台本概要
420 views
タイトル | 白い羽 |
---|---|
作者名 | ハルヤ (@subarashikisora) |
ジャンル | 童話 |
演者人数 | 5人用台本(不問5) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
空へと羽ばたけるのは黒い翼だけ。 この白い羽がぼくを地に縛り付ける。 これは出来損ないの白いアルビノカラスのお話 420 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
アルビノ | 不問 | 68 | 白い羽のカラス |
ノワール | 不問 | 43 | 群れの中にいたカラス |
三毛猫 | 不問 | 18 | アルビノの理解者 交通事故で片足を失くしている |
ボス | 不問 | 10 | カラスの群れのリーダー |
カラス | 不問 | 10 | カラスの群れの一匹 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
アルビノ:あっ、カラスだ……
三毛猫:おまえもあそこに入りたいのか……?
アルビノ:三毛猫くん、いや…そういうわけじゃないよ。ぼくは混ざれないし……
三毛猫:そっか
アルビノ:(M)ぼくはあそこに混ざれない。あそこにいることが許されない。
アルビノ:なぜならぼくは、アルビノカラス、……白い、カラスの成り損ないだから。
0:
ノワール:こんにちは、わたしノワール。きみがアルビノカラスだよね?
アルビノ:え、っと
ノワール:ねぇその手元にあるのはなに?
アルビノ:あっ、これは雑誌で……
0:雑誌を触るノワール
ノワール:へ~、これがマンガかぁ。はじめて見た!
アルビノ:あ、えと
0:
アルビノ:(M)ぼくが生まれたとき、両親はどう思ったのかな。群れの中でぼくはいつも浮いていた。
アルビノ:みんなは黒い。ぼくだけが白い。世界でぼくだけが、白かった。気持ち悪かったんだろうな。
アルビノ:実際、ぼくが親のいた群れから追い出されたとき、親もそれを止めなかったから。
アルビノ:そのあと、何か月か彷徨う中で、いくつかの群れと出会った。どこもぼくを歓迎してはくれなかった。
アルビノ:だから、ぼくは諦めたんだ。
アルビノ:成り損ないなんかに、居場所なんてないんだ。
0:
ノワール:……ノくん、ァルビノくん、アルビノくん
アルビノ:ん…ノワールさん!?
ノワール:本読みながらお昼寝?
アルビノ:うん……
0:
アルビノ:(M)寝てしまったのか…
0:
アルビノ:今日も来てくれたの?
ノワール:うん、これ!
アルビノ:これ、ボタン……?
ノワール:きれいでしょ?
アルビノ:うんでも、毎回会うたびに光物くれなくてもいいのに
ノワール:いいの、わたしがあげたいんだから
アルビノ:なんで、あげたいの…?
ノワール:えっ、う~ん。……友達だから…じゃ、だめ?
アルビノ:いや、別に……そっか
0:
アルビノ:友達、か……
0:
三毛猫:それで、今日はどうだったんだ?
アルビノ:今日はボタンをくれた
三毛猫:そうか
アルビノ:...三毛猫くん、友達、だってさ
三毛猫:え?
アルビノ:会ってからまだ全然経ってないのにねw絶対口先だけだよね(早口)
三毛猫:...口先だけのやつにこんなに物くれるとは思わないけど
アルビノ:それは...
三毛猫:素直に喜んどけよ
アルビノ:...うん
0:
ボス:おいみんな、最近ノワールを見かけないんだがどこにいるか分かるか
カラス:...あっ!そういえば最近「アルビノ」っていうやつと話に行っているはずですよ、ボス
ボス:アルビノ?
カラス:知らないですか?あの白いカラスですよ
ボス:ノワールが白いカラスと?
0:
アルビノ:あれは…ノワールさん……?
0:
ボス:なぁノワール。最近俺たちところに来ねぇのはアルビノっていうやつと一緒にいるかららしいな?
ノワール:…えっ
カラス:早く俺たちのところに戻って来いよ!...もしかしてお前、白いカラスと友達なのか?
ノワール:…そ。
カラス:なんだよ答えられねぇのか、まぁそんなやつと友達になんかなれねぇよなぁ笑
ノワール:あっ...いや
ボス:白いカラスなんかと俺たちは合わない!前みたいに、また一緒に広~い空を飛ぼうぜ!な!
