ?
速水:最悪。しかもセンス悪っ
瀬尾:そうか?カッコイイけどなー、図書館の魔女!
速水:別に黒魔術の本とか読んでないけどね
瀬尾:てかそんな本そもそも置いてないだろ
速水:あんた図書館行ったことないでしょ
瀬尾:なくてもそれくらい分かるっての
速水:バカだねー。黒魔術の本、普通にあるよ
瀬尾:マジで!?
速水:うん。市立図書館で読んだことある
瀬尾:マジかよ……図書館侮れんな…。てか読んでんじゃねーかよ
速水:信じないでよ、こんなの
瀬尾:うそかよ!お前な、嘘はもっとテンション高めに言えよな
速水:瀬尾はいつでもテンション上げすぎなのよ
瀬尾:別にこれが俺のデフォルトなんだよ
速水:私もこれがデフォルトなのよ
瀬尾:…あーでも
速水:なに
瀬尾:速水と話す時は、ちょっとだけ、高いかも。テンション
速水:なんでよ。もしかして私が低いから気を使ってくれてるの?
瀬尾:そんなんじゃねーよ
速水:ちなみに私も瀬尾と話す時はテンション高めだよ。これでも
瀬尾:あ、え、マジで?
速水:コンマ5%くらいね
瀬尾:誤差の範囲じゃねーかよ!もっと上げてけ?
速水:あは
瀬尾:あ、笑った
速水:笑ってない
瀬尾:好きなんだけどなー、速水の笑った顔
速水:……直球やめてくれない?
瀬尾:は?…あ!いや今のは違っ!
速水:ほんと瀬尾って人たらしだよね
瀬尾:んなことねーよ
速水:ついさっきまで女子に呼び出されておいてよく言うわ
瀬尾:な、なんでそれ知ってんだよ
速水:そりゃ廊下であれだけ堂々と誘われてれば嫌でも目に入るわよ。3組の岩村さんだよね、勇気あるなー彼女
瀬尾:……もしかして妬いた?
速水:意味がわからないのですが
瀬尾:ですよねー
速水:……で、どうしたの?
瀬尾:え?
速水:付き合うの?
瀬尾:岩村と?
速水:この話の流れで他に誰と?
瀬尾:断ったよ
速水:……あんたの理想って割と高いんだね
瀬尾:別に普通だと思うけどな
速水:知ってる?岩村さんて、今年のミスコン最有力候補
瀬尾:へー
速水:うわー、微塵も興味無さそうな顔
瀬尾:うん、ない
速水:そしてあんたがこないだ振った、一年の滝川さんは、新入生ナンバーワン人気
瀬尾:速水って意外とそういうの詳しいのな
速水:もはや女子ツートップとも言える二人を断っておいて、理想は高くないと…
瀬尾:だって俺の中じゃ全然ツートップじゃないからな。仕方ないだろ
速水:だからそれが理想が高いってことでしょ
瀬尾:ていうか、俺好きな人いるからね
速水:…………初耳
瀬尾:うん、初めて人に言ったわ
速水:いたんだ
瀬尾:いたねえ
速水:……
瀬尾:……
速水:あ、やば図書館閉まっちゃう
瀬尾:速水
速水:またね、瀬尾
瀬尾:速水!
速水:なに
瀬尾:……いや、また明日な
瀬尾:
速水:(ナレーション)なんとなく。本当になんとなく。彼の気持ちには気づいていた。でも、当時の私はまだ幼くて、彼の気持ちを確かめる勇気はなくて。自分の気持ちを彼に悟られることすら怖くて、ひたすら感情を閉じ込めていた。結局、私たちの関係にはなんの変化もないまま、卒業式を終えた。卒業してすぐの頃は、たまに連絡を取り合っていたが、彼は東京、私は地元の大学と、物理的な距離も広がったせいか、徐々に疎遠になってしまっていた
速水:
瀬尾:ういーす。…おー、久しぶり!あはは太ったなー、末松!幸せ太りかよ、コノヤロウ!よー、元気かよ!…うるせーな、俺だって少しは成長したっての!あはは
瀬尾:
速水:(ナレーション)クラスの誰かが「三十路の会」なるものを企画した。彼に会うのは成人式以来だった
速水:
瀬尾:隣いい?
