声劇台本置き場

私：マーメイド 私：マーメイド、マーメイド 私：あなたは私を許してくれるかしら。 私：人間になってしまったあなたは足を手に入れたけれど、ずっと海で過ごしてきたあなたは歩くことは出来ないわ。 私：美しい歌声も、悲しみの涙で掠れて出なくなってしまったわ。 私：前をみるのよ、マーメイド。 私：陸に上がってしまったあなたを、私は遠くから思うことしか出来ない。 私：あなたは泣いてばかりで、こちらの言葉を忘れてしまったのかしら。 私：マーメイド 私：マーメイド、マーメイド 私：海の世界は楽しかったでしょう？ 私：あなたとお話するのが私の楽しみだったのよ。 私：あなたは忘れてしまったのかしら。 私：あなたの美しい声で私に語りかけてくれないのかしら。 私：陸での過ごし方を教えてくれないかしら。 私：あなたの見る世界はどんな世界なのかしらね。 私：マーメイド 私：マーメイド、マーメイド 私：あなたの気持ちを汲んでやれない私をあなたは恨んでいるかしら。 私：あの時、あなたを留められなかった私を恨んでいるかしら。 私：恨んでもいいわ。 私：憎んでもいいわ。 私：どうかお願い。 私：あなたをまっている私を忘れないで。 私：どうかお願い。 私：泡になんてならないで。 私：ねぇ、マーメイド 私：あなたの美しい声で、弾むような声で、私の名を呼んで。