ノワール:アルビノくんの何を知って……
0:
アルビノ:っ……。
アルビノ:〈小さなため息〉
アルビノ:やっぱり僕は変われない。僕は、アルビノなんだから……
0:
ノワール:アルビノくん、この本面白いね!
アルビノ:うん、そうだね。...ねぇ、ノワールさん
0:
アルビノ:(M)今日こそ、言うんだ
0:
アルビノ:僕たち、もう会わないようにしよう
ノワール:え…なんで……?
アルビノ:だって、ノワールさん、ぼくと一緒じゃいけないんでしょ?
ノワール:そんなことっ!
アルビノ:見たんだ、ノワールさんが、その...いじめられているところ
ノワール:……
0:
アルビノ:(M)別に、別れなんか悲しくない。でも、この「どこか慣れてしまった“妙な気持ち”」それだけが僕の心を締め付ける
0:
ノワール:違う!言えなかったの!!
アルビノ:...何を
ノワール:アルビノくん…本当にごめんなさい
アルビノ:謝らなくていいよノワールさん
0:
カラス:おーいノワール!
ノワール:あっ……
アルビノ:じゃあ(別れを告げる
カラス:おいノワール、またこいつと一緒に居るのか。
ノワール:待ってよアルビノ君!!
カラス:ノワール!!ほっとけよ!!
ノワール:うるさい!!
ノワール:私は!アルビノ君の白い羽、綺麗だって思うんだよ!
0:
アルビノ:……なんだよ、それ。
アルビノ:ぼくは、誰よりも綺麗になりたいだとか、そんなこと望んでない!!
アルビノ:ただ、みんなと一緒に居たかった!!それだけなんだ!!
アルビノ:それの、何が悪いんだよ……
アルビノ:こんな“特別”要らなかった…………
ノワール:違う!違うのよ!
ノワール:私は、どんな見た目であっても、私はアルビノ君のそばに居たい!
アルビノ:……だよ
ノワール:えっ
アルビノ:うざいんだよお前!そんな安っぽい慰めなんていらないんだよ!!
アルビノ:そんな言葉で僕の傷が癒えるとでも思っているのか!!いいや、癒えない!消えることなんてない!!
アルビノ:お前にぼくの何がわかるんだ!!誰も助けてくれない。誰にもぼくが見えちゃいない。
アルビノ:産まれたときからこんなクソみたいな生き方しかしてこなかったんだ!
アルビノ:ママに甘えてぬくぬく育ったお前みたいなやつにわかるわけがない!
アルビノ:わかってたまるかよ!!!
アルビノ:何でぼくに話しかけるんだよ!
アルビノ:何でぼくに構うんだよ!
アルビノ:気持ち悪いんだよ!!!!!!!
ノワール:……っ
0:
アルビノ:あっ……
0:飛び去るアルビノ
0:
アルビノ:はぁっはぁっ……
アルビノ:「気持ち悪い」か……
アルビノ:気持ち悪いのは、僕の方なのにな……
0:
カラス:おい、化け物!ほんと気持ち悪いな
ボス:その赤い目をこっち向けてくんなよ!
アルビノ:群れのカラスたちに絡まれちゃったなぁどうしよう
カラス:なぁ、こいつを元に戻してやるためにさ、この泥ぶっかけてやろうぜw
ボス:いいな、それ! 俺らが治療してやるよ!それっ!
アルビノ:冷たっ、...早く終わらないかな
ボス:ははは、これでその変な色も隠せるなwまじで感謝しろよw
三毛猫:おい!!!
アルビノ:あれ?この声は...
三毛猫:おまえら、どっか行け!
アルビノ:三毛猫君...?
ボス:なんだよこの猫、邪魔すんなよ!
カラス:てかこいつ、片足ないじゃん
三毛猫:いいからどっかいけ!くそカラス!!!
ボス:な、なんだよ、くそ
0:
アルビノ:三毛猫君、ありがとう
三毛猫:おい、だいじょうぶか?あいつら...!!