速水:どうぞ
瀬尾:どうも
速水:相変わらずの人たらしぶりですね
瀬尾:なんで敬語なんだよ
速水:他意はありません
瀬尾:あー、緊張してんだな?
速水:なんで私が緊張する必要があるのよ
瀬尾:ごめん、緊張してんの俺だったわ
速水:……そういうの、サラッと言えるようになったんだね
瀬尾:そりゃいつまでも思春期こじらせていられないからな
速水:悪かったわね
瀬尾:こじらせてんすか?
速水:……
瀬尾:睨むなって!こえーよ!
速水:熱い視線を送っただけよ
瀬尾:熱すぎて火傷するわ
速水:アロエでも貼っておきなさい
瀬尾:出たな、速水の「知恵袋」
速水:人をおばあちゃんみたいに言わないでくれる?
瀬尾:あはは、変わんないなーお前
速水:あんたもね
瀬尾:相変わらず居心地いいわ
速水:うわー、さむい。南極?南極なのここは?
瀬尾:なんでだよ
速水:その辺の安い女を口説く感じで話すのやめてもらっていいですか?
瀬尾:そ、そんなんじゃねーよ!
速水:ほんと変わんないねーあんた
瀬尾:そういう速水はどうなんだよ。なんか変わったのか?
速水:割と激変したと思うけどね
瀬尾:た、たとえば?
速水:そうね、とりあえずもう速水じゃない
瀬尾:ええ!?…結婚、したんだ
速水:瀬尾は?
瀬尾:俺?いや、俺は、全然…
速水:えーでも彼女はさすがに居るんでしょ
瀬尾:うわー、なんかムカつくな、その余裕ぶり
速水:別に余裕ぶってないわよ。で、どうなのよ
瀬尾:そりゃ彼女くらいは…
速水:いるんだ
瀬尾:欲しいです
速水:いないんだ
瀬尾:文句あるかよ
速水:ないわよ
瀬尾:……
速水:にしても、ほんとあんたって
瀬尾:理想は高くないぞ
速水:自覚してないだけでしょ。とりあえず適当に付き合ってみればいいのに。好きになるかもしれないじゃない
瀬尾:好きでもない女と付き合えるわけないだろ。相手に失礼じゃないか
速水:童貞かよ
瀬尾:さすがにそれはねーよ
速水:魔法使いになりそこねたか
瀬尾:最初から目指してないわ
速水:あは
瀬尾:……ちきしょ
速水:ほんと変わらないよね。すぐ騙される
瀬尾:は?
速水:確かに名字は変わったけど。親が離婚しただけだから
瀬尾:え?じゃ、結婚は
速水:してないよ。彼氏もいない
瀬尾:あ、そうなんだ!
速水:嬉しそうに言わないでくれる?
瀬尾:あ悪い…つい
速水:まったく…
瀬尾:…なあ、速水
速水:なに
瀬尾:この後、二人で飲みに行かないか?
速水:でも二次会あるんじゃないの?
瀬尾:別に二人抜けるくらい構わないだろ
速水:私は居ても居なくても一緒だろうけど、瀬尾が抜けたらみんな寂しがるよ
瀬尾:俺は…速水に言いたい事があるから
速水:(呟く)やっと言ってくれるんだ
瀬尾:え、なんか言った?
速水:なんにも。……あのさ、私も、瀬尾にずっと言いたかった事があるんだよね
瀬尾: え、なに?
速水:後でね
0:
速水:瀬を早み
瀬尾:岩にせかるる滝川の
速水:割れても末(すえ)に
瀬尾:逢わんとぞ思う
瀬尾:あれ、まだ帰ってなかったのかよ
速水:ちょうど今帰ろうとしてたとこ
瀬尾:とか言って実は俺の事待っててくれてたり?
速水:しないわね
瀬尾:即答!恐ろしいほど早い回答!俺じゃなきゃ聴き逃しちゃうね!