アルビノ:しょうがないよ
0:
アルビノ:(M)そう、しょうがない。なぜならぼくは、アルビノカラス、...白い、カラスの成り損ないだから。
0:
三毛猫:アルビノ?どうしたんだ、浮かない顔して
アルビノ:三毛猫くん……
アルビノ:やっぱり、駄目だったんだ。何も変わらない、変わりっこない!
アルビノ:全部全部、駄目になっちゃった……
三毛猫:アルビノ、お前は、独りじゃないからな。
アルビノ:三毛猫くん……
アルビノ:三毛猫くんは、やっぱりすごいね。
三毛猫:すごい訳あるか。事故で片足を失くして、何とか今日まで生きてる。
三毛猫:運が良かったってだけだ。
アルビノ:どうして、そう、強くいられるの?
三毛猫:強い…か。そう見えるか?
アルビノ:うん。独りでも生きていられる。ぼくにはそんなこと……
三毛猫:強くはないさ。俺は…俺は弱いから独りなんだよ。
アルビノ:えっ?
三毛猫:大切な仲間を守れる力がないから、傷つけることが怖いから、
三毛猫:そばにおいておく勇気がないから、独りなんだ……
アルビノ:……
三毛猫:でも、なんだかな。
三毛猫:お前が居てくれるから、今日も生きようって思うんだよ。
三毛猫:だから、ありがとうな。
0:
ノワール:アルビノくん!!
アルビノ:あ…
ノワール:ちょっ、逃げないでよ!
アルビノ:だって……ぼく君にひどいこと言ったんだよ!
ノワール:それは……
アルビノ:(同時に)ごめん!
ノワール:(同時)ごめん!
アルビノ:え…?なんで謝るの?
ノワール:私、あの時言えなかった。
ノワール:アルビノ君は大好きな友達だって!
アルビノ:……え?
ノワール:アルビノくんと話してみたら分かった
ノワール:群れになって一緒に飛び回りたくなるほどきれいな心を持っていて、目には見えないけど光物なんかよりもっとアルビノくんの心の方が透き通っている。
ノワール:...あとアルビノくんの横が一番居心地がいい
ノワール:誰の前でもアルビノくんが大好きだって言う!もう怖くなんかない!…だって本当に大好きな友達だもん
アルビノ:友達...
ノワール:うん!アルビノくんは私の大好きな友達!!これは絶対に変わらない
アルビノ:…ありがとう…ノワールさんの気持ち伝わったよ
ノワール:ぁ...でもごめん、あの時自信をもって大好きな友達ですって言えなかった。アルビノくんのことを
アルビノ:ううん、もう全然気にしていないから!
アルビノ:そんなことより、ノワールさんさっきから大好きって言いすぎだよ...嬉しいけどなんかはずかしいよ笑
ノワール:え? あはは!だって大好きだもん!
アルビノ:ありがとう……
0:
ノワール:ねぇアルビノくん!今日は遠くまで飛びに行こう!
アルビノ:別にいいけど、どうして?いつものコースじゃだめなの?
ノワール:うん!だめなの!
アルビノ:どこに...って!ちょっと待ってよノワールさん!
ノワール:見て、アルビノくん
アルビノ:はぁはぁ...ノワールさん速いよ、えっ...?
ノワール:ここ、私が生まれた場所なの
アルビノ:…綺麗
ノワール:……うん。でもここにはもうなにもない
アルビノ:えっ?
ノワール:昔、ここは荒地だった。私が生まれて間もないころに、もの凄く強い嵐がきて、危なかったから避難した。
ノワール:親も兄弟たちも、私以外はみんな ……
ノワール:小さかったのは私だけじゃなったから親は何回か行き来して私以外の兄弟たちは安全な場所に連れて行った。
ノワール:でも、最後私が一人で待っているとき、雨も風も相当激しくなった。さすがに親もあきらめたんだと思う。
ノワール:私以外の兄弟を育てていかないといけない親の身として私を置いて行った。
アルビノ:…そうだったんだ
ノワール:ずっと独りだった。私はどこでどう生きていけばいいのか何もわからなかった。とても寂しかった!
ノワール:でももう今は、独りじゃない。
アルビノ:独りじゃ…ない……
ノワール:ねぇ!次は一緒に海の上を飛んでみようよ!!
アルビノ:えっ...!でも飛ぶの上手くないし
ノワール:これからだよ!それに何かあったら私が助けるから!さあ一緒に飛ぼう!アルビノくん!!
アルビノ:(M)自分の体を見られるのが嫌で最低限しか飛んでいなかったから、こうやって友達と見る地球の丸さにはまだ慣れない。
アルビノ:だけどノワールさんが僕に見せてくれた景色 そこがなによりもきれいな世界な気がしてきている
0:完
アルビノ:あっ、カラスだ……
三毛猫:おまえもあそこに入りたいのか……?
アルビノ:三毛猫くん、いや…そういうわけじゃないよ。ぼくは混ざれないし……
三毛猫:そっか
アルビノ:(M)ぼくはあそこに混ざれない。あそこにいることが許されない。
アルビノ:なぜならぼくは、アルビノカラス、……白い、カラスの成り損ないだから。
0:
ノワール:こんにちは、わたしノワール。きみがアルビノカラスだよね?
アルビノ:え、っと
ノワール:ねぇその手元にあるのはなに?
アルビノ:あっ、これは雑誌で……
0:雑誌を触るノワール
ノワール:へ~、これがマンガかぁ。はじめて見た!
アルビノ:あ、えと
0:
アルビノ:(M)ぼくが生まれたとき、両親はどう思ったのかな。群れの中でぼくはいつも浮いていた。
アルビノ:みんなは黒い。ぼくだけが白い。世界でぼくだけが、白かった。気持ち悪かったんだろうな。
アルビノ:実際、ぼくが親のいた群れから追い出されたとき、親もそれを止めなかったから。
アルビノ:そのあと、何か月か彷徨う中で、いくつかの群れと出会った。どこもぼくを歓迎してはくれなかった。
アルビノ:だから、ぼくは諦めたんだ。
アルビノ:成り損ないなんかに、居場所なんてないんだ。
0:
ノワール:……ノくん、ァルビノくん、アルビノくん
アルビノ:ん…ノワールさん!?
ノワール:本読みながらお昼寝?
アルビノ:うん……
0:
アルビノ:(M)寝てしまったのか…
0:
アルビノ:今日も来てくれたの?
ノワール:うん、これ!
アルビノ:これ、ボタン……?
ノワール:きれいでしょ?
アルビノ:うんでも、毎回会うたびに光物くれなくてもいいのに
ノワール:いいの、わたしがあげたいんだから
アルビノ:なんで、あげたいの…?
ノワール:えっ、う~ん。……友達だから…じゃ、だめ?
アルビノ:いや、別に……そっか
0:
アルビノ:友達、か……
0:
三毛猫:それで、今日はどうだったんだ?
アルビノ:今日はボタンをくれた
三毛猫:そうか
アルビノ:...三毛猫くん、友達、だってさ
三毛猫:え?
アルビノ:会ってからまだ全然経ってないのにねw絶対口先だけだよね(早口)
三毛猫:...口先だけのやつにこんなに物くれるとは思わないけど
アルビノ:それは...
三毛猫:素直に喜んどけよ
アルビノ:...うん
0:
ボス:おいみんな、最近ノワールを見かけないんだがどこにいるか分かるか
カラス:...あっ!そういえば最近「アルビノ」っていうやつと話に行っているはずですよ、ボス
ボス:アルビノ?
カラス:知らないですか?あの白いカラスですよ
ボス:ノワールが白いカラスと?
0:
アルビノ:あれは…ノワールさん……?
0:
ボス:なぁノワール。最近俺たちところに来ねぇのはアルビノっていうやつと一緒にいるかららしいな?
ノワール:…えっ
カラス:早く俺たちのところに戻って来いよ!...もしかしてお前、白いカラスと友達なのか?
ノワール:…そ。
カラス:なんだよ答えられねぇのか、まぁそんなやつと友達になんかなれねぇよなぁ笑
ノワール:あっ...いや
ボス:白いカラスなんかと俺たちは合わない!前みたいに、また一緒に広~い空を飛ぼうぜ!な!
ノワール:アルビノくんの何を知って……
0:
アルビノ:っ……。
アルビノ:〈小さなため息〉
アルビノ:やっぱり僕は変われない。僕は、アルビノなんだから……
0:
ノワール:アルビノくん、この本面白いね!