速水:うるさいな、インドアフィッシュ発動するわよ
瀬尾:ハンターハンターかよ
速水:いや言い出しっぺ あんたなんだけど
瀬尾:速水ってほんとジャンプ系の漫画好きだよな
速水:兄貴の影響だろうね
瀬尾:しかもちょっと古め
速水:悪かったわね
瀬尾:図書館の魔女と呼ばれてる速水がまさかのジャンプオタクとは誰も思わないだろうな
速水:誰が魔女よ
瀬尾:あれ、本人は知らない系?
速水:え、私ほんとにそんな異名ついてんの?
瀬尾:らしいよ?
速水:最悪。しかもセンス悪っ
瀬尾:そうか?カッコイイけどなー、図書館の魔女!
速水:別に黒魔術の本とか読んでないけどね
瀬尾:てかそんな本そもそも置いてないだろ
速水:あんた図書館行ったことないでしょ
瀬尾:なくてもそれくらい分かるっての
速水:バカだねー。黒魔術の本、普通にあるよ
瀬尾:マジで!?
速水:うん。市立図書館で読んだことある
瀬尾:マジかよ……図書館侮れんな…。てか読んでんじゃねーかよ
速水:信じないでよ、こんなの
瀬尾:うそかよ!お前な、嘘はもっとテンション高めに言えよな
速水:瀬尾はいつでもテンション上げすぎなのよ
瀬尾:別にこれが俺のデフォルトなんだよ
速水:私もこれがデフォルトなのよ
瀬尾:…あーでも
速水:なに
瀬尾:速水と話す時は、ちょっとだけ、高いかも。テンション
速水:なんでよ。もしかして私が低いから気を使ってくれてるの?
瀬尾:そんなんじゃねーよ
速水:ちなみに私も瀬尾と話す時はテンション高めだよ。これでも
瀬尾:あ、え、マジで?
速水:コンマ5%くらいね
瀬尾:誤差の範囲じゃねーかよ!もっと上げてけ?
速水:あは
瀬尾:あ、笑った
速水:笑ってない
瀬尾:好きなんだけどなー、速水の笑った顔
速水:……直球やめてくれない?
瀬尾:は?…あ!いや今のは違っ!
速水:ほんと瀬尾って人たらしだよね
瀬尾:んなことねーよ
速水:ついさっきまで女子に呼び出されておいてよく言うわ
瀬尾:な、なんでそれ知ってんだよ
速水:そりゃ廊下であれだけ堂々と誘われてれば嫌でも目に入るわよ。3組の岩村さんだよね、勇気あるなー彼女
瀬尾:……もしかして妬いた?
速水:意味がわからないのですが
瀬尾:ですよねー
速水:……で、どうしたの?
瀬尾:え?
速水:付き合うの?
瀬尾:岩村と?
速水:この話の流れで他に誰と?
瀬尾:断ったよ
速水:……あんたの理想って割と高いんだね
瀬尾:別に普通だと思うけどな
速水:知ってる?岩村さんて、今年のミスコン最有力候補
瀬尾:へー
速水:うわー、微塵も興味無さそうな顔
瀬尾:うん、ない
速水:そしてあんたがこないだ振った、一年の滝川さんは、新入生ナンバーワン人気
瀬尾:速水って意外とそういうの詳しいのな
速水:もはや女子ツートップとも言える二人を断っておいて、理想は高くないと…
瀬尾:だって俺の中じゃ全然ツートップじゃないからな。仕方ないだろ
速水:だからそれが理想が高いってことでしょ
瀬尾:ていうか、俺好きな人いるからね
速水:…………初耳
瀬尾:うん、初めて人に言ったわ
速水:いたんだ
瀬尾:いたねえ
速水:……
瀬尾:……
速水:あ、やば図書館閉まっちゃう
瀬尾:速水
速水:またね、瀬尾
瀬尾:速水!
速水:なに
瀬尾:……いや、また明日な
瀬尾:
速水:(ナレーション)なんとなく。本当になんとなく。彼の気持ちには気づいていた。でも、当時の私はまだ幼くて、彼の気持ちを確かめる勇気はなくて。自分の気持ちを彼に悟られることすら怖くて、ひたすら感情を閉じ込めていた。結局、私たちの関係にはなんの変化もないまま、卒業式を終えた。卒業してすぐの頃は、たまに連絡を取り合っていたが、彼は東京、私は地元の大学と、物理的な距離も広がったせいか、徐々に疎遠になってしまっていた
速水:
瀬尾:ういーす。…おー、久しぶり!あはは太ったなー、末松!幸せ太りかよ、コノヤロウ!よー、元気かよ!…うるせーな、俺だって少しは成長したっての!あはは
瀬尾:
速水:(ナレーション)クラスの誰かが「三十路の会」なるものを企画した。彼に会うのは成人式以来だった
速水:
瀬尾:隣いい?
速水:どうぞ
瀬尾:どうも
速水:相変わらずの人たらしぶりですね
瀬尾:なんで敬語なんだよ
速水:他意はありません
瀬尾:あー、緊張してんだな?
速水:なんで私が緊張する必要があるのよ
瀬尾:ごめん、緊張してんの俺だったわ
速水:……そういうの、サラッと言えるようになったんだね
瀬尾:そりゃいつまでも思春期こじらせていられないからな
速水:悪かったわね
瀬尾:こじらせてんすか?
速水:……
瀬尾:睨むなって!こえーよ!
速水:熱い視線を送っただけよ
瀬尾:熱すぎて火傷するわ
速水:アロエでも貼っておきなさい
瀬尾:出たな、速水の「知恵袋」
速水:人をおばあちゃんみたいに言わないでくれる?
瀬尾:あはは、変わんないなーお前
速水:あんたもね
瀬尾:相変わらず居心地いいわ
速水:うわー、さむい。南極?南極なのここは?
瀬尾:なんでだよ
速水:その辺の安い女を口説く感じで話すのやめてもらっていいですか?
瀬尾:そ、そんなんじゃねーよ!
速水:ほんと変わんないねーあんた
瀬尾:そういう速水はどうなんだよ。なんか変わったのか?
速水:割と激変したと思うけどね
瀬尾:た、たとえば?
速水:そうね、とりあえずもう速水じゃない
瀬尾:ええ!?…結婚、したんだ
速水:瀬尾は?
瀬尾:俺?いや、俺は、全然…
速水:えーでも彼女はさすがに居るんでしょ
瀬尾:うわー、なんかムカつくな、その余裕ぶり
速水:別に余裕ぶってないわよ。で、どうなのよ
瀬尾:そりゃ彼女くらいは…
速水:いるんだ
瀬尾:欲しいです
速水:いないんだ
瀬尾:文句あるかよ
速水:ないわよ
瀬尾:……
速水:にしても、ほんとあんたって
瀬尾:理想は高くないぞ
速水:自覚してないだけでしょ。とりあえず適当に付き合ってみればいいのに。好きになるかもしれないじゃない
瀬尾:好きでもない女と付き合えるわけないだろ。相手に失礼じゃないか
速水:童貞かよ
瀬尾:さすがにそれはねーよ
速水:魔法使いになりそこねたか
瀬尾:最初から目指してないわ
速水:あは
瀬尾:……ちきしょ
速水:ほんと変わらないよね。すぐ騙される
瀬尾:は?
速水:確かに名字は変わったけど。親が離婚しただけだから
瀬尾:え?じゃ、結婚は
速水:してないよ。彼氏もいない
瀬尾:あ、そうなんだ!
速水:嬉しそうに言わないでくれる?
瀬尾:あ悪い…つい
速水:まったく…
瀬尾:…なあ、速水
速水:なに
瀬尾:この後、二人で飲みに行かないか?
速水:でも二次会あるんじゃないの?
瀬尾:別に二人抜けるくらい構わないだろ
速水:私は居ても居なくても一緒だろうけど、瀬尾が抜けたらみんな寂しがるよ
瀬尾:俺は…速水に言いたい事があるから
速水:(呟く)やっと言ってくれるんだ
瀬尾:え、なんか言った?
速水:なんにも。……あのさ、私も、瀬尾にずっと言いたかった事があるんだよね
瀬尾: え、なに?
速水:後でね
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速水:瀬を早み
瀬尾:岩にせかるる滝川の
速水:割れても末(すえ)に
瀬尾:逢わんとぞ思う