アルビノ:うん、そうだね。...ねぇ、ノワールさん
0:
アルビノ:(M)今日こそ、言うんだ
0:
アルビノ:僕たち、もう会わないようにしよう
ノワール:え…なんで……?
アルビノ:だって、ノワールさん、ぼくと一緒じゃいけないんでしょ?
ノワール:そんなことっ!
アルビノ:見たんだ、ノワールさんが、その...いじめられているところ
ノワール:……
0:
アルビノ:(M)別に、別れなんか悲しくない。でも、この「どこか慣れてしまった“妙な気持ち”」それだけが僕の心を締め付ける
0:
ノワール:違う!言えなかったの!!
アルビノ:...何を
ノワール:アルビノくん…本当にごめんなさい
アルビノ:謝らなくていいよノワールさん
0:
カラス:おーいノワール!
ノワール:あっ……
アルビノ:じゃあ(別れを告げる
カラス:おいノワール、またこいつと一緒に居るのか。
ノワール:待ってよアルビノ君!!
カラス:ノワール!!ほっとけよ!!
ノワール:うるさい!!
ノワール:私は!アルビノ君の白い羽、綺麗だって思うんだよ!
0:
アルビノ:……なんだよ、それ。
アルビノ:ぼくは、誰よりも綺麗になりたいだとか、そんなこと望んでない!!
アルビノ:ただ、みんなと一緒に居たかった!!それだけなんだ!!
アルビノ:それの、何が悪いんだよ……
アルビノ:こんな“特別”要らなかった…………
ノワール:違う!違うのよ!
ノワール:私は、どんな見た目であっても、私はアルビノ君のそばに居たい!
アルビノ:……だよ
ノワール:えっ
アルビノ:うざいんだよお前!そんな安っぽい慰めなんていらないんだよ!!
アルビノ:そんな言葉で僕の傷が癒えるとでも思っているのか!!いいや、癒えない!消えることなんてない!!
アルビノ:お前にぼくの何がわかるんだ!!誰も助けてくれない。誰にもぼくが見えちゃいない。
アルビノ:産まれたときからこんなクソみたいな生き方しかしてこなかったんだ!
アルビノ:ママに甘えてぬくぬく育ったお前みたいなやつにわかるわけがない!
アルビノ:わかってたまるかよ!!!
アルビノ:何でぼくに話しかけるんだよ!
アルビノ:何でぼくに構うんだよ!
アルビノ:気持ち悪いんだよ!!!!!!!
ノワール:……っ
0:
アルビノ:あっ……
0:飛び去るアルビノ
0:
アルビノ:はぁっはぁっ……
アルビノ:「気持ち悪い」か……
アルビノ:気持ち悪いのは、僕の方なのにな……
0:
カラス:おい、化け物!ほんと気持ち悪いな
ボス:その赤い目をこっち向けてくんなよ!
アルビノ:群れのカラスたちに絡まれちゃったなぁどうしよう
カラス:なぁ、こいつを元に戻してやるためにさ、この泥ぶっかけてやろうぜw
ボス:いいな、それ! 俺らが治療してやるよ!それっ!
アルビノ:冷たっ、...早く終わらないかな
ボス:ははは、これでその変な色も隠せるなwまじで感謝しろよw
三毛猫:おい!!!
アルビノ:あれ?この声は...
三毛猫:おまえら、どっか行け!
アルビノ:三毛猫君...?
ボス:なんだよこの猫、邪魔すんなよ!
カラス:てかこいつ、片足ないじゃん
三毛猫:いいからどっかいけ!くそカラス!!!
ボス:な、なんだよ、くそ
0:
アルビノ:三毛猫君、ありがとう
三毛猫:おい、だいじょうぶか?あいつら...!!
アルビノ:しょうがないよ
0:
アルビノ:(M)そう、しょうがない。なぜならぼくは、アルビノカラス、...白い、カラスの成り損ないだから。
0:
三毛猫:アルビノ?どうしたんだ、浮かない顔して
アルビノ:三毛猫くん……
アルビノ:やっぱり、駄目だったんだ。何も変わらない、変わりっこない!
アルビノ:全部全部、駄目になっちゃった……
三毛猫:アルビノ、お前は、独りじゃないからな。
アルビノ:三毛猫くん……
アルビノ:三毛猫くんは、やっぱりすごいね。
三毛猫:すごい訳あるか。事故で片足を失くして、何とか今日まで生きてる。
三毛猫:運が良かったってだけだ。
アルビノ:どうして、そう、強くいられるの?
三毛猫:強い…か。そう見えるか?
アルビノ:うん。独りでも生きていられる。ぼくにはそんなこと……
三毛猫:強くはないさ。俺は…俺は弱いから独りなんだよ。
アルビノ:えっ?
三毛猫:大切な仲間を守れる力がないから、傷つけることが怖いから、
三毛猫:そばにおいておく勇気がないから、独りなんだ……
アルビノ:……
三毛猫:でも、なんだかな。
三毛猫:お前が居てくれるから、今日も生きようって思うんだよ。
三毛猫:だから、ありがとうな。
0:
ノワール:アルビノくん!!
アルビノ:あ…
ノワール:ちょっ、逃げないでよ!
アルビノ:だって……ぼく君にひどいこと言ったんだよ!
ノワール:それは……
アルビノ:(同時に)ごめん!
ノワール:(同時)ごめん!
アルビノ:え…?なんで謝るの?
ノワール:私、あの時言えなかった。
ノワール:アルビノ君は大好きな友達だって!
アルビノ:……え?
ノワール:アルビノくんと話してみたら分かった
ノワール:群れになって一緒に飛び回りたくなるほどきれいな心を持っていて、目には見えないけど光物なんかよりもっとアルビノくんの心の方が透き通っている。
ノワール:...あとアルビノくんの横が一番居心地がいい
ノワール:誰の前でもアルビノくんが大好きだって言う!もう怖くなんかない!…だって本当に大好きな友達だもん
アルビノ:友達...
ノワール:うん!アルビノくんは私の大好きな友達!!これは絶対に変わらない
アルビノ:…ありがとう…ノワールさんの気持ち伝わったよ
ノワール:ぁ...でもごめん、あの時自信をもって大好きな友達ですって言えなかった。アルビノくんのことを
アルビノ:ううん、もう全然気にしていないから!
アルビノ:そんなことより、ノワールさんさっきから大好きって言いすぎだよ...嬉しいけどなんかはずかしいよ笑
ノワール:え? あはは!だって大好きだもん!
アルビノ:ありがとう……
0:
ノワール:ねぇアルビノくん!今日は遠くまで飛びに行こう!
アルビノ:別にいいけど、どうして?いつものコースじゃだめなの?
ノワール:うん!だめなの!
アルビノ:どこに...って!ちょっと待ってよノワールさん!
ノワール:見て、アルビノくん
アルビノ:はぁはぁ...ノワールさん速いよ、えっ...?
ノワール:ここ、私が生まれた場所なの
アルビノ:…綺麗
ノワール:……うん。でもここにはもうなにもない
アルビノ:えっ?
ノワール:昔、ここは荒地だった。私が生まれて間もないころに、もの凄く強い嵐がきて、危なかったから避難した。
ノワール:親も兄弟たちも、私以外はみんな ……
ノワール:小さかったのは私だけじゃなったから親は何回か行き来して私以外の兄弟たちは安全な場所に連れて行った。
ノワール:でも、最後私が一人で待っているとき、雨も風も相当激しくなった。さすがに親もあきらめたんだと思う。
ノワール:私以外の兄弟を育てていかないといけない親の身として私を置いて行った。
アルビノ:…そうだったんだ
ノワール:ずっと独りだった。私はどこでどう生きていけばいいのか何もわからなかった。とても寂しかった!
ノワール:でももう今は、独りじゃない。
アルビノ:独りじゃ…ない……
ノワール:ねぇ!次は一緒に海の上を飛んでみようよ!!
アルビノ:えっ...!でも飛ぶの上手くないし
ノワール:これからだよ!それに何かあったら私が助けるから!さあ一緒に飛ぼう!アルビノくん!!
アルビノ:(M)自分の体を見られるのが嫌で最低限しか飛んでいなかったから、こうやって友達と見る地球の丸さにはまだ慣れない。
アルビノ:だけどノワールさんが僕に見せてくれた景色 そこがなによりもきれいな世界な気がしてきている
0:完